TACAM沼(R-2編の1)
●静岡へ静岡へとモデラーが流れるこの週末だが、私はとんとご無沙汰。
ホビーショーに行かれた方、何か会場発表のビックリ新製品ネタとかあったら教えて下さい。例えばタミヤがチャーフィーだけじゃなくてTACAM T-60を出すとか(TACAM R-2でも可)。
まあほら、タミヤは今までにもIII号戦車N型とか、ルノーUEとか、ルーマニア軍AFVを出してますしね(強弁)。ちなみにルノーR35はシュレティアン式(双眼鏡式)視察装置のパーツが入っていないので惜しくもハズレ。
●いじりだしたTACAM T-60が早々に暗礁に乗り上げてしまったので、遅れて手を付けたTACAM R-2を進めることにする。
実車は前回述べたように、チェコスロバキアのシュコダ社製R-2戦車(LT vz.35、ドイツ軍接収使用名はPz.Kpfw.35(t)のルーマニア向け輸出仕様)の上にオープントップ式にソ連製76.2mm野砲を搭載したもの。主砲は、前型のTACAM T-60がF-22(1936年型)だったのに対し、より新型のZIS-3(1942年型)に代わっている。
ベース車体はR-2と言ったが、実際には、ルーマニアは保有するR-2の損耗を補うためにドイツから略同形の35(t)も受け取っており、TACAM R-2のベースにはそれらも混じっていた可能性がある。
オリジナルのLT vz.35/Pz.Kpfw.35(t)とR-2とは、砲塔形状に違いがある以外に、R-2では車体後部後面板がオリジナルと同じく出っ張っているタイプと平面の1枚板のタイプが混在。またそのいずれのタイプでも、後面板中央に牽引具が追加されているという違いがある。ブカレストの中央軍事博物館に現存するTACAM R-2は、車体後面板がオリジナルと同じ出っ張っているタイプだが、中央に牽引具はなく、かつて何かが付いていた痕跡も認められないため、実は35(t)であった可能性がありそう。
●キットはチェコ、CMK製。その昔、nifty模型フォーラムの模型仲間が「CMKってチェコ模型組合の略だよな」と言っていたが、そんな訳あるかぃ(正しくはCzech Masters Kitであるらしい)。
CMKはチェコ・MPM傘下のレーベルで、大元のMPMは現在は「Special Hobby」に改名。このTACAM R-2も、現在はSpecial Hobbyの陸物キット用ブランド、「Special ARMOUR」から引き続き販売されているようだ。
同社製のPz.Kpfw.35(t)/LT vz.35のバリエーションキットで、Pz.Kpfw.35(t)/LT vz.35は若干の型改修と追加パーツで、一時タミヤからも販売されていたことがある(オリジナルのCMK版を買っていて、タミヤ版は結局買わなかったので、型改修でどこが変わったのかは不明)。
TACAM R-2としては、元キットの砲塔部分のパーツを除去。その代わりに戦闘室上部装甲板周りとZIS-3野砲の2つの新しいプラパーツの枝、および小さなエッチングシートを追加。デカールも専用のものが付属している。
追加パーツは車体部分と比べてモールドが甘く、樹脂型(簡易インジェクション)っぽい感じ。まあ、元の車体のほうも、面によってはリベットが消えかけていたりして、今の目からするとちょっと見劣りする出来だが。なお、主砲のZIS-3は、どうもイタレリの古いキットのデッドコピーのように見える。
miniartのTACAM T-60は(それが正しいかどうかは別として)車内や砲周りが細かいパーツテンコ盛りで、それもあって箱の中がギッシリだったのに比べて、こちらは車内ががらんどう。他のパーツもだいぶ簡略なので、箱の中はスカスカな感じ。
●さて、もしも本格的にTACAM R-2を極めて作ろうと思うのであれば、このCMKのキットは参考程度とし、ベース車体はより優れた(そして車内表現もある)ブロンコのキットを使い、砲はminiartのZIS-3野砲を持って来るというのが、現在考え得る最上の方策だろう。
が、貧乏性の私としてはそんな「金持っちビルド」(懐かしい表現)は夢見るだけに留め、この「ちょっとポンコツ」感のあるキットを、ある程度のレベルで仕上げることを心掛けたい。だいいち、超絶工作を発揮するほど実車のディテールが明らかになっているわけでもないし、私自身にもそこまでの腕や気力はないし。
実はCMKからは、レジンで「Pz.Kpfw.35(t)/LT vz.35の車内再現パーツ」が出ていて(今でも入手可能かどうかは不明)、CMKの意図としては、「がらんどうなのが気になる人はそれを買って組み込んでチョ」ということなのかもしれないが、都合のいいことに、我が家には車内再現付きのブロンコ製の「LT vz.35/R-2」のキットがある。もともと、戦車型の場合はハッチ全開にしてもほぼ見えない車内再現には惹かれないので、これ幸いとパーツを流用することにする。
TACAM R-2は実車が1両残っていて、車内写真もそこそこあるが(→prime portal)、この現存実車の車内はほとんどの設備・装備品が失われている。そのため、参考になると言っても限定的。とりあえずは、ブロンコのキットの車内パーツのうち、明らかに戦車型専用と思われる装備(主砲弾薬箱など)以外を取り付けていくことにする。
その前段階の作業として、側面に開いてしまっているサスペンション基部の大穴をパテで埋めるとともに、装甲板を組むためのフレーム表現として、プラペーパーを針でつついてリベット表現を付けたテープを装甲板の隅に貼る。側面装甲板の中段には、フェンダー取付用と思われるリベット列、床面には脱出用の丸ハッチを工作する。
壁面に付く装備類で、現存実車で確かめられるのは、実は右面の3発分の主砲弾薬ラック程度。これはキットに入っているパーツを使って工作。ベージュのパーツはブロンコのもの。床前方の電子回路みたいな配線は、ブロンコのキットの床面モールドを参考にエナメル線で工作した。ブロンコのキットのそれはもっと細かくて本数も多いようだが、どのみち組み上がればほぼ見えないので、手元の材料合わせで本数を減らした。
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コメント
>TACAM R-2を極めて
かば◎さんならブロンコのR-2にminiartのZIS-3野砲、戦闘室上部装甲板周りをスクラッチして作りそうですがね。(^_^)
>金持っちビルド
タミヤ版の35(t)でやろうとしていました…。(;¬_¬)
タミヤ版はジェリカンとOVMにフィギュアを新規パーツで追加したものだったと思います。(家の積みのどこかにカステン履帯とパッションモデル転輪パーツやエッチングパーツと一緒にどこかにあるはず…(^_^;)
>ブロンコ製の「LT vz.35/R-2」
内装再現されていたんですね。私はバルバロッサ時のR-2を作ろうと思って、ブロンコのR-2は値段的にパスして(オイ!)アカデミーの35(t)から作ろうと思っていたのですが砲塔形状が違っていたでしたね…(^_^;)
投稿: M.N | 2026年5月17日 (日) 15時10分
>M.Nさん
戦闘室上部装甲板は、割と簡単な構成なので、プラバン工作はそれほど難しくはなさそうです。
しかし、高いブロンコのキットを、そのためにもう一つ買うのはちょっと……。
76.2mm ZIS-3に関しては、「そういえば、タミヤのSU-76Mのパーツを請求して使ったらどうかしらん」と少し思ったのですが、ちょっと調べてみると、76.2mm砲関連のパーツが枝をまたいで分散しているために意外に高くつくこと、駐退機カバーに隠れる部分はディテールが省略されていて流用も面倒臭そうなこと、などから断念しました。
タミヤ版の35(t)は、確かにパッと目に付く違いは追加パーツ(と箱)くらいだと思うんですが、組み易いように?あるいはディテール修正?とかで、足回り部分にもちょっとだけ手が加わっていると聞いたような。うろ覚えなので間違えていたら済みません。
投稿: かば◎ | 2026年5月17日 (日) 18時49分