クブシュ

戦うプーさん/「クブシュ」Mirage HOBBY 1:35(6)

●Mirage HOBBY 1:35のクブシュは、ほぼ発売直後(2014年8月)に喜び勇んで買って、その後しばらく放置。数年経って(2019年)ようやく作り始めたものの、装甲ボディをおおよそいじり終えたあたりで中断。長らく放置と相成った。

キットレビューやここまでの製作記に関しては、記事タグ:クブシュを参照のこと。

先日、facebookでコレを作っているという人の書き込みがあって、俄かに「またいじろうか」ゲージが上昇。がさごそと「お手付き山」から掘り出してみた。

現状はこんな感じ。

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装甲ボディに関しては、2019年8月15日の前回から僅かに変化があるが、これは前回書き込みの直後にいじった部分で、今回取り出して以降に新たにいじった箇所は無い。それどころか、それほど高さのないキットの箱に何の手当もせずに突っ込んであったので、戦闘室上面の防盾が折れてしまっていた。……退化してるのは情けないなあ。

前回書き込み時との違いは、車体前後のスカート部分。これは両方とも、0.3mmプラバンで作り直した。特に前部スカートに関しては、中央部の継ぎ目は、組立説明図のコメントに従い、三角のリブ材のない状態に。どうやら、実車は工作時に段が出来てしまったものを埋めている感じだったので、そのように工作した。溶接線が左端(向かって右)で幅広く汚いので、そのように再現。全く想像だが、第一回作戦での衝突等でスカート端の溶接にひびが入ってしまったのを補修したとかかもしれない。特に左側スカートが微妙に歪んでいるのは、実車もそんな感じなのを再現したのだが、箱に収めている間に歪みが大きくなってしまったかも。

後部スカートも、中央でピッタリ揃っていないのは、戦後に放置された状態での後方からの写真に倣ったもの。とはいえ、戦時中の稼働状態の時からそうだったかは確証が無い。

後部スカートは蝶番付きで可動のようだが、ヒンジは未工作。シャーシに繋がっているはずのフックが通る穴は、後部スカートには開けたが、前部スカートの分は未工作。

●今回掘り出して、とりあえずいじり始めたのは足回り。

キットレビューにも書いたように、このキットはシャーシの再限度がはなはだプア。シャーシフレームとか駆動系とかに関しては、そもそも「何のシャーシだったのか」時点で説が分かれているし(定説ではシボレー157だが)、そもそも装甲ボディをかぶせてしまうとほぼまったく見えないので、適当で構わないと思う。が、車輪のお粗末さは流石に何とかしたい。タイヤは同じくMirageで出ているwz.34装甲車のものの使いまわしで、径が不足しているうえにトレッドパターンもオモチャじみている。ホイールパーツも情けない出来で、タイヤに合わせて小径なのはもちろん、5つの軽め穴が貫通しておらず単に浅いくぼみになっている。

キットレビュー時点で「TOKO/RODENのGAZトラックのタイヤをホイールごと流用しようか検討中」と書いたが、実際に、シボレー157とGAZ(フォード)-AAのタイヤは同一サイズであるらしいことが判明したので、心おきなく流用を決意する。

なお、TOKO/RODENのGAZトラックは、その後イースタン・エクスプレスやズベズダでも販売され、バリエーションキットも出されている。今回も、パーツはイースタンのBAから持ってきた。

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左写真がTOKO/RODENのGAZトラックのタイヤ&ホイール。タイヤは軟質樹脂で、キットは、いくつかメーカーを渡り歩いているうちのどれか、もしくは生産ロットによっては、若干の収縮があり、うまくホイールにはまらないケースもあるようだ。今回流用分に関しては問題なく装着できた。

このTOKO/RODENのGAZの車輪、タイヤのモールドに関しては、トレッド部分については「それなり」程度ではあるが、側面ディテールなどは細かく美しく、そこそこよい感じ。ただし、一方でいくつかの問題もある。

(1).軟質樹脂部品には付き物の問題といえるが、パーティングラインを消す際、ヤスリ掛けをすると削りカスが粉ではなくケバになって表面に残る。

(2).元がソ連製トラックのキットなので、タイヤの片面にキリル文字でメーカーや型名などの文字が入っている。

(3).実車では、前輪・後輪とも同じホイールを使用、後輪ホイールは表裏向かい合わせでダブルになっている。したがって、後輪外側ホイール(左写真の左側)は、本来は前輪用ホイールの裏返し形状で、中心部分は内側にさらに一段窪んでいないといけないのだが、逆に出っ張ってしまっている。

(4).キットの(GAZの)ホイールの軽め穴は比較的三角形に近いが、どうやらクブシュのベースとなっているシボレーのホイールは、穴にもっと丸みがあるようだ。

うち、(1)に関しては、ヤスった後に、布などでこすると、ある程度ケバを落とすことが出来るようだ。したがって(2)に関しても削り落としてもいいのだが、そもそもロゴのある面を内側にしてしまえば完成後は見えなくなる。

(3)(4)についても、クブシュでは外側にスカートが装着されていて車輪はかなり隠れてしまうので、苦労して手を入れてもあまり意味がない。というわけで、今回は以上の問題はほぼまるっと無視することにする。

なお、我が家にはTOKO/RODENのGAZ用の車輪の代替品として、ポーランド・ARMO-JADAR製のレジンパーツもあるのだが、これまた後輪ホイールの形状がキット準拠で間違えている。トレッドパターンはこちらのほうが細かく、上記(1)の毛羽立ち問題も回避できるので、もしかしたら今後そちらに乗り換える可能性もあり。いずれGAZ系を作る気になったら、今はもっと出来が良い、miniartのパーツもあるしね。

とりあえず、GAZの車輪の取り付けに備えて、キットの後輪軸は切り詰め、GAZ系キットのブレーキドラムのパーツを取り付けた。フロントアクスルは、ステアリング機構のスの一文字もない粗末な構成だが、どうせ見えないので追加工作などはしない。確かソ連のBA-6以降は前輪にもブレーキがあるが、原型のGAZ-AAにはなかったのではと思うし、同クラスのシボレーもそうだろうと判断。こちらにはブレーキドラムのパーツは付けなかった。

●若干の考証。

(1).後輪について

改めてネット上でクブシュについて検索していて、こんな記事を見つけた。

„Kubuś” w cywilu

ざっくり言うと、クブシュのベース車輛は結局何だったのかという検証。これまでも、「クブシュのベースはシボレー157だった」「実はシボレー155だったという説もある」などと書いてきたが、この記事によれば、「157とか155とかいうのは、単にホイールベースの寸法(インチ)を示しているだけで、正式なモデル名称ではない」とか。まあ、それは興味深くはあっても、直接模型製作には関わりなさそう。

しかしより大きな問題は、それらの記述に加えて、「(定説で言われている車種は)後輪がダブルタイヤだが、クブシュの実車写真では両軸ともシングルタイヤであることが明瞭にわかる」というような一文が書かれていること。

えーーーーーーーー!?

これが本当なら、ちょっとちゃぶ台ひっくり返し系の新知見なんだけれど。

もちろん、元の文章はポーランド語で、それをgoogle翻訳に掛けているので、実際には上のようなスマートな日本語にはなっていない。原文とgoogle翻訳による日本語訳は次の通り。

Tyle, że nie jest to pełna nazwa, a dodatkowo ta seria miała podwójne opony z tyłu, zaś zdjęcia „Kubusia” wyraźnie pokazują pojedyncze koła na obu osiach.

ただしこれは正式名称ではなく、さらにこのシリーズは後輪がダブルタイヤで、「ウィニー」の写真では両軸ともシングルホイールであることがはっきりとわかる。

一応、素直に考えれば、最初に私が書いたような意味になるであろうことは判っていただけると思う。ちなみに「クブシュ」という固有名が「ウィニー」になっているのはgoogle翻訳さんの勇み足で、クブシュを「クブシュ・プハテク=くまのプーさん=ウィニー・ザ・プー」と判断してしまっているため。

Rearwheel さて、「写真では」とは言うものの、戦時中の「生きている」クブシュの写真は極めて少ない。右は、そんなクブシュの写真の中ではおそらく最も有名な1枚(wikimedia commons, File:Warsaw Uprising - Kubuś.jpgと、そこから後輪部分を切り出してクローズアップしてみたもの。陰になっていて判りづらいが、後輪はダブルの幅になっているように見える。

もちろんディテールは潰れているし、何か別のものが重なって幅広に見えているだけという可能性は皆無ではない。上の記事の根拠はどこにあるのか、いや、そもそも本当に「後輪もシングル」と言いたいのか――など、なお気になってモヤモヤする。が、とりあえずこれをひとまずの安心材料として、「後輪はダブル」のままで作ることにする。

(2).塗装について

ポーランド軍事博物館に所蔵のクブシュの現存実車は、これまで幾度か塗り直されているが、とりあえず現時点では濃淡のグレー2色の迷彩、ワルシャワ蜂起博物館のレプリカはグレーとブラウンの迷彩が施されている。いくつかの資料に掲載された塗装図も、おおよそ「グレー2色」派と「グレーとブラウン」派とに分かれている。

ちなみにMirage HOBBYのキット指定はグレー濃淡2色。キットの大らかさはどうあれ、説明書などからはかなりの入れ込み具合がわかるので、そんなMirageが言うのなら何かそれなりの根拠もあるのだろうとボンヤリ思っていて、近年はグレー2色派が有力なのかなと考えていた。私の模型も、最終的にはグレー2色迷彩で行こうと決めかけていたのだが……。

しかし、ポーランド語版wikipediaの文章を試しにgoogle翻訳に掛けてみると、興味深い記述が。

„Kubuś” został pomalowany przez Stanisława Kopfa ps. Malarz w brązowo-szare łaty.

「クブシュ」はスタニスワフ・コップフの別名によって描かれました。茶色と灰色の斑点を持つ画家。

ピリオド付きの省略単語などが入ると、とたんにgoogle翻訳さんは怪しくなるので、人名等は除いて文章を簡略化して訳させてみる。

„Kubuś” został pomalowany w brązowo-szare łaty.

「Winnie」は茶色と灰色の斑点で塗装されました。

文章を短くしたら「クブシュ」がまたしても「Winnie」(しかも英綴り)になってしまったのが謎だが、文章の意味はスッキリした。

ちなみに省略した人名前後の部分は、おそらく「コードネーム『画家』のスタニスワフ・コップフによって」なのだと思う。googleさんを混乱させた「ps.」は「pseudonim(偽名・仮名)」の略かと思う。文の切り分けはおかしくなっているが、一応「別名」という訳語が出ているのは流石?

なお、スタニスワフ・コップフは当時、クブシュを製作した国内軍「クリバル」部隊の第1中隊第105小隊所属の士官候補伍長で、第1回攻撃の際には実際にクブシュに乗り組んでいるらしい。戦後はワルシャワ蜂起博物館の開設にも関わっているので、レプリカの製作・塗装にもアドバイスを与えている可能性がある(ただし、2004年の博物館の開館直前に逝去している)。(→ワルシャワ蜂起博物館の人物紹介ページ

さらに、後のほうの段落では現存実車について、

W latach 90. został − niezgodnie z oryginałem − pomalowany w ciemnoszare łaty na jaśniejszym tle.

1990年代には、オリジナルとは反対に、明るい背景に濃いグレーのパッチで塗装されました。

とも書かれていた。灰色・茶色の組合せが灰色2色になっても「反対に」にはならないが、戦中の実車写真では「濃色に淡色の斑点」に見えるので、濃淡の組合せが逆になったという意味か。

いずれにせよ、これらの記述を読む限り、どうやら実車はもともと「ブラウン地に明るいグレーの迷彩」という組み合わせであった可能性が高そう。なんとなく一歩進んだ気分(製作それ自体はほとんど進んでいないが)。

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戦うプーさん/「クブシュ」Mirage HOBBY 1:35(5)

●Mirage HOBBY 1:35、ポーランド国内軍の簡易装甲車「クブシュ」(”KUBUŚ” - Improwizowany Samochód Pancerny, Powstanie Warszawskie, Siespień 1944)の製作記。相変わらず、じわじわとしか進んでいない。

改めてチェックしてみたら、8月10日は「本物のクブシュの製作がスタートした記念日」だった。いや、だからどうしたって……。

●若干の考証。

そもそも当初は、「なにしろ博物館に実車があるんだから、どれだけネット上で写真が集められるかという問題はあるにしろ、粛々とそのディテールを反映させていけばいい……」などと思っていたのだが、いざ本腰を入れてチェックしていくと、どうもそれでは済まないということがはっきりしてきた。

最初に「えっ?」と思ったきっかけは、キットの説明書の片隅に書かれた一文。

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車体前面スカート・パーツに対する但し書きで、「戦時中の仕様にするなら、先端のトンガリは削り取ってね」くらいの意味だと思う。右写真がキットパーツと、問題の「トンガリ(bevel)」(矢印)。ここは戦時中の写真では不鮮明で、はっきりと確認しづらく、この但し書きがなかったら、そのまま現状を再現していたかも。

これまでにも数度振れているように、他にも、現存実車ではその後のレストアの結果、戦時中の仕様と異なってしまっている箇所があるようだ。ややこしいのは、その「戦時中」にも変化があることで、実車に何がしかの「いじったあと」があったとして、それが、戦後のレストアによるものなのか、それとも初回作戦と第二回作戦の間に施された改修なのか判別しづらい場合もある。やれやれ。

●以上は前振りとして、今回の進捗その1。エンジンボンネット部分のハッチを付けた。

20190812_194332

どういう理由があるのか、ボンネットハッチは左右非対称で、右側ハッチは前方に長方形の継ぎ足しがあって長い(左側は、この継ぎ足しに相当する部分は車体側固定部となっている。

左右ハッチの継ぎ目には、右側ハッチに固定された、合わせ目にかぶせる縁材がある(専門用語で「定規縁(じょうぎぶち)」と言うらしい)。これは、現存実車では確かに付いているのだが、戦時中の実車に付いていたかどうかは、手元に集めた写真からは判断できなかった。ただし、戦後に講演で放置されてサビサビになっている時期の写真では確認できるので、戦時中にもあったと判断して追加した。なお、現存実車の真っ直ぐ前からの写真で見ると、取付具合はもっとヨレヨレのようで、その辺はきちんと再現し尽くせていない。

工作前段階でちょっと悩んだのがヒンジの処理。この部分は、現存実車でよく見ると、現時点でのヒンジの内側に溶接痕が確認でき、要するに、一度付けたヒンジを外側に移動させているらしい。

Kubus-in-mwp_s01 Kubus_s01

上は比較検証用に、ともにwikimedia commonsの写真から切り出したもの。左がMWPの現存実車で、現在のヒンジ内側に、旧ヒンジ跡であろう溶接痕が確認できる。一方、右は戦時中、クリバル部隊の拠点の公園で整備中のクブシュ(改修後)。これを見ると、左写真よりもヒンジが内側にあることがわかる。なお、wikimedia commonsに上がっている写真の都合上、左右違う側の比較になってしまったが、他で上がっている写真から、現存実車の左側も上右写真より外側にヒンジがあること、その内側に溶接痕が残っていることが確認できる。

キットのヒンジモールドは現存実車に準拠しており、(もともとは溶接線再現の際に邪魔だったので一旦削り落としたのだが)より内側に作り直した。4か所とも、キットのモールドから一つ分内側に寄せる感じにしたのだが、今見直すと、前側のヒンジはさらにもう少し後ろに下げても良かったように見える。

●今回の進捗その2。天井ハッチと防盾を取り付けた。

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天井ハッチの「定規縁」に関しては、キットのパーツにもモールドがあったが、かなり細く、しかも「お行儀が良すぎる」感じだったので、削って作り直した。ただし、後からわずかに写っている実車写真を見ると、前側の天井のリブよりも高く盛り上がっているようで、もう少しメリハリをつけるべきだったかも。

ヒンジは、車体側は溶接痕の作業の邪魔だったので削り落としてあり、0.3mmプラバンで再生。(エンジン部ハッチ同様)ヒンジ周囲には溶接痕を追加した。ヒンジの筒部はエンジン部ハッチで作ったものよりおとなしすぎるので、後々ここも作り替えるかもしれない。

防盾は(キットのパーツは厚過ぎるので)0.3mm板で新造し、天井にイモ付け。取付位置は左右で完全に対象ではなく、後端位置で見ると、左側のほうがやや前に出ているようだったので、そのように工作。防盾の後ろに銃架のようなものがあってもよさそうな感じだが、とりあえず、現存実車ではそのようなものは見当たらず、かつてあったことを示すような溶接痕なども確認できなかったのでクリーンなまま。もちろん、単純に中央の隙間から小火器を突き出して撃つためだけのもので、銃架など最初からなかった可能性も高そう。

●今回の進捗その3。サイドスカートの工作。

前後輪横のサイドスカート部分は実車では別体で、おそらく車輪交換の便のためにボルト止めになっているのだが、キットは装甲車体と一体モールドになっており、段差もボルトも表現されていない。

というわけで、0.3mmプラバンより薄く弾性も高い、タミヤの0.2mm透明プラバンで工作した。

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後々の工作過程での破損を防ぐため、キットのサイドスカート部分は切り落とさず、周囲を薄削りし、わずかに大きさも削り込んで、裏打ちに活用した(どうせひっくり返して見せるつもりもないので)。透明プラバンの表面は目の細かいペーパーを掛けて「すりガラス」状態にしているが、裏打ちとの間に広がった接着剤が透けて雲形迷彩のように見えている。

ボルトは、マスタークラブのレジン製の0.7mmサイズ(低頭)のもの。

サイドスカート上の溶接ラインは装甲車体の裾部を溶接しているものなので、当然、スカート部には掛かっていない。

なお、工作途中に気付いたのだが、左前部スカート上の真ん中のボルトは、実際には、その上の斜めの溶接線が下辺に接する直下にある。これは私がボルトの位置を間違えたわけではなく、本来、斜めの溶接線の角度がもう少し立っていて、下辺との接点が後ろにあるため。右前部は同接点よりボルトが後ろで正しいので、要するに、この部分の溶接線位置自体に左右でズレがあるらしい。今更気付いても遅いのでそのまま(面構成をやり直すなんてまっぴら)。

また、現存実車を見ると、サイドスカートのうち右前部を除く3枚には、継ぎ足しの溶接線がある(右前部は後ろ1/8くらい? 左右後部は下2/3くらいを継いでいる)。しかし、戦後の放置時期の写真を見ると、少なくとも右側前後のスカートは失われている。車体後部の可動式スカートも新造品に交換されていることから見ても、これらはレストア時に新たに作られた可能性が高いと判断し、溶接線は入れなかった。

●今回の進捗その4。車体前面上部の弾痕の追加。

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実車のクブシュには、各部に2度の戦闘で付いた弾痕が残されている。当初は「さすがにそこまでは……」と思っていたのだが、これらの弾痕が一度目と二度目、どちらの戦闘で付いたものか確認できない以上、「二度目の作戦時の仕様なのに、それ以前に付いた弾痕がないのはおかしい」という事態になることも考えられる。とりあえず入れておけば、「二度目の作戦終了時の状態」は再現できていることになる。

なお、上右写真のように、実車の弾痕位置に関してはキットの説明書でも図示されているのだが、下の金尺からもわかるように、図が小さすぎてかなり判読が難しい。そんなわけで、実車写真を参考にちまちまと入れた。もっともキットの図も(一応赤色で図示されているので)、離れた場所にある“はぐれ弾痕”の確認には役立つ。

弾痕には大小があるが、これは当たった角度や、そもそもの口径(拳銃/短機関銃弾と小銃/機関銃弾)の差によるものかと思われる。なお、ほとんどの弾痕は外側装甲を貫通しているが、車内写真を見ると、内側装甲には窪みを作っているだけで食い止められているものが多いようだ。

現時点では上部前面の弾痕しか工作していないが、その他の場所にも若干ある。

●以上の工作を終えた全体写真。

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ハッチ部の大きな穴がふさがったので、だいぶ最終形に近付いてきた。

●脱線話。クブシュの工作をしていると、どうも溶接線が気になって、散歩の途中で思わず撮ってしまったもの。

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よく見ると滑り止めのパターンは溶接線をまたいで連続しているので、まさに、以前hn-nhさんが言った方法、「破線状に溶断して折り曲げて、然る後に溶接して折り曲げ部を補強」の工作をしているらしい。帯材の溶接も、ベタ付けでなく破線状に工作されている。

散歩の途中に、「なるほど~」などと思いつつ、足元の鉄板を眺めているおっさん。怪しすぎる。

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戦うプーさん/「クブシュ」Mirage HOBBY 1:35(4)

●Mirage HOBBY 1:35、ポーランド国内軍の簡易装甲車「クブシュ」(”KUBUŚ” - Improwizowany Samochód Pancerny, Powstanie Warszawskie, Siespień 1944)の製作記の続き。

●前回やり残しの天井部分の溶接線の再現は以下のようになった。

20190729_174001

前回書いたように、この部分はまともに写っている写真がなく、だいぶ想像交じり。ただし、

  • 左右辺は上面ハッチの幅で内側にも溶接線があり、二重になっている。
  • 中央ライン(ハッチの前方のみ?)にはリブテープ状に張り増しがある。

という二点は、ハッチから内部を覗きこんで撮ったような写真にわずかに写っていて確認できたので再現した。

前者に関しては、クブシュがスペースド・アーマー式の二重装甲であることから、内側溶接線は側面の内部装甲の位置を示しているのではないかと思う。

後者については、戦後のレストア時に追加されたものという可能性もあるのだが(例えば前面下部スカート中央のラム状の張り増しは戦後の追加である旨、Mirageのキットの説明書で解説されている)、この部分はさらに上に防盾が付いていて、しかもその防盾は(戦後の遺棄状態時期の写真から見て)オリジナルである可能性が高そうであるため、その下を通るリブテープも最初からあったものと判断した。ただし、実際には防盾の裾部分のそのものズバリの写真はないので、このリブテープが防盾の手前で終わっているとか(その場合、戦後の追加工作である可能性がやや高くなる)もあり得る。

特に天井部前端の溶接ラインに関しては、キットのパーツ分割と面構成に準拠していて、本当にこんな感じかどうかはちょっと怪しい。

●運転席左面の視察スリット。

20190729_173903

もともとキットにあったモールドはエッジが寝惚けていたこともあり、作り直した部分。

  • 貼り増した板はやや斜めになっていて、スリットはその下の溶接ラインとほぼ平行なため、板のなかでスリットは傾いた状態になる。
  • 最初に車体に直接開けたスリットの位置が悪くて塞いだのか、それを塞いだような溶接痕が板の後方にあるので再現。
  • 破損個所を直したようなツギハギの溶接線が上面にかけて走っているので再現。

●運転席正面の視察口。ここも、元のモールドが寝惚けていたので作り直した。右がキットの元々の状態。

20190729_191050 20190530_023539

実際に作り終えてから見直すと、現存実車に比べて可動フラップ部分の縦幅がちょっと広く、スリット自体ももっと狭く左右に長かった方がよかったように思う(ちゃんと作る前と作っている最中に確認しろよって感じ)。ただ、実車のフラップ部分は一度失われて作り直してあるようで、現在の状態をあまりシビアに追及する意味も薄い気がしたのでそのままとした。

実際には、戦後、公園に遺棄されている時期の写真で、オリジナルの状態なのではないかと考えられるフラップ付きのものがあるのに今更ながらに気付いたのだが後の祭り(とはいっても、その写真もそれほど鮮明ではない)。

“助手席”側の銃眼に関しては、内側に、一度開けて塞いだ跡を追加した。

●本日のクブシュ考証。

実車の記録によれば、クブシュは1944年8月23日未明まで製作が続けられ、同日早朝、ワルシャワ大学正門への攻撃に参加(一回目の出撃)。

撤退後、天井に機銃架と防盾を増設、さらに視察装置の改修が行われた後、9月2日に再びワルシャワ大学への攻撃に参加している(二回目の出撃)。

現存実車およびそれを参考に作られたキットは、当然ながら、改修(および戦後のレストア)後の姿を基本にしている。

戦時中に撮られたクブシュの写真はごく限られているが、そちらもほとんどは改修後の姿のもの。改修前のものとしては、唯一、一回目の出撃前日(8月22日)にポヴィシュレ地区のザイェンツァ(Zajęcza)通りで撮られたとされる写真があるが(前回記事へのvol de nuitさんのコメントでリンクを張って頂いた写真と同じもの)、これは距離を置いて見下ろした不鮮明な写真で、ディテールもへったくれもない(天井に防盾が付いているかどうかさえはっきりしないので、タルチンスキ本のキャプションにある日付で、ようやく「えっ、これって初出撃よりも前なんだ!?」と思う程度)。

そんなわけで、一回目の出撃時のクブシュの細かいディテールははっきり言って謎だが、タルチンスキ本の記述によれば、どうやら、運転席前面の視察口は、当初はスリットだけで、一回目の出撃のあと、ドイツの兵員輸送車(Sd.Kfz.251か?)から持ってきた防弾ガラス付きに改修されたらしい。その他、上の工作で述べた銃眼の移動や側面視察口の改修も、この時に同時に行われた可能性は高いのではないかと思う。

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戦うプーさん/「クブシュ」Mirage HOBBY 1:35(3)

●7月に入って、なんだかんだですっかり模型製作をサボり気味。当「かばぶ」の更新もだいぶご無沙汰になってしまった。

というわけで、だいぶ久々のクブシュ(”KUBUŚ” - Improwizowany Samochód Pancerny, Powstanie Warszawskie, Siespień 1944, Mirage HOBBY 1:35)の製作記。

●基本は前回の続きで、装甲車体の溶接線工作。

天井部分を除いて、ほぼ全周の溶接線を入れ終えた。

溶接線はオーソドックスに、伸ばしランナーを貼って流し込み接着剤で溶かして潰す方法。潰すための工具は主にペンナイフの背で、ほかに適宜、ピンセットの先、金尺の角、自分の爪の先などを使っている。細い溶接線を除いては、伸ばしランナーを最初に貼った時点で、一度ナイフの刃先で細かく輪切りにし、接着剤がよりしみ込みやすくした。

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以前にも書いたように、実車のクブシュは限られた材料を使い、半ば(あるいは完全に?)素人が溶接工作をしているために、以下のような顕著な特徴がある。

  • 溶接線が不揃いで、場所により太い/細いの差が大きい。同一ライン上でさえ、太さが変化している場合もある。
  • おそらく大面積の鋼板が入手できなかったため、戦闘室左右の1平面の部分も複数の鋼板を接ぎ合せてあり、しかも左右で分割が異なる。
  • 材料不足に加えて鋼板の切り出しも稚拙であるために、継ぎ足しやつじつま合わせの隙間埋めがあちこちにある。

したがって、工作においても、なるべく実車における溶接線の太さの差の再現を心掛けた。太さの差は、例えばこんな感じ。

20190723_123533

もっとも、「ここは太め」「ここは中くらい」「ここは細め」くらいのいい加減な区別で、しかも伸ばしランナーを潰す工作過程でも仕上がりの太さに差が出て来てしまうため、厳密に比較すると「あれ? ここはこっちよりも細いはずなのに……」といった箇所がちらほらある。

●前回、右側面の溶接線工作の報告の際も触れたことだが、操縦席/助手席左右の斜めラインは、途中で角度が変わっている。

ここについては、前回記事へのhn-nhさんのコメントで、「単に線の角度が変わっているだけでなく、溶接線が破線状になっているようだ。この部分は2枚の三角の鋼板を接いだのではなく、1枚の鋼板を破線状に溶断し、折り曲げたうえで、溶断部分を再び溶接で埋めたのでは」(大意)という観察と推論を頂いた。

確かに、特に左側面では溶接線が下端で消えてしまっていることなどを考えても、hn-nhさんの推論はかなり説得力があるように思う(ただし、実際に“折り曲げ工作”だった場合、他にも浅い角度で2面が合わさっている箇所はいくつかあるのに、なぜこの場所だけそのような手法を採ったのか、という疑問は残る)。

というわけで、右側面の当該位置の溶接線は破線状に入れ直し、また、左側面は最初から破線状に工作した。

20190723_183613 20190723_183555

●その他、現時点での溶接線工作に関するトピックスその1。

20190723_183512

戦闘室頂部前面装甲板は、切り出し精度が悪かったせいか、中央に継ぎ足しがあって溶接線がV字に二重になっている。これはレプリカ・クブシュにはない大きな特徴。また、操縦席前面の装甲板はきっちり左右対称でなく、中央の溶接線は斜めになってしまっている。

操縦席前面の視察口、助手席側の銃眼の“開け直し”工作痕についてはこの後に工作予定。

●トピックスその2。

ラジエーターグリル部上の三角形の装甲板は、キットと実車で形状がちょっと異なっている。

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キットでは写真のように下辺②よりも中央縦の辺①のほうが短いのだが、実車ではほぼ同じか、むしろ縦線①のほうが長い。溶接線を入れ直すことによって、形状の差が目立つことになってしまった。

もっともここを修正するとなると、前面全てを作り直すことになってしまう(そして細かいことを言い出すと、形状や角度にズレがあるのはこの場所だけではない)。というわけで、ここは見て見ぬふりに徹することにする。

●溶接線について未工作の天井に関しては、(せっかく実車が残っているにも関わらず)しっかり写した写真がネット上に見当たらず、なお調査/考証中。開けた上面ハッチを覗きこむような写真に、その前後がわずかに写っているものしか現時点では発見できておらず、想像交じりの工作を余儀なくされそう。

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戦うプーさん/「クブシュ」Mirage HOBBY 1:35(2)

●Mirage HOBBY 1:35、ポーランドの即席装甲車「クブシュ」(キット番号 no.355026)の製作記。

箱に書かれた(ポーランド語の)キット名称は、「”KUBUŚ” - Improwizowany Samochód Pancerny, Powstanie Warszawskie, Siespień 1944」(直訳すれば、『クブシュ』 ワルシャワ蜂起における即席装甲車、 1944年8月)。……長いよ! メーカー側の(あるいはポーランド人の)思い入れの深さを示しているというか何というか。

●溶接線を入れ始めた。

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とりあえず、右側面から工作スタート。ここはキット評で書いたようにキットの溶接線のモールドが目立ってずれている部分で、中央の縦長の鋼板はやや下すぼまりに、また後ろの辺は銃眼に接しているので、そんな感じに。

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そして現状は、右側面をおおよそ終了。全体の3分の1程度という感じ。

実車は、望む大きさの鋼板が自由に手に入る環境ではなく、また溶接技術の拙さもあって、あちこちにつじつま合わせ、継ぎ足し、試行錯誤の跡がある。今回の溶接線の入れ直し作業も、その辺をできるだけ再現したい、というのをメインテーマとしている。現状終了している右側面部分では、

▼戦闘室右後部下。鋼板の幅が不足していたか、ヒビでも入っていたか、一部、溶接線が二重になっている。

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▼「助手席」側のスリットのある面。上端部分が三角に継ぎ足しになっている。

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▼エンジンルーム右側面。写真中央の2面は、どちらかが歪んでいる(あるいは切り出しが適当だった?)ために、溶接線の角度が途中で変わっている。ちなみに(未工作だが)、左側面のこの部分は、途中で溶接線が消える!という、これまた謎な状態になっている。

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●並行して。

このキットの前面ルーバーは、「ミニスケールか!?」というような階段状一体パーツで、だいぶ情けない。実車のこの部分は、これまた工作が不揃いで、レプリカ・クブシュとの識別点の一つとなっている。

というわけで、作り直しに向けての下工作として、ルーバー下を開口(現状、片側だけ終了)。本来はペラペラの鋼板だが、どのみちルーバーを付けるとほとんど見えない部分なので、薄削り工作などはしない予定。なお、どうやら実車では、弾片等がラジエーターを傷つけるのを防ぐため、ルーバーとラジエーターの間にもう一枚、スリットを開けた鋼板を置いているようだ(少なくとも現存実車ではそうなっている)。

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戦うプーさん/「クブシュ」Mirage HOBBY 1:35

20190517_195009 ●令和に入って作り始めたものが2つ。片方は先日レビューを上げた、THE WORLD AT WARの1:72、II号戦車b型で、これもある程度作業が進んだら再度レポートを上げるつもり。そしてもう一つが、今年の初めに「そろそろ手を付けるか~」と書いた、Mirage HOBBY 1:35のクブシュ(Kubuś)。というわけで、そのクブシュの製作記第1回。

平成年間のお手付きキット多数、場合によっては昭和の頃に手を付けて放置してあるものもあるはずで、「作るならそっちを先にしろよ」というものはいくらでもあるのだけれど。

●これまでにも散々書いているけれども、クブシュ(Kubuś)は、1944年夏のワルシャワ蜂起の際に、市内ポヴィシュレ地区にいたポーランド国内軍の1部隊(「クリバル」部隊)が、ドイツ軍の拠点となっていたワルシャワ大学の攻略用に1輌でっちあげた即席装甲車。より詳細な実車解説は、

wikipediaの日本語記事:とりあえず現時点で、日本語でクブシュの概略を知るにはコレ(のはず)。

Samochód pancerny "Kubuś":ポーランド語の実車解説、作戦解説など。google翻訳さんあたりに頼ろう。

そもそもガレージキットでも出たらスゴイと思うようなネタなのだが、自国ポーランドのMirage HOBBYが、1:35と1:72でまさかのインジェクションキット化を果たしてくれた。愛されてるなあクブシュ。発売されたのは2014年で、私も早速購入した(……だけで、今まで積んだままになっていた)。その頃からの当「かばぶ」の過去記事は、

クブシュ!:Mirageからのキット化を聞いて喜んで書いた記事。ポーランド・ワルシャワに現存している実車とレプリカの話、およびその識別点など。なお、記事内の実車walkaroundへのリンクは切れているので注意。2014年4月19日。

MIRAGE HOBBY 1:35 Kubuś:キット入手時に書いたレビュー。おおよそのキット内容、実車の溶接ラインとキットのモールドの比較、ベース車輛に関する若干の考察など。2014年8月8日。

浮島:今年初めに書いた雑記。後半に、クブシュの資料等について触れている。2019年1月30日。

上に書いたように、過去記事で紹介したウェブ上のクブシュのwalkaround写真はリンク切れになっているので、現時点で閲覧可能な、実車写真が見られるサイトをいくつか。

KUBUŚ - Powstańczy Samochód Opancerzony - MWP / MPW [FOTO](ポーランドの模型関係の掲示板に貼られたもの)

strefa cichego(クブシュ以外にも、結構マイナーな車輛、砲などの写真があるサイト)

MUZEUM WOJSKA POLSKIEGO - Powstańczy samochód pancerny "Kubuś"(写真点数は少ないが、現存実車を所蔵しているポーランド軍事博物館の所蔵品紹介ページ)

Odrestaurowanie wnętrza samochodu pancernego Kubuś(何やらポーランド語の確認窓など出たりするので注意。現存実車の比較的最近のレストア。一応、記事の日付は2015年9月。内部の設備あれこれはたぶんオリジナルと全く違っているが、二重装甲の様子などが観察できる。前面外側装甲を貫通した銃弾が内側装甲で止められていることなどが判って興味深い)

Samochod pancerny Kubuś - ostatni z remontów.(上記事の続編で、記事の日付は2015年11月。同じく確認窓に注意。さらに多数の内部写真)

Ćwiczenia załogi i desantu powstańczego samochodu pancernego "Kubuś"(イベントに引っ張り出されたクブシュの動画。ディテール・ウォッチにはたいして役立たないが、床下にしか出入口がないクブシュの乗降の大変さが判る。他にもyoutubeには、ワルシャワ大学襲撃の再現イベントに引っ張り出されたクブシュ実車の動画などが上がっている)

Samochód pancerny "Kubuś" znowu jeździ (wideo)(走行可能にレストアされたクブシュ実車の動画。自走可能で作ったレプリカの立場が……)

Panzerserra Bunker - Kubuś - Polish armoured car / armoured personal carrier - case report(モデラーによる製作解説ブログ。出所は不明だが寸法・角度データ図などもあり。vol de nuitさんに教えて頂いた)

ただし、現存実車は(車内だけではなく外観上も)若干の戦後の改修が入っており、少なくともワルシャワ蜂起当時のクブシュの再現を目指すのであれば鵜呑みにできない部分もあるので注意が必要。

●表題は、ポーランドで「くまのプーさん」が「クブシュ・プハテク(Kubuś Puchatek)」と呼ばれて親しまれているため。

ただし、この装甲車自体は直接くまのプーさんにちなんで名付けられたわけではなく(一時は日本語版wikipediaにそのような記述がされていたこともあるが、現在は表現を弱めてある)、製作主任であった技術者、ヨゼフ「グロブス」フェルニクの戦死した妻のポーランド国内軍メンバーとしてのコードネームからのもの。クブシュという単語自体はポーランドで一般的な男性名「ヤクブ」の愛称であり、グロブスの妻のコードネームがプーさんをイメージしていたかどうかは定かではない。

もともとコードネームは秘密活動用のものなので、性別が違っているのはそれほど奇異ではないようで、実際に出撃時に運転手を務めたフィヤウコフスキ軍曹は女性名「アナスタシア」のコードネームを持っている。

ただし、指揮官のタデウシュ・ジェリニスキ士官候補軍曹のコードネームは「ミシュ」(熊/テディベア)なので、プーさんとの何らかのイメージのつながりはあったのかもしれない(もちろん、クブシュ以前からずっと「ミシュ」と名乗っていた可能性も大いにある)。

●製作方針。何しろ車外装備品の類はほとんど何もない(ノテク・ライトと車幅表示棒程度)ので、その方面で精密度を手は使えない。

キットは車内もある程度表現されているものの、おそらく実車は長らく放置されている間に車内のアレコレは一度喪失していて、近年の車内写真も撮影時期によって(椅子等が)がらりと変わっていたりするため、それら資料写真は(少なくとも戦時中の状態の再現には)役に立たない。もともと、私自身が「模型は基本、外から見えるところだけでいいや」派であることにもる。

というわけで、基本は表面の装甲板の溶接表現に手を入れることを中心に進める。なお、装甲板の面構成について、一部「実車とちょっと違うナー」と思う場所もあるが、解消しようとすると大幅にプラバンで車体を構成し直す必要が出てくるため、(面倒くさいので)それには目をつぶることにする。要するに具体的には、

  • 位置の修正、強弱(太い細い)を含めた溶接跡の再現
  • 実車の工作の粗さ、微妙な左右非対称の再現

を目指す。

なお、キットは天井に防盾が追加され、操縦手用の視察口が改修された、2回目の出撃以降の姿を再現している。最初の出撃時の姿というのも興味があるが、とりあえず、ネット上や資料本等で見かける当時の写真も改修以後のものばかりで、改修以前の姿は文章で触れたもの以外見つからなかった。また、キットの説明書には出撃で負った弾痕位置の説明なども入っているが、そこまで再現するかどうかは現時点では決めていない(面倒くさいし)。

●1st Step。おおよそ説明書の指示に従って、シャーシから組み立て始める。

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キットにはエンジンも入っているが、総じてだいぶおおらかな出来。一応、エンジンから駆動軸が後輪デフまで繋がってますよーくらいの感じだが、この辺は、組み上がってしまうとほぼ全く見えないので、個人的には気にしない。そもそも、ベース車輛がシボレー155であるのか、シボレー157であるかも(少なくとも現時点で私には)よく判らず、しかもその両者とも詳細資料など手元にないので、こだわりようがない。そんなわけで、この部分は基本、キットの指示に従ってパーツを付けていくだけ(むしろ、いくつか部品を省略)。

なお、前輪もステアリング機構は丸無視。パーツにハンドルは付いているのだが、ハンドルシャフトはなぜかエンジン側面に繋がっているという謎レイアウトになっている。

ただし、キットの車輪だけはレビューで書いた通りあまりにプアな出来なので交換の予定。

ちなみにキャビン内からエンジン部分や前輪ハウジングが筒抜けになっているが、少なくとも実車の現状ではその通りになっている。

●装甲車体基本形は大きく左右分割されている。ただし、位置合わせのダボなどは一切なく、また、若干のバリなどもあって、ズレが発生しないかちょっと気を遣う。私は内部の作り込みはせず、ハッチも閉めてしまう予定ということもあって、分割線上に0.3mmプラバンの切れ端などを貼って位置決め/接着部の補強を行った。

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キャビン前面は別パーツ。本体との合わせは微妙に合っていない感じで、若干の削り合わせを必要とした。

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操縦手前面の視察口、および操縦手左の視察スリット部に貼り増した板、エンジンボンネットおよび車体後端スカートの車体側ヒンジは、どれも寝ぼけたモールドだったので、後々作り直すことにし、この段階ですべて一度削り落とした。

レビューでも書いたようにキットの溶接ラインのモールドは一部で位置がずれており、また、(レプリカと違って)実車では場所によって太かったり細かったり、非常に工作の粗さが目立つ仕上がりになっていて、それがクブシュ実車の特徴ともなっている。これに関しては全面的に入れ直すつもりで、これまたすべて削り落とした。

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以上の作業の過程で、特に車体左側面および後面のピストルポート(あるいは視察口?)の位置がちょっと気になったので、この2か所は開け直すことにして一度埋めた。

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後面に関してはキットよりもやや下に、左側面はやや上に開け直す予定。

溶接跡に関しては、いつも通り、伸ばしランナーを貼って溶かす方式の予定。ランナーの色が違うと溶接線の太さの違いが把握できなくなるので、タミヤの同色のランナーを使って微妙に太さの違う伸ばしランナーを量産した。

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●製作方針の項で触れた、装甲板の面構成自体の「ちょっと違うナー」について。例えばラジエーター用ルーバーのある最前面の上の細長い装甲板だが、この下端の角度が、実車に比べるとかなり開き加減になっている。

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上右写真で黄色で示した部分。下はwikimedia commonsから拝借してきた実車写真。

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その面の後ろに連なる(ボンネット側面にあたる)装甲板の上下幅にも少々関わってくる。

実を言うと、多少なりと問題を改善しようと、上左写真(車体右側面)では、問題の角の上辺に繋がる面を少し削り込んで、わずかではあるが角度を鋭くしている。車幅表示棒取付部の凹を埋めた後がエッジにかかっているか、いないかで削り込みが判ると思うが、角度の変化自体はパッと見て判るほどには変わっていない。というよりも、おいそれと変えられない。

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それも当然で、上写真に黄色で示した2辺によって、上の面の角度はおのずと決まってしまっているわけなので、ここを大胆に削り込むと、この面が明らかな曲面になってしまう。それを防ごうと思うと、このあたり一帯をすべてプラバンで作り直す必要が出てくる。

そんなわけで、これらの点に関しては、「誤魔化せる部分は誤魔化せる範囲で」という、比較的ヌルい姿勢で臨む予定。

なお、工作自体も、気が向いたときにゆるゆると進めていく感じになると思う。

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浮島

●盛大に仕事が行き詰まり中。

●先週土曜日(1月26日)、逗子マリーナからの海越しの光景。

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小坪漁港に出る手前、小坪寺手前の坂上からちらりと見えた海に、伊豆大島がいつもよりやけに大きくくっきりしていると思ったのだが、よくよく見ると、島の左右端で、海と陸の合間に空が少し入り込んでいた。

程度としては小規模ではあるものの、「浮島」と呼ばれる蜃気楼(逃げ水などと同様の「下位蜃気楼」)で、気温に比べ海面のほうが温度が高い場合に起きる現象だそうな。その右手、伊豆半島の突端も若干浮いていた。

3枚目は江の島越しの富士山。なんだか大噴火を起こしているかのような雲。しばらくすると雲はつぶれて、割とどうということもない景色になっていた。

4枚目は、日本の特攻戦術の中でも恐らく最も愚劣な「伏龍」出撃用の稲村ケ崎の洞窟陣地。国道に面した内陸側の入り口はだいぶ以前に塞がれていてよく確認できない。

●京浜急行が、来年3月、(他のいくつかの駅と同時に)京急新逗子駅の駅名を「逗子・葉山駅」に変更するのだそうだ。

駅は逗子にあるのに、無理やり葉山をくっつけなくても……みたいに(逗子市民としては)一瞬思うが、葉山に最も近い鉄道のアクセスポイントであることを明らかにしたい的な理由が挙げられており、言われてみれば尤もだという気もする。

しかしそれよりも、一般に京急の駅のプラットフォームの方面案内は「**・**・** 方面」とナカグロで列記されており、その中に「逗子・葉山 方面」と書かれると、逗子と葉山という別々の駅があるように思われてしまうのでは……と、facebookでコメントされている方がいて、なるほどと思った。

なお、「新逗子(しんずし)駅」は一つ手前の「神武寺(じんむじ)駅」とまったく母音の並びが一緒なので、車内放送で聞いているとちょっと紛らわしい。その点からいえば、聞き分けやすくなっていい、とも言えるかもしれない。

●このところの日産のCM。「すべての答えは、技術で出す」「技術の日産」と、とにかく技術の一言だけを執拗に押し出しているのを見ると、「うちは技術だけなんです、その他(経営とか組織とか)はダメダメなんです、だから技術以外のことでツッコむのはやめてください」と泣きを入れているように思えてしまう。

●hn-nhさんのブログ「ミカンセーキ」で、miniartから最近発売されたケーブルドラムを出発点に、ワルシャワ蜂起のネタを不定期掲載中。「ケーブルドラム→ワルシャワ蜂起」という連想ゲームは、ワルシャワ蜂起のAFVにある程度の興味のある人ならお馴染みの鹵獲ヘッツァー「Chwat」号の写真から。

ネタ自体は昨夏以来のものだが、ここ最近の一連の記事の出発点はこちら

F1015931 そんなこんなで、じわじわと「ワルシャワ蜂起熱」が掘り起こされてしまい、そろそろMirage HOBBYのクブシュ(Kubuś)をいじり始めようか、などを思い始めた。Mirageのクブシュについての、私自身のレビュー記事はこちら。もう4年以上前か……。

実を言えば、このキットに関しては「いつかSUMICONのネタにしよう」などを思っていて、SUMICONは基本、お手付き禁止なのでそのままストックしていたもの。しかし昨年でSUMICONが(ひとまず)終了になってしまったので、後生大事にストックしている理由が減じたためでもある。

●クブシュのディテール、塗装等に関しての私自身の考証は上記記事の時点からまったく進んでいないのだが、hn-nhさんにこんな資料も紹介してもらった。

Jan Tarczyński, "KUBUŚ Pancerka Powstańczej Warszawy"

私も何冊か持っているタルチンスキ氏著の、クブシュの1冊本。「比較的最近(2000年代以降)出たクブシュの1冊本がある」ということは知っていたのだが、私が知っていたのはMirage HOBBYがキットと一緒に出しているこの本(Antoni Ekner, "Samochód pancerny Kubuś 1944"で、上記、hn-nhさん紹介とは別物。こんな(ワンオフの)車輛の1冊本が複数あるなんて、ポーランド人のクブシュ愛はスゴイな、と思う。ちなみにタルチンスキ氏の著書のほうは、2008年刊行のようだ(つまりキット発売前に出ていたことになる)。

欲しいなあ! と思う一方で、ちょっと躊躇してしまうのは、(1).エクネル版の中身紹介を見ると、当時の写真はweb上で見覚えのあるものが主、中身の結構な割合を占めていると思しき現存実車のwlkaroundもそれなりにwebで閲覧できてしまうため、(2).タルチンスキ版もページ数はそれほど多くなく、写真的にはあまり変わりない可能性があるため。

解説自体はいろいろ興味深いことが書かれていそうではあるが、たぶん両方とも全編ポーランド語。

●もう一冊、hn-nhさんに紹介してもらったのが、

Jan Tarczyński, "Pojazdy Powstańców Warszawskich 1944"

やはりヤン・タルチンスキ著で、書名は「ワルシャワ蜂起軍の車輛、1944」くらいの意味。こちらはクブシュを含め、蜂起軍が使った車輛全般を扱っているらしい。

ちなみに私はこれをよく似た本を持っていて、書名は"Pojazdy ARMII KRAJOWEJ w Powstaniu Warszawskim"(ワルシャワ蜂起における国内軍の車輛)、1994年刊。書名もよく似ているうえに、著者も同じタルチンスキ氏。ついでに出版社も同じWKŁ。もしかしたら上記は私の持っている本の改訂版だったりするんじゃなかろうか……。

20190128_181034 ●というわけで、私の、ワルシャワ蜂起におけるポーランド側車輛の知識のベースとなっている、後者の本の紹介。

確かその昔、ポーランドの模型屋(模型問屋?)であるPELTAから通販で買ったのだと思う。もうPELTAの名を聞かなくなって久しいので、なくなってしまったか、別の社名になったか、どこかに吸収されたかなのだと思う(ちなみに先日紹介したレミのバキュームフォーム・キットもPELTAから仕入れたもの)。

ハードカバーの立派な装丁……とはいっても中身は120ページしかないので、だいぶ薄い。しかも本文テキストはポーランド語。ようやく、写真キャプションだけは英訳併記なのが有り難かった。とにかくこれ以前に時は、ワルシャワ蜂起のポーランド軍車輛に触れている資料は(私の手近にあるものでは)スコードロンの「THE EASTERN FRONT」くらいしかなく、Chwatや鹵獲パンターの写真が複数枚出ていたり、その他ソフトスキンも出ていたりと、この資料は、結構感動ものだった。

とはいえ、特に模型製作のための資料としてみると、だいぶ不足があるものだったのも確か(特に今の目で見ると)。以下、中身の数カットと問題点。

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・基本、写真主体の資料ではないので、「もっとコレの写真ないの?」と思わされるネタも多い。
・写真の質が悪い。現在、webで漁れる写真と同一のカットも多いが、本来、もっと鮮明なものが、ここではボケでいたりする。
・「あの夏のメモリアル」的雰囲気の演出なのか、中身は全て(本文も写真も)セピア色のモノクローム。おかげで、質の悪い写真がますます見づらい(いや、そもそもセピア色印刷のおかげで写真の質が悪く見えるのか?)。

しかし、4枚目写真のChwatの写真の英語キャプションには、「テスト走行中の「Chwat」。装甲板に添えられた木の枝はカムフラージュ目的のものではなく、単に走行中に林に突っ込んだため」などという、「えー、そうなの?(笑)」的な話が書かれていたりして、本文が読めないのが残念。

……とりあえずそんな具合なので、hn-nhさん紹介の新資料が、もしもこれの増補改訂版だったとしても、ちょっと中身は覗いてみたい気がする。

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見慣れない虫

●我が家の向かいのヤブガラシが、スズメバチの一大宴会場と化している。やたらでかいのが10匹も20匹も集まってきていて(大きいのは4センチ近い)、物騒でしょうがない。

ところでよく見ると、そのスズメバチも1種類ではなく、数種が混じっているようだ。

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左は腹端が黒いのでヒメスズメバチ(縞模様で腹端が黒いのは、日本で一般に見られるスズメバチではこれだけ)。中は腹の縞がほぼ等間隔であること、胸の後部(小楯板)が黄色いことなどからオオスズメバチと判断。右は小型で細身なのでアシナガバチの一種かと思っていたのだが、該当する色模様が見当たらない。どうもホオナガスズメバチの仲間、キオビホオナガスズメバチのようだ。

名越の山道で夏季に出会うスズメバチはたいていはキイロスズメバチなのだが、こいつは来ていなかった。

(9/2追記。「こいつは来ていなかった」ではなく、どうもこの右端がキイロスズメバチらしい。山道で遭う時には一発で『あ、スズメバチだ』と思うのに、もっと大きいのが回りに沢山いると、なりが小さいだけにスズメバチっぽく見えなくなってしまうらしい)

なお、私は中学の頃だったか、一度スズメバチに刺されたことがあるので、アナフィラキシー・ショックがちょっと怖い。そんなわけで、身の回りをこいつらが飛び回る中で、そうそう落ち着いて写真を撮れるわけもない(ピンボケの言い訳)。

もっとも、巣の近くではないので、よほどのことがなければ襲ってきたりはしないはず。物騒ではあっても、こいつらがいるおかげで、身の回りがケムシだらけになったりしないわけだし、ヤブガラシには毎日いろいろなアゲハも来る。というわけで、夜中にこっそりヤブガラシの伐採などはしないことにする。

●こんなふうに、暇があると身の回りの虫のスナップを撮っているわけだが、結構しばしば、「見慣れない虫」に遭遇する。

その虫の正体が何なのかは、なかなか難しい。

日常、気を付けて虫を観察しているとは言っても、私は別に虫の専門家ではない。仮に昆虫の研究者であっても、昆虫の種類は多いから、研究対象にしている特定の目とか科とか以外はよく判らないかもしれない。

要するに、T-34なら生産工場の特定ができても、現代のAFVだと有名どころ以外、生産国もよく判らない、みたいなもの(通じる相手が非常に限定された喩え)。

つまり、その「見慣れない虫」が、本当にこの地域ではなかなか見られない珍しい種類なのか、あるいは実はよくいる虫なのだが(地味だとか小さいとか、生活環境的に目にしづらいとかの理由で)これまでたまたま目を引くことがなかっただけのか、そのへんが判らないのである。

もちろん、大型の蝶などで見たことがない色模様なら珍しい種類だということは判るが、これが蛾とか、アブとかハエの類だと、たまたま間近に止まって、ちょっと面白い形や色をしていても、珍しいのか珍しくないのかよくわからない。もちろん、自分で見た覚えがなければ、ありふれた種類であっても充分「珍しい」のだけれど。

●そのうちの一例。

31日日曜日。散歩に出て、今までに見たことがない、真っ黒なムシヒキアブに遭遇。何やらハエの一種を捕食中。現在、名前を調べ中なるも、まだ正体にたどり着けず。

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(9/2追記 ムシヒキアブの仲間で、トゲツヤイシアブという種類であるらしい)

●小さくて目立たないハチなので、なかなか目にする機会がない(気が付かない?)アオスジハナバチ。青色が珍しいといっても、ルリモンハナバチほど目を惹く美しさはなく、よく見ると「あ、筋が青い」という程度。それでも、ちんまり体型がなかなかかわいい。

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●見慣れない、というよりも、久しぶりの珍しい虫。何年ぶりかで、生きているナナフシを見た(去年か一昨年、道で轢死体は見たことがある)。

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これなどは、もしかしたらたまに接近遭遇しているのかもしれないが、相手が上手に隠れすぎていて気付いていないだけかも。木の幹などではなくちゃんと枝のほうにいれば気付かなかったかもしれない。

木の幹の、精一杯手を伸ばしてもそれよりもちょっと高いところにいて、ソフト的最大望遠、しかも日陰側という悪条件で、どうしてもピンボケしか撮れなかった。残念。

●話は前後するが、28日木曜日、神保町の事務所に行くついでに秋葉原に寄り、タミヤエナメルのフラットアルミと、瞬着(サラサラ)と、タミヤセメント・流し込みタイプを買う。フラットアルミは前回UPのソクウのシリンダヘッドカバーに塗ったもの。瞬着は今まで使っていたものがノズル内で固まってしまったため。タミヤセメントは今までのものが、もうほとんど筆が届かなくなったため。ソクウ製作のテコ入れ(なのか?)。

それとともに、秋葉原と御徒町の間くらいにある、以前YSにいたK氏が開いているヒストリカル・フィギュアの専門店に行って、THE BODIのハンガリアンCV33改造パーツ#1を購入(THE BODIがフィギュア主力のメーカーなので、義理で仕入れたらしい)。

●さて、結局ソクウと並行生産になってしまっている、RODEN 1:72のVOMAG自走砲(名前略しすぎ)。

まだなんとなく、射撃姿勢にしたい気もちょっとして決めかねているのだが、それはひとまずモラトリアムで、車体細部工作。

F1016399 まずは魅力的なお尻。リールが2基付いていて、安直に伸ばしランナーをくるくる巻いてそれらしく仕上げた。右リールが巻き方が汚い。ズボラな砲兵が巻いたもので、後でこっぴどく班長に怒られるという設定だということにしよう……。よく見ると、コードの太さもちょっと違う。わはは。

コンテナルームの前側は、キットではつんつるてんだが、どうも椅子の背もたれが付いているらしい。タイヤハウジングの上がたぶん椅子の座面なのだが、実際には、ここには折り畳みの補助椅子が重なっているのではと思う。ただ、形状や状態がよく判らなかったので、そちらは追加工作していない。

F1016401 ハンガリー(?)で写された、多色迷彩の放棄車輌の写真では、この背もたれの下の部分が3つに分かれて開いているように見えるのだが、別写真ではそうは見えず、切り欠き工作などはしないことにした。

ラックは、キットのバーツはあまりに太かったので、せっせと削り込んだが、それでもだいぶ太めな感じ。理想的には、もっと細い真鍮線などで作り替えればいいのだが、横棒と縦棒が同一面で重なっているようなので、面倒になってやめた。

また幌骨は、天井バーツにもとから一本モールドしてあり、別部品として4本入っているのだが、そのまま重ねると高さが付き過ぎること、幌骨の本数がたまたましっかり写っている写真で4本だったことから、天井にモールドされているものは削り取り、別パーツの方はこれまた少し細くヤスってから重ねて接着した。今後、留具を追加の予定。

F1016403 ヘッドライトは、キットのパーツは前面カバーがゆるく盛り上がり、中央に「-」字のスリットが開いているのだが、実車写真では、平らなカバーが掛けられている場合が多いようだったので、スリットを埋めた上で平らに削った。そのうえで、上半分にプラペーパーでひさしを追加した。

始動クランクの差込穴を埋めてあるのは、若干位置が上過ぎる気がして、開け直すことにしたため。

PMMS報。

なんと、Combat Armour Modelsという中国系新興メーカーから、第一弾キットとして、ビッカース水陸両用戦車が発売される由。びっくり。

(9/3追記。Riich Modelsの別ブランドで、国民党軍装備を中心に出していくらしい。楽しみ)

流石にこれはインジェクションで出るわけはないと思い込んでいて、何年か前に作り掛けたスクラッチの車体もできれば作りなおし、きっちり気合いを入れていつかものにしてやろうと、コレ用にカステンのユニバーサルキャリア用履帯もストックし、マスタークラブのリベットも買い込み、ミラージュのビッカース6tA型の銃塔も確かひとつ取り分けてあったはず。

しかし出れば出たで嬉しい。PMMSの報を見ても、第一弾キットとはいえ、エッチングなども付き、プラパーツの出来もシャープな、なかなか楽しみなキットのようだ。ただ一つ残念なのはデカール。銃塔側面のワクで囲んだ「龍」字マークなどは入っていないようだ。……なぜ?

(9/5追記。「龍」字マークが入った車体は、砲塔ハッチ形状などが異なるタイプ。そちらが「後期型」ということであるらしい。わざわざ「初期型」と銘打って出すからには、後期型も出すつもりなのだろうと思う。個人的には「龍」字入りを作りたいので、後期型が出るまで待ちかな?)

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MIRAGE HOBBY 1:35 Kubuś

F1015931 ●今日(7日)、仕事帰りに秋葉原に寄ったら、ミラージュの新製品、クブシュが入荷していた。VOLKSはミラージュを直接仕入れているので他の店より安く、2100円(税別)。今時の1:35キットの値段じゃないなあ。

待望のアイテムだったこともあり、早速購入したので、ざっと気になった点など書いてみることにする。

前回予告の、FIRST TO FIGHT 1:72のwz.34装甲車2種のレビューはまた今度。

●クブシュは、1944年夏のワルシャワ蜂起の際、蜂起軍の1部隊がありあわせの材料ででっちあげた1輌だけの装甲車(兵員輸送車)である。その製作の経緯や戦歴などは、ざっとwikipediaにも書いてあるので、そちらを参照していただきたい。また、現存する実車およびレプリカのディテール、写真資料などは、以前の記事を参照のこと。

ただひとつ触れておくと、(以前の記事でも触れたように)ベースとなった車輌には、従来説であるシボレー157説と、最近出てきたシボレー155説があり、どうやら今回のミラージュのキットはシボレー155説を採っているようだ(説明書解説文による)。

この155説というのは、ネットであれこれ見てみると、どうやらホイールベースの寸法が判断の根拠であるらしい。例えばこのページの図版等参照。

もっとも、157は通常形式のトラック、155はキャブオーバーで、見るからにトラックシャーシにありあわせの材料で装甲を被せただけのクブシュで、わざわざ面倒なハンドル位置の変更など行ったのかどうか、個人的には疑問も感じる。

また、現存するクブシュのオリジナル部分は基本、ドンガラのみで、シャーシは別物にすげ変わっているらしい。そんな状態で、「ホイールベースから考えて」という根拠が成り立つのかどうかもよくわからない。

もっとも、ミラージュの説明書には妙に詳しく製作過程等が書かれており、何か別の根拠(伝承とかメモとか写真とか)が残っていたのかもしれない。

●キットは大きく左右分割された装甲車体、操縦席前面、ボンネットハッチ、若干のスカート部などが別部品。

1:35キットとしてはだいぶプリミティブな感じはするが、シャーシとエンジン、駆動伝達系、サススプリング、操縦席などのパーツも入っている。

F1015929 装甲車体は。左右で溶接ラインが違っているのを表現していたり、頑張っている部分はあるのだが、その一方でエッジ部分の溶接ラインは表現されていなかったり、“生ぬるい”部分が多々ある。1:48のカラシュ軽爆撃機のキットあたりで見せた頑張りとこだわりはあまり見られず、総体的に言って「まあ安いキットだし、こんなもんなのかねえ」レベル。

キットがそんな調子なのに組立説明書は妙に頑張っている。A4版4ページ(つまりA3版の2つ折り)の組立説明図、A4版1枚、カラー印刷の実車解説と塗装説明図が入っているのだが、実車解説は(しっかり読み込んでいないが)改段落もなくびっしり長文だし(片面がほぼ文字で埋め尽くされている。ポーランド語、英語の対訳なので実質半ページ弱)、塗装説明の下にまた小さく5面図があるので何かと思ったら、実車の弾痕の位置が図示されていた。それだけこだわっているのに、図が小さすぎて非常に分かりづらいのがちぐはぐな感じ。

その他にも、説明図をよく読むと、「この部分は戦後に手を加えられたところで、戦時中は付いていない」とか、解説が細かい。それだけ、キットそのものもこだわってくれればねえ……。

F1015921 ●おそらくこのキットで最大の「情けないポイント」がタイヤ。なんと、wz.34装甲車キットとまったく同じものが入っている。

wz.34装甲車のキットは、初版のセルティ版ではこれとは違うゴムタイヤが入っていて、このタイヤはその後ミラージュ版になってからか、あるいはその途中のAGA版かアンコール版で変わったものだが、パターンもゴムタイヤから格段の向上があるわけではなく、ご覧のように1:35としてはお粗末。

またそもそも、クブシュ(というか、シボレーのトラック)と、もっとずっと小ぶりなwz.34装甲車が同サイズのタイヤを使っていたのかどうか。しかもミラージュのwz.34のキットは、実際には1:35よりも一回りスケールが小さい。

ちなみに、どれだけ正確かどうかはわからないが、Jan Tarczyński, "Pojazdy ARMII KRAJOWEJ w Powstaniu Warszawskim"(書名は「ワルシャワ蜂起における国内軍の車輌」というような意味。wkł, Warszawa 1994)に出ている簡単な4面図をキットの大きさに拡大した場合、タイヤ直径はキットより3mm強も大きくなった。

TOKO/RODENのGAZトラックのタイヤをホイールごと流用しようか検討中。

追記:

シボレー155もしくはシボレー157のタイヤサイズを探していて、以下のページに行き当たった。

oldtimery.com -- "Polski" Chevrolet 157

記事内容は、戦前のポーランドで、シボレー157が大量にノックダウン生産だかライセンス生産だかされた経緯が書かれたもの。とりあえずこの記事では従来説に則り、クブシュは157ベースで製作されたものと紹介されている。

さて、この記事の末尾に諸元の表が出ていて、もちろんポーランド語なのでよくわからないのだが、このなかの以下の項がどうもアヤシイと、文章を手打ちして、自動翻訳に掛けてみた。

koła/ogumienie : tarcze stalowe 20x5" (przód pojedyncze, tył bliźniacze), Ogumienie rozmiar 650x20

ホイール/タイヤ:スチールディスク20x5(フロントシングル、ツインリア)、タイヤサイズ650x20

あたり!

さて、この古いタイヤサイズの表示法がよく判らないのだが、別途調べると、GAZ-AAのタイヤは「6.50-20 inches」とある。どうやら同サイズと考えてよさそうだ(もとは同じアメリカの旧式トラックだし)。一応、155と157が同一サイズのタイヤを履いているという前提ではあるが、GAZのタイヤの流用でなんとかなりそう。ホイールも5つ穴で都合が良い。

●なにしろ実車がポリゴンで作ったCGのように多数の面の組み合わせで構成されているので、各面の向きだの大きさだの辺の構成する角度だの、細かい狂いはあれこれ生じている模様。

また、特に側面部分の大きな平面は1枚板の装甲板は調達できず、左右とも何枚かを接ぎ合わせて製作されているが、その溶接ラインにも、キットと実車では多少のズレがある。また、前述のように各エッジに入っているはずの溶接線は、キットではほとんど省略されているので、それは各自お好みで追加すべし。

F1015926b ▼まず右側面。

後ろの縦線は、本来、銃眼の後辺と接している。銃眼がもっと後ろにあるか、縦線が前にあるかのどちらか。

その前の面(中央の面)は、キットでは後ろ側の面よりも広いが、実車ではむしろ狭く、しかも下へ行くほどすぼまっている形状。前側の溶接線を後ろに下げ、ちょっとナナメにするとよい具合になりそう。

その前の面の上部に入る横方向の溶接線の位置はだいたい合っているが、心持ち下げるくらいがいいかも。その前の助手席横の面の最上部は三角に別材を足してあり、溶接線がある。

なお、車体横の銃眼と、助手席横のスリットは、キットではスリットのほうがやや下だが、実車では逆にスリットのほうがやや上(銃眼の上のラインと同じくらいのレベル?)。

F1015927b ▼左側面。

車体後部左右の三角面に斜めに入る溶接線は、キットでは左右が同じレベルにあるが、実際には左の線はもっと下にある。

側面の溶接ラインはおおむね正しい位置にあると思うが、助手席横の面に細かく入る溶接線が省略されている。

また、助手席横のクラッペ風に付いているスリット(溶接されているので開閉しない)は、キットでは板の上下辺と平行にスリットが入っているが、実車は斜めになっている。

クラッペ風に貼ってある小さな板材の後方に細かく2本入っている溶接線は、装甲板に直接開けたスリットの位置が悪くて埋めた痕か?

F1015917b ▼戦闘室前面。

ここだけの話ではないが装甲板の接ぎ合わせ工作は荒っぽく、現物合わせで適当にやっているらしい。前面最上部の左右の接ぎ合わせはきっちり合っておらず、別材でスキマを埋めているらしく、溶接線がV字に入っている。

また、助手席前の銃眼は、最初に穴を開けた位置がよくなかったらしく、一度ふさいでもっと右に開けなおしている。そのため、今ある銃眼のちょっと横に、埋めた痕がある。

F1015918 ▼ラジエーターグリル。

車体最前部のグリルは、ミニスケールキットか?と思うような階段状パーツ。

ここはまた、実車ではいかにもクブシュらしいところでもあり、このグリルの1枚1枚が微妙に長さや角度にズレがある。ちなみに、ワルシャワ蜂起博物館にあるレプリカのほうは、この部分が奇麗に揃って工作されている。

●塗料はファレホ推奨だそうで、まあそれはいいのだが、色指定が商品番号とは違う、たぶん色調を示す番号の下3桁で書かれていて、どうもサッパリわからない。

一応、主な色だけ対応表で調べてみた。

車外・迷彩色(淡色グレー)/指定番号870:ミディアムシーグレイ、FS36270相当

車外・迷彩色(濃色グレー)/869:グレイバイオレット(RLM75)、FS36132、36152相当

ホイール/895:ダークグリーン(RAF用、またはRLM71、RLM81)、FS34079、34097相当

車内(おそらく防錆塗料)/982:ダルレッド、FS30076、30109相当

シャーシ/861:黒

ただし、キットの指定でも、多くの塗装図でも、現在のレストア実車およびレプリカでも、明細塗装は明色の上に暗色の吹き付けになっているが、どうも戦時中の実車写真を見ると、暗色の上に明色を吹き付けている可能性があるように見える。

ちなみにキットの塗装図は、明色と暗色の配置それ自体は、だいぶ頑張って再現しているように思う。

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クブシュ!

●昨日の記事へのコメントで、セータ☆さんから驚くべき情報が。

なんと、MIRAGE HOBBYから、ポーランド国内軍/ワルシャワ蜂起の即製装甲車、クブシュ(Kubuś)のキットが、1:35インジェクションで出るのだそうだ。個人的には、タミヤのマークIV発売のニュースが一気に霞んでしまう級(「クブシュってどんなもの?」という方はこちらをどうぞ)。

なにしろMIRAGE HOBBYの動向は、なぜかPMMSでは一切扱っていないし、ミラージュ本体のHPも更新が滞っていて、掲載されているPDFのカタログは2012年版という具合。細々とハルバーシュタットやPZLカラシュのバリエーションキットは出ているようなので、一応活動はしているようだけれど、みたいな状態なので、このニュースは驚き。

それにしても、ポーランド人の誇りというか、意地というか、あるいは意固地というか、恐るべし。こんなものまでインジェクションキットにしてしまうとは。

ちなみにセータ☆さんのニュースはARMORAMAのもの。もう箱絵も出来ているということは、発売は間近なのだろうか。しかし相変わらず、ミラージュのAFVキットは箱絵がショボイなあ……。

●仕事が滞ってヤバイ状況に陥りつつある折なのだが、ついついクブシュに現実逃避してしまう気持ちを落ち着けるためにも、ガス抜き的に若干のおさらいを。

クブシュは1944年の夏、ワルシャワ市内で民生用トラック(シボレー157説とシボレー155説があるようだ)のシャーシにありあわせの材料で装甲を施したたった1輌の車輌なのだが、幸運にもその実物が現在も残っており、ワルシャワのポーランド軍事博物館(ポーランド陸軍博物館と訳されることもあり。Muzeum Wojska Polskiego w Warszawie)に展示されている。

さらには、自走可能なレプリカも製作され、こちらはワルシャワ蜂起博物館(Muzeum Powstania Warszawskiego)が所蔵、記念パレードなどで走らせているようだ。

ここまで聞くと、いやあ、こんなポンコツのくせに(失礼)愛されてますなあ、という話なのだけれど、モデラー的に悩ましいのは、このレプリカの出来が非常によく、写真によっては「これはどっち?」という場合が多々あり、模型製作上の参考にする時に混乱する、ということである。しかもそれぞれを所蔵する博物館の略号(頭文字)も、前者がMWP、後者がMPWと似通っているので、写真のファイル名やキャプションに添えてあっても、これまたややこしい。

●ポーランド軍事博物館所蔵の実車のwalkaround写真に関しては、以下の2ヶ所が豊富。

(1).Kubuś - Powstańczy Samochód Pancerny - MWP / Czholg.Blox.Pl

(2).‘Kubuś’ Armoured Car / Modelling Market in Poland

後者に関してはどうも元のページはなくなってしまい、リンク先はウェブ上のアーカイブのようだ。用のある方は、早めに写真の保存等しておいたほうが良いかも。

●その他の写真を見る場合の、実車か、レプリカかの判別に関するメモ。

・現存実車は濃淡2色のグレーによる迷彩、レプリカはグレー地に茶色の迷彩。ただし色は時期により塗り直されて違っている可能性もあるので注意(実際、MWPの実車は最近塗り替えられたようで、少し以前の写真と迷彩パターンが異なっている)。肝心のワルシャワ蜂起の時の実車の塗装がどうだったのかは不明。当時の写真から2色迷彩らしいことは判るが、色調の記録まで残っているのかどうか。Antoni Ekner著の薄い一冊本、“Samochód pancerny "Kubuś" 1944”には、塗装の考察も書かれているらしい。もっとも、掲載されたカラー図では、どうもグレー地に茶色の迷彩になっているようなのだが、ワルシャワ蜂起当時の写真では、暗色のベースに明色で迷彩を施しているようにも見える。

・レプリカは車体左側面下部に、クブシュのレプリカである旨の真鍮の銘板(ポーランド語・英語併記)が取り付けられている。

・車体前面下端のスカート部分は、レプリカは左右の板が真ん中で綺麗に継ぎ合わされているが、実車は中央にアングル材のようなものが縦に入り、さらに上部にエンジン始動クランクを差し込むためと思われる穴がある。レプリカにはこの穴もない。

・全体にレプリカのほうが仕上げが綺麗。実車は溶接ラインも雑、装甲板の切断面も全体的に汚い。

・車体前面、ラジエーター前のルーバーも、レプリカは寸法が綺麗に整っているが、実車は左右のラインもルーバーそれぞれの角度もガタガタ。ラジエーター用ルーバー最上部のラインが、レプリカは装甲板の継ぎ目と一致。実車は左右で継ぎ目よりも下にある。ルーバーの数自体も異なり、実車は9段、レプリカは10段。

・助手席前の銃眼は、実車は一度開けた穴を溶接でふさぎ、もう一度位置をずらして開け直した跡がある。

・実車の各部銃眼は単に穴が開いているだけだが、レプリカでは全てフタが付いている。

・操縦手席前のバイザーフラップ上に、レプリカは雨避けの庇。

・実車は各部に銃弾の痕が残るが(特に車体右側、前向きの面)、レプリカの表面は綺麗。

・自走している写真はレプリカと考えがちだが、どうやら実車も自走可能状態までレストアされているらしい。たとえばachtungpanzerのページ一番下の写真は、キャプションにはレプリカとあるが、各部の特徴から実車と思われる。……気合いの入ったマニアがレプリカをさらに実車そっくりにディテールアップしていたりすると困るなあ(別のサイトに別角度の写真があるが、それによれば写真は2005年の独立記念日パレードのもので、クブシュはMWPのものと書かれている。MWP所蔵のものは前述の通り実車)。

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