「JEEP JEEP JEEP」
●数日前、ネット経由で、大塚康生先生の訃報を聞いた(3月15日逝去)。
もちろん、大塚康生と言えば、宮崎駿と並んで(というか組んで)日本のアニメの現在の隆盛の礎を作った人であるのだけれど、我々モデラーからすると、「ミリタリーヴィークルマニアの草分け」であるとともに、伝説のメーカーMAXの製品監修初め、模型開発においても特筆すべき足跡を残した人。
私自身は、親しくお話をするといった機会はなく、モデラーの集まり等で何度かはお会いして、ご挨拶程度はしたことがある、くらい。ただ、そういう場で、「ものすごく楽しそう」という雰囲気が伝わってくるのが、非常に印象的だった。
旧MAXの製品に関しては、実際に新製品としてそれが出ていた時代には、「何か、かなりこだわっている、すごいキットだそうだ」という話は伝わっていたものの、例にもれず(当時は)ドイツ軍車輛一辺倒だった私はスルーしてしまった。その後、トミー版やイタレリ版で1,2種手に入れ、さらに中古品で、確かダッジの6輪はオリジナルのMAX版を(何かのはずみで)入手してストックしているが、どれも完成させたことがないので、あまり大きなことは言えないけれど。
ご冥福をお祈りいたします。
●個人的には、「大塚先生といえばコレ」とまず思い出すもの、および実際に役に立たせていただいているものが、上に表紙写真を出した一冊。ホビージャパン別冊で1983年に発行された(今奥付を見て確認した)、「JEEP JEEP JEEP ―ウィリスMB、フォードGPW写真集」、大塚康生 編。「1」と書いてあるからには、うまく行けば続編も出してやろうという予定もあったのだろうと思う(もしも出たらどんな内容になっていたのか、というのも気になる)。
実際に大塚先生がどれだけ編集に関わっていたかはよく知らないが、マニアックな視点でウィリスMB/フォードGPWについてまとめていて、「写真集」と表題にはあるものの、その開発や使われ方、仕組みなどもくまなく勉強できる。要所に、ジープの性格をよく表した大塚先生のイラストが挟まれているのも素敵。マンガ(アニメ)調のイラストだけでなく、「ジープが町にやってきた―終戦時14歳の画帖から」(平凡社ライブラリー)に載っていたような、昔のスケッチの転載もある。「軍用車輛少年」だった大塚先生の面目躍如。
連合軍車輛(特にアメリカ軍車輛)にあまり興味がなかったはずの私が、なぜこの本はたまたま入手したのか、今では思い出せないのだが、「よくぞ確保した!」と過去の自分を褒めておきたい。なにしろ「日本語で読めるジープの内容の濃い一冊本」なんて、これ以降も(たぶん)出ておらず、古本市場にも滅多に出回らない(出てもえらく高い)。
●最近のあれこれ。
10日ほど前、鎌倉の県立大船高校の近くにある「長窪の切通」に行ってきた。「古道」とか「切通」とか「変なトンネル」とかにはついつい野次馬根性で惹かれてしまう私だが、割と最近まで存在を知らなかったもの。
鎌倉の切通と言えば、古都鎌倉とその周辺の出入り口にあたる「鎌倉七口」が有名だが、もともと細かく尾根と谷戸が入り組んだ鎌倉近辺には他にも小隧道や切通が数多い。大船高校のあるあたり(高野)は古都鎌倉を囲む山の外側で、外側でも歴史のある山ノ内からもさらに外れた地区だが、おそらく、古い生活道路だったと思われる切通が2カ所も残っている。どちらも、尾根を横切るために開削したというよりは、現在大船高校がある高台への上り下りが容易なように、細い尾根筋の道を均す目的で掘ったらしいもの。
この2カ所の切通はGoogleMapsにも記載されていて、東側のひとつ、熊野神社の裏手の尾根を大船高校の裏に上る切通には「高野の切通し」、西側の高野公園の横手を上る切通には「長窪の切通し」と表示されている。
不思議なのは、呼び名にどうも混同が見られるらしいことで、鎌倉市役所サイトの「かまくら景観百選」に取り上げられている「31 高野の切通」は、記されている住所(高野4-4地先)からみて、GoogleMapsの「長窪の切通し」のほう(GoogleMapsの「高野の切通し」は住所が「大船」になる)。どちらかが間違えているのか、それとももともと適当なのかはよくわからないが、とにかく、今回見に行ったのは西側のほうの切通。
今回は北鎌倉側から歩いた。1枚目写真は北鎌倉駅裏の道を大船方面に進んで、どん詰まりにある素掘りの隧道。この隧道も「かまくら景観百選」に「34 素掘りのトンネル」として取り上げられている。2~3枚目が今回目当ての切通。こうして写真に撮ると勾配がよく判らないが、2枚目写真は坂になっている切通の上側から下りを撮ったもの。2枚目は半ば,3枚目は出口近くから振り返って上り坂を撮ったもの。
最後の一枚は、切通を通って下の谷戸に抜け、振り返って出口を撮ったもの。左は「高野公園」の入り口で、右の住宅脇が切通。こんな感じなので、大船側から行こうと思ったら簡単には見つけられなかったかもしれない。
切通の多い鎌倉だが、この狭い道を、これだけ切り立った、垂直に近い両岸で掘り下げているのはちょっと珍しい気がする(朝夷奈切通の、峠を越えた横浜側に短距離だが似たような切り立った部分があるが)。まるでBTM-3を使って掘ったような!(判りにくい例え)
これだけ綺麗に切り立った崖面が残っているということは、この切通自体、それほど古いものではないのだと思うが、主要な街道などではないのでネット上で調べてもしっかり来歴などは出てこない。
ちなみに東側の、熊野神社裏手の切通は、以前に2度ほど通ったことがある(その近くになかなか素敵なトンネルがあるので)。切通自体は、今回行ったものよりも、もうちょっと「開放感」のあるもの。写真は昨年2月撮影。
●春先のフキノトウの季節はとうに過ぎて、そろそろ他の春の山菜が出始める頃。
どうも天候の具合とか、草刈りのタイミングとかの問題で、ノビルは年によって出来・不出来の波が非常に大きいが、今年は、例年アテにしている場所がほぼ全滅状態。ひよひよと細っこい物しか生えていない。
一方で、アケビは毎年わさわさと生え放題で、今年も花が咲き始めるとともに芽も伸びてきたので、先週中ごろに初収穫。それから立て続けに3回ほど収穫した。
例によって、さっと茹でて「アケビ特盛たまごご飯」にして食べる。アケビの芽だけ辛子マヨネーズなどで食べるのもいいが、やはり生卵との相性が一番いい気がする。そうこうしているうち、「全然ダメ」と思っていたノビルも、ちょっとまともに生えている場所を見つけたので少々収穫。こちらは根の部分は出汁で漬けて、葉の部分はチヂミ(パジョン?)にして食べた。ノビルのチヂミだから「ノビチヂミ」?
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