FCM36

FCM36 ICM 1:35(2)

●ICM社製、フランス軍軽戦車FCM36のレビューの続き。

細かい装備品類は除き、まずはバタバタと全体形を組み上げてみた。改めて思うが、何なの、この無駄なSF的格好良さ。

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前回書いたように、履帯上部は車体~スカートに覆われるので、キットのベルト履帯を使って組み立てる場合は、履帯を取り付けた状態でないと車体上下の結合はしづらく、構造的に塗装はちょっと面倒。

スタイル的に、何となくそれなりの大きさがあるように見えるが……。

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車高は高めなものの、全長・全幅はドイツI号戦車とさほど変わらず。同じくFCM社で開発された2C重戦車と比べると、同一スケールとは思えないほどの差がある。1枚目、アカデミー、タミヤのI号戦車と。2枚目、MENGのFCM 2Cと。

●ここまで組んだ段階で、気付いたこと、気になったことなど。組立説明書の図示番号順に。

▼STEP05、STEP11(起動輪)

起動輪外側のディスク部パーツは、ディテールの位置の違いで左右異なる(C18、C26)。非常に判りづらい差異なので、部品は片方ずつ切り離して組むか、見えなくなる内側に目印を記入するか、対処したほうがいい。ただし、C枝なので同じパーツが2組あり、片方を枝に残しておけば対照確認は可能。

▼STEP16(誘導輪)

誘導輪は内外貼り合わせ式で、外周真ん中に窪みが出来てしまうが、実車は素直に円筒なので、気になる人は消すように。

Img20250112171631 ▼STEP14、STEP18(誘導輪位置調整装置)

誘導輪位置調整装置(C23)の前面には小ボルトあり。ゲート痕、パーティングラインを処理後にジャンクから移植したが、ちょっと大きかったかも。

▼STEP14、STEP19(スカート)

右左のどちらかだったのか忘れたが、足回り中段のスカートパーツ(A5、A12)の片方は、車体側との位置合わせダボのうち、真ん中のものの位置が(設計ミスで)ズレている。接着後には見えなくなるので、単純に該当部分の凸を削り取ればOK。

▼STEP21(履帯)

前回書いたように、軟質樹脂製ベルト式の履帯パーツは、瞬間接着剤で接着可能。つーか、どうやって繋げたらいいのかを説明書内にきちんと書いておいて欲しい。

▼STEP25(車体上下接合)

車体上下の車体前端・後端の合わせは、それぞれ接合部が斜めに削がれていて、接合ラインがエッジに来る。しかし、実車は前端部では前面装甲板が上部装甲板に被さり、後端部では上部装甲板が下部装甲板に被さる構成になっている。

Img20250112171756 少なくとも私の組立では前端部は隙間なくパーツが合わさり、また、上部装甲板に前面装甲板の小口のモールドもあるのでよかったが、後端部の接合ではちょっと隙間が出た。

装甲板の小口のモールドもなかったので、隙間を埋めた上でプラペーパーを貼って表現したが、もともと段差があるわけではないので、上部装甲の裏にプラバンを貼り増し、その分、下部装甲の上端を削って合わせればよかったなと、後から思った(組んでから気付いたので泥縄式工作になった)。

▼STEP25(フェンダー追加加工)

フェンダー前後は薄板なので、車体上下を接着後に内側から薄削りした(履帯も取り付けた後からの工作なので、ちょっと面倒)。

また、フェンダー前部の内側垂直部には、小リベット?が左右2つずつあるので、ジャンクから移植した(ひとつ上の写真参照)。

▼STEP28(排気管)

排気管は、下写真1枚目のように、J字形?に曲がった排気口を外側に向けて組み立てるよう図示されているが、実車では内向きになっているケースも確認できる。FCM社、何だか適当だなオイ……。

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実際、キットのデカールで取り上げられている30002号車は外向きだが(P. Danjou, "TRACK STORY No.7 FCM 36", p32)、もう一方の30097号車は内向きなのが残された当時の写真で確認できる(同書p38)。

単純にパーツの左右を入れ替えれば対処できるので、塗装例2を作りたい人はどうぞ。他、別番号の車輛を作りたい人は要確認。

▼STEP29(右側面OVM)

Img20250113230150 OVM類は、基本、本来車体側に付いている、アメリカ戦車で言うところの「フットマンズループ」と取付ベルトと一体成型。それはそれでいいのだが、シャベルに比べ、ハンマーとつるはし(C31)が異様に小さい。ほとんど、「これって48なんじゃない?」くらいの感じ。

当時の実車写真は撃破・放棄後にドイツ軍側が写したものが多く、OVMも失われていることが多いので確認しづらいが、さすがにこれはないんじゃないかなあ……。

ソミュールの現存実車のOVMはオリジナルではない可能性が高いと思うが、一応、常識的な大きさのツルハシが載っている。

▼STEP35(左側面OVM)

Img20250110162900 左側面後部に付くΩ字形をしたパーツ(B12)はジャッキホルダー。ただし、ジャッキパーツそのものはキットには含まれていない。

本来はルノーR35あたりが載せているジャッキと同型か、あるいは似たような形のジャッキが逆さまにこのホルダーに差し込まれていて、車体側とホルダー側の「フットマンズループ」に通したベルトで固定するようになっている。

キットでは、このホルダーは車体に対し斜めに取り付けるようになっていて、車体側にもそれに対応した接着位置の窪みが設けられているが、実車写真で確認してみると、このホルダーは普通に地面に水平に(ジャッキが垂直に入るように)付いているようだ。

というわけで、車体側の窪みを埋め、ホルダーパーツ自体も縁を薄く削って取り付けた。キットパーツはホルダー側の「フットマンズループ」も斜めに(ホルダーを斜めに付けた際にフットマンズループが水平になるように)モールドされているが、これは後から角度を変えて再生することにして削り落とした(付け忘れそう)。

また、左側面前方に付く誘導輪位置調整用?のスパナ(C32)は、ちょっと首を振りすぎかも。また、このスパナ取り付け位置の車体側には、スパナ開口部に当たる部分に、おそらくスッポ抜け防止の突起がある。後々追加予定。

▼STEP35(前照灯)

Img20250112171657 前照灯パーツ(A4)は、金型のミス?で、なぜか脚の先が半分欠けている。

実車では車体側に土台となる突起があり、そこに前照灯の脚の先が4本のボルトで止められているので、ついでにそのように修正した。

▼STEP40、STEP41(砲耳)

砲の軸受けパーツ、特に左側(A13)の、砲塔内側における取り付け位置はどうもおかしい感じ。パーツ下側の凸を削り取り、砲がガタ付かない適当な位置に直した。

▼STEP45(前面観察口)

砲塔前面(というよりキューポラ前面?)の観察口は、一度組み立てて溶接痕まで付けた後に、どうも形状の違いが気になったので作り直した(作る前に気付けよ……)。

前面観察口は側面のものと似ているものの、角度の違いからか、もうちょっと平べったい感じ。1枚目before、2枚目after。

なお、併せて、吊り下げリングもキットパーツは小さい感じがしたので作り直した。この際、キット指定の取付位置である中央にそのまま付けてしまったのだが、その後実車写真でよくよく確認してみると、実際にはやや右に寄せているのが標準らしい。この後修正の予定。

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▼STEP47、STEP48

Img20250110163128 観察口は、実車では周囲に割とはっきりとした溶接痕があるので、伸ばしランナーを貼って溶かして潰して再現した。

また、キットの砲塔の装甲板溶接痕は基本エッジにあるが、キューポラ前面および砲塔後面装甲板は、側面に小口・溶接痕が出るので、モールドを一度削り取って入れ直した。ただ、入れ直した溶接痕は割とギザギザした感じだが、実車はもっと「ぬるん」とした感じなので、この後、もうちょっと手を入れるかも。

▼STEP50

フランス戦車が車輛牽引用に備えている鎖は、キットではプラパーツの輪を一つ一つ繋いていく構成。C形のもの、O形のものを交互に繋いでいくのだが、普通、鎖の輪って、力が掛かった時に切れにくいよう、鋼線の継ぎ目は側部にあるんじゃないのかなあ。キットのC型のほうのパーツは、切れ目が頭の部分にある。まあ、CとOを繋ぐ構成になっている時点で、鎖を正確に再現しようとまでは思っていないだろうけれど。

なお、前回書いたように、僅かに輪が大きいような気もする。

▼塗装図

Img20250104213826_20250116010001 キットのデカール&指定塗装は、30002号車と30097号車。

この2つの車輛は、P. Danjou, "TRACK STORY No.7 FCM 36"の塗装図にも取り上げられているのだが……。

キットの説明書の塗装図は、迷彩色の輪郭はTRACK STORYと少し違えて「トレースじゃないッスよ?」という振りをしているものの、塗り分けの位置・範囲はほぼ同じ。

しかし特に30097号車では、実車写真と比べると迷彩色の明暗の範囲(位置)が明らかに違っているので、写してきた疑惑大。うーむ。

なお、30097号車の砲塔後面のトリコロールは、TRACK STORY、キットの塗装図ともに白部分が上下で同じ幅になっているが、実車では上に向かってすぼまっていて、その分、左右の青・赤の面積が広い。

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FCM36 ICM 1:35

●喪中なので寿ぎの言葉は略しますが、本年もよろしくお願い申し上げます。

●今年の抱負として、「お手付きで放り出してある模型をできるだけ完成に持って行こう」というのを掲げたのだが(というか、ここのところ毎年そう思っているのだが)、そんな目標を早速裏切って、またまた新しい模型にお手付き中。というわけで、とりあえずレビュー。

Img20241224005047 ●ネタはウクライナ、ICM社製のフランス軽戦車、FCM36(キット名称:FCM 36 WWII French Light Tank、製品番号:35336)。年末、仕事仲間との内々の忘年会が吉祥寺であり、そのついでに、集合前に下北沢で途中下車してサニーで買ったもの。

発売は(Scalematesによれば)2020年。すでに発売から5年近く経っているので、ネット上に製作記などもある程度上がっていて、今更感もあるけれども、まずは中身の紹介から。

通常プラのパーツ枝は、4種6枚。軟質樹脂の履帯の枝が2枚。プラス、デカールと組立説明書。

▼Aパーツ+Bパーツ

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Aパーツ:車体上部と砲塔、外側スカートなど。

Bパーツ:シャーシ、車体後部グリルなど。

実車は割と面倒な面構成で、かなり組みづらそうな印象を受けるが、実際のキットはおおよそオーソドックスな箱組にまとめていて、パーツの合いも悪くなく、注意深く仮組/擦り合わせを行えば、変な隙間はそうそう出ないはず。

私は車体上下の合わせの際に、車体後端にごく僅かの隙間が出て、0.2mmプラペーパーで埋めたのだが、ここはそもそも装甲板の接合状態が実車と違うので(次回)、実車同様の合わせになるよう小改造してから組むべきだった……と後から気付いた。

▼Cパーツ+Eパーツ

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Cパーツ:足回り、OVMなど。同じ枝が2枚。

転輪類など同形状のパーツが複数ある場合、同じパーツ枝を2枚(あるいはそれ以上)にして対応するのはプラモデルの常套手段なのだが、このキットの不思議なところは、「1つしか使わないのに、2枚あるC枝に配置されている」パーツが結構たくさんあること。

紛失しやすそうな極小パーツなどが余計にあるなら嬉しいのだが、そういったものはキッチリ必要分しか入っていなかったりする。OVMとか起動輪のディスク部とかが余計あってどうするんだ……。ちょっとこういうパーツ構成は珍しい。

なお、「紛失しやすそうな極小パーツ」として、C枝には車体前後のハッチのヒンジも入っている。角度的に綺麗に抜きづらければ、ハッチのある面ごと別パーツにしそうなものだが、ヒンジだけ別パーツというのはちょっと珍しいかも。

Eパーツ:鎖パーツの小枝。2枚。

鎖パーツは1枝に切れ目入りと切れ目なしのパーツが同数で、交互に繋いでいく形式。車輛の牽引用にワイヤーでなく鎖を備えているのはフランス戦車の特徴。実車写真と見比べると、僅かに鎖の目が大きいような気もするので、適当な金属鎖に換えたいような、しかしわざわざプラパーツの連結式てパーツを用意したICMの変なやる気を汲んでやりたいような。

▼履帯+デカール

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Dパーツ:黒い軟質樹脂製の履帯。2本を繋げて片側分。

色は真っ黒。かなり柔らかめだが、幸い、起動輪・誘導輪はダブルではないので、履帯の中央が窪んでしまうようなことにはならない。ベルト履帯は片側ごとに2か所で継ぐことになる。接合部はかなり頼りない感じで、ちゃんと継げるのかかなり不安になるのだが、幸いなことに、瞬間接着剤がしっかり効く。

「このキットの履帯は瞬着でちゃんと着く!」というのは、TFマンリーコさん、デビグマさんのブログで見て知った。そうでなければ、「軟質樹脂だったら瞬着は無理だろう」と、無駄な試行錯誤をした可能性もあったかも。どうもありがとうございます。

なお、つないだ履帯はキットの足回りに、心もち長めくらいの感じでフィットする。接合部に余計な力が掛からないので切れる心配があまりないうえ、履帯の上側は装甲で隠れるので、これは都合がよい。

もっとも、履帯を取り付けてからでないと車体上下の接合ができないので、塗装上はちょっと面倒臭い(一応、サードパーティから別売の可動履帯もあるので、財力・気力のある人はそちらを選択するのも手。

デカール:30002号車、30097号車の2輌分。FCM36の生産台数は100輌で、車輛番号は30001~30100なので、生産の最初期と最後期のものが選ばれていることになる。

30002号車は箱絵にもなっている2色迷彩+キューポラてっぺんの雪化粧のような白塗装。砲塔に大きな白数字「53」と赤のハートマーク。30097号車は4色迷彩で、砲塔前後に仏国旗のトリコロール、砲塔左右後部に30002号車同様の赤いハートマーク。なお、赤いハートマークは、戦車大隊(4個中隊)のうち、赤=第3中隊(4個小隊)、ハート=第2小隊(3輌)を示す、らしい。

30002号車と30097号車の迷彩の違いは、生産時期による差異なのかと思ったが、TRACKSTORY No.7 "FCM 36" の解説を見ると、どうやら時期には関わりがなさそう。単一メーカー、1ロットのみの生産で、時期に関わりなく塗装にバリエーションがあるって、どういうこと?

●もうちょっと書きたいこともあるが、長くなってきたので続きは改めて。

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