製作記・レビュー

最近の買い物

20191017_132803 ●恒例の季節労働で、最近はだいたい週一ペースで神保町へ行く。

せっかくの機会なので、最近できた、書泉グランデ並びの蘭州牛肉麵の店で食べたり、ティーヌンでトムヤムラーメンを食べたり、久しぶりに「スヰートボーヅ」で餃子を食べたり。久しぶりなので、ちょっと羽目を外して餃子増量の「中定食」を食べてしまったことであるよ。

●食べ物と言えば。

めがーぬさんに、「ファミマのプレミアム肉まんは蓬莱の豚まんによく似ている」と教えて貰って以来、密かにお気に入りにしていたのだが、商品ラインナップのリニューアルで、なくなってしまったらしい。「上位種」の肉まんが「黒豚まん」に変わっていた。蓬莱の豚まんに匹敵し得るかどうかは……最近蓬莱の豚まんを食っていないので、なお検証の要あり。

●最近の模型方面の買い物。

20191025_230412 (1).秋葉原のYSで、特価品のコーナーにズベズダのSU-85が税込み2400円で出ていて思わず購入。ズベズダの新しいT-34シリーズの購入は初(旧シリーズはいくつか持っていて、いまさらどうしよう状態)。

SUに関しては、その昔、タミヤのSU-122を(その当時としては結構気合を入れて)作り、さらに前世紀のぎりぎり末期にドラゴンのSU-85Mを作った(リンクはそれぞれ「T-34 maniacs」内の製作記事)。

後者もかなり頑張って考証・工作したつもりなのだが、今の目で見ると、だいぶ間違いも多い――のだが、その後かなり詳しく判ってきた細かい時期別の仕様の変遷等に関してはほとんどフォローしていないので、私が自信を持ってどうこう言えることはほとんどない。というわけで、詳しくはセータ☆さんのレビューを参照のこと(丸投げ)。

20191025_230639 (2).MENGのルノーFTの誘導輪・起動輪パーツ(1輌分)。

古いRPMのキットは捨てるには惜しいが、誘導輪が戦間期の仏製改修型しか入っていないのはちょっと困りもの(つまりそのままでは、第二次大戦のフランス軍か、ドイツ軍鹵獲仕様くらいしか作れない)。このパーツ枝には、新旧2種類の誘導輪が入っている(改修型を作る場合もこちらのパーツを使った方がシャープ)。

なお、MENGのキット自体も、初版に入っていた起動輪は木組みの三角部分が窪んだ変な表現になっていたので、それを修正する際にもこのパーツは有用(私が買ったキットはすでに修正されていた)。

細いリーフスプリングのパーツも入っていて、wz.34装甲車に流用できないかな……などと、ちょっとスケベ心もあったのだが、こちらはサイズにだいぶ差があって無理だった。

20191025_230536 (3).ドラゴンのII号戦車A型のパーツ小枝詰め合わせ。

いちばん上の一番小さい枝に入っている対空機銃架に惹かれて買ったもの。この車体側面に付く対空機銃架は、初期のII号戦車に時々見られるものなのだが(全車に装備ではないらしい)、タミヤのII号戦車(A~C型)には入っていない。

デフケースはボルト取り用かなー。

20191025_230555 (4).ドラゴンのT-34初期型用サスアーム。

サイバーの(悪名高い)STZ仕様発売の際に新規にパーツ化されたもの。一緒に入っているSTZ仕様の起動輪・誘導輪はさすがにもう用事がない(はずだ)が、丸断面の初期型サスアームは1940年型、1941年型を作る際に必要で、確か手持ちのキットで融通しあっても足りなかったはず。

バラ売りで手に入ったのはちょっと嬉しい。

●数回前の記事への、めがーぬさんからのコメントで初めて知ったこと。タミヤからなんと! ルノーR35が発売になるらしい。ホビーボスのキットを(だいぶ我慢した挙句に)ちょっと前に買ってしまったところなのだが、それでもやっぱり嬉しい。

いら、でもその前にエレール・ベースのVanatorul de care R-35を成仏させてやらねばいかんのでは……。

20191020_212518 ●ついに!

小野不由美「十二国記」の新作が刊行された。題名は「白銀の墟 玄の月」(……このシリーズは「**の* **の*」という題名がやけに多くて非常に紛らわしく、今回のこの題名も覚えられそうにない)。全4巻で、前半2巻が今月発売、後半2巻が来月発売。

それはそれとして、腰巻の文句によれば、「18年ぶりの書下ろし」だそうだ。え……。「華胥の幽夢」から、もうそんなに経ってたの?

尻切れトンボのまま終わっていた泰国の話の続き、ということだけは知っているが、買っただけでまだ読み始めていない。仕事が紛糾状態のところでこれを読み始めてしまったらとんでもないことになりそうなので、とりあえず今の山場を抜けてから読み始めようと思う。うずうず。

●近所を走っている京急バスの車内で、「些細なことで救急車呼ぶなよ!(大意)」キャンペーンの公共広告の車内放送が流れるのだが、その中の一文、

「救急車は限りある資源です」

――というのが、聞くたびにちょっと引っかかる。いや、広義には資源なのかもしれないけれど。

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1897年式75mm野砲 IBG 1:35

20191001_100524 ●先日購入した、IBG 1:35 「75mm Field Gun Mle 1897 Polish Forces in the West」(IBG 35057)の簡単なレビュー。

前回も書いたように、キット名称の「Polish Forces in the West」は、イギリスで再編成された(亡命)ポーランド軍を指すらしい。この仕様自体については後述。今のところ、同社からはバリエーションとして、このポーランド軍仕様の改修型のキットと、フランス軍仕様のゴムタイヤ付き改修型のキット(IBG 35056)の2種が出ている。IBGのこれまでの製品ラインナップ傾向から考えると、この後、木製スポーク車輪付きのオリジナル状態のものや、1939年戦役時のポーランド軍仕様の改修型(フランス軍仕様とは異なるホイール形状の大径ゴムタイヤ付き)なども、ほぼ確実に出るものと思われる。

さすがに対空砲型まで出るかどうかは判らないが、個人的には、ぜひIBGにはハッチャけてもらって、ド・ディオン・ブトンに搭載した対空自走砲まで行って欲しい。無理かなー。

●実物について。

「1897年式75mm砲(Canon de 75 modèle 1897)」は、フランス国営工廠製の野砲で、名称にある通り、登場は第一次大戦前に遡る(実際に正式採用されたのは翌年の1898年だったようだ)。世界初の油気圧式駐退復座機を持った、近代火砲の祖と呼べる砲で、戦車におけるルノーFT、レシプロ戦闘機におけるポリカルポフI-16のような存在(判りにくい例え)。しばしば「シュナイダーの75mm」と呼ばれるが(昔のTOMのキットのように、模型でもその名前で出ていることがある)、これはシュナイダー製であるという誤解に基づくもので正しくない。

第一次大戦ではフランス軍に多数使われたほか、サン・シャモン戦車の搭載砲にもなった(後期型のみ)。アメリカ軍にも供与され、その後、アメリカでは独自の発展も遂げて、M3ハーフトラックに搭載された対戦車自走砲も作られた。M3リーに搭載されたM2 75mm戦車砲もこの砲の流れを汲むものという話もあるが、そちらはどうやらガセらしい。

ポーランドは戦間期に多数を入手、第二次大戦勃発時には1000門を超えるこの砲を保有していたらしい。1939年戦役におけるポーランド軍の本砲に関しては、毎度のことながら、PIBWL military siteを参照のこと。フランス本国でも1940年当時多数が現役で、結果、ドイツ軍もごっそりとこの砲を入手し、以前に私が作った「ぼいて75mm対戦車砲」、PaK97/38に化けることになる。ちなみに私が作ったPaK97/38は、この状態のまま放置されている。しょうがねーなー。

上記の通り、この砲の最大の特徴は「世界初の油気圧式駐退復座機」装備にある。それに付随した、この砲独自の見た目上のポイントが、砲口近くの下側に付いている“エラ”のような突起。PaK97/38作成時に調べて判明したことだが、この突起は、砲身が最大に後退した際、複座レールに入り込むガイドで、模型のパーツを使った解説はPaK97/38作成時の記事を参照して欲しい。ほか、“リボルバー”式の尾栓も、他の砲ではあまり見ないような気がする。砲架はこの時代にはオーソドックスな単脚式。

●キット内容は、プラパーツの枝が5枚と、小さなエッチングシート、デカールが各1枚。カラー印刷8ページの組立説明書。

……というのが私が買ったキットの箱の中身だったのだが、組立説明書には、プラパーツは3種4枚分しか図示されていない。どうも、本来入っているはずのない他バリエーション用のパーツが間違えて紛れ込んでいたらしい。とりあえず、私が買ったキットの中身は以下の通り。

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パーツA(写真1枚目):大きめの枝で、砲の基本パーツ一揃い。一応、それなりのディテールの細かさを持った、今風の火砲のキットという感じ。この砲の1:35インジェクションの先行キットとしてはTOM/RPMのものがあるが、砲身と駐退レールが一体で非常に大味だった同キットよりは格段に優れる。

パーツD(写真2枚目):防盾と照準器。当然ながら、実物はペラペラの鋼板だが、キットのパーツは厚みが0.7mm程度ある。このあたりは、インジェクションキットとしては仕方のない部分といえそう。

パーツG(写真3枚目):このキットの仕様独自の部分で、本来の位置からクランク状に一段低められている車軸と、他の仕様よりも小径のゴムタイヤ。

パーツB(写真4枚目):もともとの木製スポーク車輪や、それと同径のゴムタイヤ用の車軸、ブレーキ、ブレーキ用ロッドなどなど。一部使う部品があってセットされているのかと思ったが、どうやら単純に入れ間違いだったらしい。

エッチング&デカール(写真5枚目):デカールは個別の砲の愛称?と思われる女性名が3種。説明書の塗装解説によれば、1942年英本土、ポーランド第一装甲師団第一機械化砲兵連隊。

説明書(写真6枚目):組立の図説は割と細かくステップ分けされていて、それなりに判りやすそうな感じ。

●細部について少々。

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砲身は(砲口部分を除いて)PaK97/38と同じだが、イタレリでも無視されていた、砲尾部分の左右非対称がちゃんと表現されていて好感が持てる。砲尾は右下部分が左下に比べ余計に外側に膨らんでいる(オレンジ矢印部分)。

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防盾上端には、細かいリベットが並んでいる。キットのパーツは表側(左)も裏側(右)も同じ表現で、そもそもこのリベット列が何のためにあるのかもわからない具合になっているが、実際には、このリベット列は防盾裏側に細いL字材を止めるためのもの。もしもどこからか、このキット用のエッチングのアフターパーツが出るようなことがあればセットされそうだが、出るかなあ……。

また、表側の中央に縦に帯材がモールドしてあって、中央にリベット列がある。しかし実際には、この帯材は、左右分割された防盾の隙間をカバーするため、右側防盾にリベット止めされたものなので、当然ながら、リベット列もそちら側に(表側から見れば左側に)寄っていなければおかしい。

なお、キットは砲本体だけで、砲弾も弾薬箱もセットされていない。個人的には、弾薬リンバーも追加でキット化して欲しいところ。

●前回書いたように、私は「ポーランド」という単語だけに反応して、1939年戦役時のものだと思い込んで買ってしまったのだが、それはそれとして、この「亡命ポーランド軍仕様」というのが、(前回、hn-nhさんにもコメントで聞かれたのだが)いまひとつよく判らない。

キットの説明書は上記のように組立説明は丁寧だが、砲自体の解説は一切なく、手掛かりは塗装図の「1942年英本土、ポーランド第一装甲師団第一機械化砲兵連隊」しかない。

もちろん、ポーランド本国から持って逃げたわけはなく、フランス軍下で再編成されたポーランド軍は本砲を使っていそうだが、それもまた、ダンケルクから持って逃げる余裕があったとは思えない。

PIBWL military siteも1939年より後のことには触れていないのではっきりしたことは判らないのだが、英語版wikipediaの「Canon de 75 modèle 1897」の項に若干のヒントがあった。

これによれば、イギリスは第一次大戦時、対空砲仕様の本砲をフランスから購入、また通常型(?)の本砲も追加で輸入したが、これもまた対空砲架に載せた仕様に改装されたらしい。というわけで、これが亡命ポーランド軍に渡った可能性はなさそう。しかし1940年、ダンケルクで大量の装備を失った穴埋めに、アメリカから1897年式75mm野砲を、ある程度まとまった数(wikipediaによれば895門)、輸入したらしい。ただし、アメリカ製の本砲は、1930年代にほとんどが開脚砲架付きに改修されたようなことが「US Service」の段に書かれているし、そもそもアメリカ製の砲は、後期の型は(M3自走砲に見られるように)外観自体が大きく違うので、「1940年にイギリスが買った」ものが、ほぼオリジナルのままだったのかどうか、という疑問もないわけではない。が、とりあえず現時点では、

「イギリスがダンケルクの損失を補う目的でアメリカから購入した旧式砲を、亡命ポーランド軍の装備として一定量下げ渡した」

という可能性が最も高そう。独特の小径タイヤに関しては、(1).アメリカにおける改修、(2).イギリスにおける改修、(3).自由ポーランド軍独自の改修、という3つの可能性があるが、とにかく現時点では情報が少なすぎて何とも言えない。

なお、この仕様の本砲に関しては、あれこれ検索した結果、IWM(Imperial War Museum)由来の写真をようやく一枚見つけることができた。wikimedia commonsより引用。

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牽引車の後面に掲げられた「PL」で、イギリス軍下のポーランド軍であることが判る。キャプションによれば、キットの塗装例と同じく第一機械化砲兵連隊の所属。時期はキットの塗装例より若干早く1941年、スコットランドのセント・アンドリュース近郊における撮影。牽引車はモーリスC8 FATであるらしい。

というわけで、由来はどうあれこの仕様の砲が実在することは確認できたが、補給等々の問題を考えても、ノルマンディ上陸以降の実戦では25ポンド砲あたりが使われて、この砲はイギリス本土での訓練用だけだったのではないか、という気がする。

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鎌倉の狸

●23日月曜日、夜に散歩に出たら、鎌倉の鶴岡八幡宮の横手で、タヌキに遭遇した。以前に近所でタヌキかアライグマか(とっさのことで判断できなかった)に遭った時には慌ててしまって写真も撮れなかったが、今回は(ボケボケではあるものの)2枚撮影できた。前足の肩の部分が黒いこと、しっぽがシマシマでないことなどから、アライグマではなくてタヌキであろうことがわかる。

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なお、1,2カ月前だったか、逗子海岸沿いのファミレスの入り口で、弱ったタヌキが行き倒れていて保護されたことがある(という写真と話が、facebookの逗子のニュースグループに上がっていた)。

●9月最後の週末。28日土曜日、久々にお誘いがあり、nifty模型フォーラム以来の友人である赤板、でんでん両氏と川崎で大いに飲む。といっても、5時半から飲み始めて、9時前には解散。なんと優等生的な。

赤板氏は相変わらず、縦横の寸法が近付くほどに膨れていて、(人のことは言えないが)食生活につき厳しく指導。

「でんの野郎にもいつも言われてて、いったいあいつはオレのおふくろなのかと」

とブツブツ言っていたが、そこまでいつも言われているならなんとかせれ。いきなり倒れられたりするとこっちも精神的にきついんだよ。

脂っこいものばかり食っていそうな“腹丁”青木先生も少々心配だ。つい先日、関西AFVの会は無事に開催されていたようなので、元気でいるのだとは思うが。

なお、一時模型から遠ざかっていたでんでん氏は、最近また少々飛行機を作っているそうだ。

20190921_101024 ●グムカの高田さんがズリーニィの資料本を出すという話は昨年の東京AFVの会の時にだったか、聞いていて、「これは出たら当然買わねば」と思っていたのだが、うかうかしているうちに、夏の初めにはとっくに出ていたらしい。秋葉原でなら売っているかな?などとも思ったが、買い逃すと残念なので、グムカに直接通販を申し込んだ。

頼んでから数日のうちに届いた(先週末)。買い逃さずに済んでよかった……。

タイトルは「ハンガリー陸軍40/43M 10.5cm突撃榴弾砲ズリーニィ」。ソフトカバー、B5版で、表紙を除き全74ページの薄手の本だが、小国の国産車輛のモノグラフとしては充分だろうと思う。そもそも、ズリーニィに関する日本語で読めるまとまった資料と言えば、これまでは、「アーマーモデリング」発刊間もない頃の東欧小国特集(Vol.5 枢軸国の機甲部隊)くらいしかなく(当然、現在では入手難)、それを大きく上回る内容の本書の発売は非常に有り難いところ。

中身に関しては、おおよそ下写真の目次にある通り。若干のカラー塗装図に続いて、現存実車(クビンカ)のカラー内部写真、実車の開発史と戦史、ディテール解説。これら記事は現地の研究者によるものの翻訳。続いては、クビンカの実車の外回りのwalkaround写真。以前、やはり高田さんが出版された「クビンカ フォトアルバム Vol.1」に掲載された写真と同じ時に撮影されたものか。掲載写真に重なりがあるかどうかは、「クビンカ フォトアルバム」がパッと出てこなかったので未確認。続いては、実車の大戦時の記録写真(生産ロット別)。試作のみの対戦車型「ズリーニィI」についても巻末で軽く触れられている。

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なお、同書の現存実車のディテール写真と、そのキャプションに出ているのだが、ズリーニィの戦闘室上面とハッチには、数カ所、謎の小穴があるそうだ。現状、何の用途なのかは謎で、現地研究者の推測は「製造時に必要な何かの仮設用の穴では」というもの。高田さんの推測は「車内の明り取りの穴ではないか」。

もちろん用途に関して野次馬的興味は大いにあるものの、模型的に大事なのは「実車がどういう形状をしていて、それを模型にどう反映するか」ということになる。しかしそこで問題なのは、「ではこの穴は本当に、戦時中の実車にもあったのか」ということ。戦時中の実車写真では、当該箇所に本当に穴があるかどうか確かめられるような、鮮明なクローズアップが見当たらない。

もしかしたら、(先の「製造時に必要な何かの仮設用の穴では」説に通じるものもあるが)鹵獲後にソ連側で何かを取り付けるために開けた穴である可能性もあるかもしれない。……と思うと、模型に反映するかどうか、ちょっとためらってしまう。

いや、戦時中実車でも確認できるよ、コレに写ってるよ、というようなアテがおありの方は、ぜひご教示いただきたい。

●タミヤから38(t)が35で発売されるそうだ。38(t)ベースのマーダーが発売された時から、いずれは出すだろうと思っていたが、ついに。

タミヤなら当然そうだろうなあ、という選択のE/F型。個人的にはフランス戦で使えるB/C型がよかったなあ、という気もするが、フランス戦時の38(t)はリブの多い初期型履帯を履いているのが普通のようだし、タミヤはそこまでしそうにはない。

他に楽しみにしている新製品としては、IBGの75mm mle.1897野砲。web上には中身の写真なども上がっているので、実際にはもう発売されているのかもしれないが、今のところ私は店頭では見たことがない。

たぶん買わないとは思うけれど、「おおおおお」とびっくりしたのはAMMO/migの1:16、ブレダ20mm搭載I号戦車A型。TAKOMから1:16の(通常タイプの)I号戦車A型が出るそうなので、もしかしたら基本パーツは共通なのかもしれないが、そのへんの関係はよく判らない。

ブロンコのアンシャルドCV35(ハンガリー軍仕様)は、非常に惹かれはするけれども、すでにレジンの改造パーツを持っているのでたぶん買わない。

●MiniartのTACAM T-60は、知らない間にディスク転輪型は発売になっていたらしい。これも買い逃してしまうと嫌だなあ……と思いつつも、同社の場合、最初の製品にはポカがあって、後の製品ではそれが直されているということもあるので、発売時期が遅いもののほうがちょっと安心かもと思い直し、未発売の鋼製リム転輪型をYSで予約して来た。入荷は、消費税増税前には間に合いそうにない。

●先日の台風第15号で崖面が崩落し、通行止めになっていた小坪隧道だが、24日火曜日夕方、ようやく復旧したそうで、バスも通常運行を再開した。ずいぶん長かったが、それでも対策工事が完全に終わったわけではなく、交通は復旧しながらも、工事はまだ断続的に続くようだ。

●前々回に紹介したカヤの実。一週間ほどアク抜きし、その後しばらく乾燥して、炒って食べた。アク抜き直後に炒ったものはまだ針葉樹のヤニ臭い感じがしたが、その後数日しっかり乾燥させたものは香ばしさが増していた。

カヤの実についてweb上で検索すると、「美味い」という意見と「美味しくない」という意見が入り混じって上がっている。昨年、初めて食べた時には香ばしく、これは頑張って採ってきて食べる価値がある!と思ったのだが、今回、最初に食べた時にははっきり言ってちょっとがっかりな味だった。どうも、処理の具合によって味がかなり左右されるのでは、というのが現状における私の想像。

その後、鎌倉の某神社の境内に大量に落ちていたので拾ってきて、現在、第二陣のアク抜き中。そろそろアク抜きを開始して1週間経過。

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●市内某所でクリも拾ってきた。もっとも、台風の影響でしっかり熟さないうちに叩き落されたイガが多かったようで、落ちているのは口の開いていないものばかり。

足で踏んで割ってそれなりに集めてきたが、中身がスカスカな感じのものも多いようで、鍋に水を張って入れてみたら、3分の1程度が浮かんで来た。浮かんだものを中心に茹でた後に焼いて割ってみたが、中身が傷んでいて食べられそうになかった。沈んだほうの中身に期待。

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ほか、近くの寺/神社でぎんなんも拾ってきた。ここ2、3年、いつも目当てにしてい某寺山門脇のイチョウの木は、どういうわけか今年はほとんど実を付けていない。それでも周辺でそれなりに拾うことができた。

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II号戦車b型 THE WORLD AT WAR 1:72 (2)

●前回記事はこちら

キットは、「元号が令和に変わってから、私が初めて買った」もの。クブシュを工作する一方で、こちらも中途半端に形にして、先行の同メーカーのII号a1/a2/a3と並べて見比べたりしていたのだが、ここ最近になって、なんとなく気になって組み上げてしまった。

そのうちこのへんのミニスケールはまとめて塗装したい。

●というわけで、工作完了状態のお披露目。

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前回記事でも書いたが、b型までの特徴、側面の燃料注入口は、a型キット同様、一体モールドで形が潰れてしまっていてみっともないので、ポンチで打ち抜いたプラペーパーと、0.3mmプラバンから削ったヒンジで作り直した。実はここの工作が面倒で、主要パーツだけ組んで放り出してあったというのが真相。

もっとも工作したあとで実車写真をよく見たら、ヒンジの形状がちょっと違っていた(というのがはっきり判るほど工作の精度が高くはないのでそのまま)。また、a型キットでは別部品だった操縦手席右側クラッペも一体モールドだったので、ここも一旦削り落とし、キットの不要パーツで追加工作した。

その他はおおよそ素組み。若干気になった細かな部分は以下の通り。

・同じくIBGが手掛けている「FIRST TO FIGHT」シリーズと違い、こちらは割と細かくOVM具類は別部品化されている。しかし、工具類のパーツには取付ガイドの凸があるのに、フェンダー側は、一部を除いて凹が無い。場所により、フェンダー側に0.5mmのドリルで穴を開けたり、工具側の凸を削り取ったりして対応。

・OVMのうち、右フェンダーに乗るS字シャックル(ワイヤカッター後方)は、a型キットではフェンダーに対し横向きに、このb型キットでは縦向きに付けるよう図示されている。実車でどうなっているか、はっきり写っている写真を見つけられずにちょっとモヤモヤしたが、結局、「フロントバヤ……」のII号戦車の巻に出ていた図を頼りに斜め向きに付けた。

前回記事で書いたように、私の入手したキットでは、砲塔ハッチのダンパーの片側が潰れていたので、削り取って伸ばしランナーで再生した。

・砲塔右側下縁に、わずかにヒケ状の窪みがある(a型キットにもあったので、おそらく金型自体にあるミス)。a型では放置してしまったが、今回はプラ片で埋めて削り直した。

・やはり起動輪はふくらみが足りない感じで、c型以降の標準型起動輪と同じに見える(b型のみふくらみが大きい)。とはいえ、さすがにこの部分は厄介なので放置。

●先行のa型、およびFIRST TO FIGHTのD型と並べて記念撮影してみた。a型の寸詰まり加減が判る。

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戦うプーさん/「クブシュ」Mirage HOBBY 1:35(5)

●Mirage HOBBY 1:35、ポーランド国内軍の簡易装甲車「クブシュ」(”KUBUŚ” - Improwizowany Samochód Pancerny, Powstanie Warszawskie, Siespień 1944)の製作記。相変わらず、じわじわとしか進んでいない。

改めてチェックしてみたら、8月10日は「本物のクブシュの製作がスタートした記念日」だった。いや、だからどうしたって……。

●若干の考証。

そもそも当初は、「なにしろ博物館に実車があるんだから、どれだけネット上で写真が集められるかという問題はあるにしろ、粛々とそのディテールを反映させていけばいい……」などと思っていたのだが、いざ本腰を入れてチェックしていくと、どうもそれでは済まないということがはっきりしてきた。

最初に「えっ?」と思ったきっかけは、キットの説明書の片隅に書かれた一文。

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車体前面スカート・パーツに対する但し書きで、「戦時中の仕様にするなら、先端のトンガリは削り取ってね」くらいの意味だと思う。右写真がキットパーツと、問題の「トンガリ(bevel)」(矢印)。ここは戦時中の写真では不鮮明で、はっきりと確認しづらく、この但し書きがなかったら、そのまま現状を再現していたかも。

これまでにも数度振れているように、他にも、現存実車ではその後のレストアの結果、戦時中の仕様と異なってしまっている箇所があるようだ。ややこしいのは、その「戦時中」にも変化があることで、実車に何がしかの「いじったあと」があったとして、それが、戦後のレストアによるものなのか、それとも初回作戦と第二回作戦の間に施された改修なのか判別しづらい場合もある。やれやれ。

●以上は前振りとして、今回の進捗その1。エンジンボンネット部分のハッチを付けた。

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どういう理由があるのか、ボンネットハッチは左右非対称で、右側ハッチは前方に長方形の継ぎ足しがあって長い(左側は、この継ぎ足しに相当する部分は車体側固定部となっている。

左右ハッチの継ぎ目には、右側ハッチに固定された、合わせ目にかぶせる縁材がある(専門用語で「定規縁(じょうぎぶち)」と言うらしい)。これは、現存実車では確かに付いているのだが、戦時中の実車に付いていたかどうかは、手元に集めた写真からは判断できなかった。ただし、戦後に講演で放置されてサビサビになっている時期の写真では確認できるので、戦時中にもあったと判断して追加した。なお、現存実車の真っ直ぐ前からの写真で見ると、取付具合はもっとヨレヨレのようで、その辺はきちんと再現し尽くせていない。

工作前段階でちょっと悩んだのがヒンジの処理。この部分は、現存実車でよく見ると、現時点でのヒンジの内側に溶接痕が確認でき、要するに、一度付けたヒンジを外側に移動させているらしい。

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上は比較検証用に、ともにwikimedia commonsの写真から切り出したもの。左がMWPの現存実車で、現在のヒンジ内側に、旧ヒンジ跡であろう溶接痕が確認できる。一方、右は戦時中、クリバル部隊の拠点の公園で整備中のクブシュ(改修後)。これを見ると、左写真よりもヒンジが内側にあることがわかる。なお、wikimedia commonsに上がっている写真の都合上、左右違う側の比較になってしまったが、他で上がっている写真から、現存実車の左側も上右写真より外側にヒンジがあること、その内側に溶接痕が残っていることが確認できる。

キットのヒンジモールドは現存実車に準拠しており、(もともとは溶接線再現の際に邪魔だったので一旦削り落としたのだが)より内側に作り直した。4か所とも、キットのモールドから一つ分内側に寄せる感じにしたのだが、今見直すと、前側のヒンジはさらにもう少し後ろに下げても良かったように見える。

●今回の進捗その2。天井ハッチと防盾を取り付けた。

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天井ハッチの「定規縁」に関しては、キットのパーツにもモールドがあったが、かなり細く、しかも「お行儀が良すぎる」感じだったので、削って作り直した。ただし、後からわずかに写っている実車写真を見ると、前側の天井のリブよりも高く盛り上がっているようで、もう少しメリハリをつけるべきだったかも。

ヒンジは、車体側は溶接痕の作業の邪魔だったので削り落としてあり、0.3mmプラバンで再生。(エンジン部ハッチ同様)ヒンジ周囲には溶接痕を追加した。ヒンジの筒部はエンジン部ハッチで作ったものよりおとなしすぎるので、後々ここも作り替えるかもしれない。

防盾は(キットのパーツは厚過ぎるので)0.3mm板で新造し、天井にイモ付け。取付位置は左右で完全に対象ではなく、後端位置で見ると、左側のほうがやや前に出ているようだったので、そのように工作。防盾の後ろに銃架のようなものがあってもよさそうな感じだが、とりあえず、現存実車ではそのようなものは見当たらず、かつてあったことを示すような溶接痕なども確認できなかったのでクリーンなまま。もちろん、単純に中央の隙間から小火器を突き出して撃つためだけのもので、銃架など最初からなかった可能性も高そう。

●今回の進捗その3。サイドスカートの工作。

前後輪横のサイドスカート部分は実車では別体で、おそらく車輪交換の便のためにボルト止めになっているのだが、キットは装甲車体と一体モールドになっており、段差もボルトも表現されていない。

というわけで、0.3mmプラバンより薄く弾性も高い、タミヤの0.2mm透明プラバンで工作した。

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後々の工作過程での破損を防ぐため、キットのサイドスカート部分は切り落とさず、周囲を薄削りし、わずかに大きさも削り込んで、裏打ちに活用した(どうせひっくり返して見せるつもりもないので)。透明プラバンの表面は目の細かいペーパーを掛けて「すりガラス」状態にしているが、裏打ちとの間に広がった接着剤が透けて雲形迷彩のように見えている。

ボルトは、マスタークラブのレジン製の0.7mmサイズ(低頭)のもの。

サイドスカート上の溶接ラインは装甲車体の裾部を溶接しているものなので、当然、スカート部には掛かっていない。

なお、工作途中に気付いたのだが、左前部スカート上の真ん中のボルトは、実際には、その上の斜めの溶接線が下辺に接する直下にある。これは私がボルトの位置を間違えたわけではなく、本来、斜めの溶接線の角度がもう少し立っていて、下辺との接点が後ろにあるため。右前部は同接点よりボルトが後ろで正しいので、要するに、この部分の溶接線位置自体に左右でズレがあるらしい。今更気付いても遅いのでそのまま(面構成をやり直すなんてまっぴら)。

また、現存実車を見ると、サイドスカートのうち右前部を除く3枚には、継ぎ足しの溶接線がある(右前部は後ろ1/8くらい? 左右後部は下2/3くらいを継いでいる)。しかし、戦後の放置時期の写真を見ると、少なくとも右側前後のスカートは失われている。車体後部の可動式スカートも新造品に交換されていることから見ても、これらはレストア時に新たに作られた可能性が高いと判断し、溶接線は入れなかった。

●今回の進捗その4。車体前面上部の弾痕の追加。

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実車のクブシュには、各部に2度の戦闘で付いた弾痕が残されている。当初は「さすがにそこまでは……」と思っていたのだが、これらの弾痕が一度目と二度目、どちらの戦闘で付いたものか確認できない以上、「二度目の作戦時の仕様なのに、それ以前に付いた弾痕がないのはおかしい」という事態になることも考えられる。とりあえず入れておけば、「二度目の作戦終了時の状態」は再現できていることになる。

なお、上右写真のように、実車の弾痕位置に関してはキットの説明書でも図示されているのだが、下の金尺からもわかるように、図が小さすぎてかなり判読が難しい。そんなわけで、実車写真を参考にちまちまと入れた。もっともキットの図も(一応赤色で図示されているので)、離れた場所にある“はぐれ弾痕”の確認には役立つ。

弾痕には大小があるが、これは当たった角度や、そもそもの口径(拳銃/短機関銃弾と小銃/機関銃弾)の差によるものかと思われる。なお、ほとんどの弾痕は外側装甲を貫通しているが、車内写真を見ると、内側装甲には窪みを作っているだけで食い止められているものが多いようだ。

現時点では上部前面の弾痕しか工作していないが、その他の場所にも若干ある。

●以上の工作を終えた全体写真。

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ハッチ部の大きな穴がふさがったので、だいぶ最終形に近付いてきた。

●脱線話。クブシュの工作をしていると、どうも溶接線が気になって、散歩の途中で思わず撮ってしまったもの。

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よく見ると滑り止めのパターンは溶接線をまたいで連続しているので、まさに、以前hn-nhさんが言った方法、「破線状に溶断して折り曲げて、然る後に溶接して折り曲げ部を補強」の工作をしているらしい。帯材の溶接も、ベタ付けでなく破線状に工作されている。

散歩の途中に、「なるほど~」などと思いつつ、足元の鉄板を眺めているおっさん。怪しすぎる。

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戦うプーさん/「クブシュ」Mirage HOBBY 1:35(4)

●Mirage HOBBY 1:35、ポーランド国内軍の簡易装甲車「クブシュ」(”KUBUŚ” - Improwizowany Samochód Pancerny, Powstanie Warszawskie, Siespień 1944)の製作記の続き。

●前回やり残しの天井部分の溶接線の再現は以下のようになった。

20190729_174001

前回書いたように、この部分はまともに写っている写真がなく、だいぶ想像交じり。ただし、

  • 左右辺は上面ハッチの幅で内側にも溶接線があり、二重になっている。
  • 中央ライン(ハッチの前方のみ?)にはリブテープ状に張り増しがある。

という二点は、ハッチから内部を覗きこんで撮ったような写真にわずかに写っていて確認できたので再現した。

前者に関しては、クブシュがスペースド・アーマー式の二重装甲であることから、内側溶接線は側面の内部装甲の位置を示しているのではないかと思う。

後者については、戦後のレストア時に追加されたものという可能性もあるのだが(例えば前面下部スカート中央のラム状の張り増しは戦後の追加である旨、Mirageのキットの説明書で解説されている)、この部分はさらに上に防盾が付いていて、しかもその防盾は(戦後の遺棄状態時期の写真から見て)オリジナルである可能性が高そうであるため、その下を通るリブテープも最初からあったものと判断した。ただし、実際には防盾の裾部分のそのものズバリの写真はないので、このリブテープが防盾の手前で終わっているとか(その場合、戦後の追加工作である可能性がやや高くなる)もあり得る。

特に天井部前端の溶接ラインに関しては、キットのパーツ分割と面構成に準拠していて、本当にこんな感じかどうかはちょっと怪しい。

●運転席左面の視察スリット。

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もともとキットにあったモールドはエッジが寝惚けていたこともあり、作り直した部分。

  • 貼り増した板はやや斜めになっていて、スリットはその下の溶接ラインとほぼ平行なため、板のなかでスリットは傾いた状態になる。
  • 最初に車体に直接開けたスリットの位置が悪くて塞いだのか、それを塞いだような溶接痕が板の後方にあるので再現。
  • 破損個所を直したようなツギハギの溶接線が上面にかけて走っているので再現。

●運転席正面の視察口。ここも、元のモールドが寝惚けていたので作り直した。右がキットの元々の状態。

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実際に作り終えてから見直すと、現存実車に比べて可動フラップ部分の縦幅がちょっと広く、スリット自体ももっと狭く左右に長かった方がよかったように思う(ちゃんと作る前と作っている最中に確認しろよって感じ)。ただ、実車のフラップ部分は一度失われて作り直してあるようで、現在の状態をあまりシビアに追及する意味も薄い気がしたのでそのままとした。

実際には、戦後、公園に遺棄されている時期の写真で、オリジナルの状態なのではないかと考えられるフラップ付きのものがあるのに今更ながらに気付いたのだが後の祭り(とはいっても、その写真もそれほど鮮明ではない)。

“助手席”側の銃眼に関しては、内側に、一度開けて塞いだ跡を追加した。

●本日のクブシュ考証。

実車の記録によれば、クブシュは1944年8月23日未明まで製作が続けられ、同日早朝、ワルシャワ大学正門への攻撃に参加(一回目の出撃)。

撤退後、天井に機銃架と防盾を増設、さらに視察装置の改修が行われた後、9月2日に再びワルシャワ大学への攻撃に参加している(二回目の出撃)。

現存実車およびそれを参考に作られたキットは、当然ながら、改修(および戦後のレストア)後の姿を基本にしている。

戦時中に撮られたクブシュの写真はごく限られているが、そちらもほとんどは改修後の姿のもの。改修前のものとしては、唯一、一回目の出撃前日(8月22日)にポヴィシュレ地区のザイェンツァ(Zajęcza)通りで撮られたとされる写真があるが(前回記事へのvol de nuitさんのコメントでリンクを張って頂いた写真と同じもの)、これは距離を置いて見下ろした不鮮明な写真で、ディテールもへったくれもない(天井に防盾が付いているかどうかさえはっきりしないので、タルチンスキ本のキャプションにある日付で、ようやく「えっ、これって初出撃よりも前なんだ!?」と思う程度)。

そんなわけで、一回目の出撃時のクブシュの細かいディテールははっきり言って謎だが、タルチンスキ本の記述によれば、どうやら、運転席前面の視察口は、当初はスリットだけで、一回目の出撃のあと、ドイツの兵員輸送車(Sd.Kfz.251か?)から持ってきた防弾ガラス付きに改修されたらしい。その他、上の工作で述べた銃眼の移動や側面視察口の改修も、この時に同時に行われた可能性は高いのではないかと思う。

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戦うプーさん/「クブシュ」Mirage HOBBY 1:35(3)

●7月に入って、なんだかんだですっかり模型製作をサボり気味。当「かばぶ」の更新もだいぶご無沙汰になってしまった。

というわけで、だいぶ久々のクブシュ(”KUBUŚ” - Improwizowany Samochód Pancerny, Powstanie Warszawskie, Siespień 1944, Mirage HOBBY 1:35)の製作記。

●基本は前回の続きで、装甲車体の溶接線工作。

天井部分を除いて、ほぼ全周の溶接線を入れ終えた。

溶接線はオーソドックスに、伸ばしランナーを貼って流し込み接着剤で溶かして潰す方法。潰すための工具は主にペンナイフの背で、ほかに適宜、ピンセットの先、金尺の角、自分の爪の先などを使っている。細い溶接線を除いては、伸ばしランナーを最初に貼った時点で、一度ナイフの刃先で細かく輪切りにし、接着剤がよりしみ込みやすくした。

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以前にも書いたように、実車のクブシュは限られた材料を使い、半ば(あるいは完全に?)素人が溶接工作をしているために、以下のような顕著な特徴がある。

  • 溶接線が不揃いで、場所により太い/細いの差が大きい。同一ライン上でさえ、太さが変化している場合もある。
  • おそらく大面積の鋼板が入手できなかったため、戦闘室左右の1平面の部分も複数の鋼板を接ぎ合せてあり、しかも左右で分割が異なる。
  • 材料不足に加えて鋼板の切り出しも稚拙であるために、継ぎ足しやつじつま合わせの隙間埋めがあちこちにある。

したがって、工作においても、なるべく実車における溶接線の太さの差の再現を心掛けた。太さの差は、例えばこんな感じ。

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もっとも、「ここは太め」「ここは中くらい」「ここは細め」くらいのいい加減な区別で、しかも伸ばしランナーを潰す工作過程でも仕上がりの太さに差が出て来てしまうため、厳密に比較すると「あれ? ここはこっちよりも細いはずなのに……」といった箇所がちらほらある。

●前回、右側面の溶接線工作の報告の際も触れたことだが、操縦席/助手席左右の斜めラインは、途中で角度が変わっている。

ここについては、前回記事へのhn-nhさんのコメントで、「単に線の角度が変わっているだけでなく、溶接線が破線状になっているようだ。この部分は2枚の三角の鋼板を接いだのではなく、1枚の鋼板を破線状に溶断し、折り曲げたうえで、溶断部分を再び溶接で埋めたのでは」(大意)という観察と推論を頂いた。

確かに、特に左側面では溶接線が下端で消えてしまっていることなどを考えても、hn-nhさんの推論はかなり説得力があるように思う(ただし、実際に“折り曲げ工作”だった場合、他にも浅い角度で2面が合わさっている箇所はいくつかあるのに、なぜこの場所だけそのような手法を採ったのか、という疑問は残る)。

というわけで、右側面の当該位置の溶接線は破線状に入れ直し、また、左側面は最初から破線状に工作した。

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●その他、現時点での溶接線工作に関するトピックスその1。

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戦闘室頂部前面装甲板は、切り出し精度が悪かったせいか、中央に継ぎ足しがあって溶接線がV字に二重になっている。これはレプリカ・クブシュにはない大きな特徴。また、操縦席前面の装甲板はきっちり左右対称でなく、中央の溶接線は斜めになってしまっている。

操縦席前面の視察口、助手席側の銃眼の“開け直し”工作痕についてはこの後に工作予定。

●トピックスその2。

ラジエーターグリル部上の三角形の装甲板は、キットと実車で形状がちょっと異なっている。

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キットでは写真のように下辺②よりも中央縦の辺①のほうが短いのだが、実車ではほぼ同じか、むしろ縦線①のほうが長い。溶接線を入れ直すことによって、形状の差が目立つことになってしまった。

もっともここを修正するとなると、前面全てを作り直すことになってしまう(そして細かいことを言い出すと、形状や角度にズレがあるのはこの場所だけではない)。というわけで、ここは見て見ぬふりに徹することにする。

●溶接線について未工作の天井に関しては、(せっかく実車が残っているにも関わらず)しっかり写した写真がネット上に見当たらず、なお調査/考証中。開けた上面ハッチを覗きこむような写真に、その前後がわずかに写っているものしか現時点では発見できておらず、想像交じりの工作を余儀なくされそう。

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戦うプーさん/「クブシュ」Mirage HOBBY 1:35(2)

●Mirage HOBBY 1:35、ポーランドの即席装甲車「クブシュ」(キット番号 no.355026)の製作記。

箱に書かれた(ポーランド語の)キット名称は、「”KUBUŚ” - Improwizowany Samochód Pancerny, Powstanie Warszawskie, Siespień 1944」(直訳すれば、『クブシュ』 ワルシャワ蜂起における即席装甲車、 1944年8月)。……長いよ! メーカー側の(あるいはポーランド人の)思い入れの深さを示しているというか何というか。

●溶接線を入れ始めた。

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とりあえず、右側面から工作スタート。ここはキット評で書いたようにキットの溶接線のモールドが目立ってずれている部分で、中央の縦長の鋼板はやや下すぼまりに、また後ろの辺は銃眼に接しているので、そんな感じに。

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そして現状は、右側面をおおよそ終了。全体の3分の1程度という感じ。

実車は、望む大きさの鋼板が自由に手に入る環境ではなく、また溶接技術の拙さもあって、あちこちにつじつま合わせ、継ぎ足し、試行錯誤の跡がある。今回の溶接線の入れ直し作業も、その辺をできるだけ再現したい、というのをメインテーマとしている。現状終了している右側面部分では、

▼戦闘室右後部下。鋼板の幅が不足していたか、ヒビでも入っていたか、一部、溶接線が二重になっている。

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▼「助手席」側のスリットのある面。上端部分が三角に継ぎ足しになっている。

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▼エンジンルーム右側面。写真中央の2面は、どちらかが歪んでいる(あるいは切り出しが適当だった?)ために、溶接線の角度が途中で変わっている。ちなみに(未工作だが)、左側面のこの部分は、途中で溶接線が消える!という、これまた謎な状態になっている。

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●並行して。

このキットの前面ルーバーは、「ミニスケールか!?」というような階段状一体パーツで、だいぶ情けない。実車のこの部分は、これまた工作が不揃いで、レプリカ・クブシュとの識別点の一つとなっている。

というわけで、作り直しに向けての下工作として、ルーバー下を開口(現状、片側だけ終了)。本来はペラペラの鋼板だが、どのみちルーバーを付けるとほとんど見えない部分なので、薄削り工作などはしない予定。なお、どうやら実車では、弾片等がラジエーターを傷つけるのを防ぐため、ルーバーとラジエーターの間にもう一枚、スリットを開けた鋼板を置いているようだ(少なくとも現存実車ではそうなっている)。

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戦うプーさん/「クブシュ」Mirage HOBBY 1:35

20190517_195009 ●令和に入って作り始めたものが2つ。片方は先日レビューを上げた、THE WORLD AT WARの1:72、II号戦車b型で、これもある程度作業が進んだら再度レポートを上げるつもり。そしてもう一つが、今年の初めに「そろそろ手を付けるか~」と書いた、Mirage HOBBY 1:35のクブシュ(Kubuś)。というわけで、そのクブシュの製作記第1回。

平成年間のお手付きキット多数、場合によっては昭和の頃に手を付けて放置してあるものもあるはずで、「作るならそっちを先にしろよ」というものはいくらでもあるのだけれど。

●これまでにも散々書いているけれども、クブシュ(Kubuś)は、1944年夏のワルシャワ蜂起の際に、市内ポヴィシュレ地区にいたポーランド国内軍の1部隊(「クリバル」部隊)が、ドイツ軍の拠点となっていたワルシャワ大学の攻略用に1輌でっちあげた即席装甲車。より詳細な実車解説は、

wikipediaの日本語記事:とりあえず現時点で、日本語でクブシュの概略を知るにはコレ(のはず)。

Samochód pancerny "Kubuś":ポーランド語の実車解説、作戦解説など。google翻訳さんあたりに頼ろう。

そもそもガレージキットでも出たらスゴイと思うようなネタなのだが、自国ポーランドのMirage HOBBYが、1:35と1:72でまさかのインジェクションキット化を果たしてくれた。愛されてるなあクブシュ。発売されたのは2014年で、私も早速購入した(……だけで、今まで積んだままになっていた)。その頃からの当「かばぶ」の過去記事は、

クブシュ!:Mirageからのキット化を聞いて喜んで書いた記事。ポーランド・ワルシャワに現存している実車とレプリカの話、およびその識別点など。なお、記事内の実車walkaroundへのリンクは切れているので注意。2014年4月19日。

MIRAGE HOBBY 1:35 Kubuś:キット入手時に書いたレビュー。おおよそのキット内容、実車の溶接ラインとキットのモールドの比較、ベース車輛に関する若干の考察など。2014年8月8日。

浮島:今年初めに書いた雑記。後半に、クブシュの資料等について触れている。2019年1月30日。

上に書いたように、過去記事で紹介したウェブ上のクブシュのwalkaround写真はリンク切れになっているので、現時点で閲覧可能な、実車写真が見られるサイトをいくつか。

KUBUŚ - Powstańczy Samochód Opancerzony - MWP / MPW [FOTO](ポーランドの模型関係の掲示板に貼られたもの)

strefa cichego(クブシュ以外にも、結構マイナーな車輛、砲などの写真があるサイト)

MUZEUM WOJSKA POLSKIEGO - Powstańczy samochód pancerny "Kubuś"(写真点数は少ないが、現存実車を所蔵しているポーランド軍事博物館の所蔵品紹介ページ)

Odrestaurowanie wnętrza samochodu pancernego Kubuś(何やらポーランド語の確認窓など出たりするので注意。現存実車の比較的最近のレストア。一応、記事の日付は2015年9月。内部の設備あれこれはたぶんオリジナルと全く違っているが、二重装甲の様子などが観察できる。前面外側装甲を貫通した銃弾が内側装甲で止められていることなどが判って興味深い)

Samochod pancerny Kubuś - ostatni z remontów.(上記事の続編で、記事の日付は2015年11月。同じく確認窓に注意。さらに多数の内部写真)

Ćwiczenia załogi i desantu powstańczego samochodu pancernego "Kubuś"(イベントに引っ張り出されたクブシュの動画。ディテール・ウォッチにはたいして役立たないが、床下にしか出入口がないクブシュの乗降の大変さが判る。他にもyoutubeには、ワルシャワ大学襲撃の再現イベントに引っ張り出されたクブシュ実車の動画などが上がっている)

Samochód pancerny "Kubuś" znowu jeździ (wideo)(走行可能にレストアされたクブシュ実車の動画。自走可能で作ったレプリカの立場が……)

Panzerserra Bunker - Kubuś - Polish armoured car / armoured personal carrier - case report(モデラーによる製作解説ブログ。出所は不明だが寸法・角度データ図などもあり。vol de nuitさんに教えて頂いた)

ただし、現存実車は(車内だけではなく外観上も)若干の戦後の改修が入っており、少なくともワルシャワ蜂起当時のクブシュの再現を目指すのであれば鵜呑みにできない部分もあるので注意が必要。

●表題は、ポーランドで「くまのプーさん」が「クブシュ・プハテク(Kubuś Puchatek)」と呼ばれて親しまれているため。

ただし、この装甲車自体は直接くまのプーさんにちなんで名付けられたわけではなく(一時は日本語版wikipediaにそのような記述がされていたこともあるが、現在は表現を弱めてある)、製作主任であった技術者、ヨゼフ「グロブス」フェルニクの戦死した妻のポーランド国内軍メンバーとしてのコードネームからのもの。クブシュという単語自体はポーランドで一般的な男性名「ヤクブ」の愛称であり、グロブスの妻のコードネームがプーさんをイメージしていたかどうかは定かではない。

もともとコードネームは秘密活動用のものなので、性別が違っているのはそれほど奇異ではないようで、実際に出撃時に運転手を務めたフィヤウコフスキ軍曹は女性名「アナスタシア」のコードネームを持っている。

ただし、指揮官のタデウシュ・ジェリニスキ士官候補軍曹のコードネームは「ミシュ」(熊/テディベア)なので、プーさんとの何らかのイメージのつながりはあったのかもしれない(もちろん、クブシュ以前からずっと「ミシュ」と名乗っていた可能性も大いにある)。

●製作方針。何しろ車外装備品の類はほとんど何もない(ノテク・ライトと車幅表示棒程度)ので、その方面で精密度を手は使えない。

キットは車内もある程度表現されているものの、おそらく実車は長らく放置されている間に車内のアレコレは一度喪失していて、近年の車内写真も撮影時期によって(椅子等が)がらりと変わっていたりするため、それら資料写真は(少なくとも戦時中の状態の再現には)役に立たない。もともと、私自身が「模型は基本、外から見えるところだけでいいや」派であることにもる。

というわけで、基本は表面の装甲板の溶接表現に手を入れることを中心に進める。なお、装甲板の面構成について、一部「実車とちょっと違うナー」と思う場所もあるが、解消しようとすると大幅にプラバンで車体を構成し直す必要が出てくるため、(面倒くさいので)それには目をつぶることにする。要するに具体的には、

  • 位置の修正、強弱(太い細い)を含めた溶接跡の再現
  • 実車の工作の粗さ、微妙な左右非対称の再現

を目指す。

なお、キットは天井に防盾が追加され、操縦手用の視察口が改修された、2回目の出撃以降の姿を再現している。最初の出撃時の姿というのも興味があるが、とりあえず、ネット上や資料本等で見かける当時の写真も改修以後のものばかりで、改修以前の姿は文章で触れたもの以外見つからなかった。また、キットの説明書には出撃で負った弾痕位置の説明なども入っているが、そこまで再現するかどうかは現時点では決めていない(面倒くさいし)。

●1st Step。おおよそ説明書の指示に従って、シャーシから組み立て始める。

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キットにはエンジンも入っているが、総じてだいぶおおらかな出来。一応、エンジンから駆動軸が後輪デフまで繋がってますよーくらいの感じだが、この辺は、組み上がってしまうとほぼ全く見えないので、個人的には気にしない。そもそも、ベース車輛がシボレー155であるのか、シボレー157であるかも(少なくとも現時点で私には)よく判らず、しかもその両者とも詳細資料など手元にないので、こだわりようがない。そんなわけで、この部分は基本、キットの指示に従ってパーツを付けていくだけ(むしろ、いくつか部品を省略)。

なお、前輪もステアリング機構は丸無視。パーツにハンドルは付いているのだが、ハンドルシャフトはなぜかエンジン側面に繋がっているという謎レイアウトになっている。

ただし、キットの車輪だけはレビューで書いた通りあまりにプアな出来なので交換の予定。

ちなみにキャビン内からエンジン部分や前輪ハウジングが筒抜けになっているが、少なくとも実車の現状ではその通りになっている。

●装甲車体基本形は大きく左右分割されている。ただし、位置合わせのダボなどは一切なく、また、若干のバリなどもあって、ズレが発生しないかちょっと気を遣う。私は内部の作り込みはせず、ハッチも閉めてしまう予定ということもあって、分割線上に0.3mmプラバンの切れ端などを貼って位置決め/接着部の補強を行った。

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キャビン前面は別パーツ。本体との合わせは微妙に合っていない感じで、若干の削り合わせを必要とした。

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操縦手前面の視察口、および操縦手左の視察スリット部に貼り増した板、エンジンボンネットおよび車体後端スカートの車体側ヒンジは、どれも寝ぼけたモールドだったので、後々作り直すことにし、この段階ですべて一度削り落とした。

レビューでも書いたようにキットの溶接ラインのモールドは一部で位置がずれており、また、(レプリカと違って)実車では場所によって太かったり細かったり、非常に工作の粗さが目立つ仕上がりになっていて、それがクブシュ実車の特徴ともなっている。これに関しては全面的に入れ直すつもりで、これまたすべて削り落とした。

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以上の作業の過程で、特に車体左側面および後面のピストルポート(あるいは視察口?)の位置がちょっと気になったので、この2か所は開け直すことにして一度埋めた。

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後面に関してはキットよりもやや下に、左側面はやや上に開け直す予定。

溶接跡に関しては、いつも通り、伸ばしランナーを貼って溶かす方式の予定。ランナーの色が違うと溶接線の太さの違いが把握できなくなるので、タミヤの同色のランナーを使って微妙に太さの違う伸ばしランナーを量産した。

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●製作方針の項で触れた、装甲板の面構成自体の「ちょっと違うナー」について。例えばラジエーター用ルーバーのある最前面の上の細長い装甲板だが、この下端の角度が、実車に比べるとかなり開き加減になっている。

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上右写真で黄色で示した部分。下はwikimedia commonsから拝借してきた実車写真。

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その面の後ろに連なる(ボンネット側面にあたる)装甲板の上下幅にも少々関わってくる。

実を言うと、多少なりと問題を改善しようと、上左写真(車体右側面)では、問題の角の上辺に繋がる面を少し削り込んで、わずかではあるが角度を鋭くしている。車幅表示棒取付部の凹を埋めた後がエッジにかかっているか、いないかで削り込みが判ると思うが、角度の変化自体はパッと見て判るほどには変わっていない。というよりも、おいそれと変えられない。

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それも当然で、上写真に黄色で示した2辺によって、上の面の角度はおのずと決まってしまっているわけなので、ここを大胆に削り込むと、この面が明らかな曲面になってしまう。それを防ごうと思うと、このあたり一帯をすべてプラバンで作り直す必要が出てくる。

そんなわけで、これらの点に関しては、「誤魔化せる部分は誤魔化せる範囲で」という、比較的ヌルい姿勢で臨む予定。

なお、工作自体も、気が向いたときにゆるゆると進めていく感じになると思う。

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II号戦車b型 THE WORLD AT WAR 1:72

20190517_195110 ●先日(令和初の購入キットとして)入手した、THE WORLD AT WAR 1:72のII号戦車b型(PANZER KAMPFWAGEN II ausf.b)の簡単なレビュー。

これに先立って発売されているII号戦車a1/a2/a3型についてはこちら

以前にも書いたが、「THE WORLD AT WAR」シリーズはポーランドのメーカー、IBGのミニスケール専門のレーベル。同社では単にIBGレーベルでも1:72のAFVキットを出していて、「THE WORLD AT WAR」シリーズがどういう切り分けになっているのか少々はっきりしないが、とりあえず、今のところこのシリーズでは第二次大戦初期のドイツ戦車しか出ていない。

なお、少し前に書いたが、基本同シリーズは1:72スケールなのだが、IV号戦車系列は、どうやら設計の際に寸法を間違えてしまったらしく、最初のA型は「1:72」表記で出たものの、その後のB型以降は「1:76」表記に改められている。ミニスケールの72と76なんて誤差だよ!なんて開き直ることなく、スケール表示を改めたのは潔いと言えるが、そのため、同一シリーズで2種のスケールが並列するという妙な格好になってしまった。

また、1939年のドイツ・ポーランド戦の1:72両軍AFV/車輛/砲/フィギュアを出している「First to Fight」シリーズは、発売元は違うようだが、キットそのものはIBGが手掛けているようで一部設計データは両シリーズで共通している。

●キット内容。シリーズ共通の構成で、キャラメル箱の中身はプラパーツと、折りたたまれた実車解説の小冊子。小冊子は表紙を含めて16ページ、英語とドイツ語の併記(輸出仕様)。

プラパーツは枝3枚で、デカールが1枚。

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Lパーツ(写真1枚目):車体、足回り。おそらくプラパーツとしては、これのみがこのキット専用のもの。

Mパーツ(写真2枚目):砲塔および装備品類。a1/a2/a3型キットおよびA型キットと共通。

Nパーツ(写真3枚目):マフラー、工具箱、スリットのないクラッペ等の小さな枝。A型キットと共通。

デカール(写真3枚目):塗装例2種に対応。ポーランド戦時の黄十字と、フランス戦以降のものと思われる第10師団第7連隊所属車(ステンシルのバイソンと大きな「5」の砲塔番号)。

●車体形状は前型のa1~3型とも、後のc型とも異なっているので、前述のようにb型専用のパーツ。a1~3型とはエンジンルームのディテールがかなり違い、車体長がa1~3型のほうが短い。b型では車体後部が延長され、後の標準型II号(c、A~C型)とかなり近い形状になるが、エンジン上部の傾斜面が後部でたち切れ、後端グリル部分が独立した形になっていたり、フェンダー後半部が後ろ下がりになっていたりと、なお若干の差がある。戦闘室後ろのハッチも、c初期型までの2分割式。

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写真1枚目:b型の車体形状、特に後部ディテールはかなり頑張って再現している感じ。車体上下パーツの接合線の隙間が後端グリルに掛かっていて、何か方法を工夫して消すか、放置するかちょっと悩ましいところ。

写真2枚目:車体右側面の2つの燃料注入口の小丸ハッチ、その後ろのエンジンルーム側面吸気口は一体モールドの都合でやや不十分な再現度。これはa1~3型キットでも同様だった。右前部クラッペは、a1~3型キットでは別部品だったが、このキットでは一体モールド。なぜか、後の型の特徴であるはずの跳弾リブのようなモールドもある。

写真3枚目:車体前面に一体モールドされている牽引具と点検パネルは、a1~3型キット(右)と比べて位置がかなりずれている。小パネル上のリベットの数・位置が変更になっているのは実車もそうなのだが(a1~3型は7カ所か8カ所、b型は左右2カ所)、このキットのように、位置まで変更になっているのかどうか……。少なくとも、このb型キットの位置は(牽引具も含めて)ちょっと上過ぎる気がする。

●足回りはa1~3型と起動輪の形状が大きく異なり、後の標準型II号(c、A~C型)とよく似た形状になった。

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ただし実際には、c、A~C型と全く同じではなく、おそらくファイナルギアケースの形状が違っているためなのではと思うが、b型の起動輪のほうが、後の型よりもふくらみ方が大きい。キットの起動輪はパッと見、後の型と同じくらいのなだらかさで、膨らみ具合が不足しているように思う。上部転輪はa1~3型よりも小径化されており、その辺はきちんとフォローされている。

ただ、よく見ると、a1~3型キット同様、履帯の巻き方が逆方向になっている。ロコ方式の一体成型なのでそもそも大したディテールもないため、それほどうるさく言うほどのこともないかもしれないが。

●砲塔パーツは、おそらく「THE WORLD AT WAR」シリーズのII号戦車すべてに共通のもの。Mパーツの枝に含まれるクラッペは、a1~3型に合わせてすべてスリット付きのものになっているが、b型以降用に、スリットのないフラットな形状のクラッペが別枝(Nパーツ)で用意されている。なお、私の買ったキットでは、砲塔ハッチ上のダンパーのモールドが、片側が型抜き時の事故で?潰れていた。

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