クルップ・プロッツェ

First to Fight 1:72 クルップ・プロッツェ(ポーランド軍仕様)(3)

●そんなん、ちゃっちゃと形にして終わりだろう……という気も(自分でも)しないでもない、FTFの1:72、ポーランド仕様クルップ・プロッツェの続き。

●前回時点で未工作だった細かいディテールを付加。ふと思い立って「ここもちょっと手を入れよう」とか思い始めない限りは、これで工作は終了。

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・プロッツェの車幅表示棒は、先端が球ではなくて円盤状。要するにペロペロキャンディのような形状。そのまま棒の先に円盤を接着しても今後の作業中に取れてしまいそうだし、どうしようかしばし悩んだのだが、結局、次のようにした。

(1).コントレールのプラ丸棒に穴を開け、直交するように0.3mm真鍮線を通す。

(2).真鍮線を接着後、プラ棒を真鍮線の前後で輪切り。さらにやすりがけして、できるだけ(真鍮線から取れてしまわない範囲で)薄くする。

・ウィンドウ左右につく方向指示器についても、似たような方法で、0.5mmプラバンの細切りに0.3mm真鍮線を刺して作成した。

・運転席側の方向指示器の下には、ホーンなのかスポットライトなのか(たぶん後者)、ポーランド仕様独自であるらしい何やらが付いているので、ジャンクパーツを切ったり削ったりで製作し取り付け。

……などなど。

●ちなみにこのネタの初回記事で、キットのデカールについて「車輛登録番号6種に対応。……これって写真で確認できた全番号を入れてるんじゃないだろうか。」と書いたのだが、私がネット漁りをして見つけた写真ストックの中で、しっかりナンバーが確認できるのは「13185」号車だけだった。

キットのデカールに含まれているのは、

13182 13183 13185 13186 13187 13189

の6種。もしこれらがすべて写真で確認できているとすれば、私の知らないポルスキ・プロッツェの(一応番号が確認できるほど鮮明な)写真がまだまだそれなりに眠っている、ということになる。

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First to Fight 1:72 クルップ・プロッツェ(ポーランド軍仕様)(2)

●年末にレビューを書いた、FTFの1:72、ポーランド仕様クルップ・プロッツェの続き。

仕事が滞って、腰を据えて模型製作をする余裕もないが、そんななかでちまちまいじって、それなりの形になったので途中経過を少々(まだ工作完了ではない)。

●現状全景。

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▼手を入れた個所は以下。

・2列目の席左右のガードを金属線で作り変えた。後ろ側はシートの横に引き込まれる感じにしたが、シートの後ろ側を通って左右が連結している可能性もありそう。なお、シートの背は、キットでは成型の都合で垂直になっているが、実車はナナメ。

20190110_224347 ・後部の折りたたまれた幌は、キットのパーツは「メレンゲを垂らしたの?」みたいな状態だったので(右写真)、なんとか布っぽく見えるように皺を彫り込んだ。そもそも幌骨が何本あるかとか、車体にどう繋がっているかとかもわからず、表現としても不自然だが、とりあえず元パーツよりはマシになったかな? もっとも、畳んだ幌の上からさらにカバーを掛けている状態を示している可能性もあり、その場合は余計な工作をしたことになる。なお、実車では、畳んだ幌がもっと後方にオーバーハングしているかもしれない。

・操縦席のレバー類はキットのモールドを削り落とし、金属線でそれらしく作り直した。ノブ部分は瞬着のダマ。

・前照灯は、後々UVレジンなどでレンズ部分を表現することを考えてくりぬいた。また、バンパーとフックも縁を若干薄削りした。

・運転手側ウィンドウの上下分割フレームを取り除いた。また、前席左右前部にモールドしてある「畳んだシートドア」は削り取った。

▼まだ手を入れていない箇所、手を入れなかった箇所

・車幅表示棒は金属線で作り直す予定。キットのフェンダーにモールドしてある表示棒の接着位置はちょっと下過ぎる感じなので、とりあえずモールドを埋めているところ。

・方向指示器はドイツ仕様とポーランド仕様とでは取付位置が違うので削り取ったが、ポーランド仕様の位置(ウィンドウ枠左右)への新設はまだ。なお、ウィンドウフレームに直接付いているように見えるので、ポーランド仕様ではフロントウィンドウは可倒式になっていない可能性がある。

20190112_233120 ・組み立てたシャーシ裏側は右写真のような感じ。前回触れたように、後輪サスペンションは微妙に形状が違い(L2H43であるはずがL2H143になっている)、部品構成的にも一体モールドで大味だが、組んでしまえば全く見えないのでスルー。前輪もステアリングロッドなどさっぱり省略されているが、これもスルーした。

●先に組み立てたC4P牽引車とのそろい踏み写真。

全長はクルップ・プロッツェのほうがだいぶ長い。C4Pが小さいのか、プロッツェがでかいのか……。

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First to Fight 1:72 クルップ・プロッツェ(ポーランド軍仕様)

●なんと3日続けてFTFネタ。

C4P牽引車の記事を書いたところで、それよりも前に同じくFTFのポーランド型プロッツェを買ってきて、レビューを書こうと思いつつそのままだったことを思い出した。

今年の6月、ローデンのホルト75、IBG(THE WORLD AT WAR)のII号戦車a1~a3型と一緒に、これまた下北沢のサニーで購入したもの。

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製品番号050、製品名は「KRUPP PROTZE W WERSJI POLSKIEJ」(クルップ・プロッツェ ポーランド仕様)。

●実車について。

クルップ・プロッツェ(クルップ・ボクサー)は、ドイツ・クルップ社製の有名な軍用6輪トラック……なのだけれど、キットは珍しいポーランド軍仕様。当然ながら、インジェクションキットとしてはこれまた初のキット化。

プロッツェ自体は超有名車輛だが、ポーランド軍仕様は非常に謎が多く、資料としては、はなはだ不十分な写真が少数あるだけではないかと思う。私が知っている限りでは、それなりにディテールが判る程度に鮮明な写真は、一部が写っているだけの2、3枚。あとは、全体のスタイルが判るものの不鮮明な写真が数枚。なんとか「あ、プロッツェだ」とと分かる程度のボケボケ写真を合わせても、全部で10枚あるかないか程度。……よくそんな車輛をキット化したものだと思う。

上の箱絵を見て貰った方が早いのだが、ポーランド仕様のプロッツェは前向き3列の座席を持つスタッフカー型で、ハンガリー軍仕様のようなドアは無し。ただし、ハンガリー軍仕様と似たマクドナルドのロゴのような後輪フェンダーを持つ。

使われた台数もはっきりしないが、少数が第10騎兵旅団(いわゆる「黒旅団」)に配備されたらしい。第10騎兵旅団はスタニスワフ・マチェク大佐率いるエリート機械化部隊で、軽戦車をはじめとする各種装甲車輛・ソフトスキンを多数装備。軍装も独特で、第一次大戦型のドイツ軍型ヘルメットやベレー帽、黒革のハーフ・コートを着用していた。……ドイツ軍と間違われたりしなかったんだろうか。

なお、マチェク大佐(後に将軍)と第10騎兵旅団は奮戦しつつハンガリーまで後退、その後フランスに逃れて第10装甲旅団としてルノーR35等を装備して戦い、さらにその後はイギリスで編成されたポーランド第1機甲師団の中核となって、ノルマンディーではファレーズで奮戦している。ポーランド人しぶとし。

●キット内容。

パーツ構成は以下の通り。

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写真1枚目の左側の枝(エンジンボンネットとウィンドウ+ダッシュボードなど)と写真2枚目の枝(シャーシとタイヤなど)は、同じくFTFから出ているドイツ軍仕様のプロッツェ(対戦車砲牽引型のSd.Kfz.69と兵員輸送型のSd.Kfz.70)と共通パーツだろうと思う。また、FTFからはプロッツェベースの装甲指揮車、Sd.Kfz.247 ausf.Aも出ていて、シャーシはこちらとも共用のようだ。

私が持っているFTFの車輛キットのなかでは初めてフィギュア付き。また、FTFのポーランド軍車輛のキットとしては珍しくデカール付き。車輛登録番号6種に対応。……これって写真で確認できた全番号を入れてるんじゃないだろうか。

●若干の細部チェック。

エンジンフード部分はスライド型を使って前面グリルを一体モールド。このスケールであれば十分な出来だと思う。ただ、ドラゴンやICMの同スケールのプロッツェと比べてどうか、というのは未確認(もちろん両社のキットはドイツ軍型)。

ウィンドウ+ダッシュボードは、計器類等はそれなりのモールド。ただし、運転席側ウィンドウが2分割されていることと、方向指示器の位置はドイツ軍仕様(ポーランド仕様では方向指示器はウインドウ枠横)。ワイパーは流石にゴツイ……。

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ポーランド型独特のボディはもっさり気味だが、そもそもろくな資料もないので仕方ない面もあるかも。独特の「マクドナルド・フェンダー」(勝手に命名)は予備タイヤと一体の別部品。一体モールドの中列座席横の手すり(というかひじ掛け? 転落防止バー?)は太めのうえに内側が平らで、あまり見栄えが良くないので金属線か伸ばしランナーで作り替えた方が良さそう。

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シャーシはサス部のダブルウィッシュボーンがブロック状に一体成形。後輪の前後を連結するはさみ式サスアーム形状は、プロッツェのなかでもエンジンが強化された後期型、L2H143のものなのだが、ポーランド軍仕様は、“Pojazny w Wojsku Polskim (Polish Army Vehicles) 1918-1939”によれば初期型のL2H43シャーシ。L2H143とL2H43では後輪の間隔も僅かに違うのだが、模型的には誤差の範囲。サスアーム形状も組んでしまえばほぼ見えない。

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フィギュアは第10騎兵旅団のベレー帽&ドイツ軍型ヘルメットのコート姿の兵士が1体ずつ。

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