ビッカース6t戦車

ビッカース6t戦車(15) 塗装開始

●あっちゃこっちゃ煮詰まり中。

●というわけで、すっかり間が開いてしまった、「週末模型親父」さんのところの「New Kit Con」参加作、CAMs 1:35 ビッカース6t戦車(Vickers 6-Ton Light Tank Alt B Commander Version - Republic of China)。

はっきり言って「模型どころじゃねえ!」状態ではあるが、時々息抜きに(ということにして)塗装に入る。

とりあえず組み上げた全体形を、もういちど部分ごとにばらし、塗装に都合のよいように持ち手を付けたり、空いたランナーにくっ付けて「クリスマスツリーの飾りつけ」にしたり。

強風が吹いたり、雨が降ったりで、なかなかコンディションが定まらないなか(缶スプレーは基本、外で吹いているので)、なんとかタイミングを掴んで缶サフを吹いた。

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ヴィッカース水陸両用戦車を作った際には、もう一段暗いグレーをこの上に重ねたのだが、出来上がってみると、もうちょっと明るくてもよかったような……。

というわけで、今回はグレー部分はこのサフのままで行くことにする。ちなみに上写真は実物よりだいぶグレーが暗く写っている。

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鉛筆で迷彩塗り分けの下書き。一応、上海で日本軍に撃破・鹵獲された車輌のパターンをなぞっているが(説明書の塗装図より)、書いているうちに混乱してきて、ところどころいい加減。

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ビッカース6t戦車(14) 組立完了

●「週末模型親父」さんのところの「New Kit Con」参加作、CAMs 1:35 ビッカース6t戦車(Vickers 6-Ton Light Tank Alt B Commander Version - Republic of China)の製作記の続き。

●前回までで、とりあえず組み立ては終了。塗装の便を考えて接着はしていない部分も仮組みして、組立完了/塗装前の記念撮影をした。

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限られた実車写真を見ると、砲塔上、および戦闘室後面の短いアンテナ状部品に細いコードのようなものを添わせてあるようにも見えるのだが、詳細が不明なので(少なくとも現時点では)取り付けていない。

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ビッカース6t戦車(13) 装備品類

●「週末模型親父」さんのところの「New Kit Con」参加作、CAMs 1:35 ビッカース6t戦車(Vickers 6-Ton Light Tank Alt B Commander Version - Republic of China)の製作記。

今回は装備品ほか細かいあれこれ。

●フェンダー前部には前照灯が付く。6t戦車の場合(同社の輸出用軽戦車は基本、同じ前照灯を使っているが)、2本フォークにライトが挟まれ、カバー無しのむき出しの状態になっているものと、カバーのかかったものと2種類が見られるが、中国軍指揮戦車仕様の場合は後者。ちなみに同じ中国軍車輌でも通常型は前者(ポーランド型も)。

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ライト前面に付く「ひさし」のエッチングパーツは、カバー側に取り付けるためのベロ(のりしろ)部分が長く、そのままでは左右部分とライトカバーの間に隙間ができる(もしくはベロがレンズ部分に食い込む)。密着するよう、ベロ部分は切り詰めた。

とはいえ、この部分のクローズアップ写真などが手元にあるわけではなく、「いや、そこは隙間が開くんだよ! パーツはそれを再現してるんだよ!」なんてこともあるのかも……。

ライトの背面にはライトコードを取り付け、車体にコード引き込み部を工作して繋げた。ライトコードは金属線を使った方が丈夫、かつ太さを一律に保つには好都合なのだが、完成後に「何かのはずみで触ったときに塗料が剥げそう」という気がして伸ばしランナーを使った。

●フェンダー上の工具類は、大戦中のドイツ戦車などとは違い、ごくあっさりしたもの。

一応、キットの指定では、左フェンダーにジャッキとジャッキ台(なのかどうかよく判らないが、何か銅鐸のような工具と筒が載った箱)、右フェンダーに誘導輪位置(履帯張度)調整用の大きな「てこ」棒とクランクが付く。

キットの指定では、誘導輪位置調整具は戦闘室横の2つの三角ステイをまたぐように付け、ステイに(エッチングの)ベルトで固定するようになっている。しかしこれは、通常型で見られる装着位置・固定法で、指揮戦車型ではもっと前方に載せているのが普通のようだ。

もっともその「普通」も、上海で撃破・鹵獲された車輌(下写真)と、イギリス本国で撮られたものかとおもわれる「商品見本」的写真の2例で言っているだけで、TWongさんにSUMICON掲示板で教えて頂いたところによると、通常型同様に後方に載せている例もあるらしい。

後方のクランク(これは通常型には載っていないようだ)もキット指定よりもう一コマ前方に来る。

一応、工具位置の有力根拠とした、wikimedia commonsの写真を再度引用しておく。

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この写真をよく見ると、左フェンダーのジャッキ台(?)の内側にもバールのような工具が載っている。

実はキットの指定通りの位置にジャッキ台は接着してしまい、右フェンダーにも指定位置にダボ穴を開けてしまったのだが、ジャッキ台は剥がして位置を微調整して再接着。右フェンダーの穴は埋めて、改めて写真から判断した位置に工具を付けた。

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左フェンダーの「バールのようなもの」は、とりあえずバールであると判断し、0.8mmの燐銅線の先をつぶして適当に工作。刃先の「受け」に当たる部分はキットのエッチングの枠部分をL字に曲げた。

なお、銅鐸のようなジャッキ(?)の頂部の窪みには実車写真をもとに小さなリベット状の丸突起を追加した(左写真)。

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右フェンダー前半には誘導輪位置調整具が載る。通常型の場合はキット指定のようにフェンダー支持架に2カ所で括り付けてあるようだが、指揮戦車型の場合、ホルダーの形式が、鮮明なクローズアップ写真がないためによく判らない。

左フェンダーの「バール(仮)」ともども、ベルト式の留め具ではないかと想像して、そのような感じに工作してみた(半ば想像なので鵜呑みにしないように)。

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ベルトのバックル部分は、キットの誘導輪位置調整具取り付けベルトから切り取ったもの。ベルト自体はプラペーパー。バックルに実際にベルトを通すのに非常に苦労した。途中で一つ、「ピンセットカタパルト」で飛ばしてしまったのだが、奇跡的に床上に発見した。

右写真で見ると、エッチングの「ブリッジ」部分がわずかに残ってしまっているが、なにしろ1mm程度しかないパーツなのでご勘弁を。

●操縦手ハッチの貼視口は、通常型ではもっと単純な形をしているのだが、指揮戦車では何やらもうちょっと凝った形状。

上の実車写真で見ると、キットの形状もちょっと違うような気もするが、他にアテになる資料もないので、ここはキットパーツに従うことにする……と思ったとたんに、貼視口フラップの上に付く小さなエッチングパーツを床に落とし、そのまま行方不明にしてしまった。さんざん探したが見つからず、仕方がないのでプラペーパー+プラリベットで再生した。

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●エンジンルーム上のレバー、戦闘室背面に付く謎パーツ、排気管などを工作。エンジンルームハッチのレバーは説明書だと2つとも右向きに付けるよう指示されているが、通常型実車写真の背面写真を見て、後方ハッチのレバーの向きは後ろ向きにした(正しいかどうかはそれほど自信がない)。

戦闘室背面の謎パーツの固定具は、パーツとしてエッチングの小片が付いているが、形状も単純だし、エッチングパーツは加工しづらいのでプラペーパーで代替した。

排気管は(IV号戦車などもそうだが)薄い鉄板でベコベコしているのが普通のようなので、ナイフで削って若干の窪みを付けた。

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●ここまで書いて尾灯(と思われる)パーツを付け忘れていることに気が付いた。ご覧のように極小のパーツで、どこかに跳ね飛ばしたら行方不明はほぼ確実ではらはら。

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今回は最後に取り付けることになったが、エッチングパーツを取り付ける前に、エッチングパーツの裏から確実に瞬着で止めてから、一緒に車体に付けた方がよかったかもしれない。

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ビッカース6t戦車(12) フェンダー

●「週末模型親父」さんのところの「New Kit Con」参加作、CAMs 1:35 ビッカース6t戦車(Vickers 6-Ton Light Tank Alt B Commander Version - Republic of China)の製作記。

今回はフェンダーの取り付け。

●フェンダーは左右とも、ぺろんと1枚の長いパーツが入っていて、車体への取り付けは、戦闘室側面部分に長細いダボが2カ所。本来の(実車の)フェンダー支持架は全てエッチングで、基本、車体側・フェンダー側のプラパーツにモールドされたリベット列に、エッチングパーツの穴を被せる形式になっている。

20180122_204804_burst01 大戦中のドイツ戦車などと違ってフェンダー上には滑り止めパターンもなく装備品も少ないため、もしかしたら完成後にダボ穴が目立ってしまうかもしれない……と考えて車体側の凹は埋め、フェンダー側の凸は削り取ったのだが、改めて仮組み時の写真(右、黄色矢印部分がダボ)を見てもあまり目立っておらず、余計な手間を掛けただけだったかも。

▼フェンダー支持架は、戦闘室から後ろは基本、帯金を三角形に曲げたもの。前方は単純に帯金を表面に沿わせたもの。

取り付け後の姿は以下のような感じ。戦闘室側面の「三角支持架」に関しては、形としては単純だし、取り付けは特に難しいことはないだろうと思っていたのだが、モールドのリベットとの位置合わせが意外に面倒。エッチングの侵食度の個体差もあるかもしれないが、車体側のリベットに合わせる穴がちょっとタイトで、作業しやすいよう、ドリルやヤスリなどでわずかに穴を広げた。むしろ「折り曲げがややこしそう」と思っていた先端部の2本ずつのほうが取り付けは簡単だった。

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▼部分について。

前方支持架はギアハウジングからフェンダー幅いっぱいにかかる2本(右側:P9、P25。左側:P23、P24)と、その後方の短いL字金具(P15)の計3つずつ。

20180124_103033 前方2本のギアハウジングの段差に掛かる部分は、(説明書では小さな図で「そうなっている」だけで特別の注意書きはないが)直角に曲がっておらず、斜めになっているのが注意点と言えるかも。

後方のL字金具(黄色矢印、P15)は、説明書ではフェンダーを取りつけた後から付けるように指示されているが、車体側・フェンダー側ともにリベットに被せる形式のため、その方法だと非常に取り付けが難しい。あらかじめフェンダーか車体のどちらかに接着しておいたほうがよいと思う。

というより、そもそもここは、リベットに被せる形式よりも、リベット表現付きエッチングを曲げるだけのほうがよかったのでは……(少なくとも片側だけでも)。

このP15で車体とフェンダーの位置は決定されてしまうが、写真のように、若干隙間が空いてしまった。「まさか、実車でもそうなってる?」とちらりと思ったが、あれこれ見てもそんなことはないようだったので、外側から、ごく細く切ったプラバンを貼って目隠しした。

▼左側後方は全て「帯金三角」形式だが、右側最後部だけは、なんだか凝った形状の支持架になっている。

20180124_103120 横幅十数ミリのパーツに、折り曲げるところが7カ所もあり、途中で「むきゃーーっ!」とか奇声を発して投げ出したくなるレベル。なんとか曲げたが(写真ではそれらしく写っているが)若干歪んでしまった。

ちょうど車体側に掛かる部分の真下にボルトのモールドがあり、そのままでは支持架が若干浮いてしまう。

中国軍ビッカース6tの写真としては比較的有名な、通常型の隊列を真後ろから俯瞰した写真で見ると、支持架の上にボルト頭が出ているようだったので、一度モールドを削り落とし、支持架の上から接着した(黄色矢印)。エッチングパーツに穴を開け忘れたのだろうか?

●フェンダーとは関係ないが一点追加工作。

20180124_1853162 CAMsのキットは前作のビッカース水陸両用戦車も含め、リベット/ボルトの数や配列に関しては非常にこだわって再現しているのだが、(珍しく)このキットでは車体前端上面中央のボルト頭が一つ忘れられている。おおよそ、足回りパーツの枝にモールドされている追加用のボルト頭と同じ大きさなので、これを1つ移植した(ナットと違ってこちらはだいぶ余っている)。

増やしたボルト頭と両隣との間隔は、その左右と異なって狭くなっているが、これは実車もそうなっているのでOK。ちなみにキットの説明図ではこのボルトはちゃんと図示されているので、単純に金型製作時に忘れられたらしい。

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ビッカース6t戦車(11) 車体のヒレ

●「週末模型親父」さんのところの「New Kit Con」参加作、CAMs 1:35 ビッカース6t戦車(Vickers 6-Ton Light Tank Alt B Commander Version - Republic of China)の工作の続き。

またまた進捗としては細かい部分。

●戦闘室左側上端には、砲塔基部を保護するために外側に向けて張り出しがある。

この部分は、キットではエッチングパーツが用意されているのだが……。

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ご覧のように細長いパーツを、横幅一杯でL字型に折り曲げるという指定(さらに上側の三角部分については、その上にもう一枚貼り増すようになっている)。

さすがにこれは、精度の高いエッチングベンダーを持っていたとしても私に対処できる工作ではないと感じたので(特に三角形の両端部分)、折角のパーツには申し訳ない気はしたものの、思い切って上側の三角部分は切り飛ばしてしまい、下の「穴開き帯」部分だけ先に車体に接着。その後、三角部分は0.3mmプラバンで再生した。ちなみに、車体側垂直面は、車体にモールドされたリベット列に被せるようにエッチングパーツを接着することになるが(もちろん実車では帯金の上からリベットを打っているのだろうが)、エッチングの穴はリベットにきっちりフィットした。

上のエッチングパーツに写っているように、この三角部分には中央付近に2つのリベットが付いていることになっている。実車写真でもそれらしいものが確認できるものがあり、(接着して隠れてしまう)車体ハッチ裏のモールドから移植した。

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この張り出し部分に(何かを止める用事があるようにも思えないのに)なぜリベットが付いているのか判らない、と、SUMICON BBSでの進捗報告で触れたところ、hn-nhさんより、「実際には戦闘室天井板がそのまま外側に張り出していて、それを外側からL字材で止めているのでは」という趣旨のコメントを頂いた。

hn-nhさんが現在製作中のT-60戦車が実際そんな構造になっていて、さらに(これもhn-nhさんからの追加情報なのだが)フィンランドに現存する「ビッケルス」(後期型6t戦車)の張り出しもそのようになっている。ただし、「ビッケルス」の場合は標準型6t戦車とは張り出しの形状がやや異なり、またT-60と違って上面内側にもリベット列がある。

つまり、私としては単純に下図のAのような構造になっているのではと想像していたのだが、実際にはBのようになっているのでは、という話。A図ではヒレ部分のリベットは省略してある。

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もっとも、製作中の標準型6t戦車の場合、水平のヒレ部分のリベットは中央寄り2カ所にしかない。一方で、車体側垂直面は戦闘室の横幅一杯あり、ちょっとアンバランスな気もする。

なお、キットのエッチングパーツは(おそらく上下面にリベットを表現するためなのだと思うが)前述のように水平部分は2枚重ねにする構成であり、横面だけを見ればB、上面はAのような表現になっていることになる。

もし標準型6t戦車でもBのような状態になっているとすれば、張り出しと戦闘室上面の間の継ぎ目を消す必要があるが、現時点ではこの部分がはっきり確認できる写真が手元にないため、とりあえず継ぎ目は消さずに放置の方針。もっとも、この部分の継ぎ目を消すとなると内側のリベット列が邪魔になるので、一度削り落として再生するなどのかなり面倒な手順が必要になる。……いやいや。そんなややこしいことしたくないし。

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ビッカース6t戦車(10) 続・ハッチ

●「週末模型親父」さんのところの「New Kit Con」参加作、CAMs 1:35 ビッカース6t戦車(Vickers 6-Ton Light Tank Alt B Commander Version - Republic of China)の工作の続き。

●前回、車体及び砲塔ハッチの工作について書いたが、その進捗をSUMICON掲示板にも書きこんだところ、TWongさんから、砲塔ハッチは砲塔上面(の円筒形台座)にぴったりくっついているのではなく、実際には若干浮いた状態になっているのだという意味の指摘を頂いた。

ななななんと!

実際、キットでもハッチを開状態で組む場合には、開口部左右内側にハッチロック機構の受けと思われるエッチングパーツP12を付けるよう指示されていて、これが上方に出っ張っているため、「これじゃうまく閉まらんわなあ……」などと思っていたのだが、そんな仕組みになっていたとは。しかしまあ、それなら円筒形部分とハッチがうまくフィットしないのも頷ける。

もっとも、エッチングパーツP21を付けたうえでハッチを閉位置で組むと、おそらくハッチが浮き過ぎ、ハッチ側と砲塔側のヒンジがうまくかみ合わなくなる。

これは、実車よりもハッチパーツに厚みがあることに加え、ヒンジ位置も若干違う(砲塔側が実際よりやや低く、ハッチ側も本来はもう少し下に付いているべき?)ことに起因しているようだ。

というわけで、一度接着した砲塔ハッチを(例によってエナメルシンナーを塗った後に)剥がし、P12パーツの代わりに(削って調整しやすい)プラバンの切れ端でやや低めにゲタを履かせ、やや浮かせた位置(ヒンジがなんとか接する高さ)で再接着した。

その結果、ハッチ基部円筒部側面に植えたリベットがちょっと見えるようになった。……いやまあ、ぱっと見ほとんど変わりませんが。

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もっとも、閉状態のハッチを「やや浮かせた位置」で接着するにあたっては位置決めするガイドになるものが(先述のゲタ用のプラバン片以外に)なく、砲塔側のハッチヒンジも普通にダボ穴に差し込んで接着すると、むしろ「ハッチベタ付け」に適した位置になる(付け直すにあたっては接着したヒンジパーツをぐいぐい押して、若干パーツを起こし気味にした)。それを考えると、このキットは「ハッチを開位置で組み立てるのがデフォルト」と言えるかもしれない。

なお、中国軍の指揮車型の写真としては比較的有名な、撃破された車輌を俯瞰した写真をよく見ると、キットのハッチは全周同じ深さの皿形であるのに対し、実車のハッチは前後(ヒンジ近く)と左右とで、縁の深さが違っているようだ(同じ厚みのように見える写真もある)。なんてややこしい! なお、下図はエッジの丸みも含めて極めていい加減。「何だかこんな感じ」レベルのものと考えて頂きたい。

……もっとも、ハッチの縁形状を直すとなるとヒンジ部分も作り替える必要が出て来そうだし、そもそも確証のある話でもないので(だいいち面倒なので)、見て見ぬふりをすることにした。

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1/25追記。hn-nhさんより、縁の深さが変化しているように見えるのは、「(ハッチ裏の)頭部保護パッドの輪郭が重なってハッチの縁がすぼまっているように見えているだけではないか」という考察のコメントを頂いた。

そう言われてみれば、確かに、その可能性もある気がする。

ちなみに、「ハッチ縁の厚みが変化している」の発端の写真は下。wikimedia commonsにpublic domainとして写真が出ているのを見つけたので、そのまま引用させて貰うことにした。

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しかし一方で、中国への輸出前にvickers社で撮られたものかと思われる、同タイプのこの写真を見ると、(そうはっきり写っているわけではないが)ハッチの厚みは均一に見える。hn-nhさんの考察ならばその矛盾は解決する。……いきなりハッチを改造し始め無くてよかったかも。)

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ビッカース6t戦車(9) ハッチ

●「週末模型親父」さんのところの「New Kit Con」参加作、CAMs 1:35 ビッカース6t戦車(Vickers 6-Ton Light Tank Alt B Commander Version - Republic of China)の工作の続き。

●面倒だった足回りが終わったら、ドイツ戦車のようにゴチャゴチャした装備品も無いことだし、もうあとはパパッと工作できちゃうんじゃね?

――などと思った私が甘かった。

操縦手ハッチ、砲塔ハッチ共に閉位置固定で作ることにしたが、これが非常に難渋した。単なるハッチの取り付けというより、もう「ハッチ大作戦」と呼びたいレベル。「あっちは船橋であっちが浦賀さ」ってくらい合わないし(わかりにくいオヤジギャグ)。

●車体側の操縦手ハッチは、上下に開く形式。内側垂直面の小パーツ(C36)を取り付ける前からハッチを含めて調整をしておけばもうちょっと楽に行けたのかもしれないが、とにかく、ハッチのパーツが上下とも微妙に合わず、ハッチをきちんと閉じることができない。

具体的には、

  • 開口部に比べ、わずかにハッチパーツが広めできつい。
  • 蝶番の噛み合わせが浅く、そのぶん、ハッチが全体的に中心寄りになってしまう。
  • ハッチがはまる車体側の段差が浅い(特に上側ハッチ)。

などなど。原因が複合的なので、ごく僅かずつ、あっちを削りこっちをヤスりして、その都度様子を見ながら合わせを調整する。こういう場合、ともすると逆に削り過ぎて隙間を開けてしまいがちなので要注意。

もちろんハッチを開けてしまえば擦り合わせの必要は無くなるが、かなり開口部が大きいので、その場合はもうちょっと車内に何か欲しいかも(ハッチ裏はディテールがあり、一応、操縦手席もパーツは用意されているが)。

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上下ハッチの接合部にはエッチングの帯材を付けるようになっている。これまた小さく細長いパーツなので、中央で綺麗に曲げるのはなかなか難しい。ああ、やっぱりちゃんとしたエッチングベンダー欲しいな……。

本来は上側ハッチに付くものだが、閉状態で作る場合は上下ハッチとも取り付けた後にこの帯材を付けたほうが位置決めしやすい。私は最初、取り付け前に上ハッチに接着してしまったが、微妙に下ハッチとズレてしまい、剥がして付け直す羽目になった。いやまあ、付ける前にそれくらい想像できるだろう、って話ですが。

ちなみにこの操縦手ハッチの細部ディテールは同じビッカース6t戦車でも細かく仕様の別があり、同じ中国軍車輌でも砲塔バッスルのない通常タイプは、特に視察装置部分はもっとシンプルな形状。この指揮車型のハッチのディテールは、例えば、上海で撃破・捕獲された車輌を斜め横から俯瞰した写真に写っているが、それもあまり鮮明な写真ではなく、本当にこういう形状であったかは私にはいまいちよく判らない。

●砲塔ハッチも開閉選択式でハッチ裏ディテールも比較的細かくパーツが用意されているが、フィギュアを載せる予定はなく砲塔内部も空っぽなので、当然「閉状態」一択。

砲塔ハッチも仕様によりいろいろ形状の別があるが、この中国軍指揮車仕様の場合は、円形の前後開き、砲塔上面からわずかに円筒形に持ち上がった部分にかぶさる形になっている。

キットパーツを仮組みしてみると、こちらはハッチ中央(前後のハッチの間)に隙間が空いてしまった。

とりあえずキットの組立指定では低い円筒部分にエッチングの細い帯金2枚(前後)を巻くことになっているが、実際に付けてみると、エッチング表面のリベットのモールドの高さが前後でズレていた。また、前述のようにハッチ中央に隙間ができる状況のため、この円筒の径を少しでも減らしたいということもあり、一度付けた帯金は剥がしてしまい、リベットは別途プラで植え直した。

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これと並行して、円筒形の前後の上端部分を若干ヤスり、またハッチ外周の内側も少し削って、ハッチ中央の隙間を狭めた。なお、上記の円筒形側面リベットは、ハッチを付けてしまうと全く見えない!……エッチングのリベット位置がずれてても問題なかったスね。

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ハッチ直後、バッスルとの境目にはL字材のリブがあり、エッチングパーツが用意されている。これも細いパーツを真っ直ぐ折り曲げる必要があり厄介な工作だが、操縦手ハッチ部分よりは幅があるぶん、まだマシ。

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ビッカース6t戦車(8) ダクト

●「週末模型親父」さんのところの「New Kit Con」参加作、CAMs 1:35 ビッカース6t戦車(Vickers 6-Ton Light Tank Alt B Commander Version - Republic of China)の工作の続き。今回は小ネタ。

20180109_195304 ●エンジンルームの左後ろ隅にはエンジン冷却気の排出口があり、背の低いダクトが付く。上面にはエッチングのメッシュを貼ることになるのだが、このダクトパーツにそこそこ厚みがあるため、そのままエッチングを貼ると、エッチング・メッシュの枠よりも内側にプラパーツの枠が見えてしまう。

そこで、エッチングを通しても枠が見えなくなる程度まで、プラパーツの縁を内側から削った。右写真は、左が未加工、右が加工済みのもの。

●エッチングパーツのメッシュは、四辺の枠をおよそ1mm幅で下側に折り曲げるという、精度の高いエッチングベンダーを持っている人以外にはかなり難易度の高い設定(そして私は持っていない)。

折り曲げるベロ部分を切り離す直前くらいを目途にして、折り曲げ線に沿って何度もナイフを入れ、なんとか折り曲げた。

折り曲げたエッチングパーツを、未加工および加工済みのプラパーツに載せてみたのが下写真。上写真と同様、左が未加工のもの、右が加工済みのもの。

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T-34の後部グリルもそうだが、この手のメッシュがあまり「お行儀よく」していると、ちょっと実感に欠ける気がする。というわけで、ほんのわずか、中央に向けて窪む感じにした。

20180109_203421 ●メッシュを取り付けたダクトを車体に仮置きしてみたところ。

メッシュの目が粗いので、やはり角度と光の具合によっては、下の方まで覗けてしまう。割といい加減な工作だが、チラ見え用に中を少し作っておいてよかった。もちろん、暗く塗っておけばそこまではっきり見えることもないだろうが。

ちなみに、以前に書いたようにポーランド型はこの上にさらに延長ダクトが付くので、そこまで神経質になる必要はない(と思う)。

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ビッカース6t戦車(7) 続・足回り

●前回に引き続き、ビッカース6t戦車の足回り。今度は履帯の組立。

20180107_100935 ●キットの履帯は分割連結式、いわゆる「リンク&レングス」式のインジェクション履帯。

  • 起動輪・誘導輪・上部転輪に掛かる部分はリンク数2コマ(Ab12)
  • 上部転輪の間は垂れ下がりが表現された6コマ(Ab7)/7コマ(Ab13)
  • 起動輪下は9コマ(Aa10)
  • 誘導輪下は7コマ(Aa9)
  • 接地面は16コマ(Ab11)×2

……と、長短のピースを組み合わせて繋げるようになっている。

Track これらのピースをどのように繋げるかは説明書にしっかり図示されているのだが、最初に上部転輪に掛かる部分全体を繋げてみたところ、うまくフィットしなかったので、繋ぐ順番を少々変更した。起動輪上から誘導輪上までの繋ぐ順番は、キット指定では上段のようになっているが、試行錯誤の末、下段のようにした。

Ab7・Ab12・Ab13・Ab12・Ab7・Ab12・Ab13・Ab12・Ab13

 ↓

Ab7・Ab12・Ab13・Ab12・Ab13・Ab12・Ab13・Ab12・Ab7

もっとも、垂れ下がりの間に挟む2コマ(Ab12)の付け方によって履帯の描く波の間隔は若干変わってくるので、キット指定のままの繋ぎ方でも調整は可能だったかもしれない。

また、起動輪に巻き付ける部分は2コマ(Ab12)を5連にし、接地面に繋がる部分はAa10とAb11を直接繋ぐように指示されている。しかしこれでは接地面に繋がる部分に角度が付いてしまうので、起動輪に巻き付けるピースAb12を5枚から4枚に減らし、代わりにAa10とAb11の間にAb12を1枚挟んで、履帯の繋がりが滑らかになるようにした。

なお、起動輪下・誘導輪下に使う2枚はまっすぐに成型されているが、表側に向けて膨らむように指でしごいて形を付けた。

20180109_011603 ●なお、説明図では履帯の取付方向に注意するよう但し書きが付いているが、どうも説明図で示されている取付方向は逆なのではないかと思う。

少なくとも私が実車写真で確認できる範囲では、履帯は右写真の方向に装着されている。リンクの噛み合わせで言うと内側に来る方が回転方向の前(写真のように起動輪に掛かる分を前から見た場合に下)に来る。履帯内側の小穴と起動輪が噛み合う穴との相対的な位置関係にも注意。

●というわけで、左右に付け終わった履帯。

20180109_011510 20180109_011444

当初計画では、履帯は足回りにがっちり接着してしまい、全体をひと塊に外せるようにする、いわゆる「ロコ組」で作るつもりでいたのだが、上部転輪には接着したものの(浮き上がるとみっともないので)、その他の部分(誘導輪、起動輪、転輪)には現時点では未接着。履帯同士も起動輪部分で切れているので、要するに「上部転輪だけが履帯に付いたC字組」状態になっている。

これで特に不都合が起きなければそのまま工作を進める予定。

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ビッカース6t戦車(6) 足回り

●年末は東京AFVの会に向けてのT-34の塗装もとりあえずクリアしたので、「週末模型親父」さんのところの「New Kit Con」参加作、CAMs 1:35 ビッカース6t戦車の工作に復帰。

基本、キットのパーツを組み上げるだけなのだが、パーツ数も多く、それ自体が面倒くさそうな足回りを作る。

20171229_123734 ●転輪は片側8個。ハブディスクに比べリム部のゴム径が著しく幅広という、ちょっと他の戦車では見ないタイプの転輪が使われている。最後尾のみは鋼製転輪が使われている(ここだけ摩耗が激しかったのか?)。

ちなみに発展形であるポーランドの7TP、ソ連のT-26では最後尾の鋼製転輪は使われていない。「そりゃ違っていた方がいいのかもしれないけれど、わざわざ別途用意する手間とコストに合わない」と判断されたのかも。

閑話休題。転輪自体は小さいが、ゲートが4カ所もある。複列×16個で、ゲートの数は128!(実際にはゴム転輪が2個余分に入っていたので144カ所)。上の写真には写っていないが、片側4個ずつの上部転輪も同様なので計208カ所。うぎゃー!

基本、このキットはパーツから生えている小さな不要部分(あれはなんて呼ぶんだっけ?)が多めなので、そのぶんゲート処理の手間も増えるのだが、これはパーツの成型状態をよくし、パーツ自体に付く押し出しピン痕を減らすことにもなっているのではと思う(要するに、頑張ってゲート処理しましょうってことです)。

20180104_233533 ●足回りは部分連結式の履帯も含めて車体にがっちり接着が前提だが、そうしてしまうと、後々(迷彩は筆塗りで描き込んでいく予定なので)塗装が面倒になりそう。というわけで、いわゆる「ロコ組」方式で、足回りを外せるように組むことにする。

サスペンションボギーの車体側への取付ダボは接着せずに保持はできない形状だったので、コントレールのプラパイプを両方に植えて抜き差し可能にした。

上部転輪は車体側からの軸に挿すことで内側・外側の中心出しをするようになっていたが、なんとか大きなズレが出ないように注意して内外を接着。また、簡単に抜き差しできるように軸部を細目にヤスった。

Bolts ●サスペンションボギーは、型抜きの関係上一体モールド出来ない細かいボルト/ナット類を後からちまちま貼り込むように指示されている。ボルト/ナット類はランナーの隅にモールドされており、ナイフの先で削ぎ取って移植する方式。

移植する部分は、4つある転輪ボギーの1つあたり8カ所。付けるパーツはボルト頭とナットの2種類があるのだが、説明書の図解ではどこにどちらを付ければいいのか、ぱっと見で判りづらい。ただし、よく見ると、図解右上部分のカコミ部分に、使用するパーツの数が「ナット:28個」「ボルト頭:4個」と書かれていて、各ボギーごとにボルト頭は1カ所ずつしか使わないこと、したがって下の組立図で「b」と明記されている箇所のみがボルト頭、特に何も書かれていない残りは全てナットであることが判る。

20180105_214126 ボルト頭に比べるとナットのパーツは大きめだが、それでもこの大きさ(隣のシャーペンは0.5mm芯)。ピンボケ失礼。中心に突起があるためにペンナイフの先で刺して拾うのがやや難しく、なかなか面倒だった。

また、ボルト頭のほうは結構余るのだが、ナットは4枚ある転輪パーツの枝ごとに8つしかモールドがなく、要するに、ボギー1つあたり、1個しか余裕がない。実際、削り取る際に1つは薄くなりすぎてボツ、1つは床に落として紛失。一応、予備を2個は残したもののちょっと危なかった。ここはもう少し余裕をもって入れてほしかった。

20180105_100150 ボルト/ナット類を付け終わったサスボギーはこんな感じ。

猫背状カバー、のような部分の中央に付く突起はキットのパーツにもちゃんとモールドがあるのだが、継ぎ目消しの作業の都合上、いったん削り落とし、改めてMasterClubの平頭リベット(0.8mm)を植えた。実際にはこれの中央にもっと小さい突起があって2段になっているのだが、面倒なのでどうしようか思案中。

20180105_230248 転輪も付け終わった状態が右。考えてみれば、この戦車は最終的にたった2対の軸で全車重を支えているわけで、さすが軽戦車、と言えるかも。

ビッカース水陸両用戦車では、サス・スプリングは前後ボギーとも前方を向いていたが、6t戦車では向かい合わせの格好になる。前述のように最後尾は鋼製転輪が付くので、基本は同形状の4つのボギーが、最終的には前後左右それぞれ専用になるため、どのボギーに鋼製転輪を付けるかはきちんと注意しておく必要がある。

●中国陸軍・指揮型仕様のキットでは、誘導輪のハブ部表側にエッチングパーツを貼る必要がある(ポーランド型ではエッチングパーツではなく中央にボルト頭が付く)。

20180107_013723 最初、何も考えずにプラパーツだけ組んでしまったのだが(この記事1枚目の写真参照)、エッチングパーツを貼る際に周囲を瞬着で汚してしまいそうな気がしたので、すでに組んだ分はポーランド型に回すことにし、改めて2組目を作った。

新たに作ったほうは、中心部にドリルで大穴を開け、エッチングパーツを通常のスチレン系の接着剤で仮止めした後、裏から瞬間接着剤を流し込んだ。考えてみれば、ビッカース水陸両用戦車を作ったときも、砲塔下の垂直面のエッチングパーツを付けるのに似たような方法を使ったな……。

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