小坪一丁目の越境蓋
●逗子の小坪一丁目(亀が岡団地)を歩いていて、見慣れないマンホール蓋に遭遇した。
注意して周辺を探すと、他にも珍しい蓋がちらほら。というわけで撮り集めてみた。
●以前にも書いたことがあるが、基本、マンホール蓋はその地域(下水道を管轄する、主に市町村)の特定のものが使われる。しかし、例えば工事などの際に、一時的に他地域の蓋を間に合わせで使用することがあり、これを「越境蓋」と呼ぶ(マンホール趣味の人たちによる呼称)。
あくまで間に合わせに使われるものなので、しばらくすると地域の正規の蓋に交換されて姿を消してしまうことが多いが、とりあえず、使われている間は遠い日本各地の蓋を居ながらにして見ることができ、しかも場合によっては「これはどこの?」という謎解きを楽しむことができて、ちょっとお得感がある。……と思うのはある程度のマンホールマニアだけかもしれないが。
数年前、逗子銀座商店街でも越境蓋が使われていたことがあり、当時も当「かばぶ」で記事にしたが(→「逗子銀座商店街の越境蓋」)、今回はそれよりさらに数も多く、だいぶワクワクさせてもらった。……と思うのはある程度のマンホールマニアだけかもしれないが(再)。
どうやら、この越境蓋は上掲の写真にある道路工事に伴うもののようで、地図上で示された区間内でのみ見ることができた。
●工事区間のアルファベット順とは逆になるが、北側から順番に見てみる。なお、置かれているマンホール蓋は絵柄の凹部にアスファルト滓などが詰まって汚れ気味で、バケツとブラシでも持って来てゴシゴシ洗って綺麗にしたい衝動にも駆られたが、さすがにそこまで行くとかなり怪しい人なので思いとどまった。
1枚目は秋田県、旧・西仙北町(現・大仙市)の「集落排水」蓋。市町村合併により無くなってしまった自治体の蓋を見られるのも楽しい(長野の安曇野市では合併前の町村の蓋も多く現役だったから、現地ではまだまだ使われているのかもしれないが)。綺麗なご当地柄の蓋で、モチーフは「サギソウ」と「ハッチョウトンボ」である由。
2枚目は、いきなり地域名(市町村名)無しで戸惑ったが、中央のマークをペイントソフトで描き起こして画像検索したら、比較的簡単に正体が判明。千葉県習志野市の市章だった。ちなみに「習」の字をデザイン化したものだそうだ。地の模様は、時折見かけないわけではない感じの毘沙門亀甲柄だが、習志野市のマンホール蓋には、これ以外に干潟(谷津干潟)と現代的な街並みを一緒に描いたご当地柄のものもあり、そちらはマンホールカードにもなっている。
3枚目、再び毘沙門亀甲柄。これも何だか正体不明の蓋で面食らったが、あれこれネットを彷徨って、どうやら宮城県の工業用水用蓋であるらしいことが判った。
4枚目、千葉県松戸市。「矢切の渡し」と書き込まれているので、何の絵かも間違いようがない。この蓋のカラー版はマンホールカードにもなっている。またこれとは別に、オーストラリア・ホワイトホース市と松戸市の姉妹都市50周年を記念し、コアラとふくろう(松戸の市の鳥)が寄り添っている「コアラとユーカリ」デザインマンホール蓋も数年前に登場しているとのこと。これもそのうちマンホールカードになるかも。
5枚目。高知県安芸市。図柄の「野良時計」は安芸市のシンボルで国の有形文化財。その昔、農作業に出ている人々に時を知らせた、この地の地主が作った時計台とのこと。でも「野良時計」と言われると、なんだか野生の時計がそのへんをうろついていそう。ちなみに最近安芸市に設置された「ポケふた(ポケモンマンホール蓋)」にも、ホーホー、ヌオーとともに野良時計が描き込まれている。
6枚目。地名入りですぐ判ると思ったら、ちょっとした「引っ掛け問題」だった。「みかつき マンホール」で調べると、まずは兵庫県の旧・三日月町(現・佐用町)のものがヒットするのだが、よく見ると図柄が違う。改めて調べ直して、なんとか佐賀県の旧・三日月町(現・小城市)のものであることが判った。ちなみに兵庫県のほうは「みかづきちょう」。佐賀県は「みかつきちょう」で濁らない。
7枚目はなんとご近所、横須賀市のもの。ペリーと黒船の図柄で、これは私自身、現地で見慣れているし、マンホールカードも持っている。
8枚目は宮城県角田市のご当地柄マンホールで、同市の公園(台山公園)にあるH-IIロケットの実物大模型とスペースタワー。これは同市にJAXAの「角田宇宙センター」があり、「宇宙開発のまち」を標榜していることにちなむもの。
9枚目。地名入りではないが、「鈴 マンホール」の検索ですぐにヒットした。松阪牛で有名な三重県松阪市のもの。四角い鈴はただの鈴ではなく、律令時代に地方出張する官吏が持った「駅鈴」である由。松阪出身の本居宣長が鈴マニアだったことにちなむのだそうで、松阪駅前にもデカい駅鈴のモニュメントが置かれている。なお、同市にはちゃんと(?)松阪牛図柄のマンホール蓋もある。
10枚目は千葉県船橋市。図柄は、これもカラー版がマンホールカードになっている「五大力船」。江戸時代に海運に使われた船だそうな。
11枚目。でかでかと地名が書かれていて判りやすいが、「むげがわ」ってどこじゃ……。調べてみて、岐阜県の旧・武芸川町(現・関市)と判った。図案の周囲は下が町の木のサクラ、上が町の花の菊。中は町の鳥のツバメ。魚は付近の釣の代表的獲物のアマゴかアユか。
12枚目。そして最後。比較的最近よく見かけるようになったノンスリップ模様の蓋で、中央に「茨」の文字。となれば、茨城県か、それとも大阪の茨木市か。他に茨の付く自治体ってあったかな……。下辺に「上水」「制水弁」とあるので、本来は下水道のマンホール蓋ではなく、上水道の蓋。しかし「茨城 上水道蓋」でも「茨木 上水道蓋」でも、この図柄の蓋には行き着けなかった。最後の最後で消化不良。
●それにしても、越境蓋は「工事の業者が手持ちの蓋を適当に、間に合わせに置くもの」なのだそうだが、ひとつの業者が、こんなに日本各地・遠距離のさまざまな蓋を保有しているものなのか。そのあたりもどうにも気になる。



















































































































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