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Bronco、KV戦車用履帯セットレビュー

F1017455 ●東京AFVの会の折に、ケン太さんより頂いた、Bronco Models製、1:35、“Russian 650mm OMSH Track Link Set for KV-1/KV-2 (Workable)”のレビュー。

KV戦車はそれなりに有名車輌でもあり、別売履帯は、古いモデルカステンの非可動式以来、だいぶあちこちの会社から出ているのだが、どうも「入手しやすく、使いやすい」ものがそれほどなく、ちょっと隔靴掻痒な状況にある。

ブロンコのこのセットは、値段はカステン可動式よりも安いし、形状がバッチリであれば大歓迎な製品なのだが、

Russian 650mm OMSH Track Link Set for KV-1/KV-2

という製品名からして、大いに怪しい(なお、「OMSH」とあるのは工場名かと思うが、はっきり判らない)

●KV系列の履帯のおさらい。基本、「私の理解では」という範囲での記述なので、間違っていたら御勘弁を。

T-34ほど煩雑ではないが、KV系列にも何種類かの履帯が使われている。細部をあれこれ言い出すとバリエーションが増えそうだが、基本は以下の通り。

標準型KV(KV-1、KV-2)に使われたものは700mm幅で、初期にはすべて1ピースタイプのリンクだったが、1941年型の後期、おそらく鋳造砲塔が使われ始めたのと前後して、2ピースタイプのリンクを混ぜ履きするようになる。

KV-1s、SU-152では、当初、左右フランジを斜めに削ぎ落としたような軽量型履帯が使われる。これも、1ピース型と2ピース型の混ぜ履きが標準。

軽量型履帯は「ちょっとやりすぎ」と考えられたのか、何か不具合があったのか、1s系の後期には、再びフランジが四角くなった履帯に戻る。標準型KVのものと非常によく似ているのだが、実際には左右幅が詰められていて、650mm幅となっている(上記軽量型も650mm幅か?)。これも、1ピース型と2ピース型の混ぜ履きが標準。後継であるJS戦車が初期に最も普通に履いている履帯も、まったく同じものと思われる。

なお、700mm幅履帯と650mm幅履帯は非常によく似ているが、以下のような点で見分けられる。

  • KV系列の履帯は内側から連結ピンを挿し、外側でCリングで留める?ような形になっている。ピンヘッドよりも、ピンエンド側がより突出しているが、700mm履帯ではピンエンドが履板フランジのラインよりも凹んでいるのに対し、650mm履帯ではほぼ同一線上になる。
  • 2ピース型の履板は、700mm履帯では分割部裏側に盛り上がり(センターガイド)がある。650mm履帯の2ピース履板にはこれがなく、まったく平面になっている。

ちなみに、KVの源流である多砲塔重戦車SMKや、KVの試作型は、標準型よりもやや幅の狭い履帯を使っているように見えるものがある。詳細未確認。

各タイプは、噛み合せ部の寸法はまったく同じで、混ぜて繋ぐことが可能であるらしい。

比較的有名な、KV-1s改造のKV-T戦車回収車の後姿の写真があるが、どうやらこの車輌は、700mm履板、軽量型履板、650mm履板を混ぜて履いている(左側履帯の中央の1枚だけ、幅が広い)。

●そんなわけで、ブロンコの履帯は、標準型のKV-1/KV-2用と銘打って650mm幅履帯を出している時点で、「えっ、何それ?」ということになる。

もっとも、上記のように650mm履帯と700mm履帯は、パッと見の形状はよく似ているので、知らん振りをして標準型KVにこれを使っても、気付くのはよほどのマニアだけ、とは言えるかもしれない。

そもそもこの履帯セットは、同社SU-152用に使われているもののうち、1ピース履板だけを倍にして発売したもの。どうせなら、2ピース履板もそのままにして出してくれたら、1s系用にもJS用にも使いやすかったはず。もっとも、そのタイプに関してはモデルカステンのJS用タイプB(SK-14)があるので、それほど必要性は高くない。

ちなみにトランペッターのSU-152の履帯は、聞くところによるとこれまた悩ましいもので、幅は700mm履帯なのに形状(2ピース履板の裏)は650mm履帯になっているそうな。

F1017453 F1017451●実際のブロンコの履帯セット詳細。ためしに、ピンのランナー一枝分を連結してみた。

表裏のモールドはこんな感じ。表(接地面)には鋳造を示す梨地が入っているが、表現は割と画一的というか、硬め。裏側もフランジ端がカクッと斜めに綺麗に削がれていて、これまたちょっと硬質な感じがする。

ただし、インジェクションの履帯にはよくある、押し出しピン跡がどこにも付いていないのは非常に好ましい。

連結ピンは、(当然そうなっていないと困るが)内側用のピン頭(平頭)と、外側用のピン先(留めリングの段付き)の2種付き。ただし、履板のピン穴開口部がやや大きく、ピン先のほうは、段の部分が履板にほぼ埋まってしまう。

F1017449●すぐ取り出すことができた他社の履帯との比較。

まずは、左から、マスタークラブのレジン版、ブロンコ、モデルカステンSK-7。

モデルカステンのSK-7は、間違えて歯数が1つ多いタミヤのKVに無批判に合わせているために、明らかにピッチが細かい。そのため、そのままではタミヤのKVにしか使えない(ただし、トラペその他の新しいKVキットに使用するために、わざわざ間違った歯数で作られた修正用起動輪が同梱されている)。

ブロンコとマスタークラブはほぼ同じだが、厳密には、わずかにブロンコのほうがピッチが広い。ただし、実際に模型に使用する分には誤差の範囲内で、少なくともトランペッターのKVの起動輪には問題なく巻けた。

ピッチの差は、マスタークラブ8リンクに対しカステン9リンク。ブロンコ6リンクに対しカステン7リンク、といったところ。

F1017437F1017445r 幅の比較。左はブロンコとマスタークラブ。こうして繋げてみると、幅の違いは歴然としている(逆に言えば、こうして繋いでみないとよく判らないのも確か)。

標準型KV履帯の幅は、後世の1:35戦車模型に合わせたかのような寸法であり、マスタークラブの履帯もきっかり2cm幅。噛み合せは、本来ならまったく同じのはずだが、この2社のパーツ間では、「ぐいぐいやればなんとかはまる」レベル。

右はモデルカステンとブロンコで、ピッチがおかしいカステンは、幅はほぼ標準型に近く、19mm強。こうしてみると、いかにも鋳造部品っぽい有機的なディテールはカステンのほうが「らしい」感じで、寸法間違いが惜しい。そろそろ潔く、トランペッター他の「新しいKVキット向け」に標準型履帯を(できれば初期の1ピースのみと、後期の2ピース混ぜ履きの2種で)出し直してくれないものだろうか。

F1017435 F1017440ついでに、各社接地面比較(左写真)。左から、トランペッターの標準型KVシリーズに入っている部分連結式履帯、ブロンコ、カステン、マスタークラブ。撮影時に適当に並べたので、左右と、真ん中2本とで向きが違う。

ちなみにトランペッターの部分連結式は、ご覧のようにディテールはマスタークラブに劣るが、それなりのレベルには仕上がっているし、幅はきっちり2cm。ただし、裏側にやたらに押し出しピン跡がある(右写真)こと、本来は2分割リンク混ぜ履きであるはずの後期型KVにもこの履帯パーツしか入っていないこと、位置がずれている上部転輪にあわせた弛みが付いていることなどが弱点。

●話がブロンコ履帯からずれた。

というわけでキット名称通りの使い方は出来ず、いささか特殊な仕様のブロンコKV履帯だが、1sでも、なぜか1ピース履帯だけを使っている例がある。

1sとしては割と有名な、砲塔に大きく白で2ケタ番号を書き入れた1部隊の連続写真があるが(たとえばこれ)、この部隊の車輌は、1ピースタイプの履板だけを繋げた履帯を使っている。この仕様を作る場合には、ブロンコの履帯は都合がいいことになる(というより、これしか使い道がない?)。

っていうか、どこか、安くて使いやすい700mm幅・2分割混ぜ履きタイプ出してよ……(現時点で比較的入手しやすいのが、高いフリウルかマスタークラブ・メタル版くらいしかない)。

●まったく関係ない話題。

少し前から、ネット上で、タミヤがソミュアS35を発売するという噂が飛び交っているらしい。しかも製品番号が35344であるとか、妙に具体的。

実際のところ、ルノーR35か、ソミュアS35かは、タミヤが出してもいいんじゃないかと常々思っていて、しかしそう思っている間にR35はホビーボスから出てしまった。残るフランスもののメジャーどころといえばS35だけだったわけで、出るとしたら非常に嬉しい。

●たまたま覗いたmixiで、いしぐりん氏から教えてもらった話題。

エアフィックスの2015年の新製品予定というのがなかなかトンガッテいて、どうやら72の新金型でデファイアントや九七艦攻が出る模様。飛行機がらみのセレクトだが、アルビオンAM463とかいう燃料補給車(リンク先のページでは643になっているが、正しくは463であるらしい)、ベッドフォードMWD軽トラックが48で。これは飛行機と絡めなくてもちょっと欲しい感じ。

●さらに関係のない話。

38(t)系列の操縦席は、ドイツ戦車とは逆に右側にある。なるほど、ドイツとチェコとでは道路が右側通行か左側通行かで違うんだな、と、ボンヤリ思っていたのだが、考えてみればヨーロッパ大陸は、各国とも右側通行のはず。あれれ?

と思って調べ直してみると、どうもチェコも戦前までは左側通行だったらしい。

もっと詳しく調べたらいつ左側通行から右側通行になったのか正確な時期がわかるかもしれないが、もしかしたら、ナチスドイツのチェコ併合で切り替わったのか?

というわけで、38(t)の車体ハッチは、操縦手席の上にあるわけではなく、無線手席の上にある。ついうっかり、「操縦手ハッチ」と言ってしまったりするが、アレは「車体ハッチ」ではあっても、「操縦手ハッチ」というには無理がある。トランスミッションの後ろを回って席に着くことを考えると、砲塔ハッチを使っても「こっちの方がちょっと遠いかな?」くらいではなかろうか。いずれにせよ、いざという時、操縦手は逃げ出しづらくてかわいそうだ。

ちなみに、ドイツ占領下で設計された駆逐戦車38(t)ヘッツァーでは、ペリスコープ位置で判るように、操縦手席は左に移動している。

そういえば、38(t)に「改造キット」を被せて「なんちゃってヘッツァー」を作ったという設定のガルパンはどうなっているのだろうと改めて思ったが、ちゃんと操縦手席は左に移動していた。まあ、そうでないと砲が載らない。

しかし実際の話、本来砲尾の右側から装填するPaK39を右に寄せて搭載してしまったため、ヘッツァーはひどく装填作業のしづらい車輌であったと聞く。それならば、操縦席は右側のままで、砲は左に寄せて搭載したほうがよかったんじゃないだろうか。

ところで、ヴィッカース6t戦車は、操縦席が右側にある。イギリスは左側通行だからこの位置は当然だと言えるのだが、同じヴィッカース社の水陸両用戦車は、操縦席が車体左寄りにある。なんつーいい加減な。

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トルディ!

●2月2日。

昼に弁当を食っていたら、何か小さく、口の中でガリッとした。夕食時にも何か違和感があったが、夕食後、ガムを食っていたら、右下の奥歯にかぶせた金属が取れてしまった。違和感の正体はこれかー。

実を言えば昨年末の11月に左奥の上だか下だかの金属が外れており、それを作り直して、年が明けて1月には同じ左奥の反対側の金属が外れ(これは外れたものをそのまま入れ直した)、連続3回目。これは、右奥上の金属も外れるのを待って歯医者に行くべきなのか?

なんて馬鹿なことを言っていても仕方ないので、明日行く予定。作り直しにならなければいいのだが、昼に何かカケラが出ていた気がするのでダメかもしれない。

●明夕、川崎の実家に顔を出すと母に電話したのだが、直後にR社から「月曜日までに」という急ぎの仕事が来たので延期。

F1031157 ●昨日今日と、夜、上空を飛行機の爆音が通る(要するに米軍機なのだと思う)。

このゴウゴウ響く音は、我が家の犬にとってはまったく雷と同質のもので、人にはほとんど感知できないあたりからしっかり聞き分けて、ハアハアしつつ、こいつ、痙攣して死んじゃうんじゃないかというくらいブルブル震える。

右は、なんとか飛行機は過ぎたが、またしばらくして戻ってくるんじゃないかと不安にかられている犬。

●ニュールンベルク・トイフェアの様子がいくつかのサイトですでに流れたりしている。

当初レポートでは、個人的には「これは!」というものはあまりなかったのだが、その後追加アイテムなどあり、なんとHOBBY BOSSからトルディIが!

その昔、toko(RODEN)からの発売情報が立ち消えになって以来、その後、ずいぶんマイナーなアイテムも出たが、それでも小国国産品まではなかなか無理だろうと思っていたが、まさかHOBBY BOSSから出るとは。

この辺のメーカーは割と細かく形式を分けてキットを出すので、IIaは出しそう。履帯を流用してニムロード/アンティIIまで行って欲しい気がするけれど、共通部分が少なすぎる。

トランペッターは相変わらず自社展示のソ連製砲兵トラクターの名前を取り違えている。S-65スターリネッツはキャビン付きも出る。まだ箱絵だけだが、なんと88mm搭載12tハーフ対戦車駆逐車型が出るそうな。

●先日組み立て終わった72の3キットは気が向いたときに塗ることにして、相変わらず、(仕事の合間の現実逃避的模型製作なので)あちこちつまみ食い。

F1031154 しばらく前に買った、MasterclubのKV用履帯(初期型)を繋ぐ。中途で放ってあるKV-2か、KV-1/m1940の後期の型に使うつもり。

KV用別売履帯が、現在いったい何社から出ているのか実は把握し切れていないのだが(元KV maniacs主宰としては恥ずかしい限り)、ご覧の通り、Masterclub製のものは成型状態もよく、ピン頭も内側・外側がきちんと表現が分けられていて美しい。

同じくKV初期型履帯では、国産のアトリエ・インフィニティ製のパチ嵌め式の物も持っているのだが、こちらは以前書いたように、どうもちょっと成型が頼りない。

とはいえ、Masterclubの出来がいいのは確かとしても、組立は面倒くさい。Masterclub製の履帯はパチ嵌め式とピン止め式の2種があって車種ごとに適当に分かれているが、KV用は後者。

しかし、リンク片側の接続部にズラリとゲート跡が並んでいて削り落とさないといけないし、ピンを挿す穴は貫通していないので、これまた1枚ごとに4箇所、注意深くドリルで開口しないといけない(ただし穴の入口はモールドされているので、よほどいい加減に工作しない限り、穴がずれることはまずない)。

そんなわけで一気に繋げる気にはなれず、現時点でまだ40枚くらい。1両分完成はまだまだだ……。

●KV用履帯は、カステンからも初期型は出ているし、フリウルからも初期/後期2種が出ている(1s以降が使っているJSと同系のものはとりあえず除外)。

カステンは別売履帯のハシリだが、ここの履帯は、ある程度正確さを目指したものと、使用キットに現物合わせにしてしまった適当なものとが混在していて、KV用や8tハーフ用は後者にあたる。以前にも書いたように、KV用は起動輪の歯数が多いタミヤに合わせてしまったのでピッチが短く、他社の起動輪には合わない。現在は専用の起動輪がセットされているようだ(しかし歯数が多いうえに皿のボルト数は少ない後期型)。

各キットの起動輪に関しては、トランペッターでさえボルト位置がしばしばずれており、あとはタミヤもズベズダもイースタンもいまいちなので、もし最初からカステンの履帯が正しいピッチで、正しい歯数と形状の起動輪とセットで出ていたらと考えると惜しい。ああ、もちろんイースタン用には、2分割混ぜ履きの後期型履帯でないとマズイけれども。

●棚を漁っていたら、すでに車体はほぼ組み終わったタミヤのキューベルワーゲンが出てきた。つらつら眺めていて、気になったこと。

タミヤのキューベルは、縦置きのマフラーと幅広の後部カバーだけでなく、車体前後のフック間のバーとか、短くなったフロント上面のリブとか、いろいろ特徴を持っている。

キューベルワーゲンにはまったく詳しくないのだが、これは例えば、結構後期の生産型で、グレーに塗ったりするのはちょっとマズイ、という仕様だったりしないのだろうか。

名脇役過ぎるせいか、どうもキューベルワーゲンに関して年式を云々することが滅多にないような気がする。もちろん、知っている人はとっくに知っていて、私が勝手にそう思い込んでいるだけなのかもしれないけれど。

昔々のモデルアートの名記事で、初期型と後期型では

  • 車体下部後部ガードの形状と幅が違う(初期は狭く、後期は広く2つの開口部がある)。
  • 排気管とマフラーの位置と形状が違う(初期型はマフラー横置き、後期型は縦置き)。
  • 後輪フェンダー後端の長さ違う(初期型は短く、後期型は長く、それに合わせて車体に三角の継ぎ板がある)。

などの違いがあることは知っていたが、さて、それではそれぞれ、何年何月頃から切り替わっているのだろうか。モデルアートでは確か言及されていなかった前後のバーや、予備タイヤ下のリブの長さは? また、車体後部上端のグリルに空気を導くカウル(というかダクト)は、明確に標準的な初期型の特徴を持って模型化されているタミヤ48のアフリカ仕様のキューベルにも付いているが、ということは、これは初期後期関係のないオプションなのだろうか。

最近グランパはまったく真面目に買っていないが、知らない号でしっかり特集されていたりしないだろうか。

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ぬいぐるみ状態クマー。

●現在手掛けている仕事が、もともと素人である私には激しく理解不能な内容のテンコ盛り。誰か私にH∞制御理論とかを易しく解説してください(泣)。

この間、心静かに悼むべきジョン・レノンの命日であるとか、私自身の誕生日であるとか(流石にこの歳になるとあまり目出度くはない)、忘年会の予定であるとか、矢継ぎ早にいろいろあった(はず)なのだが、すべてをすっ飛ばして頭を抱えて唸り続け、締切ブッチ切り街道爆走中。

ああ、私よりも仕事の下流にいる皆さん、どうも申し訳ありません。

●というような状態とオーバーラップして、体調不全。身体も動かさず閉じこもっているせいでもあるが、足がむくんで、惜しげもなく綿を詰め込んだぬいぐるみのようになる(特に夜)。一昨年の夏も同じ状態で医者に行ったんだよな……。

P1020084 ●そんな煮詰まった近況報告だけでは何なので、作り掛けで(シュトゥルミというライバルの出現と仕事の両方から攻められて)止まっているKV「ドレッドノート」の途中写真を少々。

現時点で、トランペッターのシリーズが1:35のKV戦車のキットとして最良であることにまず異論は無いだろうが、何かと下ごしらえが必要なことも確かで、私のコレもまだその段階を脱していない。

写真ではRB MODELSのアルミ砲身が付けてあるが、これは仮に挿してあるだけ。実際には、KV-2増加試作型(と言うべきか先行量産型と言うべきか)は量産型と違って砲口リングがないので、この砲身は使えない。

P1020091 2枚目は砲塔後側の砲メンテ用パネル。キットはボルト頭のモールドの都合で左右にパーツが分かれているが、精度が悪く接合部に段差ができる。ボルトを付けたまま綺麗に継ぎ目を修正するのはややこしそうだったので、一旦ボルトを全部削り取り、ベース部分を整形してからボルトを貼り直した。

ちなみに、このパネルはちょうどこの写真のように、横列は左が3つ、右が4つが標準なのだが、グランドパワー2000/8号26ページ下のように、左が4つ(あるいは、左4つ?)の車輌もある。最初は写真が裏焼きなのかと思ったが、尾灯と雑具箱の位置で裏焼きではないと確認できる。どうにも謎だ。

P10200933枚目も似たような作業で、トランペッターのKVシリーズの“下ごしらえ”のお約束、なぜか一番大事な表面だけ位置がずれているスプロケット固定ボルトの位置修正(途中経過写真)。

KV-2量産型製作記事に書いたように、運がよければ位置があまりずれていないパーツに出会う可能性もあるが、今回のドレッドノートでは両方ずれていた。案の定、移設作業中に1つ飛ばして紛失、見えなくなる裏面から1つネコババしてきてある。肩凝りする作業だし、前述のように現在は仕事で泥沼中なので、1つ終えてもう1つは未着手。

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KV-2「ドレッドノート」

●子供の頃、小中学生向けくらいの名作文学全集に出ていた、旧ソ連の「町から来た少女」というのを読んだ。いわゆる「大祖国戦争」時に、戦災に巻き込まれた少女が田舎の村に疎開してくる話で、たぶん、その話の中だったと思う。子どもたちが一緒にサウナに入って、そのうちの一人が木炭で壁に落書きをするのだが、それが反撃に出る赤軍戦車隊の絵で、

先頭を突き進むのは、カ・ウェ型戦車です!

というような一文があった。ずいぶん経ってから、ああ、あの「カ・ウェ型戦車」って、KVのことだったんだなあと思い至った。

●というわけ、では全然ないのだが、先日来、ちまちまと手を付けている、特価品で手に入れたトランペッターの「大砲塔KV」(キット名称『Russian KV "Big" Turret』)、要するにKV-2増加試作型の話。

同社のKV-2量産型については、すでに組み上げるだけは組み上げていて、詳細はこちら

P102tenrin 以前にも書いたように、トランペッターのKVシリーズはKVの主要な型をほとんど網羅しているだけでなく、構成する部品の違いも割と頑張って再現していて、さすが新世代のキットという感じ。この「大砲塔KV」も、平面で構成された試作型砲塔自体はこれまでガレージのコンバージョンキットで出ていたが、ゴム押さえ板の穴の数の多い、緩衝ゴム内蔵転輪の極初期型もちゃんとパーツ化されている。ついでに上部転輪もリブ付きのものになっているのがポイントが高い。

右画像は、一番右がこのキットに入っている極初期型、真ん中が一般的なタイプで、左がリム部に小リブのある(緩衝ゴム内蔵転輪としては)後期型。左のタイプは、エクラナミのキットに付属している。

P102hull ●トラペのKVシリーズ共通の下ごしらえとして、左右の第一上部転輪位置の移動がある。後ろ側の3つのボルト穴を埋め、前方に3mmずらしてダボ穴を開けた。

以前の説明では目分量で「約3mm」と書いたが、かさぴー氏のパロラの車輌実測で位置が確認できたので、今回は堂々と。

ダンパー基部については今回も追加工作はパス。しかし起動輪のスプロケットのボルト列は今回もずれていたので、いじる必要がある(未着手)。

P102rear ●これまで工作した2輌では手を付けなかったが、シャーシ後面の湾曲した装甲は、下端部に面取りがある(右写真参照)。

車体上部の湾曲装甲の面取りは極初期型だけの特徴なのだが(キットでも専用のパーツが用意されている)、下部のこの面取りは、現在キーロフスクにある40年型後期型でも見られる。

一方、アバディーンの鋳造砲塔型ではキット同様の面取り無しなので、(搭載砲の区別で言うところの)40年型から41年型に切り替わるあたりで、この処理も変更されたらしい。

もっとも、こんな部分を削っても作り上げてしまえば(ひっくり返さない限り)見えないので、ほとんど気分の問題。

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我が家の守護獣

P1000073 ●数日前の我が家のシーサー(阿形)。またまた、今度はシッポにオプション装備を付けられていた。

●金曜日、親父がますます立居も不自由になり、母に呼ばれて実家泊。

翌土曜日にベッドを分解して階下に下ろす。ついでに階下のトイレのウォシュレットを買い換えて交換しようとしたが、古いほうの取り付け方が特殊で手に負えず、そちらは結局改めて電気屋に依頼。

仕事がどうにも進まず、土曜日はそのまままた神保町の事務所に出て、事務所泊。

●慶應義塾大学出版会「日中戦争の国際共同研究」の返却期限が日曜日で、1巻目は何とか読んだが、2巻目の「日中戦争の軍事的展開」は読み掛け。

夕方、公民館に直接返却しに行き、窓口が閉まる直前まで読んでいたが、山東省への共産党軍の浸透くらいまでしか読めなかった。ただそこまででも、日中開戦もその後の経緯も、日本の戦略がいかに杜撰で希望的観測に基づいて泥沼化していくかが見えて興味深い。……そのうちまた借りよう。

一方、特に最近、仕事仲間であるK女史、P女史を相手にほとんどマンガ貸本屋と化しつつあり。

●仕事は進まないし、夜は寝苦しいしで、電車の中でも事務所でもストンと気を失うように寝てしまう。今季、すでに行きに数回、横須賀線で寝過ごして東京駅を通り過ぎ、錦糸町で半蔵門線に乗り換える羽目に。

それだけでなく、今日はとうとう県境を越えてしまい、気が付いたら市川だった。

得るものといえば、だいぶ高くなったスカイツリーを比較的間近に見られるところくらい。

●かさぱのす氏に、パロラのKVの上部転輪位置実測値について教わる。パロラには2輌の“クリム”があるが、第1上部転輪~第2上部転輪間は1,835mmと1,840mm、第2上部転輪~第3上部転輪間は1,735mmと1,730mmだったそうな。

トラペのKVのキットはここが等間隔になっているのが小さなミスで、すでに組んだ2輌では目分量で約3mm、第1上部転輪を前方に移動させたが、ほぼそれくらいでよかったということになる。一安心(もちろん、第2、第3の位置が正しければという前提だが)。

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ぼーっと。

●火曜日。家で仕事をしていると、どうしても煮詰まってきて、「うわぁ、進ま~ん」などと(心の中で)叫びながら履帯を繋いだりしてしまうので、神保町の事務所に出掛ける。

神保町に行ったからといって仕事がサクサク進むとは言い難いが、I君もまた煮詰まっていたりなどして、心が癒されたりする。いやダメだろうそれじゃ……。

●宵、C社長、I君とともに夕食に出る。選択肢がそれほど広くないにも関わらず(むしろ広くないから?)出掛ける段になって「どこ行こう?」と言い合ってなかなかまとまらないのはいつものことだが、結局、これまでI君と数度行ったことのある地下の中華料理店へ。

中国人のおねーさんが「これは美味い」とか「これとこれならこっちがオススメ」とか、たどたどしい日本語で一所懸命薦めるのにほとんど無批判に乗って(主にC社長が)、満腹になる。刻みネギを塩ダレに漬けてしんなりしたものを大量に乗せた蒸し鶏がなかなか珍しくて美味かった。

が、腹一杯食ったおかげで、その後事務所に戻っても仕事進まず。

201001202059000b ●カステンのJS履帯を繋いだ余勢で、以前買っておいたKV初期型履帯を少し繋ぐ。

レジンのパチハメ式のもので、袋に入っていたタグがどこかに埋もれてしまったのでメーカー不詳だが、確か日本製。買った当初は袋を開けたらクラッとするほどレジンの溶剤臭かったので、しばらく放置して“枯れ”させていたもの。半完状態で放ってあるトランペッターのKV-2か、製作途中の中期型溶接砲塔のKV-1に使用する予定。

レジンのパチハメ式は、ずいぶん前にanvil(今はどこだかレーベルが替わって出ている?)のものをSU-85Mに使って楽をした覚えがあるが、このKV用は、フランジに注型ゲートがあり、また所々型荒れのバリもあったりするので、整形の手間はかかる。また、どうしたわけか片方のフランジ中央が、半ば透けるほど薄く、下手をすると割る可能性もある。現在、片側の半分程度を繋いだが、フランジを割るか穴を開けてしまったもの2枚、もともと整形不良でフランジ端が欠けていたものが2枚。また、リンクの噛み合わせが中央部分でちょっと余裕があるので、近くで注視すると、連結ピンが通っていないことがバレる(笑)。総じて見ればそう悪くないが、「お手軽」とまでは言いづらい気がする。

そもそもKV用の履帯は、初期標準型も、後期の2分割タイプ混ぜ履き型も、手軽に使えるものが実はあまりない。トランペッターのキット付属のものは、スチロールのほうは上側がすでに上部転輪に合わせたるんだ形に一体成型で、上部転輪の位置をいじると使いづらい。軟質樹脂のベルト式も表現は悪くないが、長さがきつい(もちろん、そもそも初期標準型しかパーツ化していないので後期型には使いづらい)。カステンの可動式は、タミヤのキットに合わせて設計してしまったのか、ぱっと見て妙に思うほどピッチが短く、専用の起動輪に取り替えなくては使えない。フリウルからは確か初期標準型と2分割混ぜ履き型の両方が出ているがそれなりに値が張る。カステンが出し直してくれるか、ブロンコあたりが安くで出してくれると助かるがなあ……。

もっとも、上記のもの以外にもあれこれ出ているようなので、「**のものは出来がいい」とか「値段もリーズナブル」とかご存知の方は教えていただけると有難い。

●水曜日。家でだらだらと仕事。

●新生代第四紀の始まりが、従来の新第三紀に食い込む形で遡ることが決まったそうな。「日本地質学会など関係4団体が20日、明らかにした」そうなのだが、調べてみると、もう何年も前から国際的には議論されてきたことらしい。

そのへんの経緯を見ると、もともと地質年代の区切りというのは結構場当たり的に決まってきたところがあるようなので、それをある程度地球規模の変動とすり合せること、しかし従来呼び習わしているところとあまり違和感なくすることのさじ加減は面倒な作業なんだな、というのが窺える。

……ま、T-34の年式と似たようなもんぢゃな。

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