ビッカース6t戦車

ビッカース6t戦車(10) 続・ハッチ

●「週末模型親父」さんのところの「New Kit Con」参加作、CAMs 1:35 ビッカース6t戦車(Vickers 6-Ton Light Tank Alt B Commander Version - Republic of China)の工作の続き。

●前回、車体及び砲塔ハッチの工作について書いたが、その進捗をSUMICON掲示板にも書きこんだところ、TWongさんから、砲塔ハッチは砲塔上面(の円筒形台座)にぴったりくっついているのではなく、実際には若干浮いた状態になっているのだという意味の指摘を頂いた。

ななななんと!

実際、キットでもハッチを開状態で組む場合には、開口部左右内側にハッチロック機構の受けと思われるエッチングパーツP12を付けるよう指示されていて、これが上方に出っ張っているため、「これじゃうまく閉まらんわなあ……」などと思っていたのだが、そんな仕組みになっていたとは。しかしまあ、それなら円筒形部分とハッチがうまくフィットしないのも頷ける。

もっとも、エッチングパーツP21を付けたうえでハッチを閉位置で組むと、おそらくハッチが浮き過ぎ、ハッチ側と砲塔側のヒンジがうまくかみ合わなくなる。

これは、実車よりもハッチパーツに厚みがあることに加え、ヒンジ位置も若干違う(砲塔側が実際よりやや低く、ハッチ側も本来はもう少し下に付いているべき?)ことに起因しているようだ。

というわけで、一度接着した砲塔ハッチを(例によってエナメルシンナーを塗った後に)剥がし、P12パーツの代わりに(削って調整しやすい)プラバンの切れ端でやや低めにゲタを履かせ、やや浮かせた位置(ヒンジがなんとか接する高さ)で再接着した。

その結果、ハッチ基部円筒部側面に植えたリベットがちょっと見えるようになった。……いやまあ、ぱっと見ほとんど変わりませんが。

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もっとも、閉状態のハッチを「やや浮かせた位置」で接着するにあたっては位置決めするガイドになるものが(先述のゲタ用のプラバン片以外に)なく、砲塔側のハッチヒンジも普通にダボ穴に差し込んで接着すると、むしろ「ハッチベタ付け」に適した位置になる(付け直すにあたっては接着したヒンジパーツをぐいぐい押して、若干パーツを起こし気味にした)。それを考えると、このキットは「ハッチを開位置で組み立てるのがデフォルト」と言えるかもしれない。

なお、中国軍の指揮車型の写真としては比較的有名な、撃破された車輌を俯瞰した写真をよく見ると、キットのハッチは全周同じ深さの皿形であるのに対し、実車のハッチは前後(ヒンジ近く)と左右とで、縁の深さが違っているようだ。なんてややこしい! なお、下図はエッジの丸みも含めて極めていい加減。「何だかこんな感じ」レベルのものと考えて頂きたい。

……もっともこれを直すとなるとヒンジ部分も作り替える必要が出て来そうで、面倒なので見て見ぬふりをすることにした。

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ビッカース6t戦車(9) ハッチ

●「週末模型親父」さんのところの「New Kit Con」参加作、CAMs 1:35 ビッカース6t戦車(Vickers 6-Ton Light Tank Alt B Commander Version - Republic of China)の工作の続き。

●面倒だった足回りが終わったら、ドイツ戦車のようにゴチャゴチャした装備品も無いことだし、もうあとはパパッと工作できちゃうんじゃね?

――などと思った私が甘かった。

操縦手ハッチ、砲塔ハッチ共に閉位置固定で作ることにしたが、これが非常に難渋した。単なるハッチの取り付けというより、もう「ハッチ大作戦」と呼びたいレベル。「あっちは船橋であっちが浦賀さ」ってくらい合わないし(わかりにくいオヤジギャグ)。

●車体側の操縦手ハッチは、上下に開く形式。内側垂直面の小パーツ(C36)を取り付ける前からハッチを含めて調整をしておけばもうちょっと楽に行けたのかもしれないが、とにかく、ハッチのパーツが上下とも微妙に合わず、ハッチをきちんと閉じることができない。

具体的には、

  • 開口部に比べ、わずかにハッチパーツが広めできつい。
  • 蝶番の噛み合わせが浅く、そのぶん、ハッチが全体的に中心寄りになってしまう。
  • ハッチがはまる車体側の段差が浅い(特に上側ハッチ)。

などなど。原因が複合的なので、ごく僅かずつ、あっちを削りこっちをヤスりして、その都度様子を見ながら合わせを調整する。こういう場合、ともすると逆に削り過ぎて隙間を開けてしまいがちなので要注意。

もちろんハッチを開けてしまえば擦り合わせの必要は無くなるが、かなり開口部が大きいので、その場合はもうちょっと車内に何か欲しいかも(ハッチ裏はディテールがあり、一応、操縦手席もパーツは用意されているが)。

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上下ハッチの接合部にはエッチングの帯材を付けるようになっている。これまた小さく細長いパーツなので、中央で綺麗に曲げるのはなかなか難しい。ああ、やっぱりちゃんとしたエッチングベンダー欲しいな……。

本来は上側ハッチに付くものだが、閉状態で作る場合は上下ハッチとも取り付けた後にこの帯材を付けたほうが位置決めしやすい。私は最初、取り付け前に上ハッチに接着してしまったが、微妙に下ハッチとズレてしまい、剥がして付け直す羽目になった。いやまあ、付ける前にそれくらい想像できるだろう、って話ですが。

ちなみにこの操縦手ハッチの細部ディテールは同じビッカース6t戦車でも細かく仕様の別があり、同じ中国軍車輌でも砲塔バッスルのない通常タイプは、特に視察装置部分はもっとシンプルな形状。この指揮車型のハッチのディテールは、例えば、上海で撃破・捕獲された車輌を斜め横から俯瞰した写真に写っているが、それもあまり鮮明な写真ではなく、本当にこういう形状であったかは私にはいまいちよく判らない。

●砲塔ハッチも開閉選択式でハッチ裏ディテールも比較的細かくパーツが用意されているが、フィギュアを載せる予定はなく砲塔内部も空っぽなので、当然「閉状態」一択。

砲塔ハッチも仕様によりいろいろ形状の別があるが、この中国軍指揮車仕様の場合は、円形の前後開き、砲塔上面からわずかに円筒形に持ち上がった部分にかぶさる形になっている。

キットパーツを仮組みしてみると、こちらはハッチ中央(前後のハッチの間)に隙間が空いてしまった。

とりあえずキットの組立指定では低い円筒部分にエッチングの細い帯金2枚(前後)を巻くことになっているが、実際に付けてみると、エッチング表面のリベットのモールドの高さが前後でズレていた。また、前述のようにハッチ中央に隙間ができる状況のため、この円筒の径を少しでも減らしたいということもあり、一度付けた帯金は剥がしてしまい、リベットは別途プラで植え直した。

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これと並行して、円筒形の前後の上端部分を若干ヤスり、またハッチ外周の内側も少し削って、ハッチ中央の隙間を狭めた。なお、上記の円筒形側面リベットは、ハッチを付けてしまうと全く見えない!……エッチングのリベット位置がずれてても問題なかったスね。

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ハッチ直後、バッスルとの境目にはL字材のリブがあり、エッチングパーツが用意されている。これも細いパーツを真っ直ぐ折り曲げる必要があり厄介な工作だが、操縦手ハッチ部分よりは幅があるぶん、まだマシ。

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ビッカース6t戦車(8) ダクト

●「週末模型親父」さんのところの「New Kit Con」参加作、CAMs 1:35 ビッカース6t戦車(Vickers 6-Ton Light Tank Alt B Commander Version - Republic of China)の工作の続き。今回は小ネタ。

20180109_195304 ●エンジンルームの左後ろ隅にはエンジン冷却気の排出口があり、背の低いダクトが付く。上面にはエッチングのメッシュを貼ることになるのだが、このダクトパーツにそこそこ厚みがあるため、そのままエッチングを貼ると、エッチング・メッシュの枠よりも内側にプラパーツの枠が見えてしまう。

そこで、エッチングを通しても枠が見えなくなる程度まで、プラパーツの縁を内側から削った。右写真は、左が未加工、右が加工済みのもの。

●エッチングパーツのメッシュは、四辺の枠をおよそ1mm幅で下側に折り曲げるという、精度の高いエッチングベンダーを持っている人以外にはかなり難易度の高い設定(そして私は持っていない)。

折り曲げるベロ部分を切り離す直前くらいを目途にして、折り曲げ線に沿って何度もナイフを入れ、なんとか折り曲げた。

折り曲げたエッチングパーツを、未加工および加工済みのプラパーツに載せてみたのが下写真。上写真と同様、左が未加工のもの、右が加工済みのもの。

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T-34の後部グリルもそうだが、この手のメッシュがあまり「お行儀よく」していると、ちょっと実感に欠ける気がする。というわけで、ほんのわずか、中央に向けて窪む感じにした。

20180109_203421 ●メッシュを取り付けたダクトを車体に仮置きしてみたところ。

メッシュの目が粗いので、やはり角度と光の具合によっては、下の方まで覗けてしまう。割といい加減な工作だが、チラ見え用に中を少し作っておいてよかった。もちろん、暗く塗っておけばそこまではっきり見えることもないだろうが。

ちなみに、以前に書いたようにポーランド型はこの上にさらに延長ダクトが付くので、そこまで神経質になる必要はない(と思う)。

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ビッカース6t戦車(7) 続・足回り

●前回に引き続き、ビッカース6t戦車の足回り。今度は履帯の組立。

20180107_100935 ●キットの履帯は分割連結式、いわゆる「リンク&レングス」式のインジェクション履帯。

  • 起動輪・誘導輪・上部転輪に掛かる部分はリンク数2コマ(Ab12)
  • 上部転輪の間は垂れ下がりが表現された6コマ(Ab7)/7コマ(Ab13)
  • 起動輪下は9コマ(Aa10)
  • 誘導輪下は7コマ(Aa9)
  • 接地面は16コマ(Ab11)×2

……と、長短のピースを組み合わせて繋げるようになっている。

Track これらのピースをどのように繋げるかは説明書にしっかり図示されているのだが、最初に上部転輪に掛かる部分全体を繋げてみたところ、うまくフィットしなかったので、繋ぐ順番を少々変更した。起動輪上から誘導輪上までの繋ぐ順番は、キット指定では上段のようになっているが、試行錯誤の末、下段のようにした。

Ab7・Ab12・Ab13・Ab12・Ab7・Ab12・Ab13・Ab12・Ab13

 ↓

Ab7・Ab12・Ab13・Ab12・Ab13・Ab12・Ab13・Ab12・Ab7

もっとも、垂れ下がりの間に挟む2コマ(Ab12)の付け方によって履帯の描く波の間隔は若干変わってくるので、キット指定のままの繋ぎ方でも調整は可能だったかもしれない。

また、起動輪に巻き付ける部分は2コマ(Ab12)を5連にし、接地面に繋がる部分はAa10とAb11を直接繋ぐように指示されている。しかしこれでは接地面に繋がる部分に角度が付いてしまうので、起動輪に巻き付けるピースAb12を5枚から4枚に減らし、代わりにAa10とAb11の間にAb12を1枚挟んで、履帯の繋がりが滑らかになるようにした。

なお、起動輪下・誘導輪下に使う2枚はまっすぐに成型されているが、表側に向けて膨らむように指でしごいて形を付けた。

20180109_011603 ●なお、説明図では履帯の取付方向に注意するよう但し書きが付いているが、どうも説明図で示されている取付方向は逆なのではないかと思う。

少なくとも私が実車写真で確認できる範囲では、履帯は右写真の方向に装着されている。リンクの噛み合わせで言うと内側に来る方が回転方向の前(写真のように起動輪に掛かる分を前から見た場合に下)に来る。履帯内側の小穴と起動輪が噛み合う穴との相対的な位置関係にも注意。

●というわけで、左右に付け終わった履帯。

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当初計画では、履帯は足回りにがっちり接着してしまい、全体をひと塊に外せるようにする、いわゆる「ロコ組」で作るつもりでいたのだが、上部転輪には接着したものの(浮き上がるとみっともないので)、その他の部分(誘導輪、起動輪、転輪)には現時点では未接着。履帯同士も起動輪部分で切れているので、要するに「上部転輪だけが履帯に付いたC字組」状態になっている。

これで特に不都合が起きなければそのまま工作を進める予定。

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ビッカース6t戦車(6) 足回り

●年末は東京AFVの会に向けてのT-34の塗装もとりあえずクリアしたので、「週末模型親父」さんのところの「New Kit Con」参加作、CAMs 1:35 ビッカース6t戦車の工作に復帰。

基本、キットのパーツを組み上げるだけなのだが、パーツ数も多く、それ自体が面倒くさそうな足回りを作る。

20171229_123734 ●転輪は片側8個。ハブディスクに比べリム部のゴム径が著しく幅広という、ちょっと他の戦車では見ないタイプの転輪が使われている。最後尾のみは鋼製転輪が使われている(ここだけ摩耗が激しかったのか?)。

ちなみに発展形であるポーランドの7TP、ソ連のT-26では最後尾の鋼製転輪は使われていない。「そりゃ違っていた方がいいのかもしれないけれど、わざわざ別途用意する手間とコストに合わない」と判断されたのかも。

閑話休題。転輪自体は小さいが、ゲートが4カ所もある。複列×16個で、ゲートの数は128!(実際にはゴム転輪が2個余分に入っていたので144カ所)。上の写真には写っていないが、片側4個ずつの上部転輪も同様なので計208カ所。うぎゃー!

基本、このキットはパーツから生えている小さな不要部分(あれはなんて呼ぶんだっけ?)が多めなので、そのぶんゲート処理の手間も増えるのだが、これはパーツの成型状態をよくし、パーツ自体に付く押し出しピン痕を減らすことにもなっているのではと思う(要するに、頑張ってゲート処理しましょうってことです)。

20180104_233533 ●足回りは部分連結式の履帯も含めて車体にがっちり接着が前提だが、そうしてしまうと、後々(迷彩は筆塗りで描き込んでいく予定なので)塗装が面倒になりそう。というわけで、いわゆる「ロコ組」方式で、足回りを外せるように組むことにする。

サスペンションボギーの車体側への取付ダボは接着せずに保持はできない形状だったので、コントレールのプラパイプを両方に植えて抜き差し可能にした。

上部転輪は車体側からの軸に挿すことで内側・外側の中心出しをするようになっていたが、なんとか大きなズレが出ないように注意して内外を接着。また、簡単に抜き差しできるように軸部を細目にヤスった。

Bolts ●サスペンションボギーは、型抜きの関係上一体モールド出来ない細かいボルト/ナット類を後からちまちま貼り込むように指示されている。ボルト/ナット類はランナーの隅にモールドされており、ナイフの先で削ぎ取って移植する方式。

移植する部分は、4つある転輪ボギーの1つあたり8カ所。付けるパーツはボルト頭とナットの2種類があるのだが、説明書の図解ではどこにどちらを付ければいいのか、ぱっと見で判りづらい。ただし、よく見ると、図解右上部分のカコミ部分に、使用するパーツの数が「ナット:28個」「ボルト頭:4個」と書かれていて、各ボギーごとにボルト頭は1カ所ずつしか使わないこと、したがって下の組立図で「b」と明記されている箇所のみがボルト頭、特に何も書かれていない残りは全てナットであることが判る。

20180105_214126 ボルト頭に比べるとナットのパーツは大きめだが、それでもこの大きさ(隣のシャーペンは0.5mm芯)。ピンボケ失礼。中心に突起があるためにペンナイフの先で刺して拾うのがやや難しく、なかなか面倒だった。

また、ボルト頭のほうは結構余るのだが、ナットは4枚ある転輪パーツの枝ごとに8つしかモールドがなく、要するに、ボギー1つあたり、1個しか余裕がない。実際、削り取る際に1つは薄くなりすぎてボツ、1つは床に落として紛失。一応、予備を2個は残したもののちょっと危なかった。ここはもう少し余裕をもって入れてほしかった。

20180105_100150 ボルト/ナット類を付け終わったサスボギーはこんな感じ。

猫背状カバー、のような部分の中央に付く突起はキットのパーツにもちゃんとモールドがあるのだが、継ぎ目消しの作業の都合上、いったん削り落とし、改めてMasterClubの平頭リベット(0.8mm)を植えた。実際にはこれの中央にもっと小さい突起があって2段になっているのだが、面倒なのでどうしようか思案中。

20180105_230248 転輪も付け終わった状態が右。考えてみれば、この戦車は最終的にたった2対の軸で全車重を支えているわけで、さすが軽戦車、と言えるかも。

ビッカース水陸両用戦車では、サス・スプリングは前後ボギーとも前方を向いていたが、6t戦車では向かい合わせの格好になる。前述のように最後尾は鋼製転輪が付くので、基本は同形状の4つのボギーが、最終的には前後左右それぞれ専用になるため、どのボギーに鋼製転輪を付けるかはきちんと注意しておく必要がある。

●中国陸軍・指揮型仕様のキットでは、誘導輪のハブ部表側にエッチングパーツを貼る必要がある(ポーランド型ではエッチングパーツではなく中央にボルト頭が付く)。

20180107_013723 最初、何も考えずにプラパーツだけ組んでしまったのだが(この記事1枚目の写真参照)、エッチングパーツを貼る際に周囲を瞬着で汚してしまいそうな気がしたので、すでに組んだ分はポーランド型に回すことにし、改めて2組目を作った。

新たに作ったほうは、中心部にドリルで大穴を開け、エッチングパーツを通常のスチレン系の接着剤で仮止めした後、裏から瞬間接着剤を流し込んだ。考えてみれば、ビッカース水陸両用戦車を作ったときも、砲塔下の垂直面のエッチングパーツを付けるのに似たような方法を使ったな……。

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ビッカース6t戦車(5) 機関室工作

●「週末模型親父」さんのところの「New Kit Con」参加作、CAMs 1:35 ビッカース6t戦車の工作の続き。

前回、「エンジンルーム内部がわずかに覗けてしまう箇所について、なんとなしなきゃ、でも資料不足で判らないのはどうしよう」という話を書いたのだが、セータ☆さんからそのものズバリの情報を提供して頂いた。

前回記事のコメント欄を見て頂ければ済むのだが、情報のキモは、ロシアの軍事関係のサイトに出ている、ソ連による、フィンランド軍ビッカース6tの調査報告に関する記事で、特に背面のグリルを跳ね上げ、ラジエーター(これも連動して、もしくは別途開くらしい)を見せている写真が素晴らしい。

先述のようにフィンランドのビッカースは車体形状が異なる後期型なのだが、エンジン自体は同一なのでラジエーターも基本は同じである可能性は高い。合わせてセータ☆に見せて頂いたT-26のラジエーター写真を見てもどうやらほぼ同じであることがわかる。

20171215_224535 ●というわけで、ラジエーターを作る。グリルの間からチラ見えするだけのものなので、工作は適当。

コントレールのプラ棒(たぶん1mm径)を適当な長さに切ってプラバン上に並べて貼り、左右に枠状のものを付けただけ。

もっとラジエーターらしくするために、金属線に極細の銅線を巻いたものを並べたらどうか……などと一瞬考えたのだが、どうせほとんど見えないのだからと、早々に計画放棄した。

20171216_223248 ●合わせて、後部左の冷却気排出口の奥を工作。ここも上部はメッシュがあるが、割と目が粗いので少し見えてしまうかな、と思ったため。

ここは基本、実車でもほぼがらんどうで、誘導輪位置調整装置の軸受けと、排気管が見える程度のようだ。

車体内側にあったヒケ防止用の窪みをプラバンを刻んで埋めて整形。軸受け部はジャンクパーツの組み合わせ(ドラゴンのT-34のサスアームの一部、同ジャッキの一部、タミヤのヴェスペのダンパーの一部)。排気管はタミヤの48マーダーIIIのランナー。

20171217_175304 ●話は前後するが、内部組み込みの都合上、エンジンルーム天板は開いていた方が都合がよいので、もう一輌分、CAMsのビッカース6t(ポーランド軍仕様)からパーツを持って来て車体を組み直した(パーツ自体はまったく同じもの)。

最初に組んだ車体は逆にポーランド軍仕様にコンバート予定。ポーランド軍車輌はエンジンルーム上に大型の通風ダクトが付き、冷却気排出口にも円弧状カバーが付くため内部の追加はしなくて済む。

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ビッカース6t戦車(4) エンジンの謎

●「週末模型親父」さんのところの「New Kit Con」参加作品、CAMsのビッカース6t戦車(中国軍、指揮車仕様)の製作記の続き。といっても、今回は実際の製作というよりもああだこうだ疑問をこねくり回すのが主。

東京AFVの会に向けてwz.34も進めなきゃ、T-34も塗らなきゃ……なんて思いつつ、結局ちまちまビッカースを作っている。なんだかもう。

20171211_102257 ●そのビッカース。エンジンデッキ上の大きなグリルを仮組みしてみたら、角度によって床までほとんど丸見えになってしまうことが判明。過去のキットではここは抜けていなかったので油断した。

考えてみれば、左後方の通風孔も、メッシュは割と粗めなので中が覗けてしまう。

基本、内部をしっかり作り込む気はないものの、とりあえず「なんとなくそれらしく、何か入っている」くらいにはしないと情けないことになってしまう。その手掛かりとして、エンジンルーム内の資料を探してみたのだが、(その時点では)横方向からの透視図くらいしか見当たらず、何をどうしたらよいのやら。

●というような悩みをSUMICON掲示板に書き込んだら、キットの生みの親であるT.Wongさん自身から、「グリルの下にはラジエーターがあってエンジンなど見えないよ」(大意)というコメントを頂いた。

ええっ? ビッカース6t戦車って空冷エンジン搭載なんじゃなかったの? それなのにラジエーター?

Cooler ……と思ったのだが、Wydawnictwo Militariaシリーズの#325“Vickers 6-ton Mark E-F vol.II”に掲載の図を見ると、しっかりグリルの下に「COOLER」と書き込まれている。な、なんと!(右図はその拡大引用)

そもそもWydawnictwo Militariaシリーズでビッカースが2冊に渡って出ているということさえ、hnさんに教えて貰って初めて知った。まあ、自国ポーランドがビッカース6tの最大ユーザーだし、当然出ていると思って然るべきだったような。何しろ、普通に「シャーマン」を出したうえで、「ポーランド軍のシャーマン」だけで2冊も出すようなところだし。

●それはさておき。ビッカース6t戦車のエンジンに関しては、手元の資料、C.Foss、P.McKenzie, “THE VICKERS TANKS From Landship to Challenger”, PSL(1988)には、

The first engine to be fitted as standard in the six-tonner was a horizontal four-cylinder air-cooled V8 Armstrong-Siddeley.

と書かれている。ここにはエンジン名までは書かれていないが、他では「アームストロング・シドレー『ピューマ』4気筒空冷エンジン」としている資料が多いようだ(キットの説明書にもそう書かれている)。

私も今までは、それを鵜呑みにしていたのだが、改めて調べてみると、なんだかおかしい。そもそも上の「VICKERS TANKS」の説明も改めて読むと「?」な点がある。「fiirst」って何だ? 後にMk.Fで別のエンジンになったことを念頭に置いてるのかな? しかし、「空冷4気筒」なのに「V8」ってどういうこと?

名前の出てきたアームストロング・シドレー「ピューマ」に関しては英語版wikipediaにも記事がある(最初に作られた時点ではアームストロング・ホイットワースとの合併前なので、記事名は「Siddeley Puma」になっている)。このエンジンはもともと航空機用で、第一次大戦末期、エアコDH9に搭載されて使われた(しかし性能がよくなかったので、その後生産はアメリカのリバティー・エンジンに換装されたDH9Aに切り替わった)。

そのwikipediaの記事では、「ピューマ」の搭載先として「Vickers 6-Ton light tank」の名前も出ているのだが……。DH9に搭載された「ピューマ」は(少なくとも記事に出ているスペック表や写真を見る限りでは)、液例6気筒なのだ。

航空機エンジンを車載用にデチューンするといった話はよくありそうだが、気筒数を減らして冷却方式を変えたら、普通、エンジン名称も変えるんじゃなかろうか。少なくとも全ての資料に共通する「アームストロング・シドレー」製は確かそうだが。

●もちろん今回の製作では、エンジン名称がピューマであろうがトンマであろうが特に関係はない(もしエンジンまで自作するというのであれば資料検索に必要になるが、今回はグリルからチラ見えする範囲がどうか、というだけの話なので)。

グリル直下にあるラジエーター(クーラー)に関しては、T.Wongさんより、重ねて、滑油冷却器である旨の書き込みあり。なるほど、それならエンジンが空冷でも付いているか……。

なお、ビッカース6t戦車に搭載されたエンジンが4気筒であること自体は、上掲の側面透視図でも何となくわかるし、また、同じWydawnictwo Militaria“Vickers 6-ton Mark E-F vol.II”に出ているエンジンそれ自体の解説図でもわかる(ちなみにWydawnictwo Militariaには、特にエンジン名は書かれていないようだ)。

そこで改めて気付いたのは、直列4気筒のエンジンを、左方向に横倒しにして搭載していること。最初に上記「VICKERS TANKS」で「horizontal four-cylinder air-cooled」と書かれているのを見た時は、「なるほど、水平対向4気筒なのか」なんて思っていたのだが、「水平」なだけで全然対向じゃなかった……。しかし、直列を横倒しにしているなら(水平対向じゃなくても)エンジンルームが低いのも納得できる。ちなみに、Wydawnictwo Militariaの内部図から判断するに、左側に倒したシリンダーの下に冷却ファンがあり、そこからダクトになって後部の通風孔から暖気が出ていく、ということらしい。

というわけで、後部左通風孔の下は基本ダクトなのでがらんどう。誘導輪基部の受けと、排気管が通っているのがちょっと見えるかな。

とりあえず、「見える範囲」とはいえ、エンジンらしきものをでっち上げる、などという事態には陥らなくて済んだようだ。よかった……。現在は、(ライセンス型であるT-26を含め)グリル下のオイルクーラー(仮)がどれくらいの大きさのものかを調査中。グリル幅いっぱいに作っておいてええんかいのぅばあさんや(誰や)。

●その他の細かい進捗。

(1).誘導輪基部の履帯張度調整部(パーツC1、C2)は、調整用の「金てこ」を突っ込む穴が浅くモールドしてあるだけで開いていないので、コリコリと穴を削った。

(2).先述のように、このキットは、成型方向の都合上で略してあるボルト・ナット類に関しては、ランナーにモールドしてあるものを削り取って移植せよ、という(それなりにこだわっている人には嬉しい)設計。エンジンルーム上のグリル部分にも移植が必要な部分がある。

前部の斜めになった部分の6本に関しては、ぺろんと1枚エッチングを貼るオプションも用視されている。ボルト列の位置を揃えるにはそのほうが楽そうだが、ボルト頭が薄く、また貼る際に瞬着で汚しそうな気もしたので移植を選んだ。後部左右の2本ずつは、説明書では貼り付け位置が曖昧だが、上面左右枠内側ラインよりも、さらにやや内側、という感じのようだ。

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●ところで、ニュースサイトを見ていたら、いきなり、

おめでとうございます
最新版iPhone 7でさらに多くのテストユーザーが必要なため、あなたのDesktopが選出されました
参加するにはOKを押し、iPhone 7をゲットしましょう

という、怪しさ120%の文言+OKボタンの画面に切り替わってしまった。うわっ。なんじゃこりゃ。

今どき、こんなものに引っかかる奴が……ということ以前に、普通のニュースサイトを見ていて、いきなりフィッシング画面に飛ばす手口が「どうなっとるんじゃ」という感じ。

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ビッカース6t戦車(3) ギアハウジングの迷宮

●CAMsのビッカース6t戦車(中華民国軍、指揮車タイプ)の製作記の続き。

20171204_225042 ●起動輪基部のギアハウジング(C32、C33)には左右の別があるが、ダボ穴位置などには違いがないので、間違えやすいかもしれない。

ギアハウジング外周に等間隔に並んでいる小突起は、車体側から止めるボルトの受け部分なので、これが両側で揃うようにする。もちろん、説明図の「C32對側C33」――(図示されているのが)C32で、反対側がC33、という指示をちゃんと読み取れば間違わないはずだが。

こういう部分は、最近のタミヤならダボに変化を持たせるなどして「そもそも間違えるとうまく取り付けられない」状態にしているのが普通。その辺、「神経、行き届いてるなあ」と感心するし、実際、ストレスなく組み立てられるのは楽しいのも確かなのだが、一方で、もしもキット設計につぎ込める「こだわり」の総量が同じなのであれば、タミヤの場合、フールプルーフさはそこそこでいいので、もっとディテールの正確さに気を使って欲しいような気もする(わがままな話)。

●閑話休題。上の写真にも写っているが、ギアハウジング外周のやや大きめの2つの横U字型の突起は、どうやら、グリースポイントか何かのボルトの基部であるらしい。

Vickers しかし、これは(ソ連におけるライセンス生産型である)T-26系列ではこの位置に確認できるものの、オリジナルのビッカース6t戦車では位置が違っている可能性がある。

右写真は6t戦車の改良型であるMk.Fの当該部分の拡大。黄色矢印が、キットでは突起がある部分。赤矢印にはキットにはない突起がある。

このへん、当時の実車写真では、不鮮明だったり、履帯の陰に隠れていたりして、なかなか確認しづらいのだが、少なくとも、フィンランドに現存しているビッカース6tでは、キットのパーツの位置に突起がないことははっきり判る。

ちなみに、フィンランドのが輸入したビッカース6tは数輌が現存しており、ネット上にもそこそこ写真が上がっている。特に細部の詳細に関しては、以下のwalkaround写真集が非常に有用。

“DishModels”

“LEGION AFV”

問題個所のクローズアップも多数あって、例えばこれを見ると、上のMk.Fの写真と同じ配置になっていることがわかる(フェンダーに隠れる上部にももう一つ、ボルト頭がある)。

しかし悩ましいのは、「フィンランドの6t戦車がそうだったとしても、中国(もしくはポーランド)の6t戦車もそうであったとは言い切れない」こと。

6t戦車は顧客(輸出先)のニーズや製造時期によって細かく差があり、なかでもフィンランド仕様はイレギュラーの度合いが大きい。実際に、このギアハウジング周辺に関しても、ハウジング部の車体内側に斜めに突き出している(やはりグリースポイントかと思われる)ボルト頭付きのバルジは、他国の6t戦車には見られない。

ただし、ギアハウジング外周部のレイアウトに関しては、とりあえず、

  • ボービントンにある現存車輌も、どうやらフィンランドの車輌と同一配置(ただしこれもMk.F規格車体の後期型)。
  • ポーランドの6t戦車は、おそらく上と同一配置(少なくともこの写真を見る限り、キットの位置に突起はなさそう)。
  • タイの6t戦車も、この写真の車輌は、キットの位置に突起はないようだ。
  • ボリビアの現存双砲塔型。この写真では陰になっている上に不鮮明だが、どうやらキットの位置に突起はなさそう。
  • 中国軍車輌で断言できるほど鮮明な写真は見つけられなかったが、「う~ん、前面(キットの位置)にはボルトはないかな?」と思えるような写真が数枚。

20171206_015558 というわけで、今一つ確証は得られないものの、こればかりうじうじ悩んでいてもしょうがないので、意を決して工作してしまった。結果が右。突起上のボルト頭は、トライスターのIV号戦車のサスペンション基部不要部品から。

なお、ポーランドにおけるライセンス生産型、7TPはまた事情が異なり、もっと多数の箇所に突起がある模様(ただし試作車はビッカース6tと同じ?)。

●起動輪は外側スポークと内側ディスクの間に補強用のロッドがある、マチルダの起動輪などと似た構造(というよりも、マチルダが6t戦車の起動輪を参考にしたのだと思うが)。

20171205_232800 キットは小さなロッドのパーツ(Ab1)を起動輪内外のパーツで挟み込むようになっているのだが、工作手順上も、またパーツのゲート処理も面倒臭そうだったので、起動輪内側パーツにドリルで穴を開けてしまい、内外を貼り合わせたあとで、エバーグリーンのプラ材の細いロッドを差し込んだ。ちなみに穴の裏側は、どのみちギアハウジングがかぶるので見えない。

なお、起動輪内外の接着は、一応パーツに位置決め用の工夫はしてあるが、実際には角度はゆるゆる。内外の歯が揃うよう、慎重に接着する必要あり。

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ビッカース6t戦車(2) 基本形

●CAMsのビッカース6tのうち、週末模型親父さんのところの「ニューキットコン」エントリー作の「中国軍・指揮車仕様」の基本形状、車体と砲塔の貼り合わせを行ってみた。

副題を付けたかったのでタイトルは短縮。

●車体基本形状。この形にするのに、(実車ではなくあくまで模型のパーツ数で)装甲板パーツ11枚、および上部転輪軸パーツ8本。あっ。車体内側に付けるはずの、起動輪の軸受けのドーナツ状のパーツを付け忘れてる!

まあ、大勢に影響はない……かな?

20171202_194652 20171202_194629

この状態は、まさに戦車の製造工場における装甲車体の組立同様で、なんだか見ていてじわじわ嬉しい。

先述のように、キットのパーツは床板、側面装甲板に若干の反りが生じていたが、思った通り、接着だけで修正できた。もっともそれも含め、無造作にバタバタ貼り合わせると車台にねじれが生じたり、気になるスキマが生じたりしかねないため、各面の接合はそれなりに気を使った。

キットの基本設計は優れているので、寸法が違ってくるような削り合わせは必要ないが、接合ライン部分をわずかにヤスるとか、段状になっている接ぎ合わせ部分で内側を若干削り込むとかの調整は行う必要がある。ただし、その手間を省いたりしなければ、パテ埋めなどが必要な部分は出てこないはず(実際、ほぼ歪みなくきっちり組み上がった)。

●指揮車仕様のバッスル付き砲塔の組立は、車体以上に、かなり手こずった。

砲塔基本形のパーツは、基本の円周が4パーツ、天井がスリット内側と上面板の2パーツ、バッスルが後面・底面の2パーツの計8パーツだが、基本、すべて入念なすり合わせを必要とした(そうしないと組めない、ということではなく、綺麗に仕上がらない、という意味で)。

キットの組立説明図では、砲塔前面パーツに武装の内部防盾を組み込んだ後、おおよそ、(1).円周を完成させ、(2).天井のスリット内側パーツ、バッスル底面を付け、(3).天井板とバッスル後面を付ける、という手順になっているが、すり合わせの都合上、および最終的につじつま合わせの必要が出て来ても隠しやすいよう、最後にバッスル底板とその下の円弧部品を付けることにした。

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順を追って詳説。

▼砲塔前面(H4)に主砲、機銃の防盾(C5、H19)を組み込む。この際、機銃用はそのまま入るが、主砲用(C5)はきつくて入らず、開口部をヤスって広げてやる(防盾側面も若干ヤスって狭めてやる)必要があった。なお、砲身/機銃取り付け時にまた一悶着あったが、それに関しては後述。

▼前面に左右側面(H15、H18)を付ける。前面と側面の接合部の表側エッジがわずかにめくれたような感じになっており(特に側面パーツ)、そのまま付けると接合ラインが盛り上がってみっともなくなるので、リベットを傷付けないよう注意しつつ丁寧に処理。

また、接合部の内側には位置合わせ用のリブ状のダボがあるが、そのまま付けると、ごくわずかに側面板が外側にずれてしまうようだったので、慎重に内側で削り合わせた。

▼両側面板を取り付けた後、それを補強する意味合いもあって上面のスリット内側の、砲塔外周に沿ったC字型パーツ(H17)を取り付け。これもそのままではピタッとは行かず、ほんのわずかだが、ヤスって削り合わせた。

▼天井板(H7)を取り付け。これをガイドにバッスル部の左右幅を適正にするのだが、このパーツがなかなかピタッとはまらず苦労した。主に、側面板(H15、H18)後方のバッスル部分の上端直線と天井板(H7)後部のバッスル上面の接合がなかなか決まらなかったのだが、単純にこの部分を削り合わせるだけでなく、先に接着したC字型パーツ(H17)内周部も多少ヤスってやる必要があった。

▼さらにバッスル後面板(H6)を接着。隙間が出たり浮いたりしないよう慎重に擦り合わせ。一歩前の天井板取り付けと合わせ、この後面板の接着によって、左右装甲板取り付けでほんのわずかに生じている「ねじれ」を矯正する。

▼以上で砲塔の外形は一応仕上がったので、最後にバッスル下の2部品、底面板(H5)とその下の円弧(H10)を取り付ける。説明書では円弧(H10)の方を先に付けているが、実際には底面板(H5)の上にH10が重なる形なので、逆の方が作業しやすい。

底面板(H6)は基本、普通にしていれば見えない部分なので、最後につじつまが合わなくなっても目立たなくて済むため最後に持ってきたが、幸い隙間などはできず、若干左右及び後端をわずかに削ることでほぼピッタリ収めることができた。

最後に取り付けることになった円弧(H10)は、作業の都合上邪魔になる、左右接合部の位置決めダボは削り落としたが、寸法的にはすり合わせの必要なくピッタリはまった。

以上。

大々的に切ったり削ったり盛ったりは必要なく、実際には全て、普通に「プラモデルを作るにあたってきちんとすり合わせを行う」という基本の延長ではあるのだが、私自身、作っていて「こいつはなかなか難敵!」と感じた。そんなわけで、単純に「ランナーからパーツを切り離し、ゲートを処理すれば魔法のようにピタピタはまる」という(特に最近の)タミヤ級クォリティが基準になってしまっている人には厳しいかもしれない。変な言い方になってしまうが、「それなりに高度な素組スキルが必要」という感じ?

(繰り返し言うが、あくまで「納得いくまで綺麗に組むには」という話)

ちなみに、フィンランドが輸入したビッカース6t戦車も、これと同じ無線機バッスル付きで上面周囲にスリットがある砲塔だが、上面ハッチ位置・形状などに違いがある(フィンランド型の場合、ハッチはもっと後方寄りの中央にあり、さらに閉じた時に上面とツライチになる)。

●キットの砲身パーツ(C15)は、防盾に取り付ける側のエッジが若干ダルくなっていて、そのままでは使いづらかったので、防盾側に砲身と同径の穴を開け、砲身はランナーを削って新造した。ちなみに使ったのはタミヤのバレンタインのランナー(特に意味はない)。

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機銃スリーブ(H11)は、なぜか接合部がきちんと平面になっておらず、そのままでは正しく付けられないため、ダボを避けて慎重に、出っ張っている部分を削り落とした。

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CAMs 1:35 ビッカース6t戦車

「週末模型親父」さんのところは、毎夏(晩春から晩秋まで)に長期のSUMICON、毎春(年末から早春まで)にテーマ設定された短期のミニコンペを行うというスケジュールがほぼ定着していて、今日(12月1日)からは「2017年新発売キットのみ」の縛りの「New Kit Competition Vol.1」が開催される(2月末まで)。

10月末までの「SUMICON 2017」でだいぶ情けないリタイアぶりを晒してしまったので、今回は自粛しようかとも思ったのだが、ここ数年は、SUMICONのおかげでなんとか年1,2作の完成が可能になっているような具合でもあり、「リタイアのお詫びは完成で示すしか!」などと適当な(←自分で言うな)理由をこじつけて参加することにする。

●ということで、2017年発売の新キット、しかも私がすでに買って持っているものとなると、タミヤのバレンタイン、ブロンコのトゥラーンI、同じくブロンコのSKODA R-2、CAMsのビッカース6t戦車2種。

一応、年末の東京AFVの会までは、wz.34をなんとか形にすること/できればT-34を塗ることをメインにしたいと思っているので、本格的な製作は年末から年明けに行う予定。というわけで、ややこしそう(そしてもしかしたら何か落とし穴がありそう)なブロンコのキットは避け(若干偏見交じり)、考証と設計へのこだわりは水陸両用戦車で十分わかったCAMsのビッカースを選択。

同社からはすでに数種のバリエーションが出ているが、私が持っているのは

#CV 35-005 ビッカース6トンB初期型 ポーランド仕様
#CV 35-006 ビッカース6トンB指揮車型 中国民国仕様

の2種。1939年戦役時の塗装だとエアブラシ必須のポーランド仕様は(私にとっては)面倒なので(トゥラーンを避けたのはそれもある)、一昨年の水陸両用戦車とまったく同じ塗装になってしまうが、中国軍仕様を作ることにした。

●というわけで、戰甲模型(Combat Armour Models : CAMs)製ビッカース6tの簡単なキットレビュー。

ビッカース6t戦車の1:35インジェクションキットは、かつてMirage HOBBY/RPMからあれこれどっさり出たものの、太古のスポジニアの7TPのバリエーションだけにだいぶお粗末な出来だった(それでも発売当初は「インジェクションで6t戦車が出るなんて!」とだいぶ喜んだものだが)。それだけに、新キット、それもCAMsのようなマニアックなこだわりのあるメーカーからの発売は、大喜びしているビッカース・ファンは多いのではないかと思う。……いやまあ、ビッカース・ファンが世界に何人いるかは別として。

20171201_203750 20171130_231807

左がポーランド軍型、右が中国軍指揮車型。

どちらも箱絵は似たような黒縁付き多色迷彩だが、ポーランド軍は3色であるのに対し、中国軍はグレーを加えた4色。

少なくとも中国軍のほうは、ビッカース社で輸出用に施したものではと思うが、ポーランドの場合、国産AFVにも同様のパターンの迷彩(「日本式迷彩」と名付けられていたらしい)を採用している。しかもポーランド軍のビッカース6tは、輸入時は全て双砲塔型であり、単砲塔型は、その後、イギリスから改修キットを輸入してポーランド国内で改装されたものなので、迷彩はポーランドで改めて施した可能性が高いのではと思う。

ポーランドで再塗装されている場合、黒縁付きの「日本式迷彩」の塗色は、(The PIBWL military siteによれば)従来言われてきたサンド/グリーン/ブラウンではなく、 イエローサンド、オリーブグリーン、ライトブルーグレーの新説が浮上してきているらしい。個人的には「えー、ほんとかなー?」と思う一方、TK-3あたりで試してみたい気もする。

なお、開戦直前に導入された3色ボカシ迷彩は従来説通りオリーブグリーン地にグレーサンド、ダークブラウン。

▼両キット共通の車体パーツ。

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ざっと見た感じ、全体のリベット表現はやや強調気味だが、「キットの味付け」の範囲内かと思う。むしろこれくらいのほうが好ましいと感じる人は多いのではと思う。

相対的なリベット・ボルトの大小や丸頭・平頭などの形状差に関しては、きっちり確認していないが、(ビッカース水陸両用戦車の例を考えても)だいぶ気を使っている感じがする。

車体はオーソドックスな箱組。側面、底面ともわずかに反りが見られたが、複雑な歪み方ではなく、強制接着で何とかなりそうなレベル。

両仕様で、車体前部上面板にわずかにボルト列の違いがあるようだが、これに関しては(中国軍指揮車型で)ランナーにモールドされたボルト2つを移植するよう指示されている。

▼足回り。

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左写真の枝が2枚、その上半分の転輪+履帯の枝がさらに2枚で1輌分となっている。

履帯は前作のビッカース水陸両用戦車同様、いわゆる「リンク&レングス」方式。起動輪、誘導輪に巻く部分も1コマずつではなく、2コマずつになっている。

ビッカース系列用の履帯は、なんだか私もよく整理できていなくてこんがらかっているのだが、少なくとも、初期のビッカース6tと、T-26系列とではやや形状が異なる(特に、起動輪の歯が噛み合う穴の脇に縦リブがあるかどうか、など)。ところが、ビッカースの一部や7TPでは、むしろT-26寄りなんじゃない?と思える形状のものがあったりしてややこしい。想像だが、ビッカースそれ自体にすでに履帯にバリエーションがあり(時期によるものかはっきりしないが、仮に初期・後期として)、7TPやT26はその後期型の方を採用している、ということなのではないだろうか?

……というような理屈(というか想像)は余談として、キットの履帯はその、オリジナルのビッカースで見られる「初期型」のほうをきちんと表現しているようだ。これまで出ていた履帯は(もちろんT-26用と銘打っているものは当然として)T-26寄りの形状のものばかりだったので、これは嬉しい。

サスペンションボギーは部品の分割自体はオーソドックスだが、抜きの関係で表現しづらい細かいボルト・ナット類は、ランナーにモールドしてあるものを削り取って移植せよというマニアック仕様。転輪4つ一組のボギーにつき、使用するボルト・ナットは計8つ。

使用するパーツにはキャッスルナット(a)とボルト頭(b)の2種があるのだが、どの部分にどちらを使えばいいのか。、説明書の図示はいささか判りづらい(ボギー軸キャップ留め金の下側にボルト頭(b)を使うのは判るのだが)。これに関しては実際に製作する前に写真資料などで確認予定。

▼ポーランド仕様の独自パーツと、そのエッチング。

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プラパーツは標準タイプのB型砲塔、ポーランド独自の後部デッキの大型ダクト、工具箱類など。T.Wongさんから、CAMsでビッカース6tを出す予定だと最初に伺ったときは、中国軍型は当然としても、ポーランド軍型まで出すとは思わなかった(その後予定として聞いたが)。

なお前述のように、ポーランド軍のビッカースは、T-26寄りの形状の履帯を使っている例も多いようだ。その場合、カステンのT-26用がそのまま使えるのではと思うのだが、本当に(形状的に)そのままでいいかどうかはなお要検証。

砲塔基本形部分の側面は3分割。ビッカース水陸両用戦車では、パーツの抜きの関係で一部のリベットが涙滴状になってしまっていたが、このキットではそれほどきつい抜き角度になっている場所はなく、リベット形状がおかしい部分もなかった。

塗装例は3種。もともとマーキングには乏しいポーランド軍なので、デカールもごく小さいもの。

(12/5追記)なお、よくよく実車写真を見てみると、ポーランドが使用した6t戦車の単砲塔型は、表面にリベットがほとんどない(つまり溶接?)ものが多い。ただし、キットのようなリベット接合仕様が間違いというわけではなく、箱絵にもなっている「8」号車は確かに(他国への輸出型同様の)リベット接合砲塔を載せている。ポーランドへは、砲塔は「パーツ状態」で輸出され、ポーランドで溶接で組み立てたのか? イギリス本国で、こういう仕様で作られた砲塔だったのか? そもそもポーランドの(22両分あったという単砲塔の)どれくらいの割合でリベット型・溶接型があったのか? そのうちDerelaさんが解き明かしてくれるかな?

▼中華民国軍指揮車仕様独自パーツとエッチング。

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指揮戦車型は砲塔後部に無線機搭載用のバッスルが付いている。大昔の資料だと、このタイプを「Vickers Mk.F」としているものがあるが、これは誤りで、実際には、Mk.Fは搭載エンジンを変更(合わせて車体形状も変更)した発展型の名称。キットのこのタイプに関して言うと、購入者の注文によって変わるオプション装備の範囲内で、「中華民国が購入した指揮戦車型」という以外に、特別な呼称などは設定されていないようだ。

ちなみに、フィンランドが購入したビッカース6tも、砲塔形状はこれとほぼ同形(ただしフィンランド型は車体形状が大きく違う)。

閑話休題。このタイプの砲塔は一見、バッスルが追加されただけに見えるが、実際には天井形状が大きく違い、おそらく換気用なのではないかと思われるが、砲塔上面周囲にスリットが開いている。なぜ通常型にはなく、このタイプにだけスリットが設けてあるのかは謎。それに合わせ、側面のリベット列の位置も、(例えば上のポーランド仕様などの)標準型砲塔とは異なっている。

側面の抜き角度については通常型同様で、こちらもリベット形状はOK。

説明書で取り上げられている塗装例は3種だが、うち2種はマーキングが無く、もう一種も3カ所に小さく青天白日が付くだけ。個人的には、砲塔に「虎」と書かれたものがいい!と以前から思っていたのだが、(指揮戦車ではない)通常型キットにはそのデカールが含まれるものの、こちらには無し。どうも指揮戦車型で「虎」マーキングが確認できる写真がなかったようだ。残念。

▼ほか、小さなライトレンズ部分の透明部品(共通)。

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