« I号戦車B型 タミヤ 1:35 | トップページ | I号戦車B型のあれやこれや(2) »

I号戦車B型のあれやこれや

●I号戦車B型に関しては、タミヤのキットを買ってアカデミーと比較して、というところまでやって、あとは作りかけもたくさんあるし、しばらくは寝かせて置こうくらいの心づもりだったのだが、結局悪い癖が出て、両社キット並行していじり始めてしまった。

●まずは、タミヤの新キットで最もトホホな感じを受けた、エンジンルーム右後方のグリル。

キットのパーツは、再掲になるが、下写真1枚目のような出来。一応ルーバーは斜めになっている状態を表現しているものの、まるで鋳造のよう。流石にこれはなんとかしたいところ。

現在すでに(他社用に)エッチングパーツなど出ており、また今後タミヤ用にも3Dプリントパーツなど出そうな感じで、「いや、オマエ、エッチング組むか新パーツ待つかしろよ!」と言われそうな感じだが、ついコリコリと自力でシェイプアップしてしまった。もしこれでオシャカにしてしまったら、その時は諦めて新たに自作するかエッチングを組むかするつもりだったが、まあ、なんとかそこそこ削れた。

Img20241120051102 Img20241122004813

その後、四隅に取付用のベロ表現を加え(リベットまで表現するのは面倒くさくて放棄した)、車体側もルーバーに合わせて若干の加工をして取り付け。

「説明書通りに作るならサクサク行く代わりに、ちょっといじろうと手順を逸脱すると途端に面倒臭くなる」というのが「タミヤのキットあるある」。このキットの場合も、排気管カバーのエッチングの取付のために車体後面板の部品構成が変な凝り方をしていて、しかも本来の手順では車体後面板を車体組立の最後に付けるようになっていたりするので、ちょっと余分な手間がかかった。

グリル奥には、アカデミーのI号と合わせて、先日の東京AFVの会の折にサニーで仕入れてきたエッチングの菱形メッシュを貼った。

Img20241122060838 Img20241120051014

……さて、ここで問題が、このメッシュ。

実はドラゴンのI号戦車B型キットには、このメッシュがエッチングパーツで付属していて、アカデミー、タミヤにはない。「いや、そもそも実車は、ここにメッシュがあるのか?」というのは、取付前にやや不安になったところなのだが、結局付けることにしたのは、前記事でも書いたように、ボービントンのI号指揮戦車にはメッシュがあるため。

もちろん、現存車輛は貴重な資料ではあるものの、補修やら、保存や試験の都合やらで余計なものが付け加わることがあるから、現状を鵜呑みにはできない。とはいえ、ボービントンのI号指揮戦車はもともと状態が比較的よく、あまり手は加わっていないように感じる。さらに確証が欲しくて当時の写真をパラパラ見てみたものの、都合よくグリルがクローズアップされているものが見当たらず、とりあえずは、ボービントンを信じることにして工作したのだった。

が!

ふと、すぐ横に積んであった古い「グランドパワー(94/6号)」をめくってみたら、なんとエンジン点検中を間近に撮った一枚が。でもって、

「メッシュないじゃーーーーーん!」

Img20241130182444

もちろん、例えば生産時期とか、あるいは現場部隊での追加などでメッシュ付きの仕様があった可能性は無くはないが、少なくとも、「わざわざメッシュを調達してきて追加しなくてもOK」とは言えそう。アカデミーもタミヤも、一応は根拠があってエッチングメッシュを入れなかった可能性もある。

もっとも私はメッシュを貼ったうえで車体をほぼ組んでしまったし(タミヤの方はまだ車体上下は接着していないが)、もしもメッシュがないとその下が覗けてしまうので何らかの追加工作が必要になりそうなので、このまま行くつもり。それでも、今後I号B型ベースの自走砲とか作る時にはメッシュ入れないかも。

●エンジンルーム前方のグリルも、タミヤはいささかプアな出来なので、プラバンで作り直した。

夜中にボンヤリしながら適当に現物合わせで工作していったので、ちょっと奥まりすぎた。反省(……でも作り直さない)。

タミヤ、アカデミーとも、そのまま戦闘室方向まで筒抜けになるのも何なので目隠し程度に隔壁を作った。

Img20241127220112

●タミヤのキットのエンジンルームは標準仕様で、全ハッチは閉状態で一体モールドだが、アカデミーはエンジン上のメインハッチと左後方の小ハッチ(ラジエーター点検ハッチ)が別パーツ。私の買った現行キットでは不用部品扱いながら、熱帯型の通風孔付きハッチもパーツ化されている。

なお、イタレリの時代から熱帯型はパーツ化されていることもあって、「I号戦車はA型もB型もアフリカ戦線に行ってるんだね」程度に漠然と思っていたのだが、尾藤満さんのサイト「パンツァーメモ」の「Study 考察雑記帳」コーナーに新たに上がった記事「北アフリカのI号戦車B型」によれば、第5軽師団(後の第21装甲師団)の戦車連隊に配備されたI号戦車はA型のみ。B型は同師団の戦車駆逐大隊、および第15装甲師団の工兵部隊に少数が配備されたのみであるらしい。

なお、ドラゴン、アカデミーの左後ろ小ハッチの熱帯型パーツは、通風孔にU字断面の整風板というか、目隠し板がモールドされているが、実際には後方が開いたL字型だったようだ。これについても尾藤満さんが別にページ「I号戦車B型の熱帯地仕様」を立てて、ムンスターのバックヤードにあるレストア前の車輛の写真も上げて解説してくれている。

私はアカデミーのキットも標準仕様で組んで熱帯型のパーツは使わなかったが、熱帯型で組みたいという人はぜひ両記事を参考に。

●車体後端、誘導輪基部内側の仕様に関しては、タミヤは太い補強バーが付いた後期標準の仕様。

一方アカデミーもキットの指定では同じ仕様なのだが、不要パーツとして、より初期の細いロッドが付いた仕様のパーツもセットされている。せっかくだし、タミヤとの違いを出す意味から、そちらの仕様で組んでみた。

Img20241127204939

この場合、

  • 誘導輪基部張り出し(B14、B15)にある補強バー取付用の穴は埋める。
  • 牽引ピントル部はキットの指定ではB33、A35だが、A35の代わりに、補強バーとの接続部のモールドがないA36を使う。
  • 細い補強ロッドA19を取り付け。

なお、タミヤとアカデミーとで牽引ピントルの形状が異なっているが、尾藤満さんの製作記によれば、これは実車にもみられるバリエーションだとのこと。タミヤのタイプはアバディーンの現存車輛、アカデミーのタイプはクビンカの現存車輛で確認できる。ちなみに両博物館の車輛の補強の仕様は、アバディーンが細いロッド、クビンカが太いシャフトなので、作例とは組み合わせが逆。

なお、タミヤは今回のキット化に際してスペイン(マドリード)の実車を取材したとのことなので、タミヤの仕様(小さい牽引ピントルと太いシャフト)の組合せはその車輛に倣ったものか(当該車輛のwalkaroundなどがnet上で見つからなかったので推測)。また、ドイツにある47mm対戦車自走砲も「小さい牽引ピントルと太いシャフト」の組合せ。また、ボービントンの指揮戦車は、クビンカと同じ「大きい牽引ピントルと太いシャフト」の組み合わせ。

……「大きいピントルと細いロッドの組み合わせはなかった!」なんてことがなければいいなあ。

●起動輪基部は、博物館現存車輛でも陰になっていてなかなか確認しづらいのだが、前半分に保護用の装甲カバーがボルト止めされているらしい。TAKOMのキットでは再現されているようなのだが、アカデミー、タミヤともに省略されているので、0.3mmプラバンで追加。

Img20241123051317 Img20241127175502

アカデミーとタミヤとでは、基部の形状がちょっと違っているので、装甲カバーの巻き方もそれぞれ。ボルトは4カ所と判断した。

●サスペンションボギーは、前記事で書いたように、アカデミーではスライド型を用いて横の窪みがモールドされているなど、総じて再現性が高い。が、それでも不足もあるので、それぞれに手を入れた。

Img20241127205227b Img20241127205307b

1枚目、タミヤはサスボギー横の窪みを彫り込んで、ナットを追加。また、ボギーシャフト上の部分に、グリースニップルと思われる小突起を足した。

2枚目はアカデミーのサスを下側から撮ったもの。こちらはこちらで、タミヤでは表現されている板バネ根元の「たが」の下側部分と、端のボルト頭がないので追加した。

なお、青矢印で示したダンパーパッドは、アカデミーでは表現されているのだが、タミヤではあっさり省略されている。「え、これも追加工作が必要なのか」と一瞬げっそりしたが、よくよく考えるとサス外側の補強桁に隠れてほとんど見えないはず。ここは「アカデミー、偉い!」と褒めるだけに留めて、タミヤに追加はしないことにした。

|

« I号戦車B型 タミヤ 1:35 | トップページ | I号戦車B型のあれやこれや(2) »

製作記・レビュー」カテゴリの記事

I号戦車」カテゴリの記事

コメント

エンジンルームのグリル、写真あるかなと思ってちょっと漁ってみたんですが、はっきり判るものは見当たりませんでした。
一応該当部分が写っているものを3枚ほど…。

https://gizmolog.cocolog-nifty.com/photos/zl/gsb.jpg
https://gizmolog.cocolog-nifty.com/photos/zl/avs.jpg
https://gizmolog.cocolog-nifty.com/photos/zl/rgv.jpg

投稿: セータ☆ | 2024年12月 2日 (月) 20時38分

>セータ☆さん

おお。ありがとうございます。

確かに「網があるかないか」に関して言えば隔靴掻痒な感じですが、それでも、エンジンデッキが写っている写真自体、あまりないので貴重ですね。

もひとつ気になったこと……。

右端にある小ハッチ(燃料注入口ハッチ?)は、各社とも「長方形の角を強く丸めた形」ですが、実際はほとんど半円に近いですね。
ここはアカデミーよりタミヤの方が似てるかな。

投稿: かば◎ | 2024年12月 2日 (月) 23時56分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« I号戦車B型 タミヤ 1:35 | トップページ | I号戦車B型のあれやこれや(2) »