製作記・レビュー

ホルトの鈍牛(8) 履帯

●「週末模型親父」さんのところの「SUMICON2018」のエントリー作、RODEN 1:35、HOLT 75 Artillery Tractor製作記。

今回は「一応キットの履帯を使うんだけれども、もうちょっと見映えをなんとかしたい」編。

●キットの履帯は以前にも書いたように、表面(接地面)はそれなりだが、内側の出来が大雑把すぎる。

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(1) 実物の履帯は、現在でも建機などにみられるように、リンク部分とシュープレートが別体の構造だが、改めて整理すると、

(2) リンク部分は左右2つずつの軽め穴があるが、キットでは省略されている。

(3) 連結ピン部外側のディテールがない。

(4) 転輪と接する部分は、実車ではレール状に逆L字断面になっているが、キットでは表現されていない。ここまでの3つに関して言えば、リンク部とシュープレートが一体成形されている以上、スライド型でも使用しない限りは仕方がない。

(5) シュープレートは実車ではプレスされた薄手のもので、当然ながら接地面の「ニの字」のリブ部分は裏側では窪んでいるのだが、キットでは鋳造なみの厚み。当然接地面に対応した窪みもない。

(6) シュープレート内側に、一見、何かしらのディテールを再現したように見える押し出しピン跡がある。

(7) 起動輪がやや小径であるのと関連して、履帯のピッチもやや短いようだ。

(8) シュープレート表側(接地面)には、(少なくとも軍用タイプとして使用されたものは)本来おおよそ浅いV字型のグローサーが(すべてのリンクに標準で)取り付けられている。動態保存されている現存実車では確認できないが、これは路面/地面を傷めないための措置かもしれない。

●以上の問題点のうち、(5)、(7)に関しては、おそらく履帯そのものを自作するしか解決策がないと思われるのでスルー。また(8)に関しても、凹凸のあるシュープレート表面にグローサーをフィットさせるのが大変であること(1枚だけとかならまだしも!)、前輪と履帯部分の高さの再調整も必要になってしまうことなどから目をつぶることにした。

●残りについても、当初は、(6)にある両側の押し出しピン跡を削るだけでお茶を濁そうと思っていたのだが、キットの履帯パーツは必要枚数より数枚多く、その余りを使って「お試し工作」したところ、ある程度なんとかなりそうなことが判明。リンク部分に若干手を加えることにした。

▼リンク部側面に2カ所ずつの軽め穴を開口。

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片方の穴が噛み合わせのために広がるナナメ部分にかかってしまうため(実車はそうではないのだが)、綺麗に開けられるか不安だったが、細いドリルから段階的に開けることで、なんとか我慢できるレベルに。

本来は冶具など用意して正確に位置を決めるべきだが(ドリルスタンド的なものがあれば比較的容易なのかもしれないが)、私の環境ではいろいろややこしく、結局すべてフリーハンドで開けた。というわけで、実際にはかなり誤差があるのだが、ぱっと見「うわっ、ガタガタじゃん!」というほどでもないのでOKということにする。

それよりも、プラの質が柔らかく粘っこいため、開口部周囲にケバ立ちが生じて、これを綺麗に除去できないのが参った。

▼転輪と接する部分のレールを再現する。簡単な冶具を作成し、同じ形のプラバン片を量産(0.3mm厚を使用)。これを履帯リンク部両側に貼っていく。

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▼貼り増したレール部分は余裕を持って左右にハミダシ気味にしているので、連結後にヤスリで幅詰めを行う。なお、もともとこのリンク部の幅は転輪フランジよりごくわずかに広めなので、転輪フランジ内側も少しヤスって、履帯が綺麗にはまるようにする。

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なお、履板中央にも押し出しピン跡と思われる突起があるのだが、これは履帯を足回りに巻いてしまうとほぼ見えなくなるので放置した。

▼キットではつんつるてん状態の連結軸部外側を工作。先に削り落とした押し出しピン跡突起の再利用。面倒くさいので、見える外側にしか付けていない。

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なお実車では、この部分は、履板側(リンク側)にドーナツ状の盛り上がりがあり、その中心に軸が見えているような状態。というわけで、工作はその点だいぶあっさり手を抜いているのだが、「ないよりはマシ」ということで。

●一応連結可動式とはいえ、チャラチャラと気持ちよく稼働するような状態ではなく、巻くのに苦労しそうなので、(若干の手戻り覚悟で)足回りに履帯を巻いた状態で車体に後付けできるよう、一工夫してみることにする。

というわけで、すでに車体にガッチリ接着してある起動輪軸を基部を残してエッチングソーで切断。先日組んだ転輪桁部分と位置合わせできるよう、後から取り外せるフレームを作って誘導輪を仮固定。

誘導輪外側の機構は、役割がよくわからないが、とりあえずキットのパーツ(写真3枚目)はちょっとお粗末なので少々手を加えた。

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●とりあえず片側分の履帯工作が終わったので、足回りユニットに巻いてみた。だいぶ工作の手間を増やしてしまったが、こうしてみると、わざわざ手を加えた価値はあったと思う(手前味噌)。

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足回り全体の各部バランスも、キットそのままの状態よりはだいぶ良くなった気がする。

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IBG 1:35 Tankietka TKS z NKM wz.38 FK-A 20mm

20180905_234011 ●IBGの新製品、1:35「Tankietka TKS z NKM wz.38 FK-A 20mm」を購入したので、そのレビューをば。

TKSは1939年戦役で使われたポーランド製豆戦車。キット名の「Tankietka」もポーランド語で豆戦車を指す(たぶん)。

キットの製品名は妙に長いが、要するにTKSの20mm砲装備型。標準ではオチキス機銃1丁装備のTKSの対戦車特殊型として作られた(たぶん既存のTKSから改修された)もので、生産数には諸説あるが、おおよそ20輌内外。これ以上の実車解説に関しては昔まとめた別項を参照のこと。さらに詳しくは「PIBWL military site」のTKのコンテンツを読んで頂きたい。

IBGは、この「20mm砲型TKS」のキットをほぼ同時に3種類出していて、一つは足回りがロコ方式に一体成形された「イージー版」(製品番号E3503)。もう一つはイージー版に、Hatakaレーベルの塗料がセットされたもの(製品番号E3501)。そして3つ目が足回りが細かく分割された要組立て版(製品番号35046)で、私が購入したのは3つめの足回り要組立て版。

箱絵は基本共通だが、前2者は箱表右下に白カコミで完成見本のCGもしくは塗料セットが出ていて、最後のものは車輛だけでなく乗員+歩兵が描かれている。これは最後のキットにだけフィギュアが付属しているためらしい。ただし、箱に描かれた兵は4名だが、付属のフィギュアは2名。

なお、IBGはオチキス機銃搭載の通常型TKSの発売も予定している。こちらも3種類で発売されるのかもしれない。

●TKSの1:35インジェクションキットは、これまでにTOM/RPM、Mirage HOBBYと2社から出ていて、今回のIBGのキットは3社目。

先行の2キットも、それぞれそれなりに愛情の感じられる好キットだったが、再現度という点では至らぬ点もあり、ポーランドAFVファンとしては(特にTKファンとしては)新キットの登場は喜ばしい。

3社比較はまた次の機会にということで、とりあえず今回はキット内容の紹介を。

●箱の中身はざっと以下のような感じ。

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インテリア再現キットなので、極小の2人乗り豆戦車の割にはかなりパーツ数が多い。miniartのように、枝を細かく分割して金型を減らす方式を取っているようで、小さいパーツ枝が複数入っているものが多い。

ちょっと見づらいが、箱の中身写真の中央やや右下に20mm砲の金属砲身。ほか、小さめのエッチングパーツが2枚。説明書は塗装説明図はカラー。組立説明図部分は全面CG。

▼砲塔のないこの豆戦車にとっては、スタイル上のキモになる戦闘室(パーツ枝M)。先行キットと異なり、前部と後部の2分割。

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スライド金型も用いて、各面の尖頭ボルトも一発で抜いている。実際には、これらはポーランド独特の(というよりTK独特の?)2面尖頭ボルトなのだが、モールドはほぼ通常の丸頭リベットになっている。どうしても気になるという人はMasterClubで「ポーランド型(Bullet-proof bolt "Polish" cone-head)」として発売されているので交換するのも良いが、どのみち、ルーペか何かで拡大しない限りはほとんど判らないと思う。

内部再現キットだから、ということもあるだろうが、上面の乗降ハッチだけでなく、視察口フラップも、武装バルジ両面を除いてすべて別パーツ・開閉選択式(ただし、各フラップ裏面に開閉機構は再現されていない)。

TKSのインジェクションキットで一番最初に発売されたTOM/RPMのキットは、武装バルジ部分の上面の絞り込みが明らかに足りないのがスタイル上の弱点だったが、このキットはその辺は好ましい感じ。

戦闘室上面レイアウトは機銃装備の通常型と20mm砲型では違いがある。

  • 車長/銃手側ハッチが、機銃装備型は前後に開く(後方は中折れハッチ、前方は1枚式の細いハッチ。ただし、初期には前方も中折れハッチだった可能性も)のに対し、20mm砲型は後方中折れハッチのみ。ハッチの大きさ(前後長)も違う。
  • 車長/銃手側のグンドラフ式ペリスコープが、機銃型は機銃の真っ直ぐ後ろなのに対して、20mm砲側は(おそらく砲尾を避けて)左にオフセットされている。

キットはハッチの開き方、ペリスコープの位置は20mm砲型の特徴をフォローしているが、ペリスコープが付く上面固定部は、20mm砲型ではもっと前後に幅広いのではないかと思う。

また、20mm砲装備型では武装バルジ上面にスウプスキ式信号旗用の穴が1つあるが、組立説明図では図示されているにもかかわらず、キットのバルジ部分にモールドは無く、部品も見当たらない(探せていないだけかもしれないが)。

▼車体下部(パーツ枝B)。

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ここもスライド型を使ってバスタブ型に一体成形。内部再現に合わせて内側にもモールドがあるが、とりあえず目立つヒケなどは生じていない。

▼エンジン等を含むパーツ枝A。

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およびトランスミッション等を含むパーツ枝C。

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車内再現はそれなりにきちんと考証されているようなのだが……残念ながら、弾薬ラックはオチキス機銃用で20mm砲マガジン棚ではない気がする。そもそも20mm砲型の車内ディテールの資料があるのかどうかも不明。せっかく車内ぱーつがあるのに、おいそれとハッチを開けるわけにはいかなくなってしまった。

金型に無理があったのか、梱包に無理があったのか、車体後部のルーバーとハンドルに折損があった。簡単に直せる感じのものだが、ルーバーパーツはちょっと厚みが気になるので、ついでに薄く削り直すか、薄い金属板などで作り直すほうがよいかも。

▼20mm砲まわりのLパーツと、「足回り要組立て版」のみに付属している金属砲身。

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▼「足回り要組立て版」の足回りパーツ。転輪類はDパーツ(2枚)。サスペンション、転輪桁などはJパーツ2枚とKパーツ1枚。

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再現度としてはTOM/RPMよりはだいぶよく、Mirageよりやや上という感じ。特に先行2社の転輪がかなり薄っぺらかったのに対し、こちらは厚みが表現されているのは良い。

▼履帯パーツ(パーツ枝EとF)。説明書には、どちらも2枚ずつ入っていると書かれているのだが、なぜかEパーツが3枚入っていた。どちらが正しいのかは組み立ててみないと判らない(が、一定の長さのものが奇数枚になるというのも変なので、たぶんEパーツ1枚は余計なのだと思う)。

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さて、わざわざ足回り一体のイージー版と差別化して出すからには、履帯パーツにはそれなりに気合が入っていて欲しいと思うのは当然ではないかと思うのだが、実際にはだいぶ適当感があって、個人的にはちょっとがっかり。

本来は中央のスプロケットが入る穴部分にも履板同士の噛み合わせがあるのだが、キットパーツは履板の両端でだけ繋がっている表現。また履板表面の凹凸も接地リブ以外表現されていない。ガイドホーンも、実車の「薄っぺらく四角い」感じとちょっと違う。また、少なくとも私が買ったキットでは、3つ入っているE枝全てで、パーツE6に樹脂のショート部分があった(写真4枚目右側パーツ、右下部分)。

ついでに、wikimedia commonsから、実物の履帯写真を引用しておく。

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とりあえず履板表面の模様に関しては、なぜか一番最初に発売されたTOM/RPMのキットがおそらく一番それらしいという、なんとも皮肉な状況。ただし、前述の転輪幅の問題もあり、TOM/RPMの履帯をそのままこのキットに持ってくるのは難しいかもしれない(未検証)。

▼エッチングパーツ。

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なぜか説明書の図示と違って大小2枚入っている。これに関しては小さな正誤表も付属していて、どうやら、エッチング(大)に入れ忘れたパーツ&訂正パーツがエッチング(小)という位置付けのようだ。

戦闘室後面のラジエーターグリルのメッシュがエッチング(大)と(小)の両方に入っているが、これは枠部分がメッシュよりも一段高くなっている表現が付いているかどうかの違いらしい。

●最後に、足回り要組立て版にのみ付属しているフィギュア2体。

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一体はカーキのツナギを着て着座姿の操縦手(たぶん)、もう一体は黒革のコートを着た立ち姿の将校だが、これまで一般の将兵のインジェクション・フィギュアとして、ここまでデブのおっさんがいただろうか!?とビックリするほど恰幅がいい。「模型慕情」さんがまだ更新を続けていたら、ぜひこのフィギュアに付いて一言コメントして頂きたかった。

ちなみに、昔のタミヤの一部フィギュアにあったように、造形のクセとか間違いとかでデブになってしまったわけではなく、あきらかにその体型を意識して作ってある(ように見える)。

その昔、ポーランドのSKというレーベルで「ポーランド戦車兵」のインジェクション・キットが出ていたことがあるが、これはエレールの仏戦車兵セットの名前を変えただけのもので(SKはエレールの再版もの専門レーベルだった)、実際にはポーランド兵とは軍装が違う、という適当なものだった(ヘルメットは同型)。というわけで、1939年戦役時のポーランド戦車兵の35インジェクション・フィギュアはこれが初かも。……いや、いかなる兵科であれ、1939年戦役時の35ポーランド兵そのものが初?(そしてそれがなぜヒゲデブ?)

●総じて、どうも手放しで「決定版!」と称えるほどの出来ではないという感じだが、それでも先行2社のキットより一日の長はある。TKS好きなら手にして損はないと思う。

ただし、どうやら車内は機銃型に準じているようでもあるし、複数作りたい車種ではあっても毎度車内を作りたいかどうかは別なので、「足回りイージー版」よりも、「中身省略廉価版」を出してほしかったな……。

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ホルトの鈍牛(7) 足回りの工作

●「週末模型親父」さんのところの「SUMICON2018」のエントリー作、RODEN 1:35、HOLT 75 Artillery Tractor製作記。だいぶ間が開いてしまったが、今回は前回の検証を受ける形で足回り(転輪ブロック)の工作。

●ホルト75の足回りは、転輪列が直接取り付けられた桁全体(誘導輪も含む)を、コイルスプリングで懸架しているスタイル。

前回書いたように、キットの転輪桁はバランス的にどうもおかしい。ディテールももっさりしていて、実物の“こちゃこちゃ”した感じに乏しい。というわけで、思い切ってまるごと作り替えることにした。

これまた前述のように、ここの前後長を変えてしまうと誘導輪の位置も変わってしまい、履帯の枚数とか車体/フェンダーに対する足回りの位置関係とかまで変わってしまうので、後々ややこしいことになるのは目に見えているのだが、その辺は工作しつつ考えることにする。一言で表すと「行き当たりばったり」。

●転輪桁の工作その1。

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写真1枚目。基本形は最近愛用のwave「プラ=プレート目盛り付き」を使用。桁の横板は0.5mm板で作成。右端の色の違うものがキットのパーツで、新造パーツとは前端部の長さと、後端部形状と違う。転輪間隔は実車写真と見比べてもそうおかしくない感じだったので、キットの間隔を踏襲した。前回書いたように、どうやら第一転輪だけわずかに上方にずれているようなので、約0.5mm、取付穴をずらして開けた。

写真2~4枚目。桁左右の横板位置がずれないように、(というよりも面倒くさくなったので)転輪は桁に接着してしまう。上縁のL字材は0.3mm。「上蓋」部分は0.3mm板で、中央部に0.5mm板で裏打ちした。上蓋上のディテールも0.3mm板で工作。上蓋前方の誘導輪用の切れ込みの形状は適当。

横板上のディテール(ボルト、リベット類)は各種、あちこちから削り取ってきて移植した。転輪軸には「フランケンシュタインの電極」状の突起が付くが、これはランナーを適当な径に細めたものの輪切りとエバーグリーンのプラ棒の組み合わせ。

●転輪桁の工作その2。上面のディテールの作り込みと誘導輪の取付、左右の連結。

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スプリングは0.5mmアルミ線で前回作成したもの。軸はタミヤの2mm径丸棒だが、エバーグリーンやプラストラクトのプラ材と違い、タミヤのプラ材は太さや断面形状が一定しておらず、ほぼ「アンコ」にしか使えない。

「アンコ」として使う場合でも、例えばこのスプリング自体、この丸棒に巻き付けて作成したにも関わらず、改めて適当な長さに切ったプラ材にはめようと思ったら、同じプラ材の使用箇所によってキツくてはまらなかったりした。使いづらい……。

上面に使用したボルト頭は、タミヤのM60A1リアクティブアーマーからの移植。先日新橋に行った際に、タミヤ・プラモデルファクトリー新橋店のパーツばら売りで入手したもの。

誘導輪は前回記事の工作で大径化したもの。誘導輪位置調整装置は基部のみキットのパーツをちょっと削って使用。このへんの寸法バランスは(ある程度修正されたとはいえ)実車とは微妙に違っている感じだが、あまり追求しすぎると(先述のように)履帯を自作する羽目になってしまうので、適当なところで妥協する。

●上部転輪ブロックとの合体。

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上部転輪桁は基本、キットのパーツ。どうも実車では上部転輪の高さは同一ではなく、順に「前下がり」になっているようなのだが、キットの起動輪との位置関係なども考えて修整しないことにした。上部転輪軸部(表側のみ)ほか、一部のみ若干のディテールアップ工作。

自作した下部の転輪桁と比べると大味さは否めないが、車体への取付強度や位置決めガイドとしての利用等を考え、キットのパーツを使用することにした。

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レモン牛乳

●すっかり当ブログの更新をご無沙汰してしまった。

●「ハクメイとミコチ」で読んで以来、それまでいまひとつピンと来ていなかったカヌレが気になってしまって……という話は以前にも書いたが、最近、CALDI(カルディコーヒーファーム)で売っている冷凍カヌレを時々買ってきて食べる。

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本来はレンジで解凍して食べるものらしいが、買ってしばらく持って歩いているうちにほぼ解凍されてしまうので、そのまま自然解凍で食べている。基本、カヌレは外がカリッ、中がもちもちというのが身上だが、この冷凍カヌレは(冷凍ものを解凍しているのだから当然かもしれないが)外がもちっ、中がとろっという感じ。それはそれで悪くはない。皮の部分がちょっとほろ苦いのが美味しいのは共通。

●ここ数年、チビの夏休み中のイベントの一つとして、娘出資で日帰りのバスツアーに出掛けている。今年は栃木の大谷資料館(大谷石採掘場跡)ほか。ずいぶんシブい選択だなあ、と思うが、いろいろなミュージシャンのPV撮影にも利用されているというのが娘的にはポイントであったらしい。

近隣の、「戦時中に地下工場として掘られた洞窟を貯蔵庫として利用している酒蔵」も見学。「実際に稼働する前に終戦になった戦車工場跡」とのことだが、坑道の広さからみて九四式軽装甲車でも出入りは難しそうなので、おそらく部品工場の予定だったのではと思う。

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最後の1枚は大谷石採掘場の坑内にあった説明板。こちらはコンサートも開けるほど広大なので、戦闘機の機体製造も当然無理なくできたろうと思う。

●上記ツアー行き帰りのサービスエリアにて。

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「カレー+いちご」の組み合わせは、それほど突飛な感じはしない。たぶん、カレーの味的にもそれほどハズレではない気がする。いや、知らんけど。しかし「レモン牛乳カレー」は想像の範囲を超えている。うーん。世の中、チャレンジ精神は大事だとは思うが、そもそもこれは挑戦する価値があるものなのか?(作るほうも食べるほうも)

●身近な虫いくつか。

▼ちょっと前から、逗子・鎌倉の数カ所で出会った、あまり見覚えのないハナバチ。

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最初は見慣れたトラマルハナバチだと思ったのだが(サイズ的にもほぼ同じ、やや小さめくらい)、飛び方が忙しないうえ、途中でホバリングを挟むなど、マルハナバチとは挙動が違う。よく見るとお腹もほぼツルツルで色模様も違う(トラマルはモフモフの黄縞)。

改めて調べると、どうやらコシブトハナバチの仲間(スジボソコシブトハナバチ?)であるらしい。ルリモンハナバチがいる以上、それが寄生する先であるコシブトハナバチも近くにいるんだろうとは思っていたが、確認できたのは今年が初めて。ちなみにこのハチは、枝などに止まる際に、脚ではなく顎で噛みついて懸垂するような感じになるとか読んだ/見た覚えが。ぜひ見てみたいものだが、花に来ているときには忙しなく飛び回るばかりで、止まっているシーンは見られなかった。残念。

もっとも、今年はルリモンハナバチのほうをまだ一度も見ていない。毎年必ずルリモンハナバチが来る近所のキバナコスモスの群生だが、今年は夏の前半までに刈り込まれてしまって、ほんのわずかしか花が咲いていない。今年は出会えないかもしれない。そちらもまた残念。

▼とんでもなく巧妙に枯れ葉っぽい蛾。

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葉脈の具合といい、深く切れ込んだ背中側のラインといい、「この手の虫がいる」ことを知っている私も、最初は「葉っぱがくっついているのかな?」としか思わなかった。

この手の蛾と言えばアケビコノハが有名で、この写真の蛾も「アケビコノハかな?」と思ったのだが、アケビコノハは鼻先が「象がぱおーんとした状態」みたいな形状で、背中のラインもここまで凹凸がきつくない。また、アケビコノハはもっと大型で、出現する季節も違うようだ。どうやらこれはアカエグリバという種類であるらしい。

●27日、仙台日帰り出張(東北大学)。久々に東北新幹線。

写真は仙台駅近くの「柳町大日堂」という小仏堂。狛犬ではなく「狛未(ひつじ)と狛申(さる)」。

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●イタレリからフルインテリアでT-34-85が出るそうだ。楽しみなような不安なような。

MasterClubからI号戦車の初期型用履帯(生産第二シリーズあたりまで用いられた、ガイドホーンに穴が開いているタイプ)が出る由。たぶん製品として出るのは初。これはぜひ入手したい。

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ホルトの鈍牛(6) 足回りの検証

●「週末模型親父」さんのところの「SUMICON2018」のエントリー作、RODEN 1:35、HOLT 75 Artillery Tractor製作記。

とはいっても、今回は実際の「製作」はほとんどなく、ほぼ「あーでもないこーでもない」編。

先述のエンジン工作(前編後編)は、この車輛を作るうえでの大きな山場だが、それに並ぶのが足回り、特に後部のクローラー部分だと思う。とはいえ、エンジン工作はほぼ「ディテールアップ」の範疇だったのに対して、足回りの方は形状/バランスの修正がメインになりそう。

●以前にも書いたように、一言で「ホルト75」と言っても、生産時期によるのか、生産工場によるのか、仕様の差が激しく非常に悩ましい。

とりあえず、キットの仕様に近いと思われる可動実車が少なくとも2輌ある。その1輌がこちら(Aとする)。

もう1輌はこちら(Bとする)。写真はwikimedia commonsより。

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インペリアル・ウォー・ミュージアム(IWM)の写真検索で出てくる、第一次大戦中の軍用型も、おおよそこの2つの現存実車の仕様に近い。

●しかし一方で、キットはどうなっているかというと、どうも足回り各所のバランスやディテールにかなり疑問点が多い。

キットの組立説明図の塗装解説にある4面図は、ほぼキットのバランス通りになっているので、ここに掲示してみる。

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① 上掲の写真と比べて分かるように、起動輪の下側で、履帯の地面からの「持ち上がり」がだいぶ大きい。起動輪それ自体、上掲実車の仕様に比べて径が小さいようだ。ただし、歯数はどうやら同じ(スポークに対する歯の位置は違う)。

② 履帯に関しては最初のキット評でも書いたように、表面(接地面)の形状はそこそこいいのだが、裏から見るとだいぶ問題が多い。そもそも、キットのシュープレートは鋳物か何かのように厚みがあるが、実際にはプレスで薄く、表面の2本の盛り上がりは、当然裏では窪みになっている。リンク部の形状は実車とだいぶ違い、側面の2つの穴は無視されており、転輪が当たる部分のフランジもない。また、現存実車にはないが、IWMの写真で確認できる限りでは、軍用型ではグローサーが装着されているのが標準のようだ。加えて、上述のように起動輪が「小径かつ歯数が同じ」なので、そのぶんピッチも上掲仕様よりも短いことになる。……問題多すぎるだろソレ。とはいえ、さすがに履帯自作はいやだ。

③ 転輪を保持する桁後端は、キットでは「クレヨンしんちゃん」というか、下ぶくれなラインになっているが(判りにくい説明)、上掲仕様ではもっと単純な形状。キットのような仕様は少なくとも私がかき集めた写真の中では確認できない。

④ 上部転輪は、上掲実車のAではキットのように地面と平行だが、Bでは、よく見ると後ろ上がり/前下がりのナナメになっている。IWMの第一次大戦当時の写真ではどれも前下がりに見えるので、2種類の仕様があったというよりも、現存実車Aはレストア時に平行になってしまった可能性もありそう。単純に上部転輪を斜めにするだけなら工作は大して複雑ではないが、下手に手を付けると起動輪との位置関係がおかしくなる(履帯との関係で、起動輪を下手に大径化できないため)。

⑤ 転輪ユニットは片側4カ所のコイルスプリングで支えられているが、このパーツがお粗末(後述)。

⑥ 誘導輪位置調整装置の付け根と、前述のサススプリングとはキットでは(この図のように)だいぶ離れているが、上掲実車の仕様ではほとんどくっつきそうなくらい近い。

⑦ 転輪軸部は、上掲実車の仕様では、「フランケンシュタインの首のボルト」状に出っ張っている。上部転輪の軸も同様。下部転輪はキットでは(この図でも)すべて同じ高さにあるが、実車では、どうやら第一転輪だけはわずかに上にずれているようだ。まさか第一転輪だけ径が違うとか、ないよな……。

⑧ 前述の⑥とも関係するが、転輪桁の前部、誘導輪軸を支える部分はもっと寸詰まり。もっともフェンダーの長さの都合もあり(しかも上部構造物との関係から見ると、フェンダーの長さはキットの状態でおおよそバランスが取れているように見える)、単純に切り詰めれば済むということにはならない。

⑨ 前述⑥、⑧と関係するが、誘導輪はもっと大径。履帯のラインも、上部は(上部転輪から)この図のようには垂れ下がらず、下部はこれほど地面から持ち上がっていない。

――というように問題山積ではあるものの、それぞれ別の場所と微妙に関わってくるため、修正はなかなか難しい。したがって、根本的な修正は諦め、「そこそこバランスが上掲実車仕様に近付くように」くらいのゴールを目指すことにする。

●「あーでもないこーでもない」話だけでは何なので、若干の工作に関しても。

▼上述のサススプリングについて。

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キットのパーツは左写真のようになっているが、若干の型ズレ&パーティングライン近くで若干の形状の崩れがある。……だけではなく、この写真だとコイルが右回りだが、裏面は左回り。つまり、コイルバネではなく「ナナメの蛇腹」になっている。ドラゴンのI号戦車といい、こういういい加減なパーツ設計って意外に多いな……。

というわけで流石に使う気になれない。ミニ四駆とか、何かその手のもの用にちょうど会うバネがないだろうか、などとも思ったが、探し回るのもそれまた面倒臭そうだったので自作することにした。

I号A型を作った際に、第一転輪サスペンション用コイルバネを作るのに使った0.5mm径アルミ線にもう一度お勤めを果たしてもらうことにし、タミヤの2mm径プラ棒に巻き付けてコイルを作成。最初きつく巻いてから、伸ばしたり縮めたり、最後は爪の先で間隔を調整した。真鍮線に比べ、アルミ線は柔らかく腰がないので、(実際のバネの機能を負わせたりはできないが)こういう工作には向いていると思う。

このあと、一度プラ棒から外して必要な長さに切断予定。なお、最終的にこのバネは8個必要だが、上右写真の長さでは8個分に足りないので、もう少し追加して巻く必要がある。

▼キットの足回りのなかでも、誘導輪の径が明らかに足りないのはだいぶ目立つ気がするので、ある程度の大径化を試みることにした。

実車写真から大きさを割り出して――というのが本来あるべき道筋だが、そもそも他部分の寸法の正確さが(上記のように)大いに怪しいところで、誘導輪だけ正確にしようとしてもあまり意味がない。

そんなわけで、「これくらいなら無理なく交換できて、それなりに履帯の傾きも自然になるのでは」という、かなり適当な工作。

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工作は、

① キットのパーツの三角の穴を、リム部ギリギリまで削って拡大。写真は6つの穴のうち2つだけ削った状態。

② 6カ所削り終わったら、T字断面になっているリム部の立ち上がりを削り落とす。

③ 新たなリムを作成。タミヤIV号戦車D型の誘導輪パーツを利用。リム部だけ残してスポークを削り落とし、さらにその外側に0.5mmプラバンの帯を巻いた。1からリングを作るのが面倒/歪みそうと思ったためにタミヤのIV号D型誘導輪を使ったのだが、内側の細かいリブを削るのにだいぶ手間取った。そもそもパーツの流用というのは楽するために行うものなのに、本当に省力化できたのか怪しい。

④ リムにスポーク部をはめ込み、リムの縁をヤスって整えて工作完了。

右写真はキットパーツと、大径化工作終了後のものとを並べて撮ったもの。

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ホルトの鈍牛(5) 車体後部構造物

●「週末模型親父」さんのところの「SUMICON2018」のエントリー作、RODEN 1:35、HOLT 75 Artillery Tractor製作記の続き。

●車体後半には、トランスミッションを中央に操縦席が右側にあるデッキ、さらにその後方には巨大なドラム状のギアケースが載っている。

そのギアケースは、3分割の円筒面に左右側面を貼る構成だが、側面パーツの厚み分(小口)が円筒面にそのまま出てしまう。しかもリベット列がパーティングラインになっているのがまた悩ましい。

結局、接合線埋めの便もあってリベットは全部削り落としてしまい、後から(例によってタミヤ48のマーダーのモールドからの移植で)リベット列を再生した。

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左がモールドごと接合ラインを消す処理を終えた段階。右がさらにリベット移植後。なお、段差から下のリベットはこの後、位置を修整する羽目になった。

上の「ドラム」の左右には箱状のバルジが付くのだが、これまたいちいちプラの厚みがそのまま表に出てしまう構成(実物は薄い鉄板なので、ほぼエッジ部分に接合線が来る)。

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またそれだけでなく、組立説明図に上面パーツ(14A、15A)の取付指示が左右逆のようだ。

結局、ガッチリ接着後、接合部を埋めて平滑に削った。この際、後面にあるアクセスパネル?状のモールドも(接合線の問題に関連して)位置と形状がおかしいので削り落とし、新たに作り直した。

これに加え、

  • 後部横方向の構造材(3A)は、キットのままだとドラムとの間にだいぶ隙間が空くが、実際には密着している。左右の構造材尾端を若干切り詰めて調整。
  • また、この横材とドラムを固定しているボルト/リベットが(抜きの都合で)曖昧な「∩」状モールドになっているので、削り落として再生。
  • 横材の中央下にドラムから構造材が突き出ているのが無視されているので追加。
  • 前方デッキ、トランスミッション前方の半ロート状のカバー上面のアクセスハッチに蝶番および留金?の表現を追加。
  • 機構の多くが剥き出しのこの車輛だが、カバーに隠れる部分は全く再現されていない。トランスミッションとロート状カバー部分の間も、見る角度によって「まったく繋がっていない」のがバレてしまう感じだったので、ミッションパーツ(15B)前部にランナー加工のプラ材を継ぎ足して誤魔化した。
  • 左構造材前端のナナメ部分は、前半はエンジン架台ブロックにモールドされていて、写真4枚目・黄色矢印部分に接合線(スキマ)が出来てしまうので埋めて平滑に処理。……などなど。

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ホルトの鈍牛(4) エンジン後編

●「週末模型親父」さんのところの「SUMICON2018」のエントリー作、RODEN 1:35、HOLT 75 Artillery Tractor製作記、エンジン編の続き。

なお、製作にあたってはweb上のあちこちからかき集めてきた写真を参考にしたが、どれも微妙にキットの形式と違い、結局のところ、それらの中から「なんとなく見栄えが良さそう」「たまたまここがはっきり確認できる」などの(いい加減な)基準で手を入れるポイントを選ぶハイブリッドなディテールアップとなった。もちろん、それらのうちの一つが、RODENが実際にキット化の参考にしたもので、しかし単純にキット化の際に(細部が)違ってしまったということも考えられる。

なお、これまたキットのエンジンとは細部がだいぶ違うものの、以下の動画は雰囲気を掴むのに役立った。

しかし、ラジエーター無しでエンジン回して、オーバーヒートしないんですかね?

▼補器だのなんだの。

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エンジン右側面後部に付くバッテリーボックス?のようなものは、側面にヒケがある上にエッジがダルかったので、プラ材(プラバン積層)で作り直し、上部のフタ部分だけキットパーツを削ぎ取って来て使った。後部に付くフライホイールは、御覧のように「なんだこりゃ?」というガタガタの段付きでモールドされていて、全周が平滑になるようガリガリと削り込んだ。

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ほか、左側面に付くトレイ状の部品もプラバンで作り直し、支持架はエッチングの余り枝で。右のバッテリーケース?ともども、「ベースがもっさりしていても、部分的にエッジがシャープな小物を加えていくと、何だか全部が精密に見えてくる」効果を期待してのもの。

前面のファンベルト+プーリーは全体が一体成形だが、中央のパーティングラインが……どころではなく、成形の都合で全体にきつめに菱形の抜きテーパーが掛かっており、複雑な形状だけに削り込むのがかなりの手間だった。

また、シリンダーの左側面にも、省略されているディテールを少々付け加えた。

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エンジン架台左側にあるスペアパーツボックス?のような部分のフタは、パーツが厚めであるうえ、ヒンジのモールドがゴツ過ぎる印象だったので作り直した。

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エンジン架台右側のラジエーター用水タンクは、微妙に架台に対し幅が足りず、タンク縁の表現と留めベルトの表現がごっちゃになってちょっと変だったりしたので、

  • タンク左右端を接着する際にプラバンを挟んで増幅。
  • 左右端パーツに一体でモールドされていた支持架一部と留めベルトは削り落とし、縁の表現を作り替え。
  • 支持架は架台側のU字モールドを活かして作り替え。
  • 留めベルトはプラペーパーと真鍮線で作成。
  • タンク上端は、キットのパーツでは細かいリベット列で止められている表現になっていたが、実車写真で確認できない+面倒なため、ありきたりな溶接線表現に変更。
  • タンクのキャップは、以前買ったMasterClubのボルト/ナットの中に、なぜか間違えて1本紛れ込んでいた極太のワッシャー付きボルトを有効活用。

▼そんなこんなで、ほぼ工作が完了したエンジンブロック。左写真が左前から。右写真が右後ろから。

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上で書かなかった細かいあれこれ。

後部のフライホイール内側の小ホイル(17B)は、説明書では上写真とは逆に凹側を前に(メインホイール側に)して付けるよう指示されている。が、その状態では位置が定まらないため、凸がメインホイール側の窪みにはまる、逆方向に取り付けた。後面は後々カバーのパーツに隠れるので、この方向のほうが正しいのではと推測したのだが……。合っているかどうかは不明。

各部の配線/パイピングはだいぶ推測交じり。エンジンに詳しい人が見たら、「なんでこれがこっちに繋がっとんねん」と思う部分もあるかも。

フライホイールとエンジン本体の間に突き出ているアームから、エントツ根元付近に繋がっている細いロッドは、実車では基本真っ直ぐなのだが、作例では真っ直ぐ繋がる位置関係にならなかったので、仕方なく緩くクランクに曲げてある(真鍮線で作成)。用途不明。

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ホルトの鈍牛(3) エンジン前編

●RODEN 1:35、HOLT 75 Artillery Tractor製作記の続き。

すでに製作はそこそこ進んでいるのだが、ブロックごとにある程度まとめて……などと考えているうちに製作記録は滞ってしまった。

とりあえず、今回はエンジン。前々回でも掲示した、エンジン本体ブロックのパーツをもう一度上げておく。先述のようにこの車輛はエンジン含め機構がほとんど丸見えになっているので、その中でも特にディテールが細かいエンジンは大きな見せ場となる。資料は少ないが、できるだけそれらしく手を入れたい。

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▼シリンダーヘッド部分は、裏側に大きな押し出しピン跡の凸。これ自体は削り落とせばいいだけのものだが、上部のディテールは、ロッカーアームやバルブスプリングが一体成形、しかもその間に大きなヒケ穴が生じていたりする。

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とりあえず、上部のモールドは全部削り落としてしまい、ヒケ穴を埋めた後、周囲のナットを再生。ナットは、タミヤの旧ヴェスペの起動輪ハブキャップのものを移植した。バルブスプリングは、プラ棒に0.2mm径程度のエナメル線(分解したモーターから巻き取ったものなので太さは適当)を巻いたもの。本来は上部がすぼまっているのだが、その辺は横着した。

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▼緩い錨型のロッカーアームは、0.5mmプラバンから。

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1.最初は1枚ずつプラバンから削り出していたものの、どうも形状が安定せず。シリンダー3つ分(6枚)削ったところで放棄。方針変更。

2.最初に軸穴を開けたプラバン片を用意。使用しているのはwaveの目盛り付き0.5mmで、ドットの間隔が1mm。

3.裏側の凹部を粗く削った後、プラ棒に挿す。なんだか蒲焼きか何かのような……。

4,5.形状が同一になるよう、裏表を一緒に削る。この際、適当に手持ちで削るとプラバン片が回転してしまって形状が揃わなくなるので、削る際は冶具(といっても金尺とか、適当に平らなプラ材とかだが)に当ててねじれないようにした。

6、一度取り外し、必要な幅に切断したプラパイプを噛ませ、再度軸に通して接着。4気筒なのに5セットあるのは予備。この後、1組ごとに切り離し、軸部に脚を付け、さらに軸部外側に(見た目上の軸となる)輪切りプラ棒を接着した。

▼プッシュロッド取付前の工作。

シリンダー上部に冷却水循環用のパイプ(16E)。その下に私には用途がよく判らない配線をまとめたパイプのようなもの(13E)が付くのだが、表現が大味だったのでコントレールの細いプラ棒とエナメル線で作り直した。

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プッシュロッドと、前段で作成したロッカーアームの取付。

プッシュロッドはキットのパーツ(4E)。実を言えば、ロッドの断面が(いかにもRODENらしく)偏平になってしまっていてよろしくないのだが、そのままのほうがロッカーアームの位置決めに便利なので(ロッカーアームとの接続部をちょっと削って)使用した。

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本来、ロッカーアームはエンジンの作動に応じ、微妙にズレて動くはずで、このように全部がぴったり同じ位置で停止していることはないんじゃないだろうか、と思う。かといって、それぞれ適当にバラバラに動くわけでもなく、順番は厳密に決まっているはずなので、こだわりだすとドツボにはまるのは目に見えているため、お行儀良い姿勢のままとした。

上で取り付けた「謎の配線収束パイプ」からファンベルト軸根元の機器への配線は想像交じり。なお、「謎パイプ」からの線4本の取り出しは、元パーツでは下部に引き出し口らしき突起があり、最初はそれに準じて新造パーツにも突起を付けていたのだが、「そこからでは配線がしづらい+実車写真で上側から引き出しているものがある」という理由で位置を変更した。

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TAKOM 1:35 SMK多砲塔重戦車

20180721_194249 ●先週土曜日、横浜VIOLKSに真鍮のL字材を買いにいったら、TAKOMの新製品SMK(No.2112, SOVIET HEAVY TANK SMK)が出ていて、このドンガラの大きさと諸キット高騰の折、税別5850円は割とお買い得なお値段だ、と思ってしまったこともあり、いそいそとキットを抱えてレジに並んでしまったのだった。

以下、簡単なレビュー。

●実車は、基本、KV重戦車の「出来の悪い前代」として名前が出てくることが多い、“一点もの”の試作多砲塔重戦車。

T-35の後継としてT-100と競争試作されるものの、揃って不採用になり、代わって、SMKの「縮小(短縮?)単砲塔型」であるKVが次代の重戦車として採用された経緯がある。1輌のみ作られたSMKはT-100とともに対フィンランド戦(冬戦争)に投入されるものの、行動不能になって放棄され、後に回収されたもののそのままスクラップになったらしい。

「見掛け倒しでなければよいのだがな」と言われて、実際に見掛け倒し以外の何物でもなかった某モビルスーツは、どうもこの辺の戦車をイメージしているような気がする。

名称のSMKは共産党幹部だったセルゲイ・ミロノヴィチ・キーロフの頭文字。この戦車が完成する何年か前にスターリンに粛清された(とされる)人物。もっとも後の大粛清の時代のように大っぴらに罪をでっちあげられて殺されたわけではなく、暗殺されて死後は(表向き)偉人として祭り上げられ、この戦車の開発工場も元々は「プチロフ工場」だったのが「キーロフ工場」(レニングラードスキー・キーロフスキー・ザヴォド)と改称されている。

同工場はSMKの後もKV(クリメント・ヴォロシーロフ)、IS(イョシフ・スターリン)と、開発した戦車に偉いさんの名前を付けて党に媚を売り続けるのだが、なぜSMKだけは父称の頭文字も入っているのか、後のKVとISは、なぜKEVやIVSにならなかったのかは不明。まさか3文字にすることで多砲塔を表しているとか……(←考え過ぎ)。

●キットは、上側面が一体の車体基本パーツ、および通常のプラパーツの枝が9枚。透明パーツの小さい枝、エッチング、ワイヤーロープ用のより線1本、デカールという構成。

▼車体基本パーツ

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パーツ全長は25cm弱。ピンゲート形式の射出成形で、樹脂の入り口としてのランナーは付いていない。ゲート跡は車体上面に数カ所小さく付いている。

前後の装甲板形状などは後のKVとよく似ているが、一段高いエンジンデッキなどはSMK独特のもの。エンジンデッキ最後部のミッション点検ハッチが2つ並んだ部分は、(側面のスジ彫りに示されるように)もともと後ろ下がりでルーバー付きだったものが改修された結果であるらしい(実車の話)。

キットパーツは、そのミッション点検ハッチだけでなく前部の乗降用ハッチも一体の大胆お手軽設計。3カ所の丸ハッチはそれらしく細部ディテールのモールドがあるが、KV初期型のディテールとは若干異なっている。実際にはKVと共通である可能性もあるのではないかと思うが、何しろ実車細部ディテールのクローズアップ写真など存在しないので確認しようがない。

▼足回りを除く主要プラパーツ

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C、D、Eの枝3枚。Cは車体床面・後面とフェンダー。Dも比較的大ぶりな、砲塔上面ほか装甲板パーツ。Eは砲塔側面、その他こまごまとしたパーツ。車外装備品に乏しいソ連戦車ということを差し引いても、だいぶあっさりしたパーツ数。

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パーツのクローズアップをいくつか。前面装甲板の操縦手用バイザーフラップは一体モールドで、スリットも開口していない。主砲・副砲はスライド型で開口しているが、ライフリング表現は省略されている。

Charsergeimironovitchkirov 2丁の同軸機銃と主砲塔後面の機銃はすべて7.62mmのDTという解釈になっているが、実車写真(右、wikimedia commonsより)を見ればわかるように砲塔後面の機銃は明らかにDTよりも長大で、ここは12.7mmのDShK38が用いられているようだ。というわけで、どこからか調達してくる必要がある。

訂正:「2丁の同軸機銃と主砲塔後面の機銃はすべて7.62mmのDTという解釈になっている」と書いたが、これは私のパーツ誤認。3丁入っているDT機銃のうち機関部もあるものは主砲塔上の機銃架用のもので、ちゃんと砲塔後面用は別にドゥシュカ機銃前半部が入っていた。

●足回り

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転輪類の枝(Aパーツ)と履帯の枝(Bパーツ)が各3枚ずつ。

不思議なのがAパーツで、転輪・サスアームが6組、上部転輪・基部が3組、起動輪・誘導輪が1つずつ。これが3枚入っているということは、(SMKの転輪数は片側7つなので)転輪は4つ、上部転輪・起動輪・誘導輪は1つずつ余る。明らかに「転輪が6つの車輛」に合わせたパーツ枝の設計になっている。

当然、「KVのキット化を考えている?」ということになりそうだが、このタイプの転輪(緩衝ゴム抑え盤の穴が8つ)はKVの試作車・極初期型にしか用いられておらず、転輪・起動輪は別物。謎。

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転輪パーツをトランペッターの「KV Big Turret」のもの(左)と比較してみる。トラペのものは中央の干渉ゴム抑え盤が別部品だが、それだけでなく、全体的にディテールはトラペのものの方が細かい。もっとも、SMKは前記のように細部ディテールのクローズアップ写真もないので、「いや、KV試作車の転輪は、SMKのものとちょっと違ったんだよ」と言われても返しようがない。

実際、SMKの写真では、KVでははっきり確認できるハブキャップ中央のポッチがないようにも見える。また、リム部の穴は大きい・小さいの2種があるようだ(キットは穴の小さいほうに近い)。また、最前部に用いられている転輪はリム部の穴がないようにも見える。なお、KV試作車ではゴム抑え盤のリブがないタイプも確認できる。

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履帯は非可動連結式。ディテール表現は「使えなくはないけれど何だか固いなあ」という感じ。SMKの履帯はKVの標準型履帯よりも幅が狭いので、通常のKV用別売履帯は使えないが、ブロンコの「RUSSIAN 650MM OMSH TRACK LINK SET FOR KV-1/KV-2」は、「KV-1/KV-2用」の名前を裏切ってKV-1s/IS用の幅になっているので、流用が可能かもしれない。このブロンコ製履帯の詳細はこちら。上写真の茶色のパーツがブロンコのもの。

なお、キットの説明書によれば、履板の必要枚数は片側110枚。ブロンコのセットは240枚入りなので、説明書の指示が間違えていなければ1セットで間に合うことになる。ケン太さんから貰ったブロンコ履帯に、意外なところで活躍の場が!?

●その他小パーツ類

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透明パーツは前照灯1つと、あとはペリスコープ。エッチングはエンジンデッキのグリルメッシュのみ。

説明書に出ている塗装例は4種、デカールは赤星、番号とスローガンだが、実際には、SMKで何らかのマーキングが施された写真はないはずなので、これらはおそらくフィクション。スローガンの「НАШИ СИЛЫ НЕИСЧИСЛИМЫ」は、戦時中のポスターなどにも確認できる文句で、たぶん「我らの力は計り知れず」くらいの意味。塗装自体も、説明書に出ている多色迷彩はフィクション。

●それはそれとして、今はホルト・トラクターを先に片付けねば。

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ホルトの鈍牛(2) 屋根

●RODEN 1:35、ホルト重砲牽引車(HOLT 75 Artillery Tractor)の製作記。

すでにあっちこっち並行で手を付けてしまっており、そのまま書くとだいぶ混乱した内容になってしまうので、部分ごとに少しずつ。

前回書いたように、キットの箱を開けてまず気になった、「トタン屋根」中央のヒケ。ここは目立つ箇所なので、なんとか直したい。

web上で、海外の製作記事など読むと、薄いアルミ板(缶ビールか何かを切り広げたもの)でコルゲート板を自作している人もいたが、さすがにそれは大変そうだ。

考えられる方策はいくつかあるが、

(1).ちょうど大きさ/ピッチの合う波板(コルゲート板)を調達・流用する。

これに関しては、鉄道模型屋、東急ハンズ等当たってみたが、使えそうなものが見付けられなかった。もともと横浜の東急ハンズは規模が小さいが、とはいっても、渋谷のハンズに行ってありそうな気もしなかったので、早々に諦める。

(2).パテで埋める。

hn-nhさんからは、「コルケートを型取りしたヘラをつくってエポキシパテ刷り込む」さらに一歩突っ込んだ解決法も提案されたが、そもそも私は「パテ作業経験値」というものが極めて低いので(そもそもパテに類するものを常備していないことが多い)、これはパス。

(3).裏の棟木分、上面のヒケごと切断。「三枚おろし」にして、棟木+ヒケ部分を除去して再接着する(その分、幅が狭くなる)。

これもhn-nhさんから頂いた案。実際には屋根の裏側に幅一杯の枠が付くので、幅が狭くなる対処法は避けたい。というわけで不採用。

(4).波板の谷の部分に発生しているヒケ穴をドリルでさらい、プラ棒を差し込んで埋めていき、後に整形。

ヒケの対処法としては私が多用する方法なのだが、この屋根の場合は範囲が広すぎる(箇所が多すぎる)うえ、波板の山の部分にも若干のヒケが出ているために不可。

結局は、(3)と(4)の折衷のような、以下のような方法で対処した。

▼屋根の中心線に沿って、レザーソー、ヤスリを使い、ヒケごと削り落とし、溝を彫る。

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▼溝をプラ材の帯で埋める。接着剤をたっぷり使い、その後、両側に瞬着もわずかに流した。使用したのはwaveの0.3mmプラバンの2枚重ね。

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▼波板の山部分に沿って粗く削った後、棒ヤスリ、「神ヤス」などを使って谷部分を削り込んでいく。

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これでなんとかヒケ対処は終了。

●この屋根パーツは、(個々のパーツは比較的大味な)RODENにしては割と薄く仕上がっているのだが、それでも、左右端部分は若干厚みが目立つ。

というわけで、ここも若干削り込んだ。とはいえ、波板なので、結局上面のヒケ処理同様、棒ヤスリと神ヤスで谷の一つ一つを削り込んでいかねばならず、非常に手間が掛かった。ある程度薄くしたところで面倒になり終了。

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左側がbefore。右がafter。

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