ウルススA型

島バナナ

●11月後半。再び川崎駅前で赤板先行氏、田一田氏と酒を飲んだり(19日)、いきなり天気予報の予想通り(予報通りで「いきなり」というのもおかしいが)11月なのに雪が積もってたまげたり(24日)する。なんて大雑把な日々。

ちなみにあかでん両氏との飲み会では、先日のように記憶をなくすまで飲むことなく、きちんと(京急に乗って)帰った。あかばん氏は途中から居眠りしていて、置物のダルマのようになっていた(体型的にも)。

Cimg1838m ●25~26日、川崎の実家に行って一泊。いろいろ食糧を貰って帰るなかに、島バナナあり。徳之島の親戚から、叔母経由で貰ったものであるそうな。

普通にそのへんで売っている輸入物のバナナに比べて、小さくて皮が薄い。味は「あ、普通のバナナとちょっと違う」と思うくらいには濃くて甘い。もっとも、子供の頃に(父母の郷里の)奄美大島で見たり、送ってきたりした島バナナはこれよりもっと小さかった(下手をすると10センチくらいしかなかったりする)ので、これは適当に庭でできたものではなくて、ちゃんと農家の人が作ったものかもしれない(子供の頃に時々食べた島バナナも、取り立てて美味しいものだったという記憶もない)。

奄美大島(の、そのまた田舎の、父母の郷里の小さな集落)では、昔は家の庭に普通にバナナやパパイアが生えていたものだが(祖父の家にもあった)、聞くところによると、虫が湧くとか(特にパパイア?)世話が面倒だとかで、今はほとんど切られてしまったそうだ。もったいないが、田舎ってのは日本全国そんなものだ。じーちゃんばーちゃんばっかりだし。

●先日買ってきたMasterClubのボルト(正確にはワッシャー付きナット)を、S-MODEL 1:35のウルススA型トラックのホイールに植える。

Cimg1835m 元々のキットのモールドは半分がた気泡で潰れていることとも相まって、「ボルトだかリベットだか判りゃしない」状態であるため、モールドの位置に穴を開けて植え替えた。

本来なら、綺麗に等間隔に8つ並ぶよう、治具を作って穴を開けるべきなのだが、そもそもパーツ自体、外形もナットを植えるべきドーナツ型の凸部もきちんと丸くないという大らかなキットなので、治具を作っても結局相対的には位置がずれてしまうこと必定。結局、適当に目分量で作業する。案の定、微妙に不揃いになったが、そもそも全体もそんな感じなので、この程度で良しとする。我ながらいい加減。

●水没させてしまった携帯電話は、ディスプレイユニットとキーボードユニットが分離するという意味不明の機能を持つガラケーだが、とりあえず使用できている(本体に相当する)ディスプレイユニットもいつ使えなくなるか判ったものではないので、ついにスマートフォンに乗り換えることにする。

現在のキャリアはdocomo。調べてみると、契約時期の問題で、今他社に乗り換えると9500円だかの違約金を取られることが判明。まずは違約金無しのdocomoでの更新を考えて、鎌倉のショップに相談に行く。なんだか、今ガラケーからスマホに乗り換えると「はじめてスマホ割」とかでだいぶ安くなりそうなことをCMでも言ってるし。

……ところが、キャンペーンの広告では「毎月の基本使用料が半額以下!1980円から」なんて大々的に謳っていながら(もちろん、あれこれの条件が付いてその値段なんだということは判るのだが)、「お客様の場合は……このプランとこのプランを組み合わせて、『はじめてスマホ割』で**円差し引いて、毎月これくらいになりますね」と提示された金額は毎月6000円弱。誇大広告も甚だしい!

さすがにこれなら違約金を払っても他社に乗り換えたほうが安くつくので、すでにケーブルTVを利用しているJ:COMに申し込む。昨日(28日月曜日)に営業担当者が説明に来たが、前身会社時代の契約のままになっているケーブルTVに加えてネットだのなんだの、すべてひっくるめるとだいぶ割引になるとのことで(セールストークに乗せられたのもあるが)、だいぶ大事に。

説明だの契約だのに半日掛かり。さらに来週、実際の機器の交換だの設定だのでまた半日だそうな。

●明日(30日)は長野の飯田に日帰り仕事。

NAVITIMEさんに訊ねたら、「名古屋まで新幹線に乗って、バスに乗り換えろ」という、「ええええええ?」と思う検索結果が出た。流石にそんな行き方ではなく、新宿から高速バスに乗ることにして予約も取ってあるのだが、名古屋経由のほうが所要時間は1時間ほど短いらしい(その代わり交通費は倍くらい掛かる)。ちなみに新宿経由での逗子→飯田の所要時間は約5時間半。遠い……。

まだ本決まりではないが翌1日には同じく長野の佐久。仕事先の人に「泊まりますか?」と言われたのだが、飯田から佐久平までも5時間前後かかるらしいし、すでに帰路のバスも予約してあるので、律儀に2往復しようと思う。やれやれ。

 

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ウルススの迷宮(2)

●ジェニファー・ウォーンズの「I Know A Heartache When I See One」(1979年)と、カスケーズの「悲しき雨音」(1962年)って似てるよね。

って、数十年前から思っているのだが、そもそもジェニファー・ウォーンズなんて「愛と青春の旅立ち」の主題歌(「Up Where We Belong」)しか知らねえよという人が(あるいは「それも知らねえよ」という人が)ほとんどかも。

●昨日締切の仕事を昨日のうちに終わらせることができず、今日の昼まで掛かった。昨晩あまり寝ていないので午後ちょっと昼寝。夕方、寒気を感じてぶるっと身震いして起き、「やべぇ。こりゃ風邪でもひいたかも」と思ったのだが、そうではなくて、単純に外気が寒かったのだった。

つい先週、ぎんなんを拾いに出掛けた時は半袖のシャツで汗だくになったのに!

今年は秋がなくて夏の後にすぐ冬が来た、と、かみさんが言っている。

●「ストライク・ウィッチーズ」という、第二次大戦のエースパイロットを萌え系女の子変換した変なアニメがあって、今季、その続編というか外伝というか、「ブレイブ・ウィッチーズ」というのが放映される。それにニルス・カタヤイネン(の女の子版)が登場する予定だそうだが、設定(というかwikipedia)を読むと、アニメのなかでもやっぱり不運だそうだ。可哀想に。まあ、それを外してしまったらわざわざカタヤイネンを出す意味もなくなってしまうけれど。“グラーフ”プンスキ(クルピンスキ)の女の子版も登場するようで、いやに人選がマニアック。

カタヤイネンといえば、“ハッセ”ウィンド最後の出撃(たぶん)で、重傷を負って帰投したハッセ・ウィンドがコクピットから担ぎ出される時、「まだ“ニパ”がいる」(まだカタヤイネンが帰ってきていない)と言うエピソードがある。たぶん「北欧空戦史」ではなくルーッカネン隊長ユーティライネンの著書の中だったなあと記憶していて、先日、何かのはずみでふと思い出して2冊の中を探してみたのだが見つけられなかった。ありゃ……?

(たった今、あ、そういえば!と、梅本弘「流血の夏」を引っ張り出してみたら、その中に書いてあった。こっちだったかあ。……しかしなんでこのエピソードを探していたのかを忘れた。)

●もう一本、今季のアニメの話。「終末のイゼッタ」というアニメが始まっていて、架空のヨーロッパ(実在の国は出て来ず、すべて架空の国になっており、一部国境線なども異なる)の第二次大戦が舞台。出てくる兵器は基本実在のもので、主舞台であるアルプスの小国に攻め込んだ「ゲルマニア」の軍隊は、メッサ―109のE型、シュツーカのB型、III号戦車E/F型などを使っている(割とよく特徴を捉えている)。攻められる小国の方は、まだOPあたりにしか出ていないが、モラン406を使っているようだ。アニメの公式サイトを見ると、早速ハセガワ(たぶん)とタイアップでアニメのマーキング入りキットが発売される(発売された?)ようだ。

というわけで大きな兵器の方は見て判るのだが、一話目でヒロイン(サブヒロイン?)の魔女がまたがって飛ぶ対戦車ライフルの種類がわからない(もともと小火器はそれほど詳しくないけれど)。

●ノーベル文学賞にボブ・ディラン。なんだそりゃ。それこそ「時代は変わる」ってことですなあ、というベタな感想が、おそらく全世界に満ち溢れるだろうと想像(私もそう書いてしまった時点で五十歩百歩)。

ちなみに私はカラオケで「ローリング・ストーン」と「タンブリン・マン」を歌えるようになりたいと思いつつ、いまだに歌詞を覚えられない(画面に出てもそれなりに覚えていないと曲に合わせて読み取れない)。

特に「タンブリン・マン」は、ニューポート・フォーク・フェスのこのライブが好き。

●青山学院大学・相模原キャンパスのチャペルでの来週の「2016チャペル・ウィーク」、連日、著名なクリスチャンを招いて講演があるそうなのだが、10月21日の講演の表題は、

「イエスぱねえ マジ神すぎてワロタ ww」

だそうだ。むしろ青学ぱねえ。

前回に続き、「こんなとこにレバーがあっていいのかよ、ウルススA型!」問題について。

前回はSPA 25C/10バスを紹介したが、今度はSPA 25C/12消防車(ポンプ車)。

写真が小さいので見づらいのだが、この写真この写真でレバーを確認でき、特に2枚目ではやはり運転席床の右側、「お前は法隆寺中門の柱か!」みたいに、乗降の邪魔になりそうな位置にあるのがわかる。

もちろんこれもウルススA型それ自体ではないし、クローズアップ写真もないので、前回同様、「右ハンドルなのにレバーが右側にあること自体は間違っていなさそうだ」以上のことは判らない。隔靴掻痒。

●さらにネット上をうろうろと探し回っていたら、ポーランドで「Samochody ciężarowe URSUS 1928-1930(ウルスス・トラック 1928-1930)」(Andrzej Glajzer)というピンポイントな本が出ているのを見つけた。

ウェブ上で立ち読みしてみると(買えよ!)、黒く潰れてディテールははっきりわからないものの、ハンドルやレバー類の付いたシャーシの写真と、シャーシの平面図が出ていた。

それらから判断すると、レバー類は右側のシャーシフレーム位置辺りから生えているようだ。平面図での描き方からすると、どうもその位置で直立しているのではなく、外側(右側)に傾けて付いているようにも見える。

もっともそれでも、キットでシャースフレーム位置と合わせてしまうと内側に寄り過ぎな感じなのだが、これは、キットのシャーシフレーム幅自体が実車より狭い可能性がある。いずれにせよ、ハンドル位置から考えると、現在作ってある座席の運転席・助手席の分割線は間違いである可能性が高そう。うー。

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ウルススの迷宮

●先日採ってきたぎんなんは、バケツのなかでざぶざぶ何度も揉み洗いをして果肉を落とし、濡れ縁で干した。

臭い思いをして、これでマズかったら悲しいなあ、と思ったのだが、月曜から食べ始めてみると、苦みがほとんどない上にほんのり甘く、すこぶる美味かった。むしろ、もうちょっと苦みがあってもいいかも、なんて贅沢なことを思うほど。採ってきたばかりで新鮮なので、炒って殻と薄皮を剥くと綺麗な色。

我が家では私以上にぎんなん好きのちびも、「このぎんなん、おいしい!」と感動していた。とはいえ、ちびはまだちびなので、ぎんなん中毒を防ぐため。基本、「年齢の個数以上は食べてはいけません」制限付き。かみさんはもともとぎんなん好きだが、アレルギー持ちになって以来食べられない。

新鮮で美味しいうちにせっせと食べて、食べ尽してしまおう。そして近いうちに、もう一度くらい拾いにいってみよう……。

kuhinitoさんのT-34が完成した。183工場製1942年型の比較的初期の仕様、例のスミェリ号を再現している。ドラゴンのT-34(特に1942/1943年型)の抱える問題をきっちり直してある上に、実車の細かい仕様を丹念に再現していて、こういう工作をみると、「オレって工作粗いなあ」とつくづく思わされる。

しかも転輪はゴムリム付きも緩衝ゴム内蔵転輪もドラゴンママではなく(ゴムリム付きは薄いタイプを履いているので当たり前だが)、ゴムリム付きは改造、緩衝ゴム内蔵は1から自作したうえで複製。うわあ……。

ちなみに車輌名(というかスローガン)の「スミェリ(смелый)」は「勇敢な、大胆な」といった意味で、ポーランドの装甲列車「シュミアウィ(śmiały)」と要するに同じ名前。カタカナで書くと「スミェリ」と「シュミアウィ」はだいぶ違っているように見えるが、耳で聞くと「ああ、同じ単語なんだな」と思えるくらいには近い(こういうときにForvoは非常に便利だ)。

●先日の、「ウルススA型トラックのレバー類ってどこから生えてるんだ」問題の続き。

F1011391 その後、改めてキットをよく見てみると、ミッションから横に四角く突起がある。写真は裏側から見たところで、実際には車輌の右側(運転席側)に向かって突き出している。

これがレバーの根元に繋がるのであれば、「ミッションから直接レバーが生えている=車輌中心線あたりにレバーがある」という比較的アタリマエの配置とは違っていることになる。

F1011317

もっとも、以前も載せた写真で判るように、キットの床板にケガかれたレバーの根元位置は、シャーシフレームよりさらに外側にある。

仮にシャーシフレームのぎりぎり内側位置でレバーを生やすとなると、もろに運転手の両足の間にレバーが来ることになる。……なんだそりゃ。あるいは、ミッション横のバルジ自体はそこそこ大きいが、レバーはその端ではなくもっと内側、ミッションのすぐ横あたりから出ているとすると、比較的常識的な位置になる。もちろん、その両方ともキット床板のケガキ位置とはまるでズレる。

ちなみに椅子の座面はバキュームフォームの余りプラバンで作ったもので(元のパーツは横幅が合わなかったので)、座面が左右に分かれているのも元パーツにおおよそ合わせている。しかし、狭い方を運転席側に、広い方を助手席側にしたのは、オペル・ブリッツあたりに合わせたもの。キットの説明図では明示されていないので、実は運転席側のほうが広い、などということもあり得るのかもしれない。というわけで、この分割線の位置はレバー位置を考える際にあまり基準にはならない。

●もちろんこんな「あーだこーだ」は実車写真があれば一発で解決することなのだが、URSUS A型の外見の写真さえあまり多くなく、キャビン内の写真などまるで見つからない。

そんなわけで、URSUS A型の原型にあたる、イタリア製トラックSPA 25の写真を探してみることにした。正確にはURSUS A型の原型はSPA 25C Poloniaというのだが、一応、SPA 25系列であればコクピット周りのレイアウトはある程度の共通性があるかもしれないので、その辺は適当に探した。

そこで見つかったのが、SPA 25/10バスの写真。特に注目がこの写真この写真「右ハンドルの車輌であるにもかかわらず、床のレバーが右側(車体外側)にある」という、「なんだそりゃ」な配置が、とりあえず同系の車両で実在する、というのが確認できたわけである。いやもう、ほんとに、なんだそりゃ……。

もっとも、このSPA 25/10というのは、URSUS A型の原型であるSPA 25C Poloniaよりちょっと古そうで、キャビンもURSUS Aよりだいぶ幅が狭い。キャビン前部で、おそらくシャーシフレームの幅しかないから、フレーム内側いっぱいでシフトレバー他が立っていても、キャビン内でだいたいこの位置になるのかもしれない。というわけで、URSUS A型の場合のレバー位置の直接の資料にはならないのが惜しい。あくまで参考という感じ。

(続く)

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アララギ派

●25日、元帝国陸軍中尉殿(親父)の七回忌で川崎の実家に行く。といっても、別に何か法事らしいことをしたわけでもなく、兄と下の甥っ子、我が家の一同が川崎の家に集まって皆で昼飯(鶏飯)を食い、その後に墓参りに行って終わり。

F1011282 F1011277 ●川崎の実家の庭にいたカナヘビの子供。眼がくりっとしてかわいい。

●小説投稿サイト「小説家になろう!」の投稿小説を、最近よく読む。ライトノベルの登竜門のようなサイトで、玉石混交ながら、肩が凝らずに結構楽しめるものがある。何か面白い設定があると遠慮なしに類似品が出てくるらしく、同工異曲の作品が山ほどあったりして、そんな無法地帯ぶりも(野次馬的には)興味深かったりする。

書き手の平均年齢も若いので、文章の中に「ら抜き」言葉も平気で出てきたりする。それとは別だが、最近、複数の作品で目にしてちょっと気になったのが「荒げる(あらげる)」。本来は「荒らげる(あららげる)」だったのが、「あらげる」と誤読され、そこからずるずると表記からも「ら」が落ちてしまった、という変化を辿っている。

昔は私もあやふやだったものの、一応辞書等で確認して「荒らげる」が正と知って以来はそう使うようにしているが(といっても滅多に使わない言葉だが)、先ほど変換してみて知ったが、IMEも「あらげる」で普通に変換する。もう「荒げる」で市民権を得てしまったんだろうか……。

●京都学園大学のマスコットキャラクター「太秦その」と京都市交通局の「太秦萌」は従姉妹同士だそうだが、高校生の太秦萌よりも大学生の太秦そののほうが年下に見えるのはいかがなものか。

仕事上の理由であちこちの大学のサイトをしばしば覗きに行くため、「太秦その」ちゃんは登場当時から知っていて、「いやいやくらなんでも大学が公式に萌えキャラはどうなのよ?」と思ったのは確かだが、その辺は、「京都は高校生も大学生も髪をメッシュに染めるのが公式にOKですか?」とかも含めて、この際置いておく。

ちなみにキャラクターの歴史的には京都市交通局の太秦萌のほうが古いのだが、「初期型太秦萌」は名前に反して神戸新聞の「いまいち萌えない娘」ちゃんにテイストが近い。

Img_20160905_0003cut ●(T-34は完成していないのに)ちまちまウルススA型トラックもいじっていたりするのだが、大きな疑問点発生。

キットの説明書では、右図のように、足元にシフトレバーとサイドブレーキ?を取り付けるように指示されている(ちなみにレバー、ペダル類はレジンパーツ)。

F1011317 この取り付け位置をパーツ上で見ると、左写真のように床に四角く筋彫りされているのだが、これだと、右足とフットペダルの間をレバーが邪魔している格好になってしまう。もちろんペダルが全体的に中央に寄っているのかもしれないが。さすがにレバーが両足の間にあるような配置にはしないだろうしなあ。

ちなみに座席は私が新造したものなので、運転席と助手席の間の筋彫りは、この位置が正しいかどうかは判らない(一応、キットのパーツを参考にしているが、比率は適当)。

そもそもこの位置にレバーがあった場合、ドアを開けていきなり中央にレバーが立っているわけで、乗降に邪魔で仕方ないと思う。こんな配置の自動車があるのだろうか。トランスミッションは中央にあるのだから、レバーも中央寄りにあるほうが素直なんじゃなかろうか。考えてみると、ポーランド車なのに右ハンドルというのも不思議(元がイタリア車なので右ハンドルでOK?)。

なにしろ実車写真が乏しいので、結局はだいぶ想像交じりで誤魔化すしかないと思うが、なんだかんだ悩み中(ちなみに以前作ったカーゴトラック型は、素直にキットの指示通りにしてあるようだ)。

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ウルスス

F1010952 ●昨日、「飛行機のバキュームフォーム・キットを作りたいと思ったものの、メゲてしまって、取り組むのはまた次の機会に……」というグダグダな話をしたが、諦め悪く、今度はこんなものを引っ張り出してきた。

先日やはりme20さんとの間で話題に上った、ポーランドのS model製1:35、ウルススA型トラックのTK運搬型(Ursus A truck TKS Tank Transporter)。「仕事が立て込んでるという話はどうしたんだ!」というツッコミは無しの方向で……。

箱の左下にあるように、陸物キットとしては珍しいバキュームフォーム+レジンの混合キット(基本パーツがバキュームで、車輪その他バキュームに適さないものはレジン)。

ursus02 同社製初期の、やはり同様の構成のポルスキ・フィアット508シリーズは、挑戦しては挫折を繰り返しているのだが、ウルスス・トラックのほうは、昔、カーゴ・トラック型を完成させたので、とりあえずそこそこマトモに形になるのは立証済み。ちなみに、昔の「河馬之巣」のコンテンツをひっく
り返してみたら、カーゴ・トラック型は2001年の合同展に出品していた。大昔ぢゃのう。

なお、S modelというメーカー自体は、検索するとサイトがヒットするので、今でも存続しているらしい。ただし、その後のキットは完全なレジン製に移行、さらにこのウルスス・トラック含め、初期のバキュームフォームの車輌シリーズも全レジンキットでリニューアルされているようだ。また、ARMO-JadarからもウルススA型のレジンキットは数種出ている。

●実車とメーカーについて少し。

ウルススはロシア帝国支配時代のワルシャワで1893年に設立された機械メーカーで、その後トラックの生産を開始する。しかし戦間期、世界恐慌のあおりを食らって経営不振に陥り、1930年には国有化され、国営技術工廠(PZInż=Państwowe Zakłady Inżynieryjne)の一部門となった。

wikipedia(英語版およびポーランド語版)によれば、ウルススA型トラックは、基本、イタリア製のSPA 25Cトラックのライセンス生産型。ポーランド型はオリジナルのSPA 25に若干の改設計が施されており、ペイロードも2tから2.5tに増やされているという。もっとも、同じwikipediaの解説でも、もともとのSPA 25トラックのペイロードを1.5tと書いてある部分もあって、若干あやふや。ただし、このキットのタイプで載せているTK豆戦車の重量が2.5t前後あるから、最終的にペイロードが2.5tクラスになっているのは確かなようだ。1928年から1931年までに各型合わせ884輌(民間用が509輌、軍用が375輌)生産されたらしい。

というわけで、1939年戦役当時は、ポーランド軍の軍用トラックとしてはいささか旧式で、主力は後継のポルスキ・フィアット621に代わっている。

ウルススの工場は戦後復活し、戦前型ランツ・ブルドッグのコピーを皮切りにトラクターの生産を開始。現在でもトラクターのメーカーとして活動している。会社のサイトはこちら。ちなみにウルスス(Ursus)という名はラテン語でクマの意味で、クマ属の学名でもある(me20さんのところのコメント欄で「ポーランド語でクマ」と書いてしまった。間違いでした、どうもすみません>me20さん)。

ちなみにポーランド語のクマはmiś(ミシュ)。双発爆撃機PZL P-37ウォシュの発展形の名前がミシュだった気がする。「飛行機の名前にクマはないだろう!」と思わないでもないが、他も「ウォシュ=ヘラジカ」とか「カラシュ=フナ」とか「スム=ナマズ」とかなので、要するにポーランド人の感性では違和感はないのだろう、で済ますしかない。

ウルススのロゴマークは、戦前のものは下の説明図にある、歯車の中に「U、R、S」を組み合わせたものだが、現在のものはてっぺんにクマの頭が付いている。

F1010950 ●これまでも時々引っ張り出してはいじっていたので、バキュームの部品はだいたい切り出してあり、半ば組み立ててある。というわけで、箱の中身はご覧のようにジャンクヤード状態。

基本、全体が曲面で出来ていて、表面も平滑度が高い飛行機に比べて、平面の組み合わせが多く形状も入り組んでいる陸物キットには、あまりバキュームフォームという手法は適さない。しかしこのキットの場合、キャビンは素直に各面貼り合わせの箱組だし、車輪やサスなどはレジン。フェンダーなどはバキュームの薄さがかえってメリットになる部分なので、(ソフトスキンだからという部分は大きいが)割と適材適所のキットといえる。

Img_20160905_0003 Img_20160905_0002レジンパーツは基本、大きな湯口はない“もなか”タイプ。大きな欠けや気泡は入っておらず、あまり変形はないという点ではマトモだが、タイヤのトレッドパターンなどはいまいち。

説明書は、右のようにざっくりしたものだが、15~20年前のガレージキットとしてはむしろ親切な方かもしれない。

F1010955 F1010953●一応、シャーシの基本形はもう組んである。恐ろしいことにシャーシのメインフレームはバキュームフォームでフニャフニャなのだが、きちんとハシゴに組んで、さらに荷台で補強すると形が決まる。

むしろ、柔らかくても弾性があり、ほとんど変形を気にしなくていいぶん、レジンよりも適していると言えるかもしれない。

キャビンは前述のように箱組。説明書にも描かれているように、もともとキットは内外2枚合わせで組むようになっているのだが、そうすると壁がかなり厚くなってしまうため、内側パーツはあっさり一式省略した。じつは内側パーツを省略してもなお、シート土台パーツ(レジン)は幅が収まらず、シートともどもプラバンで自作した。

これまでも時々思い出したようにちまちま工作していたのだが、今回はボンネット周りを工作。側面のルーバーは不揃いなのだが、面倒くさいので放置の方針。とりあえず、キャビン側とラジエーターとのフィッティングを調整中。

 

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