II号戦車a2型 IBG 1:35(4)
●もはやレビューというより半ば製作記に足を突っ込んでいるが、IBGのII号戦車a2型の気になりポイントの続きと、その修正作業など。
とりあえず現在は、車体基本形を組み上げたあたりで、その時点での気になりポイント/手入れポイントをランダムに。
●戦闘室の部品分割はタミヤのII号戦車(ポーランド、フランス戦線)とほぼ同様で、周囲の縦の面は一部を除いて別部品。実車では接合ライン(溶接線)はエッジにあるが、キットでは上面に接合ラインが来てしまうので、なるべく丁寧に消す必要がある。近接して吊り下げフック基部のモールドがあるので、それを避けて消すのがちょっと面倒。
●レビューの前回で書いたように、戦闘室右側のフェンダーステイは、車体側付け根部分に若干の変形があった。
前方ステイの付け根は埋めたり削ったりして修正。後方ステイは、キットでは前方と同形状だったが、一度削り落として大型のものに作り直した。
どうもこの後方ステイの形状や位置には、型や時期で微妙な変更があって、b型以降はもう少し前方にあるらしい。a型の場合は戦闘室とエンジン部カバーの接合部くらいにある。ステイの根元は、キットのモールドでは戦闘室側にかかっているのだが、当時の実車写真では戦闘室側よりもエンジンフード側にかかっているようにも見える。確証無し。
また、トラクツの図面によると、フェンダー側の取付ベロは後方にあるように描かれているが、キットは前方ステイと同様に前側にある。これに関しては、当時の実車写真ではよく確認できないし、そもそも修正するとフェンダーパターンの再生など、非常に面倒な作業になってしまう。というわけで、ステイ本体の形状は修正したが、位置とベロの向きはキットのままとした。なお、b型以降のステイのベロは後方も前側にある模様。
●エンジンルーム側面の通風孔は、保護ロッドが単純な板状モールドになっているので、一旦削り落とし、金属線で作り直した。
また、エンジン点検ハッチは、周囲に隙間があるのは実車もそうなのだが、キットはちょっと開きすぎな感じなので、ハッチ側にプラバンを貼って狭めるとともに周囲の溶接線を付け加えた。
●車体前部ハッチは、キットは表面がつんつるてん。本来は鍵穴ほかロック機構関連と思われるディテールがあるので、なんとなくそれらしく追加。
●II号戦車a~b型の前端マッドフラップは、フラップ本体とヒンジが離れた位置にある、ちょっと謎の構成。なんで単純に継ぎ目に蝶番じゃダメだったんだろう……と思ったが、改めて考えて謎が判明。あ。これ、跳ね上げた際に前照灯をまたぎ越すようになってるんだ。
キットでは、この周辺は比較的細かく部品分割されていて、それなりに表現しようという努力は認められる。
しかし、フェンダー内側パーツ(左写真)は、可動部との継ぎ目がないうえにスプリング付きストッパーのモールドもやや貧弱。可動部を貼り増す形で手を入れた。
可動部内側面(白いプラペーパーで追加した部分)は、パンツァートラクツに掲載されたマニュアル図(p8)では、写真に追加した黄色矢印部に切れ込みがある。尾藤満さんのa2型工作でもその切れ込みは再現されているが、当時の実車写真では、写真それ自体が不鮮明だったり、寄りの写真がなかったりで、存在がはっきり確認できなかったので、私は切れ込み無しとした。
しかし、よくよく考えると、この切れ込みは、跳ね上げた際に後方のフェンダーステイと当たる部分を窪ませることでより深く倒すために付けてあるのかも。そう考えると、「あって当然」にも思えてくる。
また、ついでに前照灯の配線も追加した。
なお、車体前端曲面部にある小さな点検パネルは、a型では取付ボルドが6本、b型以降では2本……というだけでなく、b型以降は一段出っ張っているのに対して、a型ではほぼツライチになっている。
●車体後部の無線手ハッチは、増加試作型(a~c型)では2分割。
a型では通風孔に中央の保護バーがないようなので、キットのパーツのバーのモールドをくりぬいた。そのままがらんどうの車内が覗けてしまうと情けないので、適当に隔壁を入れたのだが(左写真)、よくよく資料を見直したら、通風孔は筒抜けではなく直下にシールドがあるようなので追加。そりゃまあそうだわな。隔壁工作はまるで無駄。
なお、このハッチのパーツは、キットの説明書では戦闘室後面パーツ(P18)の取付前に付けるように指示されている。私は、前記の接合線消しの都合もあって先にP18を付けたのだが、そうすると、クラッペのモールドが干渉してハッチが入らず、無理矢理ねじ込む羽目になってしまった。そのせいで、ハッチが微妙に歪んでしまった。
それにしても、実際にこのようなレイアウトだと、実車でもハッチがうまく開かないはず。本来はクラッペがもっと薄くて干渉しない? あるいは、ハッチ前端の形状が、実際にはちょっと違う? どうもよく判らない。
●フェンダー後部ステイは別部品(G7、G8)。
パーツそれ自体にピタッと位置を決めるダボなどはないが、L字の内側をフェンダーにそのまま沿わせるのではなく、やや間隔を開ける。でないと、外側端が飛び出してしまうので判ると思うが。
なお、説明書ではこのステイに重ねて牽引用リングの部品(U4)を取り付けるよう指示があるが、実車では当初、このリングはなく、後々の追加装備の様子。また、このパーツはステイ付け根のボルトを共用して取り付けられているようなので、(説明書には書かれていないものの)ステイ付け根のボルトを削ってから付けるものではないかと思う。
●誘導輪基部は、基部パーツの中心に車軸が付いた形状になっている。
しかし、実際には車軸はこの基部パーツの中央から偏心していて、この部分を回転させることで誘導輪位置を変えて履帯張度を調整する仕組みになっているはず。
もっとも、組み上げてしまえばほとんどわからないうえ、現在の車軸位置で、トラクツの側面図とほぼピッタリの位置に誘導輪が来るようなので、特に移動などはせず放置のつもり。
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