III号戦車

III号指揮戦車D1型 FIRST TO FIGHT 1:72

20201101_113754 ●先日、FIRST TO FIGHTのIII号戦車D型のキットレビューの最後に「これはぜひ欲しい」と書いた、同シリーズのIII号指揮戦車D1型。行動範囲の模型屋の店頭では見かけなかったが、秋葉原のイエサブで取り寄せてもらうことができた。というわけで組む前のチェックなど。

●実車について簡単に。

III号指揮戦車D1型(本来の名称は「III号」は付かず、単に「指揮戦車D1型」)は、III号戦車ベースの指揮戦車としては最初に作られたもので、「ジャーマン・タンクス」によれば1938年6月から1939年3月にかけて30輌が生産されている。ベースとなったIII号戦車D型は1938年1月から6月の生産なので、基本、戦車型の生産が終了した後に新たに生産されたことになる。

私自身、ちょっと前までは指揮戦車型(D1、E、H)では「砲塔が固定で、戦車型よりも前にある」のは前提として、その他は「無線装備その他のためにちょこちょこと細かいところの仕様が違う」くらいの認識でいたのだが、実際には、特にこのD1型においては、

  • 足回りのコンポーネントと動力系は基本同じものを流用、
  • 車輛全体のレイアウトもよく似ている(似せている)ものの、
  • 車体の装甲は全体的に戦車型より厚く各部の形状にも微妙に差がある全くの別物、
  • 砲塔基本形状も戦車型A~D型のものより前半の厚みが増したE型以降の型に準じたもの。

であるなど、要するに「似ているけれど車体から砲塔から実は全然別物」。これに関しては、しばらく前にはい人28号さんが1:35で、miniartのD型改造で製作された際の記事で教えて貰ってビックリした。

より小型のI号指揮戦車においても、エンジンが強化され車体が延長されたB型車体はもともと指揮戦車専用として開発されたことを見ても、この時代のドイツの戦車開発陣は、「指揮戦車は戦車型からちょろっと中身を改造するようなものではなく、コンポーネントを流用はするけれども全体を作り直すくらいの手間とコストを掛けるべき贅沢車輛」と考えていたらしいことが判る。

●というわけでキット。

上記のように「似ているけれど、いちいち全部違う」ことで二の足を踏んだか、結局miniartも指揮戦車D1型は出していないので、このFTFの1:72キットが、各スケールを通して初のインジェクションキットということになる(はず)。

先に発売されたIII号指揮戦車E型は、以前にレビューしたように、単に戦車型キットにアンテナパーツを足しただけというトンデモキットだったが、このキットは打って変わって、かなりの気合と頑張りが見て取れる。

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パーツ構成は左写真の3つの枝+白十字のみの小さなデカールシートが1枚。パーツ枝のうち、

  • Aパーツ:車体下部ほか
  • Bパーツ:足回り

戦車型キットと共通。

  • Cパーツ:車体上部+砲塔ほか

は指揮戦車型専用に新たに型起こしされている。加えて、このシリーズ共通のものとして戦歴や開発史、組立・塗装説明の書かれた小冊子(表紙含め12ページ、テキストはポーランド語のみ)が付いている。右写真は同小冊子の組立・塗装説明ページ。

●車体上部を先行のD型キットと比較してみた。きちんと同サイズに撮れていないが、上が本キット、下が戦車D型。

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  • エンジンルーム上の点検ハッチの違い。戦車型は左右開き、指揮戦車型は前後開き。ハッチの大きさも異なる。
  • 砲塔位置が指揮戦車型のほうが前。指揮戦車は砲塔が固定式のため、エンジン交換等でエンジンデッキを取り外す際に邪魔にならないよう、砲塔後端がエンジンデッキに掛からない位置にある。
  • 戦闘室部分の延長。指揮戦車型の戦闘室は戦車型より若干前方に長いらしい(実はこのキットでようやく気付いて、確認してみたらトラクツでもそのように描かれていた)。のちの指揮戦車E型、H型では砲塔の前方移動に伴って砲塔前面と戦闘室前面の間が狭く、この位置に乗せた予備履帯が前方にかなりはみ出している写真がよく見られるが、指揮戦車D1の場合は狭くなったように見えないのはそういうわけだったのか!と改めて納得。
  • 車体前部ハッチが操縦手側だけ。
  • フェンダー上のOVM類の配置の違い。とはいえ、指揮戦車型キットのOVM配置はトラクツの図と比べると違いがあり、これが正しいかどうかは検証の必要あり。

――など、戦車型とは異なる車体を再現しようという意図がしっかり感じられるパーツとなっている。ただし、戦闘室上面とエンジンルームとの間に本来あるべき分割線が忘れられているのは戦車型キットと同様。

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車体側面には、一体モールドのため形状はイマイチであるものの、指揮戦車型の配置のクラッペが付いている。

ただし、右フェンダー前方のジャッキ台のモールドは、型抜きのためにしては大げさ過ぎるテーパーが前後に付けられていて、はなはだ見た目がよろしくない(加えて、ジャッキ台の正規の搭載位置は実際にはここではない可能性がある)。ドットのモールドの関係上、削り取るだけでは済まないのが悩ましい。上の比較写真のIII号戦車D型ではジャッキ台はごく普通であることが確認できると思うが、これまで私が買ったFTF、WAWのキットでここまで変な処理は例がなく、なぜこんなことになったのか謎過ぎる。

●砲塔パーツ概観。

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D型までの初期型砲塔とは違い、E型以降の標準型砲塔に準じた外形を持つ砲塔パーツがセットされている。砲塔上面も(以前のナンチャッテ指揮戦車E型キットと異なり)きちんと指揮戦車型のディテールを模したものになっている。

その一方で、抜きの関係で砲塔後面のアンテナ線引込部や(本来円錐形であるべき)ピストルポートはかなり大胆に形状が崩れていて、なんとかしたいところ。実は同じシリーズのIII号戦車E型のキットでは――

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金型をやや傾けているのか、上のようにきれいな形状で一体モールドで抜けており、今回はなぜそうしてくれなかったのか惜しまれる。ただ、E型キットでは側面ハッチが別部品になっているので、そのぶん成型方向に自由がきいたのかも。

指揮戦車キットの砲塔側面ハッチ、クラッペは下辺のエッジの処理もダルいので、この際、(車体の再現度などで)トホホ度が高いE型キットを犠牲にして側面ハッチやピストルポートを移植してしまおうかなどという考えも、ちらちら頭をかすめ中。なお、側面のハッチストッパーのモールドもかなりゴツい。また、本来指揮戦車型の側面クラッペは左右で高さが違うのだが、キットではその点は再現されていない。

なお、キットの砲塔と車体の接合は戦車型同様に回転可能な状態になっているが、実車は固定されており回転しない。

●細かいパーツ類。

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左写真は指揮戦車仕様の戦闘室前面やダミー主砲、フレームアンテナなど。戦闘室前面のピストルポートは、ちょっと枠部分が強調されすぎかも。砲塔前面は実際は一番端の機銃だけが本物だが、本来あるべき、その根元のボールマウントの表現は省略されている(ダミーのものも含め機銃が太すぎる点もマイナス)。フレームアンテナは柱部分も一体成型で、そのため、柱は単なる棒になっている。

右写真は誘導輪。なぜかIII号戦車D型と指揮戦車D1型では誘導輪形状が全く違うのだが、キットではフォローされていて有り難い。

●車体下部と誘導輪を除く足回りはIII号戦車D型キットからまるまる流用。

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実際には前述のように車体は別物で、シャーシ前面のブレーキ点検パネルは指揮戦車D1型にはないので、モールドを削り取る必要がある(加えて、指揮戦車D1型では前面装甲板が組み継ぎになっている)。ちなみにキットの箱絵でもこのパネルが間違って描かれている。

はい人28さんによれば、その他にも上部転輪配置が僅かに違っているそうで、それに付随して、前方の第一転輪ボギーのショックアブソーバーの作動アームは、戦車型では上掲パーツ写真のようにほぼ垂直だが、指揮戦車型ではショックアブソーバー本体が前方に移動しているのでもっと斜めになっている。これは作動アームも含めて一体成型になっているので改修は面倒だし、そもそも履帯と一体成型になっている上部転輪の配置を直すのはなかなか難事となる。……たぶん私は手を付けない。

さらにはい人28さんによればシャーシ幅自体も若干拡幅されているそうなのだが、これは見た目ではよく判らない。

●というわけで若干の問題はあるものの、なかなか興味深いキットであるのは確かで、III号戦車D型と並べて形状の違いを楽しむためにも、とりあえず早々に組んでみたい気も。

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III号戦車D型 FIRST TO FIGHT 1:72

20200829_005947 ●先月末に川崎の実家に行った帰り、横浜のVOLKSで、FIRST TO FIGHTの比較的最近出た製品、III号戦車D型(1:72)を買ったので、そのレビューなど。

以前にも書いているように、「FIRST TO FOGHT / WRSESIEŃ 1939」は、1939年9月(WRSESIEŃ 1939)のドイツのポーランド侵攻当時の両軍の車輛、火砲、兵士などを1:72で展開しているシリーズ。他ではキット化されづらいポーランド軍車輛や、ドイツ軍車輛のなかでもちょっとマイナーな初期の仕様のものを取り上げているうえ、このIII号戦車D型でシリーズの通し番号はすでに73と、なかなか充実したラインナップに成長している。キットの開発・生産はポーランドのIBG社が請け負っているそうで、IBG自体が展開している「THE WORLD AT WAR」シリーズのキットとはパーツ設計上かなりの共通点がある。

関連する先行キットのレビュー。

あれ。THE WORLD AT WARのIII号B型のレビュー書いてないや。

●というわけでキット内容。

構成はシリーズ共通のもので、モノの大小にかかわらず同一サイズの箱に、戦史、実車解説、組立・塗装説明などが書かれた表紙含め全12ページの小冊子付き。もっとも冊子は全編ポーランド語のみの対訳無しなので、基本は絵を見て「ふーん」と思う程度(もちろん、本気で読むつもりがあればスキャンしてOCRソフトにかけてGoogle翻訳さんに助けてもらうという手もないわけでもない)。

パーツは枝三枚、それからデカール。デカールはポーランド戦時の国籍マークの白十字だけで、複数キットで共通のもの。

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8つ転輪の初期型III号としては、THE WORLD AT WARシリーズでしばらく前に出たIII号戦車B型に次ぐもので、前述のように両キットは同じIBG社の手によるもののため、砲塔パーツの基本設計などは共通(ただしディテールはきちんと両型で違えている)、モールドの精密さなども似通っているが、こちらのD型のほうが後発キットであるため、「改良されてるなあ」と思わせる部分もある。

E型以降の「標準型」III号戦車とは基本、何から何まで違うので、むしろ、同じFIRST TO FOGHTのIII号戦車E型/III号指揮戦車E型とは部品設計上共通する部分はない。また、いささかトンデモな部分があったIII号戦車E型/III号指揮戦車E型よりも今回のこのキットのほうがだいぶ出来がいいように思う。

▼足回り

その「改良されてるなあ」と思う新機軸が足回り。このシリーズ、足回りは基本、履帯含めて一体成型のいわゆる「ロコ方式」なのだが、その場合、複列の転輪類は表裏一緒、逆に転輪が単列の場合は履帯の複列のガイドホーンが繋がってしまって、ちょっと斜めから見た時に実感を損ねることになる。

が、このキットでは、転輪・上部転輪は履帯の半分と一緒に別パーツ化され、また起動輪・誘導輪も履帯とは別にして(起動輪は表側のみ)、全体の再現度を上げている。

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  • 転輪のボギーアームが内側転輪のリム部分と一体化していてやや実感を損ねている。
  • 起動輪の歯部分がやや分厚い上、表側と裏側で厚みが違っている。
  • THE WORLD AT WARシリーズを含めての欠点だが、CADデータのコピペのせいか転輪のパターンの向きがすべて揃っているのが不自然。
  • とにかくパーツのゲートが多くて処理・整形が面倒。

などの欠点はあるものの、従来の処理よりはかなり精密度が上がっている感じがする。なお、分割された転輪部分の部品の合いはそれほど悪くなく、若干のすり合わせのみで歪みも隙間もなく接着できる(どのみち、変に曲がったりしなければ多少隙間が出来ても見えないが)。

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上の2枚の写真は、とりあえず組んでみたこのD型キット(左)と、比較用の THE WORLD AT WAR のB型の足回り。B型キットでは起動輪も一体成型のため、表裏の歯が繋がって「厚切りなると」状態になってしまっている。

▼車体

常識的な上下分割。複雑なサスペンションはスライド型を用いた一発抜き。ショックアブソーバーの細いアームなどは「ロッド」ではなく「板」になってしまっているが、どのみち足回りの間からチラ見えする程度なので、(個人的には)これで十分。シャーシの後面はマフラー等一体。オーバーハング下は実車ではルーバーとかメッシュとかになっているのではと思うが、このキットではべったり埋まっている(が、これまたひっくり返さない限りは見えないので、このスケールなら気にしない)。

D型って、こんなにシャーシ後面が鋭くナナメなの? というのが若干気になったが、実車写真では陰になるのでばっちり確認できるものが見当たらない。なお、miniartの35のD型も似たような感じのようだ。

エンジンルーム左右の通風孔は別部品。

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  • OVM類は、ジャッキなど縦に高いもの以外は一体モールド。シリーズ共通ではあるが、消火器が「カマボコ形」になっているのはちょっと寂しい。THE WORLD AT WARシリーズのII号戦車のように別部品だったら嬉しかったが、まあ、この程度は我慢。
  • このシリーズ共通だが、操縦席左側のクラッペは車体上部と一体成型。抜きの方向の関係で形が潰れているのは致し方ないとして、THE WORLD AT WARのB型のクラッペはまだまだクラッペらしく見えなくもない感じだったのが、このキットではもっと崩れた形状。クローズアップで撮っておくのを忘れた。
  • シャーシ前面の四角いブレーキ点検パネルはシャーシと一体成型で、抜きの関係で上辺のエッジが斜めになっている。
  • 本来、B~D型では、主砲のクリーニングロッドはアンテナケース側面に取り付けられているが、キットではアンテナケース横のフェンダー上に取り付けるようになっているうえ、75mmクラスの主砲でないとおかしいくらいに太い。フェンダー上に取付穴が開いているのも困りもの。
  • 戦闘室とエンジンルームの間に本来あるべき分割線がない。
  • 車体前部牽引具上の左右の前照灯、車体後部のスモークキャンドルの取付位置が曖昧。前照灯はもしかしたら牽引具上にポチッと出っ張っている極小の突起の上に接着しろということなのかもしれないが、その場合は接着面が小さすぎてとてもまともに取り付けられない。
  • 車体前部の牽引具のL字ピンの頭が成型の都合で水平になっていて、見た目上もちょっとよくない上に折れやすい。

もっとも、ミニスケールのキットとしてはディテールは比較的細かい方だと思う。

▼砲塔

シリーズは違うものの、同じIBG社の手によるTHE WORLD AT WARシリーズのA型、B型と基本設計は同じパーツ。ただし細部ディテールのモールドは微妙に違っている。キューポラはB型までの単純な円筒形のものではなく、IV号戦車B型以降と同型のがっちりした装甲シャッター付きのもの。パーツは一発抜きだがそれなりの形になっている、と思う。

内部防盾と一体の主砲・同軸機銃のパーツは、明らかにTHE WORLD AT WARシリーズのB型と同じ設計データに基づくものなのだが、THE WORLD AT WARシリーズのB型ではスライド型を用いて砲口に穴のモールドを付けていたのに対して、こちらは単純な2面抜きで砲口部にランナーゲートが来ている。

ちなみにD型までの砲塔は、主砲は同じ37mmKwKでも、E型以降の砲塔とは(側面ハッチが片開きだ、というだけではなくて)基本設計自体が別物。砲塔前半部の傾斜もきつく、その分、砲塔前面はE型以降の砲塔よりも狭いはず。……というのを、最近まで「まあ、何か違うっぽいよね」くらいにしか認識しておらず、改めて資料をひっくり返して再確認した。

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  • 周囲のハッチ/クラッペ類は一体モールドで、そのため、下辺はきちんとエッジが出ておらず、砲塔本体とナナメに接続している。THE WORLD AT WARシリーズのA型、B型でも同様だったのだが、よりパーツを抜きやすくするためか、さらに下辺エッジがダルく感じる。
  • THE WORLD AT WARシリーズのA型、B型同様、同軸機銃が太過ぎ。車体前面機銃も同じMG34だが、そちらのパーツはまだマシ。
  • 主砲の駐退器カバー部分にヒケが出ていた。

●そんなこんなで、とりあえず組み上げてみた。

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8つ転輪の初期型III号戦車は後の6つ転輪の標準型よりも車体が長く、特にD型はB/C型よりも後端オーバーハング部が長いので、さらに間延び感がある(車体長はIV号戦車よりも長い)。

▼気になった箇所のみ、若干手を入れた。

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砲塔クラッペ・ピストルポートは一体モールドのため下辺エッジが斜めになっていて印象が悪かったので削り込んでエッジを立てた。側面ハッチについては、下側にある小リベットを再生するのが面倒くさかったのでそのままとした。砲塔上の手すりは0.3mm金属線に交換。

操縦手席左側のクラッペは、一体モールドでまるっきり形が崩れていたので(一度はそのままにしようと思ったのだが、結局我慢できずに)作り直した。対空機銃架左側に飛び出した部分がクラッペにかぶさるような形になっていて、このままでクラッペが開閉できない格好になってしまっているのだが、そのままとした。ちなみにTHE WORLD AT WARのB型も操縦手席左のクラッペは一体モールドなのだが、本キットほどは形が崩れていなかった。

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クリーニングロッドは作り直し、装着位置もアンテナケース側面に。フェンダーにあったパーツ取付穴は埋めた。気合の入った(そして工作力のある)ミニスケール・モデラーなら、埋めた後のフェンダーパターンも再生するかもしれないが、私はそのまま。ちなみに元パーツは右写真のように巨大。先端どころかロッド部分さえ37mm砲身に入りそうにない。

戦闘室とエンジンデッキの間には筋彫りを追加した。

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主砲と同軸機銃には穴開け加工。同軸機銃はいかにも太く、以前にIII号A型を作った際にはフジミ76のI号戦車のMG15のパーツの銃身と交換したのだが、ストックが尽きてきたのでこのキットに関しては左右から削り込んでほんの少し細くしただけ。

フェンダー先端裏側は削り込んで薄くした(前後とも)。牽引具のL字ピンは0.3mm金属線、前照灯の柄の部分は0.5mm金属線に交換した。

●FIRST TO FIGHT、THE WORLD AT WARの初期型III号戦車勢揃いの図。

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左からA型、B型(ここまでがTHE WORLD AT WARシリーズ)、D型(本キット)、E型(後2者がFIRST TO FIGHT)。E型はキットとしては指揮戦車E型のものだが、以前のレビューで書いたように中身は「通常の戦車型にアンテナを付けただけ」のお手軽キット。しかも履帯、フェンダー、転輪ディテールは40cmm履帯幅仕様になってしまっているなど、出来としては一段落ちる。

なお、FIRST TO FIGHTでは本キットのバリエーションとしてIII号指揮戦車D1型も出ているのだが、これは指揮戦車E型のキットとは大違いで、砲塔や車体上部は戦車型と別に新規にパーツを起こしているらしい。これはぜひ欲しい。

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III号指揮戦車E型 FIRST TO FIGHT 1:72

20191116_185457 ●買ったのは半月くらい前なのだが、バタバタして書いていなかったキット紹介など。

物はIBGが製造を請け負っているらしい、1939年戦役に登場した陸戦兵器に限った小冊子付ミニスケール・シリーズ、「First to Fight / WRSESIEŃ 1939」のIII号指揮戦車E型。

もともとIII号指揮戦車は好きでミニスケールなら比較的気軽に作れそうと思ったこと、このシリーズ自体もそこそこ気に入っていることが、ふらふら購入してしまった理由なのだが……。

結論から書くと、III号戦車(以下「戦車型」)とIII号指揮戦車の車体・砲塔の基本的な違いについては丸っきりフォローされておらず、単純に、戦車型のキットにアンテナ・パーツを追加しただけの、いっそすがすがしいまでのトンデモ・キットだった。

なお、キット内容とは関係ないが、箱絵では、どういうわけかエンジンルーム横の通風孔がD型っぽい形状になっている。IBG系のミニスケールでは、WORLD OF WARのII号戦車a1/a2/a3の箱絵も、何だか各型の特徴が入り混じっていて怪しかった。同じ画家かな……。

●とりあえずキット内容。いつもながら、箱絵と同じ絵の表紙のほぼA4版の解説小冊子(表紙含め12ページ、全編ポーランド語)。プラパーツは枝3つ(大2、小1)、ほかにデカール。

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写真1枚目:基本パーツ1。ロコ方式の足回り、車体上部、砲塔。

写真2枚目:基本パーツ2。車台、ほか小パーツ。

写真3枚目:指揮戦車用追加パーツ。フレームアンテナおよび左右のロッドアンテナ。なお、指揮戦車のロッドアンテナは左右で長さが違うはずだが、このパーツは長さが同じ。

写真4枚目:デカール。ポーランド戦時の白十字(のみ)。もしかしたら他キットとも共通かも。II号D型キットも白十字デカールだけだったはずだが、同じデカールだったかは未確認。

基本パーツ1&2に含まれる各パーツのディテールは戦車型のもので、おそらく、同じくFTFで出ている戦車型(III号戦車E型)のキットは、プラパーツ的には3枚目が付いているか否かだけの違いではないかと思う。いや、「もしかしたら砲塔の位置とかは戦車型と同じになってたりするかもなー。そうしたら移動させてやらんとなー」などとは思っていたのだが、まさかここまでとは……。

果たしてこれを「III号指揮戦車のキット」と考えてよいのかどうか大いに怪しいところで、最も平和的なこのキットの活用法は、通常の戦車型として組み立てることだと思う(戦車型用のアンテナも基本パーツの枝に含まれている)。仮にIII号指揮戦車として制作しようと思えば、アドバンテージは「フレームアンテナと2つのロッドアンテナ&ケースのパーツがある」だけ。もちろん、単純にフレームアンテナを追加するだけで、「わーい、さんごうしきせんしゃだー」と言って楽しむ選択肢もあるが(そもそも、それほど資料がなかった昔の認識はそんなものだった)、私の模型姿勢的には無し。実際には、戦車型と指揮戦車とでは砲塔の位置が違うだけでなく、細部ディテールが大幅に違うので、修正(というよりもう改造)はかなり遠い道のりとなる。しかも見た目はフレームアンテナ以外あまり変わらないので、それら作業の結果はいたって地味。

●そんなわけで、私自身「これはもう、戦車型で組むしかないよな……」と思ったのだが、一方で、「指揮戦車E型が作りたくて買ったのに……」と、諦めきれない部分も少々。以下、その辺も含みつつディテール・ウォッチ。

▼車体

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車体前部。よく見ると、なぜか前端装甲に増加装甲のボルトのモールド付き。なんでや……。また、ブレーキ通風孔の装甲カバーは、戦車型の場合はF型からのはず。指揮戦車E型の場合は(戦車型よりも生産時期がちょっと後ろにずれているせいか)通風孔カバーは付いていた模様。いずれにしtも、単純にモールドを削るだけなので、これの修正は楽。

戦闘室上面前端には、吊下げフックが左右と中央の3カ所にモールドされているが、これは、

  • 戦車型の場合は中央1カ所。
  • 指揮戦車型の場合は左右2カ所。

――のはず。戦車型、指揮戦車型の両方に対応できるように3つモールドでておいた……ということは(その他の箇所から判断すると)なさそうな気がするので、単純にミス?

操縦手側面のクラッペは一体モールド。無線手席側側面にはモールドがないが、戦車型はE型までは右側にはクラッペがないそうなのでOK。指揮戦車のキットとして考えると、右側にはクラッペが2つにピストルポート、左側にもクラッペ1つの他にピストルポートがなければいけないが、その辺は全無視。

戦闘室前面装甲板(写真右)もまるっきり戦車型仕様。ただし、機銃架のワクは何だか装甲板に一段めり込んだような形になっていて、ちょっとおかしい。指揮戦車型としては、機銃架(に見せかけたピストルポート)の枠の下側の切れ込みがないだけでなく、そもそも場所が戦車型よりももっと内側(もちろん、戦車型同様、ワクは埋まり込んだ形状にはなっていない)。

操縦手用の装甲シャッターは、戦車型の場合はキットのようなスライド式でいいのだが、指揮戦車E型では、はい人28号さんによると、ポーランド戦時には側面クラッペのような小型のものが付く妙な仕様になっていたらしい。その後は戦車型G型同様の軸動式のものになるそうで、要するに、戦車型E型のようなスライド式シャッターは用いられていなかったらしい。知らんかったよ……。トラクツによれば、戦車型E~G型、指揮戦車D1~E型、すべて戦闘室前面装甲は30mm厚だったことになっていて、となると、E型でスライド式シャッターが用いられなかった理由がよく判らない(ちなみに指揮戦車D1型ではスライド式シャッターが使われている)。

  • 戦車型D型 → 戦車型E型/指揮戦車型D1型 の段階で一度、
  • 戦車型E型/指揮戦車型D1型 → 戦車型G型/指揮戦車型E型 の段階でもう一度、

というふうに、2段階の装甲増厚があったとするとすんなり理解しやすいのだが……。

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エンジンルーム横の通風孔は一発抜きのため、フェンダーに垂直に一体化している。ロコ方式のキットであれば、これくらいの割り切りは当然かな……。上面はメッシュが貼ってある状態でモールド。そもそもメッシュは標準装備なので、格子になっているよりはこのほうがいい。もちろんメッシュからかすかに格子が透けているような芸コマなモールドならもっとよいが、さすがにそこまで求めるのは贅沢だろう。

フェンダー上のOVM類は、ジャッキを除いて一体成型。

戦車型として作る場合はこれでもいいのだが、指揮戦車の場合、左フェンダーの消火器とジャッキの前後関係が逆だったりと、OVMの配置に若干の違いがある。また右フェンダーには、戦車型のアンテナケースの脚の位置にダボ穴が開いていて、指揮戦車として作るとこの穴がそのまま残ってしまうことになる。根本的に手を入れようと思えば、フェンダーごと作り直す必要が出てくる。……ドットパターンはどうするんだ。

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車体後端は、下縁が一直線になってしまっている。ここは戦車型も指揮戦車型も真ん中辺でもっと上下幅がある形状のはず。また、マッドフラップを跳ね上げた際に尾灯が顔を出すための穴が再現されていない。

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砲塔位置の比較。左はキットの砲塔リング位置通りに砲塔を載せたもので、戦車型標準の砲塔位置。砲塔の後端は戦闘室上面からエンジンルーム側にはみ出す。右は指揮戦車型の砲塔位置で、砲塔後端はエンジンルーム側へははみ出さない。

▼砲塔

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砲塔は戦車型としてはそこそこのレベル、ではないかと思う。指揮戦車型は上面ディテールが大幅に違い、角型のペリスコープなどはない代わり、大型の伸縮式アンテナのためのハッチだの何だのが付いている。キットの天井板には(戦車型の)内部装備に対応した細かなネジ穴モールドが施されているが、これらは指揮戦車型にはない。

側面のクラッペの前方に跳弾リブがあるのは戦車型のみ。ただし、キットのモールドでは両方のクラッペにスリットが彫ってあるが、戦車型の場合スリットは右側面だけのはず。指揮戦車型は両方にスリットがあるが前述のように跳弾リブはなく、また、左右で高さが違い、右側面のクラッペは左側面よりも高い位置にある。

防盾カバーは、戦車型の場合、俯角を取った時に連装の同軸機銃の銃身が入る溝がワクの下縁にあるのだが、キットにはそれがなく、指揮戦車のダミー防盾の形状に近い(が、その程度が近くてもなあ……)。

▼足回り

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足回りは履帯も含めた一発抜きの、いわゆる「ロコ形式」のため、そもそも履帯表面のディテールなど望むべくもないが、接地リブ部分はちょっと左右に突き出し過ぎな感じ。そして起動輪に巻き付く部分だけ、変な横リブ入りで「二」の字の連続みたいになっているが、これは履板から突き出た起動輪の歯をCADで適当に処理した結果かもしれない。余計なことを!(笑)。

起動輪、誘導輪の表現は(一体成型で隙間もないことを除けば)それなりだが、転輪は、リム部との境のリングが立ち上がり過ぎていて後期型転輪っぽい。そしてなぜか、サスアームが転輪に食い込む形でモールドされているのは印象が悪い。

●……と、つらつらチェックしていくと、ますます指揮戦車への道のりの遠さにげんなりしてきて、戦車型のまま組む方向にさらに傾き中。

なお、35の指揮戦車E型に関しては、以前にSUMICONで指揮戦車H型を作った「はい人28号」さんが、最近やはりドラゴンベースで完成させている。

→はい人28号さんのIII号指揮戦車E型

はい人28号さんはIII号指揮戦車系列のコンプリートを目指しているとかで、新たに指揮戦車D1型を製作中。あれ。miniartで発売予定じゃなかったっけ……と思ったら、いつのまにかカタログから消えているらしい。指揮戦車D1型は戦車D型と違って、車体前部ハッチが左側しかないとか、車体前面装甲板の上下が組み継ぎになっているとか、上部転輪の位置も違っていそうとか、車体幅も違うかもしれないとか、なんだか今まで気付いていなかった点がボロボロ出て来て目からウロコ。

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THE WORLD AT WAR 1:72 III号戦車A型

20180421_214928 ●ミニスケール(1:72)の新レーベル(というか新シリーズ?)、「THE WORLD AT WAR」の第一弾キットのひとつ、III号戦車A型(PANZERKAMPFWAGEN III AUSF.A)を買ってきたので、そのレビューなど。

購入は溝の口のイシハラi-Boxで、税抜き価格で2200円だった。

●実車について。

ご存知「遅れてきた主力戦車」III号戦車の一番最初の生産型。とはいっても、実質的には増加試作型で、10輌しか生産されておらず、実戦参加は1939年のポーランド戦のみ。

キットの箱絵およびデカールに取り上げられている「223号車」がポーランド戦時の写真として有名だが、所属は資料によって第2戦車師団と書かれていたり(GERMAN TANKS)、第1師団と書かれていたり(Wydawnictwo Militaria)。キット同梱の小冊子だと「ポーランド戦時は第1師団所属」らしい。

弱装甲(最大で15mm)と懸架装置の能力不足で、ポーランド戦後は早々と実戦部隊から引っ込められてしまったらしい。懸架装置はスイングアームの中途にコイルバネを配した独立懸架式で、その仕組みだけ見れば有名なクリスティー型サスペンションと一緒。III号A型の登場はクリスティー型よりだいぶ後なので、クリスティー型を参考にした可能性もあるかもしれないが、クリスティー型が車体側面上下幅一杯の長大なコイルスプリングを使っているのに対し、III号A型は申し訳程度の長さしかなく、とてもではないが高速で不整地を走れるようには見えない。結局、この後III号戦車は真打のE型登場まで足回りの試行錯誤を続けることになる。

●「新レーベル」とはいっても新しいメーカーではなく、ポーランドのIBG製で、箱の横にもIBG MODELSと書かれている。

IBGはもともと本体でも72陸物キットを出しているのだが、そちらの履帯もの(例えばトルディとかユニバーサルキャリアとか八九式とか)は部分連結式履帯がセットされている。それに対して、この新しい「THE WORLD AT WAR」シリーズは足回りがざっくり一体成型のロコ形式。要するにウォーゲームの駒にも使える比較的お手軽なキットで、同じくポーランドの72陸物キットシリーズ、「FIRST TO FIGHT」とよく似ている。実車解説の小冊子が同梱されているのも「FIRST TO FIGHT」と同じ。

ただし、「FIRST TO FIGHT」付属の小冊子がポーランド語のみなのに対して、こちら「THE WORLD AT WAR」のほうは(おそらく輸出品用に)英語・ドイツ語併記となっていて、非常にありがたい。版は「FIRST TO FIGHT」のものより僅かに大き目。ページ数は、「FIRST TO FIGHT」が表紙含め12ページなのに対しこちらは16ページ(下左の写真で右側に重ねてある2冊が「FIRST TO FIGHT」のもの)。

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ちなみに、「FIRST TO FIGHTのキットもIBGが作っている」という話をどこかで聞いた気がするのだが、だとしても、「FIRST TO FIGHT」は小冊子に「FIRST TO FIGHT Sp. z o. o.」(Sp. z o. oはポーランドにおける有限会社の略号)と社名が書いてあるので、少なくとも別会社ではあるらしい。

さて、「FIRST TO FIGHT」は“副題”(というかシリーズ名?)に「WRZESIEŃ 1939(1939年9月)」と書かれていることからもわかるように、1939年9月のポーランド戦役に登場したポーランドおよびドイツの車両・砲・フィギュアに特化した展開をしている(今後ソ連物も加わるのかどうかは不明)。一方、「THE WORLD AT WAR」は、第一弾の4種のキットは、

W001 III号戦車A型
W002 II号戦車a1/a2/a3型
W003 突撃砲Oシリーズ
W004 IV号戦車A型
(3、4番目は未発売、あるいは日本未入荷)

車両の時期としては「FIRST TO FIGHT」と重なるが、すべて「その車両の試作型/増加試作型に相当する一番最初の生産型」というとことんマニアックな選択。III号A型は、惹かれはするもののブロンコのキットは高いし、その割に(ネットで見る限り)イマイチ感があるし、35で作るのもちょっとなあ、と思っていたので、このスケールでの手軽なキットの発売は嬉しかった。

また、特にII号a1~3型は、インジェクションとしては初のキット化のはず。ちなみに箱絵を見ると起動輪がb型風に描かれていて若干中身に不安を抱かせるが、中身はちゃんとa型になっているようだ(1~3の違いについてはよく判らない)。今回も、このII号も一緒に入手したかったのだが、イシハラには(もう売れてしまったのか)置いていなかった。

いずれにせよ、今後どういう基準でラインナップを続けていくのか非常に気になる。突撃砲O型がキット化される以上、III号B型はガチか?

●前置きが(しかも単純に比較対象に持ってきた「FIRST TO FIGHT」の説明が)長いし。

まあ、とりあえず中身。枝は大小取り混ぜて5枚。「ロコ組キット」としては、割と小パーツは多め。

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足回りは前述のように一発抜きで、とりあえず転輪・起動輪・誘導輪の表側のディテールは非常に良い感じ。しかし、起動輪の歯部分が「厚切りナルト」みたいになっているのはやや寂しく、ここだけでも表裏分割にしてくれたらなあ、と思わなくもない(まあ、そういうことを言い出すときりがないが)。あとは、「すべての転輪の穴の位置が正確に揃っている」のが、(一度気になりだすと)どうしても気になってしまうが、さすがにこれは修正しようなどと思わないのが無難か。

車体は、工具類は一部を除いて一体モールド。miniart35のB型、C型では当初無視されていた(最近発売の改訂版で追加された)車体前部ハッチ周囲の別体表現もきちんとなされているのはエライ(ブロンコのA型は最初からパネル表現が入っているようだ)。独特のサスペンションも必要十分の出来だと思う。

砲塔のハッチ、クラッペ類は一体成型で、そのため、下辺のエッジは斜めになっている。単純に彫り込むと大きさが違ってしまいそうだし、砲塔ハッチ下には小リベットのモールドもあるので、とりあえずは放置の方針。最も気になるのは連装の同軸機銃で、車体銃と比べても、いくらなんでも太すぎる。さすがにみっともないので削り落とし、フジミ76のI号戦車の機銃パーツと交換した。

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●最初はキットの中身を紹介してそれで終わり、と思っていたのだが、ついつい組み始め、そのまま約1日で組み立てを完了させてしまった。途中、車長ハッチを落として紛失してしまい、半日ほど見つからずベソをかきそうになったのは内緒。

なお、組み立て説明に関しては小冊子のなかにたった半ページで図示されているだけで、図が小さいために取り付け箇所・取り付け方向が曖昧なものもある(車長ハッチなど、方向決めのダボもないのでちょっと困った)。そのあたりは箱裏の4面図や別途資料で補った。

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外形の正確さについてはきちんと測って検証したりはしていないが、後の「本格量産型」III号に比べて何となく間延びした感じのある「増加試作型」III号の印象はよく出ていると思う。

(現時点で)キットに対しいじった部分は以下の通り。

  • 前述のように、主砲同軸機銃を交換。
  • 砲塔上面左右の手すりモールドを金属線(0.3mm)に交換。
  • 砲塔前面のアンテナガードも金属線(0.35mm)に交換。キットにもパーツが付いているが、太い上に単純なコの字形になっている。実物はかなり微妙な形状。作例は左右の角が尖りすぎたかも。
  • 車長ハッチは上面に突起モールドがある方が前。キットのパーツはハッチ両側に突起があるが、実物は左側だけのようなので右は削り取った。
  • 車長キューポラは成型の方向の都合で最前部・最後部の視察口が薄く曖昧になっていたので改めて開口。
  • 後部マッドフラップ内側パーツのエッジを薄々に。
  • 排気口を開口。
  • 前照灯は強度的に不安があったので接続部分を金属線で代替。

なお、本来はエンジンデッキ後半にぐるりとワイヤーが搭載されるのだが、キットでは省略されている。これはこの後付け加えたい。

やっぱりII号a型も欲しいな……。

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