JSU

薄幸のJSU-152(17)

Cimg1236b ●一応コイツも組立終了。Vanatorul de care R-35とコレ、どちらか塗り上がれば静岡に持って行くつもり。静岡前日にベソかきながら塗装なんてもうしません。大人だし。

●先日のアクシデントでなくなった燃料タンクベルトを再工作。

以前にも書いたように、フィンランド軍「薄幸のJSU」は予備燃料タンクそれ自体は失われているようだが、数少ない写真から判断すると、左側は1本?、右側は4本とも、装着ベルトだけはあるようだ。

実車の再塗装時の写真、および被撃破時の写真を参考に、ベルトはへろへろに取り付け。

●「薄幸のJSU」は上側が判る写真がなく、天井中央のロッドは有無が確認できない。

ただし、ほぼ同時に鹵獲した「1212号車」にはこの位置に留め具があり、一応、初期生産車でも通常位置にロッドを装着する仕様であったことが、戦後すぐの回収車の状態の写真から判る(現在パロラに展示してある同車では留め具も失われている)。

ロッド自体揃っていたかどうかは判らないものの、留め具だけ工作するのも面倒だし、なかったと積極的に言い切る理由もないのでそのままキットのパーツを取り付けた。

●さて、この「薄幸のJSU」が3色迷彩であることが判るのは再塗装作業中の1枚の写真だけで、それには戦闘室左後部しか写っていない。生きている状態の写真ではボンヤリ2色にしか見えないので、どう塗り分けるか悩ましい。

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薄幸のJSU-152(16)

●仕事が激しく切羽詰っているので製作はスローダウン中だが、なんとか砲周りは工作したので、その報告など。

201001251710000b ●先述のように、フィンランド軍の「薄幸のJSU」はJSU-152のなかでも恐らく最初期に生産された車輌で、防盾周りはKVベースのSU-152とほぼ同じ特徴を持っている。

大雑把に言うと、防盾は、キットで表現されている標準型に比べて丸みが強く、湯口も前面でなく側下部にある。

防盾基部も標準型では追加されている湯流れを良くするための周囲のリブがなく、側面の膨らみも下部で若干“痩せた”印象である一方、上部左右はもっとエッジが立った格好になっている。

というわけでカリカリ削ったり盛ったり追加したり。細かい工作ポイントは、

  • 防盾の基本形状の変更。上記のように、特に駐退器カバー部の角を丸め、突出部左右に段差を追加(写真の黄色い部分)。左右下部にプラペーパーを溶かして湯口を再現。
  • 防盾前面下部の4箇所のボルトは周囲に窪みがあるため、一度削り落とし、窪みを工作した後に再接着。
  • 駐退器カバー部左右にコの字金具を追加。
  • 標準型では防盾左右の斜めになった部分にフックがあるが、初期型にはない。その代わり、前面上部左右にアイボルト装着部があるのでこれを追加(小さなお公家さんマユゲ)。パロラの展示車輌ではリングが装着されているが、戦時中の実車では普段はボルト頭だけで、砲交換時のみ植え替えるものと思われる。
  • 照準口はキットでは貫通していないのと、初期型ではほんのわずかだが小径のようだったので一度埋めて開け直した。
  • 基部の基本形状の変更。周囲の湯流れリブを削り落とし、両肩部にパテ盛りして削り直した。
  • 側面のフック上側に、内側から何か組継ぎで接合したような溶接痕があり、これを適当に再現。内部の砲架に関係しているのではないかと思うが、標準型にはないようなので、標準型では内壁にイモ付けになったのだろうか。
  • 下部左右数箇所に小穴を開ける。おそらく基部を戦闘室前面に(内側から)ボルト止めするボルト穴の底が表にわずかに貫通しているのではないかと思う。
  • この他、マズルブレーキの固定ネジ部を追加した。マズルブレーキ固定部は、マズルブレーキの根元、砲口側から見てほぼ1時・7時方向の2ヶ所にあり、それぞれ斜めに2つ連続した穴が開いていて、そこにピンだかネジだかが植えてある。

基本、上記の工作は初期型を作る際のみに必要な修正点で、標準型とも共通するのはマズルブレーキ固定部程度。キットの防盾は鋳造表現もメリハリがあって迫力があるので、それを削り落としてしまうのはいささかバチアタリ感がある。

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薄幸のJSU-152(15)

201001231620000b ●相変わらずのピンボケ写真。

●車体前端の工作を少々。

何かのホルダーのような部品(キットのパーツだとG24)は、標準型では戦闘室左側前部にあるが、初期型ではシャーシ前面にある。

何に使うものか判らないので、一応現時点では、「赤軍スナック菓子に入っているオマケの党幹部カードコレクション用ホルダー」と勝手に想像(ちなみに戦前版に入っていたトハチェフスキー元帥のカードは激レアであり持っていたら即銃殺)。

キットは左右と下の3ヶ所にリブ状モールドがついているが、左右は実際はL字レールなのでプラバンで替えた。

装着個所は、実車写真で確認した限りではほぼ中央・キモチ右寄りからだいぶ右寄りまでバリエーションがあり、要するにずいぶんいい加減。「薄幸のJSU」では「微妙に右寄り」であった模様。しかしどれも右寄りであるところを見ると、右に寄せる何か積極的理由があったのかもしれない(もちろん、私が見ていないだけで左に寄った車輌もあるかもしれないが)。

湯口の上の帯金はソ連戦車ではお馴染みのもので、標準型には普通にあり、JS-2初期型にもあるので、「薄幸のJSU」にも付いていたものと判断して追加した。

実際には表面に細かく格子がけがいてある。何かのチェック印を入れるものだと、以前青木氏に聞いたことがあったような(整備記録?)。あー。きっと赤軍スナック・カードの種類をチェックしておくんだなー(ばか)。

●防盾基部は、肩にパテ盛りした後に削って、現在サーフェサーを塗って形状の様子見段階。

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薄幸のJSU-152(14)

201001182006000b ●カステンの履帯(SK-14)を繋げる。キット付属のものとタイプ的には同一で、キットのものでも充分な出来ではあるものの、何と言っても全部工作も塗装も終わった後で履帯を取り付けられるのは可動履帯のメリット。ディテール上も、ピンの内外の区別もあるのはいい。

ただし、キット付属のインジェクションのものと同様、裏側に押出しピンの痕がわずかに窪んでおり、消す必要がある。青木氏は一度瞬着パテで埋めているそうだが、

「てやんでぇ。こちとら江戸っ子でぃ。そんなまどるっこしいことができるかぃっ」

と、そのままヤスリで削り飛ばしてしまった。実際のところ、私は江戸っ子ではないので、単に横着をしただけ。

なお、カステンの説明書では、ドラゴン用には85枚が標準とあるが、タミヤはわずかに車体も長いので、86枚で写真のように垂れ具合もよい感じに繋がる。偶数枚なので2分割のものと1枚のものとがちょうど交互になるのも都合がよい(ただし、1枚タイプの履板が連続するのは実車でもよく見られることなので、特別気にするほどのことではない)。おっと。右側のタンクステイが未工作なのがバレちまったぃ。

●フィンランドのあんどれあすさんち(http://www.andreaslarka.net/)は、しばしば掲載している写真を入れ替えるのだが、つい最近、パロラのJSU-152の写真も新しいものに変わっている。新しい写真では、車体下部側面の給弾ハッチを写したものの端に上部転輪基部も見えていて(ただし、画像ソフト等で明度を上げる必要がある)、やはりパロラの車輌(初期型)では上部転輪基部は8穴タイプ、余計なボルト穴は開いていないことが確認できた。

また、シャーシ後面のクローズアップもあり、予備履板取り付け部の溶接痕のようなものも確認できる。初期型では後面の予備履板はあった可能性増加。

マズルブレーキの固定ビス部分の拡大もあり、今回の更新はかなり有難い。

とはいえ、更新されると(おそらく容量の問題で)今まであった写真は引き下げられてしまうので、普段からマメにチェックしておく必要がある。

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薄幸のJSU-152(13)

201001112043000b ●現実逃避の所産(といっても、流石に今日作ったわけではない)。

「薄幸のJSU」は、撃破後の写真では、この「カマボコ箱」は失われているが、その数日前の再塗装時の写真では付いており、おそらく撃破された際に飛んでしまったものと思われる。

先の写真によれば、箱の取り付け位置はタミヤのキットに示された通常の位置に対しちょっと高く(初期型は高かったのか、単に個体差なのかはよく判らない)、しかし右側の止め具が外れてしまっているらしく傾いている。本体の変形はわずかだが、弾痕と思しき穴が2ヶ所あり、さらに蓋は少しひしゃげて半開きになっている。

……というわけで、ちまちまと何となくそのように工作。

●飛行機模型の場合、特定の機体を作るというのは割と当たり前のことだが、陸モノの場合は、装備品の有無、変形、細部仕様など、個体別の表面の変化が大きく、「まさにその車輌」を再現することは結構面倒だし、それほど一般的ではない。

私もそうだが、よく使われる手は、ある写真に残された仕様を作ろうと思ったら、その車輌番号などをちょっとずらしてみたりして、「おそらく基本仕様は同じであるだろうと思われる、同一部隊の、しかし写真には写っていない車輌に仕立てる」というもの。こうすると、細部の状態などにかなり自由度を付け加えることが出来る。

もっともそれが裏目に出てしまうこともある。以前、ドラゴンのT-34-85が発売されたときに早速作って(私だって発売直後のキットをそのまま一直線に完成させてしまうことはあるのだ。……ごく希に)、手元の資料に出ていた自由ポーランド軍所属の車輌の、砲塔番号1番違いにした。ところがなんと、その後出た別資料に、まさに同一部隊の、私が作った番号の車輌が写っていて、しかも、それは別形式のポーランド国章が番号に重なって薄く消え残っているという、なかなか特徴のあるマーキング例だったのだ。ぎゃふん。

もっとも、ほぼ全車のシリアルと写真が残されていて仕様が判るフィンランド軍のIII号突撃砲とか、全車に固有名が付けられ書き込まれているシャールB1bisとか、否応なく特定個別車輌の考証が必要になる陸モノもある。

今回の「薄幸のJSU」も同様で、何しろ相手は1輌しかないわけだから、判っている限りの固有の特徴は織り込む必要がある。このカマボコ箱もそのひとつ。まあもっとも、判らない部分もたんまりあるので、その辺は想像交じりにするしかないんだけれど。面倒なこっちゃ。

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薄幸のJSU-152(12)

●仕事が滞ってにっちもサッチモ・アームストロング状態であり、模型どころではないが、先日の書き込み以来進めたところなど。

201001110216000b ●初期型形態の手すりもついて、現在、車体はご覧のような感じ。車体上下はまだ貼り合わせていないが、塗装の便を考えるとやはりカステンの履帯が楽だし買い置きもあるので、カステンの使用に考えが傾きつつあり、そろそろ車体上下も貼り付けてしまおうかと思っているところ。余ったタミヤの履帯はSU-152に使おうっと(貧乏性)。

初期型形態の手すりは、戦闘室側面前方が2本足、後方が4本足、後面右は3本足。エンジンルーム左右は確認できる写真が少なく、たぶん5本足で間違いはなさそうだが、特に後半の足の位置や間隔は微妙。

車体後部パネルのヒンジ軸が白いのは、弄り回している間にキットの軸を折ってしまったからで、特に意味はない。実際、この軸は実車でも曲がっているものが多いのでしらばっくれていようかとも思ったが、折れたところを接着してもまた折りそうだったので素直に植え替えた。

シャーシ後面は先述のようにヒンジとフック基部形状をちょっといじっている。碇型フック下の外れ止めは基部形状にバリエーションがあり、キットは基本的に後期のコの字金具のものを再現しているが、初期はL字金具を背中合わせに2つ使っているので、プラペーパーでベロを付けて適当にそれらしく。角自体の形状にも差がある可能性はあるが未確認で、そのままキットのものを使った。

青木氏によれば、初期型の場合、車体後部にはJS-2同様に予備履板が2枚装着されているとのことで、カステンの履帯に入っている装着用突起を付けた……のだが、ふと思いついて、「薄幸のJSU」と同時期にカレリアで撃破されたソ連軍車輌の後ろからの写真を明るさ補正してみたら、付いていなかった。

この車輌では、ミッション点検ハッチ2つは吹き飛び、リアパネル下ヒンジも片方飛んでいるほどなので、履板も取り付け突起ごと衝撃で外れた可能性もないとは言えず、実際、車体下に履板が2枚落ちているのだが、左の履帯は切れているので、そこからのものという可能性もまたある。さらに、リアパネル下ヒンジが飛んだ部分は周囲の溶接痕が確認できるが、シャーシ下面中央はほぼまっさらである。衝撃で外れるにしても、4本の突起がすべてほぼ痕跡も残さず落ちるというのも考えにくい。衝撃で予備履板が弾き飛ばされるにしても、突起ごとよりはまず止め具かボルトが飛びそうなものだし。なお考慮中ではあるものの、「最初からなかったもの」と考えて改めて削り落とす方に考えが傾き中。

それにしても、書籍で写真を見ている時代には思いもよらないことだったが、デジタルデータの写真は(元がフィルム写真でも)、明るさ調整で、陰になっている部分もずいぶん判る。印刷された写真の常識で見ると、「ああ残念」で終わりだが、一見真っ黒でも、明るくするとしっかりディテールが写っていたりする。……ということを、ここ最近しばしば思い知らされているのだが、本人が旧い常識に捉われているので、つい忘れてしまう。

201001110419000b●戦闘室前部、ライトとホーン部の工作はこんな感じ 。キットにはコードを引き込むパイプはモールドされているが、そこから先は無いので若干追加。コードはライトとホーンに直接ではなく、ライト下の円筒形の部品(コネクタ?)に一度引き込まれてから、ライトとホーンにそれぞれ分かれる形になっているようだ。

「薄幸のJSU」の写真ではもちろんそんな細部までは確認できず、これはJSU標準型での形態なのだが、KVの初期型ではパイプから直接2本出ているが、鋳造砲塔型あたりから同様の形式になっており、JSU初期型も変わらないものと判断した。

なお、「薄幸のJSU」ではホーンはあるがライトは付いていないので、台座金具だけを工作して取り付けた。

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薄幸のJSU-152(11)

201001072214000b ●戦闘室上面に初期型ベンチレータ・カバーを作って付ける。最初は、タミヤのパーツより若干大きめのドラゴンのパーツを使い(ボルト頭でも取るつもりだったのか、たまたまこのパーツが入った枝をジャンク市で買って持っていて余っていた)、穴を狭めて使うつもりでいたが、円弧状の穴を綺麗に狭めるのはどうも面倒そうで、二の足を踏んでいた部分。

一方で適当な流用パーツがないか探してもいたのだが、今日たまたま使えそうなものを見つけたので仕事の合間に工作。正体はエデュアルド1:48のポリカルポフI-16のスピンナ。初期型、中期型、後期型の3種のスピンナが入っているので、使わない後期型の頭を切って先端の穴を埋め、表面も若干削った。

後部角ハッチの開閉補助スプリングは、パロラの車輌にはもともと付いていたような痕跡もなく、青木氏によれば「プロトタイプもなさそう」とのことだったので除去。ハッチの軸は後面側同様、初期型では軸受け金具の外側に飛び出していないので切断。結局、どちらも前身であるKVベースのSU-152の角ハッチと同一の仕様ということになる。

パロラの車輌で角ハッチ左にあるキャップ状のものについては以前にも言及したが、これは回収車に改造された際にタンクか何かを増設したためのものと考え、一般的な初期型の特徴ではないと判断して付けなかった。

前方の丸ハッチは、現存車輌ではハッチの固定金具付きのものもあるが、パロラの車両やモスクワ中央軍事博物館のJSU-122などにはなく、戦後の改修か?

201001072237000b ●左フェンダー上のシャックル留めを再工作。

先日の工作の際の青木氏のコメントにあるように、結局これはシャックルのバタ付き防止ベルトを通すものだそうな。現存実車では前方にはないものがあり、しかもその車輌では後ろ側の2つが留め金具と中心線がズレズレなので「別の用途が?」と思ったのだが、どうやらこれは後年の資本主義の腐ったモデラーを惑わすためのNKVDの陰謀であったらしい。いやもうまったく。

留め具自体は、当初、タミヤのキットのモールド位置に合わせて付けてあったのだが、2個所ずつに金具を付けようとするとどうも前端までの距離が長すぎるような気がしたので、一旦削ぎとって、若干前方にずらした。

201001072223000b ●燃料タンクの留めベルトを試しに1つ作ってみた。写真がボケボケで申し訳ないが、ベルトはプラペーパーで両端に0.3mmの真鍮線、止めボルトはトライスターのIV号戦車で大量に余るサス基部から削り取ったもの。

この状態は正規位置だが、ステイの外側の金具はフォーク状なので、実車だとタンクを締めていないと外側はすぐスッポ抜けるはず。実際、「薄幸のJSU」でもへろへろあっちに垂れたりこっちにハネたりしている模様。「薄幸のJSU」では、右側は全部ベルトが残っていたようだが、左側は揃っていなかったふうに見える。

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薄幸のJSU-152(10)

●瞬間接着剤も手に入れて大人のモデラーの仲間入り~。

●年をまたいで細かな工作を続行。これで息切れしてしまうと「薄幸のJSU」がずるずる「発酵のJSU」になりかねないので早めにカタを付けたい。

201001041906000b ●左フェンダー前部に付くシャックル装着具は、キットではシャックル取り付けの便から上が切れた「山」形だが、実際は穴が開いているだけ。「薄幸のJSU」はシャックル自体失われているようなので、フェンダーと合わせて作り直した。

後方の小さいコの字金具は、最初はシャックルがバタ付くのを防ぐために留めるベルトでも通すのかと思ったのだが、それにしては前方にはないようだし、用途は謎。しかも車輌によっては(後方に)2つ並んでいることもある。

フェンダーのベロは本来、破線状に溶接痕がある。

201001041916000b ●ワイヤー用ターンバックル掛けは後期にはもっと単純な形状で上面側にあるが(キットの状態)、初期はJS-2初期型同様、側面側にある。ルノー用のエッチング・パーツの枠をリサイクルして工作。

標準型では後部右端にある謎の電装部品は、初期型では左側面に。背も低いようなので、キットのパーツ(G40)を裏から削った。上部の配線カバーはパロラの展示車輌を元に山形のものを付けたが、後から思うに、オリジナルでは戦闘室同様パイプの可能性もあったかも。また、標準型では側面後端にあるフォーメーションライトは上面に移動。背も低めた。

燃料タンクステイは、キット指定の位置だと前方タンク用・後方タンク用との間が若干開き気味になっている。まあ、もともと実車でもそう厳密に付けられているわけではなさそうだが、少なくとも「薄幸のJSU」や「1212号車(パロラに現存する車輌の鹵獲時の状態)」、同時期・同戦域で破壊されたソ連軍の車輌と、どれもステイ位置は4つがほぼ等間隔だったので、キットの取付穴は埋め、上部転輪や起動輪との位置関係を見つつ調節した。

燃料タンクのベルトを留める2ヶ所のベロは、私はお手軽に両方0.3mmプラバンで作ってしまったが、本来は奥の穴の開いたL字金具は薄く、手前の“のりしろ”のない切込みの入った金具は厚みがある。奥の金具は薄い金属板などで作って違いを出すと、極一部のマニアを唸らせることが出来る……かもしれない。

フェンダーステイの位置にはバリエーションがあるようなのだが、「薄幸のJSU」ほか初期型ではどこにあったのか、今ひとつよく判らず、キットのままとした。

201001042120000b ●戦闘室前面、防盾脇の左右3ヶ所ずつに、小コの字金具を付ける。これは防盾にカバーを装着する際に使うものと思われる。カレリアで撃破されたソ連軍車輌の写真にもボンヤリそれらしきものが写っていること、パロラの展示車輌にも溶接痕のようなものがあることで、初期型も付いていたと判断した。

私はピンバイスで穴を開けて金属線を通しただけだが、実物は外側に小さく足を出して溶接してある。

●またまた泥縄だが、車体後端ヒンジの下側を少し作り直す。キットはヒンジ角と、その下側のフック台座の角が、お互い逃げるように削られているが、パロラの車輌では単純に四角く、カレリアで撃破されたソ連軍車輌も(ヒンジ自体は取れているが溶接痕から)そのように見える。

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薄幸のJSU-152(9)

●防盾基部は先述の通り、初期型では標準型よりちょっと「痩せた」感じではあるが、付け根上端部はもう少し角ばっていて、結局削るだけでは済まずパテ盛りをする。使ったのはラッカー系のホワイトパテ(MR HOBBY)だが、固まるのが遅いので、防盾の工作は小休止。

●前部フェンダーは、延長部を除いた上で、さらに4mmほど切り詰めた。写真では確認できないが、延長部も仕様としては本来はあったものと考え、取付用のビス孔を改めて開けた。

短縮すると車体側への取り付けベロがフェンダー本体より飛び出してしまうが、それはそういうものであるらしい(といっても、そのままでは長過ぎるかもしれない。もっとも、このベロの形状もあれこれあって、どういじればいいのか迷う)。

短縮は写真を見つつ目検討で行ったが、あとからドラゴンのキットと比較したら、ほぼ同じ長さになっていた。ただし、本体に仮合わせをしてみると、車体前端部や誘導輪との位置関係から、どうも短い感じがする。タミヤのキットは少し長っ鼻かもしれない。正確な寸法が判らないのでどちらが正しいと断言はできないが、ドラゴンと比較すると車体全体で4~5mm長く、特に前端部で差が大きい。

●燃料タンクステイの工作を始める。タミヤのパーツは、本来はタンクを締めるベルトの両端にあたるロッドと、その取付金具がステイにおとなしめにモールドしてある。タンクを載せるなら陰になるので目立たないが、生憎「薄幸のJSU」はタンクが失われ、ベルトだけ残っているので、ステイとベルトの接続部は一応それらしく表現する必要がある。といっても、今日のところはまだステイのパーツを切り離し整形しているだけ。

●青木氏が「流血の夏」を買い直したそうな。342-343ページだぞー。

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薄幸のJSU-152(8)

●いろいろと細かな工作中。

200912271608000b●防盾は現在こんな感じ。

キットの防盾はJSU-152の標準型としては鋳造表現のメリハリも効いていい感じなので、削るのは多少もったいなくもあるが、初期型として手を付け始めてしまった以上致し方無し。なお、キットの防盾は側面の上部にパーティングラインが入っているが、これはモスクワの中央軍事博物館等にある実車でもそうなので、標準型を作る際には活かしたい。

さて、初期型の工作としては、基本的には全体的に角を落とし、削った部分は接着剤を塗布して表面を荒らして鋳造表現を復活。ただし“うにょうにょ”した造形だけに、ある程度出来たと思っても角度を変えるとなんだか違って見えたりで、なお試行錯誤中。形が決まってから、先端ボルト4つの窪みを付けて、ボルトを復活させる予定。

防盾基部もリブを消してさらに削り中。キットの標準型に比べ、基本形自体もちょっと痩せている感じ。

●和歌山方面より、「給弾ハッチにL字金具がないJSUなぞ!」(大意)という毒電波が飛んできたので、悔し涙に暮れながら件の金具を作る(んなワケあるかい)。

追加する方は、例えばこのあたりを参考に。

エッチング・ソーがどこに行ったか判らないので、細い切り込みを入れるのに面倒な思いをしたが、考えてみると、今後増加燃料タンクステイのベルト固定具で、同様の工作を8つ分しないといけない。お手軽な方法を考えないと。

●青木氏の以前の指摘にもあったが、キットは前部フェンダーがちょっと長過ぎるようだ。tankmasterにあるこの写真を見る限り、戦闘室前端と第1ステイの間隔はキットのままでよく、そこから前が長い。タミヤが参考にしたらしい、モスクワ中央軍事博物館のJSU-152は、フェンダー前端が補修されていて別の形になっているので、それをオリジナルの状態に戻そうとして寸法を取り違えた可能性はある、と思う。

今回の工作ではどのみち前端の延長部は除去するので、ついでに多少切り詰めた。

●排気管後ろの整流板は、キットは結構かっちり綺麗なモールドだが、実車ではペラペラの薄板なので、キットのモールドを両側から削り込んで、多少ヨレた感じにした。いっそ削り取ってしまってプラペーパーや金属板などに替えてもいいのだが、プラペーパーではいじっている最中に取れてしまいそうだし、金属板は……瞬着が固まってしまって使用不能だったのでパス。ここが戦場なら即死!

●JS/JSUは誘導輪基部が一段窪んだようになっていて、そのため、車体前端が鋳造の車体の場合、シャーシ前面の形が上部で狭く、下部で広い。

パロラの車輌では、その段が下から4分の1くらいと、ずいぶん低い位置にある。これが初期型の共通形態だと面倒だなと思ったのだが、同時期にカレリアで撃破されたソ連軍車輌では普通の位置にあるようで、パロラのそれは、「まあこういうのもあったのか」という手合いのものであるらしい。結局、段差位置はキットのままで、ただしもう少しなだらかに繋がるよう少しだけ削った。なお、標準仕様の場合は、段差がどこにあろうと予備履帯に隠れてほとんど判らない。

●操縦手用バイザーは、スリット部中央に縦に金属線が溶接してある(例えばこの写真参照)。最初は博物館で、展示車輌にゴミなど突っ込まれないように付けてあるのかと思ったが、ちゃんと部隊使用中の実車写真でも付いていた。パロラの展示車輌にも、針金自体はないが溶接痕は残っており、初期型からすでに付いていたことが判る。

模型としては伸ばしランナーでも接着すれば終わりだが(12/29追記、タミヤのキットにはきちんとモールドしてあった!)、実車での存在理由は謎。操縦手が直接照準などしないだろうし、砲列を敷く時の車体の方向合わせ用?

まあ、現時点ではよく判らないので、マヌケな兵士が自走式巨大郵便ポストと間違えて手紙を差し入れたりしないための防止用としておく。

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