ロールス・ロイス装甲車

東京AFVの会2015

●Dellに注文したパソコンが届いたのでセッティングをする。

なにしろ、windows XPから一足飛びに10への移行なので、違うことが多すぎて戸惑うことが多い。

そもそも、パソコンが届いた段階で「え?」と思ったのが、これまでパソコンを買うと、ハードウェアからOS、標準搭載のソフトウェア等々、あれこれマニュアル類がテンコ盛りでついてきていたのが、ほとんどその手のものが入っていない。いくつかぺらっとした注意書き程度のものがあったくらい。

とりあえず、入出力機器を繋いで電源を入れると初期設定のアレコレの手順が始まったのだが、一応(たぶん)、すべて必要な設定が終わり、「お待ちください」(とかなんとか)になった後に、ディスプレイがさまざまな色で目まぐるしく点滅し始めた。

え? なにこれ? ドッキリ?(←そんなわけあるか)

いきなりの初期トラブルで返品決定? とはいえ、サポートに電話しようにもネットにもつながっていないので連絡先もわからん!

結局、とりあえず強制終了してしまって、もう一度電源を入れ直したら、何事もなかったように、初期設定が終わった状態でシステムが立ち上がった。トラブルの原因は不明。なんだかこの先不安。

●いろいろ常用ソフトを入れて行こうという段になって、これまで使っていたソフトのかなりのものがwindows10に対応していないことがわかって、さらにあたふた。

とにかく「外界との連絡手段」は確立していないといけないわけだが……あれ? IEどこ? Microsoft Edge? ナニソレ? まあいいや。とにかくfirefoxは入れておこう。

メールソフトは「電信八号」を使っていたのだが、どうやら10には対応していない様子。ところが、もともと入っているメーラーにアカウント設定を行おうとしたら、設定の項目があれこれ違っていて、電信八号時代の設定画面の控えを見てもうまくいかない。うがー。どうすんだコレ。

などなど苦闘する一方で、ダメモトで電信八号をインストールしたら普通に動いた。よかった。画像ローダーのsusieがまったく動かないのが判明したのはちょっと痛い。

●というわけで、この投稿が「かばぶ」における新マシンでの初記事なのだが、これまた、ひと悶着あった。

記事の投稿は、投稿画面の本文入力欄に普通に書き込めば、リッチテキストモードでほぼそのまま本記事の画面に反映される。この際、文章入力画面で改行を行うと、見た目上、1行分スペースが開くのがデフォ(HTML上は<p></p>のタグが使われている)なのだが、以前の環境だと、それがIE上でしかうまくいかず、firefoxだとなんだかおかしな具合になっていた。

ところが、今回投稿しようとすると、当初はwindows EdgeやIEではスペース空きの改行にならず、逆にfirefoxだと正常に動いた(しかしその後、Edgeでやり直したら正常稼働した)。なぜんだかよくわから~ん。

●12月20日日曜日、下北沢にて東京AFVの会。

F1013898今年の課題は「WW1」で、以前から、ロールス・ロイス装甲車を完成させて持って行こうという心積もりもあったのだが、パソコン新調だの何だので結局間に合わなかった(いやまあ、そんなことの前に完成させておけよって話なのだが)。

ほぼ工作終了状態で放り出してあったキットを掘り出してきて、未工作だった燃料タンク周囲の防弾板を工作。実のところ、第一次大戦型における防弾板の形状はいまいちよくわからず、どうも取り付けられていない車両もあるような。

というわけで、割といい加減な工作なのだが、そんな姿勢が精度にも表れてしまって、実はちょっと歪んでいる。荷台を付けると判らなくなってしまう程度なのでそのまま。

F1013896 さて、それでは塗装をしようかと、洗濯までしたが、ここで問題に直面。

一応、工作中はバルカン戦線で使われたという、以下の2枚の写真に近い感じに仕上げようと思っていたのだが、色について思い悩み始めてしまった。

マケドニアにおけるロールス装甲車(1)

マケドニアにおけるロールス装甲車(2)

そもそも、この写真はおそらくモノクロ写真に後から着色した可能性が高いと思うので、結局のところ、「どうやら2色迷彩が施されていたらしい」くらいしかわからない。最初は装甲車両らしく、グリーン地にブラウンの縞だろうとボンヤリ思っていたのだが、よくよく考えると、海軍車両なのでグレー地ということもありそうだ。

そんなこんな、思い悩んで結局塗装に入れず。下地はグリーンかグレーか、皆様のご意見募集。なお、諦めてサンディブラウンに塗って南西アフリカ戦線の車両にしてしまう方向性も検討中。

ちなみに東京AFVの会のWW1課題作コーナーには、非常にきっちり作って美しく塗装された、同じローデンのこのタイプの完成品が展示されていた。うっ。こんなに綺麗に仕上げられない! 持って行かなくてよかったかも!

なお、ロールス・ロイスをほぼ諦めた後、急ぎ、MBの1:72のオースチン装甲車Mk.IIIを組み始めるという暴挙に出たが、当然ながらこれも「お手付きした」程度。

●静岡ホビーショーは長らくご無沙汰だが、東京AFVの会には2年続けて出席。無事会場で“ハラT”青木氏と落ち合う。

昨年に続いて、SUMICON参加者のケン太さんと会って、氏のエイブラムスをじっくり見せていただく。ほか、SUMICON関係では1-colorさん、戦車大好きさん、よっしーさん、Tom Lawgunさんらと会う。SUMICON関係以外では、コウ中村さんやむーさん、非常にお久しぶりの元MGSの中尾さん。また、facebookでお付き合いのあるCanioさんがゲストで来ていてご挨拶。

まるで写真を真面目に撮っていないのだが、一応、お知り合いの作品等。

F1013920 F1013922 F1013915 F1013911 F1013906 F1013903

1枚目から。

  • ケン太さんのエイブラムス。ものすごく細かくいじってあるのに、どこをいじったのかわからないのがすごくもあり、もったいなくもあり。
  • 1-colorさんの18ポンド砲。ミュージアム仕上げが美しい。
  • 戦車大好きさんのT-80。ソ連戦車ってこのアングルだとものすごく強そう。
  • zhukovさんのカナディアン・ファイアフライIC。
  • コウ中村さんの72、ベッドフォードMWD。
  • もう1枚、1-colorさんのタミヤ・パンターDのキューポラ。週末模型親父さんのBBSで指摘された部分など直した上で出品とのこと。頭が下がります。

F1013925 ちなみに、つぁぎ青木氏はレーニン立像を出品。昔懐かしいバーリンデン・プロダクツ製とのこと。「気泡とか結構あったんじゃないの?」と聞いたら、ほとんどなかったとの答だったが、実はキットはもともと「戦火にさらされたレーニン立像」であって、表面は弾痕だらけにモールドしてあったのを埋めて「人間のレーニン」に先祖返り(?)させたのだそうだ。……気泡どころじゃないぢゃん。

ほかあれこれ。

▼昼食はケン太氏、1-color氏、青木氏と4人で。時間もなかったので近所のファーストキッチンで軽く。来年も来るなら、若手ホープの1-color氏に不良在庫を押し付けよう!という、よからぬ計画を立ち上げる。

▼会場で久しぶりにGUMKAの高田さんにお会いした。GUMKAの新製品、T-34-85 1943年型の話になって、「まだ買ってないんですが、なくならないうちに必ず買います」と調子のいいことを言ったのだが、あとから青木氏に「そんなこと言わずに今買え!と高田さんは思ったに違いない」と鋭く指摘される。仕方ないぢゃん! 金欠だし!

▼そのグムカの1943年型は、ベースキットとしてアカデミーの112工場製が指定されていて、T-34者であればその選択には異論はないものと思うが、アカデミーのキットにもあれこれ問題はあり、その点を青木氏からちょこちょこ話を聞く。エンジンデッキ、ラジエーターグリル後部の形状の違い、などなど。なお、この点に関しては、高田さんの「やっぱり東側な品々」にも解説があるので、作る予定の人は参照して吉なり。

なお、112工場生産車は、だいぶ遅くまで古い形質の起動輪を使っているのだが、それに関しては「抜かりなく、ドラゴンのパーツのリムの溝を埋めて作ってます」とドヤ顔された。加えて、青木氏は「ディッシュタイプで、ゴムリムに穴だけあって溝のないのが欲しい」由。穴を開けるのと溝を埋めるのとどっちが楽か聞かれたが、溝を埋めるほうが楽だと思うなあ。

▼ドラゴンのIS-2は、オレンジボックスになって「シャコタン問題(シャーシの高さ不足)」は一部解決。車体後部がかさ上げ改修されているのだが、前部は直していないので(なぜ?)手を入れる必要がある由。しかし、履帯もマジックトラックに変わっていたりするので入手するメリット大。

砲塔後面がとがりすぎていて傾斜がきついなどなどあるものの、総合的に見てタミヤ、ズベズダなどより良い部分が多く、青木氏曰く(いつもの言い方だが)、

「もしも今この瞬間強盗が入って来て、鉄砲を突き付けられて(それなりに出来の良い)35分の1のスターリンを作れ、と言われたら、当然(ベースキットとして)ドラゴンを選ぶでしょうな」

だそうだ。そこまで切羽詰まった状況なら、楽にタミヤをストレートで作れよ……。

▼しばらく前にネット上で見つけた写真なのだが、大戦中のチェコ部隊のT-34で、ナット砲塔の最初期に生産されたはずのいわゆる「ラミネート」タイプの砲塔なのにキューポラ付き、という妙な車両があった。写真はたとえばコレとかコレ

他にも一連の写真があるので、興味のある方は元ページを。

青木氏曰く、古い砲塔を再生してキューポラ付きにしたのでは?とのこと。あるいはこのタイプも、より一般的なハードエッジやソフトエッジが登場した後も細々と作り続けられていた、ということもあり得るのかもしれない(単純に鋳型の問題だし)。

ちなみに2枚目の写真の「リディツェ」と書かれた車両だが、砲塔周囲にリブが付いている点では112工場製車体だが、燃料タンクの搭載法が112式ではない、という青木氏の指摘あり。

F1013901 ●閉会後、青木氏とともに下北沢のサニー、さらに四谷仙波堂に寄る。四谷仙波堂でマスタークラブのポーランド型尖頭ボルト、0.5mm径を買う。TKシリーズに使うには、厳密にはちょっと大きいかもしれない。

その後、九段下の「おかってや」に移動して飲み食い。御徒町で宿を取っている青木氏と東京駅で別れて帰宅。

●T.Wongさんから、またまたCAMsの新製品の予定についてメールが来て、ビッカース6t戦車のポーランド型も発売されるそうだ。楽しみだー。

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銀の亡霊(5)

●ロールス・ロイス“シルバー・ゴースト”装甲車(RODEN, 1:35 "British Armoured Car (Pattern 1914)")製作記の続き。

といっても、特段の進展があるわけでもない(毎度のことながら)。

F1014576 ●現状は全景でこんな感じ。主な進捗箇所は、

  • タイヤのトレッドパターンを全て削り直した(これは前回日記で触れた通り)。
  • 前照灯、およびライトコードの取り付け。
  • ボンネットフード固定具に蝶ナットを追加。
  • 戦闘室後部ドアにロック用ベロを追加。
  • 予備タイヤ固定具の工作。

車体の基本工作としてはだいぶ終盤に近し。あとは燃料タンクの保護装甲の工作で(見落としがなければ)ほぼ終了。ただそれだけでは寂しいので、何かしら、毛布とかワイヤーとかでも載せようか、というところ。

F1014544 ●前照灯は、キットには初期型・後期型の2種のパーツが付いている。純粋に1914年仕様で作るならチャップリンの帽子のような初期型なのだが、このキットの場合、助手席側の側面バイザーが改修後の位置だったりするので、その辺の兼ね合いで後期型を採用した。

コードについては、ライト真後ろのポッチから引き出し、フェンダーステイを這わせて、ラジエーター前からシャーシ内側に引き込む形に工作。もっとも、この取り回しはだいぶ想像まじり。

F1014543 ●ボンネット・フードの止め具に、蝶ナットを追加。これが1914年仕様で標準であるかどうかは判らない。後の車輌になると、柄付きナットというか、スパナというか、とにかくそんな感じの、蝶ナットよりさらに簡単に締め/弛めができるものが多く使われているようだ。20年型を作る人はそちらがいいかも。

ちなみにここで使用した蝶ナットは、ドラゴンのパンター用パーツのもの。アクセサリー用小枝にたくさんモールドしてあって、特にM10パンターのキットでは全然使わずに余るので使いでがある。

F1014548 ●戦闘室後部ハッチのロック用ベロは、ハッチを作ったときに基部だけ作って放置してあった部分の追加工作。

ハッチの両側に小穴付きのベロがあり、ここに南京錠を通す仕組み。とにかく小さな部分でもあるし、左右2枚がピッタリ合わさった状態ということでプラバン1枚で誤魔化すかあ、などと考えていたのだけれど、結局、薄いエッチングの切れ端を2枚に畳んで穴を開けて、一応2枚重ねを表現することにした。塗ったらスキマが埋まって1枚になってしまうかも(意味ねえ!)。

なお、この部分の形状は、ボービントンの20年型の実車でこうなっているのは確認できるのだが、全形式でこれが標準なのかは不明。そもそも現役当時の写真では後ろから撮ったものはあまり多くなく、あっても後部ハッチは荷台やら人やらで隠れていることが多くて、なかなか確認できない。14年仕様を改修してサンドタイヤを履かせているもの(1936年頃)だと、どうも違うっぽい感じなんだよナー。

F1014565 ●予備タイヤの取付具は、頭部分がちゃんとキットのパーツにも入っているのだが、キットの指示通りに付けるとハブキャップ部分が出っ張りすぎになってしまうので、既存のキャップに閉め具を付け足す形で新造。取っ手も真鍮線にした。

以前、「銀の亡霊(3)」で、「1914年仕様の場合、予備タイヤ取り付け基部からタイヤの下をまたいで表側まで、U字型に帯金が渡してあるのが普通であるようだ」と書いたのだが、これまた、改めて見るとあったりなかったり。またその場合、ハブキャップ部分も違っっているような違っていないような、まあ、要するに仕様がややこしくてよく判らなくなったので、さあどうすべえかなあ、状態。このままにする可能性大。

●その他、後部荷台脇、後輪前側の垂直の泥除けも新たにパーツ自体は作ったのだが、改めて写真をチェックすると、1914年仕様では付いていない車輌も多いようで、むしろ、それがないのも初期仕様ならではという感じもしたので、結局取り付けなかった。

なお、パーツを新造したのは、(1).荷台を低めた、(2).車体横のステップを付けず、泥濘脱出板だけにした、(3).そもそもこの垂直の泥除けは非常に薄い板で出来ていることが多い、という3つの理由による。もっとも、新造といってもプラバンを四角く切り抜いて、取り付けベロとリベットを付けただけ。

●1日日曜日、昼から散歩に出る。久々の天園ハイキングコース。

“古都鎌倉”(旧鎌倉)は三方を山に囲まれていているわけだが、天園ハイキングコースはその一番奥、後背の山の尾根を歩くもの。今回は初めて、コースの最も西端、北鎌倉の明月院の少し先から上がった。逗子で昼飯を食ってから電車に乗ったので、歩き始めの北鎌倉駅で1時をちょっと回ったところだった。

F1014515 コース中途の十王岩から下る道にちょっと寄り道し、朱垂木やぐらを見る。その後またハイキングコースまで上がり、太平山を経て天園の休憩所へ。

F1014488 通常、天園ハイキングコースというと、ここからはもう降りるだけなのだが、今回は、休憩所の裏を通って、さらに尾根筋を辿り、横横道路の朝比奈インター付近まで歩いた。それだけ歩いても、山を歩いた実質時間は2時間半というところ(それでも普段が運動不足なので、結構足にくる)。

右写真は山道で今年初めて見たハンミョウ。

F1014463●山を降りて、朝比奈のbookoffへ。UCCの缶コーヒーを飲む。

このbookoff店内の自販機のUCCコーヒーは、なぜか地域限定もののヱヴァンゲリオン缶が売られている。

「地域限定」なんて聞くと、オタクな私としては捨てちゃイカンような気もしてくるのだけれど、かといって、家に帰るまでずっと空き缶を一つ握り締めているのも何なので、やはり捨ててしまう。

いや別に、特にヱヴァファンじゃないし(新しい映画シリーズ見てないし)。

●京急六浦駅まで歩いて帰宅。いやー、歩いた歩いた。

ただし、今回は朝比奈で山を降りたが、そのまま尾根伝いに、ぐるりと金沢自然動物公園を巻くように歩き、最終的に金沢文庫駅まで行くコースがあるのだそうだ。いずれ挑戦してみたい。

●4日水曜日。起きてPCを立ち上げたらネットが繋がらない。

常にPCはネットに繋がっているもの、という状態に慣れきっているので、こうなると途端にオタオタする。現状と対処法を検索してみようとしたりする。……いや、繋がってないんだから!

よくよく機器を確かめると、ケーブルモデムは点灯しているが、ルータが点灯していない。ありゃま。ルータが壊れたか……買いに行かなきゃ。いくらくらいで買えるものなんだっけ、と、また検索しようとしてみたり。いい加減学習しろよ!>オレ

そこでまた改めて見ると、ルータの電源ランプ自体が点いていない。念のため、普段使っていない外付けHDDのACアダプタに差し替えてみたら、問題なく電源が入って、ネットも繋がった。ヨカッタヨカッタ。いや本当にもう勘弁してつかあさい。

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銀の亡霊(4.5)+エアフィックス72ハリケーン

F1014131●ロールス・ロイス「シルバー・ゴースト」装甲車(RODEN, 1:35"British Armoured Car (Pattern 1914)")の半端な経過報告。

これは手を付けようかスルーしようかしばらく悩んでいたことなのだが、結局タイヤに手を付け始めてしまった。

寝惚けた写真で申し訳ないが、向かって右がキットのまま。左が削り直した方。なんだか「マンガかよ……」みたいな簡単なパターンだが、1914年仕様で最も一般的なのがこのタイプ。

1914年仕様でも、「アラビアのロレンス」(T. E. Lawrence)の下で使われていたものはもっと細かいパターンのタイヤを履いていたりする。「ロレンス仕様」は、砂漠での走破性を上げるために前輪にもダブルタイヤを履かせていたりして面白いのだが(その分、ステアリングが大変だったらしい)、それはまた別の話。

工作としては、キットパーツのパターンを元に一つおきにナイフでアタリを入れてからノコ目を刻み、その後でサンドペーパーで元のパターンをすっかり削り落とす。すべて手作業のプリミティブな工程。電動工具などあると楽そうだが、少なくとも現時点で手元にないので仕方がない。

今は前輪用(シングル)2つ、後輪用(ダブル)1つ終わって、後輪用1つが工作途中。前輪用1つ、後輪用1つが手付かず(スペアタイヤを含むので、前輪用、後輪用がそれぞれ3つずつある)。

特に後輪用はすでにダブルに組んでしまった後なので、ノコ目を入れるにも、その後サンペ掛けするにも非常に面倒。はうあー。だるー。

●20日火曜日。神保町の事務所で夕刻から会議。行き掛けに秋葉原で模型屋にいく。入ってきているかな、と思ったairfixのロンドンバス(戦場仕様)も、IBGのシュコダ100mm vz 14/19榴弾砲もなかったが、airfixの飛行機キットがまとまって入荷していた。

F1014132 えー。ここんとこ陸モノばっかりいじっておりますが、一応、ワタクシ、空モノモデラーの端っこの方にも名を連ねているつもりでおりまして、って、誰に言い訳しとんねん。とにかく、VOLKSでハリケーンMk.I(HAWKER HURRICANE Mk.I, Kit No.A02067)を購入。675円+税。

エアフィックスの72飛行機シリーズは、このところ精力的にリニューアルが進んでいる。以前、グロースター・グラディエーターのリニューアル版について紹介したことがあるが、このハリケーンのMk.Iも、MADE IN INDIAのリニューアル版。

エアフィックスのハリケーンMk.Iがリニューアルされていて、しかもそれが72以上では簡易インジェクションでしか手に入らなかったファブリック・ウィングの初期型だという話は、確か、今年の正月に石黒氏と城ヶ島に遊びに行った時に聞いたのだと思う。以来、模型屋で気にしていたのだけれど見たことがなかった。代理店がたまたまその気を出して大量仕入れしたのか?

F1014170というわけで簡単なキットレビュー。というよりも(検索すればもっと詳しいレビューがごろごろありそうなので)適当に目に止まった特徴の列記を。

(なお、最初にアップしたパーツ写真はあまりにあまりな状態だったので入れ替えた。入れ替えてもそんなかよ、とは言いっこなしで。若干記述も追加した。)

▼主翼が布張りの、Mk.Iでも初期のタイプを表現。小国空軍でもユーゴ、ベルギーあたりがこのファブリック・ウィング型を使っている。ファブリック・ウィングのMk.Iは、しばらく前にswordの簡易インジェクションがでて、それだけでも大したモンだ、と思っていたのに。

パーツは(当然そうでなくては困るわけだが)布張り、特有のパネルライン、標準より寄り目の着陸灯など、綺麗に表現している。

Hurr01 ▼胴体の布張り表現も美しい。ハセガワ72のキットが、「このハリケーンはユンカース社製か? 胴体、トタン張りなのか?」みたいな表現だったのに比べると、格段に優れている。右写真、上がエアフィックス、下がハセガワ。

通常の左右2分割だと、胴体下面のモールドが怪しげになりがちだが、このキットでは、フィレットの有無で胴体後半下面が選択式の別パーツなので、その点でも安心。

Hurr02スタイル的には、エアフィックスの旧Mk.Iもハセガワも機首が細く「マーリン(エンジン)入ってないよ……」と言われ続けてきたのに比べ、かなり改善されている。

左写真がエアフィックスとハセガワ(機首別部品)の平面形の見た目の比較。機首のオデコ左右には、マーリンのシリンダヘッド最前方をクリアするためのバルジがあるが、ハセガワのMk.Iではだいぶこれが寄っていて、左右バルジの端から端までの幅が約8.5mmだったのに対し、このキットでは10mm弱ある。

F1014139▼水平尾翼は、昇降舵のバランスホーン部分(って呼んでいいのか?)が、水平安定板と不連続で薄く、段差があるのが表現されている。

これはレジンのアフターパーツなどを除き、特に72クラスではほとんどのインジェクション・キットでは表現されてこなかった特徴。エアの48や24では表現されてるんだったかな?

F1014155 ▼機内は、コクピットも脚収納部もかなり細かく再現されている。swordの簡易インジェクションに入っているレジンの脚収納部を見たときに「72でコレは結構贅沢だなあ」と思ったのだが、それ以上。

コクピット内部も、側壁は胴体側面に一体モールドされて「それなり?」という感じだが、前後から伸びるフレームに支えられたシート、イギリス機らしく床板がなくてフットステップだけある表現など、キャノピー閉めたら全然見えんダロ、くらいに出来ている。

シートベルトの表現は無し。これは伝統的に、パイロットのフィギュアが付いているためかと思う。

F1014160 ▼その他小物。ペラはワッツ2翅とデ・ハビランド3翅が入っている(キットの説明書ではワッツ2翅を使うように指定されていて、3翅は不要部品扱い)。ワッツ2翅は、スピンナーの、ペラの後ろにあたる部分が別部品になっているのが有難い。木製2翅ペラの機体で、ここが一体で、くぼんじゃってるキットって多いんだよな……。

コクピット背面も、キット指定のマーキングでは防弾鋼板無しパーツを使うよう指定されているが、第二次大戦勃発後に導入された防弾鋼板付きパーツも用意されている。排気管も2種。左が主な選択部品の枝で、ペラ、胴体下面およびそれに対応したラダー、コクピット後面など。左枝右上が初期型排気管で、標準型は共通パーツの枝に入っている。

F1014159 ところでキットの車輪はハブが4つ孔タイプなのだが、Mk.I初期型は5つ孔が使われているような……少なくとも写真で確認する限り、(私が作りたい)ユーゴ軍機、ベルギー軍機はどれも5つ孔の車輪を使っているようだ。(ちなみに金属翼のMk.Iを使っているルーマニアやフィンランドでも5つ孔のようだ。うぎゃー)。

一応、これに関してはレジンパーツも出ているようなのだが、せっかくこんなに安価に買えるキットに、高いアフターパーツを張り込むのはちょっとなあ……。

▼デカールは、1938年7月の英空軍、No.111スコードロンのL1584と、1940年5月のベルギー空軍、22番機。

ちなみにエアフィックスの72では、キットNo.AX01010でもハリケーンMk.Iが出ているのだが、これはハナンツでパーツ写真を見る限り、標準仕様とかではなく、ファブリック・ウィングの基本、同一キット。ただしワッツ2翅、ヒレなし胴体下面などの枝は入っていない。デカールは英空軍2種。

なお、一応カタログ落ちにはなっているようだが、しばらく前まで赤箱でリニューアル前のMk.Iのキットも出ていたようなので、間違えないように充分注意すべし。

▼参考になるサイトをいくつか。

PRIME PORTALのwalkaround。今回検索してみて初めて知ったのだが、ファブリック・ウィングの初期型Mk.Iって現存してるのね……。その初期型のwalkaround。とはいえ、あまり細部写真はない。

ハセガワ72、ハリケーンIIcの製作記。家主さんのお名前が不明の模型サイト。ハセガワのキット、しかも形式違いではあるけれど、機首形状その他、細部の検証話が非常にタメになる。

深大寺模型濫造工廠「世界のホーカー・ハリケーン」 。J1N1-Saさんによる世界各国のハリケーン作り倒しコンテンツ。上記airfix最新キット発売前の各キット評価あり。各国軍のハリケーンの作例だけでなく、それぞれの特徴も解説してあって役立つ。最近ご無沙汰してます。ってこんなとこで書いてどうすんだ。

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銀の亡霊(4)

●前回へのコメントで、hideさんから、模型の資料本のダブリの話を頂いたが、実は数日前、某A氏から、「間違えてKV本を2冊買ってしまった、1冊、amazonに頼んだ方を引き取らんかね」という連絡を貰っていて、それが今日(15日)届いた。

ハンガリーで出版された写真集、"KV TANKS ON THE BATTLEFIELD -- World War Two Photobook Series #5"で、先日セータ☆氏のGIZMOLOGIC CAFEでも取り上げられていて、ちょうど欲しいと思っていたものなので、二つ返事で送り先を振り替えてもらった。

まだ1/3くらいしか見ていないけれど、そこまででも、KV-2の写真が結構豊富(しかも駐退器カバーにボルトの逃げ溝のない量産型初期型が多い)だったりするのが、個人的にツボ。

F1019701●閑話休題。

表題通り、ロールス・ロイス装甲車(RODEN, 1:35"British Armoured Car (Pattern 1914)")の続き。

相変わらずじわじわと(それが模型の製作を形容する言葉なのか?)製作中なのだが、それでも、何とか格好がついてきた。

前回同様、先日からの主な進捗点をまず上げておくと、

  • ラジエーター前の装甲ドアを工作
  • 前部フェンダーに追加工作
  • 戦闘室前面フラップドアを工作
  • 荷台に追加工作
  • 泥濘脱出用敷板の工作

F1019703ラジエーター前の装甲ドア

第一次大戦仕様ではエアスリットがなく、単純な板。キットパーツを裏から薄く削りこみ、開閉機構を追加工作。なお、ドアの車体との位置関係は、上端がエンジンルーム側面板より上に来る。

開閉バーとドアとの接続部は、戦後型はキットパーツの表現のようにドアの裏側に止めてあるのだが、戦中型ではドアの表から止めているので、そのように改修工作。また、開閉バーも、どうやら戦中型ではまっすぐなようなので(不確か)新調した。

しかし、どうも前面板の孔の位置とドアとの接続部の位置が合わず、孔の位置を上にずらしたのだが、それでも不足でバーがちょっと上向きになってしまった。バーには、おそらく孔から弾片などがエンジンルームに飛び込むのを防ぐための極小防盾だと思しき板状パーツが付く。ただし、砲塔の機銃の防盾も付いていない初期型にもこれが標準で付いているのかどうか、実は考証を詰めきっていない。

……しかし、やっぱり本当は開いている状態に作ったほうがサマになっただろうなあ、と思う。閉めてしまったのは、第一次大戦中仕様の開閉機構が戦後型と同じでいいか判らなかったことと、私自身のいい加減な工作で、内部のラジエーターがちょっとナナメになっていることが後から発覚して直せなかったのが理由。情けねえ。

F1019711前部フェンダー

ライト基部パーツをちょっと削って接着。フェンダー裏側にリブを追加。裏側リブはチラ見え程度の用途で、下地も綺麗に仕上げていない。

おっと。そういえば前部フェンダーステイの前にあった、戦後型用のライト取付部のモールドは、窪みを埋めてから削った。この写真では見えないが、上写真では僅かに痕跡が見える。なんだかんだ部品が付いてしまってからの工作だったので、仕上げが汚いかも。

戦闘室前面フラップ

第一次大戦仕様ではスリットが左右とも下にあり、戦後型だと運転席側は上、助手席側は下と、段違いになる。いずれにしてもキットバーツは分厚すぎるし、その前の上面パーツを薄くした結果、上下幅が若干変わってしまったので、0.3mm板で新調した。

F1019705 開いているところを前から見ると、運転席側はハンドルの円の内側を通してスリットを覗く格好になることが判る。こりゃものすごく見づらそう。戦後型でスリットが移動した理由がよくわかる。

F1019704フラップの内側には、開閉機構のバーが付く。フラップ外側には、その取付ボルトの頭が2ヶ所。また、フラップの下、車体側にはリブがある。

フラップの蝶番は3カ所で、ベロ部分はキットパーツから薄く削り取って接着。筒部は伸ばしランナー。あ。ちょっと歪んでるな……。フラップと車体は、薄くスキマが開いた状態になるのが正しい。

荷台

ステイは第一次大戦仕様ではキットパーツとまるで違うようなので、エッチングの残り材で新調した。

F1019709いずれにせよ、荷台の背の高さ自体変えてしまっているので、キットパーツは使えない。場所も3ヶ所から2ヶ所に変更した。もっとも、形と位置が本当にこれでいいのかどうかは、実はよく判らない(いい加減)。

F1019702荷台横上に乗る工具箱だかなんだかは、どうも実車写真を見るとあまり標準化されていないような感じだったので、右はキットパーツを使ったものの、左はまったく別物を載せてみた。

右の箱も、キットの指示とは位置をちょっとずらしてある。左の箱は、ドラゴンのI号sIG33自走砲の不要パーツを切り詰めたもの(おそらく47mm対戦車自走砲用の弾薬箱だか雑具箱だか)。

泥濘脱出用敷板

戦後型では、車体左右、前後フェンダー間にステップ板があって、その下(場合によっては上)に泥濘脱出用敷板を収納するようになっており、キットもそのような構成になっている。

しかし実車写真をよく見ると、どうも初期にはステップ板が無く、直接、泥濘脱出用敷板だけが装着されているようだ。

F1019700 というわけで、シャーシに取り付けたステップ用L字ステイに、直接泥濘脱出用敷板を載せた。キットの敷板パーツは裏がない状態なので、一度サイドを削ってから1mmプラバンを貼り増して加工した。

本来は、シャーシから出ている支持架に固定するための何らかの仕組みがある(例えば敷板をボルトが貫通して蝶ナットで留めているとか)はずなのだが、確認できる写真がないので現状はそのまま。……何か誤魔化す方法を考えないと。

今回はここまで!

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銀の亡霊(3)

●ロールス・ロイス装甲車(RODEN, 1:35"British Armoured Car (Pattern 1914)")の途中報告。

実を言えば前回からそう進んでいるわけでもないのだが、たまには自分で作っている模型の話も挟まないと、モデラーであることを忘れ去られそうな気がするので。

F1019147 ●現状はこんな感じ。主な進捗箇所は、

  • 戦闘室後部扉を新調。
  • 前輪フェンダーに追加工作して取り付け。
  • 予備タイヤ取り付け(挿し込み可にしてあるだけで、実際は予備タイヤ基部を取り付け)。
  • 荷台に若干の追加工作。

なお、この姿は前回同様、主要コンポーネントを仮組しているだけ。

F1019142 ●戦闘室後部扉。キットのパーツは、初回に書いたように、上部と下部が同じ大きさになっていて使えないので、0.3mm板で新調した(どうせ開けないので、0.5mm板で裏打ち補強)。上下の比率は目分量。

ヒンジも新調したほうがシャープなのは間違いないのだが、大きさをピッタリそろえて8箇所作るのも面倒だし、キットの他の箇所(特に直上の砲塔後面ハッチヒンジ)と比べて浮いた感じになるのも何なので、キットのハッチパーツから切り取って、薄く削ったうえで移植した。

中央の南京錠を掛ける部分はまだ基部だけで、実際に錠を通す立ち上がり部分はこれから。

ちょっと問題含みなのは上部ハッチのピストルポートで、ボービントンの実車もキットも、上写真のように回転軸が外側なのだが、この写真(サムネイルをクリックで拡大)では、回転軸が内側にあるように見える(ついでに言えば、戦闘室右側面にもピストルポートがあるようだ)。他にも確認できる写真がないか調査中。場合によっては削り取って逆方向にすることも検討。

F1019139b ●前部フェンダーは側面がコの字(?)の形状になるよう、一旦表面を削って若干薄くしてから、0.3mm板を貼り増した。いかにもクラシックカーな雰囲気の表面のリブは伸ばしランナー。

本来ならステイも金属板か何かで作り直したほうがいいのだが、長さだの角度決めだの面倒くさそうだったので手を抜いた。なお、キットのパーツでは、後ろ側のステイはフェンダー本体とは直角に繋がっているように表現されていて、フェンダー表に3つリベットが並んでいる。表面にプラバンを貼った後で、リベットをそのように再生したのだが、実車を前から撮った写真では、どうもフェンダー裏側に、斜めにリブが走っているようにも見える。たとえばここの2番目の写真参照。フェンダーステイが大きく折れ曲がっているのか、それともフェンダーに接したところから二又になっているのか、それともステイとは関係なくリブがあるのか……。まあ、結局よくわからないので今のところは放置。

ついでに言うと、エンジン始動クランクは、1920年型(Mk.I)あたりでは革ベルトで向かって左側に持ち上げている例が多いようで、ボービントンの実車でもそうなっている。模型的にもちょっとアクセントになるのでそう工作しようと思っていたのだが、よく見直すと、1914年仕様だとそのまま下に垂らしているのが普通のようだ。

ラジエーター前開口部上の三角板は、ボービントンの実車等を見ると、三角でなく台形の様子。ここの1番目の写真(何やら面白いキューポラ付き)は、ワイヤースポーク車輪付きの初期仕様だが、これもどうやら台形の様子。というわけで、後からの改修ではなく、最初から(あるいは比較的初期から)台形だったらしいので、キットパーツの先端を切り落とし、エッジを薄くした。

なお、本来、ラジエーター前の開口部はこの板の直下まであるようなので、ラジエーター前ドアを開いた状態に作る人は注意。

シャーシフレームに、1920年型(Mk.I)用前照灯ステイ基部のモールドがあるのだが、うっかりして修正していない(戦闘室側面前部のモールドは削り落としてリベットを付け直したのだが)。

●予備タイヤは、どうやら1914年仕様では、後の型よりも若干取り付け位置が高いようなので、キットの取り付け指示穴よりも若干高くした。その分、車体左側面では戦闘室横の覗き穴に少しタイヤがかぶる感じになる。

ここは若干微妙なところで、実車でもかぶり気味なのは確かだが、実はこの覗き穴自体、キットはやや下にずれているようだ。すでにここまで組んでしまって気付いても後の祭り。

というわけで、実際の工作では、「本当はもうちょっと予備タイヤは上にあってもいいんだけれど、覗き穴はもっとタイヤより出ている感じ」というせめぎ合いのなか、適当なところで落ち着かせた。

なお、現状ではただ予備タイヤを差し込んであるだけだが、1914年仕様の場合、予備タイヤ取り付け基部からタイヤの下をまたいで表側まで、U字型に帯金が渡してあるのが普通であるようだ。要追加工作。

ところでタイヤはキットのモールドのままにしてあるのだが、1914年仕様では、もっと単純な、横一文字の溝が粗く付いているだけのパターンが標準らしい。スポークを組む前なら現状のパターンを削り落として改修したのだが、特にダブルの後輪を組んでしまってからでは、ちょっと削りにくい。現状のまま目をつぶるか、あえて手を付けるか迷い中。

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銀の亡霊(2)

F1018358 ●何だかんだで他のものは放ったらかして、ロールス・ロイス装甲車(RODEN, "British Armoured Car (Pattern 1914)")に傾注。

前回に比べ格段の進展があるわけではないが、現時点で、主要ブロックを仮組みしてみたのが右の姿。アレコレ問題だの疑問点だのは残っているものの、形になるとそれなりに格好よい。

いまさらではあるが、一応、製作方針を述べておくと、

「(第一次世界大戦の、乗用車ベースの装甲車らしい)華奢感を出す」

というところに主軸を置いている。

もちろん実車のディテールが判明する限り、しかも自分の技術とやる気が及ぶ限り、なるべく再現する、というベースの上に立ってだが、実のところ第一次大戦型の写真は少なく、しかもどうやら車輌相互で細部ディテールにも差があり、いろいろ不明な点が多い。

F1018349 ●前回からの主な変化、その1。

結局、ボンネット屋根はキットのパーツを使った。中央の蝶番を綺麗に揃えて作り直すのが面倒だったため。追加工作としては、蝶番のみを残して、単なる山形の盛り上がりになっていた、連続した軸部のモールドを削り落とし、ついでに表面の過剰な梨地もナイフの刃を立てて掻き落とした。蝶番中心のかみ合わせ部分と軸は真鍮パイプと真鍮線で。

ボンネット屋根の側部および前端は、薄く見えるようにゴリゴと削った。また、若干前後長も長すぎたので削って長さを詰めた。車体前端は、写真を見て判るように、車体前面板左右に側面板がかぶる構成で、屋根前端は前面板より僅かに後ろという位置関係。

ボンネット側面板との間の連結具は、プラバンを貼って僅かに外側に延長したり、プラ棒、伸ばしランナーなどでちまちまと工作。現在は、上部のベロから軸が飛び出ているが、これは単に工作が途中なだけ。ボービントンの実車はここが六角ナットで止まっているが、本来は蝶ナットが使われているようだ。

側面板下部には、取っ手を真鍮線で。

ちなみに、実車におけるこのボンネット周りの構造について(実車写真からの想像)。まず、(そこまで細かく追加再現していないが)、側面板下の2ヶ所の取っ手の下には連続して棒が突き出ていて、これをシャーシフレーム側面にあるパイプ状の受けに差し込んで、側面板を立てる。

ボンネット屋根は側面板とは分離した構造で、側面板を立てたあとに上に被せ、左右2ヶ所ずつの留め具で固定する。留め具は、側面板側にある可倒式の軸をくるりと上に回して屋根側のコの字の受けにはめた後、蝶ナットで固定する。

ボンネット屋根は中央に蝶番があるので、留め具を外せば、左右をそれぞれ反対側に跳ね上げることができるのは見てとれる通り。

屋根と側面板との間の止め具は、内側に曲がる蝶番の役は果たしそうにないので、(よくクラシックカーにあるように)側面板と屋根とを連続させたまま折り畳んで開ける、という芸当はできそうにない。ただし、大戦中仕様の一部の車輌では、屋根と側面板の間、内側に蝶番を付けているらしきリベット(ネジ?)が並んでいるものもある。

以上、ボンネットを開けてエンジンが見えるようにしたいという方のご参考までに。

F1018352 ●前回からの主な変化、その2。

後部荷台は、パーツのモールドに従えば、細い板を3段重ねた高さがあるが、これを1段分削り飛ばして背を低めた。

ボービントンの展示車輌や、アイルランドの現存車輌(Sliabh na mBanという名前らしい)ほかは、荷台上から横に張り出したフェンダーにそれなりの高さがある(それでもキットほどは高くないような……)。しかし大戦中仕様ほか、初期の写真では(たとえばこの写真など)、後輪上の隙間はそれほどなく、フェンダーの高さは戦闘室の半分よりも明らかに低い。

そんなわけで切り詰めたのだが、これは場当たり的な帳尻合わせの工作で、実際には、荷台の底自体がもっと低い可能性がある。

キットのシャーシフレームは後輪部分でフレーム幅2つ分ほど高くなり、しかも荷台後端まで続いているのだが、実際には、フレームはそこまで高くならず(せいぜいフレーム幅一つ分)、燃料タンク中心あたりで終わっている可能性がある(少なくとも、装甲車になる前のシルバーゴーストではそうなっているらしい)。

ボービントンの実車の細部写真からは、装甲車のシャーシフレームもそうなっていて、そこに木枠のようなものを載せ(これの後端が荷台後端まである)たうえで荷台を装着しているようにも見える。

なお、フェンダー下のステイ形状は、キットのものはアイルランドの“Sliabh na mBan”と同形状のようなのだが、初期の車輌はもっと簡単な、帯金を三角に折ったものらしく、取り付け位置も2箇所のみのようなので、取付用の溝はプラバンで埋めた。

●PMMS情報。IBGから、シュコダ100mm vz 14/19榴弾砲が出るそうだ。ポーランドだのハンガリーだのユーゴだのでも使われた砲で、これは少々そそられる。UMのプチロフm1902野砲より出来がよければよいが。

F1018309 ●鎌倉の段葛の桜も今が見頃だそうなのだが、個人的に染井吉野はいまひとつそそられないので、名越の峠の山桜を。先週土曜日(3/30)撮影。

そろそろ本興寺の枝垂れ桜も咲き始めているかもしれない。近々見に行ってみよう。

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銀の亡霊

●ケホケホと嫌な咳が続いていて苦しいのだが、「かばぶ」を遡ってみたら、昨年の同時期にも咳をしていたことが判明。さらにはまぶたがむず痒く、ぴくぴく痙攣していて鬱陶しくてしょうがない。やはり(いよいよ本格的に)花粉症らしい。

もっともこのご時勢なので、花粉に加えて、「いやいや、それはPM2.5が引き金になったんだよ」とか「関東にもじわじわと降り積もった放射性物質のせいだね」とか、後からいろいろくっついてきても納得しそう。なお「どこかでマブイを落としてるんじゃないか」はアリだが「ご先祖供養を怠っているせいだからこのツボを買いなさい」はアウト。

●24日月曜日。仕事で本郷の東大。行ってみて気付いたが、構内はローブ(アカデミックドレス)と四角い帽子の人が右往左往。ああ、卒業式の季節かあ。

ところであの帽子は、角を前にかぶるのが正しいのだろうか、それとも辺を前にするのが正しいのだろうか、という素朴な疑問を覚えたのでwikipedia(のアカデミックドレスの項)を見てみたが、

人によっては後ろに角が来るように着用するが、正式には板と地面が平行になるように着用する。

という、なんだか内容に一貫性がない気がする説明しか載っていなかった。そのものズバリ、東京大学のサイトによれば

角帽はマジックテープが後ろ側にくるように被り固定する。

だそうだ。まあ、そりゃそうだろ……。思いっきり真横を高速でフライパスされた気分。

とりあえず、いろいろ写真を見る限りでは角が前(前後左右)らしい。今日の無駄知識。

仕事帰りに構内の総合研究博物館に寄ってみたが(別に何をやっているかは知らず、単にいつも何かしらシブイ展示をしているため)、月曜休館だった。

●まだ午後も早い時間だったので、本郷から秋葉原まで歩く。途中、神田明神に寄る。

予備校も御茶ノ水だったし、以来、ン十年と御茶ノ水界隈は比較的よく行く場所であるにもかかわらず、神田明神には初めて行った。神田明神はお江戸の総鎮守、時代劇などで「神田明神下のなんちゃらかんちゃら」という台詞が出てくることでも有名。祭神はオオナムチにスクナヒコナ、それから平将門。明治から戦中にかけては、天皇がお参りする神社の祭神が逆賊ではイカンというので、将門は本殿から引越しさせられていたそうだ。

お江戸の地理に明るくない方のために添えておくと、「神田明神」といってもJR神田駅からはむしろ遠く、最寄駅はJRなら御茶ノ水か秋葉原。なんでこんなことをわざわざ書くかといえば、帰宅後にかみさんに神田明神に行った話をしたところ、同じく行ったことがない(らしい)かみさんから、「そもそも神田の駅自体ほとんど降りたことがない」と言われたため。私より長く23区の住民だったことがある人間でも、まあ、こんなもんだ。

ちなみに向かいにある湯島天神にもまだ入ったことがない。

●神田明神脇の男坂を降りると、もう秋葉原の電気街の外れ。久々にYSとVOLKSに寄る。bookoffで「ヴォイニッチホテル」の2巻を購入。

ところでヴォイニッチというのは何なんだろうと検索をして「ヴォイニッチ手稿」なるものの存在を知り、しばらくweb上の資料を読みふける。

●RODENの「British Armoured Car (Pattern 1914)」、要するにロールス・ロイス装甲車の続き。前回はガリガリ削って合わせた砲塔の工作だけを見せたが、結局、なんだかその気になって作業を進めてしまった。

F1018191b ▼とりあえずキットのパーツのみで組み上がったシャーシが右写真(とエンジン部の拡大)。

前回のキット評に加えて言うと、エンジン回りだけでなく、基本的にシャーシは細かい。装甲ボディが梨地だったり(しかも不揃い)、厚かったり、エッジがダルかったり、ヒンジがおもちゃっぽかったりしているのと、ずいぶんアンバランス。

ご覧のようにシャーシだけだと精密感も高くて格好よく、最高級車ロールス・ロイス「シルバー・ゴースト」の貫禄充分。もっとも元になった「シルバー・ゴースト」なら後輪はダブルではないはず。

F1018198F1018186  こうなると、いっそ装甲ボディ抜きでシャーシだけで、駆動系を細かく綺麗に塗り分けて飾っておきたいくらいだが、それはそれで問題がある。

  • 細かく見ると各所にヒケなどあり、車体にほとんど隠れてしまうならよいが、表に出すなら、細かいモールドの合間にあって面倒なそれらの修正の要あり。
  • 丸い部品、棒状の部品がところどころひしゃげている。
  • 実車ではエンジンの配線、パイピングが異様に煩雑。ただしエンジン写真(民間車の)は結構ネット上にも見つかるし、追加工作しがいのあるところでもあるが。
  • 後輪ブレーキの操作系は一部パーツで再現されているのだが、操作索(ロッド?)は省略されていて(それは仕方ないが)、どこからどう繋げばよいのかが判らない。ご覧のように後輪側基部の部品はあるので、索がないと結構目立つ。

結局、ここはここでやはり「アンバランス」な問題を抱えている。

F1018189F1018188▼エッチングを組んだ車輪はこんな感じ。前輪はエッチング2枚、後輪は4枚。

しかし後輪では内外の車輪を繋ぐ、だいぶ幅のあるリム部品(9K)がエッチングを抑える役を果たしてくれて、前輪よりも組みやすかった。

前輪・後輪それぞれ3つずつ作り、1つずつが予備タイヤになる。前輪スポークがひとつ、若干ズレてしまったのだが、これを予備にしようか、いやいや、予備は車体側面にあって逆に目立つだろうから使ってるほうにしようか、などなど思案中。

エッチングにそれなりの厚みがあり、ワイヤの一本一本に幅もあるので、こうして写真に撮って拡大するといかにもエッチング然としている。今時のエッチングなら、交差するワイヤに段差を付けて実感を増すくらいのことはしてくれてもいい気はする。もっとも、塗装すれば目立たなくなるし、肉眼で見ている分には気に掛かるほどではないと思う。

F1018203 ▼戦闘室前方上部の三角形を組み合わせた装甲板は、小口部分を極力薄く削ってから取り付けた。その分、戦闘室前面のフラップは余計に高さが必要になるはずで、場合によっては0.3mm板で作り替える。ボンネット部分は未加工で仮に乗せてみたので、薄くしたところ・しなかったところの差が判る。

戦闘室天井前半も、側面に小口の厚さが出てしまう部分なのだが、ここは後半と高さを合わせなければならず、もし側面板の上部をかさ上げするとなると側面リベット列が邪魔になるなど、ちょっと工作が面倒な要素が絡んでくるので、あっさり諦めた。資料も少なく、もともと正確なディテール追求は望むべくもないので、手を抜くところは抜く方針。

ちなみにボンネットフードは梨地の問題、蝶番の問題などあり、0.3mm板で作り直すか、キットのパーツを削って使うか思案中。

F1018183 ▼戦闘室後面ドアは、左右・上下の4分割で、キットは全て同じ大きさになっているが、これは実際には上が大きく、下が小さいようだ(上下幅が異なる)。荷台に隠れて判りづらいところだが、少なくとも現存実車ではそうなっている。

第一次大戦仕様では同じ大きさだった、などという「どんでん返し」もなさそうな気がするので、ハッチは作り替えることになりそう。もともとのパーツにさえ合わなかった蝶番用の穴も埋めた。

▼その他、ディテール上の疑問や課題。

  • シャーシフレームは後輪部分で一段上に上がっているのだが、キットのそれは上がり過ぎではないだろうか。
  • そのフレーム問題ともちょっと関わるが、キットの後輪フェンダーは高過ぎかも。
  • 左側面の覗き穴は、初期の車輌は右側面と同じ、もっと前方にあったようだ。もっとも第一次大戦中仕様でもキットの位置にある車輌もあるようだ。
  • キットの塗装例[I]では、右側面の予備タイヤを取り付けず、代わりに砲塔上にタイヤ(のみ)を重ねるよう指示されている。実際にはこの車輌の、現存写真の中の姿では、砲塔上の予備タイヤは三段重ね。かつ、右側面の予備タイヤがないかどうかは(少なくとも私が探した限りでは)確認できなかった。本数は些細な問題で、私が気になるのは、「本当に予備タイヤなの?」というところ。タイヤではなくタイヤチューブの可能性もあるのでは?
  • タイヤはキットの説明書では黒く塗るように指示されているが、写真から判断するに、第一次大戦中のものは、カーボンブラック入りではない(つまり黒くない)のでは?

なおもあれこれ思案中。

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「自動車」2題

●3.11。黙祷。

●しばらく前から変な咳が続いていて、イヤな感じ。花粉アレルギーか何かだと思っていたのだが、チビが熱を出して医者に連れて行ったら気管支炎だった。

え? もしかしたらオレも?

●前回模型話をスキップしてしまったので、だいぶ前のことになるのだが、週末模型親父さんのところで、プラモデルのメッキパーツをキッチンハイターで剥がす、という記事が出ていて、そういえばそんなノウハウは話に聞いてもやったことがなかったなあと思い、自分でも試してみたくなる。

そもそも軍用車輌や軍用機の模型を作っている限り、メッキパーツの入ったキットとの縁は薄いのだが、それでも物好きでストックしてある、メッキパーツ入り別ジャンルの模型はある。

F1018128ハイターはなかったが、カネヨのキッチンブリーチがあった。要するに塩素系漂白剤であればいいので、風呂場の小さな洗面器に3、4倍(目分量)に薄めて、メッキパーツの枝をどぶん。数時間して見て見ると……。

おお! 落ちている! こんなに簡単に綺麗に落ちるなら、もっと早めに試してみるんだった! もっとも今まで切実にメッキを落とさなきゃいけない用事もなかった気がするけど。

ちなみに今回は単純な銀色めっきだったのでそのまま漬けたが、「色付きめっき」の場合は(クリアイエローやクリアブルーなど)トップコートの塗装被膜がかかっていて、一度薄め液などで塗装を剥がさないとダメなようだ。

なにしろプラがまっかっかなおかげでピントも合いづらくディテールがよく判らないが、上写真の鼻先のラジエーター部分が元のメッキパーツ。一部隅っこにメッキの残りがあり、またベースコートがそのままなのでパーツがテカテカだが、それくらいなら整形や塗装の邪魔にならないと思うので放置。

F1018131 全然メッキ取りの作業とは関わりないが、ついでにちょっとだけ手を付けてしまったこの車輌のシャーシはこちら。

一応エンジンからデフやらサスやらの機構は一通り揃っているが、どうもスカスカした感じ。燃料タンクとかどこにあるんでしょうね、この車。ちなみに排気管は付けていないだけでちゃんとある。――さてこの車、なんでしょう?

ここまでお手付きにして、そこそこ「味わった感」を得たので、またそのうちいじることにして仕舞いこむ。……そうでなくてもお手付きが周りにあふれているので、「そのうち」がいつ来るかは不明。

F1018125 ●hideさんのところで、「RODENが1:35でブリッツのバスを発売予告している」という話題をきっかけに、同社のロールス・ロイス装甲車の話が出て(というより話に出したのは私なのだが)、改めてストックしてある同キット(3種出ているうち、第一次大戦中型)を出してチェックしてみた。

そもそもこのキット、だいぶ前に買って帰って家でじっくり見てみたら、どうにもあちこちパーツがだるくて意気消沈してしまい、まるきり手を付けないままに積んであったもの。

ただ、あらかじめ断っておくけれども、だるいとはいってもかつての東欧製キット群に比べればはるかにマシだし、エンジンなども無駄に細かく出来ている(なぜ無駄かといえば、完成するとほとんど見えないため。ちなみにボンネットはそのままでは開けられない)。

別にディテールアップに血道を上げなくても、丁寧に組んで(それ自体、結構手間が掛かりそうだが)、塗装に凝れば、それなりに見場のいいものに仕上がりそうだ。

というわけで、例によって「まともに一直線に作りもせんヤツの文句言い」だと思っていただければ。

F1018107 F1018108 ▼意気消沈した最大のポイントは、肝心の装甲ボディがダルなこと。しかも、表面に部分的に梨地が入っているのもマイナス点。外側で最も梨地がきついのがボンネット上面で、中央のヒンジ部分のモールドもプア。

ボンネットフードほどではないが、ボディ後部の曲面部分も梨地。前方の平面部分は比較的表面が滑らかなのに、同一パーツで表面状態が違うのも謎。後部ハッチのヒンジ部分も、ハッチ部品と一帯のヒンジの厚みを逃がすために(ダルく)彫り込んであるのが嫌な感じ(しかもハッチのヒンジはうまくはまらない)。

また、実車はペラペラな装甲のはずが、装甲の合わせで小口を薄く見せようという努力が足りていない部分が多い。実車の装甲は最大12mmなので、上面だと模型換算で0.3mmにも満たないはずが、上記ボンネットフードとか、砲塔上面の、特に斜めになった横部分とかは、何というか、えらく重装甲。

F1018179 F1018180 ▼そんなわけで、ついでに少々手を付けてしまった砲塔部分の工作。

この部分に関しては、

  • 砲塔四周のパーツの“ベロ”と比べ床板パーツが厚く、砲塔が若干浮き上がったような形になってしまうので、床板を削る。
  • 砲塔垂直面は前後左右で4分割。多少削り合わせの必要あり。
  • 砲塔上面は、前後はまだいいとしても、左右垂れ下がりの部分の小口(特に左右端)にプラの厚みが顕著。多少なりとマシに見えるように、右写真のようにゴリゴリ削って接着した結果が左写真。
  • 機銃用開口部もプラの厚みが目立つので内側から削ったが、どうも第一次大戦型はこの開口部がもっと広い可能性がある。
  • 上面ハッチ周囲の八角形の段差は、確かに図面によっては描いてあるのだが、確かめられる写真が手元にない。若干のヒケが目立ったので、ヒンジを一時削ぎ取ってからヤスリで均した。

▼話が前後するようだが、手元にある「Pattern 1914」、つまり第一次大戦中仕様は、パーツの構成を見ると、プラパーツの枝ではK、L、Mパーツ、スポークのエッチングパーツ、および透明パーツ(シート)とデカールが独自パーツで、残りは3キット共通らしい。

部位で言うと、シャーシおよび装甲ボディは基本共通で、背の低い砲塔、ワイヤスポークの車輪、旧型前部フェンダーなどが大きな違い。

……なのだが、ネット上であれこれ写真を漁ってみると、どうも大戦後になって(あるいは大戦中から)かなり細ごまと戦訓による改良だの、各前線に合わせた工夫だのが取り入れられている様子。というわけで、ひどく根本的な疑問。

砲塔の高さ、車輪、フェンダー、ライト、ラジエーターハッチ、戦闘室前面フラップ――を変えるだけで、本当にオリジナルの(第一次大戦中の)仕様になるのか?

これについては引き続きリサーチの予定。もっとも判ったところで、小手先で変えられる以上のことはしないかも。

F1018115 ▼スポーク式の車輪はエッチング付きで、これは今時の35AFVとしては妥当な選択ではあるのだが、平板のエッチングシートから切り出して、円錐台形に成型するためのジグは雄型しかない。

これに関しては、どこだったか、海外の模型板でも「雌型がないんだけど、どこ?」というような書き込みがあって、ちょっと笑ってしまった。

もっとも、このエッチングシート自体にそれなりの厚みがあり、弾力性もあるので、たとえ雄型・雌型が揃っていたとしても、押し付けるだけでうまく成型できるとは思えない。

(カーモデルの熟練者なら慣れているのかもしれないが)とにかくこのエッチングスポークの工作は曲者で、3つめくらいでようやくなんとなくコツが掴めてきた……って、スペアタイヤを含めても車輪は5~6だし。

とにかく、ジグに押し付けて一気に円錐台形にしようとせず、ハブ部ではスポークの接点の一ヶ所ずつを順番に丹念に曲げていく感じにするのがいいようだ。

●要するに履帯つなぎにちょっと飽きが来ているわけです。

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