つれづれSU-100(5)
●ドラゴンのSU-100制作記の続き。しばらくブログ更新をさぼってしまったので、生存報告を兼ねて。
とはいっても、目立った進捗があるわけではなく、割と小ネタの寄せ集め。
●現状の全体像は、以下のような感じ。
戦闘室周りの工作はほぼ終了、ただし金属線に作り替えた各部の手すりは未接着。エンジンルーム左右の予備燃料タンクステイも未工作。
キットに含まれる後期型燃料タンクステイも、大戦末期からすでに使われ始めているらしいので、仕様的にはそのままで構わないはず。キットのパーツはちょっと厚みがありすぎるのだが、薄いプラバンで作り替えると、今度は強度的に頼りなくなる(しかも突出しているので壊れやすい)ので、キットパーツをそのまま使用する方向に傾き中。
ほか、細かい進捗としては、フェンダーの破線状の溶接痕と、グローサーの取り付け金具を工作。フェンダー外側は金属線、車体側はキットのモールドを削り取り、キット付属のパーツを使用。キットパーツのほうが少しだけ太いが、塗ってしまえばあまり目立たない(はず)。
車体前面は、記事第一回にも書いたように、実車では前端の三角材と上部正面装甲板との間に明瞭な段差があるのだが、キットでは無視されているので、これを再現。キットの三角材をわずかに削って小さくし、下側にずらして接着することで段差を付けた。段差部にはプラペーパーで小口の荒れも表現したが、最終的には予備履帯でほとんど隠れてしまう。
初期型の特徴である丸フェンダーの内側ディテールは未工作。
車体前側の各ハッチには、開閉補助用の棒バネがついている。キットでもモールドで表現されているが、前端部はハッチ側・車体側で分裂してしまっているので、この部分だけ削って作り替えた。蝶番の軸も兼ねた後方部も一緒に作り替えたほうがよりよい……とは思うが、ドリルの刃が届かないので分割工作が必要になり、面倒くさいのでパス。
それはそれとして、前側のハッチにはこのように開閉補助バネがあるのに後ろのハッチにはなく、一方で後ろのハッチにはロック機構があるのに前側のハッチには(少なくとも見える表側には)ない、というのがちょっと不思議。
キューポラの両開きハッチは、実車では自由に回転する。私は別に可動にこだわるほうではないが、お行儀よく方向を定めて接着してしまうのも何だし、かといって載せておくだけでは落としてなくしてしまいそうなので、簡単な差し込み部を作った。
これまた記事第一回に書いたように、ABERの100mm砲身は砲口部が明らかに狭すぎる。どのみち内部のライフリングも再現されていないので、ヤスリを突っ込んでゴリゴリと削った。
砲身は外部防盾に接着(防盾に開いた照準口はやや小さく開け直した)。後々の塗装の便を考えて、基部との接続は、金属線を埋めて着脱式とした。
●足回りの工作も少々。
転輪は以前に書いたように、頂き物のminiarm製品(#35178、SU-100,SU-85,T-34 Pressed roadwheels set (Sormovo Factry))を使用する。キットの転輪と比較すると、以下のような感じ。
基本はほぼ同じタイプの転輪(ディッシュタイプでゴムリムは穴・刻み目無しのソリッド)だが、ゴムリム部の細い凸筋ディテールが僅かに違う。時期の差なのか、同時期生産でバリエーションがあったのかは不明(そもそも現存博物館車両のクローズアップとかでないと、ゴムリムのこんな細部までは判らない)。
ドラゴンのキットの転輪はご丁寧に凸筋がトレッド部分にもモールドされているが、パーティングラインやゲート痕を綺麗に消そうと思ったら、このモールドも一緒に削り取らざるを得ない。まあ、実車でも、こんな筋があったとしても使用後ほどなく摩耗してしまうと思うけれど。
転輪本体のディテールに関しては、miniarmのパーツは外周内側に溶接痕がモールドされていること、転輪ディッシュ部内側の、内外の隙間とその間のボルトシャフトも再現されていることなどはアドバンテージ(ただし後者は組んでしまえばほぼ見えない)。転輪全体の幅はドラゴンのもののほうが僅かに厚い(どちらが正確なのかは不明)。
miniarmのパーツは(これも以前書いたように)ハブキャップが初期型・後期型の2種が入っているが、どちらも戦後タイプの特徴である、中心のグリースアップ用ボルド頭(?)がモールドされているので、戦中型で作るのであれば、それを削り取る必要がある。
また、miniarmのパーツは基本、モールドはシャープで美しいのだが、ゴムリムの外周およそ半分くらいまで湯口があり、さらにその脇がややヒケたように窪んでいたりするので、その削り/埋めにやや手間取った。
起動輪は、ドラゴンのキットのパーツ(写真2枚とも左側)はローラーピン部の頭が平たくなった戦後仕様となっているので、miniartの転輪セットに入っていた戦中型(右側)に取り換えることにする。戦中型(の後期仕様)は、表側がキャッスルナット、裏側が(初期仕様で表側となっていた)円錐形のピン頭となっている。
ドラゴンの起動輪とminiartの起動輪は、仕様の差以外にぱっと見の大きな違いはない感じだが、実際には厚みは結構違っていて、miniartのもののほうが薄い(ただし内外の間隔はminiartのほうが広い)。直径はminiart製のほうが僅かに大きく、車体に取り付けると、第5転輪との間隔はだいぶキツキツ。
なお、転輪と起動輪、それぞれキットのパーツではないので、車体に取り付ける際、縦方向(車体前後方向)の中心線がきちんとは揃わず、若干の調整が必要となった。
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