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2023年8月

ポーランド・メタボ士官

●まさに現在進行形で鋭意製作中というわけではないのだが、たまには模型話でもしないと、モデラーとしてのアイデンティティが自分自身でも怪しくなってくるので、ちょっとヒマネタを一本。

ちなみに、盟友・青木伸也氏がかつて言ったことだが、単純に「模型を作る人」は「モ↑デ↓ラー↓」であるのに対して、「模型作りに入れ込んじゃってる人」(いわゆるマニア層)は「モ↓デ↑ ラー→」と、同じモデラーでも呼称が(イントネーションが)異なるのだそうだ。なんだそりゃ。

●まあ、そんなこんなでヒマネタ。

私は基本、車両は作るがフィギュアは作らない(作れない)ので、フィギュアのセットは滅多なことでは買わないし(たまにネタとして面白いものは、単純に「持っている」目的のために買う)、車両キットに付属のフィギュアも“持ち腐れ”状態にしてしまうのだが、なんとなく気に入って、ちょっとだけいじっているフィギュアが一体。

IBG社製、TKS豆戦車 20mm砲装備型(通常仕様キット)に付属の、「見るからにメタボ体型のポーランド機械化部隊士官」である。

4,5年前に同キットのレビューを書いた時にも触れたが、特定の個人を表現したわけではない無名将兵のインジェクションキットのフィギュアで、ここまでのデブはいなかったのではないか、とも思う(今ならICMとかMBとかで、これと競るくらいの体格が出ているかもしれないが)。これ、2人乗りの車両に2体入っているフィギュアの片割れだから、当然、TKSの車長兼砲手っていう設定のはずだよなあ……。あの小さいTKSに、この腹でちゃんと乗れるのか。そもそも、2人乗りの豆戦車にこんなヤツが乗ったら、車体が右に傾いちゃったりしないのか。

ちなみに同じIBGのTKSでも、機銃装備型にはまた別のフィギュア2体がついている。

さて、問題のフィギュアは下のような感じ。

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1939年戦役までのポーランド陸軍戦車兵の標準的な軍装は、カーキ色のツナギに編上げショートブーツで、IBGのTKS付属のフィギュアも、他3体(20mm砲型の残り1体と機銃型の2体)はすべてその格好をしている。

このメタボさんだけは、黒革のハーフコートと乗馬靴。

1939年時点で、ポーランド陸軍で唯一の完全機械化部隊であったという第10自動車化騎兵旅団は、独特の黒革コートから「黒旅団」と呼ばれていたそうな。このフィギュアの乗馬靴とハーフコートは、同旅団所属であることを示すのではないか……と思うのだが、どうもこれについてはキットの説明書でも一言も触れられていないし、手元に詳しい資料があるわけでもないので、いちはっきりしない。

下写真はwikimedia commonsから、戦争直前の第10自動車化騎兵旅団の1シーン(File:01938 10th Motorized Cavalry Brigade, Zaolzie, col. Stanisław Maczek.png)。

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ご覧のように、「同旅団の独特の黒コート」といっても、一般の兵のものはロングコート。ドイツ軍の第一次大戦型ヘルメットを被っているのも、ポーランド軍のなかでこの部隊だけの特徴。そして中央2人のベレー帽の高級将校のみ、乗馬ブーツとハーフコートを着ている。このハーフコートも第10旅団だけの軍装なのか、それとも他部隊でも着用例があるものなのかは、よく判らない。

ちなみにオスプレイ「Men-at-Arms」シリーズの一冊、ザロガ先生の「The Polish Army 1939-45」のカラー図版にも、黒革コートを着た第10旅団の兵士が出ているのだが、その黒革コートはほぼ膝丈で、上写真のロングコートとハーフコートのちょうど中間くらいの感じ。そういう丈の第三のコートもあったのか、単なる誤りなのか、これまたよく判らない。

ちょっと脱線話を足しておくと、上写真の中央右側のちょっと背が低めなのが、第10自動車化騎兵旅団長、スタニスワフ・マチェク。この当時は大佐かな? 後にはフランス軍下の亡命ポーランド部隊(部隊名も本国時代を引き継いで第10装甲騎兵旅団)を率い、さらには英軍下で編成されたポーランド第一戦車師団を率いてノルマンディー以後の北ヨーロッパ戦線で戦っている。タミヤのクロムウェルには、マチェク将軍乗車の指揮戦車のデカールも入っている(ただしキット自体に指揮戦車仕様に組むためのパーツはない)。

●さて、このメタボさんのフィギュアは、胴体はごろんと一体成型、脚はハーフコートの裾のラインから下が別部品。

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というわけで、コートの裾の内側はスパッと一平面に埋まっている(昔のタミヤのフィギュア、例えば「将校セット」とか「BMWサイドカー」のコート姿の兵士などと似た感じ)。まあ、普通に立てておけばまず見えない部分ではあるが、なんとなくキモチワルイので、脚を接着した後に、自作のノミやペンナイフでカリカリと削り込んだ(右写真)。

ついでに、コート裾近くの前合わせ部分も深く削り込み。ブーツの靴底も(昔のタミヤふうに)ペッタンコだったので、かかとが独立するよう段差を削った。もともと、それほどモールドがシャープというわけでもないので、他もできる範囲でちょっとずつ彫刻を強調した。

●このフィギュアの頭部は、前にも書いたが、メタボ体型によく似合った感じのヒゲのおっさん顔。モールドの甘さはあるが、「シュラフタ(ポーランド貴族)って、こんな感じかな?」と思わせるものがある。いや、知らんけど。

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そんなわけで、頭部はそのままキットのこれを使いたいのだが、残念なことに、頭部と一体成型されたヘルメットの形状がよくないうえに、そもそも小さい(「風の谷のナウシカ」のジオラマか何かに城オジとして使うにはよさそうだが)。

ポーランド装甲車両乗員用のヘルメットはフランス軍式のもので、第一次大戦中に開発された、世界初の近代戦用ヘルメットとして有名なアドリアン・ヘルメットのバリエーション。戦車兵用ヘルメットは、通常のアドリアン・ヘルメットの、四周に張り出した“つば”部分のうち前部・左右部を除き(バリエーションによって若干の差があるものの、後部のつばは逆に拡大してある場合が多いようだ)、前面には革製?のパッドが取り付けられている。頭にかぶさるクラウン?部分の形状は基本のアドリアン・ヘルメットと変わりない感じで、IBGのフィギュアのように後ろ広がりになってしまっているのはやはり格好が悪い。そこで、ヘルメット部分だけを他社製と挿げ替えることを計画する。

右写真は、その検討用に手元の同型ヘルメットのパーツを並べてみたもの。右端がこのフィギュアの頭部、上のモールド色が最も濃いのがエレールのR35/H35付属のもの、左がタミヤのルノーUE付属のもの。後になって「あ、そういえばminiartのも持ってたな」と思い出したが写していない。

ご覧のように、エレールのものも全体の形状バランスは悪くないが、昔のエレールのフィギュアは、他社製フィギュアでよくある「頭を半分切って(中の埋まった)ヘルメット部品を付ける」式ではなく、「中空のヘルメットパーツを実際にフィギュアの頭にかぶせる」形式のため、やや大きめになっている。先述のようにIBGの頭部のヘルメットは小さいが、同時に頭部自体もかなり“小顔”なので、エレールのヘルメットでは似合わないかもしれない。――で、結局タミヤ製を採用することにした。

●ここからまたひと手間。

アドリアン・ヘルメットは、頂部に前後方向の「とさか」が付いている。ちょっと古めかしく見える理由でもあるが、これは塹壕の中で、頭上で炸裂する砲弾の破片や降ってくる岩などの衝撃をそらし、頭部を守る役割を担っている。ちなみに、ソ連軍の戦前型ヘルメット(СШ-36)も頂部に「とさか」があるが、これは通風孔のカバーだそうだ。

さて、戦車兵用ヘルメットの場合、ポーランド軍用ではこの「とさか」が残っているのだが、この時期の本国フランス軍仕様では通常付いていない(フランス軍用でも時期によっては付いている模様)。当然、タミヤやエレールのフランス戦車兵用ヘルメットには付いていないので、流用に際しては「どうにかする」必要がある。

形状的にもなんだか面倒くさく、ここはタミヤのキットに一緒に入っている通常型のアドリアン・ヘルメット(とさか付き)からつばを削り落としてパッドを付けるほうが、もしかしたら楽なのでは?とも考えたのだが、結局は「戦車兵用にとさか増設」の道を選んだ。この際、フランス軍仕様では付いている、ヘルメット前面の兵科エンブレムを削り落とした。

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●そして腕も付けた。

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正規の接着位置だと、まさに双眼鏡を覗き込んでいる格好になるようなのだが、それだとせっかくの「シュラフタ顔」(←勝手な決め付け)が隠れてしまうので、肩の接合部があまり不自然にならない範囲で、やや腕を下ろして、双眼鏡を少し目から離した状態にした(双眼鏡自体は、この写真では未取り付け)。

ただ、腕側に、肩章に対応した位置にちょっと出っ張りがあって、これがやや前方にずれてしまったので、今後削って付け直すかも。

なお、キットのままだとやや後ろへの「そっくり返り」がきつい感じがしたので、ブーツのかかと部分に0.2mmのプラペーパーを貼り増しした。

●現時点での製作に関しては以上。

ただ、ここから先に関しては個人的にちょっと悩みどころ。

当記事の最初に、「私は基本、車両は作るがフィギュアは作らない(作れない)」と書いたが、実際、私はここ数十年(!)ミリタリーフィギュアは作って(塗って)いない。いや、ミリタリー以外でも作っていないけれども。

もともと私はちまちまと対象のディテールをいじるのは(いつも面倒くさいと言いつつも)好きだが、塗装にはあまり熱意を持てないでいる。車輛においてもそうなのだが、特に製作上、組立:塗装の重要性の比率が大きく後者に傾いているフィギュアの場合は、はなから製作しようという気が起きないくらいに縁遠い。

そんな私がフィギュアについてあれこれ言うこと自体がおこがましいのはもちろんのことなのだが、そもそもが、無生物で基本「金属の塊」である車輛(やら飛行機やら)と、柔らかく固定した形状がない生物とでは、「模型にする」切り口自体がまったく異なっている、ような気もする。

もうちょっと補足すると、形がきちんと定まっている「モノ」である車輛や航空機を縮小して模型化するのはあまり無理がないのに対して、「ある一瞬を固定化して縮小する」という過程が一つ加わってしまうフィギュアの場合は、より実物と模型との間に距離があって、「ホンモノらしさ」の追求はさらに難しい気がしている。実際のところ、模型の展示会や、あるいはweb上の写真でフィギュア作品を見て、「うわっ、これスゲー!」と思うことはしばしばあるのだけれど、それは、その作品が「まるで人間に見える」からではなくて、「フィギュア作品として素晴らしい完成度を持っている」から、という場合が多い(と、個人的には感じている)。現実の精緻な復元ではなく、何か、フィギュア製作ならではの la bella maniera がある、というか。

だからといってフィギュア製作を車輛製作より一段下に見ている、ということではなく、単に、例えばテレビで素晴らしい職人芸を見て、「うわ、こりゃスゲーな!」と思いはするけれど、それを自分でする気にはならない、という感じ。

もちろん、車輛やら砲やらを作るうえで、「これはフィギュアが欲しいな」と思う場合もある。例えばトラックや砲の場合など、国籍マークなど付いているのは稀なので、それだけでは何軍所属かもわかない場合も多い。そんな時は、特徴的な軍装のフィギュアを添えておきたくなる。

とはいえ、そのために改めてフィギュア製作のスキルを磨くのも面倒だし、特に最近は老眼が進んで1:35フィギュアの細部塗装などますます無理感が強くなってきたこともあり、「フィギュアを作るだけは作って、サーフェサー吹いてスミイレだけして車輛(ほか)の隣に置いておくのもアリかなあ、などとも思い始めている。この「ポーランド・メタボ士官」も、もしかしたらサーフェサー仕上げになるかも。

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沈頭鋲

●8月15日(すでに日付的には昨日だが)だからといって戦争を振り返らないとイカン、ということではないのだが、たまたま関心に引っかかる話があったので。

●大学時代の後輩であるS君がfacebookに書き込んでいた話題。

この時期お決まりの太平洋戦争振り返り企画の一つで、CBC(中部日本放送)のサイトに『特攻隊を援護し九死に一生を得たパイロット “戦友”と68年ぶりの再会 技術を結集した「零戦」』という記事があり(大元は2013年8月放送の特集番組)、そのなかに、(S君曰く)「昭和時代からよくあるゼロ戦についての間違った俗説、過大評価を相変わらずそのまま載せて」しまった部分がある、とのこと。ちなみにその記事自体はこれ(Yahoo!ニュースによる転載。なぜかCBC本体のサイトでは検索に引っかからなかった)。

なかでもS君が疑問を呈しているのが、

『ボディを接合するリベット「鋲(びょう)」は、頭の部分が平らな「枕頭鋲(ちんとうびょう)」を世界で初めて採用。』

という部分。

私自身、かつて、零戦は初めて落下式増槽を装備したと書いてしまい、その原稿が表に出てから誤りに気付いて(実際には前代の九六艦戦ですでに実用化されている)恥ずかしい思いをしたので大きなことは言えないのだが、この記事はそれ以外にも「零戦はいかにスゴイ機体だったか」的トーンで書かれていて、「なんだかなあ」な気持ちにさせられる。

もちろん、記事中で元搭乗員が零戦の素晴らしさを語っているが、これはあくまで個人の主観であるし、そもそも搭乗員が自分が乗る機体に誇りを持つのは何ら非難すべきことではないので、分けて考えるべき。しかし、地の文が礼賛調なのは、どうにも読んでいて頭の端っこがカユイ気分になる(ということでS君と合意する)。

まあ、どうも書き手は軍事とか飛行機とかに疎そうではあるが、すでに戦争後半で性能的にも見劣りが明らかであったはずの52型に関する米軍側調査書から、「ゼロ戦52型は、中高度・中速度では、どのアメリカの戦闘機より運動性が優れている」と、褒めている箇所だけ抜き出してきている恣意性もちょっとひどい。

●さて、話をちょっと戻して、沈頭鋲について。

S君もfacebookの書き込みですでに指摘しているが、そもそも零戦に先駆けて九六陸攻や九六艦戦で沈頭鋲は使用されており、「世界初」どころか「日本初」でもないわけで、この時点ですでに冒頭引用の一文は誤り、ということになる。

九六陸攻や九六艦戦もまた世界初ではなく、wikipediaには、

世界初のHe70に初飛行で遅れること3年、九六式陸上攻撃機と並び日本で初めて沈頭鋲を全面採用した。(九六式艦上戦闘機

と書かれている(九六陸攻の記事のほうには、沈頭鋲に関しては単に「採用は同じ三菱製の九六式艦上戦闘機と同時」と書かれている)。

これによればハインケルHe70が最初ということになり、実際にwikipedia日本語版のHe70の記事には、

機体表面を滑らかに仕上げる皿リベットの世界初採用

との文言がある。

もっともこれについては、S君もfacebookの書き込みで「本当にドイツのハインケルHe70が世界初かという点にちょっと疑問 」と言及していて、私も「ホンマかいな」という気がしたので、さらに追加で調べてみた。

●まず、He70について、英語版のwikipediaの「Heinkel He 70 Blitz」では、

To meet the demanding speed requirements, care was taken to minimize drag, with flush rivets giving a smooth surface, and fully retractable main landing gear. (厳しい速度要件を満たすため、抗力の減少には細心の注意が払われ、表面を滑らかにするための沈頭鋲や完全引込式の主脚が採用された)

とはあるものの、沈頭鋲採用が世界初であるという記述はない(ドイツ語版でも言及なし)。この時点で、ちょっと日本語版の記述はアヤシイ感じになってくる。

一方、英語版wikipediaのリベットの項のなかの「沈頭鋲」(Flush rivet)の節では、沈頭鋲は1930年代にダグラス社の設計チームが開発したもので、ハワード・ヒューズのH-1レーサーに採用された、と書かれている。しかしヒューズH-1の初飛行は1935年で、1932年末初飛行のHe70より遅く、これまた内容に疑問がある。

(そもそもwikipediaレベルで何か調べ物をした気になっている時点でイカンだろう、と言われればその通りなのだが、今のところは「とりあえず見当を付けてみる」レベルのことしか考えていないので見逃していただきたい)

というわけで、「flush rivet」やら「flush rivet  airclaft」やらで検索を重ねてみて、こんな記事にたどり着いた。

ONE MONROEというサイトの「Who Invented The Rivet? A “Riveting” Bit Of Aviation History.」という記事だが、ここでは、「(外板の)突き合わせ結合(butt joint)と沈頭鋲はハワード・ヒューズが初めて採用したみたいなことを言っているけど、そうじゃないヨ」と前置きした後に、以下のように述べている。

Charles Ward Hall of the Hall-Aluminum Aircraft Corporation submitted a patent proposal for a flush rivet in 1926. Hall’s Buffalo, New York company produced the first aircraft with a riveted fuselage in 1929 with his XFH Naval Fighter Prototype. The first aircraft with butt joints and flush rivets to fly was the Hall PH flying boat of 1929.(ホール・アルミニウム・エアクラフト社のチャールズ・ホールは、1926年に沈頭鋲の特許を出願した。ホールのニューヨーク州バッファローの会社は、1929年にリベット留め胴体を持つ最初の航空機、海軍のXFH試作戦闘機を製作。突き合わせと枕頭鋲を備えた最初の航空機は、1929年のホールPH飛行艇だった。)

この記事自体の裏付けは取れていないが(ホールXFHホールPHも、マイナー機体過ぎてあまり情報なし。とりあえず英語版wikipediaに短い記事はあるが、沈頭鋲に関する言及はなし)、とりあえず現在たどれる限りでは、このあたりが「航空機での沈頭鋲採用」のハシリということになりそうだ。

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ブレッツェル

●右手の診察で整形外科。

レントゲンの結果、折れた部分は「うん、ずれてませんね」とのことで、来週早々には当て材と包帯グルグルが取れる予定。

●昨日記事からの続き。

医者に出かけたついでに、鎌倉のドイツパン屋でソフトタイプのプレッツェルを買ってやろう!と思って足を延ばす。……が、すでに閉店時間だった。それくらい確かめてから行けよ!(一応サイトで営業日は見たのだが、時間は見落としていた)

Img20230802175203 しか~し!

若宮大路、二の鳥居脇のスーパー「UNION」で、なんとスナックタイプのプレッツェルが売られているのを発見。欣喜雀躍(もちろん心の中で)。

本場ドイツ製なので、名称はレッツェルではなくてレッツェル(よりドイツ語風に言うと「ブレーツェル」)。

夕食後、コーヒーを飲みながらオヤツとしてボリボリ食べる。うはぁ~。しょっぺぇ~。うんうん、これだよこれ。

もちろんこの塩辛さは、おそらくビールのおつまみとしてこそ真価を発揮するもので、コーヒーに合うのかというとちょっと微妙なのだけれど。でもこの猛暑の中の塩味は、ちょっと染みるかも。

結構な量があるので、2,3日楽しめそう。この一袋を食べ尽くす頃には、今回の「突発性プレッツェル欲」も治まっているはず。

(8月3日追記。2日目で早々に食い尽くしてしまった。……そしてもうちょっと食べたい気分)

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フリウル廃業

●連日の猛暑。いやもう、気ィ狂ったみたいに暑いのなんのって。

と、そんな毎日だったのだが、8月1日未明、激しく雷が鳴って、2時半頃より久しぶりの雨が降った。これは朝には止んでしまったが、午後になって再び雷雨。これでちょっと涼しくなればいいなあ。

●別売メタル履帯の(たぶん)最大手メーカーであるフリウルモデルが廃業を決定したとのこと。廃業の決定、および機械類・600種に及ぶ製品の型・200種の試作品の継承先募集をサイト上で告知している。

フリウルの製品は、トラックリンクそのものはいいとしても、連結が針金を通すだけなので、端のピン部分の表現がイマイチ。なお、さらに初期の製品は針金止めでもなく、連結部の片側が「C字」断面になっていて、もう一方の、履板と一体成型されたピンにカシメて止める形式だった。これはこれで連結は楽だが、精密度という点ではさらにイマイチな感じ。

そんなこんなで、私は他に選択肢がない場合にだけ手を出していたので、我が家には確か2、3種しかない(B1bis用と、KV後期型の2分割混ぜ履きと、あとはなんだったかな)。もっとも、何か機会があれば欲しいなと思っていたものも何種かあり、やはり廃業は惜しい。

ミリタリー物のアフターパーツも、次第に3Dプリント物が主流になりつつあり、そんな時代にメタル履帯の金型を継承しようという人なり会社なりが現れるかどうか、あまり期待はできない気もする。

ところでフリウルの正式名称が「フリウルモデル(Friulmodel)」なのは上リンクのサイトを見てもわかるが、昔は「フリウルモデリズモ(FRIULMODELLISMO)」だったような。ハンガリーに会社があるのに、なんでイタリア語? 経営者はイタリア人?(フリウーリ人?)

なお、フリウルの本社はハンガリーのÚrhida(ウールヒダ?)という町にあって、GoogleMapsを見ると地図上にしっかり記載されている(→Maps)。

●ここ最近、なぜかプレッツェルが食べたくなり、探しているのだが見つからない(プレッツェルに何かしらの思い出とか思い入れとかがあるわけでもないのに)。

ごく普通の――つまり、結び目の形に焼かれて塩粒がまぶされていて、「うわ、塩辛ェ」というのが食べたいので、亜流である「プリッツ」とか、スナイダーの「砕いてあれこれ味付けしたヤツ」とかは対象外。カルディや成城石井にはありそうな気がしたのだが置いていなかった。

逗子駅前のスズキヤには、ハーシーズのチョコ掛けはあって、それはそれで惹かれたが「プレッツェル欲」を満たせるかどうかといえばこれまた対象外。ちなみにチョコ掛けプレッツェルは、最近ブルボンのものがスーパーやコンビニで売られていて、そこそこ美味しいが、“プレッツェル感”は若干弱い。冬季のみカルディで売られているアメリカ製のチョコ掛けプレッツェル(ブランド名は忘れた)が、固さも塩気もしっかりしていて美味い。

Img20230731191214閑話休題。「普通の」プレッツェルに関しては、たぶん、一度しっかり食べたら「ああ、うんうん、こういう味だったよな」で満足して終わりということになると思うのだが、手に入らないとなると益々無性に食べたくなってくる(通販で頼めば簡単だが、「こんなのに無駄遣いして!」とかみさんに怒られる)。

そんなこんなで、何度目かのカルディを覗いたら、そのものズバリではないものの、スナックのアソートにプレッツェルが混じっているのが売られていた。

入っているプレッツェルは長径で3センチあるかないくらいの小さなものだが、一応は求めている「普通の(スナックタイプの)プレッツェル」だった。とはいえ、いろいろある中に少量混じっている程度だったし、やや味わい的にボンヤリした感じだったので、なお「プレッツェル欲」継続中。

かつてブッシュ(息子)大統領(当時)がプレッツェルを喉に詰まらせて死にそうになった時には、その後、全米から続々とプレッツェルがホワイトハウス宛に送られてきたそうだ。それらのプレッツェルは、誰がどうやって処理したのかなあ。いずれにしても、我が家にプレッツェルを送ってくるような奇特な人はいなさそうだし、そもそも突然送られてきたら怖い。

そういえば、大きくて柔らかいパンタイプのプレッツェルなら、ドイツ風パンを扱っているお店なら売っているかもしれない、そういえば鎌倉にドイツパンの専門店があったなあ、と思い付いた。検索してみたら売っている様子。今度行ってみよう。

●右手の当て材と包帯ぐるぐる巻きは、あと一週間少々しないと取れない(はず)。

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