ことばあそび

葉山の丸ポスト

「ほーみたいっ(hold me tight)! 大阪ベイ・ブルース」(悲しい色やね)

という歌詞を、タイガースの四番打者か何かを歌っているのではないか(要するに「浪花のモーツァルト」とかそんな感じ)と思っている人は意外にいそうだが、

「大阪の街よーすてん」(大阪で生まれた女)

というのを、大阪版のヤン・ヨーステンのことだと思う人は、さすがにいない気がする(仮にいても、かなり変な人だと思う)。

●などという愚にもつかないことを考えながら、隣町ながらなかなか足を踏み入れない葉山を散歩してきた(5日)。家に閉じこもっていても午後は特に暑いこと(かといって流石に冷房を入れるには早い気がしていること)、梅雨で閉じ込められないうちになるべく歩いておこうと思ったことなどがきっかけ。

目的は葉山町内に残った丸ポストの探訪。

我が町逗子の丸ポストは、以前に

逗子の丸ポスト
続・逗子の丸ポスト

に書いたように、現在、たった4基しか残っていない。それに対し、葉山町内の丸ポストは、常々頼りにしている「ポストマップ」によれば、倍以上の9基ある。鎌倉市内現役30基に比べると少ないが、比較的頑張っているほうではないかと思う。それでも、今後減ることはあっても増えることはまずないので、今のうちに見ておきたいと思った次第。

逗子駅前からバスに乗り、「森戸神社」で下車。バス停すぐ近くの1基を皮切りに、海岸沿いを歩き、葉山の街の真ん中に居座っている感じの「大峰山」を巻くように歩く。

とりあえずこの日は、全9基中7基を撮って、8基目撃(最後の1基はバスの中から見た)。全部回らなかったのは、(出発が遅かったので)日が暮れてきたためと、スマホのバッテリーが切れたため。

▼葉山町堀内1047(ポスト番号121)。

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県道207号森戸海岸線沿い、「森戸神社」バス停すぐそば。昔は後ろに商店か何かあったらしいが、現在は空き地の前にぽつんと立っている(数年前までは廃屋をふさいだ板から前面だけ覗いているという珍奇な姿だったようだ)。

後ろの土地に何ができるかにもよるが、場合によっては撤去されてしまうかもしれない。先行きがちょっと心配な一基。

海岸通り沿いで傷みが早いのか、塗装はボロボロで、塗替えが必要な感じ。

▼葉山町一色1657(ポスト番号240123。ポスト番号は3桁のものと、管轄の郵便局番号(郵便番号)の240付きのものとが混在しているが、そのポストに貼られたカードに準拠した)。

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同じく県道207号沿い、県立近代美術館葉山そば。何年か前に写真に撮って当「かばぶ」に載せたものと同じだが(その時の記事)、その時とはなぜか向きが変わっている。

後ろの「赤いポスト」の看板を見ても、後ろの商店の顔として大事にされている感はあるが、しかし肝心の商店は今も営業しているのだろうか?(前回訪問時も今回も閉まっていた)

6/9追記。本日、バスで前を通った時にちらりと見たら、後ろの商店が営業中だった。重畳重畳。)

▼葉山町一色2095(ポスト番号240124)。

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1つ前のポストよりもさらに御用邸寄り。県道207号からちょっと引っ込んだところにあるので、地図で確認しないと見つけにくそう。「ポストマップ」によれば、後ろの建物は元郵便局(葉山一色局)だったらしい。

ポスト裏の鋳造マークは、製造年だけ読める(ちなみにこの前の2つに関しては、ポスト番号121はボロボロで、ポスト番号240123は向きの関係で隠れていて確認できず)。

▼葉山町一色1818(ポスト番号240129)。

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御用邸前T字路を曲がって国道134号沿い、セブンイレブン葉山一色店前。丸ポストといえば古くからの商店(もしくは元商店)前というイメージで、コンビニ前というのはちょっと珍しいかも。あるいは古くからの商店がコンビニに転業して、ポストはそのまま残されたものか? それとも(至近に「旧役場前」というバス停があるが)ここって元の葉山町役場跡地?

▼葉山町一色1222(ポスト番号131)。

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国道134号から、「葉山大道」交差点で県道27号横須賀葉山線に折れる。このポストは葉山町立一色小学校から県道を隔てて反対側、住宅地にちょっと入ったところにあり、ポスト番号240124よりもさらに見付けづらい。

現在は後ろは見たところ全く普通の民家だが、元商店だったらしい。

▼葉山町一色692-2(ポスト番号240102)。

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県道27号沿い。葉山郵便局先、ハックドラッグ葉山一色店向かい。裏面の銘は、最初の2文字(昭和)はなんとか読めるが、その後はよく判らない。

▼葉山町堀内1825(ポスト番号240108)。

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再び国道134号に戻り、逗子方面に歩いて葉山町役場を過ぎてさらに先。向原交差点脇。アジサイの隣に鎮座しており、ロケーション的には鎌倉・力餅屋隣と近い。

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忖度

●21日、打ち合わせ・取材で自由が丘。渋谷方面に出るために時々通過するが、降りるのは10年、20年ぶり、あるいはもっと。

もちろん車窓から見て変化しているのは判るが、改めて改札を出て、私の知っている「自由が丘」の面影がほとんどなくて狼狽える。同行のN女史に「でもトポロジー的には一緒ですよ」と(理系らしい)コメントを頂いたが。

駅前ロータリーからちょっと曲がったところに、昔は「おもちゃのマミー」という(その名の通り)おもちゃ屋があって、確かその2階が、その当時としては珍しい、割と規模の大きい模型専門コーナーだった(はず)。ミリタリー関係の現物資料なんてほとんどなかった時代、「グラフィック第二次世界大戦アクション」をここで買ったような気がする。

さすがにもうないんだなあと思ったが、帰宅してからネットで検索してみたら、移転したものの自由が丘に現存していた。自由が丘で開店して50年だそうだ(1967年創業)。交差した東急2線の対角(って言わないかな?)方面に移っているらしい。でもスケールモデルは扱ってなさそうだな……。

●去年あたりにわかに流行った気がする「忖度」という言葉。これに関し、

実はドイツ語のsonntag(日曜日)が語源。

というウソ説を広めたい野望を持っているのだが(要するに「博多どんたく」的な)、そのもっともらしい理由がでっち上げられない(というのを、打ち合わせ中に「忖度」という言葉が出てきたので、改めて思い出す)。

ちなみにsonntagは、標準ドイツ語では「ゾンターク」だが、南ドイツだと「ソンターク」になるようなので、当然、「忖度」の元になった逸話の主人公は南ドイツ人だ。

●テレビを見る習慣をなくしているためもあって、平昌オリンピックも結局ほとんど見なかった。

ニュースで写ったカーリングを見て、改めて「よくわからんスポーツだな」と思ったはずみにやはり謎スポーツである「ホルヌッセン」を思い出し、非常に久しぶりに(ホルヌッセンが出て来る)「もやしもん」第一巻を読み直す。初登場時の樹先生はだいぶ痩せてるなあ、とか、連載開始時、作品名自体が流動的だったのだなあ、とかを再確認。

ちなみにwikipediaを読んで知ったのだが、「ホルヌッセン」という名前は、「ホルヌッス(Hornuss=スズメバチ)」に由来するそうで、AFVマニアであればお馴染みの「ホルニッセ」と名前上は親戚ということになる(しかし、となると、ホルヌッス=スズメバチって何語だ?)。

もっともドイツ語版を見ると、用語「ホルヌス(Hornuss)」は語幹「角(horn)」からの派生などと書いてあるような。よくわからん!

●24日土曜日から、名越切通途中にある「まんだら堂やぐら群」が春の限定公開中。

年に数回公開されるまんだら堂やぐら群だが、どうも来年はこの季節に公開されるかどうかは怪しいそうで、「梅にやぐら」の取り合わせはこの先当分見られないかもしれない(とはいっても、別に梅の名所などではなく、平場に梅の木が1本生えているだけだが)。

というわけで(以前にも同じ取り合わせの写真をUPしている気がはするが)、公開2日目、25日日曜日に撮った写真を何枚か。

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●今季2度目のふきのとうの収穫。今回は茹でてオリーブオイル和えで食べた。

20180218_161825 ●先日来、週末ごとに作業員が来て我が家近くの斜面の木々を伐採中。最初は道路や電線にかかりそうな枝を落としているだけなのかと思ったが、安全策および片付けの便か何かで、細切れで伐採を進めていたいたようで、現在は写真のような姿。右の切り株はケヤキ、左は椎の木(スダジイ)。

現時点で残っている幹も、この先さらに伐り進めることになるのかどうかはよく判らない。

左のスダジイは、ここ数年、秋になると椎の実を採って食べていた木なのだが、仮にこの幹と、そこから一本だけ出ている枝が残ったとしても、さすがにもうドングリは採れそうにない。山際に建っている家々を北風から守って来た木々でもある。惜しいことをした。

もともと逗子・鎌倉周辺の急斜面は(地盤が柔らかいこともあって)崩落の危険性が高く、この斜面についても行く行くはコンクリートで固める計画があると聞いたような気もする。

実際、逗子・鎌倉では、今現在もあちこちでコンクリート擁壁工事が進んでいる。やはり我が家の近所である、亀ケ岡団地から降りる「一の沢」および披露山入口周囲の崖面も、何年か前に「コンクリート詰め」になったが、その代わり、毎初夏に見た目と香りで楽しませてくれたヤマユリの群生は潰されてしまった。

もちろん、人の生命・財産を守るためということであれば、対策工事に反対する気はさらさらないのだが、「もうちょっと何とかならんのか」といつも思う。

●やはり先日来、逗子海岸の整備か何かで、砂浜をコマツのクローラダンプがきゅるきゅると走り回っている。車体上部はそのまま全体が回転して向きを変えられる素敵ギミック付き。

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ハマボッス

●「アルミサッシとサルミアッキくらい違う」というののバリエーションで「シーケンサーとシークァーサーくらい違う」というのを不意に思いついたのだが、やはり使いどころがなさそう。

F1014037 ●ハチミツのボトルに何も絵がないのは寂しいからと、我が家の6歳児がミツバチの絵でデコレーションを施した。

「この配色はミツバチじゃない! これはむしろコマルハナバチのオスだ!(ビシッ!)」とは言わない。大人だからね。

●市立図書館の年内開館が28日までだったので、郷土資料の閲覧ついでに、特に必然性もなくクマムシの本(岩波科学ライブラリー122 「クマムシ!? 小さな怪物」 鈴木忠著)を借りてくる。

本を開いて1行目に、

「この本は、クマムシについて日本語で書かれた一般向けの本としては最初のものになる。」

と書かれている。ちょっとワクワクするね(……そうか?)。

F1014078 ●29日。(いつものことだが)ちょっとマイナーな鎌倉散策。

名越切通を、ハイランド方面に折れるのではなく、久々にストレートに大町に降りて駅前まで歩く。名越坂踏切脇の公園の河津桜に、ひとつだけ紅く膨らんだつぼみが付いていた。

F1014075 F1014074 鎌倉駅近く、濃厚に闇市的雰囲気を残す丸七商店街の中にある牛乳の自販機でコーヒー牛乳を立ち飲み。以前から通りかかるたびに、一度は飲んでみなきゃなあ、などと思っていたもの。さすがに丸い紙フタの牛乳瓶ではないが、それでもガラス瓶入りというだけで、なんとなくレトロに感じる。

小町通りの脇道に新しく出来た店、バインミー・カフェ「TapHop」に行き、チキンのバインミーをテイクアウト。バインミー各種、ひとつ780円はちょっとお高いが、お店のサイトに300円引きのクーポンがあって、それをプリントして持って行った。

F1014069 肉のサンドイッチ、というよりは猛烈に野菜テンコ盛りで、しかも思ったよりジューシー。パクチーも効いていて美味。うーん。クーポンなしでも500円切るくらいなら何度でも食べたいがなあ。

ちなみに、海岸に行って風景でも見ながら食べようかなどと思っていたのだが、よく考えてみるまでもなく、逗子・鎌倉で海辺で何か食べるのは自滅行為だ(トンビに襲撃される)。というわけで、江ノ電の稲村ケ崎のホームのベンチで頂いた。

稲村ケ崎駅前の食料品屋で、今年も地場産ぎんなんを買う。お店で「去年よりも大粒ですね!」なんて言ったのだが、1年前の記事を見たら、「昨年よりちょっと大粒な気がする」と書いてあった。アテにならねえなオレの記憶!

大入り500gで、値段は昨年と同じ380円(税別)。一冬もつくらいの量がある。江ノ電の交通費まで入れてしまえば特にお得ではないのだが、一応「散歩がてら」の名目なのでいいのさ。

F1014061 F1014060 稲村ケ崎では、きっとハマボッスが綺麗に色付いているだろうと思ったのだが、ほとんど緑のままだった。一部色付いているところが、この程度。昨年同時期に比べるとだいぶ差がある。やはり暖冬のせいだろうか。もっと冷たい潮風に当たらないとだめらしい。

極楽寺坂切通を通って長谷まで歩き、再び江ノ電で鎌倉駅前まで戻る。初めて、facebookの鎌倉ニュースグループでしばしば話題に上る「ウテシ専用長谷液」を見る。

ウテシ=運転士で、要は窓拭き用の洗剤。ラベルに折々メッセージが書かれているのだが、今日見たそれは、

「大晦日は、終夜運転実施します。(中略) 過酷な労働で、年を越します(笑)」

だった。……ご苦労さんです。

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侃々諤々

侃侃諤諤/侃々諤々【かんかん・がくがく】 (形容動詞語幹)

活発に議論するさま。

「侃」は見た目の通り、タコを表す象形に人偏を添えた典型的な会意文字で「火星人」を意味する。「諤」は青木先生によれば火星言語だそーだ。

というわけで、侃々諤々とは本来、火星人が寄り集まって何やら主張し合っている様子を示し、転じて活発な議論を行うこと自体を表す。そもそも火星人が何を話し合っているのかを知りたいものだが、筆者は惜しいことに火星人に会ったことも火星語を学んだこともないのでよく判らない。

《用例》

木曜日、仕事仲間のM君が幹事で、有楽町にて暑気払いを名目とした飲み会。大阪の食文化やらアサガオのツル恐怖症やら福島弁やら家庭菜園やらオタクな趣味あれこれやらについて侃々諤々。

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にっちもさっちも

【にっち・も・さっちも】 (副)

「ニッチ(niche)」は主に装飾的な目的で作られた壁の窪みであり、現在ではほんの小さな空間の意味で「ニッチな市場」といった比喩的表現にも使われる。

「さっちも」はもちろん、ジャズ界の巨星ルイ・“サッチモ”・アームストロング(Louis D. Armstrong、1901-1971、“Satchmo”は愛称)その人のことであり、つまり、「にっちもさっちも」は、ほんの小さな窪みに、恰幅のいいルイ・アームストロングがはまり込んでしまい、身動きが取れない状態を示す。したがって本来は「ニッチサッチモ」であるが、押韻による語呂のよさから「にっちさっちも」で定着したものと思われる。

ルイ・アームストロングともあろう人が、いかなる意図をもってわざわざ狭い隙間に入ろうとしたのは定かではないが、氏の嗄れ声では助けを求めてもなかなか気付いてもらえず、窪みにはまり込んだままトランペットを吹き鳴らし救出を待ったことも充分に考えられる。

《用例》

すみません、仕事がにっちもさっちもいかない状態なんでいい加減なことを書いてますが信用しないで下さい。

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