C2P

First to Fight 1:72 C2P牽引車(3)

●今までに私がこれほどの頻度でブログを更新したことがあったであろうか。

それもこれも仕事が紛糾しているせいである(仕事しろよ>オレ)。

●ソクウ1000オートバイの2回目もアップしたいところだが、一応、その直前のお手付き品も見捨ててはいないぞという証に、ミニスケールのC2P牽引車+ボフォース40mm対空機関砲のペアの進捗状況を。

といっても、C2Pは前回から1ミリと進んでおらず……というより、牽引具の工作を除いてはもうすっかり終了させてしまった気でいるので、表題とは矛盾するが、中身は「ボフォース40mm機関砲 Airfix 1:76 製作記」に他ならない。

前回述べたように、このボフォースはFirst to FightのC2Pの“付け合せ”としてご登場願ったものなので、製作方針は

テキトーに若干の精密さを加えつつ、テキトーにポーランド型に似せる努力をする。

――というもの。

ちなみに、ミニスケールの牽引型ボフォース40mmのキットとしては、このエアフィックスの古い1:76と、もうひとつ、ズベズダから新しい1:72がある。

スケール的にはズベズダのほうがFirst to FightのC2Pとはつり合うのだが、(この用途に取っては)残念なことに、ズベスダのキットはイギリスで開発された新型架台(プラットフォームMk.2)に乗っており、車輪も含めてまるごと形が違う。合わせようと思ったら、砲本体だけ残してあとは自作するはめになる。

もうひとつ、hannantsで検索すると、Planet Modelsのレジンキット(1:72)もヒットする。これはパッケージの絵を見る限り、エアフィックスと同様の初期型の形質を持ったキットのようだが、出来は不明。ホイールは5つ穴タイプ。

●今さらだが、ポーランド型ボフォース40mmの大まかな特長。

  • 本国スウェーデン製と同じ初期型標準の架台。鋲接の箱型で、左右の折りたたみ式アウトリガーも四角断面。
  • 前後の車輪は取り外しではなく、前後にはね上げて架台を下ろす。前後ジャッキは車輪より外。まあ、この辺は要するに標準架台ってことです。 (6/22追記。「車輪は…前後にはね上げて」と書いたが、実際には同じ方向に上げるもののようだ。知ったかぶりして適当なことを書いたらいかんね。前輪(牽引バーのあるほう)は外側に、後輪(トラベルクランプのあるほう)は内側に上げる。もちろん、ロックを外してばったーん!では事故が起きかねないから、実際にはアウトリガーを広げ、ジャッキを目一杯下ろして接地させてからロックを外し、ゆるゆる下ろしていくとか、あるいは車輪の軸と直交するウォームギアでも付いているのかも)
  • ホイールは8つ穴・段付き、5つボルト型。
  • 電動機構なし。仰俯・回転とも人力のみ。
  • スウェーデン型同様、デッキ後部右に指揮官用椅子があり、計3つの椅子。
  • 箱型の照準器。

ちなみに、Terry J. GANDER, “THE 40mm BOFORS GUN”によれば、

The Poles made some modification to the carriage of their Bofors guns, the most important of which was the removal of all fittings that involved fire control information from a central point.

どうも英語の不得意な私にはよく理解できないのだけれど、もともとのスウェーデン製にはあった、指令所からの管制情報伝達のための機器が架台から除かれている、というような意味のようだ。

なお、現在AFVクラブから発売されているドイツ軍型のボフォース40mmは、そのままで基本、ポーランド型と言えるらしい。このへんの書き込みより。

現時点で私がやっている改造はだいぶ「ナンチャッテ」な感じだが、本格的にやるなら、AFVクラブのキットを参考にするとやりやすいのではと思う。いやまあ、これも前回書いたが、First to Fightからずばり、ポーランド型が出ちゃう可能性もあるのではと思うけれど。

F1014899 F1014898 ●でもって、現状はこんな感じ。

そこそこ手を入れた箇所は、次の通り。

  • 架台にデコボコあったモールドをほとんど削り落とし、ベアな状態にした。
  • デッキ前方を若干作り替え、こちらもなるべくベアな状態に。
  • デッキ後半もちょっと削ったり埋めたり。なお、操作員用の3つの椅子は、これから工作の予定。
  • 排莢シューターを若干それらしく。
  • 照準器を作り替え。
  • 左右の操作ハンドルは、本来は対称位置ではない。若干右ハンドルの位置を落として取り付けたが、これはいい加減な修正で、実はもっと前方にあるようだ。
  • 側方の脚をきちんと畳んだらデッキとジャッキが干渉することが判明。しょうがないので脚を途中で切って1mmほど延長。辻褄合わせの無理矢理工作。
  • F1014897 牽引バーがプリミティブな出来だったので作り替え。バー前部が、このスケールでも可動というおバカな状態になっているのは、接続すべきC2Pの牽引部が未工作であるため。どうせ完成して色を塗ったら動かなくなる。
  • ジャッキの色が違うのは前回述べたようにパーツを飛ばしてなくしたせい。
  • 接地プレートを薄く削った。

今後、椅子、トラベルクランプなどを工作の予定。

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First to Fight 1:72 C2P牽引車(2)

●前回紹介したポーランド、First to Fight製1:72のC2P牽引車、パタパタと組み上げてみた。

実際、足周りは一体だし、部品数も多くはないので、組むだけなら10分ほどでいけるかも。いや、ハンドルとか牽引シャックルとか、妙に細かいパーツもあるので10分は無理かな?

●もっとも、せっかく素材としてなかなかいいキット、それだけではもったいないので、ちょっとだけ手を入れて形にした。それが、以下のような姿。

F1014732 F1014737 F1014738

手を入れた箇所、その他気付いた点などは次の通り。

・ハンドルシャフトは、フロントウィンドウ下から支持・補強用の板が突き出して支えられているので、プラバンで適当に工作。

・ついでに、キット指定の位置だとハンドルが車体左側に接近しすぎなので、若干取り付け位置もずらした。

・オムスビ型の計器盤と、計器盤の支えを追加。床のモールドを避ける都合で、本来は左右に広がっているだけの支柱が、前後にも傾いてしまった。

・エンジンカバーは、パーツの抜きの都合でかなりテーパーが掛かっていて、後ろが末広がりになってみっともないので若干削り、消えてしまったモールドの代わりに伸ばしランナーで蝶番を入れた。削り方がいい加減だったこともあって、なんだか波打っていてみっともないのはご勘弁。本来は左右3本ずつ入らないとおかしいのだが面倒になって2本。

・排気管カバーをプラペーパーで追加。

・どうやら車体後面板にある2つのポッチが排気管取り付け位置指示らしいのだが、その位置では下過ぎるので、上にずらして接着。どうも正規位置では幌パーツが付けづらくなるのでずらしてしまったのではないかと想像。

・キットでは、幌の取り付け用に、車体左右にポッチが出ている。実は実車でも、左右フェンダー上には燃料キャップが飛び出しているのだが、その位置はキットのポッチよりも後ろにある。そんなわけで、キットのポッチを切除して、後ろにずらして付け直した。前後位置は、ちょうど幌の中央骨付近。なお、写真で右側にしか付いていないのは、実車でも右側だけのものがあるため。生産時期の差かもと思ったのだが、改めて写真を見ると、ポーランド軍が使用中の車輌では確認できない(というほど多くの写真は見ていないが)。ドイツ軍による修理の結果で片側だけになった可能性もありそうだと思い直し、この後結局左側にも改めて付けた。

・車内のレイアウトは、椅子の位置が若干、実車とずれているように思うが、きりが無いのでそのまま。

・牽引用シャックルは実際に何かを連結するには小さすぎるようなので、作り直すことにして、現在は未工作。

●せっかくC2Pを作ったので、それだけでは寂しいと思い、相方のボフォース40mm機関砲にも手を付けてみた。Airfixの「40mm BOFORS GUN & TRACTOR」より。

C2Pのスケールは72、こちらのキットは76なので、厳密にはスケール違いなのだが、今回は(今回も?)割とテキトーモデリングなので良しとする。

製作方針としては、

・エアフィックスのボフォース40mmは防盾付きで、モーリスCDSWトラクターとセットであることからも判るようにイギリス仕様なのだが、幸いなことに、アウトリガーが四角断面の初期型なので、いろいろ付け加わっているものを取り払い、オリジナルのスウェーデン型(に近いポーランド型)に似せる努力をする(歯切れが悪いのは、正確な仕様がどうもよく判らないため)。

・それ以前に、エアフィックスのキットは古く、細く、薄くあるべきところがとにかくゴツイので、適当に(C2Pに合わせる程度に)繊細さを加味する。

工作途中なのでいろいろ付いていないものも多いが、現状こんな感じ。

F1014729 F1014730

ジャッキが一箇所だけ色違いなのは、カーペットモンスターに部品を食われたため(カーペット敷いてないけれど)。もっとも若干バリが出ていて、円筒形が長円断面になっていたので、落としたあとであまり真剣に探す気になれなかったせいもある。

キットのホイールは、ポーランドのボフォース同様8穴ではあるものの、段差のないタイプなので形式が違うのだが、そこは目をつぶることにする(要するに面倒なだけ)。

……もっとも改めて考えてみると、あれこれ苦労して(しかもスケール違いで)合わせようとしなくても、しばらくすればFirst to Fightから72で、ポーランド仕様そのもののボフォースが出てしまいそうな気もしないでもない。

塗装前まで作って、ロールスに復帰の予定。

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First to Fight 1:72 C2P牽引車

F1014577F1014582●前々回、めがーぬさんとの間で話題になったポーランド製72のお手軽キット、First to Fightの製品がいくつか横浜のヨドバシに入荷していたので、ついついC2P牽引車を購入。実車はTK豆戦車シリーズのバリエーション車輌で、主にボフォース40mm対空機関砲や、その弾薬車などの牽引に用いられている。

まずはこのシリーズ、「ちょっとお試しで一つ」ということもあるが、中でもC2Pを選んだのは、全スケールを通じて初のインジェクション・キットであるため。

メーカーロゴなどよりも大きく、箱の上真ん中にWrzesień 1939(1939年9月)と書かれている。このシリーズ名の通り、1939年9月のポーランド戦役に出たポーランド、ドイツ両軍の車輌をキット化している(もしかしたらそのうち、ソ連軍車輌も加わったりするかもしれない)。

F1014581「お手軽キット」と書いたのは、装軌車輌の場合は足回りが丸ごと一体のロコ形式で、パーツはご覧の通り、小さな一枝で全部という構成のため。外側にくっついた幌のパーツ部分を除いて、枝の大きさはおよそ10.5cm×13cm。組立説明も箱裏で済ませてしまえる程度。

●めがーぬさんも紹介していたミニスケール専門サイト、「HENK OF HOLLAND」には“combination with a small information magazine”と書かれている。ディアゴスティーニ的なものかと思ったりもしたが、実態はちょっと違っていて、A4の薄っぺらい資料パンフレットが、四つ折になって無理矢理箱の中に入れてあった(もっとも本国ではこんな無茶はせず、冊子とキットの箱は別々に売っているのかもしれない)。

F1014585 3枚の紙を中綴じにしてあるので、全12ページ。表紙はトリミングが違うが箱絵と同じ絵。表2、表3、表4はシリーズの説明やら広告やら。真ん中見開きは、昔懐かしいAFVプロファイル的な牧歌的なカラー4面図と諸元。

あとは文章主体のページだが、1ページ目(表紙から含めてノンブルを振ってあるので、3ページ)は「SAMOTNY BÓJ 9 DIWIZJI PIECHOTY W BORACH TUCHOLSKICH」というタイトル。これはおそらく、「トゥホラの森における第9歩兵師団の孤独な戦い」というような意味で、C2Pとは直接関係ない戦史の話かも。

というわけで、残り5ページが、C2Pの開発、用途、戦歴などなどの解説。……なのだと思うのだけれど、全面ポーランド語なので全然わかりません。

後半、部隊名や、どうも車輌番号らしきものも並んでいるので、配備部隊や個別車輌の状況など、かなり突っ込んだ内容が(薄いパンフの限られたスペースなりに)書かれているようなのに、なんとも残念。

F1014578 F1014579 ●肝心のキットは、お手軽な構成だからとあまりバカにしたものではなく、一体成型された足回りもなかなかディテールは細かい。この足回りのパーツを使って、TKSのキットをTKS-Bに改造……するような物好きは、まああまりいないだろうとは思うけれど。

大きな幌がパーツ化されているが、これを被せる前提で中はまるっと省略、なんてことはなく、独特な形のハンドル含め、それなりの再現度。

少なくとも、同スケールの、IBGのポルスキ・フィアット508IIIシリーズあたりよりははるかにスグレモノ。

実際にちょこっと作り始めた感じでいうと、プラの質感が一般のインジェクションキットよりも柔らか目であるだけでなく、「粘っこい」感じ。一応、普通の流し込み接着剤でしっかり接着できるので、スチロール樹脂ではあるのだろうけれど、「自由樹脂」っぽいというか(判りにくい例え)、ポリキャタピラの素材が混じった感じというか。

一応ヤスリ掛け、カッターの刃を立ててのカンナ掛けなどもできるが、ちょっと削りカスの“切れ”が悪い感じはする。もっとも、この「粘り」のおかげで、もし硬めの樹脂だったらパリポリ折れかねないフロントウィンドウの枠とかハンドルとかも比較的丈夫(もちろんあくまでも比較的)。

実際の製作の様子は、また回を改めて近々。

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