ソミュアのケグレス(14)――塗装(ひとまず)完了
●本日6月30日は、「週末模型親父」さんのところの「SUMICON 2021」の(1カ月延長された)最終日。
私の参加作、DESのソミュアMCG5(DES kit, #35023, SOMUA MCG5 d'accompagnement 1939/40)は、なんとか以下の姿まで漕ぎつけた。
実をいうと、前照灯のライトレンズを入れていない!とか、100%完成とは言い難い部分もあるのだが(クロームシルバーがビン底で固まっていて、綺麗に銀を塗れていないため)、とりあえずSUMICON的にはこれで投了ってことで勘弁してつかぁさい。
●全体塗装に関しては、前回述べたように、タミヤの缶スプレー、AS-24「ダークグリーン(ドイツ空軍)」の一発吹き。これにクレオスの「Mr.ウェザリングカラー」のスポットイエロー(こちらがメイン)、フェイスグリーン(こちらはごく少し)でウォッシング。さらに油彩のバートンとアンバーでウォッシング。
あとは、「どんなに(私のような)塗装素人でもこれを使えばなんとか見られるようになる」お手軽兵器、タミヤのウェザリングマスターのAセットとEセットを適当に。これで、単色でも何となく色彩ムラの表情が出てくるとともに、全体的にもやや明るくなる。
とはいっても、塗装手順はきっちり私の中で体系化されているわけではなく、いつもながら行き当たりばったりで、上記の「トッピング」あれこれの順番も適当。かつやり直しもアリ。
●幌の外側は、上記の缶スプレー吹きの後で、タミヤエナメルのオリーブグリーンとレッドブラウン、バフの混色で上塗りした……が、乾いてから見直すと、「ほとんどオリーブドラブのビン生塗装?」。わざわざ混ぜた意味なし。
実際にフランス軍車輛の幌布って何色?という、確実性のある資料等は手元になく(当時のモノクロ写真だと、車体に合わせて迷彩してある例も多いようだ)、ソミュールの展示車輛なども参考に、「なんとなく布っぽくカーキ方向に振ろう」という以外の何の根拠もない。
●細部塗装の(個人的に思うところの)ミソ部分は、30年代のケグレス方式の独特の構造・パターンの履帯の塗り分け。
この履帯はソミュアだけでなく、ユニックやルノーFTケグレス=インスタンあたりともパターンはほぼ同一。残念ながらソミュールのソミュアMGCの実車はなんだか珍妙な流用履帯を履いているが、幸い、ユニックP107はオリジナルの履帯が残っている。以下はwikimedia commons、"File:Unic P107, Musée des Blindés, France, pic-9.JPG"(Alf van Beem)から切り出し加工したもの。
布もしきはゴムのベルト式履帯、というのがケグレス方式の特徴のひとつだが、初期のいかにもゴムベルト然としたものと違い、この形式の履帯は、
- ゴムベルトのベースに
- 接地面には金属(鉄)製のコの字断面のシュープレートを並べ、
- さらにその中央にゴムパッドをボルト止め。
という構造になっているらしい。
そんなわけで、作例もなんとなくそう感じられる表現を心掛けた(と、偉そうに言えるほどの塗装ではない)。
まずは全体をゴム色として、フラットブラックにレッドブラウンを混色したものを塗装。さらに接地面は中央のゴムパッド部分を残し、左右の金属シュー部分は、メタリックグレイにレッドブラウンを混色したものを塗装。どのみち、キットの接地面のモールド自体も不確かなものなので、ここで注意深く塗り分けるなどということはせず、あくまで「ざっと塗る」程度。
その後、油彩のアンバーを薄く溶いて足回り全体をじゃぼじゃぼウォッシング。これによって、「自然に塗り分けを誤魔化す」。
ウォッシングがおおよそ乾いてきたら、パステルの赤茶の粉を、細い綿棒の先で金属部分の窪みに、次に黒エンピツの粉を金属部分のエッジに擦り付け、あまり単調にならないよう若干の表情付け。さらにタミヤのウェザリングマスターのグレーやタン系の色でゴムパッドのエッジを目立たせて修了。
せっかく塗ってもほとんど隠れちゃったらもったいないな……などとも思ったが、荷台と履帯とが結構離れているので、合体後も割と見える。
●なお、前回、
取り外し-塗装-再固定の過程で、プラペーパーのベルトが切れてしまうのではと心配していたが、なんとか(取り扱い不注意で)一カ所を切っただけで済んだ。
と書いたのだが、その後あれこれ弄り回している過程で、固定ベルトが2カ所切れ、さらに幌前方縦列のベルトの「ベロ」部分が、缶スプレーの基本塗装の被膜で厚く硬くなっていたのが災いして3カ所で折れてしまった。
固定ベルトに関しては裏側で瞬着で固定。前方の縦列ベルトに関しては、折れた部分はバックルも一度削り落とし、再度バックル&ベルトのベロを作り直して再接着した。なお、作り方に慣れが出てきて、ベルトのバックル部分は今度のほうが美しく正確に四角くできた。……この経験、この先に活きることがあるのか?
●追加でさらに数枚のクローズアップ写真。
1枚目:屋根の「牽引状態表示板」はデカール。デカールストックの束の中から掘り出した、ハセガワ・モノグラム(旧オーロラ)のソッピース・キャメルのデカールシートの国籍マークから青と黄色をそれぞれ切り出して重ね貼りした。なぜそんなシートを持っていたのか――おそらくホビーショーのハセガワブースのジャンクコーナーで買ったのだと思うが、なぜそんなものを買おうと思ったのか自体が謎。シートの端はだいぶ黄ばんでいた。
窓ガラスはタミヤの0.2mm透明プラバンからの切り出し。屋根のひさしの影になっているせいで、フロントガラスは下半分しかないかのように見えるが、実際は上下2枚で、実車は上半分が跳ね上げ式。ドアガラスは左右とも中途半端に引き下げた状態にした。
2枚目:みやまえさんに「人力エッチング」と褒めてもらったSOMUAのエンブレムは、真鍮製という想定で金色に。ただし、明るい色に写っている写真があるのでそうかも?程度の根拠で、銀色とか白とかの可能性もありそう。
3枚目:自作したシャーシ後面は、少なくともキットのパーツよりは「それらしい」見た目ではあると思うが、実際にディテールとして正しいかは不明(今回はそんな場所ばかり)。右のフックは伸ばしランナーからの自作物。左フェンダーのナンバープレートは本来は黒地にトリコロール+番号ではないかと思うが、この大きさに貼れる小さな白数字が今のところ見つけられない。
4枚目:左端縦列の留めベルトのうち、上二つが上述の「いじっている間に折れてしまったのでバックルごと作り直し」の部分。
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