製作記・レビュー

KV-2「ドレッドノート」(2)

20220107_160532 ●タミヤのKV-2発売に向けてチェックポイントのまとめ記事を書いていたら、俄然KV-2がいじりたくなってしまい、トランペッターのKV-2初期型(キット番号00311、「Russian KV "Big" Turret」を引っ張り出してきた。

特に一直線に完成を目指すわけでもなく、つまみ食い的にいじり始めたのはもう10年以上前。過去の製作記事2本は以下。

今後、KV-2の主量産型を(それなりにこだわって)作る場合、タミヤをベースにするか、トランペッターをベースにするかは若干迷うところだが、少なくとも初期型を作るなら(砲塔だけでなく車体もだいぶ違うので)、現時点ではこのキット一択となる(実際にはイースタンからも出ているが、どうやらあまりお勧めできる出来ではない)。

●今回の(現時点での)微々たる進捗、その1。

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車体前端の装甲板接合補助のアングル材は、7角砲塔(MT-1砲塔)の初期型では、埋め込みボルトが17本。キットは主量産型のMT-2砲塔になって以降の11本のモールド表現なので、一度削り取って、ドリルのお尻を使って(接着剤で溶かして)ボルト溶接跡をスタンプ。「17個」という数は、まず両端の位置を決めたら、後は最後まで2分割で位置を決めていけるのでちょっと楽。ついでに、牽引具基部にも同様の埋め込みボルト跡を付ける。

微々たる進捗、その2。

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砲塔上のツノ形ペリスコープカバーのてっぺんに穴を開ける。MT-2砲塔のKV-2でも40年型後期型でも同じ工作をしたが、今回は、裾部の3方向に開いているさらに小さい穴も開けた(ペリスコープ開口部の真下の1カ所が見える)。……塗装したら埋まってしまいそう。てっぺんの穴が0.6mmドリル、裾部は0.3mmドリル(最初0.2mmで開けたら小さすぎてほとんどわからなかった)。

微々たる進捗、その3。

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ラジエーターグリルのメッシュカバーをAberのエッチングに替えるのに備えて、プラパーツ取付用の穴を埋めた。写真は伸ばしランナーを挿した段階だが、このあと削り取った。

また、前記2記事で触れていないので、それ以降のいつかの時点で作業したのだと思うが、エンジンパネル前端の忘れられたボルトの追加(左写真・黄色矢印)、エンジンパネル後端の不要な吊り下げリングの取付穴埋め(同・黄緑矢印)はすでにやってあった(ともにトラペのKVではお約束の作業)。

ちなみにキットのH枝には、説明書のパーツ図にも載っていない不要部品扱いで尖頭ボルト頭が8個ほど入っているのだが(右写真)、残念ながらキットのエンジンデッキのボルトのモールドよりやや大きいので、そのままでは使いづらい。

なお、同じくお約束作業であるフェンダーの幅詰め(初期型KVのみ)は作業途中で、切り詰めただけでフチは未再生で箱に入っていた。

●若干の考証。

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砲塔前面右側の「小・大」の2連の穴は、この初期型KV-2の写真としては最も有名かつクリアな「沼落ち」車輌でもこの状態なので、なんとなく「こういうもの」でスルーしていたのだが、実際には右写真にある砲塔後面のピストルポートおよび照準穴と同じもので、装甲栓で塞がっているのが正規状態であるらしい。

同じ車輌のより初期の時点の撮影と思われる写真では、やや不鮮明だが装甲栓が垂れ下がっている様子が写っている。サイト「Тяжелые танки КВ-1(重戦車KV-1)」のこのページ、「1b. Шета」の一連の写真を参照のこと。

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あんこベリー

●野山を歩くついでに食えるものを収穫するのは、私のちょっとした楽しみだが、当然ながら、冬はその手のネタに乏しい。

今年は「むかごが結構イケル」ことが判って、「オイルサーディンとむかごの簡単アヒージョ」を結局3回も作って食べたが、さすがにむかごの収穫ももう打ち止め。

そんな季節の数少ないネタのひとつが、以前にも取り上げたことがあるフユイチゴ。「そろそろいい時季、というより、今行っておかないと喰いそびれるかもしれん」と思い立ち、心当たりの山道に出掛ける。

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どうやらちょうどいいタイミングだったようで、フユイチゴの茂みには真っ赤な実がたくさん。

逗子近辺でよく見るキイチゴ類には、他に晩春のモミジイチゴ、カジイチゴ、クサイチゴがあり、それに比べるとフユイチゴはだいぶ酸味が強い。せっかくなので一ひねりして、「あんことベリー/チョコレートとベリーは鉄板の組み合わせ」という持論に従い、山歩きの「おやつ」に持って行ったつぶあん&マーガリンのコッペパンにたっぷりトッピングして食べた(なお、写真の量で半分食べて、「こりゃもうちょっと行けるな」と思って、残りにはさらにフユイチゴを足した)。美味。酸味が勝ちすぎているフユイチゴが、餡+マーガリンのあまじょっぱさとうまく融合し、さらに食感のプチプチも加わって大正解。

ヤマザキや第一パンの「コッペパン」シリーズ(上写真はヤマザキ)は出来合いの菓子パン類の中でもとりわけコスパに優れ、いかにも「小腹が空いたときの友」的食べ物だが、それが一気に高級に!(言い過ぎ)。

●「ベリー」つながり。

田園都市線の「南町田」駅が「南町田グランベリーパーク」というトンデモ名前に変わってしまったのに気付いたのはしばらく前だが(変更自体はもう一昨年のことになるらしいが、あざみ野以遠にはまず乗らないのでしばらく気付かなかった)、以後、田園都市線に乗るたびにどうにも気になって仕方がない。

「高輪ゲートウェイ」といい、なんでこう、余計なシッポを付けるかね。「南町田」で、「高輪」でいいぢゃん!

それに、「グランベリー」って一体……。「クランベリー」ならまだわかるけど。前半フランス語で後半英語、「南町田」も合わせれば3か国語混合って、なんなのよもう、って感じ。なんだかんだで「たまプラーザ」はもう馴染んじゃったけど。まあ、それを言うなら、そもそも田園都市線沿線は、「あざみ野」とか「つくし野」とか「すずかけ台」とか、ロウで作った食品サンプルみたいな名前ばっかりだけど。

●ズベズダの新製品予告がなかなかアツイ。

COEタイプ(キャブオーバー)のトラクター、STZ-5については、セータ☆さんがいろいろ書いていて、ほとんど私が書き足すようなこともないのだが、10年くらい前のValcanの同アイテムのキットはちょっとイマイチだったし、これはちょっと欲しいかも。あー。でもサンダーのスターリネッツも買ってないんだよなー。

同じく来年発売のラインナップの中には、76mm砲型のM4A2や、T-70Bなどもあり。

え……T-70B

と、ちょっと首をかしげてしまったのだが、どうも最近では、従来言われていたようなT-70Mというタイプは(少なくとも生産型としては)存在せず――従来言われているような、GAZ-202エンジンからGAZ-203エンジンへの換装はテストはされたものの生産されず、シャーシ強化などの小改修が行われたタイプがT-70Bという名称で生産された、ということになっているらしい。ロシア語版のwikipediaにも書いてあった(もちろんGoogle翻訳さん頼み)。ふーん。

T-70に関しては、20年以上前のTechmod/TOGAのキットはさすがにキツイとしても、その後発売されたMiniartのキットも、同社最初期のキットということもあって、確か砲塔の非対称表現も不十分だったはず。

●つい先週のことなのだが、ビートルズ解散後のジョージ・ハリスンの最初のヒット曲「マイ・スウィート・ロード」の“初公式MV”が発表された。リリースから50周年を記念して、ということらしい。

 

内容的には、何だかよく判らないエージェントが何だかよく判らないものを探すという、曲との関連性がさっぱり判らないものだが、出演陣が豪華。

冒頭にマーク・ハミル、劇場のシーンでは観客としてリンゴ・スターやジョー・ウォルシュが出ている。劇場の売店のおっさんが、よく見るとアル・ヤンコビックだった(笑)。劇場シーン、スクリーンの横で一人掛けソファーでバタバタ踊っているのは、ジョージの「セット・オン・ユー」のMV(第2バージョン)の再現。

マーク・ハミルは(特に最近の「スター・ウォーズ」シリーズをあまり観ていないので)じいさん過ぎて、出演シーンは結構長いのに、最初気付かなかった。“ウィアード・アル”ヤンコビックについては、以前に当かばぶでもちょっと紹介した。

リンゴ・スターとジョー・ウォルシュは義兄弟なので(奥さん同士が姉妹)最近よくつるんでいるらしく、最近でたリンゴ・スターの「ロック・アラウンド・ザ・クロック」のMVでもジョー・ウォルシュがギターを弾いていた。ボーカリストしてのリンゴ・スターは上手い下手と関係なく、とにかく「歌っていて楽しそう」というのが良さだと思うが、この「ロック・アラウンド・ザ・クロック」もとても良い。

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素晴らしきヒコーキ野郎(6)

20211206_214855 ●2021年末、軸足の定まらないつまみ食いモデリング、その2。

今回は、いったい何年「ちょっと触っては箱に戻し」を繰り返してるんだ、という、旧インパクト~パイロの「マーチン・ハンダサイドNo.3」。

前回記事、「素晴らしきヒコーキ野郎(5)」は2018年12月15日。第一回記事、「素晴らしきヒコーキ野郎」はなんと2009年11月22日。しょーがねーなーもう。

●以前にも書いたように、この一連のキット(全6機種)は、1965年公開の映画「素晴らしきヒコーキ野郎」とのタイアップ商品として、最初「INPACT KITS」という会社から発売されたもの(綴りがIMPACT、ではないことに注意)。Scalematesによれば初版発売は1966年だそうなので、発売以来55年という超ベテランキット。

右写真の後ろ側に写っているのが、その最初のINPACT版のアブロ複葉機(AVRO BIPLANE)で、先日鎌倉でhn-nhさんとお茶を飲んだ時の話のタネに持って行ったもの。映画ポスターのロゴと同じ字体で、キットのシリーズ名が書かれている。ちなみに映画の原題名は「Those Magnificent Men in Their Flying Machines」、キットのアオリは「Those Magnificent Flying Machines」。

再販版のパイロの箱絵は、その後の再々販版のライフライク、再々々販版のリンドバーグでも一貫して使われているもので(箱の縦横比やロゴは変わっているものの)、それはそれで味があるが、初版のオシャレさは一段上な気がする。たぶん映画との絡みがあって、そのままでは使えないのかも。

●さて、このマーチン・ハンダサイド、数年前に舟型の木製胴体をニス塗り仕上げ風に塗装してあった。木製であることを強調しようと、何種類かの茶色をまだらに塗って(一種類を塗ってはヤスって、またその上に別の茶色を塗ってヤスって、というような感じ)上からクリアオレンジを塗って仕上げていたのだが、ちょっと、古びた家具ならいいけれども、本来は新品であるはずの胴体にあまりに色むらが出来過ぎている感じが気になっていた。

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そんなわけで一歩後退覚悟で、今までの塗装をヤスって削り落とした。

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●そこから胴体を再度塗装。もともと塗装のテクニックが低いのは自覚しているので、今回は変な欲は出さないことにして、ベージュのプラ地(若干、以前の塗装の残りムラあり)に薄くタミヤエナメルのレッドブラウンを塗り、さらにクリアオレンジを重ねた。というわけで現状こんな感じ。

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以前よりはちょっとサッパリした感じに。何だかバイオリンっぽい!

胴体上面は結構ムラが残っている感じだが、ここは主翼のケタが付いたり、燃料タンクが載ったりするので、若干のムラがあって構わないかな……。

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シュヴァルツローゼ

20211207_143718 ●7日、仕事で久々に都心に出る。

新橋で一仕事して、神保町にハシゴ。最近インド風のカレー食べてないなあと思っていたところだったので、神保町のシディークでマトンカレー。

靖国通りの裏手のさくら通りにあった、元・日本タイ協会が入っていた古い風情のあるビルは、すっかり取り壊されていた。10年近く前に解体された、俎橋たもとの九段下ビル同様、関東大震災後の復興建築の一つだったという。ちょっと惜しい。

在りし日の姿をストリートビューで見てみたのが下。スクショではなくてストリートビューからの埋め込みなので、カーソルで掴んでグリグリすると動きます。しかし初めてストリートビューの埋め込みを試してみたけれど、画像が更新されたら、埋め込んだコレも更新されちゃったりはしないよね……?(ストリートビュー自体は、過去画像も遡って閲覧できる仕組みになっている)

 

なお、小川町の交差点の「顔のシャツ」向かいのビル(1階にエクセルシオールが入っていたビル)も解体されていた。

一方、閉店してからしばらく経つ、すずらん通りの「スヰートポーヅ」は今のところまだそのまま。はす向かいの元・南海キッチンの場所は更地になっていた。街の景色ってどんどん変わるなあ。

20211207_144712 ●すずらん通り、三省堂の向かいにある画材屋、文房堂の入り口に、こんな一文が。

「どなたもどうかお入りください。
決してご遠慮はありません」

何なの、このアヤシイ日本語……。

「遠慮はしないで」というならわかるが、「遠慮がない」とはどういうことだろう。入った途端に、鈴々舎馬風みたいなのが出て来て、「よっ、こりゃまたよく来やがったナァおい」とか馴れ馴れしく言われちゃうんだろうか。外国人が出している飲食店の拙い日本語案内というならわかるが、明治創業の老舗でコレはいったい……。

と思ってしまったのは私の日本文学の素養が足りていなかったからで、これは宮沢賢治の「注文の多い料理店」に出てくる、山猫のレストラン(山猫軒)の店先に書かれた誘い文句だった(というのに、検索して行き当たった)。なるほど、だから文句の下に、山猫の顔があるのか。

調べてみると、どうもこの秋にやった何やらのフェアに絡めてのディスプレイらしい。

●久しぶりに秋葉原の模型屋(複数)に行く。

YSのパーツバラ売りコーナーで、miniartのオースチン装甲車の機銃を見つける。

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おっと! オースチンの機銃ってことは、ヴィッカース機銃? あれ?こっちにちょっと形の違うやつがあるけど……これって、もしかしてシュヴァルツローゼ機銃? そういえば、miniartのオースチン装甲車って、枢軸側の鹵獲仕様も出てたっけ……。

と思ってとりあえず購入。帰宅してから枝番を元に調べてみると、ヴィッカース機銃だと思っていた左の「Ff」枝は、その原型であるマキシム機銃。右の「Fa」枝は思った通り、オーストリア=ハンガリー軍のシュヴァルツローゼ機銃だった。シュヴァルツローゼ機銃は、第二次大戦時にもハンガリー軍で、より新しいゾロトゥルンの31Mなどと併せて使われている。車載機銃としても使われていて、ハンガリー軍のクルップ・プロッツェの荷台に据えられている写真も残っている。

というわけで、ハンガリアン・プロッツェ製作のための重要な1ピースが手に入ったので、「くくく……これで勝つる」などとしばし舞い上がってしまったのだが、考えてみるとハンガリアン・プロッツェはその他に荷台もキャビンもタイヤのトレッドパターンも違うので、実際には全く勝つ算段など付いていないのだった。

ちなみにヴィッカースだと思って買ったほうのマキシム機銃は、今のところ何の用途のあても無い(ヴィッカースだったらRPMのT型フォード機銃車に使おうと思っていた)。

●先日来のつまみ食いモデリングの続き。

「あ」モデル(Amodel)のIAR-80Aは、とりあえず「士の字」くらいにはしておくかぁ……くらいのつもりで作業を進めてみたのだが、案の定、主要パーツのそれぞれがどうにもうまく合わない。

まずは主翼の上下面が、上面と一体のフラップ/エルロンと、下面との間でかなり段差になってしまうので、下面パーツの内側をゴリゴリ削り込む。そうすると、今度は胴体前半部のフィレットと翼上面のカーブが全然合わず、ここにも隙間と段ができる。

この胴体前半部、普通に貼り合せたら胴体後半部よりやや横幅が狭かったので、内側につっかい棒を入れて広げた……ら、今度はまた主翼側と幅が合わなくなってしまったので、フィレット部を広げた分だけ削り落とす。

なお、主脚のタイヤハウジングの内壁には大胆なヒケがあったので、一度大きく穴を開け、プラ材を差し込んで瞬着固めの刑にしてから削り込んだ。なんだか、「プラモデルを組み立てている」というよりも、「彫刻をしている」みたいな気分になってきた。

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「あ」モデル

●年間の仕事上の最大の山場を越えた虚脱状態からいまだ脱出できておらず、模型製作も低調。

一つのキットに集中するモチベーションが沸いてこないので、あれこれキットをとっかえひっかえ取り出しては、ちょっと眺めたりいじったりしてまた箱に戻す、などということを繰り返している。

20211202_232053 ●そんななかで、最近いじったのが、A modelの1:72、IAR-80A。

A modelについては、以前に一度、ニューポールIVのキット評をUPしたことがあるが、もう一度、ざっとこのメーカーの説明を。

A modelはたぶんウクライナの会社で――と、最初から「たぶん」が付くところがなんとも情けないが、これは、キットの箱にも説明書にも、どこにも会社の所在地とか、「made in どこそこ」とか書かれていないため。箱横のロゴ下には、「ワールド・ワイド・ディストリビューター」として、ポーランドのIBG(International Bussiness Group)の名前とワルシャワの住所/連絡先が書かれている。IBGが独自キットを出すより、A modelが出回り始めた方が早かったと思うから、IBGって商社活動の方が先だったんだなあ……と今さらながら思ったりする。

箱の横には実機説明・キット内容説明が複数言語で書かれているが、それも英語とロシア語、もしくは英語とドイツ語とロシア語で、ローデンのようにウクライナ語は書かれていない。

「ウクライナ産」の証拠がどこにもないじゃないか、と突っ込みたくなる感じだが、日本でこれらのキットを扱っているバウマンのサイトには「Amodel from UKRAINA」と書かれている。キット名称や説明に多々怪しいところがあるバウマンが言っているだけだとやや根拠に乏しいが、ポーランドの通販サイトのJadarHobbyでも「Amodel (Ukraine)」と書かれているので、まず間違いないと思う。

我が家には右に上げた3キットのほか、以前にキット評を書いたニューポールIVと、あとは確かUTI-4(ポリカルポフI-16の複座練習機型)があったはず。とにかく初期のキットは簡易インジェクションとしても出来は悪い方で、(悪名高いマーリンやヴィーディーとまではいかないものの)モールドはでろでろ、ぱっと見でも、かなり削り合せないとそのまま接着もできない風のものが多かった気がする。

――箱を開けて見たとたん、「あ……」と言って二の句が継げずに箱を閉めちゃうから「あ・モデル」なんだよ。

と、誰かが言っていたような気が。

比較的初期の製品であるUTI-4も、翼弦長などは修正してあったものの、一部パーツは古いレベル72のU-16のデッドコピーだったような記憶がある(うろ覚え)。それでも、他ではまず出さないような珍機・迷機・マイナー機を次々に出すので、(私のような)アホなマニアがついつい手を出してしまう、いわば「マニアホイホイ」なメーカーでもある。

ただ、一時期以降は結構質も向上してきて(とはいっても、まともなインジェクションメーカーに太刀打ちできるレベルではない)、写真に上げた3キットやニューポールIVあたりは「好きなら手に取っていいかも」くらいには仕上がっている。とはいえ、これまたニューポールIVの時に書いたように、昔のひどいキットが箱替え・デカール替え/一部パーツ替えで番号が新しくなって出ている例もあるようなので、かなりの地雷含みではある。

▼せっかくなので上に上げた3キットの中身紹介を少々。

最初はIAR-80A。

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前述のように、ちょっとだけお手付きなので、箱の中には切り離した胴体や主翼ほか一部パーツがバラバラと入っている(カウリング胴部や胴体前半部は左右を接着済み)。

このキット、どうも純正A model製ではない気配もあって、パーツ枝には「Master 44」という謎のタグが。以前は、実機の生産国であるルーマニア製のキットをリボックスして売っているものかと思っていたのだが、Scalematesを見ると、ルーマニアのレーベルである「Parc」からはA modelと同時期に1種のキットしか出ていないのに対して、A modelからは細かくバリエーションで5,6種出ている。しかも前述のようにキットの枝のタグは「Parc」ではない。

角の丸いパーツ枝形状、枝の交点にいちいち出ている樹脂のヒケの穴などは他のA modelキットと似通っているので、「Master 44」とは単純に下請けの金型メーカーである可能性もある。いやまあ、それが判ったとしても何がどうということはないけれども。

A modelからは、私が持っているIAR-80Aのほかにも、-80、-80C、-81など何種もバリエーションが出ていて、それへの対応のためか胴体は前半と後半で別パーツ(そしてその擦り合わせは結構苦労しそう)。

ちなみに実機は、ルーマニアがライセンス生産していたポーランドのPZL P.24の胴体後半の設計をそのまま丸パクリして低翼単葉引込脚機をでっち上げたというもの。いかにも旧式なPZLの固定脚ガル翼機が、いきなりスポーツ機じみた外見に生まれ変わっているのはビックリだが、垂直尾翼の形状はP.11cともそっくり。

ちなみに箱の右上にあるポートレートは「Constantin Pomut(コンスタンチン・ポムート、と読めばいいのか?)」で、キットの塗装例の機体に乗っていたエース・パイロット。ただし以前にはハリケーンに乗っていて、何機をIARで落としたのか(あるいは落としていないのか)はよく判らない。

▼2番目はユーゴスラビア仕様のホーカー・フューリー。フューリーの72のインジェクションキットは、古くはマッチボックスからも出ていて、「マイナー機ほど出来がいい」と言われるマッチボックスらしくそれなりにいいキットだったのだが、形式はMk.IIだったので輸出型には対応していなかった。

A modelのこのキットはユーゴスラビアに輸出、また一部ライセンス生産されたMk.Iで、脚柱がV字でなくI字の一本脚であるなどの外形上の差がある。A modelからは、この他、イスパノスイザのエンジンを搭載したイスパノ・フューリーも発売されている。

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御覧のようにパーツは72小型機としては標準的な構成。IAR同様、パーツ一つ一つのキレはお世辞にもいいとは言えないが、コクピット内壁のモールドもあるし、「それなり」には仕上がっていると思う。ただ、型からの取り外し時に無理な力を掛けたのか、私の入手したキットでは、胴体右側の排気管のモールドが部分的に(ちぎれたような感じに)潰れていた。これはどうにかして(ついでに左右揃えて)作り直さないといけない。うわ。面倒。

▼最後のキットはスパッドS.A.4。

箱絵は後ろ姿なのでちょっと判りづらいが、これはとにかくスタイルが珍妙なので実機解説から。

第一次大戦前半、同調装置が一般化するまでは、とにかく「まっすぐ前に機銃を撃つ」ということが難しくかつ大きな課題で、イギリスでは空力性能を犠牲にして各種プッシャー式戦闘機が実用化され、フランスのニューポールあたりは上翼の上にさらに架台を組んでプロペラ圏外から撃ったりしていたわけだが、そこでもっと斬新な(悪夢のような)解決法を導入したのが、スパッドS.A.2と、その小改良型であるS.A.4(どこがどう違うのかよく判らないが、とにかくA modelからは両方発売されている)。

基本、ごく普通の牽引式の飛行機に、プロペラを迂回する形で支柱を付けて、プロペラの真ん前に銃座を取り付けてある。だいたいこの頃の飛行機というのはほぼ野原のままの飛行場から運用されていて、そこで尾輪式の機体は、ちょっと“つまづく”とつんのめって逆立ちをしてしまう。実際にそんな状態の写真はよく見るが、この機でそんな事態になると、機銃手は真後ろから高速回転するプロペラとエンジンがかぶさってくることになる。……ブラック職場過ぎる。

そんなわけで、本国フランスでは嫌われて、生産機の多数がロシアに里子に出されている。このS.A.4のキットの指定塗装もロシア空軍。

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小パーツ枝と一緒に写した10円玉との比較で判ると思うが、成型状態はお世辞にもいいとは言えないものの、細かいパーツはとことん細かい。ル・ローン・エンジンも吸気管が別パーツとなかなか凝っているが、果たしてこの極細パーツ群、破損させずに切り離すことは可能なんだろうか……。

前部機銃手ナセルの両側面には、直後の空冷星型エンジンの冷却を助けるためにダクトがあって入り口にメッシュが張られているのだが、キットでは頼りなさげなモールド表現のみ。もっとも、エッチングに張り替えるなどと余計なことを考えたりせず、塗装表現で済ます方が平和だろうなあ。

とりあえず模型として形態だけを見ると、奇抜な前部機銃手席の機構に加えて、デュペルデュサン以来の、ルイ・ベシュロー設計機の特徴である矢羽根状のシュッとした垂直尾翼とか、後のスパッドVIIやスパッドXIII同様の、張り線保持用の補助支柱とか、いろいろ見どころがあって、いつかものにしてみたいキットではある。……いつか、いつかね。

●新型コロナに関しては、新たな変異株であるオミクロン株の話題で持ち切り。

前回「来年は東京AFVの会は開催されるだろうか。またまた変異株も出て来て、でかい第6波とか第7波とか来そうな気もする」と書いたが、悪い方に予測が当たりそう。こうなると、今年、感染の波のちょうど合間にささっと開催できた関西AFVの会は大したものだと思う。

オミクロン株について。うちのかみさんは「鬼クローン株」だと思っていたらしいことが判明。強そう! そして質悪そう!

もっとも私自身、オミクロンというのがギリシャ・アルファベットだというのは判るが、何番目なのか等はよく知らない。最後の文字の「Ω(オメガ)」株とか出てくるとなんだか終末感が漂っていて怖いが、すでにオミクロンで文字数の半分は超えているようなので、来年にはオメガに到達しそう。

なお、慶応の湘南藤沢キャンパスに通っている知人によると、同キャンパスの校舎はギリシャ・アルファベットが割り振られていて、「オミクロン棟」もあるそうだ。

●昨晩(12月2日)から、あっちこっちで地震が起きて、震度5クラスの地震も2度。今朝の山梨の地震ではここ(神奈川東部)でも結構揺れた。コロナだけでも面倒なのに、大きい地震とか被せて来ないでほしいなあ。

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I号戦車の履帯

●15日金曜日。

午前中、パソコンを立ち上げてとりあえず仕事のメールチェックを使用と思ったら、サーバーに繋がらない。

「あれ? メールサーバー不調?」と思ったら、事務所のメールサーバーだけではなく、JCOMのメールも開けない。あれれ? ネット自体繋がってないじゃん!!

とりあえず、モデムの電源を引っこ抜いて、しばらくして繋ぎ直してみたり、パソコン自体を立ち上げ直してみたりと、お約束の一通りをやってみたが復旧の気配はまるでなし。スマホであれこれ検索してみようと試みるも、スマホもうまくネットに繋がらない。あれ?wi-fiもおかしい? JCOMの回線自体トラブってる?

なんだかんだジタバタして、結局どうにもならず、JCOMのサポートに電話しようと、固定電話の子機を取り上げたら、親機がダウンしている旨の表示。あれ? 電話もダメ? ……ってことは!

階下に降りて確認してみたら、かみさんがカーペットを干すだか何だかでテレビその他を動かしていて、その過程で、我が家の回線関係の大本のコンセントが引っこ抜かれていた。

四苦八苦していた小一時間を返せ!

――久々にコンセント一つ、回線一本で仕事も何も立ち行かなくなってしまう恐怖を味わった。

いざというときに代替で仕事できる環境をそれなりに身近に確保しておかないとなあ。

20211011_182436 ●数日前の夜。

近所の公園にタヌキがおったぞな。

しばらく前にも同じ公園で目撃していて、その時は、体中の毛が抜けてゴワゴワの肌がむき出しになった謎生物姿だった(ダニ疥癬症によるもの)。今回はそれよりだいぶ毛があるが、同じ個体が若干回復したのか、それとも別個体なのかはよくわからない。

ちなみに中央右上のカエルの水飲み台脇に、もう一匹目が光っている!と、ラインで写真を見せた知り合いが言っていたが、実際には「もう一匹」ではなくて、カエルのお腹から突き出ている水道の蛇口が反射しているだけ。

去年、一つ向こうの山で(昼間に)遭遇したタヌキの話と動画はこちら

●基本、模型は模型屋で買うことが多い。

今の世の中、ネット通販で買った方が欲しいキットの買いそびれはないし、むしろ通販のほうが安かったりもするのだが、それだけに、通販に慣れすぎるとあれもこれもとタガが外れてしまいそうで怖い、というのが理由の一つ。いやまあ、それだけの小遣いの元手もないけれど。

もう一つは、やはり店頭でキットの山を前にして物色するのが好き、というのが二つ目。地元逗子の模型屋は壊滅状態ではあるけれども、仕事で街へ出たついでに大きな模型屋に寄れるのは、首都圏在住者の贅沢でもある。

――なんていう建前でいつつ、ついつい(そしてたぶんものすごく久しぶりに)amazonで買い物。

購入したのは、T-Rex Studioの「Pz.Kpfw.I TRACKS Early type(I号戦車用初期型履帯)」。私としては、先日入手したCHINO MODELSのTKS用履帯に続いて、モデラー人生2度目の3Dプリント製品。

実は先日、下北沢のサニーに行ったときに(前回記事)、あれば買おうと思っていたのだが、残念ながら扱っていない由。(「TAKOMの後期型履帯ならあります」と勧められたのだが、それも中身はT-Rex製らしい)。

そのうち、秋葉原にでも行ったときにあれば買うかなあ、くらいに思っていたのだが、「そもそも、どこか扱っている模型店はあるんだろうか」とネットで検索してみたら、通販のM.S modelsに一つだけ!在庫があった。この時点で「どこかで見掛けたら買おうかな」が「これを買い逃したらもう入手できないかも」に意識が切り替わってしまい、“ショッピングカート”に放り込んで……どうせ滅多にしない通販を頼むなら、ついでに何か頼もうかと物色している何分かの間に……在庫切れに!

うっわ。

これでますます「今買わねば」スイッチが入ってしまって、ちょっと探してみたら、amazon上にまだ残っていた。というわけで、あわてて注文した次第。踊らされてるなあ。

なお、品物は水曜日に注文して、「お届け予定」は15日金曜日だったが、翌日の木曜日にはもう届いた。ちなみに製品の箱は7×7×4cmで、手のひらにすっぽり入るくらいの小さいものだが、届けられたamazonの箱は、タミヤの小さ目な1:35戦車・車両のキットが3つは収まりそうな感じ。その昔、

「♪あ~あ~、無駄にでかいボール箱~。
あ~あ~、横にアマゾンの~、マーク~♪」 ((c)ワンカップP)

と、メイコ姐さんが歌っていた通り。

さて、モノはこんな感じ。

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モデルカステンの可動式I号履帯と似たような、「クリッカブル」と「ピン挿し」の折衷型のような形式で、片方は履板にモールドされている突起に引っ掛けて繋ぎ、反対側はピンを挿すというもの。どちら側にピンを挿すかで、履板は右用・左用に分かれており、別々の袋に入っている。挿すピンはカステンのものよりずっと長く、履板中央のかみ合わせを超える長さがある。ピンそれ自体も3Dプリント製品。履板の成形そのものはシャープで美しい。

それにしても、そもそもI号戦車用の連結履帯なんて、別売の履帯製品の中ではかなり小さい部類なのだが、CHINO MODELのTKS用履帯を苦労して繋いだ(と言ってもまだせいぜい20リンク弱)あとでは、「うわ~デケぇ~。扱うの楽~」と感じる。

試しに何枚か繋いでみた。

連結時の精度については、噛み合わせがすんなり入る場合と、ちょっとヒネリを利かせてねじ込まないといけない場合あり。若干の(見た目では判らないほどの)変形や誤差はありそう。ピンも素直に奥まで入る場合と、途中で引っかかってなかなか入らない場合があった。箱には「2時間で完成」と誇らしげに書かれているが、本当かよ……。ちょっと不安。また、ピンはMaster Clubのレジンピン/リベット類のような、「最後のテーパーでキュっと締まる」感はなく、接着無しでは場合によっては抜け落ちも発生しそうな不安も少々。

●ちなみに、I号戦車用履帯は、モデルカステンの可動式でもガイドホーンの形の違いでA型用、B型用の2酒類が出ているが、これは確か、ガイドホーンの形状(アウトライン)の違いによるもの。

今回私が買った「初期型履帯」はさらにそれ以前のもので、ガイドホーンにおむすび型の穴が開いている。T-Rexのほかには、Master Clubのメタル製のものが出ているらしい。

すでにポーランド戦の頃には穴無し履帯が用いられているので、普通に作る分にはキット付属の履帯とかカステンの履帯とかで十分なのだが、中国陸軍が輸入使用したものは、輸入時点ママの穴開き履帯なので、このタイプがぜひ1両分は欲しかった。存在を知った頃はまだMaster Clubの製品もT Rexもなく、「履帯の1枚ごとに穴開け加工するなんて無理~」と、げんなりしていたのだった。

とはいっても、中国軍のI号戦車A型、いったいいつ作るんだ……。

●仕事の締切山盛りセール中であり、模型製作はまるっきり停滞中。

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model 139WC/WSM/WT special hobby 1:72

●仕事から私事から、妙に忙しい。

前月末には、兄が勤めるビジネスホテルが立地する商店街が主催する“まちゼミ”で講師が足りないというので無理矢理駆り出されて第一回の講座をした(オンラインで)。「何の話でもいい、模型でもいい」と頼まれて、なるべく一般の人でも聞ける話題をということで、鎌倉・三浦の山歩きをネタに喋ったのだが、コロナ禍で「おうち趣味」がクローズアップされている今、模型ネタの方がよかったんじゃないかと思ったりもする。今週末に第二回の予定。

ほか、医者嫌いの母を大学病院に連れて行ったり、仕事で久々に(しかし2週続けて)多摩川を渡って都内に行ったり。

●その都内行きの2回目。行き帰り井の頭線を利用したので、帰りに下北沢のサニーへ行く。

20211004_234650 実はICMのFCM35(フランス戦車)を買う気十分で行ったのだが、店内をあれこれ見て回っているうち、こんなキットを発見。うわ。こんなん出てるの知らんかったわ!

そもそも「model 139」という名称でそれがナニモノかわかる人はほとんどいないのではないかと思うのだが、正体は戦間期のアメリカ製の双発爆撃機、マーチンB-10の輸出型。宮崎駿の「雑想ノート」でも有名な、

馬丁式重轟炸機

である(馬丁はメーカー名のマーチンの音写)。

私自身は、「雑想ノート」よりもだいぶ以前、大学時代に、当時絶版だった「中国的天空」をコウ中村さんに借りて読んだ時からのこの機体のファンで、いつかは作りたいと思っていたもの。実をいえば、そのためにずーーーーーっと昔にWilliams Bros製の1:72のマーチンB-10のキットは買って持っているのだが(そしてこれはこれで気合の入ったいいキットなのだが)、「まさか、これが新キットで出ていたなんて!」という衝撃と誘惑に負けた。

●サニーの店頭で見たとき、このキットと重ねてAZUR FRROMの同じマーチン139も積んであったのだが、こちらのspecial hobbyのキットの方が、ほんの少しだけ安かった。AZURもspecial hobbyも、どちらもチェコのMPM系列(そもそもMPMというもの自体が今も存続しているのかよくわからないが)なので、基本同一のキットのようだ。Scalematesを見ても同系キットとして扱われている。

AZUR FRROM版はいくつかバリエーションが出ていて、最初が「B-10 Export WC/WAN」(中国軍、アルゼンチン軍)、2番目が「B-10 Export WH-2/WAA」(オランダ東インド軍、オランダ軍)、3番目が「B-10B in US Service」(米陸軍)。私が買ったspecial hobby版は中国軍、タイ軍、トルコ軍のデカール入りで、基本、AZUR FRROM版の最初のキットの箱替え・デカール替えのようだ。Scalematesでは新パーツが加わっているように書かれているが、ネット上でAZUR FRROM版の中身を見る限り、パーツの差異は判らなかった。

●一応、簡単に実機解説。マーチンB-10は。米陸軍航空隊の双発爆撃機として初の低翼単葉・全金属機。原型機は1932年初飛行、量産型のB-10は1934年から配備が始まっている、らしい(wikipediaによる)。機内に爆弾槽を持つ金属機としては初期のもので、胴体は左右幅に比べ縦幅が大きい。……そんな不細工な魚みたいな外観と、中国での呼び名である「馬丁式」から来る荷車的イメージとが合致するのが魅力(私の中では)。

本国アメリカの軍用機としては、第二次大戦前に一線を退いているが、戦前に輸出型を購入したいくつかの国では大戦中も使用している。輸出型としてのこの機の名称はmodel 139Wで、special hobbyのキット名称になっている139WCはChina(中国仕様)、139WSMはShiam(タイ仕様)、139WTはTurkey(トルコ仕様)と、それぞれの輸出先の頭文字をくっつけたものであるらしい。

中国はこの機を9機購入。1938年の5月には、宮崎駿が「雑想ノート」で描いた日本本土「紙片爆撃」を敢行している。

●キット内容。とりあえずパーツをざっと。

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Aパーツ(写真上左):胴体と尾翼。レシプロ機のキットでは胴体パーツは左右分割が普通だが、このキットは、珍しく上下分割。

Bパーツ(写真上右):主翼とカウリング前面。

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Hパーツ(写真上左):エンジンおよび機内パーツ。

Iパーツ(写真上右):プロペラ、脚など。

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クリアパーツ/エッチングとデカール。デカールは中国空軍2塗装例(1403と3001)、タイ空軍、トルコ空軍各1例に対応。

枝記号がA、B以降かなり飛んでいるので、バリエーションキット間で結構パーツの入れ替えがあるらしい。H、Iパーツにおいても、不要パーツや選択パーツがそれなりにある。

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説明書はカラー印刷。

●内容についてもういくつか。

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ユンカースのような「全面トタン板」ではないが、ほぼ平らな側面は平滑な外板、丸まった上下面は波板を使っているのが本機の特徴。胴体を上下分割にしているのは、この波板部分を綺麗にモールドしたかったかららしい。ちなみに先行する(50年近く!)ウィリアムズのキットは左右分割。ウィリアムズの波板の具合はどうだったかなあ……。フィレットの中に主翼を差し込む!という他にほとんど類を見ない部品分割だったイメージばかり強く残っていて、他を覚えていない。なお、このキットの場合は、胴体(フィレット)と主翼は普通に突き合わせ。

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胴体上側の内面。下側もそうだが、細かいリブモールド付きで、床板や内壁の装置類も、72キットとしては十分な感じでパーツ化されている。リブモールド自体は細いものなので、胴体外側にヒケ等の影響は全く出ていない。

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主翼上下面はこんな感じ。あれ?と思ったのが、カウリングが小さなイボ付きであることと、上面部分でカウリング後端がまっすぐでなく後ろに長くなった形状であること。

ただ、説明書をよく見たら、イボについては削り落とすよう指示があった。どうやらエンジン違いの別の国向けの輸出型に対応したモールドであるらしい。

しかしもう一点のカウリングの後端に関しては未解決。確かウィリアムズのキットはもっと素直にまっすぐな後端だったと思う。実機が(特に中国空軍型が)どうだったかは、なにしろクローズアップ写真等に乏しいので今のところ判断できず。できればもうちょっと写真をかき集めて調べたい。

謎と言えば、キットのデカールに取り上げられている、中国空軍の「1403」号機。これは僚機の「1404」号機とともに、九州へ「紙片爆撃」を敢行したとされる機体。さてこの機番、キットのデカールでは白縁付きの赤で表現されているのだが、同一メーカーのレーベル違い?でプラパーツ自体は同一のはずのAzur FRROMの「B-10 Export WC/WAN」では、なぜか同じ「1403号機」が白縁付き青の番号になっている。

Azur FRROM版よりこのspecial hobby版のほうが発売が新しいので、より有力な説に従って赤に変えたのか(実際に赤が有力であるかどうかは知らない)、それとも「青だか赤だか判らないから、両方出しちゃえ~」ということだったのか、どうもよく判らない。ちなみに「1403号機」はほぼ真横から写した写真が残っているが、当然ながらモノクロ写真なので、「何かの色に白縁付きの番号」ということしか判らない。なお、その写真では胴体下面が上側面より淡い別の色で塗られているようにも見えるが、単に波板のせいでそう見えている可能性もある。いろいろ悩ましい。

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ルノー・ド・タミヤ(3)――予備転輪取付架など

SUMICONタミヤフェスのエントリー作、タミヤのルノーR35の製作記の続き。

毎年お決まりの季節労働がいよいよ佳境に入り(そのくせ、月半ばはすっかりサボってしまい)、しかもその合間に別件の仕事やら用事やらが挟まって来て、工作は遅々として進んでいない。が、とりあえず生存確認および「いや、ちゃんと作ってますって」確認を兼ねて。

●とりあえず、フェンダーと車体上部は接着した。

以前にも書いたように、今回のルノーR35製作では、運よく手に入れたホビーボス製の尾橇を追加の予定。

尾橇装着車の場合、それに干渉する予備転輪は付かないが、取付架自体は残っていることが多いようだ。多いような気がする。多い……よね?

予備転輪を付ける場合は隠れるので取付架は工作しなくてよいのだが、予備転輪を付けないことで逆に見えてしまうので、Passion Modelsのエッチングを使って追加する。

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R35の車体後面にはエンジン点検ハッチが左右にあり、右ハッチには開閉用の取っ手が付いているが、左ハッチはその位置に予備転輪取付架がある。尾橇装着車でも取付架を残している例が多いのは、要するに、予備転輪(もしくは取付架)が左ハッチ開閉時の取っ手を兼ねているためらしい。

ただし、本来この取付架は、直接車輪をボルト止めするベース部分がリングになっているのだが、この部分は尾橇と干渉するので、およそ半分に切り欠いてある(ので、Passionのパーツもそのように加工した)。予備転輪は3カ所でボルト止めするが、止め位置は左2、右1と決まっているようなので、この形状にすると、左側の2カ所が残ることになる。内側・外側の間の放射状リブは、当然エッチングでもパーツが入っているのだが、小さすぎてあちこちに飛ばしてしまい、プラバンで作り直した(そのほうが加工が容易で組立上も楽)。

ちなみにルノーR40では生産段階から尾橇が標準装備のため、最初から予備転輪取付架はなく、左右ハッチともに取っ手に変わっているようで、後面が写った貴重な写真で確認できる例では、尾橇があっても開けやすいよう取っ手の位置自体も変更されている(右写真の赤線部分)。R35で、左ハッチに右ハッチ(のもともとの位置)と対象位置に取っ手を付けている例もあるので、R35の生産末期、尾橇が標準化されて当初はハッチ内側辺中央、その後ハッチ内側辺上部に移ったのかもしれない。

なお、このような取っ手の配置の場合、左ハッチ上部、排気管直下に付く遮熱板は(取っ手位置と被るので)付かない。そもそも遮熱板は、おそらく、排気管の熱で予備転輪のゴムが焼けるのを防ぐために付けられていると思われるので、予備転輪がない尾橇装着車ではそもそも必要がないことになる。尾橇が追加装備された車輛では、遮熱板があるものないもの、両方のケースがあるようだ。

なお、右扉の取っ手は、キットのパーツはやや太めの上に脚無しイモ付けタイプになってしまっているが、実車はもう少し細くて上下にベロがあってリベット止めされているようなので、そのような感じに作り替えた。

なお、誘導輪基部に付く小さなパーツ(B2、右写真の黄色丸部分)が、接着剤の回りが悪かったらしくて、はっと気付いた時には取れてどこかに行ってしまっていた。まさかこんなコチャっとしたディテールを自作しなきゃいけないのか?と茫然としたが、奇跡的にも、机の下のホコリの中に落ちているのを発見し修復することができた。やれ嬉しや。

●その他の些末の工作。

左右フェンダーに工具箱パーツを着けた。右の工具箱(大)は、前面車体側に2つの小リベットを追加。左の工具箱(小)は電装品への配線出口を予め開けておいた。また、両工具箱とも、上面が前面に重なるベロ部分は、固定部側をやや削って、フタ部と段差を付けた。

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操縦士ハッチ下側のダンパーは、現状穴だけ開けてあるが、ここはPassionのエッチングに交換するかも。

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TKS用連結可動履帯 CHINO MODEL 1:35

20210906_171414 ●空恐ろしいものを入手してしまった。

CHINO MODEL製、TKS用連結可動履帯。

当今流行の3Dプリント製品。まあ、さまざまなアフターパーツが3Dプリントで出るようになってきたので、私もそのうち何か必ず手にすることになるだろうと思っていたが、最初がまさかこんなに“とんがった”アイテムになるとは思わなかった。

CHINO、といっても中国製ではなくて(スペイン語だとchineseの意味になる……たぶん)日本製。

●(製品の必要性に関する)バックグラウンド。

これまでにポーランドの豆戦車、TK系のインジェクションキットは、大別して以下の3社から出ている。(約20年前に書いたTK系の実車解説はこちら

TOM/RPM:たぶん90年代に、当初TOMからTKS(20mm)とTK-3が発売され、後にRPMに移って、TKS(オチキス機銃型)だけでなく、TKDやらTKWやらドイツ軍鹵獲仕様やら現実に存在しない変な改造トラクターやら、やたらたくさんのバリエーション展開がなされた。

MIRAGE HOBBY:最初のキットは90年代末? TOMの箱替えかと思ったらまさかの新規開発キットだった。どういう風の吹き回しなのか、たった1輌だけ試作された(既存のTKSから改造)試作改良型のTKS-Bとして発売されたが、実際には通常のTKSとしても組めるコンパチキット。バリエーションとして、前後して出た同社ルノーUE用のトレーラーカーゴを付けたドイツ軍鹵獲仕様も発売された。

IBG:2018年発売の最新キット。基本的なバリエーションは20mm装備型とオチキス機銃装備型の2種だが、それぞれポーランド迷彩色の塗料付きセット、足回りの組立をロコ方式で簡略化させたイージーキット仕様も発売。機銃型(通常キットのみ?)はたぶんフィギュアとデカールを替えて、ドイツ軍鹵獲仕様も出ている。

うち、IBGについては当ブログでもキットレビューを載せている。

20210909_105504 履帯に関しては、TOM/RPMとIBGはインジェクションの部分連結式、MIRAGE HOBBYは軟質樹脂のベルト式のものが付属している。3社の履帯は、おおよそ写真のような感じ(左から、TOM、MIRAGE、IBG)。

実際、車輛そのものに関しては新キットになるほど出来がよく、それぞれが旧キットに比べて、「うん、さすが、一日の長がある」と思わせる出来だったのだが(TOMのキットも初のインジェクションキットとして結構頑張っていたが)、履帯は別で、最新のIBGのキットのものは履板表面の窪みもなくぱっと見でディテール不足(もちろん足回りが一体化されたイージーキット仕様はパターンを云々する以前の問題)。MIRAGEのベルト式はまるでハシゴのような代物で、むしろ最古のTOM製の履帯が一番マトモという状況だった。

そんなわけで、TKマニアであることを自認する私にとっては、ぜひとも手を出してみたいアイテム、ということになる。

●そんな履帯セットの中身はこんな感じ(金尺は私の)。

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3Dプリントされた履板が整然と並んだ板が一枚。パッと見ると目の焦点が変な風に合ってしまってクラクラした(ステレオグラムで変な模様や文字が浮かび上がってくるようなことはなかった)。

ベースの上に並んだ履板は13×20列で、計260枚。付属の説明書によれば、TOM/RPMのキットに使用した場合に片側に必要な枚数は113枚だそうなので、1輌分組んで十分にお釣りが来ることになる。これだけ細かいと破損や紛失が怖いので、十分な余裕は有り難い。例えばMIRAGE HOBBYのキットで(やや足回りが長い)TKS-Bを組み立てたいなんて言う場合でも対応可能だと思う。まあ、わざわざ試作車のTKS-Bを作ろう!なんて人がそんなに多いとは思わないけれど。

流石にこれだけ細かいと、「連結可動」にこだわらなくても、むしろキットに合わせて「リンク&レングス方式(部分連結式)」になっていたほうが組み立てのハードルはずっと低くなるが、TKSはインジェクションキットだけで3種も出ているので、そのどれにも使えることを考えれば、1リンクずつバラバラの方がよい。それに、3Dプリントするにあたっても、同じ図形の単純な繰り返しである現状のほうが、少しずつ傾きが変わる連結体よりも楽なのではないかと思う(素人の想像)。

20210906_220242 ●組立に関しては、説明書ではおおよそ以下のように指示されている。

  1. ニッパー等を使ってサポート材(役割は異なるが、形状的にはインジェクションプラキットのランナーゲートに当たる部分)を根元部分で丁寧に切り離す。その後、サポート材を部品の至近位置で1つずつ切り離し除去。
  2. 履板を繋げ、かみ合わせ部に連結ピンを通す(0.1~0.2mmの金属線を推奨)。
  3. ピン外側を瞬着で固定。

1に関しては、当初はニッパーで数リンクを切り離してみたが、そもそも極小の履板にサポート材の「脚」は6本も繋がっていて、しかもその脚の位置が一直線ではないので、一度には切り離せない。そのため、どうしても切断中にパーツに余計な力がかかることになって不安なので、現状、ベース板の端から、ペンナイフでそぎ取るような形で切り離す方式をとることにした。

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「エッチング・ソーで切り離すのはどうだろう?」などとも考えたが、まだ試していない。ちなみに樹脂の“質感”は、通常のインジェクションキットのスチロール樹脂よりはやや硬めでもろい感じがするが、レジンキットの無発砲ウレタンよりはずっと粘りがある印象(それが3Dプリントの樹脂で一般的なものなのかどうかは経験値が低いので何とも言えない)。

現時点で20数枚切り離し、サポート材を除去したが、そこまでの過程で、2リンク、ガイドホーン部を破損した。そこそこ慣れてきたので、今後はもっと歩留まりがよくなるはず。

20210906_222847 それにしても、とにかく履板が小さい。72のIV号戦車(レベル)と比べてみたが、TKS用のほうが小さかった。なるほど、つまり72のIV号戦車の連結可動履帯も可能ってことか……(もちろん欲しいと言っているわけではない。言ってないよ! 本当だよ!)。

さて。

とりあえず履板それ自体は切り出したが、これを繋ぐという激しく大変な作業が待ち受けている。

繋ぐにあたっては、指先で一つ一つ繋げていくのは流石に無理があるように感じたので、写真のような治具を自作した。ガイドホーン間の寸法におおよそ合わせ、タミヤの3mm角棒に0.3mmプラバンを両側に貼り増して3.6mm幅のガイドを作ってプラバンのベースに接着。作業中に位置決めしやすいよう、片側にはストッパーを付けた。

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それでもこれで格段に作業がやりやすくなったかというと微妙なところ。なお、CHINO MODELさん自身も繋ぐ作業をやり易くするため、もっと本格的な(ちゃんと一枚一枚位置決めできる)治具を検討中とのこと。

ピン通しは、プリント上の都合で噛み合わせの中心部分にピン穴が開いていないため、一本のピンを突き通すことはできず、いわばカステン方式で左右からそれぞれ挿すことになる。一本で行ければもう少し繋ぎ作業が楽そうだが、自分で開けようにも、私が持っている0.2mm(~0.4mm)のドリル刃は、チャックに噛ませやすいように根元が太くなっているタイプで、刃先が短いので中央の噛み合わせまで届かない。もちろん根元が太くなっていないドリル刃なら、長く出せば行けそうだが、200枚以上開け直す間にポキポキ折ってしまう未来が想像できてコワイ。

なお、左右の穴に関しても、プリント時の誤差その他で一部狭まったり塞がったりしている可能性があり、作業前に一度ドリルでさらっておくことが推奨されている。私が作業した感じでいうと、サポート材が長い方の側で一部狭まっていることがあったが、低い方の側はしっかり貫通していることが多かった(といっても、まだほんの一部しか作業していないが)。

ピンに使用する線材については、伸ばしランナーも試してみたが、現在では細い(0.2mm程度?)のエナメル線を使用。たまたま手元にあったから、だけでなく、挿した後の切り詰めを考えると柔らかい線材のほうが都合がよかったため。もともとパーツが極小なので、線材があまり硬い必要はない。もっとも、ちゃんと内側の噛み合わせの穴に入れるまでが非常に大変で、それを考えると、穴を探り当てやすい硬い線材(真鍮線など)のほうがいいかも。……今度都会に出たら買ってきて試してみよう。

●長くなったので、実際のキットとの整合性等については改めて。

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ルノー・ド・タミヤ(2)――工作開始とジャッキ台

●SUMICON「タミヤ・フェス」参加作、ルノーR35製作記。

とりあえずエントリーはしたものの、8月中はまったく手に付かず。こりゃイカンと思い、せめて8月中に始めたという格好だけは整えようと、31日になってちょこちょこいじる。

とはいっても、エッチングに取り換えるなどの理由で後々邪魔になるダボ穴のいくつかと、車体上部と上部側面下側パーツの接着部の一部に出来る変な段差を埋めるため、ランナーとかプラ片とかをくっつけただけ。地味すぎる!

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●流石にそれだけでは何だなあ、という気がしたので、前からちょっと尖り過ぎな感じが気になっていた、砲塔右後ろ上の角をちょっと丸める。先日亡くなった仁鶴師匠を偲びつつ、

四角い仁鶴がまぁるく収めまっせ!

などと呟きつつ、あっちこっちの角度から見て具合よくなる感じに削る(といっても、たいして削ったわけではない)。丸めるにあたって邪魔になる上面のパッチは削り落とした。

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もっともこれは多分に私の好みの問題で、実車でもタミヤのキットくらい尖っているように見えるものもあり、タミヤの間違いとは言えないようだ。

ルノーR35、オチキスH35に搭載された規格品のAPX R砲塔は、複数の工場で並行生産されているためか、おそらく工場別/ロット別で、この角を含めて、形状には微妙に差異が見られる。

ちなみに右側面前半についても、タミヤはいわば「ふっくら」タイプだが、エレールやトラペのようにここが窪んだ「げっそり」タイプもある。もっとも、ブロンコのように折り紙細工っぽくカクカク凹んでいるのは流石にやり過ぎ。なお、各社砲塔比較については過去記事参照のこと。

●そしていきなり些末な工作。

右フェンダー後部には、ジャッキとジャッキ台ラックがあるが、タミヤのキットでは、ラックと一体モールドされたジャッキ台の裏側はつんつるてん。しかし、車体側を向いていることが多いとはいえ、割と普通に見えてしまうジャッキ台裏のリブパターンがないのはちょっと寂しい。

我が家には、だいぶ年季物のON THE MARK MODELSのR35/H35用エッチングも2セットあって(1枚は使いさし)、これにジャッキ台が入っているので、当初はこれが使えないかと希望的観測を立てていたのだが、エレールを作ったとき同様、結局サイズが微妙に合わなくて断念した。

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以前にも触れたことがあるが、ON THE MARKのエッチングにはルノー用(黄丸)、オチキス用(赤丸)に2つのジャッキ台が付属しているものの、それぞれ表裏で別物だと認識してしまったらしく、片面しかないだけでなくサイズも異なっている。ルノー用にプラバンを貼り増して使えれば楽だったんだけどなあ。

そんなわけで、プラバンから自作する。エレールの時に一度作ったので、「おおよそこうすればできる」という手順がすでにあり、あとは淡々と手を動かすだけ。

Passion Modelsのエッチングのジャッキ台ラックはタミヤのパーツに合わせて設計されているはずなので、タミヤ準拠の大きさで製作。材料はすべて0.3mmプラバン。

サイズに切り出したベース(縁取りを考慮してタミヤのパーツより一回り小さくする)に、まずは内側のリブを貼り付ける。その後、しごいて柔らかくした縁材を周囲に巻いていく。工作しやすくするため、最終的なリブよりだいぶ高め。しっかり接着固定されたら、ゴリゴリと削って適正な厚みにする。

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現時点では表側は未完で、この後、ジャッキ位置固定用の円弧のリブを付ける必要がある。最終的にラックに装着する際には、表側(円弧のジャッキ固定リブ)があるほうが外側を向く場合が多いようだが、逆の例もある。せっかく作った裏のリブを見せびらかすために逆向きにするのもありかなあなど、あざといこともちらりと考慮中。

●車体側部、数カ所に出来る小さな段差(というか窪み?)を埋め終わったあとに、鋳造時の型分割ラインを入れる。当然ながら、工具箱に隠れてしまう部分はオミット。

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いつもながら、伸ばしランナーを貼って接着剤で溶かして潰して……という作業。当然ながら、同じ「鋳造型の分割線」ではあっても、T-34の砲塔のようなゴツさはなく、ごくごくおとなしいもの。表面もあまりゴツゴツさせず、「これは溶接線ちゃいますよー。鋳造型分割線ですよー」というのを示したいと思ったが……どこが違うんじゃ状態。ちょっと反省。

ちなみに砲塔裾部にも鋳造型分割線はあるのだが、そちらは(通常)さらに目立たないので、キットのパーツの接合線をわずかに残す感じでヤスるだけに留める。……「接着した後、ちゃんと消さなかったでしょ」状態にしか見えないのが難点。

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