ポルスキ・フィアット

捲土重来のポルスキ・フィアット(3)

●世間は原発再稼動とホビーボスのトルディ発売に揺れているが、再稼動反対デモに行くわけでもなく、トルディもまだ買っていない。どうも乗り遅れてるなあ。

●そんなわけで、世の中の流れに背を向けて、ポルスキ・フィアット508/518の進捗について。仕事が煮詰まっていてそうそう模型をいじってもいられないのだが、ごく僅かだが進めた。

F1032070 荷台部分をねじれた状態に組んでしまっていたのが気になり、すでに組んであった荷台部分をバラしてしまったのは先述の通りだが、もぎ取った際に出来た欠けなども補い、歪みもなるべく是正しつつ荷台を組み直す。

「なるべく是正し」と弱気なのは、もともとのバキュームのパーツ自体、どうももともと対称であるべきところがそうなっていなかったりするからで、要するに、「なんとか歪みが目立たないように」レベルで止めておかないとドツボにはまりそう。

左側のボックス内部に付けてあるのはタミヤの5mm角棒で、単なる補強用。近年よく使われるようになったエバーグリーン等に比べ、エッジも出ていないし断面も正しく正方形になっていなかったりするので、結局、こういった用途に使うのがせいぜい。

F1032066 ●トレーラー部も、以前に触れたように、フットステップ部分の形状が変だったので、牽引バーごと作り直す。

牽引バーはコントレールのプラパイプに真鍮棒を入れて曲げ、リング部分だけ元パーツから切り取って移植。補強バーは真鍮棒。以前と比べるとだいぶ長めになっている。

もっとも、牽引バーの長さはいいとして、このトレーラー自体の前面がどのような形状をしているのかは、どうもよく判らない。

508518tel01一応、キット準拠で作ると(フットステップ部分は作り替えたが)作例写真のように単純に箱を二段重ねにした形状になるのだが、この写真を見ると、実際にはここに上げたイラストのように、真ん中に板状に椅子が付いているだけで、枠部分はその椅子の支えを兼ねて、もっと複雑な形状をしているように見える。……いやいや、なんだかもっと複雑に、椅子の前にも何か付いているような感じがするぞ。

もっとも上の写真の車輌は後期型で、トレーラー自体も僅かに差異がある。初期型の場合はこちらの写真のように横幅一杯に背もたれ(ヘッドレスト?)が付いているから、椅子幅も広い可能性がある。

そんなわけで、トレーラー本体の形状はとりあえずいじらないことにした(要するに作り直すのが面倒だったのだ)。

●前回の日記で書き忘れたのだが、先週、ほぼ1ヶ月に1度の病院通いで胃腸科に行ったら、病院のロビーや通路に掛けられた額が一斉にラッセンになっていた。

ご存じない方のために一応説明しておくと、ラッセンというのは、たいていの場合、海面上から海中までを断面にして、そこに築地市場もかくやというくらいに、魚類や海棲哺乳類がひしめいている絵を描く人だ。

それはそれで、「仲良きことは美しき哉」でも「美味しそう」でも勝手に感想を抱けばいい話なのだが、問題は、そのラッセンの二束三文の複製を、おねーちゃんの店員を使って気の弱そうな奴に高額で売り付ける蛸壺画廊があることで、それもあって、ラッセンの世間における評価というのは、

「ラッセン(笑)」

というものになっている。

いや、もちろん、「この絵がいいんだ、好きなんだ」ということならいいんだけれど。我々の治療費を怪しげな画廊に吸い上げられたりしていないといいなあ……。

●これも先週ネタ。昼食にインスタントラーメンを食ったのだが、「サッポロ一番 横浜しょうゆ」……札幌か横浜かどっちやねん!

他にも博多とか、数箇所あるらしい。

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D-Day

●6日。恵比寿で仕事。

6月6日というのは確か何かの日だったはずだけれど、もちろんオーメンとかじゃなく――とボンヤリ考えていて、しばらくしてようやく「ああ、D-Day(ノルマンディ上陸作戦決行日)だ」と思い至った。ヌルし。

もちろん思い至ったからといって、特に米英軍ファンというわけでもないので、何をするわけでもなし。

●フレッシュネスバーガーの限定新作、「ブルーチーズバーガー」を食す。普通に美味。個人的には、逆にもっとゴルゴンゾーラの癖が出ていてもいい気がした。しかし高いな(単品630円)。

●仕事で文章を書いていて、「はんしんあわじだいしんさい」と書いて変換したら「半身泡時代sinsai」になってしまった。普段どんな変換をしていますか?>私

●レイ・ブラッドベリ死去。いや、それ以前にまだ存命だったこと自体知らなかったけれど。

●7日。なんだか五月雨的に「神保町シーズン」に突入しつつあり。7時頃まで仕事をして、そのまま泊りがけで川崎の実家に行く。翌8日も神保町へ。

●「クレイモア」(八木教広)22巻を買う。話はシリアスなのだけれど、湯水のようにパロディにネタを提供しているような台詞回しは相変わらず。

実家近くのbookoffで、「ネコあね」(奈良一平)3、4巻を買う。

F1032021●仕事が忙しくなったので、ポルスキ・フィアット508/518は開店休業中といったところだが、車体をためつすがめつしていたら、横方向からは比較的まともだったのに、真後ろから見たらかなりねじれていた。なんでこんなところ、きちんと調整しないで組んであるかなあ<過去のオレ

気になりだすと止まらず、今後足回りを組む時にも影響しそうだったので、結局、荷台部分をもぎ取ってバラしてしまった。微調整しつつ再組立の予定。

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捲土重来のポルスキ・フィアット(2)

●2日土曜日晩、逗子海岸花火大会。近くの高台に少しだけ見に行く。

こんな季節外れに客が来るのだろうか、と思ったが、娘によれば逗子駅前は結構な人出だったらしい。

●最近の新製品メモ。

やはりAFVクラブからもSd.Kfz.263(8rad)の発売がアナウンスされた。ボフォース40mmの英初期型も、ブロンコと正面衝突。

HOBBY BOSSから装甲列車……いや、自走式だから重装甲トロッコというべきなのか、とにかく、「クラスナヤ・ズベズダ号」の72キットの発売予告が発表されている。

装甲列車/装甲トロッコ系の72キットは、これまでもUMからかなりの種類が出ているのをスルーしてきているが、KVの砲塔が乗っている「クラスナヤ・ズベズダ号」は押さえておくべきだろうか?

いずれにせよ、この系統は35で作るには大きすぎる(しかものっぺりしすぎる)場合が多く、72であれこれ揃うのは手頃かもしれない。もっとも、タトラの装甲トロッコあたりは35でも小さすぎるかも。

●作り始めた途端に失速気味になってしまっているが、ポルスキ・フィアット508/518の続き。といっても、作業自体はそれほど進展していない。

F1032019b ひとまず、ほぼ工作終了したトレーラー部。車輪と柄はキットのレジン(エポキシレジン?)製パーツ。車輪は、本体のものは1つ1パーツだが、こちらは裏表のスライス。貼り合せると厚みがどうも不均一になるうえ、ホイールディスク部の穴の位置も合わないが、そこはまあ、目をつぶろう。

足掛け部分は、エッジに足を置く以外に使えないほど妙な角度だが、説明書と、元のパーツの形状と、柄のパーツの形状に従うとこんな感じになる。とても嘘臭いのだが、残念なことに実車写真ではちらりと斜め後ろから写っている程度の写真しかない。……と思ったら、やはり「しっかり写っている」とは言えないが、前方から撮った写真があった。先の斜め後ろからの写真でも、よく見ると明らかに柄の長さが違うので、もう一度このあたりは作り直してみるつもり。

●本体についての考証いくつか。

とうやらポルスキ・フィアット508/518電話線敷設車には、初期型/後期型の2種があるらしい。違いは、

・初期型と思われるのがキットのタイプで、キャビン左右のドアがなく(キャンバスドアはある)、車体(荷台)後面下部が垂直。また、今のところ私が知っている写真は全部単色塗装。

・後期型と思われるほうはキャビンにドアがあり、荷台後面下部には丸みが付けられている。新式の3色迷彩が施されている。

・508/518シリーズでは、後輪ホイール中央部に、大きく外側に向け張り出しがあるのが標準らしいが、電話線敷設車では、後期型にはこれがあるが初期型にはない。

▼初期型写真

http://www.szymkrzysztof.republika.pl/motpol/motpol1/508-518-1.jpg

http://www.szymkrzysztof.republika.pl/motpol/motpol1/508-518-2.jpg

http://www.dobroni.pl/rekonstrukcja-zdjecia,63402

▼後期型写真

http://www.imcdb.org/vehicle_312830-Polski-Fiat-508-518-117-1936.html

http://www.dobroni.pl/rekonstrukcja-zdjecia,63400

http://www.dobroni.pl/rekonstrukcja-zdjecia,63406

▼その他508/518写真

http://www.kfzderwehrmacht.de/Homepage_english/Motor_Vehicles/Poland/PZInz/Polski_Fiat_508-518/polski_fiat_508-518.html

http://www.dobroni.pl/rekonstrukcja-zdjecia,63366

http://www.dobroni.pl/rekonstrukcja-zdjecia,63369

http://www.dobroni.pl/rekonstrukcja-zdjecia,63388

それにしても、この後輪の張り出しは何なのだろう。もしかしたら、いざという時には後輪をダブルにして不整地走行能力を上げる仕組みなのかとも想像してみたが、今のところ、そんな状態の写真は出てきていない。

●キットは前輪もクラシカルなリーフスプリングなのだが(確かに508はリーフサスなのだが)、そこで衝撃的な写真。上の「dobroni.pl」で508/518として紹介されていた写真なのだが、よく見ると、前輪サスがダブル・ウィッシュボーンになっている。

http://www.dobroni.pl/rekonstrukcja-zdjecia,63378

大いに焦ったが、改めてまたまたよく見ると、フェンダーにポケットがある予備タイヤ位置、背の高い荷台など、508/518バリエーションにこんなのあったっけ、という車輌であることが判る(もともと民間車上がりの508や518ではこんなふうにフェンダーに予備タイヤのポケットを設けているものもあるが、508/518系列では通常、不整地走行向けに予備タイヤを低い位置に取り付けている)。というわけで、今のところは508/518はダブル・ウィッシュボーンだったと言い切る材料にはならず。

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捲土重来のポルスキ・フィアット

●宅配便で、息子宛に何やら長物の荷物が届いた。送り状の中身欄を見ると「武具」。何をやり始めたんだあいつは!

……と思ったら、中身は蛇の目傘だそうだ(しかも実用品でなく飾り物)。なぜ蛇の目傘が武具?(もちろん刀とか単発銃とかが仕込まれたりはしていない)。

ちなみに、これは課題制作の小物として使うのだそうだが、一応荷解きして取り出してみた際、蛇の目傘だとわかった途端、ちび助にボールを乗せて回すようリクエストされたそうだ。三歳児がどこで「蛇の目傘すなわちお神楽芸」なんて知識を得たのか激謎。

●傘といえば、この「折り畳むとレタスになる傘」は秀逸。ちょっと欲しい気もするが、さすがにおっさんが持ち歩くには無理がありそう。いや、レタス状態で持ち歩くのは平気だが、使う際に派手過ぎる。

●前回書いたように、「レジン組合」主催「ヒブトラコン」向けに、ポルスキ・フィアット508/518電話線敷設車を製作中。

何度か書いているように、ポーランドのS MODELからは、ポルスキ・フィアットの小型車シリーズ(508および508/518)が昔はバキュームフォームとレジンの混成、現在は全レジンでキット化されており、我が家にはその古いバキュームフォームのほうが5、6種類ある。同じくバキューム&レジンのウルススA型トラックは1つ完成させたものの、ポルスキ・フィアット508系の方はキット自体が古く結構な難物で、いくつか中途半端に手を付けてはほったらかしてある状態。

P1000025 2年ほど前、週末模型親父さんのところの「スミコン」に、508救急車型でエントリーしたものの、右の状態まで作って挫折した。ダメダメな感じ。

●そんなわけで、今回は、その雪辱戦を兼ねての製作。

一応、実車について簡単に(なんとなく)判っていることを記しておくと、戦前、ポーランドはイタリア、フィアット社のヒット作、小型大衆車フィアット508「バリッラ」のライセンス権を得て、国営PZInż.で生産を始めた。ノックダウン生産の508/Iに始まって、ポルスキ・フィアット508/IIIユナク(Junak、熱血漢またはヒーロー?)が量産された。

さらにはそれをベースに、軍用のオフロード・タイプ、ポルスキフィアット508/IIIWワジク(Łazik、オフロードカーの意)が作られて、各種バリエーションのベースとなった。

一方、508より車格の大きいポルスキ・フィアット518マズル(Mazur、民俗舞踊のマズルカ)も作られていたが、軍用小型オフロードカーの改良型として、508/IIIをベースに518のパーツを組み合わせて独自に開発されたのがポルスキ・フィアット508/518で、バリエーションには今回作っている電話線敷設車のほか、ピックアップトラックや無線車、あるいはボフォース37mm対戦車砲用牽引車のPZInż.302などがある。

車格としては508/IIIとほぼ同じで、ボンネット、フロントグリルも同じ。シャーシはちょっと違うらしい。あとはどこが違うんだろう。

F1031881●この508/518電話線敷設車は、508救急車よりも前にお手付きしていたのだが、組みかけの車体を別の場所に仕舞って長らく行方不明になっていた。それが先日、ストック漁りの途中で発掘されたため、改めて作り始めたというのが正直なところ。

F1031928箱にも袋にも入れずに放置されていた車体は、日に焼けた上に汚れが染み付いて茶色っぽく変色していて洗ってもちょっと汚い(笑)。

実は車体だけでなく、車輪も本体の組立説明図も行方不明になっていたが、車輪は組みかけの508救急車と一緒になっているのを発見(救急車に流用するところだったらしい。危ない……)。説明図は未発見だが、S MODELのサイト現行レジンキットの説明図がPDFで閲覧・DLできることが判った。手元のバキュームキットとはパーツ割やディテールに違いがあるが、逆にそれが参考にもなるので有難い。

F1031930●とりあえず車輌本体の予行演習を兼ねて、トレーラー部分を組んでみた。

この部分は手持ちのキットの組立説明図も残っていたが、DLしたレジンキットの説明図と比べてみたのが右写真。車軸の取り付けは、バキュームの方は単に箱の側面がベロになっているだけで、流石にそりゃあないだろうと思っていたが、レジンキットでは案の定、リーフスプリングになっていた。

ただし、背もたれ部分の取り付けは、実車写真を見るとバキュームのほうが正しそう。牽引用の「柄」の部分は両説明図で上下の向きが違うが、これもバキュームキットのほうが正しい。

F1031916F1031914実際の組立では、手すりその他の「枠」は金属線とエバーグリーンのプラ棒から。リーフスプリングはエッチングの枠とプラバンを重ねて適当にそれらしく作った。ただし場当たり的に工作していたら、車軸位置が下がりすぎ、車輪とフェンダーが空きすぎる位置になってしまったので、一度付けたスプリングをもいで、基部を削り、スプリングも若干平らに伸ばして付け直す羽目になった。

しかしこうして改めて実車写真と並べて見ると、各部「枠」の角のrが緩すぎた。

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ポルスキ・フィアット508(4)

20100329_04 ●荷台を工作。

キットのバキュームフォームの側板パーツはあまり形状がよくなく、荷台側面のリブも本来中央に1本のはずが2本あったりするし、エッジもシャープではないのでプラバンで作りなおすことにする。

0.5mm板でベースを作り、0.3mm板で枠部を作る。枠部は中をくりぬいて1パーツではなく、細切りの継ぎ足し。

P1000025 ●側板も作って荷台を組み上げ、車体前部と仮合わせしてみる。シャーシとも合わせてみて、荷台のタイヤハウジングの位置が後部車軸と合うよう、この時点で車体前部の床板を僅かに切り詰める。

信頼に足る図面もなく(実はキットの説明書にそれらしい図面が入っているのだが、実車写真と比べるとどうもあちこち違う)、あったとしても使えるキットパーツの寸法があやふやなので、結局、現物合わせでパーツを作っていくという場当たり的なモデリング。

未工作のキャビン側板は本来、荷台側板と連続しているのだが、上記のように「とりあえず組み進めてみないと寸法も出ない」というイーカゲンさなので、一体で作るのは諦めて、今後作ってから継ぎ目を消す方針。

●もうなんというか、発売されたばかりのティリーを切り刻んで「なんちゃってポルスキ・フィアット」にしちゃったほうが早かったんじゃないか、などとバチ当たりなことを考えたり。

S modelの新しいレジンキットのほうはどれだけマシになっているんだろう……。

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ポルスキ・フィアット508(3)

20100326_01 操縦席周りの工作。どうせキャビンを閉じてしまうので窓からそれらしく見えればいいや、という気持ちでいるため、インパネはキットのとろけたようなモールドのものをそのまま使用。

ハンドルはキットのレジンパーツ。ステアリングシャフトは真鍮線。

ペダルもキットにパーツが入っていたが、型ズレや気泡があったのでランナーで作り直した。シフトレバーも本来はキットにパーツが入っているはずで、実際、電話線施設車のキットには入っていたのだが、このピックアップと無線車には見当たらない。謎。仕方ないので伸ばしランナーで工作。サイドブレーキもエッチングの切れ端と伸ばしランナーで作った。

スペアタイヤが納まるフェンダーの窪みも、そのままではタイヤがはまらないので若干削ってみたり、細かい作業をちまちま重ねているので一向に形が進化しない。

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ポルスキ・フィアット508(2)

●ボルスキ・フィアット508III救急車の製作、遅々として進まず。というより一部後ずさり?

100324_01先日折ってしまって修復して取り付けたフロントアクスルだが、ステアリングナックル&ブレーキディスク(と言い切るほどのディテールがあるわけではないが)を付けると車輪が車幅をオーバーしてしまうことが判明。いや、そんなことは最初に計って確認しろって!>オレ。

まさかそこまで寸法がいい加減だとは思わなかったというのもあるが、とにかくもう付けてしまったものは仕方ないので、軸部分をギリギリ切り詰め、ブレーキディスクはプラバンでもっと薄いものを作ろうかなどと考えつつ、コリコリと削っていたら、力余ってまたまた折れてしまった。それじゃついでにスプリングから外してしまおうなどと思ったら、さらに折れてご覧のような有様に。

ここまで折れても、先日真鍮板で補強して継ぎ直した部分はそのままだった。ふっ。オレの工作は正しかったぜっ!

100324_03 などと負け惜しみを言っても、さすがにもうこのパーツは使いようがなく、結局左右幅を縮めたパーツを新造することにした。強度を考え、形に曲げた真鍮線をアンコに上下をプラバン細切りで挟み、瞬着で固めてナンチャッテH形に。左右連結のロッドも真鍮線で造った。

今回はまだスプリングには取り付けず、写真はただ上に乗っけてあるだけ。

なお、キットではスプリングの横、シャーシフレームにダンパーだかショックアブソーバーだか、形状的にどうも謎な小レジンパーツを取り付けるよう指示されているのだが、たとえばこのあたりの写真を見ても写っていないので、どう付けていいのかいまいちよく判らない。マフラーのレジンパーツも入っているが、その位置も謎。ただし先の写真で、ボディ横のステップと接続するらしき肋材の片方が窪んでいるので(写真左側やや上)、ここにマフラーがはまり込むのではないかと思う。キットはその位置、ペッタンコだよ……。

100324_04 ●話は前後するが、キットの袋に入っている安っぽいラベルはこんな感じ。繰り返しになるが、同じS MODELでも現行のキットはおそらく全レジンキットで、キット完成品の写真が表の箱入りで売られていたと思う。

ポルスキ・フィアット508シリーズのホイールには種類があって、この絵では細かくスポーク状に穴の開いたものを履いていて、キットにもその形のレジンパーツが入っているのだが、実際には、当時の実車写真だと、救急車型は穴なしのホイールを使っている。このキットと一緒に買ってストックしてある無線車型と電話線敷設車型には、その穴なしのほうのホイールのパーツが入っていて、「この先一生の間に、このシリーズをあと2つも3つも作る力が自分にあるのか?」と思うと、そちらからコンバートしてきて使う誘惑にもかられ中。

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ポルスキ・フィアット508

●先日も書いたように、週末模型親父さんのところのトラック祭に、枯れ木も山の云々でエントリーしており、そのネタのポルスキ・フィアット508IIIピックアップ・タイプを製作中。

●実車はイタリアのフィアット508バリッラのポーランドライセンス生産型で、オープンのコマンドカー型やヴァン型の無線車、ピックアップ型など各種が軍用にも使われている。

キットは自国ポーランドのS MODEL製で、以前作った同社製URSUS A型トラックと同じバキュームフォームキット。小物はレジンパーツが付属している。ただし、現在S MODELから出ているポルスキ・フィアット508シリーズ各キットは、先日も書いたように全レジンキットに代替されているらしく、というわけで、以下は製作記としてもキットレビューとしても役に立たないことをまずお断りしておきたい。

20100317_01 バキュームフォームキットは、右のようにプラバンに埋まった形でパーツが成型してあり(写真はイメージです)、特に飛行機キットではいろいろな種類が出ていたが、今はガレージキットの主流はレジンになったのでだいぶ少なくなった。陸モノでは20年以上前のAFVモデル冬の時代にドイツのシュミット製のバキュームがずいぶん出たが、ひどくお粗末な出来だった。

とはいえ、主翼や胴体など、広い部分でプラバンの厚みを丁寧にそぎ落として貼り合わせる部分が多い飛行機に比べれば陸モノはましで、キットの出来さえよければ、曲面部が多く肉薄で華奢なソフトスキンには比較的向いている方式ではないかと思う。

●と書いたものの、このS MODEL製ポルスキ・フィアットのバキューム版は、同社キットとして最初期のもので、レジンの小物パーツが付いている分、かつてのシュミットあたりより大分ましではあるものの、難物キットであるのは間違いない(それに比べると、URSUSトラックははるかに優れたキットだった)。

20100314_03 まずは切り抜いてある程度仮組みしてみた車体前部。車体床部は、同社製ポルスキ・フィアット508シリーズ共通のもので、ピックアップ・トラック型の場合は、後半を切り落として荷台と繋ぐよう指示されているが、切り離し個所は曖昧。

ラジエーターグリルは一応レジンパーツが入っている。ボンネットのルーバーはヨレヨレ。それ以前に、フェンダーと一体の床パーツとの整合があまりよくなく、なお調整が必要。もっと問題なのは、一体のフェンダーが左右で微妙に長さが違う……。いっそ片方ねじ曲げてダメージ表現で誤魔化すか?

シートの高さもパーツ状態ではよく判らず、そもそもキットのように左右一体でいいのかどうかもよく判らない。一応、コマンドカータイプの実車写真から、前部シートはほとんど体育座りのような格好になるほど低いようだということは判明。

20100318_02 ●シャーシはブリキのおもちゃの車ほどのプリミティブな出来だが、ひっくり返さない限り判らないので、キットパーツを使用することにした。

これにレジンのサス周りなどを付けていくが、取付個所はやはり曖昧。リアアクスルは、組立説明図ではスプリングの下に取り付けるよう指示されているが、それでは「人が乗っていない2CVか!?」くらい尻上がりな格好になってしまうはず。添付の図面ではスプリング下辺は車軸より下にあり、そこで車軸はスプリングの上を通した。復元中の508実車写真を見ると、もう一組リーフスプリングがあり、2本のスプリングの間を車軸が通っている(全てのタイプがそうだったのかどうかは判らないが)。

なお、キットはでは車内側の床面にはドライブシャフト用の凸があるのに、シャーシ底面はフラット。当然、そのままではドライブシャフトが付かないので、中央を切り欠いた。

エンジン部分はフレーム内側を一部くりぬいた。写真でわずかに見える、エンジン上部らしきものとラジエータらしきものは、横から見たときにタイヤ越しに向こう側が筒抜けに見えてしまわないようにゴマカシで付けた物。

フロントアクスルはパーツ整形時に、片方の屈曲部で折ってしまった。基本的に車輪を支えるのはこのパーツだけなのでガックリしたが、下辺を真鍮板で補強して継ぎ直した(写真で向こう側に少し見える)。

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