I号戦車

I号戦車B型のあれやこれや(5)

●I号戦車の寄り道工作。

今回はタミヤでもアカデミーでもなく、脱線でいじり始めてしまったI号sIG33自走重歩兵砲用の車体工作。

●結局、車体はやはりイタレリのものを使うことにした。

以前書いたように、イタレリ(発売時はイタラエレイ)のI号は、古さゆえの誤りもあれこれあるものの、基本設計は最新キットに比べても遜色がない。いわんやドラゴンをや。

とはいえ、新キットに劣る部分もあることは確かなので、若干手を入れることにした。

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1枚目写真。I号戦車の車台床面は単純な長方形でなく、ギアハウジング部下に若干の張り出し(平面部)がある。トライスターのA型新版以降のキットはおおよそこれが表現されているが、イタレリやトライスター旧版、ドラゴンB型では表現されていない。

どのみちひっくり返さない限り誰も気が付かないような部分だが、以前A型を工作した時にはいじったので、なんとなく勢いで。

単純に削って平面部を出せるなら楽なのだが、床を延長するとともにギアハウジングそのものも「盛って削って」が必要になるので、最終的な見た目上の変化はほとんどないのに工作は面倒という不毛な作業。

2枚目写真。イタレリの車体のフェンダーは、工具類取付用の穴などもなく、改造やバリエーション車輛への流用にはうってつけ。ただし、左フェンダー前部にはノテク・ライトの基部が一体にモールドされているので、これを付けたくない場合には何らかの処理が必要になる。

予算と気力に余裕のある人ならエッチングのフェンダーを張りこむところだが、私は、使わないことにしたドラゴンのシャーシから、穴の開いていない部分のフェンダーを切り出して移植した。都合の良いことに、イタレリとドラゴンとではフェンダーのメッシュパターンがほとんど同じ大きさなので、違和感なく継ぎ足すことができる。

ついでに右側先端部も取り換えたのは、工作ついでに、ドラゴンの車体前部上面版に合わせて、フェンダーの継ぎ目を僅かに後方に移動させたかったため。

●同じくI号sIG33自走重歩兵砲用のエンジンルームの工作の続き。

アカデミーとタミヤのI号戦車の右後方グリルの下にはエッチングでメッシュを貼ってしまったが、その後、どうも標準的にはメッシュはなかったらしいということが判明。

その場合、グリルの下が筒抜けになってしまうので、今度はそれらしく整流板を追加した。

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左右は不均等に2分され、左側のみ中央に仕切り板がある。

エンジンルーム上のハッチ類も取り付け。中央のエンジン直上は、どうやらI号sIG33自走重歩兵砲の場合は戦車型のような観音開きのハッチではなく、取り外し式の1枚板のパネルが使われているらしい。確かに、観音開きのハッチでは、整備のたびにsIG33歩兵砲を下ろさないと、砲架が邪魔して開くことができない。

とはいえ、「1枚パネルが使われているらしい」というのは、以前どこかネット上で読んだおぼろげな記憶があるのと、この写真のみが頼り。写真ではエンジン上が開口しており、エンジンルーム右に立てかけてあるのがそのパネルらしい。作例で前後に持ち手を付けたのは、「何かその手のものがないと開けられない」ためと、リンク先の写真をよく見ると、手すり(持ち手)がおぼろげに「あるようにも見える、いや、あるんじゃないかな」というのが根拠(薄弱)。

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I号戦車B型のあれやこれや(4)

●なおも漫然と「I号戦車いじり」続行中。

特にスゴイ進展もスゴイ工作もしていないが、戦車としての形ができてきたので、若干テンションは上昇中。

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●両社とも、履帯は部分連結式。英語のレビューだと、link and length track(リンク&レングス方式)と言われているヤツ。

ディテールも両方ともまずは満足すべきレベルで、その意味では「両社おおよそ同じ」なのだが、組み立て易さは格段に違った。

タミヤは起動輪・誘導輪に巻き付ける部分は2リンクずつ(起動輪、誘導輪とも×5ずつ)で、あとは上、下、起動輪-転輪間、転輪-誘導輪間。つまり1リンクずつのパーツはないので、正確には「links and length方式」と言うべきかも。また、最後部の上部転輪と履帯間とで位置決めのダボがあり、巻き具合が正確に同じになるように設計されている。

一方、アカデミーは上、下、起動輪-転輪間、転輪-誘導輪間がlength(連結済み状態)なのは同じだが、起動輪・誘導輪に巻き付ける部分は1リンクずつ。また、下、起動輪-転輪間、転輪-誘導輪間のlength部分はタミヤよりリンク数が少なく(短く)、その分も1リンクずつのパーツで補う必要がある。

さて、もともとI号戦車の履帯は1リンクあたりが小さいうえに、先祖のビッカース由来のスケルトンタイプ。にもかかわらず、アカデミーの1リンクずつのパーツは、1つあたり5か所もランナーゲートがある。そんなわけで、まずはランナーから切り離す時点で、(最初はあまり深く考えずにニッパーを入れてしまったこともあって)余計な力が掛かって連続して数コマ破損させオシャカにしてしまった。

その後は、「片側を丁寧にナイフで切り離し、そちら側のゲートを綺麗に処理してから、もう片側の切り離しを行う」という方法を確立して、なんとか残りは破損無しで切り抜けた。しかしおかげで、不足せずにきちんと両側履帯を巻けるかどうか、最後までハラハラさせられる羽目になった。最終的に、1リンクしか余らなかった。イヤ本当にギリギリ。危なかった……。リンクごとのゲート処理も非常に面倒だった。

さらに、基本。同じように巻いていったにもかかわらず(位置決めダボはないものの、タミヤ同様に上側のlengthは上部転輪に合わせたたるみが付いているので、おおよその位置は定まる)、なぜか、片側はうまく巻けたのに、もう片側はリンク半分ぶんのズレが出た。結局、すでに接着してあった誘導輪軸をエナメルシンナー剥がし技で外し、僅かに位置を前方に振ることで調整した。

もちろん、余裕のある方は他社製の連結可動履帯を奢れば、こんな余計な苦労はせずに済むのだが、「キットのパーツで組もう」という人は、最初から誘導輪軸の根元の角度決めダボを削っておき、履帯連結を最後に誘導輪部で調整できるようにしておくとよいかも。

なお、タミヤは足回りに巻く分きっかり、アカデミーも(全部無事に切り出したとしても)数コマ分(たぶん4~5リンク)しか余りがないので、電撃戦終盤以降に見られたような、「増加装甲代わりに車体前部に予備履帯」の姿は、両社とも箱の中のパーツだけでは表現できない。

●砲塔の車長用ハッチの右側にある信号弾発射用(あるいは信号旗用?)小ハッチの丸いパッチは、タミヤは一体成型だが、アカデミーは別パーツ。

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なんでわざわざこんなところを別パーツに? と思ったのだが、改めて実車写真を見ると、ここはベンチレーション用に僅かに隙間が設けてあるのだった。アカデミー偉い!

なお、前回記事に追加したように、「横型フック」の側面穴(アカデミーの方)は、外側の穴を0.5mmドリルで広げた。

●なお、アカデミーの砲塔は車体の穴に比べ砲塔側のはめ込み部が細く、あまりにガタガタして気になるので、プラペーパー0.2mmを巻いて調節した。

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実はこれでもまだ若干緩かったので、このあとさらにもう一巻きしたのだが、今度は太くし過ぎて入らなくなり、外側に巻いたプラペーパーをだいぶ削り落とす羽目になった。やっつけ仕事だなあ。

●車体ハッチは、本来、下側のハッチに上側のハッチが被さって固定されるようになっている。

……のだが、タミヤは綺麗にそのように表現されている一方、アカデミーは、なぜか、下側ハッチと上側ハッチの縁がツライチになってしまう。というわけで、アカデミーのほうは、0.2mmプラペーパーを貼り増して段差を付けた。

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●車体前右に付くブレーキ放熱パイプは、アカデミーはキットのパーツを使ったが、タミヤのパーツはちょっと貧弱な感じがしたので、コトブキヤの「スプリングユニット(2.0mm径)」に交換した。

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以前にI号戦車A型(ブレダ20mm型)を製作した際にもこの部分に使うため購入したもの。ただし、逆にちょっと太過ぎたようで、アンテナ基部とフェンダーとの間にちょうど嵌ってキツキツ状態。私は他に使い道も思いつかないこの素材が、I号戦車換算で10輌分くらい余っているのでそのまま使ったが、これから素材を用意して同じような工作をしようという人は、1段階下の1.5mm径がお勧めかも。

「サスペンションのコイルスプリングの径が、とか偉そうに言ってるヤツがいい加減だなオイ」と言われそうだが、「いや、その通りですスイマセン」としか。

A型の時はどうだったんだ、と思ったが、この時はアンテナ基部も自作したので余裕で付けられたらしい。

この放熱パイプ、中ほどと先端の2か所に固定金具がある。当然、作り替えたタミヤのほうはその金具も追加工作の必要があるのだが、先端はアンテナケースに隠れる(および干渉する)ので取り付けなかった。なお、改めてA型工作時の記事を読んでみたら、固定金具のフェンダーへの取付の「足」が短すぎたようだ。過去の自分の工作くらい、ちゃんと読んでおけよ……。

●作っている間に資料写真など見ていて気付いたこと。

エンジンルーム前方の吊り下げフックは、前回記事で工作中写真を載せたようにA型以来の「縦型フック」を、側面前端に付けているのが標準。しかし、同じ場所に新型の「横型フック」が付けられているケース(実車写真)、あるいは「横型フック」が上面に付けらているケース(実車写真)もある。

「アハトゥンク・パンツァー第7集」に掲載ののB型の図(第2刷、p34)では上面に「横型フック」が付けられた仕様が描かれていて、「あれ、こんなところにフックがあったっけ」と思ったのだが、実際にそういう仕様があったわけだ。

もしかしてトラクツには書いてある? と思って探してみたが、見つけられなかった(読み落としているだけの可能性も)。

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I号戦車B型のあれやこれや(3)

●漫然と「I号戦車いじり」続行中。

最初のレビューにも書いたように、タミヤの第一転輪サスペンションのコイルスプリングは、線径が細く巻きが多い、A型標準に近い見た目(写真1枚目)。一方で、アカデミーのキットはA型後期~B型に用いられた強化型の外見になっている(写真2枚目)。

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単純に模型としてみた場合には、タミヤはサスアームからスプリング、ショックアブソーバーまでまとめて1パーツなので組立が非常に楽。ただし、スプリングやサスアームの台座部分は一部が車体側にモールドされているので、仮に他社製パーツに交換しようというような場合には余計に手間がかかる(タミヤあるある)。

一方アカデミーは4パーツ。前述のようにパッと見た目はこちらほのうがずっといいが、実はスプリングがちゃんと螺旋になっていなくて、裏側で逆傾きの「斜め蛇腹」になっている(組んでしまえば見えないので、そのままで十分だが)。

タミヤのサスのほうも、完成時にはあまり目立つ部分ではないので「サクっと作りたい」人の場合はスルー推奨だが、私はA型で一度いじった経験もあり、せっかくなのでコイルスプリング部を作り直すことにした。

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線材は0.7mmのアルミ線を利用(ちなみに、以前のA型では0.5mm径を使った)。VOLKSで購入。確か50cmで1本200円弱だった。

むしろ、適度な太さの芯材探しに手間取ったが、こちらは、結局アカデミーのキットの車台前端部のツッパリ棒パーツ(B49)を使った。特に使わなくても問題ない部材だったので、箱の中に余っていたもの。

基本、アルミ線はあまり弾性がないので、きつく巻くと巻かれたままになるのだが、とりあえず、間隔を調整したらあとの加工中にずれないように瞬着で固定。キットパーツのスプリング部分を切除し、見合う長さに切った新造部分をはめ込んだ。

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バネの巻きは両方とも右巻き(右上がり)。ちょっと巻きが緩かった(巻き数が少なかった)かも。A型の時は「ちょっと巻き過ぎた」感があった。なかなか一度では決まらんもんですな(でも面倒なので作り直さない)。

●車体各部の吊り下げフックを付ける。

細かい部分だが、ここもアカデミーとタミヤのキット化に対する姿勢が伺える。

B型になってから使われ始めた「横型フック」(私が勝手にそう呼んでいるだけで、他で通用する名称ではない)は、タミヤは座金部分は車体/砲塔側にモールド。フック部分だけが別パーツ。その分パーツ自体は小さくなるが、ランナーゲートは接着部分側ではなく、フック上側にあるので、一部ランナーを「持ち手」として残したまま接着し、しっかり固定した後に切り離し/ランナーゲートの処理を行うことが可能。

こういう極小パーツは「ピンセットミサイル」「カーペットモンスター」のダブル攻撃で紛失してしまうことも多いので、これは有り難い。しかも、後述の「縦型フック」も合わせ、必要数より数個余分に入っている。これまた有り難い。

一方、同じ「横型フック」について、アカデミーは座金も含めて1パーツ(つまり、実物と同様)。フック部分の横腹に開いている2つの穴に関しても、貫通はしていないものの凹モールドで表現している。再現性に関して言えば、タミヤのパーツよりもはるかに高い。ただし、こちらはランナーゲートが接着部にあるので、パーツの切り離し後に、極小パーツをつまんで処理する必要があるうえ、パーツ数も必要数きっかりしかない。神経を使う。

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私は、アカデミーの方は、0.4mmドリルでフック横腹の穴を追加。前述のように、もともと凹モールドがあるので穴あけ加工は楽(当然、ランナーに付いた状態で加工)。(その後、資料写真を見直したら、2つの穴は同じサイズではなく、外側のほうがやや大きいことが判ったので、外側を0.5mmドリルで拡大した)

タミヤの方は、フック部分に厚みがあって外形的にはイマイチ感あり。背も低めなので、2か所の穴を表現するのは諦めた。このフックに関しては、どこからか3Dプリントパーツも出ていたような気がするので、お金とやる気に余裕のある人は交換してみても良いかも。

A型以来の「縦型フック」に関しても、同様の傾向がある。

こちらはタミヤも座金と一体で1パーツとなっているが、やはりランナーゲートを接着面とは別のところに設けてあり、接着後に処理ができるのが非常にありがたい。

アカデミーもパーツの形状自体はタミヤと大きくは変わらないが、横型フック同様、ゲートは接着面にあるので処理が面倒。

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この「縦型フック」は、フック下側の折り返し部分に2連の穴があり、これはさすがに両キットとも再現されていない。

「横型フック」の穴の再現をスルーしたタミヤのキットの方は、キットパーツそのままで組み立てたが(写真1枚目)、アカデミーは「横型フック」と統一性を持たせる意味もあって、折り返し部分を穴を開けた0.3mmプラバンに取り換えた。

パーツ形状が下側に向けて絞りがきついので、折り返し部と幅が不連続になってしまった。こうして写真で拡大すると粗が目立つが、堪忍してつかぁさい。

●防盾の中央には照準器用の小穴がある。

タミヤはモールドがあるのだが、アカデミーは(結構ディテールに凝っているこのキットには珍しく)忘れられているので、0.4mmのドリルで開口した。うーん。こうしてみると、ごくわずかに横にずれてますね。

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●この後、車体・砲塔各部のクラッペを取り付けた。

両社とも薄くモールドされていて好感が持てるが、タミヤがクラッペ用の開口部にポッチを設けて配置や向きを間違えないよう配慮しているのに対し、アカデミーはそれがないので少々気を遣う。さらに、車体右前部の「視察スリットがあるようでない」クラッペについて、アカデミーは、一応、説明書で図示してはいるものの、ランナー上の配置では天地が逆になっていて、間違えて取り付けてしまう人もいそう。

もっとも、クラッペを開けたい人の場合、タミヤの「間違い防止」用ポッチは綺麗に削り取るひと手間が増えることになる。

●脱線のI号sIG33自走重歩兵砲についても若干の続き。

エンジンデッキに関しては、前方グリル部も自作し、基本形はほぼ出来上がった。

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デッキ上面はキットの不要パーツ(4.7cm対戦車自走砲用)を利用。右後方グリルはキットパーツから一旦切り離して加工したもの。上面パーツの後縁をわずかに切り詰めることで、グリルが後面版と接するように調整している。エンジンルーム四周は0.5mmプラバン、前方グリルは0.3mmプラバン。

エンジンルーム前面形状は、キットのようではなく、訓練用車と似た形状ではと推察して、そのように工作した。

さて、このエンジンデッキを、キットの車台と素直に組み合わせるつもりでいたのだが……。

あれこれつつきまわしているうち、どうもドラゴンの車台の寸法の違いが気になってきた。全体的にあっちこっち微妙に違うのだが、一番気になったのは車台前面板の高さと形状。というわけで、いっそ古いイタレリのものと交換してしまおうか、という方向に傾き中。

というわけで、イタレリの車台、後端下に省略されている丸パネルとリベットを追加した。横一直線のリベット列は、ちょっと横幅が広すぎたかも。向かって右のバルジのベージュの丸はヒケを埋めた跡。

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改めてイタレリをいじっていて驚いたのは、最古のキットであるにも関わらず寸法的には最新のタミヤやアカデミーと遜色ないこと、ボルト頭こそないものの、タミヤやアカデミーでも忘れられていた起動輪基部の装甲カバーがちゃんとモールドで表現されていること、カマボコ型に一体成型であるものの、第一転輪のサススプリングの巻きと傾きが適切だったこと(削り取ってしまったが)、など。

イタラエレイ(このキットの時代の正式会社名)、パねぇ。

ちなみに「ITALAEREI」は「ITAL(イタリアの)+AEREI(航空機)」の意味で、同社がもともと航空機模型メーカーで出発したことを示す。会社ロゴマークはその当時から変わっておらず、イタリアのトリコロールと飛行機のシルエットで描かれたAEREIの頭文字A。

イタレリ(ITALERI)に社名変更されたのは、「海外で読みやすいように」という配慮からとのことだが、それ以前から日本のモデラー間では「イタラエリ」という、新旧入り交じったような呼び方が定着していた。新社名「イタレリ」は、日本語の「至れり尽くせり」にも引っ掛けているんだという、どうにも嘘くさい説も聞いたことがある。

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I号戦車B型のあれやこれや(2)

●わすかな進展(というより手戻りからの作り直し)。

誘導輪基部の補強の仕様については、とりあえずは前回書いたように、

  • タミヤはキットのまま、後期標準の太いシャフト(というかパイプ?)付きの仕様。
  • アカデミーは不要パーツを利用し、やや初期の、細いロッドが追加装備された仕様。

にしたのだが、その後、「大きいピントルに細いロッドの仕様ってあったのかなー」とやや不安になり、両仕様を交換することにした。タミヤのほうは排気管基部カバーにもボルトがないやや初期な仕様なので、そちらのほうが似合ってるかもなー、などと思ったのも一因。

ちなみに以上は、ほぼ印象と好みの話なので、「え? そういう仕様はないの?」などと早とちりしないこと。

アカデミーのほうはロッドの両端をがっつり接着してあったので、剥がして作り替えるのにちょっと面倒な思いをした。だから思い付きでホイホイ工作を進めず、きちんと製作計画を練っておけとあれほど!(誰目線?)

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アカデミーの方はもともとキットの指定はこちらの仕様なので、本来のパーツを使ってそのように。タミヤは、アカデミーのロッド両端の取付架がやや貧弱な気がしたので、基部のみドラゴンのパーツを流用(端を薄削り)、ロッド自体はアカデミーのものを使用。

が。

ここで改めてトラクツを読んでみたら、現存車輛(たぶんアバディーン)の当該部分のクロースアップ写真のキャプションに「バーが内側に曲がっているけど、本来は真っ直ぐだよーん(Note: The bar has been bent inward - it was originally straight across the rear.)」という一文が。うは!!

というわけで、ロッドそれ自体も真っ直ぐにパーツ化されていたドラゴンのものを流用して付け替えた。

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取付架にボルト頭を追加。牽引ピントル下面の、太シャフトとの連結用モールドも削り取った。

……何をやってるんだか。

●さらに脱線。

ディテールの比較のためにドラゴンのI号sIG33自走重歩兵砲のキットを取り出しているうち、こちらも少しいじり始めてしまった。

このキットは、ドラゴンのI号戦車B型の大きな弱点である短い戦闘室・小さい砲塔が丸ごとない一方、かなり出来のいいsIG33重歩兵砲の出来にも助けられ、さらにI号戦車用のパーツも少なからず改良が加えられているので、「いつかそれなりにきちんと作ってやりたいキット」としてストックしていた。

が、改めて取り出してみていると、エンジンルームにB型キットから引き継いでいるようなディテール上の難点もあり、眺めているうち、つい、エンジンルームを作り直し始めてしまった。

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1枚目写真がキットのエンジンルーム。ここまですでに組んであった。右後端のグリルの位置がおかしい(右壁・後壁から若干の距離がある)、前方グリルの形状がおかしい、などなど、改めて見てみると、ちょっとよろしくない。

というわけで、不要部品として入っていた4.7cm対戦車自走砲用のエンジンデッキとプラバンで、改めてエンジンルームを作り直すことにした。現状、2枚目写真のような感じ。右後ろのグリルは、ここに使用しているエンジンデッキのパーツから一度切り離したものを改めて付け直す予定。

なお、このエンジンルーム前端(戦闘室側の縦面)形状なのだが、キットの形状はどうも違うような気がする(限られた写真によれば、もっと垂直に近く立っているように見える)。戦闘室上部装甲板が取り払われて、この部分の形状がばっちり判る写真がどこかにないものか。

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I号戦車B型のあれやこれや

●I号戦車B型に関しては、タミヤのキットを買ってアカデミーと比較して、というところまでやって、あとは作りかけもたくさんあるし、しばらくは寝かせて置こうくらいの心づもりだったのだが、結局悪い癖が出て、両社キット並行していじり始めてしまった。

●まずは、タミヤの新キットで最もトホホな感じを受けた、エンジンルーム右後方のグリル。

キットのパーツは、再掲になるが、下写真1枚目のような出来。一応ルーバーは斜めになっている状態を表現しているものの、まるで鋳造のよう。流石にこれはなんとかしたいところ。

現在すでに(他社用に)エッチングパーツなど出ており、また今後タミヤ用にも3Dプリントパーツなど出そうな感じで、「いや、オマエ、エッチング組むか新パーツ待つかしろよ!」と言われそうな感じだが、ついコリコリと自力でシェイプアップしてしまった。もしこれでオシャカにしてしまったら、その時は諦めて新たに自作するかエッチングを組むかするつもりだったが、まあ、なんとかそこそこ削れた。

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その後、四隅に取付用のベロ表現を加え(リベットまで表現するのは面倒くさくて放棄した)、車体側もルーバーに合わせて若干の加工をして取り付け。

「説明書通りに作るならサクサク行く代わりに、ちょっといじろうと手順を逸脱すると途端に面倒臭くなる」というのが「タミヤのキットあるある」。このキットの場合も、排気管カバーのエッチングの取付のために車体後面板の部品構成が変な凝り方をしていて、しかも本来の手順では車体後面板を車体組立の最後に付けるようになっていたりするので、ちょっと余分な手間がかかった。

グリル奥には、アカデミーのI号と合わせて、先日の東京AFVの会の折にサニーで仕入れてきたエッチングの菱形メッシュを貼った。

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……さて、ここで問題が、このメッシュ。

実はドラゴンのI号戦車B型キットには、このメッシュがエッチングパーツで付属していて、アカデミー、タミヤにはない。「いや、そもそも実車は、ここにメッシュがあるのか?」というのは、取付前にやや不安になったところなのだが、結局付けることにしたのは、前記事でも書いたように、ボービントンのI号指揮戦車にはメッシュがあるため。

もちろん、現存車輛は貴重な資料ではあるものの、補修やら、保存や試験の都合やらで余計なものが付け加わることがあるから、現状を鵜呑みにはできない。とはいえ、ボービントンのI号指揮戦車はもともと状態が比較的よく、あまり手は加わっていないように感じる。さらに確証が欲しくて当時の写真をパラパラ見てみたものの、都合よくグリルがクローズアップされているものが見当たらず、とりあえずは、ボービントンを信じることにして工作したのだった。

が!

ふと、すぐ横に積んであった古い「グランドパワー(94/6号)」をめくってみたら、なんとエンジン点検中を間近に撮った一枚が。でもって、

「メッシュないじゃーーーーーん!」

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もちろん、例えば生産時期とか、あるいは現場部隊での追加などでメッシュ付きの仕様があった可能性は無くはないが、少なくとも、「わざわざメッシュを調達してきて追加しなくてもOK」とは言えそう。アカデミーもタミヤも、一応は根拠があってエッチングメッシュを入れなかった可能性もある。

もっとも私はメッシュを貼ったうえで車体をほぼ組んでしまったし(タミヤの方はまだ車体上下は接着していないが)、もしもメッシュがないとその下が覗けてしまうので何らかの追加工作が必要になりそうなので、このまま行くつもり。それでも、今後I号B型ベースの自走砲とか作る時にはメッシュ入れないかも。

●エンジンルーム前方のグリルも、タミヤはいささかプアな出来なので、プラバンで作り直した。

夜中にボンヤリしながら適当に現物合わせで工作していったので、ちょっと奥まりすぎた。反省(……でも作り直さない)。

タミヤ、アカデミーとも、そのまま戦闘室方向まで筒抜けになるのも何なので目隠し程度に隔壁を作った。

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●タミヤのキットのエンジンルームは標準仕様で、全ハッチは閉状態で一体モールドだが、アカデミーはエンジン上のメインハッチと左後方の小ハッチ(ラジエーター点検ハッチ)が別パーツ。私の買った現行キットでは不用部品扱いながら、熱帯型の通風孔付きハッチもパーツ化されている。

なお、イタレリの時代から熱帯型はパーツ化されていることもあって、「I号戦車はA型もB型もアフリカ戦線に行ってるんだね」程度に漠然と思っていたのだが、尾藤満さんのサイト「パンツァーメモ」の「Study 考察雑記帳」コーナーに新たに上がった記事「北アフリカのI号戦車B型」によれば、第5軽師団(後の第21装甲師団)の戦車連隊に配備されたI号戦車はA型のみ。B型は同師団の戦車駆逐大隊、および第15装甲師団の工兵部隊に少数が配備されたのみであるらしい。

なお、ドラゴン、アカデミーの左後ろ小ハッチの熱帯型パーツは、通風孔にU字断面の整風板というか、目隠し板がモールドされているが、実際には後方が開いたL字型だったようだ。これについても尾藤満さんが別にページ「I号戦車B型の熱帯地仕様」を立てて、ムンスターのバックヤードにあるレストア前の車輛の写真も上げて解説してくれている。

私はアカデミーのキットも標準仕様で組んで熱帯型のパーツは使わなかったが、熱帯型で組みたいという人はぜひ両記事を参考に。

●車体後端、誘導輪基部内側の仕様に関しては、タミヤは太い補強バーが付いた後期標準の仕様。

一方アカデミーもキットの指定では同じ仕様なのだが、不要パーツとして、より初期の細いロッドが付いた仕様のパーツもセットされている。せっかくだし、タミヤとの違いを出す意味から、そちらの仕様で組んでみた。

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この場合、

  • 誘導輪基部張り出し(B14、B15)にある補強バー取付用の穴は埋める。
  • 牽引ピントル部はキットの指定ではB33、A35だが、A35の代わりに、補強バーとの接続部のモールドがないA36を使う。
  • 細い補強ロッドA19を取り付け。

なお、タミヤとアカデミーとで牽引ピントルの形状が異なっているが、尾藤満さんの製作記によれば、これは実車にもみられるバリエーションだとのこと。タミヤのタイプはアバディーンの現存車輛、アカデミーのタイプはクビンカの現存車輛で確認できる。ちなみに両博物館の車輛の補強の仕様は、アバディーンが細いロッド、クビンカが太いシャフトなので、作例とは組み合わせが逆。

なお、タミヤは今回のキット化に際してスペイン(マドリード)の実車を取材したとのことなので、タミヤの仕様(小さい牽引ピントルと太いシャフト)の組合せはその車輛に倣ったものか(当該車輛のwalkaroundなどがnet上で見つからなかったので推測)。また、ドイツにある47mm対戦車自走砲も「小さい牽引ピントルと太いシャフト」の組合せ。また、ボービントンの指揮戦車は、クビンカと同じ「大きい牽引ピントルと太いシャフト」の組み合わせ。

……「大きいピントルと細いロッドの組み合わせはなかった!」なんてことがなければいいなあ。

●起動輪基部は、博物館現存車輛でも陰になっていてなかなか確認しづらいのだが、前半分に保護用の装甲カバーがボルト止めされているらしい。TAKOMのキットでは再現されているようなのだが、アカデミー、タミヤともに省略されているので、0.3mmプラバンで追加。

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アカデミーとタミヤとでは、基部の形状がちょっと違っているので、装甲カバーの巻き方もそれぞれ。ボルトは4カ所と判断した。

●サスペンションボギーは、前記事で書いたように、アカデミーではスライド型を用いて横の窪みがモールドされているなど、総じて再現性が高い。が、それでも不足もあるので、それぞれに手を入れた。

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1枚目、タミヤはサスボギー横の窪みを彫り込んで、ナットを追加。また、ボギーシャフト上の部分に、グリースニップルと思われる小突起を足した。

2枚目はアカデミーのサスを下側から撮ったもの。こちらはこちらで、タミヤでは表現されている板バネ根元の「たが」の下側部分と、端のボルト頭がないので追加した。

なお、青矢印で示したダンパーパッドは、アカデミーでは表現されているのだが、タミヤではあっさり省略されている。「え、これも追加工作が必要なのか」と一瞬げっそりしたが、よくよく考えるとサス外側の補強桁に隠れてほとんど見えないはず。ここは「アカデミー、偉い!」と褒めるだけに留めて、タミヤに追加はしないことにした。

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I号戦車B型 タミヤ 1:35

Img20241118231345 ●つい先日発売された(そして出張先の関西でわざわざ買ってきた)タミヤのI号戦車B型の簡単なレビューと、ちょっとしたチェック。

箱は35戦車キットとしてはだいぶ小さめ。物が小さいので当たり前とも言えるし、ツュンダップKS750サイドカーが“オマケ”に入っていたアカデミーより小さいのも、これまた当たり前。

中身は、グレーの整形色の基本プラパーツが5枝。透明パーツ1枝。ポリキャップ、エッチングパーツ、デカールという構成。

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写真1枚目:Aパーツ(×2枚)。足回り。履帯は最近一般的で、アカデミーI号とも同じ部分連結式。

写真2枚目:Bパーツ。車輛全体のディテール関係と、膝上の戦車兵(車長)フィギュア1体。

写真3枚目:Cパーツ。箱組の車体と、Bパーツからこぼれたディテール少し。

写真4枚目:Dパーツ(上)はスライド型を使用した車体上部と砲塔。Gパーツ(透明パーツ)は前照灯と車幅表示灯の前面レンズ。エッチング(排気マフラーカバーのみ)とデカール。

概観としては、「タミヤらしく、きっちりとよく出来たキット」で、組立もしやすそう。実際、少し進めてみた感じでも気持ちよく組めた。

寸法的にも、ざっとチェックしてみた感じ、トラクツ(PANZER TRACTS No.1-1 Panzerkampfwagen I Kleintraktor to Ausf.B)の図面とはほぼピッタリ整合。少しだけ先行したアカデミーのキットとは、ごく僅かな出入りはあるものの、これまたほぼ合致した。

デカールは(上の写真では隠れてしまっているが)3種の塗装例に対応。

  • A:1939年、ポーランド戦時の第4戦車師団
  • B:1940年、フランス戦時の第4戦車師団
  • C:1941年、ロシア戦線の所属部隊不明。

塗装指定は3種ともグレー単色。しばらく前に、「電撃戦当時は戦前のグレー時にブラウンの雲形迷彩だった」というのが定説になったと思ったのだが、また変わったのだろうか。もともとこの迷彩は2色とも暗めなので、当時のあまり鮮明でないモノクロ写真では迷彩かどうか判別できないものも多く、「本当に2色迷彩だったの?」と思うことも多かったのだが、こうしていきなり説明なく「単色説」を提示されると、それはそれでちょっとモヤモヤする。

●おそらく、気になっている人が多いと思うのが、「で、結局、(発売時期が近かった)アカデミーのキットと比べてどうなのよ?」という点だと思う。

結論から言ってしまうと一長一短、どちらもいいキットだし、どちらが圧倒的に優れているということもない感じ。日本国内での値段的にもほぼ同等(サイドカー付きのアカデミーの方が、その分わずかに高い程度)で、あとは個々のモデラーのお好み次第、というところだろうか。

両者の特徴としては、タミヤの方が(おそらく一般的なイメージとしてもそうだろうが)組み立てやすくカッチリ仕上がりそう。アカデミーの方がディテール的には優れた点がいくつかあるものの、特に面ごとの分割が多い戦闘室の組み上げはちょっと面倒。また、タミヤのキットはフェンダー前後のマッドフラップは最初からパーツ化されていないので、特定の実車を再現したいと思うような場合、追加工作無しでは選択肢が狭まることになる。

なお、個々のパーツで見ても一長一短あったりするので、「両キットのいいとこ取りのニコイチで決定版を目指そう」というアプローチはちょっと不毛かも。

アカデミーのキットに関しては、以前に割と詳し目にレビュー(および先行キットとの比較)を書いているので、お暇な方はそちらも見て頂きたい。

それにしても、「アカデミーのキットがタミヤに全然負けてない、部分的には優れている」という時代が来るとはなあ……。

●以下、パッと目に付いたポイントごとの比較など。2社比較の写真では、グレーがタミヤでベージュがアカデミー。

▼車体

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車体に関しては、こうして基本形を組み上げてしまうと大差ないように見えるが、パーツ構成はだいぶ違っていて、タミヤは車体上部がスライド型を使った一体成型で組立にストレスなし。アカデミーの場合、戦闘室のベースはフェンダーと一体なのだが、両側面・前面は別パーツで、若干すり合わせや接合部の処理に気を遣う。

エンジンルームもアカデミーは別部品。アカデミーは点検ハッチ類が別パーツで、(既発売のノーマル版では不用部品扱いだが)熱帯型のパーツと交換可能。一方タミヤはハッチ類は一体成型で、逆に右後ろの通気グリルが別パーツになっている。

車体下部は両社とも箱組だが、車軸(ボギー軸)の扱いがちょっと違っていて、タミヤは車体底面と軸が一体。アカデミーも(ボギー側の)軸は別に短くないので位置決めでガタ付く怖れは低そうだが、タミヤの方がより強固そうな気はする。タミヤは第4上部転輪基部だけ別パーツで、この第4上部転輪は履帯取り付けの基準にするために特殊な形状になっているのだが、それにしてもわざわざ基部を別にする理由は、ちょっとよく判らない。

なお、車体下部内部、エンジンルームとの隔壁は、アカデミーは今後の自走砲系列へのバリエーション展開も見越してか隔壁ディテールのモールドがあったが、タミヤのキットでは単純に側面板の位置決め/補強用で、これを見る限りでは自走砲等への展開の可能性は低そう。

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興味深いのが底面で、なぜかドレン蓋類?の配置が鏡写し。これはトラクツNo.1-1、p81の写真と図面で正解が判るが、タミヤが正しくアカデミーが誤り。もっとも、車輛をひっくり返して眺める用事は少なそうで、私も個人的にあまり問題とは思わない。

ちなみにイタレリのキットではまるで違うディテールになっており、ドラゴンのB型シャーシもそれを真似たと思われるデザインになっている。

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フェンダーの滑り止めパターンはアカデミーが細かく、タミヤはやや粗め。これはアカデミーのレビューを書いた時に検証したが、アカデミーの目の細かさがほぼ正しい。とはいえ、タミヤのキットも以前のII号戦車A~C型ほどは粗くはなく、大きな違和感はないと言えるかも。ちなみに、イタレリやドラゴンはタミヤとほぼ同じくらい。

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エンジンルーム右後ろのグリルは、タミヤのキットは別パーツ。一応、ルーバーが斜めになっているのは表現されているものの、一見「鋳造かよ!?」みたいな出来。これは流石にお粗末。

エンジンルームと一体成型のアカデミー製の方がずっと優れた表現で、エッチングほどではないがルーバーもタミヤより薄いし、奥に見えるグリル取付用のベロもしっかり表現されている。

たぶん、20年くらい前の自分に、「ベージュの方がタミヤ製で、グレーの方は東欧の新興メーカー製だよ」と言ったら、そのまま信じてしまいそう。「そう、こういうところに手を抜かないのが、流石タミヤだよね!」とか。

「本気で取り組む人は、どうせエッチングに交換するんだから、別部品になってるタミヤの方が楽でいいんだよ」というヒネクレた見方もできるかもしれないが。

なお、グリルの奥にはメッシュがあるらしい(当時の写真で存在が確認できるものがざっと見たところで手元にないが、少なくともボービントンの指揮戦車にはある)。ドラゴンのキットにはメッシュのエッチングが付属していたが、タミヤ、アカデミーは両方とも付属していない。写真のアカデミーのキットのメッシュはハセガワ・トライパーツのメッシュ41(東京AFVの会の折にサニーで買った)。

ただ、タミヤのほうにメッシュを追加しようと考えた場合、接着ベロなど裏側形状がちょっと複雑で、簡単には取り付けられそうにない。

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エンジンルーム前方のグリルについても、アカデミーの方が優れている。どうせ中に何があるわけでもないので、タミヤの方が「抜けていない」のはそれほど大きな問題ではないかもしれないが、グリル取付用のベロの再現など、アカデミーの方がより神経が行き届いている。グリル両端が単純に装甲板に合わせて斜めになっていないところも、アカデミーの方が正しい。

なお、このグリル部上面に、タミヤのキッでトは皿ネジ列のモールドがあるが、アカデミーにはない。ただし、実車にこのようなネジ列があるかどうかがいまいちよく判らない。

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シャーシ後端は、太い補強用シャフトが付いた後期(改修?)仕様の一択。アカデミーは同仕様と、細い補強用ロッド付きの、より初期のものと思われる仕様の選択なので、それに比べるとタミヤは選択の自由度が低い。(訂正:アカデミーもキットの指定は太いシャフト付きのタミヤと同じ仕様で、細いロッドは不要部品扱い。今後出るバリエーションで、この仕様を使うようだ)

もっとも実際には(当時の写真を見る限りでは)太いシャフト付きがほぼ標準仕様くらいの感じに見えるので、あまり大きな問題ではない。

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誘導輪基部内側のキャップ?パーツは、リングが二重にはまったような形状なのだが、タミヤのパーツは金型の方向からもわかるように1段に簡略化されている。こちらはアカデミーのパーツに軍配が上がる。

▼足回り

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タミヤの大きなアドバンテージと思えるのが、外周の“ポケット”が再現された転輪。

これは「I号戦車キット史」的に見ると、トライスター製A型キットの新版から再現されるようになったディテールで、その後、ドラゴンの後期のバリエーションの一群やTAKOM製キットでもフォローされている。

ただ、トライスター、ドラゴン、TAKOM製キットでは、ホイール・リムのみが別部品だったのに対し、今回のタミヤのキットでは、ゴムリムを含めて内外に分割、スポーク部を挟み込むように組む型式にしたのが新機軸。これは、実際に見てみると至極もっともな部品分割なのだが、安易に先行キットの分割を真似せず、独自の、よりよい分割を考案したのは流石タミヤという感じ。

写真1枚目、2枚目は、右からタミヤ、アカデミー、トライスター新版。ご覧のようにトライスター新版も“ポケット”部は再現されているが、別部品のホイール・リムのリングと、ゴムリムとの接合部分は、隙間が空いたり接着剤がはみ出したりしないよう、やや気を遣う。

ドラゴン、TACOMの場合はリングがエッチングパーツなのでさらに取り付けは面倒、かつ、TAKOMのキットは(ネットでのレビューを見る限り)だいぶ隙間が空くようなので問題がある。タミヤの新方式の場合、接合線はゴムリム外周トレッド面の中央に来るので、通常の転輪パーツのパーティングライン消しと同等の手間しか要らない。

また、タミヤの転輪は、スポーク部外周の強化リブの縁に立ち上がり部分があるのも表現している(他社キットでは、TAKOM製のものにはある?)。

ただ、一体成型のアカデミーの転輪がダメかというと、こちらはゴムリムに「CONTINENTAL」のメーカーロゴ、そしてスポークにも何かの刻印がモールドされているというメリットがあり、これはこれで捨てたものではない。

なお、タミヤ、アカデミーとも、スポークの根元部分2か所にグリースポイントと思われる突起がモールドされている。この突起が、トライスター、ドラゴンでは片面にしかなかったが、アカデミー、タミヤでは両面にモールドされている。ただし、アカデミーのキットでは表裏とも同じスポークだが、タミヤのキットでは別のスポークになっている。どちらが正しいのかは不詳。(追記:その後実車レストアの動画をみて、タミヤが正しいらしいと判明。いや、どうせ両面同時には見えないのでどうでもいいけれど)

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サスペンションボギーは、アカデミーではスライド型を用いて横の窪みがモールドされている。ボギー軸上のグリースポイントと思しき小突起も、タミヤでは省略されているが、アカデミーは表現している。この部分に関してはアカデミーに分があると言えそう。

しかし一方で、サス下面のディテール(サススプリング根元の結束具、先述の窪みに対応する下面のボルト頭もしくはナット)はタミヤの方がよく、アカデミーが完璧、というわけでもない。

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誘導輪は、アカデミーのキット・レビューの中で、「ドラゴンとアカデミーの誘導輪を比べると、ドラゴンはハブ部の突出が大きく、比べてアカデミーは全体に平べったい形状であること」「実車写真と見比べるとアカデミーの方が近いこと」を書いたが、タミヤとアカデミーを比べると、タミヤ製の誘導輪のほうがさらに平べったい。

実車写真と比べると、見る角度によってタミヤの方が近く見えたり、アカデミーの方が近く見えたり。なお、タミヤの誘導輪は表裏の分割がちょっと奇抜だが、そこはタミヤのこと、変な隙間など出ずに綺麗に組める。内外で分かれているリム部の間隙は、タミヤ/アカデミーともちょっと狭いかな。内外リム間のリブは実車では6枚タイプと12枚タイプがあるが、タミヤ/アカデミーともに後者。

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タミヤの起動輪は、ホイールディスクに外周のスプロケット(歯車)部分を取り付けるボルト列はあるが、ホイールディスクとスプロケットの分割線が省略されている。中心のハブカバープレートは、アカデミーに比べやや大きめ。

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第一転輪のコイルスプリングのサスペンションは、意外になかなか満足できるパーツがない。そもそもコイルスプリングが、左右で巻きが鏡写しになっていたり、コイルスプリングじゃなくて蛇腹になっていたり……。その点、タミヤの新キットのコイルスプリングはちゃんと左右で同じ巻きだし、ちゃんとコイルスプリングを表現している……のはよいのだが、バネ線が細くて強化前のA型用に近い。残念。

2枚目の比較写真で見るように、アカデミーのキットはバネ線が太くB型用としてふさわしいが、これまた残念なことに裏面ではバネ線が逆斜めになっていて、要するにコイル状ではなく、「斜め蛇腹」になっている。なんだそりゃ……。まあ、組んでしまえばほぼ見えないけれど。

▼砲塔

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砲塔は両社ともスライド型を用いて上側面一発抜き。外周はほんのわずかにタミヤの方が大きい。

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砲塔に関しての2社間の大きな違いが防盾の処理。タミヤは内部防盾と防盾カバーが一体で、当然ながら非可動。アカデミーは別(可動)。一方で防盾前面のクラッペはタミヤは別部品、アカデミーは一体。

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機銃(MG13k)については、2社とも、インジェクションのパーツとしては十分な出来ではないかと思う。満足できない人は、アドラーズネストなど張りこむよろし。タミヤは機関部もあり、別に照準器もあるので、ハッチを開けた際に多少有利。ただし、クラッペ内側機構など、その他砲塔内部のパーツはない。

▼その他ディテール

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排気管基部カバーは、アカデミーが2か所のボルト付きの後期仕様であるのに対して、タミヤはそれがない前期仕様。手元の写真(指揮戦車)で、ボルト突起がないカバー付きで、誘導輪基部の補強シャフト付きのものが確認できたので、仕様的な齟齬は特に無いようだ。

一方、排気口はタミヤは単に外形だけのパーツだが、アカデミーはスライド型を用いて開口表現がなされている。

なお、アカデミーのキットは不用部品扱い(たぶん今後発売されるアフリカ仕様用?)ながら、車体後部に付けられる発煙筒ラックのパーツが入っているが、タミヤのキットの方にはその手のパーツはない。

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タミヤのキットのアンテナラックは木目表現入り。やや大げさな感じはしないでもないが、努力は感じる。

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工具のクランプは、両社とも一応ハンドル部分も表現。ただし、タミヤの方はハンドル内側が抜けていない。アカデミーの方は一応抜けているが、形状が単純な四角という感じで、こちらもイマイチ。個人的にはエッチングや3Dプリントのクランプは「そこまで張り込むのもなあ……」という気がしているのだが、ハンドルだけは交換してもいいかも。

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前照灯、車幅表示灯は、タミヤは前面レンズ部が透明部品。アカデミーは透明部品無し。2枚目写真のアカデミーのパーツは、中央のものが車幅表示灯で、前面部品は別パーツ(その前面部品も通常のプラ)。

なお、写真に見るように、タミヤのパーツはちょっと厚みがあり過ぎるものの車幅表示灯の「逆さへの字」の座金もしっかり形状を表現している。アカデミーの方は単純にフェンダー上にイモ付けする構造。

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オマケ。フェンダー前後のマッドフラップ。アカデミー製。タミヤのキットには付属していない。

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I号戦車B型 アカデミー 1:35(2)

●アカデミー 1:35、I号戦車B型のキットレビューの続き。寸法チェックや他社キットとの比較など。もっとも他社キットとの比較とはいっても、本当に比較してみたい直近新キットのTAKOM製は持っていないので、いまひとつ役立ち度は低めかも。

なお、ドラゴン、イタレリ、トライスターの寸法/パーツ比較については、尾藤満さんの「パンツァーメモ」のI号戦車B型製作記にも詳しい。もちろん、パーツ比較だけではなく製作そのものに関しても大いに助けになる。

●まずは、PANZER TRACTS No.1-1、I号戦車の巻の図面と突き合わせてみることにする。

当然ながら、寸法がどれだけ正確かは実車・実測データと比べるべきもので、本の図面には「それがどれだけ正確なの?」という問題が付きまとうわけだが、一応、PANZER TRACTSは実測データに基づいて作図しているとのこと。実際には、PANZER TRACTS掲載の図面も、部分的には「え、それどうなの?」と感じるところがないわけではないが、とりあえずは、今のところ最も信頼性が高いものと考えて、頼りにしてみる。

PANZER TRACTS I号戦車の巻の図面は1:35ではないので、まずは縮小コピーを取る。

PANZER TRACTSによれば、I号戦車B型の寸法は、

全長:4.42m(126.3mm)
全幅:2.06m(58.9mm)
全高:1.72m(49.1mm)

(カッコ内は1:35の計算結果、小数点2位以下四捨五入)

そもそもこの「全長」とか「全幅」とかが、どこからどこまで?というのがちょっと戸惑うのだが、全長は前後のマッドフラップ、全幅はフェンダー両端間――ではなくて、そこからちょっとだけ横に飛び出す転輪ボギーの補強レールまでを含めた寸法と判断。スキャンデータの印刷倍率を細かく変えて、上記カッコ内寸法の図とした。

で、そんな図面とキットの車体上部を重ねてみたところ。

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マッドフラップ部分を含めないフェンダー長は、PANZER TRACTSを縮尺してみた図面は108.8mmというところ(小数点以下はかなり適当)、キットは108.2mmくらいで、やや短い。上写真はフェンダー後端で合わせてしまったのでやや前側にズレが見られるが、フェンダー前端で合わせると、車体前部装甲板の継ぎ目とか、戦闘室の位置などは、ほぼ図面とぴったり重なる。ちなみに先行他社のキットの寸法は、

イタレリ:109.7mm
ドラゴン:105.7mm

イタレリが最も長く、ドラゴンは最短。尾藤さんによれば、ドラゴンはマッドフラップ部分で全長の帳尻を合わせているらしい。

戦闘室部分の前後長は、

PT図面:32.8mm
アカデミー:32.8mm

イタレリ:33.7mm
ドラゴン:31.7mm
トライスター:33.3mm

で、アカデミーはピッタリ、イタレリとトライスターA型でやや長く、ドラゴンは短かった。

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各社の車体上部と砲塔を並べてみたのが上写真。左からトライスターA型(新)、イタレリ、アカデミー、ドラゴン。PANZER TRACTSの図面によれば、戦闘室前後長と砲塔前後長はほぼピッタリ同じ長さらしいのだが、砲塔はトライスター用が最も大きく、イタレリが次点で、戦闘室の長さと順位が逆。このため、イタレリのキットでは砲塔前側で、やや戦闘室に“余り”が出る。

一方でドラゴンは戦闘室が最も短いが、砲塔前後長はそれよりさらに短い。そのため、砲塔を並べてみても明らかにドラゴン製だけ小さい。ドラゴンは後発のA型キットでは砲塔パーツを改めて大きくしている(実車では細部ディテールは違うものの、A型・B型で砲塔基本形は変わらない)。

なお、本来、砲塔リング中心は前後位置で戦闘室のちょうど真ん中にあるらしく、アカデミーのキットでもそうなっているが、砲塔前半の寸法の違いもあり、イタレリ、トライスターではやや後ろに、ドラゴンではやや前にズレている。

というわけで、とりあえず、ごく大まかに主要部だけ検証してみたが、寸法的にはアカデミーのキットはなかなかスグレモノといえそう。

●細部に関するチェックの続きと比較。

▼フェンダーの滑り止めパターンはこんな感じ。

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上がイタレリ、下左がアカデミー、下右がドラゴン。前回書いたように、アカデミーが最も細かく、実車にも近いようだ(フェンダー幅が、実車では網目15目。アカデミーが14目)。まあ、個人的にはイタレリくらいでもいいかなな、という感じだが、タミヤのII号戦車くらい粗くされるとさすがにちょっと……。

▼各社の転輪を比べてみたのが、以下の写真。

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左から、イタレリ、トライスター(上:改修版、下:旧版)、アカデミー、ドラゴン(上:改修版、下:旧版)。ドラゴンの改修版は、自走砲のキットにセットされているもので、トライスター改修版と同様、リム外側リングが別パーツになっているが、写真はそのパーツを取り付けていない状態。

以前、トライスターのA型旧版でブレダ20mm搭載型を作った際のチェックでも書いたが、トライスター旧版はちょっと“オムスビ穴”の底の角が丸すぎる感じ。各社ともスポーク付け根のグリースポイント?と思われるバルジも表現されているが、イタレリは本来2か所にあるべきバルジが1カ所しかない。また、アカデミーのパーツはグリースポイント?のバルジが、転輪の表裏両方にある(他社は片側にしかない)。これは実車の同一の転輪の表裏を確認したことがないので、正解は不明。

また、リム部外周のディテールに段付き・段無しの2種類あるが、これは実車でも確認できるバリエーション。また、前回書いたように、アカデミーのみ、ゴムリム部およびスポークに刻印が表現されている(TAKOMはスポークの方の刻印のみある模様)。

転輪の厚みは、イタレリのものが最も薄く、アカデミーとドラゴンはほぼ同一。トライスターのものが最も厚い。PANZER TRACTS掲載の諸元表のなかに、「Tires: 530/72 Rubber」という記述があり、この72(mm)が幅だと思われるが、35で割ると2.1mm。トライスターが2.3mmでやや厚め、アカデミーは1.8mmで薄め。アカデミーやドラゴンで薄めなのは、履帯のガイドホーンにそれなりのプラの厚みを持たせたかったからか。

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新しめの転輪3種でのディテール比較。トライスター新版と、ドラゴンの自走砲キットの新パーツは、リム部外周を別部品にすることでポケット状になっていることを表現。ドラゴンのキットは外周パーツを金属パーツで用意しているが、写真では取り付けていない。この部分においては、アカデミーのパーツは一歩譲るが、一方で前述のように刻印のモールドでは勝っている。なお、トライスター新版の転輪はややゴムリム部に軽くテーパーがあること、それもあってエッジの丸さが強調されて見えることも、ちょっと気になるかも。

▼誘導輪は、イタレリとドラゴンのB型(戦車型)ではムクの1パーツだが、アカデミーのキットや、ドラゴンの指揮戦車~自走砲の新パーツではリム部が表裏別パーツになって、空隙部が表現されるようになった。ドラゴンは指揮戦車と自走砲で、これまたパーツが違っている(自走砲のパーツの方が新しく優れている)。写真は、アカデミーと、ドラゴンの自走砲用パーツの比較。

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左がドラゴン(三代目)、右がアカデミー。リム部はドラゴンのものの方が薄く、空隙も広い。……だけではなく、ドラゴンのもののほうがハブ部の突出が大きくメリハリがある。ただ、実車写真と見比べた感じでは、ハブの突出具合はアカデミーの方が近い。

Idler01 なお、空隙間のリブは、両社パーツともスポークとスポークの間にもあって、計12枚となっているが、実車は、スポーク部にしかない(つまり6枚)ものもあるようだ。

ボーヴィントンの指揮戦車もどうやらリブの少ないタイプを装着しているほか、PANZER TRACTS No.1-1の中の写真でも確認できる(p83)。右写真はボーヴィントンの指揮戦車実車、wikimedia commons、File:SdKfz 265 Panzerbefehlswagen I Ausf B rear view at the Bovington Tank Museum.jpg(作者:Mightyhansa/Vauxhall Bridgefoot)より切り出し加工。

▼パーツ状態でフィット具合が気になっていた、戦闘室前・側面装甲板の検証。

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前回書いたように、おそらくクラッペ/ハッチ周りのモールドのツブレを防ぐために、このキットでは戦闘室側面・前面が別パーツ。そのために、接合ラインに隙間など空いてしまわないかが心配なところ。

工作の手順としては、車体上部パーツに、戦闘室左右の装甲板(A22、A23)を先に着け、その後で前面装甲板(A20)を着けた。なお、組立説明書の手順としては、これらのパーツを付けるのはステップ20とだいぶ後半だが、私は当然、間はすっ飛ばしている(こういうことをしていると、たまに、後から着けられないパーツが出てきたりして慌てることになる)。

側面パーツ(A22、A23)は裏側に複数の押し出しピン痕があり、そのため、多少凸凹している。これが接合時に多少の悪さをしそうなので、その辺を中心に、パーツのすり合わせを入念に行う。そこそこ頑張った結果、接着後の様子は写真のようになった。パーツの接合線は、2枚の写真の①③④の部分。若干、「パーツの合わせ目だなあ」感はあるので、この後、極細伸ばしランナーなど貼って整形をしたい。

なお、前述のように側面パーツを貼った後に前面パーツを合わせたが、その際、接合線③の部分に少々隙間が空いたので、側面パーツ前端の④の部分をヤスってやや後退させた。側面パーツ側の溶接線モールドを削り落とすくらいの感じでちょうどよくなった(そこまでの部品の擦り合わせ具合でも変わってきそうだが)。

関連して、戦闘室の後ろに取り付けることになるエンジンデッキは、前端部(写真の②)に溶接線のモールドがある。しかし実車では、戦闘室とエンジンルームは分離しており、かつ各々取り外し可能なはずなので、ここに溶接線はない(はず)。綺麗に削っておきたい。

●とまあ、こんな感じ。

戦闘室周りのパーツの接合など、一部面倒なところはあるが、全体の寸法、個々のパーツの出来などもよく、「アカデミー、やるじゃん!」と言いたい佳作キット。今後、噂の通りタミヤからもI号戦車が出るとして、まあ、まだ何の情報も出ていないキットとの間で優劣は付けようがないが、少なくとも、コストパフォーマンス的にもいい勝負には持ち込めそう。

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I号戦車B型 アカデミー 1:35

Img20240706123838 ●4日木曜日、仕事でつくばに行った帰りに秋葉原に寄り、ヨドバシでアカデミー 1:35、I号戦車B型を購入。

「タミヤからI号戦車が出るよ!」――というウワサ話のその後も気になるが、大戦初期のドイツ軽戦車好きとしてはスルー出来なかった。以下、簡単にレビューを。とりあえず今回は大まかにパーツ構成と、若干の目に付いた特徴など。

話題になっているのでご存じの方も多いと思うが、キットはI号戦車B型と、ツュンダップKS750サイドカーのセット。(主に)大戦初期に使われたI号戦車と、大戦中盤以降に使われたKS750とがセットなのはちぐはぐだし、箱絵のような(ポーランド戦時の塗装の)I号戦車とKS750が隣り合ったシチュエーションなどあり得ないのだが、まあ、そのへんは「突っ込むだけ無駄」みたいな。

もっとも、こういう「ちぐはぐな取り合わせ」は古いキットではよくあったことで、I号戦車に限っても、フジミの1:76は7.5cmPaK40とセットだったし、ニットーの1:76はキューベルワーゲン、BMW R75サイドカーとセットだった。しかし21世紀にもなってこれは……。

なお、箱上面は絵のみで、キット名称(車輛名称)などは無し。右下に小さくメーカーロゴが入っているだけ。比較的最近のアカデミーの箱は、斜めにタスキ掛け的にキット名称が入っていたように思うのだが、また変わったんスかね。

●まずは全体構成。

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パーツのプラ枝は、砲塔基本形のみも1枝と考えて、6種7枚(足回りが、同一枝が2枚)。透明パーツは無し。

Aパーツ(写真1枚目):車体上部関係。基本形以外の砲塔関係パーツもこの枝。戦闘室は前・側面が別パーツで貼り重ねる構成。A型では沈頭ネジ(皿ネジ)だったクラッペ周囲が、B型では尖頭ボルトに変更になっているため、モールドがツブれるのを避けるためと思う。腰上半身の車長フィギュア付き。

Bパーツ(写真2枚目):車台、OVMなど(うっかりOVAと書きそうになった)。シャーシは各面別パーツの箱組。

Cパーツ(写真3枚目):足回り(×2枚)。履帯は部分連結式(いわゆるリンク&レングス式)。

Yパーツ(写真4枚目):ツュンダップKS750サイドカー。この枝だけで完結していて、戦車本体のパーツとの出入りもないので、公出のフィギュアパーツと合わせて、いずれ単発キットでの発売もあるか?

Zパーツ(写真5枚目):オートバイ兵用コート着用、オートバイとサイドカーに搭乗のフィギュア2体。

砲塔基本パーツ&デカール(写真6枚目):砲塔は(あたりまえだが)クラッペ周囲に尖頭ボルトのモールドがあり、フック取り付け個所が上面にあるB型用。テストショット段階ではやたら大きくて「なんだこれ?」状態だったダンパーも適切な大きさに。デカールは、戦車用5種(ポーランド戦線3種、フランス戦線1種、北欧戦線1種)、サイドカー1種(どこのだろう?)、フィギュア用あれこれ。戦車用は全て1939年~40年のものなので、その時期はまだツュンダップKS750は就役していない。

Img20240706124144 エッチングパーツ(写真7枚目):マフラーカバーと菱形のナンバープレート、憲兵用ゴルゲット(首から下げているプレート)。ほか、写真に撮り忘れたパーツとしてワイヤーロープ用ナイロン(?)ひも1本も付属している。

組立説明書類(写真8枚目):組立説明図がカラー塗装図含め3部構成。さらに足回りの訂正組立図(元はサスペンションの向きを間違えている)、注意書き、などなど。やたら紙が多い。ちなみに赤枠の1枚は、「部品不足や破損がないかは、袋を開ける前に確認してね」という注意書き。何それ。微妙に不便なんだけど。

●基本的な寸法がどうの、というような話は次回に送ることにして、ここからはむしろ枝葉のディテールの部分を。個人的に「いいね」と思ったところ、「おや?」と思ったところなど中心に。

▼まずはAパーツから。

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戦闘室周りを中心に、エッジの溶接ラインのモールド表現はややおとなしめ。装甲の薄いI号戦車の溶接ラインとしてはまず適正なところだと思う。ただ、部品の接合線と重なる部分がどうなのかは、実際に組んでみないとよく判らないので、評価保留。

車体上面ハッチ周囲や前部上面の皿ネジは、ネジ頭が全部同一方向になっているのは、細かくて判りづらいとはいえ、少しだけ減点ポイントかな。

側面下部の増加装甲は先行キットと異なり別パーツではなく一体モールドだが、B型ならあるのが当たり前(のはず)だし、より薄い表現になっているので良し。取付ボルトも、ボルト頭ではなくナット表現になっている。

フェンダーは、先行のイタレリやドラゴンではシャーシ側と一体だったが、このキットでは車体上部側と一体。フェンダーの滑り止めのメッシュパターンはイタレリやドラゴン、トライスターのA型よりも細かく好感が持てる。

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エンジンルーム右後端のグリルは、ルーバーがきちんと斜めに表現されていて、しかも隅にぴっちりはまった表現になっているのが良い感じ(ドラゴンのキットは右端・後端からちょっと離れている)。

エンジンルームのハッチは、このキットでは不用部品扱いだが、熱帯地仕様の通気口付きのものもセットされていて、この後のバリエーション展開が期待できる(戦車型自体の熱帯地仕様か、それとも指揮戦車や自走砲か)。

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一部シャーシ関連のパーツも、A枝に入っている。誘導輪基部間の補強バーは、左写真中央のA8を使うよう組立説明書では指示されているが、細いタイプ(右写真、A19)もパーツ化されている。牽引ピントルも(説明書では一択だが)バリエーションパーツ有。

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機銃(MG13k)はスライド型ではなく銃口に穴は開いていないが、放熱筒の表現はプラパーツとしてはなかなか頑張っている感じ。

▼続いて、主に車台関係のBパーツ

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基本、インテリアはカラッポだが、エンジンルーム隔壁にはモールドがあり(左写真)、ファイナルギアハウジングの車内側もパーツがある(右写真)。車内が覗ける自走砲バリエーション展開への布石?

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車台前面装甲(左写真)は、ギアハウジングの出っ張り下に平面部分の表現あり。これは古いイタレリ、ドラゴン(B型)、トライスターA型の旧版では再現されておらず、トライスターA型の改修版や、ドラゴンのA型では表現されるようになった部分。目立たないところだが、きっちり抑えてあるのは嬉しい。

第一転輪用のサスペンション・コイルばね(右写真)は、ドラゴンA型キット用スプリングのように、左右で巻きが逆(鏡写し)なんてマヌケなことにはなっていないが、一方ではドラゴンA型用同様に、裏側でモールドが逆斜めになっていて、要するに「コイル」ではなく、「斜め蛇腹」にしかなっていない。どのみち組んでしまえば裏はほぼ見えないので作り直したりはしない予定だが、ちょっと脱力感。ちなみにドラゴンのもともとのB型用スプリングは、そもそもモールドが斜めにさえなっていない単純な蛇腹。そんなに難しい表現でもない気がするのに、意外にいいパーツがない(なお、実車のコイルスプリングは、A型用と、A最後期~B型用とで、バネ線の太さと巻き数が違う)。

▼足回りのCパーツより。

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転輪、上部転輪のゴムリム部には、社名の「CONTINENTAL」ほかの刻印入り。古いイタレリはもちろん、トライスターA型の新・旧版、ドラゴンのB型系列の新・旧版(戦車型と自走砲型)の転輪でも、ゴムリムの刻印はなかったので、アドバンテージと言えそう(ネット上のレビューを見る限り、TAKAMの転輪にも刻印はないようだ)。

ちなみに、ドラゴンは他のドイツ戦車ではメーカー刻印を入れている場合があるが、その場合、商標に触れるのを避けるため?、わざわざ「コンチネンタ(CONTINENTAU)」にしている。当キットは正しく「CONTINENTAL」になっているが、その後使っても良くなったのか、それとも何かかいくぐる手段を講じたのか、あるいは「知ったこっちゃねぇ」で使っているのか、は不明。

また、このキットでは、ゴムリムだけでなく、スポーク部にも鋳造の刻印が入っている(これはTAKOMの転輪にも入っているようだ)。

一方、トライスター新版とドラゴン新版、そしてTAKOMのキットでは、リム部外側を別パーツにして外周に向けての溝を再現しているが、このキットは旧来のパーツ同様に一体成型。このあたりは残念に思う人も多そうだが、例えば新世代のキットの中でも、TAKOMの転輪は、別部品のリム外周の外側に隙間ができるようで、いちいち埋めるのが面倒くさそう。

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起動輪・誘導輪も出来はなかなかよい感じ。起動輪ハブ部の蓋、外周スプロケットを止めているボルトは、ちゃんと表側がナット表現。さすがにキャッスルナットにはなっていないようだ。誘導輪は内側外周が別部品で空隙を表現。

サスペンションは、スプリング付け根・外側のアームの窪みも、スライド型できちんと表現されている。

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履帯はガイドホーン外側の窪みもきちんと表現されているし、そのまま使用して問題ないレベルだと思う。もちろん、ベースのキットの出来もよいので、予算と労力に余裕があれば可動履帯を奢るのも惜しくはない。

デカール

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シートの中に、何やら注意書きっぽいものがあって(27番)、何なんだろうと思って説明書をよく見たら、OVMの消火器のラベルだった。とはいえ、尾藤満さんが「panzermemo」で考証・自作したデカールのタイプとはディテールが異なっている。デカールのものは、どうもこのページ(掲示板)で、「戦前タイプの消火器ダヨ」として紹介されている写真のものに近い感じだが、果たしてI号戦車の車載用としてふさわしいのかどうかはちょっとよくわからない。

▼ツュンダップKS750のYパーツ

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そもそもこの辺は元から興味の範囲をちょっと外れるので、あまり大したことは言えない。キットの出来は、古いタミヤやイタレリに比べると格段の進歩がありそうなのはぱっと見でわかるが、オートバイ本体の細密さは、スポークが元からエッチングで用意されていたりするライオンロアのキットと比べるとどうなのかなあ。

もっともこのキットのスポークも、一応左右面で別パーツとして板状のモールドになるのを避け、かつ、プラパーツとしてはだいぶ頑張って細くモールドしている。以前からタミヤ/イタレリ用に、最近ではまさにこのキット用にも、スポーク&タイヤほか、3Dプリントやらエッチングやらのアフターパーツもあれこれ出ているようなので、余裕のある人は交換すればよいと思う。

●図面との照らし合わせ、他社パーツとの比較は次回。

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I号戦車の履帯

●15日金曜日。

午前中、パソコンを立ち上げてとりあえず仕事のメールチェックを使用と思ったら、サーバーに繋がらない。

「あれ? メールサーバー不調?」と思ったら、事務所のメールサーバーだけではなく、JCOMのメールも開けない。あれれ? ネット自体繋がってないじゃん!!

とりあえず、モデムの電源を引っこ抜いて、しばらくして繋ぎ直してみたり、パソコン自体を立ち上げ直してみたりと、お約束の一通りをやってみたが復旧の気配はまるでなし。スマホであれこれ検索してみようと試みるも、スマホもうまくネットに繋がらない。あれ?wi-fiもおかしい? JCOMの回線自体トラブってる?

なんだかんだジタバタして、結局どうにもならず、JCOMのサポートに電話しようと、固定電話の子機を取り上げたら、親機がダウンしている旨の表示。あれ? 電話もダメ? ……ってことは!

階下に降りて確認してみたら、かみさんがカーペットを干すだか何だかでテレビその他を動かしていて、その過程で、我が家の回線関係の大本のコンセントが引っこ抜かれていた。

四苦八苦していた小一時間を返せ!

――久々にコンセント一つ、回線一本で仕事も何も立ち行かなくなってしまう恐怖を味わった。

いざというときに代替で仕事できる環境をそれなりに身近に確保しておかないとなあ。

20211011_182436 ●数日前の夜。

近所の公園にタヌキがおったぞな。

しばらく前にも同じ公園で目撃していて、その時は、体中の毛が抜けてゴワゴワの肌がむき出しになった謎生物姿だった(ダニ疥癬症によるもの)。今回はそれよりだいぶ毛があるが、同じ個体が若干回復したのか、それとも別個体なのかはよくわからない。

ちなみに中央右上のカエルの水飲み台脇に、もう一匹目が光っている!と、ラインで写真を見せた知り合いが言っていたが、実際には「もう一匹」ではなくて、カエルのお腹から突き出ている水道の蛇口が反射しているだけ。

去年、一つ向こうの山で(昼間に)遭遇したタヌキの話と動画はこちら

●基本、模型は模型屋で買うことが多い。

今の世の中、ネット通販で買った方が欲しいキットの買いそびれはないし、むしろ通販のほうが安かったりもするのだが、それだけに、通販に慣れすぎるとあれもこれもとタガが外れてしまいそうで怖い、というのが理由の一つ。いやまあ、それだけの小遣いの元手もないけれど。

もう一つは、やはり店頭でキットの山を前にして物色するのが好き、というのが二つ目。地元逗子の模型屋は壊滅状態ではあるけれども、仕事で街へ出たついでに大きな模型屋に寄れるのは、首都圏在住者の贅沢でもある。

――なんていう建前でいつつ、ついつい(そしてたぶんものすごく久しぶりに)amazonで買い物。

購入したのは、T-Rex Studioの「Pz.Kpfw.I TRACKS Early type(I号戦車用初期型履帯)」。私としては、先日入手したCHINO MODELSのTKS用履帯に続いて、モデラー人生2度目の3Dプリント製品。

実は先日、下北沢のサニーに行ったときに(前回記事)、あれば買おうと思っていたのだが、残念ながら扱っていない由。(「TAKOMの後期型履帯ならあります」と勧められたのだが、それも中身はT-Rex製らしい)。

そのうち、秋葉原にでも行ったときにあれば買うかなあ、くらいに思っていたのだが、「そもそも、どこか扱っている模型店はあるんだろうか」とネットで検索してみたら、通販のM.S modelsに一つだけ!在庫があった。この時点で「どこかで見掛けたら買おうかな」が「これを買い逃したらもう入手できないかも」に意識が切り替わってしまい、“ショッピングカート”に放り込んで……どうせ滅多にしない通販を頼むなら、ついでに何か頼もうかと物色している何分かの間に……在庫切れに!

うっわ。

これでますます「今買わねば」スイッチが入ってしまって、ちょっと探してみたら、amazon上にまだ残っていた。というわけで、あわてて注文した次第。踊らされてるなあ。

なお、品物は水曜日に注文して、「お届け予定」は15日金曜日だったが、翌日の木曜日にはもう届いた。ちなみに製品の箱は7×7×4cmで、手のひらにすっぽり入るくらいの小さいものだが、届けられたamazonの箱は、タミヤの小さ目な1:35戦車・車両のキットが3つは収まりそうな感じ。その昔、

「♪あ~あ~、無駄にでかいボール箱~。
あ~あ~、横にアマゾンの~、マーク~♪」 ((c)ワンカップP)

と、メイコ姐さんが歌っていた通り。

さて、モノはこんな感じ。

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モデルカステンの可動式I号履帯と似たような、「クリッカブル」と「ピン挿し」の折衷型のような形式で、片方は履板にモールドされている突起に引っ掛けて繋ぎ、反対側はピンを挿すというもの。どちら側にピンを挿すかで、履板は右用・左用に分かれており、別々の袋に入っている。挿すピンはカステンのものよりずっと長く、履板中央のかみ合わせを超える長さがある。ピンそれ自体も3Dプリント製品。履板の成形そのものはシャープで美しい。

それにしても、そもそもI号戦車用の連結履帯なんて、別売の履帯製品の中ではかなり小さい部類なのだが、CHINO MODELのTKS用履帯を苦労して繋いだ(と言ってもまだせいぜい20リンク弱)あとでは、「うわ~デケぇ~。扱うの楽~」と感じる。

試しに何枚か繋いでみた。

連結時の精度については、噛み合わせがすんなり入る場合と、ちょっとヒネリを利かせてねじ込まないといけない場合あり。若干の(見た目では判らないほどの)変形や誤差はありそう。ピンも素直に奥まで入る場合と、途中で引っかかってなかなか入らない場合があった。箱には「2時間で完成」と誇らしげに書かれているが、本当かよ……。ちょっと不安。また、ピンはMaster Clubのレジンピン/リベット類のような、「最後のテーパーでキュっと締まる」感はなく、接着無しでは場合によっては抜け落ちも発生しそうな不安も少々。

●ちなみに、I号戦車用履帯は、モデルカステンの可動式でもガイドホーンの形の違いでA型用、B型用の2酒類が出ているが、これは確か、ガイドホーンの形状(アウトライン)の違いによるもの。

今回私が買った「初期型履帯」はさらにそれ以前のもので、ガイドホーンにおむすび型の穴が開いている。T-Rexのほかには、Master Clubのメタル製のものが出ているらしい。

すでにポーランド戦の頃には穴無し履帯が用いられているので、普通に作る分にはキット付属の履帯とかカステンの履帯とかで十分なのだが、中国陸軍が輸入使用したものは、輸入時点ママの穴開き履帯なので、このタイプがぜひ1両分は欲しかった。存在を知った頃はまだMaster Clubの製品もT Rexもなく、「履帯の1枚ごとに穴開け加工するなんて無理~」と、げんなりしていたのだった。

とはいっても、中国軍のI号戦車A型、いったいいつ作るんだ……。

●仕事の締切山盛りセール中であり、模型製作はまるっきり停滞中。

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Spanish Panzer I (18)

●ブレダ20mm搭載I号戦車A型改(Panzer IA Breda とか、Modificado とか、web上でも呼び名が一定していない)、新しい鮮明な写真が出てきたことに伴う改修工作。

砲塔前面の傷を補修した際にだいぶ削れてしまった周囲の溶接跡を再生。カバー部を作り直した防盾を取り付け、上下のボルト/リベット列、砲耳軸部などを工作。

また、砲身途中にある小防盾に関しては、下辺をまっすぐ切り欠いたような形状になっていることが判ったので作り直した。砲身先端の照星部分は接着してあったのだが、あまり苦労なく抜けたのがラッキー。

というわけで、改修前と改修後を写真で比較。

before(再再掲)

F1011285 F1011286

after

F1014285 F1014289

なお、先の実車写真をよくよく見ると、砲塔前面の右側に、皿ネジが上下2本あるようにも見える(下画像、黄枠で囲ったあたり)。左側にもあるかもしれないがこちらは写っていない。汚れか何かのようにも見え、悩ましいところで、作例では(今のところ)表現していない。

F1014289b

また、砲身根元の箱状パーツの再現に関しては、作例と新写真とでは差異があるが、これは作例のようにカバー?か何かを付けた写真が別にあるのでそのままとした。

●一応、これで新資料に基づく改修は終了したので、以下に再度全体写真を。今後はビッカース水陸両用戦車の製作(塗装)に戻ることにする。

F1014279 F1014284


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