歩兵戦車マチルダ

デビュー戦のマチルダさん(2)

●実は私、モデラーなんですが……。

という前置きが要るんじゃないかと思うくらい模型の話を書いていないので、たまには。というわけで、昨年秋からいじっている、ESCI 1:72 マチルダIIの初期型(Mk.I)への改造記事の続き。前回はこちら

本当はもうちょっと進捗らしい進捗があってから記事を書こうと思っていて、いかにも中途半端な更新なのだが、そこはご勘弁を。

●車体前部の工作。

Img20260315005856

車体前端に向けてすぼまっている分割ラインは、キットのモールドのままでは戦闘室側のすぼまりとまるっきり不連続になっていてよろしくないので、一度削り落として伸ばしランナーで作り直した(グレーのライン)。大元となるキットの車体形状自体が(タミヤ旧版準拠で)多少おかしく、戦闘室側の絞り込みが足りないため、適当なところでお茶を濁す。

また、車体前端左右には、ほぼ正方形の凸部がある。これは後期型車体でも一部見られる(場合によっては片側だけあったりもするようだ)が、初期型の場合はほぼ必ずあるようなので、0.2mmのプラペーパーを貼った。

前照灯は、初期型では(少なくともMk.Iでは)左側にしか付いていないようなので、右側の取付穴は塞ぐ。ライト前面は、後々UVレジンか何かで前面カバーのない状態を再現しようと思ったので、内側を彫り込んである。

牽引シャックルは、キットは車体ダボ穴に直接△形パーツを取り付けるようになっているが、基部を追加したうえで取り付けた。

Img20260315005949 Img20260315005926

左右フェンダー上の車幅表示灯(?)はいかなる理由からか、片方は奥行きが短くもう片方は長い。短い方はキットのパーツのままで行けるが、長い方はテーパーが目だってよくないので作り直した。タミヤの2mm角プラ棒が寸法的にピッタリ。

車幅灯前面に立っている(これまた用途不明の)虫ピンみたいな2本ずつの棒は、以前にマルタ島迷彩で作った時には伸ばしランナーを使ったが、今回は工作途中で折るのが怖かったので、0.3mm真鍮線を使った。頭の「ダマ」は瞬着。

Img20260315175029

現段階での車体前部をほぼ真上から俯瞰した様子。前回すでに直してあったのを書き忘れたが、フェンダー前端の凹形の窪みは、少なくともMk.Iには無いようなのでプラ材で埋めてある。

●砲塔周り。

Img20260315010038 Img20260315132331

砲塔右側の角ハッチは、以前にマルタ迷彩を作った時はキットのパーツをそのまま使ったが、改めて見てみるとどうも形状が違うようなのでプラバンで作り直した。

砲塔周囲3カ所に付く吊り下げリングは、一つ破損してしまい、上半部を作り直した。

砲塔に関しては、左側のラック、後面のアンテナ基部、右側の擲弾発射機など、なお追加工作が必要な部分を結構残している。

●車体後部の工作。

Img20260315132354

エンジンルーム後半左右端にある、米軍で言うところの「フットマンズループ」のモールドは、実車には(少なくとも初期型には)ないようなので削り取る。

こちらも車体前端同様、牽引シャックルは基部を追加した後に取り付け。尾端オーバーハング部中央下に付く尾灯だか反射板だかは未工作。

左側排気管は、キットパーツはなんだか意味不明な蛇腹状のモールドが一部にだけあるが、削り取ってプラペーパーを巻いて、アスベスト布が巻かれているような感じに。排気管の留め具は未工作なので、まだ車体上に仮置きしてあるだけ。マフラー(というか尾橇)に接続する下側部分も未工作。

車体右側排気管は、後期型では左側と対称に車体上部を取り回されているが、初期型では車体底面から出る。そちらも現時点では未工作。右側排気管は左と違って人が触れる危険性が少ないので、アスベスト布は巻かれていないのではと思う。TMDの改造パーツでも、そのような表現になっているし。

とりあえず、現在はここまで。

| | コメント (2)

デビュー戦のマチルダさん

Img20250715214606 ●6月の横浜AFVの会の折、閉幕前の不用品処分市(?)で、旧ESCIの1:72 マチルダII を頂いてきたことについては、参加レポート記事にも書いた。

骨折だの何だので転げまわっている間にも、暇ひまにいじってちょっと進んだので、これについて途中経過報告を書いてみることにする。

うーん。久々の模型記事。

●旧ESCIの1:72 マチルダII(現在はイタレリから発売されているはず)はこれまでに何度か作ったことがあり、当「かばぶ」を始めてからも、「マルタの石垣迷彩」で一度製作している(といっても、遡って調べてみたら、もう10数年前のことだった)。

この時はまだ「歩兵戦車マチルダII」のタグを作っておらず、「ミニスケールAFV」にひとまとめだったので、工作完了と塗装終了時の記事のリンクのみ貼っておく。

さて、今回はどんな仕様で作ろうか、と考えて、当初は「ソ連軍仕様かな」とも思ったのだが、同仕様でタミヤの35の作りかけもある。同じ疎遠軍仕様でも、塗装とかマーキングとかで極端に印象が違うものがあれば別だが、基本、塗装・マーキングは地味で、夏季・冬季の違いくらいしかないため、これはヤメに。結局、1940年のフランス戦、マチルダIIにとってのデビュー戦時の仕様(マチルダII Mk.I)に挑戦してみることにした(いやまあ、マチルダIIにとってだけでなく、当時のイギリス軍自体のデビュー戦なのだが)。

この仕様については、まだタミヤの35で新版が出ていなかった頃に、一度挑戦しようと考えたこともある。なぜかタミヤのマチルダIIの旧作には、不要部品として、この初期仕様の防盾が入っていたためもあるが、手は付けてみたものの、他にもあれこれ違いがある(しかもそれがよく判らない)ために挫折した。

今日では、ネット上でフランス戦時のマチルダIIの写真も(決して多くはないが)集められるし、「72なら適当に誤魔化しも効きそう」という思いも。しかし何より、TIGER MODEL DESIGNSから、タミヤの新版キットを1940年の大陸派遣軍仕様にするコンバージョンキットが発売されていて、それのパーツ写真をネット上で見ることができ、だいぶリサーチを横着できた(←ズルい)。

TMDの当該仕様コンバージョンキットの製品ページはこちら

また、1940年戦役における実車写真がそこそこまとまって見られるサイト/記事ページ(激戦だったアラス戦の記事)はこちら(Mike's Research ~ Arras France 1940)。

●以前にも書いたように、旧ESCIのマチルダは、ほぼ間違いなくタミヤの旧版マチルダの縮小コピーに近い製品で、何となくずんぐりしたスタイルだけでなく、各部の「ちょっと『?』なディテール」もそのまま引き継いでいる。

Img20250715214738

上写真はその一例で、本来は前後スライド式の誘導輪位置調整装置が、スイングアーム形式になっている(タミヤでは別部品だったものを、そのまま車体側に一体モールドにしている)。このほかにも、「車体前端部の斜めに絞った形状が前後で不連続」とか、「なぜか起動輪軸がファイナルギアハウジングから偏心している(そもそもギアハウジングが大きすぎる?)」なども同一。

もっとも旧版とはいえタミヤキットの縮小なので全体的雰囲気は悪くないし、72としてはなかなか佳作に仕上がっている(倫理的にはどうあれ)。しかし、どうせコピーするなら、タミヤで不要部品として入っていた初期型防盾もついでに入れていてくれれば楽ができたのに……。残念ながら入っていない。

●本格的に改修に入る前の下ごしらえ。

Img20250801131126 Img20250801131105

押し出しピン痕が目立つ個所に、前もって穴埋め工作。

●さて、初期型(Mk.I)の大陸派遣軍仕様にするうえで、大きな改修ポイントといえるのは以下。

  • 車載機銃(マチルダIIの場合主砲同軸機銃)が、初期のイギリス戦車特有の装甲スリーブ付きヴィッカース.303水冷機銃。上述の「タミヤ旧版の不要部品」がこれ。
  • 砲塔上面前部のレイアウトが異なる。
  • 転輪サスペンションの取付位置が低く、下部転輪ボギーユニットが装甲スカートから下にはみ出ている。言ってみれば「高下駄を履いたような」状態。
  • 後期のタイプ(Mk.III以降?)ではエンジンルーム上面左右から後面に取り回されている排気管が、Mk.Iでは左側は同じだが、右側は車体床面から取り回されている。
  • フランス戦車のような超壕用尾橇付き。上記排気管は、この尾橇内に引き込まれる。

……など。

なお、マチルダのプロトタイプとされる写真を見ると、「足回りの下駄履き」「尾橇」はない。Mk.Iが生産時から上記の仕様だったのか、それとも「足回りの下駄履き」「尾橇」はフランス派遣にあたっての特別な改修だったのかは、現時点では私にはよく判らない。どこかの資料にはちゃんと書いてありそう。

10月21日追記:みやまえさんから情報を頂いた。アルゴノート社刊の資料(何だろう?)によれば、上記2つの仕様は、フランス派遣前に特別に施されたものである由。みやまえさんありがとう)

▼砲塔周りの改修

Img20250715214914 Img20250715215509

上述の第一点・第二点、キットの元の状態の防盾と砲塔上面が上写真。

Img20250801131038

まず砲塔上面前部のディテールはペリスコープを除いて削り取り……。

Img20251019101813 Img20251019101507

防盾はランナーから削り出したスリープを継ぎ足したり、あちこち削ったり。なお、キットの砲身は段付きタイプを表現していたが、初期型は段無しが標準だった模様。FTFのA10巡航戦車CSで余っていた段無しテーパーの2ポンド砲砲身を流用した。なお取付の際、キットの取付穴位置だとちょっと砲身が下過ぎる気がしたので、一度埋めて、やや上に穴を開け直した。

ディテールを削った砲塔上面前部にも、横に張り出す謎ディテール(ベンチレーション用ダクト?)を追加した。

操縦手用ハッチが灰色なのは、キットのハッチが小さくて前後に大きく隙間が開くため。

▼足回りの改修

Img20250802005245 Img20251019205436

転輪サスの取付位置を下にずらす。1枚目写真では車体下端近くに新たな取付穴を開けているが、この位置で付けて見たところ、まだ移動距離が足りなさそうだったので、さらにもう一度下にずらした。旧タミヤ譲りのディフォルメが入っているせい?で、取付位置の変更も試行錯誤が必要だった。

最終的に組み上げた足回りが2枚目写真。ちなみに、「屋根裏のマチルダさん」の製作記で触れているが、このキットの足回りは、正規位置で組んだ場合、サスの上端が排土板の裏と干渉してしまう欠点がある。今回はサス全体を下方に移動したので、サス上部を削って調整する手間が省けた。なお、足回り前方の補助転輪も、位置をやや下方にずらしている。

▼排気管の取り回しの変更

Img20250715215520 Img20250801130953

キットはMk.III/IVの仕様なので排気管がエンジンルーム上部左右を取り回されている。初期型では上面にあるのは左だけなので、排気管が出てくる穴の右を埋め、また車体後端の排気管が通る溝も埋めた。排気管自体の工作はこれから。

▼尾橇の追加

車体後端にはフランス戦車ばりの尾橇が付いているのでプラバンで自作した(なお細かいディテールを追加する必要あり)。

Img20251019101737 Img20251019101520

排気管は、この尾橇の左右に引き込まれることになる。引込位置は尾橇のない場合のマフラー位置よりちょっと後方のようなので、この尾橇内にどんな形状のマフラーが収まっているのかは、よく判らない。

なお、エンジンルーム後方パネルのロック機構は、マルタ石垣迷彩仕様を作った時同様にちょっと追加工作(改修)した。

●以上のような改修作業をして、現在のおおよその仮組全体形。

Img20251019101412 Img20251019101429

| | コメント (15)

マチルダさんに浮気

●29日水曜日。

神保町の事務所経由で、夏~秋の仕事の成果物が送られてきた。あー。今年もこの仕事がすっかり終わった。

今年も(特に終盤)バタバタして苦労したものの、仕上がってくるとなんだか「たったこれっぽっちのものか」などと思ったり。

●(遡るが)25日土曜日。久しぶりにお誘いがあり、川崎で赤板先行氏、でんでん氏と3人で飲む。

糖尿病で掛かりつけの医者・栄養士の「ストレスを溜めないよう、たまには制限を緩める日を設けて良し」の言葉に従い(というよりかなり拡大解釈?して)、リミッターを解除して飲んだり食ったり。

とはいっても以前のようにへろへろになるまで酔っぱらうこともなく、それなりにお行儀のよい時間に普通に帰宅。人のことは言えんが、あかばんはもっと腹を引っ込めろ。

20171128_101306 ●先日都内まで出掛けた折、秋葉原のイエローサブマリンでちょっとしたバーゲンコーナーが設けてあり、タミヤのレンドリース版マチルダが税込2900円とだいぶお安くなっていた。もともと必ず買おうと思いつつも、「タミヤならいつでも買えるし」と、つい買い逃していたアイテムなので、せっかくの機会を逃さず購入。

中途半端な状態のwz.34装甲車もキリキリ進めないといけないと思っているのだが、「うん、これは様子見……ただの様子見だから」などと訳の分からない自分への言い訳をしながら、ある程度組んでみた。

……ああ、自分でいちいちパーツを作らなくていい模型って、癒されるなあ(いや、普通プラモデルってそういうものだし)。

以下、キットの中身について気付いたこと、気になったことなどとりとめなく。

▼基本、2009年発売(だったはず)のイギリス軍仕様のマチルダの一部パーツ替えバリエーション・キット。形式名称としては、マチルダ(マチルダII)のMk.III/IVとまったく同じなのだが、細部ディテールはより後期の生産型の特徴を盛り込んであり、新型の履帯、小転輪からスキッドに替わった上部履帯支持機構、より後期の特徴を持ったサイド・スカート、スリットがなくなった前部ロッカー・ハッチなどが車両本体の大きな変更点。ほか、細部ディテールに関しいくつかの相違点あり(部品の使用・不使用など)。これにソ連兵のフィギュア2体、デカールなどが付く。

▼そんなわけで、今年(2017年)発売の新キットであるバレンタインに比べると、ベースキットはそこそこ古いのだが、防盾が寸詰まりだったり、特長的な転輪ゴムリムのふくらみが表現されていなかったりと、いささかピリッとしていない印象だったバレンタインよりも、こちらのほうが筋がいいような気がする。あくまで私の印象ですが。

▼サイドスカートに関しては、上部転輪取付用ネジ穴がないこと、点検ハッチヒンジが外部式になっていることを除くと、基本は先行キットと同形なのだが、実車では、前後の穴の形状にバリエーションが見られる。これについてはセータ☆さんの考証記事が詳しい(丸投げ)。同記事についての追記含め、有用な情報が多いので、まとめURLもついでに。

誘導輪支持架上下にはネジのモールドが追加されているが、実車の場合、ここはほぼツライチなので、キットは少々誇張された表現。

20171129_112852 ▼前部ロッカーハッチは本来あるべき取っ手が省略されていて、軽い凸モールドで位置だけが示されている。追加工作の都合から言えば、穴の開けやすい凹モールドにしてほしかった気がする。

T字型の取っ手は、伸ばしランナーなどで作るとすぐに壊れそうだったので、ジャンクパーツとして利用している48マーダーIII後部のカゴ状デッキの一部を切り刻んで流用した。博物館車両だと向きがだいぶ適当だが、生きている車輌の写真で見ると、おそらく横位置が閉状態。向かって右がやや傾いているのはちょっとした表情?(微妙)。

▼牽引具周り。キットの説明書の指定では、基部(C24+C25)を付けるように指定されているだけだが、キットにはリング(A7)やシャックル(A2)も入っている。ちなみに、イギリス軍仕様のキットではシャックルを取り付けるか、あるいはオプションでリングを付けるかが指示されている。

実際にはソ連軍の車輌でもリングやシャックルが付いているものは多く、また、リングを介してシャックルを取り付けている例も見受けられるので、そのようにした。リング(A7)は一体で完全な輪になっているので、イギリス軍仕様の説明書にあるように、一カ所を切断して通した後に再接着。

車体後部については未工作だが、少なくともリングは下げようかと思っている。

▼操縦席および砲手席上、砲塔ハッチ上の「グンドラフ式ペリスコープ(ビッカースMk.IVペリスコープ)」にはカバー(A8)を取り付けるよう指示されているが、これは実際には付いていない車体が多いようだ。私も付けないつもり。

20171128_101140 ▼誘導輪基部、ギアハウジングの内側には、パーツの抜きの関係で省略されているが、グリスポイント?か何かの突起が2カ所ずつある(おそらく、外周上部に付いているものと同形状)。どうせそんな部分、誰も見なさそうだが、適当にプラ棒の輪切りで追加した。

ちなみに、車体上部のオーバーハング部と車体下部を繋いでいる「ヒレ」状パーツだが、ここに見えている左右の2枚だけではなく、実際には中央にももう一枚(ただしオーバーハング部にすっかり隠れる短いもの)あるようだ。

オーバーハングの陰、ヒレの間には本来は水密ハッチがあるようなのだが、博物館車輌のなかにはツツヌケになっているものもあって、本来の仕様ではどうだったのかいまいち謎(見えない部分なのであまり本気で調べる意欲が……)。

20171128_101207 ▼防盾は、機銃部バルジの下にも開口部があるようだが、キットでは表現されていない。意図的にここをクローズアップで写した写真が手元になく、今一つ幅などはっきりしない感じだが、適当にぐりぐりと削って穴を開けた。

ちなみに、穴開けの手掛かりとして最初にドリルで穴を開けたのだが、勢い余って上面のスリット部までドリルの刃で突き破ってしまった。焦りつつ修復。激しくマヌケだ……。

▼砲身は、説明書ではD14パーツを使うように指定されているだけだが、これを含め2ポンド戦車砲の砲身は2本(D13、D14)、さらに3インチ榴弾砲(D12)も入っている。せっかくなので、私は3インチ榴弾砲を使ってCSタイプとした。

ちなみにイギリス軍仕様のキットではD13を使うよう指示されていて、両キットとも3インチ榴弾砲は不要部品扱い。ソ連へのレンドリース車輌にも3インチ榴弾砲搭載のCS型は含まれているので、説明書でも取り上げてコンパチにしてもよかったのではと思う。

▼同じことがキューポラにも言えて、わざわざ背の低いタイプ(D50)も用意されているのに、これについてはまったく触れられていない。

「わかる人だけわかって、ニヤリとしつつ使ってくれればいい」ということなのかもしれないが、模型を作る上で「選べる」というのはキットの魅力のひとつだと(個人的には)思うので、どうにも不思議。そもそもタミヤがそう矢継ぎ早にマチルダのバリエーション・キットをもう一つ出すとも思えないし。

ちなみに、背の低いタイプもソ連で使われているので、私はそちらを選ぼうかと思っている〈現時点では)。(そもそも背の低いタイプは、「キューポラ」と言えるのか?)

▼砲塔上面右前方にある丸いパッチ、その後方のより小さい四角いパッチは、それが存在しない車輌もあるようだ(例えばYad La-Shiryonの現存車輌)。生産時期との関わりかもしれないが、現時点で詳細不明。ベンチレータ周囲のドーナツ状リブもYad La-Shiryonn車輌には存在しない。

また、砲塔後方の小工具箱?(D59)は、このキットでは不要部品扱いだが、ソ連軍の車輌でもこれが付いているものはあるようだ。

▼砲塔右後方のビジョン・ポート(?)は、キットでは角型タイプだが(D58)、ここは実車では形状にいくつかバリエーションがある。おそらくキットのタイプより後期の生産型と思われる、丸型ベースのものも比較的多く確認できる。

「背の低いキューポラの場合は丸型」とかいう対応関係があったりすると厄介だと思ったが、実際にはそんなことはないようだ。安心。

▼後期の生産車(たぶん)はターレットリング・ガードが装着されているものがあり、ちょっと作ってみたい感じもするのだが、車体上面の工具の位置が若干移動しているようなので、その確認・調整が(工作以前に)やや面倒。

▼車体後部には、イギリス仕様のキットでは増加燃料タンクが付くが、このキットでは取付架も付いていない状態で組むよう指定されている。ただし、(セータ☆さんの考証記事にもあるが)実際にはソ連軍仕様でも増加燃料タンク(取付架のみの場合も含め)付きの車輌はある。

ここは取付架は残っている状態で組んでみたい、などとも思うが、本来は薄い板を折り曲げて作っている取付架が、キットのパーツではムクなので、そのままではちょっと使いづらい。

▼履帯は、カマボコ型のセンターガイドが(金型上、可能な形状であると思われるのに)前後方向に抜けていないのが残念。足回りに履かせる分はスカートもあってほとんど見えないが、予備履帯はちょっと目立つ。

なんとか穴を抜くか、取付具だけにして履帯は省くか……。

▼誘導輪は、キットのタイプは比較的初期のものであるらしい。後期は鋼製リムのものが多いらしいのだが、「スカートに隠れて見えづらい+ほとんど変わり映えがしない」にもかかわらず、改造は割と面倒くさそう。「まあ、キットのままでいいや」の方向に流れる可能性大。

▼デカールは細かくこちゃこちゃと印刷されているが、実際には説明書で取り上げられている塗装例は2例のみ、しかも片方はマーキング無しの冬季迷彩。結局、指定の塗装例で使うデカールは番号①②のみ。「1942年春・ロシア南部」で撃破された写真が残されている、砲塔に「D-7」、車体に「B-2」と書かれた車輌(結局、車番はどっちやねん)。

他のデカールは「自由にお使いください」という、いささか絶句ものの内容。

特に最近のタミヤは基本、あまり大判のデカールはセットしない印象があるので、渡渉ガイドの赤線とか書き込みとかも含めて欲しかったというのは贅沢な注文かもしれないが、それにしても、ちょっとこのデカール選択はお粗末な気が……(バレンタインのデカールもそう思ったが)。

レンドリース仕様ということで言えば、イギリスからの船出の際に「ソ連の盟友への贈り物!」などと車体に書き込まれた状態のものをデカールに含めるのも面白かったんじゃないか、などと思うがなあ……(それもデカールがそこそこ大判になるので「贅沢な注文」かも)。

| | コメント (4) | トラックバック (0)