製作記・レビュー

First to Fight 1:72 II号戦車D型

●先日実家に行った帰り、横浜のVOLKSに行ったら、再生産が掛かったのか、FTFの1:72、II号戦車D型(FIRST TO FIGHT 1:72 Pz.Kpfw.II Ausf.D)が入荷していたので、ついつい購入。

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先日買ったPRAGA RVはシリーズ番号34、II号D型は12なので、比較的シリーズ初期の製品ということになる。そもそもII号D型のミニスケールのインジェクション・キットは、これがおそらく初・唯一のもので、車種自体も割と好きなので気になっていたのだが、出たころに買い逃してそれっきりになっていたのだった。

20170422_183933 ●というわけでごく簡単なキット・レビュー。

プラパーツは全体で枝1枚。PRAGA RVが大小3枚も入っていたのに比べると、部品点数としてはだいぶ控えめな感じ。

一方、私はこれまで同社のキットはポーランド軍ものしか買ったことがなく、そのどれもデカールは入っていなかったが、これは珍しくデカール付きだった(ドイツ戦車のキットの場合はどれも基本入っているのかもしれないが)。デカールの内容は国籍マークの白十字のみ4つ。

このシリーズの装軌式車輌共通の特徴として、足回りは履帯まで含めて一体のロコ形式。当然、スプロケットに噛み合う穴や、履帯表側の細かいリブ表現などはないが、反面、センターガイドは(綺麗に抜けたりはしていないものの)穴開き表現が施されていて、横方向から見た時の精密度は高い。

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また、当然そうなっていなくては困るが、起動輪・誘導輪はいわゆるD1型(初期型)形状。転輪も含め、雰囲気はなかなかよい感じ。

車体上部は戦闘室上面が別パーツで、砲塔下側部の張り出しを表現している。操縦席・無線手席横のクラッペやエンジンルーム横のグリルは一体抜きのため、ちょっと不十分な表現。一方、フェンダーの滑り止め表現はなかなか細かく、この点ではかなりオーバースケールなタミヤ35のII号戦車よりいいかも。

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フェンダー上の細かいパーツでは、きちんと軽戦車用ジャッキが、それらしい形状で別パーツで用意されているのが良い。

砲塔は、側面クラッペが一体成型のためちょっとメリハリの足りないモールド。(写真には写っていないが)左前部側面に僅かにヒケがあった。

主砲・同軸機銃は防盾と一体成型だが、とにかく機銃が太すぎるのはなんとかしたい感じ。

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バレンタインの日(2)

●タミヤのバレンタインMkII/IVに関する、あるいはバレンタインそのものに関するアレコレ。前回の若干の補足というか続きというか。

●タミヤのバレンタインの転輪、もうちょっと“ふっくら”していてほしいよー問題に関して若干の試行。

20170413_000045 0.3mmプラバンをゴムリム内径で丸く切り抜き、内側をサンドペーパーで緩やかに薄くしてキットのゴムリム部に接着。さらに外径部分もヤスって丸めてみた(あくまで試行ということで、誘導輪の、おそらく使わないであろうタイプを実験台にしている)。ちなみに裏側は面倒くさいのでキットのままで角だけ丸めている。

うーん、履帯に接する面自体にも、もうちょっと丸みが欲しいなかあ……。

もっとも、これを全転輪でやる気になれるかどうかが、まず問題。

●誘導輪基部のリブについて。

下は1942年、ジブラルタル防衛に配備されたバレンタインで、誘導輪基部はリブ付き。写真はインペリアル・ウォー・ミュージアム(Imperial War Museum/IWM)より。車体番号「T27632」は、NEW VANGUARD 233「VALENTINE INFANTRY TANK 1938-45」に従えば、メトロポリタン・キャンメル社製で1941年5~11月間に引き渡されたMk.IIの1輌。

前回書いたように、リブ無しは比較的初期の形質と考えられるのだが、どうやらリブの有無でMk.IIとMk.IVは分けられなさそうだ。

車輌番号と対応できる例が他に探し当てられなかったので、ヴィッカース社製、メトロポリタン・キャンメル社製、バーミンガム・レイルウェイ・キャリッジ&ワゴン社(BRCWC)製での導入時期の差などはよく判らない。

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●もうひとつややこしい問題。Mk.I/II/IVの防盾には2種類の形があるそうだ。Britmodeller.comのこのトピックに詳しい。

簡単に言うと、同軸機銃の部分が防盾カバー部より窪んでいるか(キットのパーツの形状)、出っ張っているか(上写真、または下のカナディアン・ウォー・ミュージアムの実車写真参照)の違いで、窪んでいる方がより初期の仕様であるらしい。また、窪んでいる方のタイプの場合、2ポンド砲は付け根部分に明瞭な段がなくスムーズに繋がっているタイプ、出っ張っている方では明瞭な段差があるタイプが一般的であるらしい。

ただし、比較的有名な、ソ連に向けてのバレンタイン送り出しセレモニーの際の写真で、窪みタイプの防盾で段付き砲身のMk.IIも確認できる(リンクページの最初の写真、BRCWC製のMk.II、BRCWCのスメジック(Smethwick)の工場における撮影、1941年9月28日)。したがって、マーキングとの整合性はさておき、キットの状態が仕様として間違いであるとは言えない。

20170413_142442 私はより一般的なタイプとしたかったので、防盾にプラ材を貼り付けて削り中。「プラ材」というとそれなりのものを使っていそうに聞こえるが、何のことはない、単にキットのランナータグ。

なお、どうもキットの防盾は前後方向にと寸詰まり傾向にあるようで、砲身基部の高さに合わせると、機銃部バルジの高さはちょっと足りない感じがする。

●ついでに。インペリアル・ウォー・ミュージアムの写真で「あれ?」と思ったのが以下の写真。

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キャプションには次のようにある。

Troops attack a 'German' tank (in reality a Valentine) with 'sticky bombs' during training at No. 3 GHQ Home Guard School at Onibury near Craven Arms in Shropshire, 20 May 1943.

要するに、バレンタインがドイツ戦車に扮して国内で対戦車訓練中の写真なのだが、よく見ると、スプロケットが複列になっていて、非常に珍しい履帯を履いている。

wikipediaのバレンタインの項を見ると、カナダ製のMk.VIIAで新型履帯が使われたとあるが、この写真の車輌番号、「T15963」は、NEW VANGUARD 233によればMk.Iのもの。またMk.VIIAに使われた新型履帯というのは、これもNEW VANGUARD 233の記述によれば「ice-studs on tracks」とのことなので、カナディアン・ウォー・ミュージアムに展示されている車輌が履いている、1リンク置きに接地リブにトゲの生えているヤツのことだろうと思われる(下写真はwikimedia commonsより)。

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というわけで、上のMk.Iが履いているのは、テストされたものの採用されずに終わった新型履帯、という感じのものか?

ちなみに車体前部が鋳造になったカナダ生産型はMiniartからもキットが出ていないようなので(Mk.Iとほとんど同じMk.VIは出ている)、ちょっと惹かれなくもない(ほとんどがソ連に行っている、という点でも)。もっとも、砲塔前後面も一体鋳造というのが面倒かな……。

●追記。wikimedia commonsに、もう一枚、上記の「変な履帯」を履いた車輌の写真があった(これももともとはIWMの写真らしい)。むう。1輌だけじゃなかったのか。後からそれなりの数が交換装備されたものか? グランパあたりに「この履帯は……」って出てるかな?

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「T16357」は(NEW VANGUARD 233によれば)メトロポリタン・キャンメル社製の生産第一ロット。T16221に始まる125輌のうちMk.Iが44輌、Mk.IIが81輌だったらしいから、番号順になっていればMk.IIということになる。ただし、エンジンルーム後部ハッチは左側だけだったりと、初期生産車の特徴を残している。

起動輪との噛み合い方、外側形状はクルセーダーの履帯にそっくりだが、ガイドホーンが複列なので当然別物。

ちなみに、上で紹介したBritmodeller.comのトピックでもこの写真は紹介されていて、そこに載っている写真はnarrow tracks云々というキャプション付き。すでにこのタイプを取り上げている資料本もあるようだ。

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バレンタインの日

●前回書いたように、珍しく、おそらく発売日当日(?)にタミヤの新製品、バレンタインを買ってきた(MM352、イギリス歩兵戦車バレンタインMk.II/IV~BRITISH INFANTRY TANK Mk.III VALENTINE Mk.II/IV)。

以下、ネタバレ(旬のネタであるタミヤのバレンタインの紹介、の略)。

20170411_024518 箱絵は北アフリカのサンド(ライトストーン)単色のイギリス英軍所属車。バレンタインと言えば、本家イギリス軍の戦車としてはほぼ「北アフリカ用」「本国での訓練用」というイメージだから、これは妥当なところかと思う。

箱を開けてパーツをざっと見て最初の印象は、「うわ、バレンタインて、小せえ……」というもの(Miniart、AFVクラブのキットは持っていないが、VMのキットは持っているので「1:35のバレンタイン」は初見でないはずなのに)。

デカールは箱絵になっているイギリス軍1種と、レンドリースのソ連軍2種。もともとレンドリースのソ連軍車両を作りたい私としてはそれでもいいのだが、「バレンタインはイギリス戦車なのに!」と思う派にとってはちょっと不満の出そうな構成。選ばれたイギリス軍車両も、右側面にのみ大きく「3」と書かれているだけで目立つマーキングは他になしという地味な例で、2色以上の迷彩塗装だとか、目立つ部隊マークや識別帯入りとか、もう1,2例あってもよかったんじゃないかと(そっちでは作らない私でも)思う。

20170409_015746 プラパーツは枝が5枚。うち2枚は同一の足回りのパーツだが、実際にはそれぞれさらに2つの枝が合体した形になっている(Aパーツ+Pパーツ)。転輪部分(Pパーツ、写真左側)を差し替え可能にしてあるのは、いずれ後期型転輪のキットも出せるようにという含みだと思う。タミヤがミニアートのように小刻みにバレンタインの各形式を出すようにも思えないので、最有力候補はアーチャーかな? ちなみにビショップはこのキットと同じ中期型転輪が普通のはず。

20170409_015229 車体上部+フェンダーパーツの枝(Bパーツ)は、ランナー裏に大きくリブがくっついていて、車体上部やフェンダー、サイドスカートのパーツに反りが生じづらいようになっている。

ちなみに車体床面・側面パーツ(Dパーツ)のほうにはリブが入っていないが、こちらは形状的に反りが生じづらいか、それとも箱組で修正可能レベルという判断なのではと思う。

ちなみに車体箱組に関しては、車体前面・後面は側面に挟み込む形状になっているが、わざわざ接着の手順をややこしくしてまで(説明書でも注意喚起されている)挟み込み式にした意味はいまいちよくわからない(前面は上下ラインが違うので間違える可能性は低いし、後面は両側ダボ以外にも工夫のしようはあったはず)。

ほか、ちょっと組んでみた感じでは、タミヤらしく丹念な削り合わせなどなくてもピタピタと部品が組み合わさり、「買って、切り離して、組み立てる」プラモデルという工業製品の完成度の高さではやはり他の追随を許さない感じ。もちろん、それだけがプラモデルじゃない、というところにタミヤのツラさもあると思うのだけれど。

●このように「流石はタミヤの新製品!」という感じのキットであり、ささっと組んで旬のネタを楽しむ、というのも十分ありだと思うが、やはり私自身のスタンスとしては、それなりに手を加えられる部分があるなら加えたい。というわけで、現時点でちょっと気になる/気付いたポイントを以下に。

なお、私自身はバレンタインに関しては「う~ん、タミヤから出るなら作るか~」くらいの入れ込み度。タイプの変遷・細部の特徴に関してもほぼ付け焼刃の知識なので、以下も、そんな「割といい加減な知識ベース」であり、思い込みで適当なことを書いてしまっている可能性もあるかもしれない。ご了承いただきたい。

また、前述のようにAFVクラブ、Miniartのキットは持っていないので比較もできない。どなたか詳細レポートしてくれないかしらん。

砲塔

20170409_010919 ▼パーツの抜きの関係で、前面下の「ベロ」部分のボルト頭(4つ)が省略されている。

右写真では、トライスターのIV号戦車で大量に余るサスペンション基部パーツのボルトを削ぎ取って移植した(割と使い勝手のいいサイズのボルト頭なので、結構重宝している)。

それにしても、このバレンタイン初期型砲塔もそうだが、どうしてイギリス軍AFVというのは、こんなふうに砲耳を奥まった位置に持ってきているものが多いのだろう。バレンタインもMk.IIIでは砲塔容積を稼ぐために砲耳位置を前進させているが、初期の巡航戦車や軽戦車Mk.VI、ダイムラー装甲車、コメットなども奥まった感じだから、何かそうしたい理由が(しかも、たぶん「えー。内部容積を狭めてまで、そこにそんなにこだわる必要ないじゃん」と思うような“イギリスらしい”理由が)あったのではないかと思う。

20170411_021022 ▼主砲の照準口と思われるものは防盾左側にあるが、防盾カバー部の右側に、もう一つ穴がある。クルセーダーMk.I/IIの砲塔も形状は違うが同様の配置で、車長用の前方視察装置か何かではないかと思う。(追記。ラヴァさんよりコメントを頂きました。この穴は擲弾(発煙弾)発射機だそうです。情報ありがとうございます。)

この部分、キットのパーツでは防盾カバー外側と同心円(同心円筒)状に窪んでモールドされているのだが、実際には、窪んだ内側の円筒面の中心は砲耳中心よりもちょっと前寄りになっていて、内側円筒面は下部よりも上部でより深くなっている(キットでは同じ深さ)。

そこで、窪みを彫り直し、さらに、この部分の軸線に対応するボルト(キットでは省略されている)を側面に追加した。ちなみにこの尖頭ボルトは六角ではなく四角なので、手近に流用できるものがなく、プラ材から削り出した(おかげでいびつ)。

掘り直した結果、長円の穴の底も深さが不均等になってしまったので穴を貫通させ、ほぼ同じ深さになるように裏側から削り込んだ。内側の工作は未完。

なお、この防盾カバー部分(パーツD19)に関しては、砲塔上面部分は実車と分割線が異なっている(本来一体であるところに分割線が来る)ので注意。天井板(パーツD23)側の前端左右にモールドされているパイプ断面のようなものはボルト穴。最初は、タミヤが取材した車輌で欠損していたのをそのまま再現してしまったのかと思ったが、戦時中の実車写真でもボルトがないように見えるものもあるので、何か外付け装備用のボルト穴なのかも。

20170411_005900 ▼砲塔後部の通風孔部分は、本来一体の鋳造部品であるところがいくつかのパーツに分割されているので、丁寧に接合線を消す必要がある。また、通風孔のヒサシ下は、実車ではちょっとエグレたような形状になっているようだったので、そのように加工した。小さなボルト頭はいったん削り落とし、後で再生した。なお、この鋳造の通風孔張り出しの上面左右にも(砲耳カバーパーツ同様に)本来はボルト穴があるようだ(本体側のふくらみは表現されている)。砲耳カバー部分同様、ボルトが植わっているのがデフォなのかどうかはよく判らない。

足回り

20170409_015628 ▼キットの転輪のゴム縁部分は、他の戦車と同様の角ばった形状をしている(いわば長方形断面)。しかし、実際のバレンタインの転輪のゴム縁は、側面が丸く膨らんだ(いわば角丸長方形断面)独特の形状をしている。

このゴム縁形状は、履帯のガイドホーン内側がゆるやかに曲線で立ち上がっていることにも対応しているのではないかと思う。キットの転輪は上記のように単純な角ばったゴム縁を持つため、ガイドホーンとの間隔も開き気味になる。これは単純に「ゴム縁の角をやすって丸くする」では対応できない問題で(ゴム縁全体の幅が足りないので)、修正するとなるとかなり面倒くさそう(というか、いい対処法が思い付かない)。個人的にはだいぶ残念。

20170409_015444 ▼履帯は、実際にはガイドホーン外側の窪みと対応して表から裏に貫通する穴が開いているのだが、キットでは埋まった状態になっている。これは先に発売されたSU-76Mも同様だったので、最近のタミヤ・スタンダードの処理なのだろうか? II号戦車では開いていたので、やってできない処理じゃないと思うんだがなあ……。箱を開けてチェックして、「ああ、ついでにAFVクラブかブロンコの別売履帯があったら一緒に買ってくればよかったな……」と思った(ピッチは合うのか、またAFVクラブとブロンコのどちらの出来が良いかなど未チェック)。

20170409_015656 ▼ごっついサスペンション基部は、パーツの抜き方向の都合で、フランジの横方向のボルトは省略されている。ちなみに、V字のフランジの内側がボルト頭、外側がナットのようだ。

そもそも奥まっていてそれほど目立つ部分でもないと思うので、追加するかどうかはお好み次第という感じではないかと思う。裏側とか内側とかにもボルトがたくさん植わっているようなのだが、さすがにそこまでは知らん。

20170409_015959 ▼誘導輪基部は、車体から突き出た部分が、キットのようにつんつるてんのものと、リブ付きのものとがあるようで、特定車輌を作る時には注意が必要ではと思う。Mk.Iとされる現存車輌ではリブがなく、Mk.VやMk。IXではリブ付きなので、前者が初期仕様のようだ。誘導輪の変更とリンクしてたりしないといいなあ……。

またリブ付き、リブ無しに関わらず、グリース注入口なのか、本来はボルト頭付きの突起が数カ所にある。

写真の起動輪基部上部の四角く欠けた部分には、誘導輪位置調整装置のロックレバーのパーツ(D7、D8)が付くが、本来は、そのレバー中途から垂直に伸びたロッドが、フェンダーの穴を通して上に突き出ている(キットは、フェンダーの穴が浅いくぼみで表現されているのみ)。

また、誘導輪基部(D13、D14)には、本来、回転用のバー(工具箱上に装着されるパーツC21)を差し込む長四角の穴が2箇所にあるが、キットのパーツは抜きの都合で穴が埋まっている。

●資料など。

▼現存車輌のwalkaround(主なもの)。

REGION AFV

形式的にキットと合致するのは上2つ。ソミュール、クビンカともに誘導輪基部にリブあり。クビンカの車輌は、車体前面・操縦席前面に、増加装甲を貼り増し、砲塔リングガードもある。

SVSM Gallery

Mk.VIはカナダ生産型で、基本はMk.IVと同仕様。外形的特徴に関しては、この写真で見る限り、転輪は初期型、砲塔左に小ハッチはなく、Mk.II/IVというよりむしろMk.I仕様に近い。このMk,VIの写真集はDishModelsにもUPされている。

DishModels

カナダ製車輌。レンドリースでソ連に渡り、ウクライナで発掘されたもの(Dishmodels表紙からの検索で探し出せなかったが、セータ☆さんのところからリンクが張ってあったので再び行き着けた。セータ☆さんどうもありがとー)。Mk.VIよりさらにカナダ独自の仕様が加わったもの。

Primeportal

ダックスフォードのジオラマ仕立ての展示品の写真はあまり点数もなく、妙にスッキリとレストアされているが、とりあえず、誘導輪基部がつんつるてんタイプなのは判る。

Surviving Panzers website

▼大戦中の写真

鳥飼行博研究室

IWM由来の写真が多数。

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砂漠の十字軍(10)

週末模型親父さんのところの「デザート・コン」参加作、エアフィックス製1:76(公称)のクルセーダー(Airfix "CRUSADER TANK MkII or MkIII")製作記。

いまひとつ仕上がりに不満は残る(どうも雑な気がする)ものの、これ以上こねくり回して改善するかどうかというと怪しいので、とりあえず完成ということにして、SUMICON掲示板でお披露目をした。

なお、前回以降の進捗としては、

・塗装に関しては前回最後に書いたように、再度スミ入れとウェザリングマスターを繰り返した。

・両サイドの足回りパーツを接着した。ただし、もともとの車体箱組が歪んでいたのか、それとも履帯取り付け時に反ったのか、接着後、左右の履帯の(リブの)角度が揃わず、よく見るとちょっと情けない状態になっている。

・砲塔上部、長短のアンテナ線を0.2mmの洋白線(VOLKSで購入)で追加。長い方のアンテナにはプラペーパーでペナントを付けた。青色で塗ったのは根拠があるわけではなく、なんとなく映えそうだといういい加減な理由。迷彩含め、イギリス軍の偉い人が見たら怒りそうだ……。

・砲塔サーチライトに、娘のネイル用UVレジンでレンズを入れた。透明度が非常に高いので、角度によっては何も入っていないように見える。中心に電球を表現する何かを入れるべきだったかも。

●完成写真。

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クローズアップも少々。

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恒例の10円玉との記念写真。

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●なお、今回は(私にしては)珍しく、展示台も作成した。……といっても、東急ハンズで買ってきたコルクのブロックにネームプレートを入れただけ。

ネーム自体は単純に紙に印刷したもので、上から透明プラバンを被せ、四隅に穴を開けて真鍮の化粧釘で止めた。

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砂漠の十字軍(9)

週末模型親父さんのところの「デザート・コン」参加作、エアフィックス製1:76(公称)のクルセーダー(Airfix "CRUSADER TANK MkII or MkIII")製作記。塗装の続き。

●イギリス軍車両の塗色は、北アフリカ戦線に関しても実際にはギチギチに規則で定められていそうだが、その辺、私は生半可以下の知識しかなく、おおよそ以下のような理解。

・北アフリカのクルセーダーは、サンディブラウン(ライトストーン)単色か、サンディブラウンをベースにおおよそ車体の裾部分を波型に濃色で塗る2色迷彩が施されている場合が多い。

・基本、初期は単色で、その後、比較的ラフな感じで塗り分けた迷彩が行われるようになり、だんだんパターンが定型化してくるという流れのようだ。

・迷彩色の濃色は、とりあえずあれこれ資料の塗装図を信用するなら、黒、ブラウン(テラコッタ)、グリーン(ダークグリーン)のいずれかが使われているらしい。実際のところは、白黒写真で見る分には、「この迷彩色はずいぶん暗いから黒かもしれない」「これはちょっと明るめなので黒ではないかも」くらいのことしかわからず、ブラウンかグリーンかの別は判断しようがない。

以上はあくまで、適当に写真やら塗装図やらを見て「そんな感じ?」と思っているだけなので、きちんと北アフリカのイギリス軍を作りたい人はちゃんとそれなりの資料を読むように。

●相手がミニスケールということもあって、あまりコントラストが強いとオモチャっぽく見えそうだし、ということで、迷彩色はブラウンにした。もちろん、それなりに塗装のウデがある人なら黒の迷彩でもちゃんと落ち着かせてしまうのだろうが。

というわけでとりあえず迷彩色を乗せたのが下左写真。ブラウンはVallejoのFS30145(143)、フラットアースを使った。

実際にはこのブラウンの正規の色名はテラコッタだそうで、その名からのイメージからすると、もっと赤茶というか、オレンジっぽい感じなのかもしれない。なんだかアフリカ戦線のイギリス空軍機のようなイメージで塗ってしまった(ちなみにRAFのアフリカ迷彩上面色はミッドストーンとダークアース)。

その後、エアコン下に置いて乾燥促進(下右)。

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塗り分けラインは、初期のものと思われる割といい加減なパターンのものだと全体像が分かる写真が少なく、結局、塗装図などに取り上げられることが多いパターンを参考にした。しかし、実際にはこの(比較的定型化された)パターンは、アフリカ戦でも後期特有である可能性がある。

ネット上で拾った写真でもこのパターンのものが数枚あるが、うち1枚は「EL HAMMA」と書かれた看板と一緒に写っている。EL HAMMAはチュニジア国内の地名であるらしい。暗色部分も比較的色が濃く、塗色も黒である可能性がある。

ちなみにその「EL HAMMA」の写真は、先頭はMk.IIだが後続はMk.IIIで、とっくにMk.IIIが登場してからの写真ということになる。タミヤの組立説明図にもこのパターンは取り上げられており(ちなみに迷彩色の指定は黒)、それには「第1機甲師団所属車輌 1943年3月エル・ハムマ」と書かれている。

……うーん。サンド単色の車輌にしておいたほうが無難だったかな?

●油彩のアンバーでウォッシング(左)。さらにタミヤのウェザリングマスターで若干の表情を付けてみた。なんとかサマになってきたような感じもするが、もう少しメリハリが欲しい気がするので、もう一度墨入れ/ウェザリングマスターを繰り返すかも。

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砂漠の十字軍(8)

週末模型親父さんのところの「デザート・コン」参加作、エアフィックス製1:76(公称)のクルセーダー(Airfix "CRUSADER TANK MkII or MkIII")製作記。

本来、2月末が締め切りだったのだが、1か月延長。3月末までとなった。2月中(仕事が煮詰まって)ほとんど製作が進まなかったので、これは有り難い。

20170130_231447前回までで基本、工作は終了しているのだが、前回の追記で書いたように、予備履帯ラックのディテールが「ガルパンに負けてる!?」というのが気になったので、ロッドを追加することにした。

最初は、すでに付けてあるエッチングの切れ端製の枠を一度取り外し、穴を開けて再接着しようと思ったのだが、素材上でドリルの刃が滑って穴位置が安定せず、枠そのものもプラバンで作り直した(1月末に工作)。

この予備履帯ラックは、他の戦車にはあまり見られない形式のもので、履板3リンクずつ2列を枠に収め、この長いロッドで連結・固定する。つまり、ここに装着されるのは履板だけで、実際に履帯交換する場合は、また別の場所から連結ピンを持ってくる必要がある。なんだかわざわざ面倒にしているような気が……。

20170227_140124 ●前記のように、特に2月半ばわたわたしていたのと、締切延長で安心したのとの相乗効果で1か月まるまる放置していたが、ついに塗装開始。ファレホ(Vallejo)で基本塗装を行った。色は「70912(122) TAN YELLOW」。若干赤みがかった濃い目のサンド色。

特にサーフェサーなどによる下地作りは行わず、直に筆塗り。隠蔽力が強いので、下地の色の違い、細かい金属パーツの上なども、特に問題なくそのまま塗ることができる。ただし、

▼溶剤が水で揮発性が低いためか、塗っている時は塗料に厚みがあり、ちょっとデロデロ感があり、筆むらも目立つ。ただし、これはその後ある程度時間を経て乾燥してくると被膜も薄くなり、むらも目立たなくなって落ち着く。

▼上記は、他の塗料に比べかなり塗料を濃い目で塗るのがデフォであることも関係していると思う。水性塗料であるせいもあるが、あまり薄めだとプラ地に若干弾かれ気味になる。

▼サーフェサーなどで下地作りをしっかりしておくとまた違うのだろうが、直に塗ると被膜の弱さが顕著。ツメなどでひっかくと簡単に塗膜が剥がれる。ただし、乾燥が進むにしたがって若干状況は改善される。

なお、写真ではかなり綺麗に、筆むらなくしっかり塗料が乗っているように見えるが、実際には若干の筆むらは残っており、下地がうっすら透けている部分もある。もっとも、この後ウェザリングを行えば気にならなくなる(であろう)レベル。

20170302_134739 ●履帯を塗装。これもファレホで、「304 Track Primer」。

工作手順上、すでに履帯は接着してしまっているので、奥まったところは車体色も履帯色もなかなか塗りづらい。

中央部転輪が緑色なのは、この後、迷彩色で塗り潰してしまうので、未塗装のモールド色で放置してあるため。

前後の転輪のみ明色なのは、(例の「サン・シールド」偽装幌と併用して)遠目にトラックの車輪と誤認させるためと昔どこかで読んだような気がする。

車体に迷彩を施している車輌の場合、この転輪の塗り分けは、主に

 ←後ろ     前→

   〇〇●●〇

   〇●●●〇

   〇〇〇〇〇

の3種類があるようだ。当初は以前に掲載した「サン・シールド」付き車輌に合わせて第一・第五のみ明色の仕様にするつもりだったが(上の履帯塗装前写真)、砲塔まで迷彩するなら第四転輪も明色のほうがポピュラーのような感じだったので、追加で塗った。

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春来たるらし

●ちょっと散歩に出たらもうぽつぽつとフキノトウが出ているのを見つけ、今年の初収穫。ちなみに当ブログを遡ってみると、昨年は2月の後半に初収穫しているらしい。

まだだいぶ小さく、しかも寒さに当てられてなのか、少々傷んでいる感じもしたので、天ぷらでなくフキ味噌にした。天ぷらだと一度でなくなってしまうが、フキ味噌なら何日か続けて楽しめるから、というのもある。左写真はピンボケ失礼。

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一方、私の山野草食の原点的位置づけで、毎年楽しみにしているノビルは、今年はほとんど育っておらずがっかり。土壌の栄養が変わってしまった、とかあるのかなあ。

●そのほか、少々春っぽいもの。

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・1枚目:鎌倉大町、名越坂踏切脇児童公園の河津桜。FBの逗子のニュースグループで、「もう**では咲いてるよ」などという書き込みも目にしているが、ここはようやくつぼみがほころび始めたところ。1月21日。

・2枚目:鎌倉、本覚寺の紅梅。1月21日。

・3枚目:町内のとあるお宅の梅の木に来ていたメジロ(画面中央)。1月26日。

●じわじわとポケモン収集中。ポケストップが近所にそれほど多くないので、しばしばポケモンボール不足に陥る。

やたらにイーブイばかり出てくるが(せっかく捕まえてもボールから脱出する率が高いようで、ちょっと苦手)、これは地域的な偏りもあるのだろうか。

それはそれとして……イーブイってでんきタイプじゃなかったんだなあ、などとダジャレ系の感想をボンヤリ思ったりする。

20170125_182116 ●Vanatorul de care R-35の防盾に手を入れる。

「どこかのメーカーから新設計のキットが出る前に、エレールのルノーR35を成仏させてやろう」

という意図で作り始めたにもかかわらず10年越しの製作になってしまい(それだけ長時間かけて作っているわけではなく、単に中断期間が長いだけだが)、ホビーボスから新製品が出てもまだ出来ていないお粗末さ。

ちなみに前回製作記事は2010年5月4日だった。その後(比較的最近になって)全体のベース塗装は済ませてある。今年こそ何とかしたいものじゃのう(と、他人事のように)。

ちなみに防盾の改修は、防盾側部の形状修正。左右とも後縁を真っ直ぐ断ち切ったような形に作っていたのだが、その後鮮明な写真が出てきて、軸部をカバーするよう三角に出っ張っているのが判明したため、0.5mmプラバンを貼り増して削った。

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砂漠の十字軍(7)

週末模型親父さんのところの「デザート・コン」参加作、エアフィックス製1:76(公称)のクルセーダー(Airfix "CRUSADER TANK MkII or MkIII")製作記。

●やり残していたいくつかの細部工作を追加して、ひとまず組立終了。現時点での全体写真を撮った。

20170122_014224 20170122_014241 20170122_014258 20170122_014321 20170122_014359 20170122_014421

●前回最後の写真に比べての進捗箇所は、

20170121_192446 ▼砲塔のオデコ部分に指揮官用アンテナ、ではなくて直接照準用のツノをエッチングの切れ端で作って追加。ちゃんと穴を開けて根元を植えたので丈夫。尖っているので、不用意に握ると刺さるかも〈先端は心持ちヤスって丸めたが)。

この照準棒は1本タイプと「山」字状になった3本タイプとがあるようで、後者のほうが後期のタイプであるらしい。基部の工作が面倒だったので前者を選択。

▼エアフィルター側面下部にあるカバー(?)を追加。C字吸気口下の砂受け引き出し(?)の取っ手は小さすぎて作れる気がしなかったので現時点ではスルーの方針。

▼右後部フェンダー内側(エンジンルームの間で谷間になった部分)に何かの基部(フェンダー支持架にしてはガッチリし過ぎているような?)を追加。

●しばらくはこのままで、気になる部分が出てきたら追加工作をして塗装に入る予定。

20170123_010141 ●追記。上に書いたエアフィルターの引き出しの取っ手、結局エナメル線で作って取り付けた。

ややオーバースケールだし、形も少々歪んでいるが、まあ、ないよりはマシ?くらいの感じ。

●追記2。工作で手を付けなかったこと。外形的に気になっていることなど。

▼長過ぎる車体長に関しては、後部フェンダーを切り詰めるだけで多少は印象が良くなるため、そこだけは工作したが、ほか、基本形状に関する誤りは放置した。

ただし、エンジンデッキ前半の通気口カバーが細長過ぎるのはどうにも気になってきて、もう一度もぎ取って幅を増やそうかという誘惑にちょっと駆られる。もっとも、これが細長いのは、エンジンルームそれ自体が細長く、戦闘室が寸詰まりであることが原因。とりあえずカバーの増幅は可能だが、長さは(さすがに戦闘室の延長までする気はないので)どうしようもなく、それが再工作を思いとどまっている要因。

▼ぱっと見の印象がとても良い砲塔だが、頸部の形状はだいぶ間違っている。戦闘室上面に丸く出っ張りが設けられているために、水平方向から見るとやや砲塔が浮き上がっているのが、この部分に関しては個人的には最も気に掛かる。

しかし、前述のように戦闘室上面の前後長が寸詰まりであることなど、そもそも基本形状が誤っているせいで、もしも上面の突起を削り取ると、砲塔角が周囲に干渉しまくる。これを解決するには、上面レイアウトの大幅な改造が必要になる。……いやいや。さすがにそれはちょっと。

▼予備履帯ラックは枠だけ作ってロッドは付けていない。SUMICON掲示板で、めがーぬさんから「イタレリ35でも再現されていないんだし」というような感想を頂いて、「それならここまででもいいかな」と思ったのだが、ガルパン(映画版)のクルセーダーでロッドが描かれているのに気付き、「ガルパンにディテールで負けてる!?」と気になり始め、追加工作するか悩み中。

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砂漠の十字軍(6)

週末模型親父さんのところの「デザート・コン」参加作、エアフィックス76(公称)のクルセーダー(Airfix "CRUSADER TANK MkII or MkIII")製作記、履帯工作の後編。

●センターガイドの工作に関して、何かいい方法(=楽な方法)はないだろうかとしばらく考えていたのだが、結局、特に思いつかず。仕方なく、愚直に1本ずつ植えることにした。工程番号は前回からの続き。

20170118_034407 (6).ベルト状になった履帯の裏側中央に、細切れにした角材を貼り付けていく。

これも最初は(接地リブと同じ)エバーグリーンの0.5×1mm角材を使おうかと思っていたのだが、ちょっと太すぎたので、若干細めに、0.5mmプラバンから切り出した。また例によって同じ長さに切断するための安直治具を、これまた同じくT-34前面装甲板の残骸上に製作。今回の履帯作りに、なぜかこのパーツ(残骸)が大活躍。

この状態ではセンターガイドとなる角柱に僅かに高さの差があるが、それはこの後ヤスって均すので、この段階では気にしない。ただし、ピッチと列は後々の見映えに関連するので、ぱっと見で乱れが目につかないようにだけは気を付ける。

20170118_120523 (7).1列に貼り付けたセンターガイドの角柱を、板ヤスリやサンドペーパーを使って上部を尖らせ、形を整えていく。

最初に工法で悩んでいたなかに、「接着前に形を整えると不揃いになりそうだし、接着後に形を整えるとするとポロポロ取れてしまうのではないだろうか」というのがある。念のため、溶剤系接着剤で付けた後に僅かに瞬着を付けて根元を補強したが、ヤスっている際に折れる事故は、履帯2本分で1ヶ所だけで済んだ。

作業しやすくするため、粘着力を弱めた両面テープで金尺に貼ってある。一つ前の、センターガイドの角柱を貼る作業も、2本目の履帯では金尺に貼ってから行った。

並んだセンターガイドにヤスリを当てていくと、ほとんどノコギリの目立てをしているような感じだが、もちろん私は目立て職人ではないので、1本1本のセンターガイド形状は、よく見るとばらつきがある(それ以前に、実車はもっとスラリとしか形状をしている)。いいんだよ! どうせほとんど転輪に隠れちゃうんだから!(台無し発言)

ちなみに実物のセンターガイドは、マチルダIIの履帯などと同様、前後方向に穴が開いている模様(形は全然違うが)。

20170119_170304 (8).足回りに取り付けてみた。起動輪、誘導輪に巻き付ける部分は部分的に折れたりした。タミヤのプラバンではなく、もっと柔軟性のあるエバーグリーンとかプラストラクトのプラバンを使えばよかったなあ、と後から思った(持ってないけれど)。

そんなわけで、案ずるより産むが易しということか、なんとか形になってしまった。当分こんなことは再度したくないけれど。

20170119_170428 ●履帯を付けた状態で記念撮影。ハセガワの履帯を使うよりもずっと雰囲気よくできたので、そこそこ満足。

もっとも、塗ってしまったら「こういう感じの履帯が付いていたキットなんですね」で終わりそう。

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砂漠の十字軍(5)

週末模型親父さんのところの「デザート・コン」参加作、エアフィックス76(公称)のクルセーダー(Airfix "CRUSADER TANK MkII or MkIII")製作記。

もともと今回の製作では、フニャフニャかつ型ズレがあって使いづらいエアフィックスの履帯に替えて、ハセガワ72の履帯を使う方針だった。工作の一番最初に、接着済みだったサイドスカートを分解したのもそのため。

しかし、どうにもこのハセガワの履帯が気に入らず、なんとかエアフィックスの履帯を工夫して使えないものか、などと未練がましく行ったり来たり考えているうち、

「いっそ作るか!?」

という、ろくでもない考えが浮かんできた。

いやいや、さすがにそれはやめておこう……どうも今回、「細部工作は適当に、偽装用幌でも付けてお手軽に仕上げる」という目論見からはだいぶ逸脱してしまったものの、さすがにそれはオバカ過ぎる。

――などなど考えて思いとどまろうとしたのだが、結局手を付けてしまった。

●実車の履帯について。

キットのスケール、バランスがもともと狂っているので、各部の工作も必然的に現物合わせになるが、それでも実物の寸法はある程度の指針になる。

「crusader tank track width」の検索語で調べたところ、こんなページに行き当たった。「British Equipment of the Second World War」というサイトのクルセーダーの項で、諸元が一覧表になっているなかに、履帯幅として「10.7」という数値が出ている(ちなみに今回の製作では一切考慮していないが、リンク数は118枚らしい)。

いくらクルセーダーの履帯が細いといっても、さすがに10センチ強ということは考えられないので、インチと推定して換算すると27.178センチ。車幅のスケールに近い1:72で計算すると3.77mmになる。

ちなみに、クルセーダーの履帯を写真資料で確認すると、どうもMk.IIの初期あたりで新しい履帯が導入されているらしい。

後期型(たぶん)はイタレリのクルセーダーで表現されているタイプで、表面に縦方向の細かいリブがある。初期型(たぶん)は接地リブが前者より幅があり、それを除くと履板表面はほぼのっぺらぼう。

初期型の現存例の写真はたとえばこれこれ。後期型は、たとえばこれ

●履帯パーツの再検証。ピンボケ失礼。

▼キット(エアフィックス)の履帯。

20170117_142225 20170117_142247

初期型履帯をパーツ化しているらしく、表裏とも一応連結部も表現しているあたりは意欲的。とはいえ、何度も書いているように素材が柔らかすぎてそのままでは使いづらい。裏面のセンターガイドもほとんどピラミッド状に背が低いうえ、中心からズレている。エアフィックスのキットはMk.II、Mk.IIIのコンパチだが、履帯のタイプ的にはMk.IIIには合わないのではないかと思う。幅は4.5mm弱といったところ。

▼ハセガワの履帯。

20170117_142506 20170117_142431

リブ表現があるので、一応は後期型履帯を表しているらしいのだが、パターンはでたらめ。接地リブ左右、センターガイドも単純に角柱状で、「レゴブロック戦車?」的イメージ。幅5mm。今回製作の初期にやっていたように、スカートやフェンダーの内側をゴリゴリ削るとなんとかエアフィックスのキットにも使えそうだが、やはり車体に比べ幅があり過ぎるのは否めない。

●そんなわけで冥府魔道のミニスケール履帯工作。

当然ながら、スカートから覗く下半分しか作らない。

また作業上面倒がない、およびタイプ的にもOK、という2つの理由から、細かいリブパターンのない初期型履帯を選択(なんてそれらしく言っているが、実際には作り始めてしばらくするまで、タイプの別をはっきり把握していなかった)。

20170117_115713 (1).接地リブにはエバーグリーンの0.5mm×1mmプラ棒を使用。中心に溝があるので、写真のような適当な工具を作ってけがく。見ての通り、ドラゴンのT-34(1942~1943年型)用前面装甲板の残骸。

上にリンクを貼った実車履板の写真を見ても判るように、このリブ中心の溝はそれほど深いものではないが、それでいて意外に目立つし、他に見せるべきディテールもないので派手目に入れる。

ちなみにエバーグリーンには元からコの字断面のプラ材もあるのだが、さすがにここまで細いものはないようだ。

20170115_233954 (2).プラ材を貼って適当な(=いい加減な)治具を用意し、(1)で溝を彫ったプラ棒を、4mmの長さに切っていく。後々左右をヤスることになるので、実車寸法よりはやや長めにしてある。それでも、エアフィックスのキットの履帯よりもさらにやや細め。

写真を見て判るように、治具は上の「溝堀工具」の裏側。こんな適当な治具でも、単純にモノサシを当てて切るよりは安定して同じ(程度の)長さの部品を量産できる。

20170116_141551 (3).上の接地リブパーツを、3mm幅の0.3mmプラバン帯材にハシゴ状に貼っていく。キットの起動輪合わせで1リンク2mmピッチ。ハセガワの履帯もピッチのゲージに利用。

といっても、可動にするわけでもないので、「ぱっと見、ガタガタにはなっていない」程度。リブの横幅も、左右方向の接着位置も、よく見るとこの段階ではわずかに凹凸がある。

20170117_142107 (4).0.3mm板の帯に棒材を貼っただけだと、左右に飛び出した棒材端部と履板本体になる帯部分との間に、裏側で段差ができてしまう。そこで、1mm幅の0.3mmプラバンを細かく刻んで、段差埋めのために貼っていく。

黄色いプラバンを使っているのは、作業時の視認性を上げるため。および、色が違っているほうが何だか細かく作業しているっぽく思えて嬉しくなるため(←ばか)。

20170117_212528 (5).段差埋めのプラバンともども、横方向からヤスリがけして横幅の凹凸を均し、履帯幅を均一にする。さらに接地リブ表側左右端のエッジを丸め、履帯らしく形を整える。

もちろんリンク同士の噛み合わせ表現などは綺麗さっぱり省略しているので、その点ではエアフィックスのパーツに負けている。

これでとりあえず履帯表側は工作終了。しかしセンターガイドの工作が難関。

 

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