ビッカース水陸両用戦車、参戦(13)
●いささか仕事が切羽詰まりつつあるのだが、とりあえずこれだけは、ということで、週末戦車親父さんのところの「軽戦車コンペ」(K-CON)のエントリー作、CAMsのビッカース水陸両用戦車(Vickers Carden-Loyd Amphibious Tank A4E12 Early Production)の報告。
K-CONは3月末が締切だが、今回は時間切れリタイアにもならず、締切当日の晩の駆け込みにもならず、「とりあえずこれで完成ってことでいいかな」というところまで持って行くことができた。
製作途中の報告写真ならいざ知らず、さすがにキットの上蓋の裏に置いての写真はみっともないし、我が家に唯一あったそれなりに面積のあるパステルグリーンの紙は、戦車それ自体が非常に発色悪く写ったので、月曜日、都内に仕事に出たついでに、画材屋で半切の色紙(グレーとブラウン)を買ってきた(下の写真でみるように、ブラウンは失敗だった模様)。
ちなみに「半切」は「はんぎり」とか「はんせつ」とか読むのだろうと思っていたのだが、画材屋のおねーちゃんはなんだか珍しい読みをしていた。どう言っていたのか忘れてしまったけれど。
●完成写真。なんとな~くピンボケだったり、なんとな~くナナメだったり、発色が悪かったりもするが、仕上げ同様、「完成品をよく見せる」ことについても圧倒的に経験不足なので勘弁してつかぁさい。もちろんカメラがあれこれ調整できないガラケーだからということもある。
●クローズアップも数枚。
●一応、前回からの変化を書くと、
・最初のウォッシング/スミ入れに使ったローアンバーよりも明るい、(油彩の)イエローオーカーを使って車体下部を中心にウォッシング/スミ入れを重ねた。ローアンバーも再度、要所に加えた。
・履帯もかなり暗めだったのが気になっており、イエローオーカーでウォッシング。その上から再度、クロームシルバー+フラットアルミで若干ギラギラを抑えた銀でドライブラシ。だいぶ「黒々感」は薄れてマシになった気がする。どんな戦車でも、モノクロ写真で履帯が暗く写っている例はあまり多くなく、個人的には軽めの色で仕上げたいと思っている(のだが、結局黒っぽくなったりする)。
・前照灯内部を銀で塗り、レンズをはめた。キットの前照灯パーツは薄くくりぬかれているがレンズ部品はない。今回はWAVEの「H-EYES 3ミニ」の2.2mm径のものを使った。最初は2.5mm径でちょうどかなと思ったがわずかに大きくて入らず、2.2mm径はわずかに小さかったものの隙間が目立つというほどでもなかったのでそのまま使った。このWAVEの透明パーツはそれなりに厚みがあるので、場合によってはレンズ面がかなり出っ張った状態になってしまい、かといって斜めに削り込むと汚くなるし――ということで、あまり使いやすいパーツではない印象なのだが、今回はキットの前照灯外周部が薄かったので助かった。
●今回はキット設計者のT.Wongさんからしばしばアドバイスを頂けるという、なんとも贅沢な製作工程だった(いや、ちょっと怖かったけど(^^;))。有難うございます。
以前からずっと作りたかった車種で、自分でスクラッチしかけたこともある。そんなわけで、ストック棚のどこかに基本形だけは組んだ車体や、ミラージュのビッカース双砲塔型から取り分けた砲塔パーツや、カステンの履帯やらが今でも大事にしまってある(でもどこにあるのかはよくわからない)。新興メーカー第一作とあって、若干の作りづらさはあったものの、とにかくHOBBY-BOSSあたりには爪の垢でも煎じて飲んでほしいと思えるような、こだわりと愛情の詰まったキットで、長年の課題だった車種を作ることができたのは純粋に嬉しい。
また、me20さんにはデカールを提供して頂いたほか、折々のコメントで励まして頂いた。もちろん、同じ中国軍所属のルノーUEを、まさにお手本にしたくなる美しさで作っている、というのも大きかった。ほかにもSUMICON掲示板でも、当ブログでも多くの方にあれこれ背中を押して頂いた。どうもありがとうございます。
●一方で、あれこれ反省もある。
・最も悔いが残るのは迷彩パターン。SUMICON掲示板でも多くの方に褒めて頂いたのだが、やはり改めて資料を見返すと、もっと各色の塗り分けが細かく、塗り分けラインも複雑に入り組んでいるほうがよかった。もうちょっとパターンの下書き時点で急がず、チェックを繰り返すべきだった。
・ほかにも(塗装のスキルと経験値が不足していることもあり)塗装にはあれこれ不満が残る。
・パーツ自体の長さが若干不足気味ということもあるが、車体から舵下部に繋がる支柱(C15、C16)の接続が誤っている。キットの説明書ではC17の下側に繋げるよう図示されているが、前述のようにパーツが短めなこと、クビンカの実車では上側に繋がっていることから、上側に変更して組んだ。が、後から広東軍車輌は下側に繋がっていることが確認できた。ううう。
・機銃付け根のドラム状の防盾は、クビンカの実車ではキットのようにむき出しなのだが、広東軍の実車は左右にカバー部がある(下の動画参照)。完成させてから気付いたので、いまさら改修する気にはなれない。
●とにかく鮮明な実車写真が乏しい車輌で(製作途中で、細部が異なる後期型に関しては新資料が出版されたが)、あれこれ判断に迷ったことも多かった。
……のだが、今さら! Youtubeで、まさにこの広東軍車輌が縦横に走り回る動画を見つけた。製作中にしばし悩んだ前照灯コード部分も写っている。というよりも、前照灯コードに関してT.Wongさんが送ってくれた画像が、同じ動画からのスチルだった。さすがだなあ……。
長めの動画だが、ビッカース水陸両用戦車が写っているのは、後半の34:43あたりから。
ちなみに、最初から中央政府軍が輸入した後期型の動画はこちら。
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