●4日木曜日、仕事でつくばに行った帰りに秋葉原に寄り、ヨドバシでアカデミー 1:35、I号戦車B型を購入。
「タミヤからI号戦車が出るよ!」――というウワサ話のその後も気になるが、大戦初期のドイツ軽戦車好きとしてはスルー出来なかった。以下、簡単にレビューを。とりあえず今回は大まかにパーツ構成と、若干の目に付いた特徴など。
話題になっているのでご存じの方も多いと思うが、キットはI号戦車B型と、ツュンダップKS750サイドカーのセット。(主に)大戦初期に使われたI号戦車と、大戦中盤以降に使われたKS750とがセットなのはちぐはぐだし、箱絵のような(ポーランド戦時の塗装の)I号戦車とKS750が隣り合ったシチュエーションなどあり得ないのだが、まあ、そのへんは「突っ込むだけ無駄」みたいな。
もっとも、こういう「ちぐはぐな取り合わせ」は古いキットではよくあったことで、I号戦車に限っても、フジミの1:76は7.5cmPaK40とセットだったし、ニットーの1:76はキューベルワーゲン、BMW R75サイドカーとセットだった。しかし21世紀にもなってこれは……。
なお、箱上面は絵のみで、キット名称(車輛名称)などは無し。右下に小さくメーカーロゴが入っているだけ。比較的最近のアカデミーの箱は、斜めにタスキ掛け的にキット名称が入っていたように思うのだが、また変わったんスかね。
●まずは全体構成。

パーツのプラ枝は、砲塔基本形のみも1枝と考えて、6種7枚(足回りが、同一枝が2枚)。透明パーツは無し。
Aパーツ(写真1枚目):車体上部関係。基本形以外の砲塔関係パーツもこの枝。戦闘室は前・側面が別パーツで貼り重ねる構成。A型では沈頭ネジ(皿ネジ)だったクラッペ周囲が、B型では尖頭ボルトに変更になっているため、モールドがツブれるのを避けるためと思う。腰上半身の車長フィギュア付き。
Bパーツ(写真2枚目):車台、OVMなど(うっかりOVAと書きそうになった)。シャーシは各面別パーツの箱組。
Cパーツ(写真3枚目):足回り(×2枚)。履帯は部分連結式(いわゆるリンク&レングス式)。
Yパーツ(写真4枚目):ツュンダップKS750サイドカー。この枝だけで完結していて、戦車本体のパーツとの出入りもないので、公出のフィギュアパーツと合わせて、いずれ単発キットでの発売もあるか?
Zパーツ(写真5枚目):オートバイ兵用コート着用、オートバイとサイドカーに搭乗のフィギュア2体。
砲塔基本パーツ&デカール(写真6枚目):砲塔は(あたりまえだが)クラッペ周囲に尖頭ボルトのモールドがあり、フック取り付け個所が上面にあるB型用。テストショット段階ではやたら大きくて「なんだこれ?」状態だったダンパーも適切な大きさに。デカールは、戦車用5種(ポーランド戦線3種、フランス戦線1種、北欧戦線1種)、サイドカー1種(どこのだろう?)、フィギュア用あれこれ。戦車用は全て1939年~40年のものなので、その時期はまだツュンダップKS750は就役していない。
エッチングパーツ(写真7枚目):マフラーカバーと菱形のナンバープレート、憲兵用ゴルゲット(首から下げているプレート)。ほか、写真に撮り忘れたパーツとしてワイヤーロープ用ナイロン(?)ひも1本も付属している。
組立説明書類(写真8枚目):組立説明図がカラー塗装図含め3部構成。さらに足回りの訂正組立図(元はサスペンションの向きを間違えている)、注意書き、などなど。やたら紙が多い。ちなみに赤枠の1枚は、「部品不足や破損がないかは、袋を開ける前に確認してね」という注意書き。何それ。微妙に不便なんだけど。
●基本的な寸法がどうの、というような話は次回に送ることにして、ここからはむしろ枝葉のディテールの部分を。個人的に「いいね」と思ったところ、「おや?」と思ったところなど中心に。
▼まずはAパーツから。

戦闘室周りを中心に、エッジの溶接ラインのモールド表現はややおとなしめ。装甲の薄いI号戦車の溶接ラインとしてはまず適正なところだと思う。ただ、部品の接合線と重なる部分がどうなのかは、実際に組んでみないとよく判らないので、評価保留。
車体上面ハッチ周囲や前部上面の皿ネジは、ネジ頭が全部同一方向になっているのは、細かくて判りづらいとはいえ、少しだけ減点ポイントかな。
側面下部の増加装甲は先行キットと異なり別パーツではなく一体モールドだが、B型ならあるのが当たり前(のはず)だし、より薄い表現になっているので良し。取付ボルトも、ボルト頭ではなくナット表現になっている。
フェンダーは、先行のイタレリやドラゴンではシャーシ側と一体だったが、このキットでは車体上部側と一体。フェンダーの滑り止めのメッシュパターンはイタレリやドラゴン、トライスターのA型よりも細かく好感が持てる。

エンジンルーム右後端のグリルは、ルーバーがきちんと斜めに表現されていて、しかも隅にぴっちりはまった表現になっているのが良い感じ(ドラゴンのキットは右端・後端からちょっと離れている)。
エンジンルームのハッチは、このキットでは不用部品扱いだが、熱帯地仕様の通気口付きのものもセットされていて、この後のバリエーション展開が期待できる(戦車型自体の熱帯地仕様か、それとも指揮戦車や自走砲か)。

一部シャーシ関連のパーツも、A枝に入っている。誘導輪基部間の補強バーは、左写真中央のA8を使うよう組立説明書では指示されているが、細いタイプ(右写真、A19)もパーツ化されている。牽引ピントルも(説明書では一択だが)バリエーションパーツ有。

機銃(MG13k)はスライド型ではなく銃口に穴は開いていないが、放熱筒の表現はプラパーツとしてはなかなか頑張っている感じ。
▼続いて、主に車台関係のBパーツ。

基本、インテリアはカラッポだが、エンジンルーム隔壁にはモールドがあり(左写真)、ファイナルギアハウジングの車内側もパーツがある(右写真)。車内が覗ける自走砲バリエーション展開への布石?

車台前面装甲(左写真)は、ギアハウジングの出っ張り下に平面部分の表現あり。これは古いイタレリ、ドラゴン(B型)、トライスターA型の旧版では再現されておらず、トライスターA型の改修版や、ドラゴンのA型では表現されるようになった部分。目立たないところだが、きっちり抑えてあるのは嬉しい。
第一転輪用のサスペンション・コイルばね(右写真)は、ドラゴンA型キット用スプリングのように、左右で巻きが逆(鏡写し)なんてマヌケなことにはなっていないが、一方ではドラゴンA型用同様に、裏側でモールドが逆斜めになっていて、要するに「コイル」ではなく、「斜め蛇腹」にしかなっていない。どのみち組んでしまえば裏はほぼ見えないので作り直したりはしない予定だが、ちょっと脱力感。ちなみにドラゴンのもともとのB型用スプリングは、そもそもモールドが斜めにさえなっていない単純な蛇腹。そんなに難しい表現でもない気がするのに、意外にいいパーツがない(なお、実車のコイルスプリングは、A型用と、A最後期~B型用とで、バネ線の太さと巻き数が違う)。
▼足回りのCパーツより。

転輪、上部転輪のゴムリム部には、社名の「CONTINENTAL」ほかの刻印入り。古いイタレリはもちろん、トライスターA型の新・旧版、ドラゴンのB型系列の新・旧版(戦車型と自走砲型)の転輪でも、ゴムリムの刻印はなかったので、アドバンテージと言えそう(ネット上のレビューを見る限り、TAKAMの転輪にも刻印はないようだ)。
ちなみに、ドラゴンは他のドイツ戦車ではメーカー刻印を入れている場合があるが、その場合、商標に触れるのを避けるため?、わざわざ「コンチネンタウ(CONTINENTAU)」にしている。当キットは正しく「CONTINENTAL」になっているが、その後使っても良くなったのか、それとも何かかいくぐる手段を講じたのか、あるいは「知ったこっちゃねぇ」で使っているのか、は不明。
また、このキットでは、ゴムリムだけでなく、スポーク部にも鋳造の刻印が入っている(これはTAKOMの転輪にも入っているようだ)。
一方、トライスター新版とドラゴン新版、そしてTAKOMのキットでは、リム部外側を別パーツにして外周に向けての溝を再現しているが、このキットは旧来のパーツ同様に一体成型。このあたりは残念に思う人も多そうだが、例えば新世代のキットの中でも、TAKOMの転輪は、別部品のリム外周の外側に隙間ができるようで、いちいち埋めるのが面倒くさそう。

起動輪・誘導輪も出来はなかなかよい感じ。起動輪ハブ部の蓋、外周スプロケットを止めているボルトは、ちゃんと表側がナット表現。さすがにキャッスルナットにはなっていないようだ。誘導輪は内側外周が別部品で空隙を表現。
サスペンションは、スプリング付け根・外側のアームの窪みも、スライド型できちんと表現されている。

履帯はガイドホーン外側の窪みもきちんと表現されているし、そのまま使用して問題ないレベルだと思う。もちろん、ベースのキットの出来もよいので、予算と労力に余裕があれば可動履帯を奢るのも惜しくはない。
▼デカール。

シートの中に、何やら注意書きっぽいものがあって(27番)、何なんだろうと思って説明書をよく見たら、OVMの消火器のラベルだった。とはいえ、尾藤満さんが「panzermemo」で考証・自作したデカールのタイプとはディテールが異なっている。デカールのものは、どうもこのページ(掲示板)で、「戦前タイプの消火器ダヨ」として紹介されている写真のものに近い感じだが、果たしてI号戦車の車載用としてふさわしいのかどうかはちょっとよくわからない。
▼ツュンダップKS750のYパーツ。

そもそもこの辺は元から興味の範囲をちょっと外れるので、あまり大したことは言えない。キットの出来は、古いタミヤやイタレリに比べると格段の進歩がありそうなのはぱっと見でわかるが、オートバイ本体の細密さは、スポークが元からエッチングで用意されていたりするライオンロアのキットと比べるとどうなのかなあ。
もっともこのキットのスポークも、一応左右面で別パーツとして板状のモールドになるのを避け、かつ、プラパーツとしてはだいぶ頑張って細くモールドしている。以前からタミヤ/イタレリ用に、最近ではまさにこのキット用にも、スポーク&タイヤほか、3Dプリントやらエッチングやらのアフターパーツもあれこれ出ているようなので、余裕のある人は交換すればよいと思う。
●図面との照らし合わせ、他社パーツとの比較は次回。
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