« AIミリタリー絵描き | トップページ | オチキス・ショック! »

二子山高角砲台の謎柱

●1月26日日曜日。

「ハイキングに行きたい」という孫2号のリクエストがあり、息子含め親子三代3人で、“逗子市最高峰”である二子山(上ノ山)に山歩きに行く。まあ、最高峰っていっても標高208mだけど。

孫2号は幼稚園年長、今年小学校入学という歳なので、行き先は、身近なハイキングコースの中でもだいぶ楽なコースということで選んだもの。中腹の南郷中学校までバスで行けば、山頂までチビの足でも30分程度で着いてしまう。

天気も良く、風も強くなく、絶好のハイキング日和。逗子駅を11時のバスで出発。南郷中学校(南郷上ノ山公園)から歩き始めて、ちょうどお昼ごろに山頂に着いて昼食のおにぎりを食べる。

下写真1枚目は、山頂に至る道の途中から撮った富士山(ただし帰りに撮影)。こんなふうに木立や藪の合間にチラ見えする程度。山頂からは、西方向が木立に覆われているので見えない。

2枚目は山頂の一等三角点。以前も書いたが、一等三角点は神奈川県内に8つのみ、三浦半島ではここが唯一。……なのはいいとして、いつの間にか周りに花まで植わって慰霊碑みたいになっていた。そもそも三角点ってお賽銭置いてご利益あるのか? 地図が素早く読めるようになるとか? 体感で標高が判るとか?

Img20250126124446 Img20250126121603

●二子山上ノ山山頂は、大戦中には海軍の「二子山高角砲台」が置かれ、十二糎高角砲(単装)4門が配備されていた、らしい。

現在でも、山頂の小さな展望台脇に、当時の砲座跡の土盛りが、ドーナツのポン・デ・リング状に残っている。とりあえず確認できる砲座跡はその一基のみで、残りの3つは草藪の中に埋もれて所在もよくわからない。

……というような話は、以前にも当「かばぶ」で記事にしており、終戦直後の米軍撮影による空撮写真なども貼ってあるので、お暇な方はそちらも参照のこと。

パッと見に判るのは、その砲座跡のみなのだが、実はKDDIの中継所裏手の藪の中に、その高角砲台に付属する何かの施設の痕跡の、謎のコンクリート柱が2本ある。これについては、以下の2つの記事で触れている。

両記事にあるように、このコンクリート柱は、これまでは藪の中に沈んでいて、その隙間からかろうじて頂部が確認できる、という程度のものだった。

どうせ今見てもそんなものだろう、でも真冬だから、多少は藪が薄くて見やすいかな?……などと思いながらも、一応は確認しておこうと見に行ったら。

何とコンクリート柱の周りの藪が刈り払われていた。

Img20250126121359 Img20250126121430 Img20250126121453 Img20250126121444Img20250126121511

1枚目:上ノ山山頂広場から、下ノ山に向かう山道を10mほど?行ったところで右への脇道に入り、KDDI中継所裏へ。数m入ると、藪の向こうにコンクリート柱の頭が見える。この時点では、「あ、冬だから、やっぱりちょっと見やすいかな」くらいに思っていた。

2枚目:もう少し入ると、いきなりコンクリート柱方面に藪が払われていて全貌が。びっくりぽん。明らかにこのコンクリート柱をしっかり見られるようにという意図で刈られていて、誰がやったのかは不明ながらとても有り難い。

3枚目:2本の柱の中間あたりから振り返って、中継所に近い方の柱(仮に1号柱とする)。

4枚目:2本の柱の中間あたりから、中継所から遠い方の柱(仮に2号柱とする)。根元はなぜか三段くらい削れている。その昔、撤去しようと試みた跡か?

5枚目:奥側から、2本の柱とKDDIの中継所通信塔。

Img20250126122310 Img20250126122347 Img20250126122252 Img20250126122403

1枚目:基本、2本のコンクリート柱は同形なのだが、よくよく見ると、1号柱の頂部円盤は“プレーン”であるのに対して……。

2枚目:2号柱の頂部円盤は、周囲に何か部材を差し込むためのもののような長方形の穴が開けられている。きちんと確認してこなかったが、たぶん等間隔で8つ?

3枚目:1号柱の中継所側の面。一部表面が剥落して、錆びた鉄骨が見えている。

4枚目:2本の柱とKDDI中継所通信塔。同行の息子とちび。

以前の記事(二子山再々訪)にも書いたが、サイト東京湾要塞」の二子山高角砲台のページでは、このコンクリート柱を探照灯の台座としている。

しかし一方で、横須賀市の砲台山(武山高角砲台)にある同様のコンクリート柱(下写真)に関しては、(同サイトの武山高角砲台のページでは)「計算所跡」であるとし、木造2階建ての建物の2階部分に設置された計算装置の基礎であったとしている。

20181124_160641_burst01

形状、大きさともに非常によく似ていて(頂部の厚み、頂部に向けての末広がりの形状など)若干の違いはあるものの、ほぼ同じ間隔で2本並んでいるところも同じ。用途として同じもののように感じる。武山のほうが元あった施設の解説が詳細で、何らかの資料や証言に基づくものと思われるので、二子山も同様の施設跡と考えた方がよくないか、とも思えるのだが、こればかりは、私のところに資料も何もないのでお手上げ。

ちなみに米軍の空撮を見ても、「このあたりに何かある」以上のことはよく判らない。

なお、武山のほうには、もう一本、「探照灯台座」とされる同様のコンクリート柱があるらしい(これについては場所がよく判らず私は未見)。

武山高角砲台とご近所の披露山(小坪高角砲台)とは、配備された砲(十二糎連装高角砲)もベトン製の砲座の設計も共通しているので、披露山にも同様のコンクリート柱があってもよさそうな気がするが、とりあえず私の知る限りではそのような痕跡はない。

●話はちょっと遡るが、1月18日、池子弾薬庫跡地の北辺の尾根を巡る「やまなみルート」から、十二所の光触寺方面に降りる枝道途中の「横須賀軍港境域標 第四十九號」を久しぶりに見て、写真を撮った。

Img20250118161800 Img20250118161807 Img20250118161821 Img20250118161839

7年前?に行った時と比べると、標石の前を通る山道の道筋が、ちょっと変わっていたような……。

なお、この石標についても、(いつ建てられたのかの謎も含めて)「東京湾要塞」の当該ページに詳しい。

|

« AIミリタリー絵描き | トップページ | オチキス・ショック! »

かば◎の迂闊な日々」カテゴリの記事

軍事遺構」カテゴリの記事

コメント

本当にご無沙汰しております。
(実は過日、乙嫁展でニアミスしてたりして・・・)
突然ですが、2月23日の日曜日プラソの同窓会が開催されるらしいんですが、ご都合如何でしょうか?

投稿: ご無沙汰しております澤野です | 2025年1月29日 (水) 03時03分

本当にお久しぶりです!>澤野さん

プラソの同窓会……そんなものが!
まだ2月下旬の予定ははっきりしませんが、できるだけ参加したいと思います。

中村さんとはしばらく前まで東京AFVの会で時々お会いしていたかな(それでも10年くらい会っていないかも)。
澤野さんとも20年?30年?くらい前に一度お会いしてますよね。
でも、人によっては40年会ってないかも。

投稿: かば◎ | 2025年1月29日 (水) 04時06分

リーガロイヤルホテル 11:30~
田籠さん幹事で、碇さん、春日井さん、嘉屋さん、遠藤さん、太田さんが来られるとの事です。ご参考まで。

投稿: 本郷台の高い城の男 | 2025年2月 3日 (月) 06時51分

わ。

澤野さんの年代がメイン?と思ったら、創部時代の大先輩方ばかり?
リーガロイヤルホテルって、またずいぶん高級なところで……。

投稿: かば◎ | 2025年2月 6日 (木) 14時36分

リーガロイヤル東京は、旧大隈庭園なんで何某かのOB割があるらしい。
今年はスギ花粉が例年の1.5~2倍との情報で、既に鬱々とした毎日……。
開催時期がピークと被る為、残念乍ら出撃は断念、籠城する事と。

ベランダ越しの北鎌倉上空も心なしか黄ばんで見える……。

投稿: 城に立て篭もる事にした男 | 2025年2月 8日 (土) 18時43分

昇降用のハシゴと転落防止用の手摺り取り付け部分でしょうかね?

>長方形の穴

探照灯の台座なら

投稿: はほ/~ | 2025年2月11日 (火) 17時14分

>はほちん

うーん……。それが2本の柱のうち片方にしかないのは?

投稿: かば◎ | 2025年2月12日 (水) 13時42分

探照灯の台ならちょうどいいサイズのような気がしたんだけど。

計算機が乗っかってる小屋の柱だとすると、中に入ってるのはここ

https://www17.big.or.jp/~father/aab/kikirui/navy_director.html

に出てくる陸用高射装置なのか、と思ってみたり。
二本なのはなんか不安定な感じがしますが。

どっちにしろ、片方に開いてる穴が何に使われたのかはわからないですねぇ。

投稿: はほ/~ | 2025年2月16日 (日) 17時02分

>はほちん

そもそも計算機とか管制装置とかを、わざわざ高いコンクリートの柱の上に据えなきゃいけないものなのか?ってのも謎ですね。

探照灯ならちょっと高く置く意味がありそうですが、それならそれで、2本並んでるのはなぜ?ってなりますし。

はっ、まさか、2つの探照灯を交差させて高度を割り出す?
(それならもっと柱を離しますよね)

投稿: かば◎ | 2025年2月17日 (月) 11時07分

艦船には探照灯の照射方向を指示する装置があったんじゃなかったっけ?
と思って調べてみたら、探照灯管制器というのが装備されてた様です。

https://www17.big.or.jp/~father/aab/kikirui/sl.html

陸軍のも海軍のも地上設置のも管制器はあるみたいだし、2本の柱は探照灯と管制器が載っかってたのかな、とも考えられますが、管制器から探照灯へ照射方向を伝達するのはどうやってたんだろう? 電線でつなげてたんかな。

計算機を設置する小屋ならせめて四本柱の上に設置してほしいと思います。見た目不安定なので。

投稿: はほ/~ | 2025年2月17日 (月) 17時30分

>はほちん

サイト「東京湾要塞」の武山高角砲陣地のページの解説だと、どうも建物自体は木造で別途に柱があって、それとは別に計算機?用の基礎としてコンクリート柱が設けられている、ような感じに読み取れます。

https://tokyowanyosai.com/yousai/newdata/take.html

しかし、武山(砲台山)のほうは、2本の柱は明らかに砲台よりも一段低い場所にあって、「計算所の2階(つまり柱の上端)と砲台とは橋で結ばれていた」という説明で「ふーん、そうなんだ……」という感じなんですが、二子山の場合、柱は若干低い位置にあるとはいっても、砲台のある山頂と、それほど極端な高低差はないような気も……。

投稿: かば◎ | 2025年2月17日 (月) 19時22分

>はほちん

リンクを貼ってくれた資料、つい読みふけってしまいました。
こういうの、コツコツ調べるのスゴイなあ……。

もっとも、資料を読んで思ったのは……。
トロッコ風の台車に載せて運ぶような探照灯や管制装置、固定で使うにしても、こんなに頑丈な台座が必要になるんだろうか。

やっぱり、何か振動とか厳禁の装置の類の基礎なのかなあ。

投稿: かば◎ | 2025年2月18日 (火) 01時58分

ゲゲゲの鬼太郎の家みたいなのを想像してしまったのが間違いの元かなぁ。たしかに計算装置小屋の柱や基礎とコンクリ柱は別モノでいいですね。

艦艇用の計算器は防振台に乗せてたように書いてあるんで、陸上でもしっかりした基礎に載っけてたように思えます。

そういえばドイツの88ミリ高射砲はどうなってたんだろ。


投稿: はほ/~ | 2025年2月18日 (火) 20時59分

>はほちん

ドイツの管制装置は、ブロンコからキットが出てますね。

https://jp.super-hobby.com/products/German-Telemeter-KDO-Kommandogerat-40-with-Sd.Anh.52-Trailer-Kommandogerat-40.html

調べてみると、88mmと105mmの対空砲で多用されたタイプだそうです。

もっとも、この40型管制装置は、1941年頃になって使われ始めたものだそうで、これの前型もあったはずですが、そちらはよくわかりませんでした。

投稿: かば◎ | 2025年2月19日 (水) 02時39分

なるほど。こんなのまでキットになってるのかー。これは測距儀と計算器が一体になってるのかな。

そういえばタミヤの88ミリに測距儀を構えた兵隊がいたけど、射撃諸元はどうやって砲側に行ってたんだろう? と思ったのが発端だけど、こういうのの状況を想像するのもまた模型の楽しみかな。


   ググってたら、レベルから72でFlak36とセットになったのが出てるようです。へー。

投稿: はほ/~ | 2025年2月19日 (水) 12時12分

>はほちん

88mmFLaKの場合、どこか固定陣地で据え付けで使う場合とか、野戦でもきちんと4門一組で対空砲陣地を構成するときにはちゃんとした射撃管制装置が付いて、

そこまで余裕のない時とか、地上目標の支援射撃とか対戦車とかの場合は砲横で携帯の測距儀を、みたいな感じなのかな、と想像してみたり。

4門一組でちゃんと陣を組む場合には、射撃管制装置と各砲をケーブルで繋ぐはず。キットでも、砲用のトレーラーの上にケーブルのリールが付いてますよね。

携帯の測距儀の場合は、数字を読み上げて手入力なのかなあ。

投稿: かば◎ | 2025年2月19日 (水) 13時25分

 レベルの88ミリ、買ってたよなー、って探してみたらFlak37の方だった。箱にはコマンドゲレーテ40のことは書いてないので砲単体かと思ったら測距儀が付く箱も入ってましたよ。なんてこったい

投稿: はほ/~ | 2025年2月19日 (水) 13時33分

あ、先にコメントが。

ほんとだ。ケーブルリールが乗ってますね。そこまで見てなかった。

タミヤの方は、対戦車戦で距離だけ測って照準は砲側でやってる感じになりそう。

投稿: はほ/~ | 2025年2月19日 (水) 13時39分

>はほちん

>>砲単体かと思ったら測距儀が付く箱も入ってましたよ。なんてこったい

え? 筐体部分だけ?

>>タミヤの方は、対戦車戦で距離だけ測って照準は砲側でやってる感じ

まあ、測距儀兵自体、明らかに地上目標観てますもんね。

ちなみに、タミヤの88mmの説明書では、いかにもロンメルの知恵で急場で対空砲を対戦車に利用したみたいな感じの話がありますが、正式名称は何というのか知りませんが、電撃戦当時(少なくともフランス戦時点)で、88mmのFLaK18には対地(対トーチカ・対戦車)専用型があります。

砲耳横の備品類、防盾、十字の砲架の横の脚の形状などが違っていて、もし資料が十分にあれば改造したいなあ、なんて思っているんですが、その前にお高い3Dキットとか出ちゃいそう。

ちなみに12トンハーフベースの対戦車自走砲に載せられている88mmは、このタイプ。トランペッターのキット、中途半端にしか対戦車型になってないので、「そんなキットに大枚はたけないなあ」と購入できずにいます。好きな車輛なんですが。

投稿: かば◎ | 2025年2月20日 (木) 19時33分

ゴメン、書き方が悪かった。

ブロンコのと同じコマンドゲレーテ40(とおもわれるもの)が一式。トレーラーも付いてるけど、ケーブルリールは付いてないです。
箱にはFlak37,Sd.Anh202としか書いてないし、箱絵も砲とトレーラーしか描いてないんだけど。

 Flak36のほうは、箱絵にもキット名も書いてありますが、こっちは持ってないので、コマンドゲレーテが同じものかどうかは不明です。

https://www.ms-plus.com/search.aspx?id=43407&srsltid=AfmBOophDhL6SZZ8IP4XCpS371dNjSxMriO_sJqaMnjLNc-i-XWgTsZB

投稿: はほ/~ | 2025年2月20日 (木) 22時03分

12トンハーフトラック対戦車砲、なかなかにステキなスタイルですな。
トラペのキットのお値段もなかなかに。発売日見たら2012年て10年以上前ですか。

昨今はインジェクションキットでも、売り切ったら次にいつ再販するかわかんないのが多いような気がしてますけど、いつでも手に入るようなモノなんかいな。

投稿: はほ/~ | 2025年2月21日 (金) 21時46分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« AIミリタリー絵描き | トップページ | オチキス・ショック! »