IV号戦車

マイバッハT-IV

20161230_231003 ●突然だが、レベル72のIV号戦車H型(Revell 1:72 Pz.Kpfw.IV ausf.H)を引っ張り出してきた。

今回、デザートコンでクルセーダーを作るにあたって、ミニスケールの塗装の場数をちょっと踏んでおこうと思ったというのも理由の一つ。というか、ついでに作っちゃえ(塗っちゃえ)と思ったというのが正直なところかも。

改めてscalematesで調べてみたら、このキットの初版は2000年であるらしい。発売されてそれほど経たないうちに買って組んだような覚えがあるので、その記憶が確かなら10年以上放置してあったことになる。

ちなみに5年前にも一度、「折角掘り出したうえ、工作はほとんど終わっているので、今度暇なときに塗って完成させてやりたい」なんて書いている。

●このキットは当初から、ブルガリア陸軍仕様で塗ろうと決めて作っていて、表題の「マイバッハT-IV」は、ブルガリア軍におけるIV号戦車の呼称。ブルガリア軍はIII突も使用しているが、そちらの呼称は「マイバッハT-III」。

マイバッハは両方の車輌が搭載しているエンジンのメーカー名だが、エンジンのどこかに彫られたメーカー名を見て、それを戦車の名前だと勘違いした?

いや、いくらなんでもドイツから供与された時に名無しの権兵衛戦車として来ているわけはないだろうから、戦車の名称はエンジンに基づくという、ブルガリアなりの何かルールのようなものがあったのかもしれない。

ブルガリアは1943年4月から1944年2月にかけて、97輌のIV号戦車(G~H型)を受領している。ソフィアの博物館にあるJ型は結構後期の生産車っぽいので、97輌の内ではなく終戦までにドイツ軍から鹵獲もしくは終戦後に接収したものかもしれない。

2011年9月の書き込みを見ると、おおよそ組み上がっているものの、砲塔側面ハッチ上の手すりは付いていない。

今回改めて取り出した時にはもう付いていたので、上の書き込みの後でちょっと作業したらしい。

アンテナケース、砲塔ハッチの雨どい、前面予備履帯のラックなどはそれ以前の工作。

今回、「今度こそ工作を終わらせよう!」と奮起して追加したのは、

  • 車体後面のワイヤー掛けが単純な棒状突起モールドだったのを真鍮線のくの字金具に交換。
  • 砲塔旋回用エンジンのマフラーに排気口を真鍮パイプで追加(下写真ではまだ工作していない)。
  • 砲塔キューポラ前に直接照準棒を追加。
  • 前面牽引具にピンとその取っ手を追加。
  • 砲塔前部左右、戦闘室前部左右に吊り下げフックを追加。

吊り下げフックはプラペーパーでおむすび型の台座を作って貼り、その中心にエナメル線を曲げて潰して作った極小フックを貼った。流石に小さすぎて、盛大にパーツを飛ばしたり落としたりした。なお、砲塔後面の吊り下げフックは、すでにシュルツェンまで接着済みであり、カステンに隣接して見えづらい箇所でもあるので省略した(というかサボった)。

これでとりあえず工作は終了したはず。

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●本年はこれが最後の記事になります。皆さまよいお年を。

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トライスター IV号戦車B型(3)

履帯はカステンのものを使ってもよいが、夢にマータイさんが出てきてモッタイナイと言うので、キットのパーツのセンターガイドを低めて使うことにした。

200912150600000b 先述のようにキットの履帯は、センターガイドの穴が、故意なのかたまたまなのか低いタイプに対応しているかのような状態。そこで、写真のようにちょうどガイドがはまって余分な高さがはみ出るような治具を作って、ガイドの先を切り詰めた。

切った後で、若干先を丸めるとともに、穴の形があまりよくないので少しほじって広げる。それ以外にも、妙に細かいバリが多かったりするので、そこそこ手間が掛かる。

200912151520000b 整形の終わったものを繋いでみたのが写真の状態。まあそれなりの感じにはなる。ただ、キットのパーツはスナップで繋ぐ仕組みにはなっているものの、連結はあまりしっかりは行かない感じ。ちょっと力が掛かると外れてしまう。この履帯を使う場合、最終的には接着固定してしまったほうがよさそう。

40枚程度整形して繋いだら流石に飽きてきたので、残りは別の作業の合間にでもゆるゆる続行の予定。

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トライスター IV号戦車B型(2)

●ちょっと「大きい戦車」が作りたくなり、先日シャーシの箱組みだけして放置してあったトライスターのIV号戦車B型に手を付ける。相変わらず、塗装前模型のみ(じわじわと)量産中。

●先日書いたように、とにかくあちこち微妙に合わないところがあるのだが、サイバー/ドラゴンのT-34 STZ Mod.1942のように「これって製品/商品としてどうなのよ」レベルではなく、丹念にすり合わせをすれば、それなりに合ってくれる。それだけ手間は掛かるが、組んでいてなかなか楽しい。

まだ組立も半ばだが、砲塔・車体の基本組みは終わったので、中間メモを。

(○は済み、▼は未着手)

車体下部

○シャーシ箱組はかなり擦り合わせが必要だが、丹念に行えばパテなど使わなくてもなんとか合う。擦り合わせについては前回参照。シャーシ後面板は裏側に何やらガイドのようなリブがあるが、これはまったく接着と無関係なので注意。ここでどれだけきちんと合わせるかが、多分、後で車体上部と合わせる時にも関わってくる。

○車体前端のシャックル基部は、ダボの通りだとほんの僅かに上寄り・内側寄りな感じ。C-8、9の裏の突起を削って心持ち接着位置を移動。

○誘導輪基部(C-53、54)は上側の三角リブが若干、後面板のリブと干渉する。

足回り

○シーソー式なので、バネなど仕込まなくてもそのまま可動にできる。短いほうのアームはちょうどスプリングの通る穴裏部分にモールドと間違えそうな突起(押出しピン跡)があるので削り落とす。シーソーのキャップ部分は3種から選択だが、これは時期的な差があるのか、手持ちの資料ではよく判らなかった。

▼転輪は薄い初期型転輪を再現している。ゴム縁は同社38(t)同様に別部品となっている。おそらく塗装の便と、ダメージ再現の便とを考えてのことなのだろうが、ホイール本体との間に僅かながら隙間ができるのは考え物。出来てしまえばそう目立たないと思うので埋めたりはしない予定。ちなみにトライスターはハブキャップを3種と緩衝ゴム内蔵転輪をセットしてIV号足回りセットを別売していたのだが、今度新たに40mm履帯用にセットPart2を出したらしい。となると、やはり最初のセットはホイール本体は初期型のみ?

▼履帯ははめ込み式。実際にはB型時点ではセンターガイドの低いタイプが使われているはずで、キットのものは背が高い。カステンのものに交換するか、あるいはキットのものはガイドの穴が小さいので、削って背を低くするのもアリではないかと思う。

車体上部

○戦闘室側面装甲板(A-8、9)は例によって合いがよろしくない。入念に擦り合せが必要。

○エンジンルームのハッチとパネルは、左側に行くほど車体より窪んでしまう。プラペーパーを挟んで調整した。

○フェンダーは先に発売されたD型ではドットパターンになっているそうで物議を醸していたが、B型(たぶんC型も)では、細かくて一見ドットに見えるが、

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のパターンになっている。フェンダー左右後方、通風口下部分はIV号キットの常で別パーツだが、この部分だけ妙に外側ベロに高さがあって前方と合わないので、接着後ヤスって均一にした。

○フェンダー前部内側(C-22、23)はディテール再現のために別部品だが、ここは幸い、僅かな擦り合せだけできちんと合ってくれる。

200912131243000b砲塔

○前下部の三角部分は別部品だが、ここは説明書の図示の通り、前面板を取り付け後にはめ込むべきか。私は前面版取り付け前に三角板を貼ってしまい、それなりに注意していたつもりが、前面板との間に微妙に段差が付いてしまった。反省。いずれにせよ、この三角板は若干小さめで、主要部・前面板と比べ、下辺に隙間が出てしまう。私は0.3mm板を貼って削って調整した。

○砲塔天井板は、そのままだとだいぶ本体から浮き上がる。ベンチレーション・ハッチ・ガードと一体成型されているのがちょっと擦り合わせを面倒にしているが、充分に削り合わせる。

○説明書では、ベンチレーション・ハッチはB-29を使うよう指示されている。しかしこれはD型用天井板に合わせたパーツで、天井板La-1とはヒンジ位置がズレている。ちゃんとLa-1に合うハッチ・パーツが付属している(La-2)ので、こちらを使う。ちなみにパーツ図ではちゃんとB-29が不要パーツ、La-2が使用パーツとなっている。

○前側面のクラッペは、左側は砲塔側の「」リベットを削り落とすよう指示がある。右側の上下のリベットはB型の場合も存在するのでついでに削ってしまわないよう注意。

○側面ハッチは、なぜか左側(L-1)だけ若干合いが悪く、若干の擦り合せが必要。どこが当たっているのか判りにくいが、ハッチの上辺と、砲塔側開口部の上辺を軽くヤスったら合った。

○砲塔後面のピストルポートは右側にE-25、左側にL-15を使うよう指示されているが、L-15は軸部リベットが左に、円周の一部切り欠いた直線部が右にある形状となっている。実際は直線部もリベットも左で、右側ポートと対称形になっているはず。幸いE-25が2つ入っているので、余ったほうの裏面ダボを削って左右向きを逆にして接着。

○キューポラ基部のリブ(L-16)は、平面パーツを湾曲させて取り付けろというちょっと御無体な指定。ゆるゆると指で曲げた後になんとか綺麗に取り付けられたが、プラの質もそれほど柔らかくないので、下手をすると折りかねない。D型用の、すでに湾曲しているパーツもあり(B-39)、これはリベットの数が違うのだが(D型用は5個、B型用は6個)、場合によってはD型用を使ってリベットを植え替えるというのもアリだろう。

▼キューポラは上辺外周に小穴(雨水抜き?)があるはずだが省略されている。

▼砲耳カバー部(La-3)は側面のギザ・モールドがない。これって左側(照準口側)だけだっけ……。

●マフラーあたりもなんだかピタッと行きそうになく、組立進行とともにもうちょっとアレコレありそう。

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トライスター IV号戦車B型

200907212352000b 締切の波状攻撃が、身辺ドタバタと重なって連続攻撃になって難渋。こんなんばっかしやー。

そんな合間合間、先日購入以来、延々と擦り合わせを続けてきたトライスターIV号B型のシャーシがやっと形に。とにかく完成を目指したい第一候補のVanatorul de careを放ったらかして何をやってるんだか状態だが、資料を漁りつつのディテール工作は流石に仕事でテンパっている合間の息抜きには手を出しづらい。

さてこのキット、箱組みの合わせが微妙に悪い、というのは先日書いた通りで、あちこち製作記を覗いてみても、皆さん苦労している様子。シャーシだけでなく、戦闘室側面も何となく合わないし、砲塔は天上板に段が付き、エンジンルームハッチは片側が少し窪むといった具合に、とにかく、基本となる大きめのパーツがことごとく(しかもどれも微妙に)合わないことが判明。うがー。

シャーシは底面と側面がピタっと行かず、そこで後面がガイドに使えればいいのだが、これまたうまく合わない。単純な継ぎ方なら擦り合わせも楽だが、ご丁寧に両方段付きで合わせるような仕掛けになっているところが多く、削りにくい上に、どこがどう当たっているのかも判りづらい。

200907212353000b 結局シャーシは、底面パーツ側で接合部を頑張って削ぐ。特に後端で、側面にモールドされている誘導輪基部の補強リブモールドが底面側に出っ張り加減なのに、底面パーツ側でも若干張り出しているのは主要な“攻めどころ”。さらにこのリブは後方にも出っ張り加減で、しかも後面パーツでこれを受ける部分が前方に肉厚なので、そのままだと側面・後面の角にかなりの隙間が開く。後面パーツ下端の“ベロ”が底面パーツ側で受ける段に対し厚みがありすぎるのもズレを生む。

……というような具合で、とにかく合わせて見ては、主にナイフを立ててのカンナ掛けの繰り返し。とりあえずなんとか、前後ともにパテ埋めをしなくて済む程度には合わせることができた。いやもちろん、適当なところでえいやっと合わせてしまい、さっさとパテ埋めしてという方法でも充分なのかもしれないけれど。

ただ、手間は掛かってもスタイルはよさそうで、何だか合わせの悪いことも含め、生産初期の“手作り感覚”のIV号戦車の実物を頑張って組んでいるような気分にもなってくる。……と、いつまでそんな暢気なことを言っていられるやら(笑)。

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トライIV号B型購入。

●土曜午後。港南台の模型屋さん(かめやま模型)が月内で閉店するため半額セール中という話を聞き、息子と連れ立って行く。普段行ったことのない店に、閉店セールの時だけ行くというのも何となく心苦しいものの。

トライスターのIV号戦車B型があったので購入。初期型IV号はドラゴンでC、D、Eがあり、トライスターでB、C、Dがある。

ドラゴン“すまき”のF型は作り易さも組み上がった感じも感動モノだったが、D型は妙に組みづらい。同じIV号でタイプによって設計に一貫性がないのは、ドラゴンの良さでも悪さでもある。同系列キットの欠点を次回作が引き継ぐとは限らないという点ではメリットだが、逆に、サイバーホビーのT-34STZ1942のように「なんじゃこりゃあ」なキットがいきなり登場する怖さもある。

とにかく、初期型IV号を作り比べる意味でもトライスターのBかCはちょっと欲しかった。一点不安だったのは、同社が転輪セットを「初期型~後期型すべてに対応」として別売していること。IV号の転輪は初期型とそれ以降ではゴムリムの厚みがだいぶ違うのだが、そのあたりが無視されていると厄介だと思ってちょっと二の足を踏んでいた。

実際には、今回買ってドラゴンのF型と比べてみたらだいぶ薄い初期型仕様になっていて一安心。しかしそれはそれとして、別売セットもこの厚みのゴム縁だけで売ってるのか?

ドラゴンもそうだが、小さくもない箱にパーツがぎっしり詰め込んであり、帰宅して、一度パーツを取り出したら収まりきれなくなってしまった。袋を開けて、主要パーツのみ(枝のスリム化のために)切り離す。箱組みの車体下部は慎重に合わせる必要がありそう。

●事務所で先日、何かのはずみに「ニイガタハシリマイマイ」「マダガスカルレーザーオオトカゲ」の話になり(どういう会話だ)、以来、同じく某青木先生妄想の動物ながら、その生態につき追求し切れていない「イリオモテウラオモテガエル」につき、時折つらつらと考証。今のところ判明している点は(青木氏によれば)、

  • 西表島のマングローブ中に生息。
  • 体の背側腹側がほぼ対称形で、ほぼ真横に飛び出た眼を持つ。
  • 普段はマングローブの下枝に逆さにぶら下がっており、側転の要領でしぱたたたたた……と枝を伝って移動する。
  • 天敵はイリオモテヤマネコであり、食われそうになると強靭な手足でイリオモテヤマネコの口中で強靭な手足を突っ張り三日三晩抵抗する。西表島のヤマネコ保護センターには希にアゴの外れたヤマネコが運び込まれることがあるが、これはイリオモテウラオモテガエルの決死の抵抗の為である。
  • (追記)当然ヤマネコは前足でカエルを掻き裂こうとするのだが、そうなっては万事休すなので、カエルは舌を使って応戦する。……というような追加設定もあったような。スゲーよカエル!

以前はピパピパのような体形のものを想像していたのだが、改めて考えると、枝にぶら下がっていてこの体形だと風にあおられて大変かもしれない。

関係ないが、世の中には「トゲナシトゲトゲ」という自家撞着に起こした名を持つ、まるで青木氏が考えたような昆虫が実在するそうだ。

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