製作記・レビュー

たこ焼き食いてえ

●19日水曜日。仕事で小金井の情報通信研究機構(NICT)に行く。

往路、ちょうど昼頃渋谷を通ることになるので、東急東横店地下の「道頓堀・くくる」で是非ともたこ焼きを買って食おう!と心に決めて出掛ける。

というのも、先週末の逗子の鎮守、亀岡八幡のお祭でたこ焼き屋台を見て以来、無性に食いたくなっていたため。

以前に書いたように現在はカロリー制限中であり、たこ焼きを食うとなると、一食分をそれに充てるくらいの覚悟が必要。しかも相手は「粉もん」(=炭水化物)なので、カロリー制限内に収めていてもそう頻繁に食っていいものでもない。

それだけの貴重な機会を消費して、味がいまいちだとガッカリ感が半端ないので、屋台のたこ焼きは諦め、折角なら(数日後に)「くくる」のものを食べよう、と思っていた次第。

――が、結構余裕をもって出掛けたつもりだったにもかかわらず、渋谷到着時点で、待ち合わせに遅れかねない時間になってしまい、たこ焼きは諦めざるを得ない状況に。くううううう。

たかがたこ焼きで、と言うなかれ。人間、好きなように物を食えないとなると、それだけ「食い物の恨み」も深くなるのだ。……もちろん、きちんと所要時間を計算せず、「まあ、こんなもんか」で余裕を持ったつもりになっていた自分が全面的に悪いわけだが。

●NICTのとある建物の屋上に、なぜかカブトムシ、クワガタムシのアタマ(頭部と胸部)だけがゴロゴロしている。聞くと、どうもカラスがこれらを獲って来て腹のほうだけ食うらしい。ホントかなあ。

いずれにせよ、周りにまだ武蔵野の森が残っているので、カブトムシやクワガタムシも豊富らしいことは判る。

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●都内に出たついでに、大きく回り道して、四谷仙波堂に寄る。先日、hnさんから「MasterClubの0.6mm丸頭リベットが入荷してたよ」という話を聞いていたので、リベットの買い足しを兼ねて。

……が、0.6mmはさっさと売り切れてしまったらしく無し。wz.34装甲車に使った分、補充しようと思っていた0.7mmと0.5mmも、0.7mmが一袋あっただけだった。また近々入るかなあ。MS modelsに注文するかなあ。

というわけでその他の買い物。

20170721_024741「TRACKSTORY No.12 LES AUTOMITRAILLEUSES CITROËN KEGRESSE」

P.ダンジュー氏によるWW2フランス軍AFVのモノグラフ・シリーズ、トラックストーリーの最近の号(といっても、出たのはしばらく前らしい)。シュナイダーP16装甲ハーフトラックは昔から非常に気になっている車種で、「こんな号が出ていたのか!」と即買い。

もっとも、さすがにP16だけでは間がもたないと見えて、前史である最初のシトロエンのハーフトラックから綴っていて、P16に関しては分量的には半分くらい。

なお、シトロエン・ケグレスをベースとしたハーフトラックの最初期のものにP4Tというのがあるが、これは、私が今作っているwz.34装甲車の原型であるwz.28装甲車にそっくり。それも当然で、ポーランドがシトロエン・ケグレス・ハーフトラックのシャーシを輸入し、P4Tを参考に装甲ボディを作って載せたのがwz.28装甲車だからで、wz.34装甲車にもそのまま引き継がれた六角キューポラはP4Tにもすでに載っている。

シュナイダーP16はP4Tの直系子孫のような車輌なので、wz.34装甲車とP16は「はとこ」くらいの関係になる。

P16はとにかく表面ディテールが半端なく入り組んでいて、さすがにこれをスクラッチで作る度胸はない。以前、DESで1:35のレジンキットが出ていたのだが、出来はどうだったのだろうか。

20170721_025452Passion Models 「Sd.Kfz.231/232(6rad)」用エッチングパーツセット

パッションの新作、ドイツ6輪装甲車用。

そもそもイタレリの6輪装甲車のキットは、「昔のイタラエレイの爪の垢を煎じて飲ませたい」くらいのどよ~んとしたキットで(それでもHiPMの簡易インジェクションよりはマシだと思うが)、そんな相手にディテールアップパーツを張り込むのは、負け続けのギャンブルでさらにレイズするようなもの、という気もする。

実際、四谷仙波堂のサイトでこのセットの紹介を見た時も、「これはなるべく我慢する方向で……」と思っていたのだが、現物を見ると、「いやいや、それでもイタレリの6輪は持っているんだし。好きな車両だし」と、つい衝動買い。

中身は、「とにかくこの車輌を好きな人が凝り性炸裂で作った」感がヒシヒシ。一昔前のありがちなエッチング・セットのように、「とりあえず金属に置き換えただけかよ!」的なパーツはない。……が、その一方で、工作の難易度は「これ、オレ、作るの? 作れるの?」と不安になるレベル。

曲面上に付く雨どいや、凸部のあるクラッペは、冶具が付属していて自分でプレスして形状を作れという指示。各部のヒンジは、土台部分だけあって、軸部は伸ばしランナーで、リベットはどこかから削り取って流用するか、伸ばしランナーの輪切りで作ることになっている。いやまあ、アベールのように軸部を巻いて作れというのも、それはそれで困っちゃうけれども。ちなみにそのリベットは頭の径が0.45mmと0.3mmという指定。うーん、MasterClubにもないサイズだな……。

とにかく、これで2000円という値段は内容を考えれば割安感があり、設計者の熱意に押し切られて買ってしまった感じもあるが……。うーん。これ、作る日来るかな……。

理性的に考えれば(ぶっちゃけた話)、イタレリのキットにこのセットを奢るよりも、ブロンコあたりから6輪装甲車の新作が出るのを気長に待った方がいいような気もする。もちろん、こういうちょっとマニアックなアイテムのエッチングセットを今後も出してくれることを願って、それなりに売れて欲しいな、とは思うけれど。

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wz.34装甲車リベンジ(9)

週末模型親父さんのところの「SUMICON2017」にエントリーした、wz.34装甲車製作記。今回は割と控えめな進捗報告。

●前回に引き続き、戦闘室周りのディテール工作。

車体左側面、車体後面にある大きなハッチドアの蝶番と取っ手を作成する。ちなみにキットの取っ手パーツはひしゃげたキノコのような形状で使いようがない。

取っ手はエバーグリーンの0.5×1.0プラ棒を刻んだものに0.5mm径金属線(ちなみにリン青銅線。真鍮線よりやや柔らかく扱いやすい気がする)を刺して竹トンボのようなものを作り(右)、それをヤスって形を整えた(左)。作業のやりやすさを考えて、持ち手代わりに金属線は長めに切ってある。

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大きさを比較するものが写っていないので何だが、この状態で一度車体に挿してみたらだいぶ大き目な感じだったので、さらに削って小さくした。

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後面扉の取っ手側上下にある小さな4つずつのリベットは、扉内側にあるロック機構に対応したもの。蝶番のリベット同様、タミヤ48のマーダーIIIのリベットを削ぎ落として使った。

●さて、ここで大きな問題は、上記の取っ手が、「扉を閉めてロックした状態」でどういう向きになっているのが正しいのかがよくわからないこと。

そもそも、wz.34装甲車の写真は、破壊されたり、放棄されたりといったものが多く、当然ながら、そうした写真では、仮に取っ手が写っていてもそれが「開位置」なのか「閉位置」なのか判断しづらい。

ちなみに、「Wydawnictwo Militaria No.318」の図面では中途半端なナナメ状態で描かれており、しかも、旧型装甲車体の側面は水平に近いナナメ、新型装甲車体の側面と後面は垂直に近いナナメ(しかもそれぞれ逆方向に傾いている)と、てんでんばらばら(ちなみに同書に旧型装甲車体の後面図はない)。どういうこっちゃねん。

もちろん、「生きている」状態の車輌の写真もあるが、肝心の取っ手が不鮮明だったりしていまひとつ決め手に欠ける。とりあえず、以前もここで紹介したポーランドのナショナル・デジタル・アーカイブ(NAC:Narodowe Archiwum Cyfrowe、リンクは英語版)にある、戦前のパレード時の写真から、取っ手部分を拡大してみた。

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①:旧型装甲車体(写真番号1-P-2992-16より)。不鮮明だが、横向きに近い前下がりに見える?
②:旧型装甲車体(①と同じ写真番号1-P-2992-16より)。ほぼ水平?
③:旧型装甲車体(写真番号1-P-2992-17より)。これも不鮮明だが、45度に近いくらいの前下がり斜め?
④:新型装甲車体(写真番号1-P-2993-8より)。これは比較的鮮明。水平。
⑤:新型装甲車体(④と同じ写真番号1-P-2993-8より)。前下がり斜め……?

もしかしたら、外側に出ている取っ手は扉のロック機構と関係ないのか?

そんなわけで、(判断に困ったので)現時点では取っ手パーツはまだ差し込んであるだけで接着固定していない。

●戦闘室前面の貼視孔フラップには、開閉補助用のスプリングが付く(右側面もはね上げ式の開閉だが、こちらにはスプリングは付かない)。

0.3mm真鍮線を軸に細いエナメル線を巻いてスプリングを作って取り付けた。いまひとつ綺麗に工作できていない感じで、やや不満足。

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追記。上記工作後、スプリングがフラップに止まっていないのが気になったので、改めて留め具を追加。もっとも実車の場合どう止まっているかは、はっきり写っている写真がないのでよく判らない。丸リベット上のもので止まっているようにも見える。

加えて、砲塔のフラップ同様、スリット内側の防弾ガラスか何かを止めていると思しき(および開閉機構かロック機構かの)小リベットがこちらにもあるようだったので追加した。

操縦席前の一番大きいフラップは、スリット上の小リベットが内側寄りにもあるかもしれないが、はっきり確認できないので今のところ付けていない。

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wz.34装甲車リベンジ(8)

週末模型親父さんのところの「SUMICON2017」にエントリーした、wz.34装甲車製作記。

砲塔はある程度の目途が付いたので、車体のディテール工作を行う。

●車体のリベット打ち。砲塔同様、メインにMasterClubの丸頭0.7mm、サブに同じくMasterClubの丸頭0.5mmを使用する。実のところ、実車と比べるとメインのリベット列に0.7mmを使うのはちょっと大き目かもしれない。

砲塔の時には鉛筆でリベット列のガイドラインを引き、それを基にリベットの穴を開けて行ったのだが、ドリルの回し始めでわずかに滑って穴の位置がずれることがあった。そこで車体はもうひと手間掛けて、開口位置に縫い針でアタリを入れてからドリルを使うことにした(もっともそれでもズレることはある)。

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ある程度リベットを入れて、砲塔やシャーシも合わせて“記念撮影”してみたのが下写真。

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「あれ……wz.34装甲車ってこんなにリベットだらけだったっけ」とちょっと意外に思ったのだが、改めて写真をめくってみると、今まで馴染みのある新型装甲ボディのほうは、旧型に比べてだいぶリベットが少ないのだった(もちろん前述のようにリベットの大きさが強調気味だからでもあるだろうが)。

リベットの位置や数は当時の写真を基に判断しているが、戦闘室の左右張り出し下、プラペーパーの帯を貼ってある部分はよく判らず、半ば想像で植えてある。

なお、この帯金(のように見える部分)は、装甲板を止めるアングル材などではなく、もともとのwz.28装甲ハーフトラックのフェンダーの取り付けベロ部分が残っているものなのではと思う(追記:……と、思ったのだが、少なくともドア部分の内側写真を見る限り、そちら側に装甲板接合用のアングル材などは見当たらなかった。あれ? やっぱりアングル材が外側にあるのかな?)。wz.28用後部フェンダーは、wz.34装甲車(旧型装甲ボディ)でも一部車輌で残っているのが写真で確認できる。

Guard ●旧型装甲ボディでは、新型に比べ砲塔位置が後ろにあり、戦闘室上面・砲塔前側にリングガードがある。

それ自体はプラペーパーでベロ部を作り、それに合わせて丸めた0.3mmプラバンで作成。止めているリベットは6つなのだが、写真を見て個数を判断して「片側3つずつ、片側3つずつ……」と頭の中で念じていて、なぜか実際にリベットを付ける際は、基準となる両端に穴を開け、それを除いてもう3つずつ開けてしまった(つまり計8つ)。迂闊!

しかも実際にリベットを植えてから「あれ? なんか多いぞ」とようやく気付く始末。

結局、一度植えたリベットを引っこ抜き、ベロ部分のプラペーパーを剥がして作り直し、再度リベットを植えた。

●戦闘室前・側面の貼視孔フラップを作成。

砲塔同様、プラバンの切れ端でスリット開け用の冶具を作り、針先でケガいた。位置・幅が確認しやすいので、目盛付きプラバン(0.3mm)の表側を使用。スリットを開け、外周形状も整えた後に目盛はヤスって消した。

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最初に切り出した時は、(写真で見て、前・側面ともに上下ラインがだいたい同じ位置だったので)4枚とも上下幅を同じにしたのだが、いざ取り付けようとしてみると、何かおかしい……。

それも当然で、戦闘室前面は傾斜しているので、その分(上下のラインがほぼ同じなら)上下幅は余計にないといけないのだった。これまた迂闊。

もともとちょっと幅を大きめに切り出してあったので、側面分のフラップの幅を詰めて調節した。

●フラップヒンジの工作。ヒンジ自体は伸ばしランナーとプラペーパー。ヒンジを止める小リベットは、タミヤ1:48のマーダーIIIから。こういう部分のリベットは、取り付け時に位置を微調整できる「削ぎ取り式」か、あるいはme20さんお得意の「プラバン打ち抜き式」か、いずれにしてもスチロールのものの方が都合がよい。

もっともこれだけ小さいと、元パーツから削ぎ取ったリベットの裏表が判別しづらいし、(今回はそんなことはなかったが)ペンナイフの先で拾い上げる時に力余って“一刀両断”してしまうこともある。

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こうして写真にとって拡大してみると、いまひとつ綺麗に揃っていない感がある。やはりヘッドルーペ欲しいな……。

なお、貼視孔フラップは、戦闘室前面・右側面のものはヒンジが上にあり、跳ね上げて開ける形式だが、左側面だけは写真のように前側に開けるようになっている。なんでこんな仕様なのか常々不思議に思っていたのだが……。もしかしたら、(左は運転席側なので)フラップの裏側に小さなミラーが付けられていて、フラップを開けるとそのままバックミラーになるのではないだろうか。あくまで勝手な妄想なので、あまり本気にしないように。

●車体前端のラジエーター・ドアは開いた状態で作ろうかと思っているので、中に仕込むラジエーターも作成した。

20170624_210918 CERTIのキットにもラジエーターのパーツは入っているのだが、「1:48の乗用車?」と思うくらいに小さいので、これまた流用しづらい。なお、キットパーツで中央縦に仕切りが入っているのは、旧型装甲ボディの一部で、(装甲ボディ側の)ラジエーター・ドア直後に仕切りがあるのを誤解したものか。

自作したラジエーターは、0.3mmプラバンの細切りに、プラペーパーをさらに細く切ったものを挟んで重ねたもの。これを本体に、適当にプラ材で枠部分を作った。

ラジエーター形状のはっきり判るクローズアップ写真などは手元にないので、「なんとなくラジエーターらしい形のもの」をでっち上げただけ。

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wz.34装甲車リベンジ(7)

週末模型親父さんのところの「SUMICON2017」にエントリーした、wz.34装甲車製作記。

砲塔工作のそのまた続き。

●wz.34装甲車の砲塔上面隅には、ちょうどドイツ戦車のピルツェンのような円筒状の突起がある。ピルツェンなら簡易クレーンの取付部だが、wz.34装甲車のそれは車輌間連絡用の信号旗を立てる場所で、どうやら砲塔内部まで貫通しているらしい。

20170616_144527 MirageHobby版のキットには、初回にちらりと触れたように、この信号旗が両面印刷された小さな紙が付属している。1:35用と1:72用が1枚の紙に印刷されているから、同社のポーランド軍AFVのキットにはもれなく付いているものらしい(あれ? でも同社1:72の7TPには入っていなかった気がずるぞ?)。

この信号旗はスウプスキ式ペナント(Chorągiewki Słupskiego/ホロンギエフキ・スウプスキエゴ)、あるいは「スウプスキの盾(Tarcze Słupskiego/タルチェ・スウプスキエゴ)」と呼ばれるもので、スウプスキというのは考案者の名前であるらしい。

Slupski 下すぼまりの三角形の布が2本の鋼線の間に張られていて、おそらく、この鋼線がバネになって、車外に出すと旗が開き、また簡単に車内に引っ込めることもできる、という仕組みになっているのではないかと思う。右はその出し入れの想像図。取っ手部分はまるっきり想像。もっとしっかりした持ち手があるのかもしれないし、あるいは車外に抜け出してしまわないようなストッパーのようなものがあるかもしれない。

ポーランド語版wikipediaには、このスウプスキ式ペナントの解説記事が上がっている。

それを読むと、この信号機の一本ずつ、あるいはその組み合わせ、そして掲示の仕方(出しっぱなしだったり出し入れしたり)によって十数通りの合図を伝達できるものらしい。Google翻訳さんに掛けてもいまひとつよく判らない部分もあるが、とりあえず簡単なところでは、赤のペナント1本は「敵発見、隊列は縦隊保持」だそうで、そのため、破壊/放棄された1939年戦役時のwz.34装甲車の写真でペナントが掲げられている場合、赤旗である例が多い、と記事にある。

ちなみにこのスウプスキ式ペナントは1936年に制式化されたものだそうで、そのため、原型であるwz.28装甲ハーフトラックには砲塔の筒はなく、wz.34に改装されて以降、追加で改修装備されたものであるらしい。同様の筒穴は、TKSや7TPにも付いている。

●さて、このペナント用筒穴なのだが、CERTIのキットでは、砲塔天井左右辺の前後、計4カ所にモールドされている(筒ではなく単なる突起になっているが)。

しかし、たまたま砲塔上面が比較的鮮明に写っている下左の写真を見ると、左前には筒穴があるものの(黄色矢印)、左後ろには明らかにない(赤矢印)。例によって、写真は「PIBWL Military Site」のwz.34ギャラリーページ(2)から引用・加工させていただいた。

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しかし一方で、右写真では左後ろにも、右後ろ同様に筒穴があるように見える(黄色矢印)。他の写真を漁っても、上面は写っていないもののペナントが4本立っている例があるから、4カ所に筒穴がある仕様が存在しているのは確かだと思う。

それなら左写真の例はいったい……???

例えば、当初のスウプスキ式ペナントは信号体系が後のものよりシンプルで、筒穴も3つ(あるいは2つ)で済んでいたため、初期の改装車は筒穴が少なく、後に信号の複雑化に伴って穴も4つに増えた、などという筋書きも可能性として考えられるが、もちろんそのあたりはまったく想像。

●とりあえず工作としてはしっかり4カ所に筒穴を設けることにして、天井板にドリルで開口。コントレールのプラパイプを埋め込んだ。

その後、キューポラハッチにもリベットを植え、砲塔上に接着。ちなみに各面の下4つのリベットはMasterClubの0.5mm、上2つはタミヤのマーダーIIIのモールドを削ぎ取ったもの。上2つは下よりやや小さめなので変えてみたのだが、こうして写真で見てみると、色が違うだけで大きさはあまり変わらないような気が……。ナンノコッチャ。

前後にヒンジも工作。側面貼視フラップのヒンジがぐだぐだな仕上がりになったのに懲りて、この部分のリベットもタミヤのマーダーIIIのモールドを使用した。

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キューポラ上のフタ、武装に関してはいずれまた改めて。

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wz.34装甲車リベンジ(6)

週末模型親父さんのところの「SUMICON2017」にエントリーした、wz.34装甲車製作記。

砲塔工作の続き。

●ディテール工作の皮切りに、まず、天井板周囲にリベットを植えた。MasterClubの0.7mm丸頭リベットを使用。

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ちなみにMasterClubからは「ポーランド型」として2辺のみ削られた尖頭ボルトも出ているが、あのタイプは基本、TKシリーズのみに使われているのではないかと思う。少なくともwz.34装甲車は通常の丸リベットのようだ。

「Wydawnictwo Militaria No.318」の図面では、天井板の角度が切り替わる部分の直後にも、横一線にリベットが描かれているが、実車写真では確認できない。

●側面にリベットを植える前に、左右前・後面の三カ所に視察スリットを筋彫り。プラバンの切れ端でいい加減な冶具を作って針でケガいた。

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リベット用の穴はきちんと揃えて開ける……つもりでいてもどうしてもあちこちズレる。ズレが激しい部分については伸ばしランナーで穴を埋めて開け直したり、それがまたズレてまたやり直したりする。うぐぐぐぐぐぐぐぐ。

●側面のリベットの植え込み完了。基本、装甲板の接合部分は0.7mmリベット。観察スリットには一応内側に防弾ガラスか何か付いているらしく、スリット左右上に小さなリベットがあるので、同じくMasterClubの0.5mm丸リベットを植えた。

装甲板の接合リベットのなかでも、砲塔下辺はやや小さいものが使われているようだ。観察スリット左右のリベットよりは大きいようなので、本来なら0.6mmリベットを使いたいところなのだが、しばらく前からMasterClubの0.6mmリベットは品切れで入手難(以前、ヴィッカース水陸両用戦車を作ったときにも0.6mmが使いたかったのに手に入らなかったのだった)。結局ここも0.5mmを使った。

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●左右面に観察フラップを付ける。ここにもスリットがあるので、砲塔本体同様針でケガいたのだが、相手が0.3mm板なので筋彫りが貫通。それはそれで彫りが深くなっていいのだが、砲塔本体の3カ所よりもスリットが太くなってしまった。

本来なら砲塔本体の3カ所ももう少し強く彫り直したいところなのだが、そうすると筋彫り線がヨレヨレになりそうな気がするのでとりあえず放置。

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蝶番は伸ばしランナーとプラペーパー、リベットはドラゴンのT-34の不要部品(グローサー取り付け用ベルト)から。

さすがにこの大きさで削ぎ取り+貼り付けは目が追い付かず、こうしてデジカメで撮って拡大してみると手作り感バリバリ。

ちなみにキューポラは仮に載せてあるだけ。これにもリベットを植えないといけない。

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wz.34装甲車リベンジ(5)

週末模型親父さんのところの「SUMICON2017」にエントリーした、wz.34装甲車製作記。

CERTIのキットでエントリーしておきながら、いつの間にやらスクラッチ道まっしぐら。

ボディの基本形がほぼ出来上がったので、最初に手を付けたものの中途になっていた砲塔に戻ることにする。

●銃/砲架に関する若干の考証。

後期型装甲ボディの車輌の場合、通常は(機銃搭載型の場合の)銃架はTKSと同じ(あるいは同じではないにしても非常によく似ている)ボールマウントが使われている。砲搭載型の場合もおそらく外側のマウント部は同じだと思う。

一方で初期型装甲ボディの場合は角型の銃/砲架が使われている。

ただ、全車がそうだというわけではなく、若干の例外もある。例えば以下の写真では、右の車輌は新型装甲ボディだが角型銃架が使われている(ただし、この角型銃架は、旧型装甲ボディの車輌で一般的な形式のものとはちょっと違うような気もする)。写真はポーランドのナショナル・デジタル・アーカイブ(NAC:Narodowe Archiwum Cyfrowe、リンクは英語版)から引用した(写真番号:1-P-2993-8)。

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また「PIBWL Military Site」のwz.34ギャラリーページ(1)では、逆に旧型ボディで丸型銃/砲架の車輌の写真も見ることができる。

もっとも、ほぼ装甲ボディの形式別に銃/砲架の仕様が違うとは言えそうで、そこから考えて、この差異はwz.28時代からのものと思われる。装甲ボディ形状が改設計されたのとほぼ同時期に銃/砲架も新型のものに変更され、同形式の銃/砲架が引き続きwz.29装甲車やTKSにも採用されたのではないだろうか。

●というような考証に基づき、角型の銃/砲架を工作。一応、ピュトー37mm砲搭載型を作ろうと考えているので(以前、ほぼストレートにCERTIのキットを作ったときにオチキス機銃型にしたので)、以下、砲架で統一する。

初期型装甲ボディ砲塔の周囲だけ作って天井を張っていなかったのはこの砲架の工作が残っていたからで、砲塔前面に砲架のはまる四角い穴を開口する。プラバンを四角く切り出すのは別に難しくないが、四角く綺麗に穴を開けるのは意外に面倒。

さて、この砲架は、砲もろともMENGのFT-17から流用してこようとも思ったのだが、砲塔に対して砲架がやや大きめで(もともとwz.34装甲車の角型砲架がFTに比べ小さめなのか、私の作った砲塔の前面の面積が足りないのかは不明)、細部形状も違うので使用を断念した。下写真で右側に写っているベージュのパーツがMENGのもの。

代わりにRPMのFT-17の砲架パーツを持って来て、これをもとに新たに砲架をでっち上げた。RPMの砲架パーツは実はMENGのモノよりさらに一回り大きいので、十文字に切り刻んで縦横の幅を詰めたうえで削って整形、前面はくり抜いてプラバンをはめた。

この角型砲架はルノーFTと同じく、カルダン枠形式になっていて(オチキス用銃架も同様)、俯仰だけでなく左右動もできる。FTの機構を引き継いだものと思われる日本戦車の砲架とも同じ仕組み。ただし、FTの37mm用砲架は左右動の軸が脇に寄っているのに対し、wz.34装甲車のものは中央にある。

また、不思議なことに、この防盾の前面には、照準口が見当たらない(たとえばこの写真参照)。オチキス機銃用の防盾、また37mm砲用でもルノーFTのものにはしっかりあるのに……なぜ?

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MENGのものを使えれば、パーツの俯仰軸を活かして一応上下動くらいはできるようにしようかな、とも思ったのだが、新たに砲架を作る段階で、RPMのパーツの軸は(作業に邪魔で)削り飛ばしてしまい、わざわざそのへんを再生するのも面倒だったので結局接着した。……結局接着するなら砲塔前面に開口しなくても、適当な角度で削った砲架をイモ付してしまえばよかったのでは(と、後から気付いた)。開口しておいてなぜ動かすようにしないんだ!と、みやまえさんに叱られそう。

●満を持して(?)天井板を貼る。

砲塔本体に天井板がかぶさったような状態を表現するため、表面は0.3mm板を使い、それだけではたわんでしまいそうなので0.5mm板で裏打ち。さらに前後の接合部近くにはタミヤの角材で桁を入れた。

●砲塔上の六角形のキューポラを作る。

この部分は、キューポラ自体が「ぱっかん」と前後に分かれるハッチになっているという、独特の構造。もっともここから上半身を出すのはちょっと窮屈そうな感じ。

現時点ではまだ工作していないが、キューポラ上のフタ部分は、円形のものと、キューポラ本体に合わせた六角形のものと2種類ある(CERTIのキットにも2種のパーツが入って選択式だった)。フタとキューポラの間にはわずかに隙間があって、これはおそらく硝煙の換気用。なお、このキューポラの周囲(6面)には視察用のスリットが付いていそうに思うのだが、手持ちの写真資料では確認できない(wz.34装甲車の視察スリットは他の部分のものも非常に狭く、写真では確認しづらいので、存在する可能性は捨てきれない)。

なお、ここでもう一度、上に引用したポーランドのナショナル・デジタル・アーカイブ(NDA)の写真を見て欲しいのだが、この写真に写っているwz.34装甲車は、キューポラ式ハッチの代わりに、平板のハッチが取り付けられているらしい。こんな例は他では見たことがなく、このパレード時の特別な改装なのか、少数はこんな仕様があったのか、よく判らない。

実際の工作。当初、ほぼ「Wydawnictwo Militaria No.318」の図面に準じた大きさで工作。それなりに綺麗にできた……と思ったのだが、砲塔に載せてみるとどうも小さすぎる感じ。仕方がないので作り直したが、今度は大きすぎ・平たすぎになってしまうので、さらに作り直し。3度目でなんとか使えそうなものができた。

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中央が最初に作ったもの、右が2番目に作ったものの残骸、左が三度目の正直。

もっとも、この大きさのプラバンのコマ切れを工作する場合、目盛付きプラバンを使っても正確に同一形状に切るのは難しく(誤差の絶対値としては大きなパーツを切る場合とそう変わらないと思うが、相対値はどうしても大きくなる)、向かい合った面同士がしっかり平行になっていなかったりする。……が、ぱっと見には判りづらいので、これで良しとする。

既存の図面では、このキューポラ・ハッチは砲塔上面にそのまま載っているように描かれているが、実際には段差か縁取りのようなものがあるようなので、0.3mm板を貼り増した。砲塔に載せてみて、CERTIのキットのパーツと並べてみたのが以下。

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wz.34装甲車リベンジ(4)

週末模型親父さんのところの「SUMICON2017」にエントリーした、wz.34装甲車製作記の続き。糖尿病だろうが何だろうが、とにかく模型は作る。……いやまあ、大層な心意気とかの問題ではなく、別に他にやるべきことがあるわけではないので。

●シャーシ工作の続き。

「ひっくり返して裏を見せるつもりも特になく、エンジンまで作り込む気もないので」と前回書いたが、さすがに何も無しというわけにはいかないので、なんとなくそれらしく、アレコレのものを配置する。

一応、機器類の配置は「Wydawnictwo Militaria No.318」に出ている図に従っているが、それぞれのディテール等は、ほとんどでっち上げ。

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一応、各パーツの出自を書いておくと、

①:ドラゴンのT-34の76mm砲の空薬莢受けを切り刻んだり削ったりしたもの。

②:タミヤのヴェスペの105mm砲弾を切り詰めたもの。

③:タミヤのIII号戦車の上部転輪、ヴェスペの上部転輪など輪状パーツを重ねて削った。

④:太めのランナー。

⑤:ドラゴンのT-34の角型増加燃料タンクを刻んだりプラバンを貼ったり。

⑥:プラストラクトのL字材。

⑦:前回書いたように、たぶんタミヤの48マーダーIIIの固定用ナット受け(湾曲部)。

⑧:再びドラゴンのT-34の76mm砲の空薬莢受けを切り詰めて両側をプラバンで塞いだもの。空薬莢受け大活躍。

右写真はまだ排気管が付いていないが、マフラーと排気管はランナーとコントレールのプラ棒で作った。位置的にはここにマフラーが付くのは間違いないはずなのだが、ギア機構が乗っている肋材(プラストラクトのL字材で作った部分)との関係がよく判らない。結局、マフラーが付く部分の肋材をゴリゴリ削り込んだ。CERTIのキットには排気管が含まれていないことに、今回ようやく気付いた。

このあと、サスペンション機構やフロントアクスル、デファレンシャルなどを作らないといけないので、シャーシに関してはまだ道半ば。

●装甲ボディとシャーシの位置関係に関する若干の考察。

CRETIのキットでは、シャーシの上にそのまま装甲ボディが乗っている形に表現されていて、実際、後期型装甲ボディではそうなっているのかもしれないが(しっかり確認していない)、初期型装甲ボディの場合、どうもそうではない感じがする。

以下の写真は、解説用に「PIBWL Military Site」のwz.34ギャラリーページ(2)から引用・加工させていただいた。

04 03

左写真で、戦闘室下にある横線は、装甲ボディ本体とその下のシャーシ保護用スカートの分割線と思われるが、これを前方に延長すると(黄線)、シャーシ上面と等しいと思われる前方の切り欠き上端よりも少々上に来る。エンジンルーム側面が若干狭まって奥まっていることを考えても、連続していないと見たほうがよさそう。

また右写真を見ると、どうもシャーシの上にもう一枚、スペーサーのようなものが挟まっているように見える。

そんなわけで、製作したシャーシ上面に、1mmプラバンでゲタを履かせた。ボコボコ穴が開いているのは接着剤の流し込み用。

20170610_004615

●エンジンルーム側面に関する若干の考察。

エンジンルーム左右には、小さなルーバーと点検用ハッチがあるが、これらの位置は初期型装甲ボディと後期型装甲ボディとで異なる。

……だけならまだしも、初期型装甲ボディの場合、左右でもルーバーとハッチの相対位置が異なっていて、点検ハッチの後端が、右側ではルーバー後端より前、左側ではルーバー後端より後ろにある。

さて、相対位置が異なっていることは写真から比較的簡単に判断できるのだが、問題は絶対位置に関して。可能性としては3種類ある。

(1).ルーバー位置は左右同じで、点検ハッチの位置が左右で前後にずれている。

(2).点検ハッチ位置は左右で同じで、ルーバーの位置が左右で前後にずれている。

(3).ルーバーも点検ハッチも、両方微妙に違う(すごくイヤ……)。

以下の写真も、「PIBWL Military Site」のwz.34ギャラリーページ(2)から引用・加工させてもらったもの。

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写真の歪みもあると思うので断言はできないものの、これで見る限り、左右のルーバー位置はほぼ同じと考えてよさそうだ。

というわけで、ルーバー位置は同一、ハッチ位置は左右ずらして側面板を工作した。

20170610_005557 20170610_005432

ルーバーの穴は、三連で同じ小穴を開けるのは面倒くさかった(しかも0.5mm板の厚みが見えるのも避けたかった)ので、長方形の大きな穴を開け、そこに0.3mm板でブリッジを掛けた。周囲も内側から若干削って薄くしてある。この後、フラップを付ければほとんど見えなくなってしまうと思うけれど。

なお、後期型装甲ボディではエンジンルーム側面板と下部のスカートは別体だが、初期型ボディは一体になっている。

●装甲ボディの工作の続き。

前回はほぼボディ後部(戦闘室)基本形のみだったが、戦闘室は前面も0.5mm板で内張後、前面・上面に0.3mm板を貼り増し。この部分だけ0.3mm板を貼ったのは、表に小口が出る部分であるため。

上にも写真を載せたエンジンルーム側面板は、ほぼ真横から撮った実車写真をおおよそ1:35サイズに縮小し、それで形状/ルーバー位置のアタリを付けた(左写真の背景に写っているもの)。

20170604_022540 20170609_170233

エンジンルーム上面は、後端・側端などナナメ+ナナメで接するラインの寸法が取りづらく、大まかに切り出した後に削り合わせた。

写真を撮って置こうと思って忘れたが、上面の山形が削り合わせ作業中に割れたりしないよう、裏側は結構ぐちゃぐちゃにプラバンの切れ端や瞬着で補強してある。

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wz.34装甲車リベンジ(3)

週末模型親父さんのところの「SUMICON2017」にエントリーした、wz.34装甲車製作記。

●毒を食らわば皿まで工作その1。

結局、初期型装甲ボディを作ってみることにした。前回書いたことと重複するが、

  • 後期型ボディで作る場合でも、キットのパーツそのままでは使えず、結局ほぼ丸ごと作り直すことになる。
  • 後期型ボディの場合の、シャーシ後端の処理(形状)が今ひとつよくわからない。
  • 後期型ボディばかり一般的で、初期型ボディは目新しさがある。

……などが理由。

初期型ボディは戦闘室後面が垂直なのが特色(後期型は傾斜している)で、他に、以下のような特徴がある。

  • 戦闘室の幅が後期型よりも広く、砲塔が正位置では左右にはみ出さない。
  • その代わり、戦闘室側面下部は(ハーフトラック時代の足回り形状に合わせて)えぐれていて、段になっている。
  • 前方から見た時の大きな識別点として、戦闘室正面バイザーが大小2つある(後期型は1つだけ)。
  • エンジンルーム左右装甲板の形状、ディテールレイアウトも後期型と異なり、ルーバー、点検ハッチがやや後ろにある。
  • 初期型ボディのさらに初期生産型と思われるが、エンジンルーム上面フード前方が別体。

……など。後期型ボディとはすべての装甲面で寸法が違うのだが、前に書いたように「Wydawnictwo Militaria No.318」に出ている初期型ボディの図面はまったく信用できないので、「PIBWL Military Site」の中のwz.34解説ページの参考図なども見つつ、「だいたいこんなもん?」で寸法や形状を決めていく(←いい加減)。

20170528_020720 初期型装甲ボディに関しては、FTFから72で唯一のインジェクションキットが出ていて、これも若干の立体参考資料としたが、このキットは、形状的には「Wydawnictwo Militaria No.318」の図面と近く、初期型ボディを正しく再現しているとは言い難い。

このキットでは、ボディ側面下のえぐれた部分も3つの面で膨らんだ形状となっているが、影の付き方などから見て、ここは素直に同一平面になっているものと判断した。初期型ボディの比較的鮮明な写真資料に関しては、「PIBWL Military Site」のwz.34ギャラリーページ(2)が助けになる。

また、原型となったwz.28装甲車では確実にこの部分が平面であるのは、同じく「PIBWL Military Site」のこのページで判る。

そんなこんなで、砲塔同様にwaveの目盛付きプラバンを使ってボディを新調。

20170528_020847 20170528_020930

前半はシャーシとのつじつま合わせも必要になってくるので、ある程度シャーシの目途が付いたところで工作の予定。戦闘室前面・上面は装甲板の重なりを表現するため0.3mm板を被せるつもり。

●毒を食らわば皿まで工作その2。

どうせほとんど見えない部分だし、シャーシはキットのパーツを使っちゃおうかなあ、とも思ったのだが、結局こちらも自分で作ることにした。

ひっくり返して裏を見せるつもりも特になく、エンジンまで作り込む気もないので、作りやすさ優先でシャーシ外形に合わせてプラバンで底板を作り、そこにフレームやある程度のディテールを盛って行く形式とした。

20170525_160456 20170528_021134

後輪スプリングを支えるビームのうち、前側のものは、中央がドライブシャフトを避けて窪んでいる(その形状については、この写真で確認できる)。それほど複雑な形状でもないが作るとなると面倒で、作成法についてちょっと悩む。結局、円筒形のジャンクパーツ(たぶん、タミヤの48マーダーIIIの固定用ナット抑え)を輪切りにして、それをプラ材に貼り付けてから削り込んだ。

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wz.34装甲車リベンジ(2)

週末模型親父さんのところの「SUMICON2017」にエントリーした、wz.34装甲車製作記の続き(というか、ここからスタート)。

●車体に関してはなお考証・検討中。

先述のようにwz.34装甲車の寸法には2種類あり(実際にはシャーシは3種類だが、wz.34-Iはwz.34と同寸法?)、装甲ボディも2種類ある。「PIBWL Military Site」の解説ページでは、キットが表現している新型装甲ボディの車輌は、シャーシはむしろ初期型の、wz.34もしくはwz.34-Iだったのではと考察している。

「Wydawnictwo Militaria No.318」には、新型装甲ボディの車輌の4面図が出ている(その他の型も側面図だけ出ている)。各面で微妙に寸法にズレがある怪しい図なのだが、少なくとも側面図はwz.34の寸法(全長3620mm)の解釈で描かれているようだ。装甲ボディ後端とシャーシ後端の関係など、「これでいいのか?」と思う部分もあるが、そのへんの誤差を含めても、CERTI/Mirageのキットの装甲ボディはやや小さいようだ。

なお、新型装甲ボディに関しては、hnさんから、「Wydawnictwo Militaria No.318」の図面と実車の側面写真とを対照し、寸法を検討した図面画像を頂いた。本当にどうもありがとうございます。

新型ボディで作る場合は、CERTI/Mirageのキットの装甲ボディにプラバン1枚被せて、装甲形状も一部手直ししつつやや拡大するという方法もいいかなと思う。面の数も旧型に比べ少ないので、その点でもメリットがある。しかし、シャーシ後端(特に後輪スプリング保持部)の形状が旧型ボディ車輌以上に判らないのがワジワジする。

どのみちボディもある程度以上のプラバン工作が必要になるなら、35では見たことがない旧型装甲ボディにしてしまうのも(長丁場のSUMICONなら)アリかな、と思ったりする(毒を食らわば皿まで的な)。

なお、「Wydawnictwo Militaria No.318」の図面では前輪はまっすぐに地面に当たっているが、「WRZESIEŃ 1939」では若干のポジティブ・キャンバーが付いている(キットもだいぶきつめにキャンバーが付いている)。実車写真を見ると、「ややキャンバーあり」が正しいようだ。

●装甲ボディに付いては前記のように「やや小さい(全長で3~4mm?)」程度のようだが、砲塔に関してはそれどころではなく小さい。初めてCERTIのキットを作った時には、キットの砲塔パーツ底面に1.2mmプラバンを貼って嵩上げし、若干大きくすることでお茶を濁したが、今回は最初からプラバン工作する。

20170514_203259 20170516_233847

今回の工作では、先日購入した方眼プラバン(WAVEの「プラ=プレート【グレー】目盛付き 0.5mm)を使用した。確かme20さんに教えて貰ったもの。これを使うとかなり楽に精度の高いパーツを切り出せる。もちろん、本人の工作精度の問題もあるので、出来上がったものは「それなり」。

さて、この砲塔はほぼ前述の2図面に準拠した寸法で作ったのだが、出来上がったものを実車写真と並べてためつずがめつすると、どうも各面が、実車はもうちょっと縦長で角度も立っている気がしてきた(この辺は写真によっても見え方が違うので微妙)。

というわけで、工作開始直後からいきなり迷走状態だが、わずかに寸法を変えて、砲塔をもう一個製作した。

20170518_182106

左が新たに作ったほう。縦横比はこちらの方が近いような気もするのだが、今度は明らかに面が立ち過ぎ。砲塔ばかり3個も4個も作っても仕方ないので、最初に作った砲塔を採用する。ああ、回り道した。

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wz.34装甲車リベンジ

●5月アタマから、週末模型親父さんのところの「SUMICON2017」がスタートしている。

期間は10月末までの長丁場の、AFVモデルのwebコンペで、レギュレーションは例年通り、製作過程を掲示板で報告し、あれこれ皆でコメントしあって盛り上がりつつ完成を目指そうというもの。

今度こそクブシュを作ろうかとも思ったが、結局、あれこれ考えてwz.34装甲車を作ることにした。

wz.34装甲車は、かつてポーランドの小メーカーCERTIから初のインジェクション・キットが発売された。CERTIはこのキット一つだけで消滅してしまったが、キットは数レーベルを転々として、現在はMirage HOBBYから出ている。現在でも35のインジェクションはこれが唯一。

20170507_152809 20170508_011454

20170515_170535 20170515_170910

上段がCERTI版とその中身、下段がMirage版とその中身。基本パーツは同じだが、Mirage版は、

  • 箱絵がまともになった。
  • タイヤが別物になった(ただしディテールは五十歩百歩)。
  • 説明書が豪華カラー印刷。
  • デカールが大判で綺麗(ただし中身はだいぶ疑問有り)。
  • 砲塔上に掲げられるペナントが両面印刷の紙で付属。
  • Mirage製のMG34のパーツ枝が付いてドイツ軍鹵獲仕様に対応。
  • 金型の手入れをしたのか、あるいは単に成型状態の差か、若干パーツ表面が綺麗。

などの違いがある。なおCERTI版には写真の白箱と、グレー箱の2種がある。グレー箱が初版だったような気がする。なお、初版はプラ色がダークブルー(ホイールのみこげ茶)だった。

私自身はCERTI版が発売された直後に一度作ったことがあるが、当時は「wz.34装甲車が出た!」というだけで嬉しかったので、パタパタ組んでタミヤエナメルを筆塗りして完成させた記憶がある。

さすがに自分でもかなり不満の残る出来で、いつかもうちょっと気合を入れて作りたいと思っていて、このブログでも、過去、(その後あれこれ出てきた資料をもとに)若干の考証をまとめたことがある。

wz.34装甲車メモ
wz.34装甲車メモ(2)

なお、wz.34装甲車のインジェクション・キットは、その後、1:72ではFTFから旧型・新型2種の装甲車体それぞれのキットが発売されている。レビューはこちら

●CERTIのキットが出た当時に比べるとかなり資料的に充実してきたとはいっても、実のところ、なお謎の部分が多い。

wz.34装甲車は、もともとハーフトラック形式だったwz.28装甲車を改装して作られているが、エンジン・駆動系の違いによってwz.34、wz.34-I、wz.34-IIの3形式があり、さらに装甲ボディ形式に新旧の2種がある。MirageおよびFTFは、キット名称として、新型装甲ボディのものを指してwz.34-II(旧型をwz.34)としているのだが、これは少々怪しい。

基本の数値データ(全長、全幅、全高、ホイールベース)などは各資料にあるのだが、これも所々「えっ、それホント?」という部分がある。以下は「WRZESIEŃ 1939」(WKŁ)より。最初の数字がwz.34、カッコ内がwz.34-II(ということになっている)。

全長:3620mm(3750mm)
全幅:1910mm(1950mm)
全高:2220mm(2230mm)
前輪トレッド:1180mm
後輪トレッド:1470mm(1540mm)
ホイールベース:2570mm(2405mm)
グランドクリアランス:250mm(230mm)

「Wydawnictwo Militaria No.318」ではwz.34-IIの前輪トレッドが後輪と同じ1540mmになっているが、これは明らかに間違い。あとはwz.34のグランドクリアランスが257mmとやや大きくなっているだけの差。

さて、ここからがだんだんややこしくなってくるのだが、前述のように、wz.34、wz.34-IIという形式名称は駆動系の差にあり、それでホイールベースやトレッド(全幅)が変わってくるのは納得できる。が、全高あたりは装甲ボディの形状で決まりそう。

また、上記数字を信用すると、ホイールベースが約15cmも短いwz.34-IIのほうが全長が10cm以上長く、wz.34-IIは、wz.34に比べ、シャーシ後端が後輪よりもかなり後ろに出っ張っていることになる(前輪端が前端であるのはどの形式でも変わらないと思われるので)。

20170513_011228 このあたりに関する考察に関しては、「PIBWL Military Site」の中のwz.34解説ページがなかなか詳しく説得力もあるが、そこでは、(キット名称や一般的な印象とは逆に)旧型装甲車体のほとんどはwz.34-IIだったのでは、というようなことが書いてある(英語なので読み間違えていたら失礼)。また、上記数字データのうち「wz.34-II」のものとなっているのは、旧型装甲ボディのものではないかと推察している。

図面に関しては、一応、手に入る既存資料のものを比較してみたのが右上写真。一番奥のマンガっぽいカラー図は「WRZESIEŃ 1939」。右下の外形図と中上のシャーシ図は「Wydawnictwo Militaria No.318」のコピー。左の2枚は「PIBWL Military Site」の参考図を1:35相当に引き延ばしたもの。

一見、一番もっともらしいのが「Wydawnictwo Militaria No.318」の図面なのだが、実はこれはだいぶ怪しい(そもそも側面図と平面図で寸法が合わなかったりする)。特に旧型装甲ボディの図面は明らかにおかしく、実車写真と各部バランスが食い違っている。むしろ見た目では牧歌的な「WRZESIEŃ 1939」のカラー図や、同じAdam Jońca氏の図面を元に若干の手直しをしたという「PIBWL Military Site」の(図面というには小さすぎる)図のバランスの方が信用できそう。

結局のところ、上記諸元数字を信用するとしても、装甲ボディ等々細部寸法は、後2者の図等を参考に、自分で「えいやっ」と決めるしかないようだ。

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