つれづれSU-100(3)
●行き当たりばったりなドラゴンSU-100(初版)製作記、3回目。
今回はドライバーズハッチのディテール修正と、キューポラ改造の続き。
●まずはドライバイーズハッチから。
SUとT-34(戦車型)のドライバーズハッチの違い、さらにSUの中でのSU-85用とSU-100用の違いについては、(前回も書いたが)セータ☆さんの記事、gizmolog「SU-85&SU-100・操縦手ハッチの鋳造刻印文字」に詳しいので参照のこと。
修正工作としてはポイントは3つで、
- ドラゴンSU-100初版のドライバーズハッチのパーツは、最初のT-34-85キットと共通で、ペリスコープカバーの嵌る窪みがない、ロックハンドルの軸(がハッチ表面に貫通している部分)の位置が高く表現もイマイチ、などの問題があるので、これらを修正する。
- T-34系列のドライバーズハッチは仕様や生産時期によって(おそらく下請け工場の差で)仕上げに差が大きく、SU用やスターリングラード・トラクター工場製車輛のハッチは鋳造肌がかなり粗いイメージなので、その表現を付加する。
- 戦車型との違いを含め、SU-100用の特徴を盛り込む。
1枚目はキットのパーツ。良くも悪くも「綺麗な」パーツ。
ロック機構の軸部分は、実物では貫通させた軸を溶接で固定しているので、もっと「ぐちゃぐちゃ」している。また、周囲が一段窪んでいるので、キットパーツの半球形のモールドを削り、やや下に大きめの穴を開け、ランナーを挿し込んで僅かな窪みを再現。中央に輪切り伸ばしランナーで軸部を付ける。
ペリスコープカバー部が当たる部分は、一段低く削り込む。
SU用ハッチは中央に巨大な湯口の削り跡があるので、プラペーパーを貼って再現。
SU-100用は中央下に「P.」の刻印があるので、これもプラペーパーで再現。
2枚目はおおよそ形状修正を済ませたものと、ズベズダのSU-85用のパーツとの比較。ズベズダのキットはSU-85用、SU-100用ともそれぞれきちんとディテールの特徴を盛り込んでいる、鋳造肌や切削跡などはまったく再現されていない。「C.」と「P.」の位置が違うのは実車同様。
ハッチ表面は接着剤を塗って荒らし、最後にサーフェサーをベタ塗りして様子を見たのが3枚目。ペリスコープ自体や、ペリスコープカバー操作ロッドの穴などは未工作。
●キューポラ工作。
基本形状の修正(ハッチの偏心)は前回までに済ませているので、視察スリットの工作と鋳造肌の再現を行う。
キットは、キューポラ本体のパーツ表面に、スリットの「リップ」のパーツを貼りつけるようになっているのだが、スリット自体開口していないし、形状もやや実感に欠ける。以前、SU-85Mを作った時にはキットパーツに直接ホットナイフを当ててスリットを開けたのだが、その場合、形状はキットパーツとどっこいどっこいだし、正確に望む位置にホットナイフを当てられる気もしなかったので(SU-85Mの時はどうやったんだろう?)、今回はもうちょっと面倒臭い方法を採ることにする。
まずは、スリット位置にドリル、ペンナイフ、ヤスリをあーだこーだして大きめに穴を開ける(写真1枚目)。
次に、その開口部の上下に0.3mmプラバンを貼って、リップ部の“もと”を作るとともに均一な幅のスリットを作る(写真2枚目)。
スリットの両側にもプラバンを貼ってから、いい具合に突出するように削り、さらに溶接跡を追加。並行して、流し込み系の接着剤でキューポラ表面を荒らして鋳造肌を作る(写真3枚目、4枚目)。キューポラと車体との接続部も、キットのパーツはいかにも「別部品」感が高かったので、削ったり荒らしたりして溶接跡の感じを加えた。
ハッチは、実車では基部ごと回転するので、生きている状態の写真を見ると、割と方向はまちまち。ペリスコープの位置を考えると前後開き方向が基準のようだが、左右開きにしている例も結構ある。わざわざ回転可能に工作するのも面倒だが、方向固定で接着するのももったいない気がして、現時点ではただ載せているだけ。
●さあ、これで面倒臭い工事はほとんど終わったぞ~。
……と思ったら、結構大きな落とし穴を発見して茫然。
そちらの工作もすでにある程度進めたが、それに関しては次回。
| 固定リンク
「製作記・レビュー」カテゴリの記事
- Char 2C MENG 1:35(の突発的レビュー)(2024.08.17)
- I号戦車B型 アカデミー 1:35(2)(2024.07.12)
- I号戦車B型 アカデミー 1:35(2024.07.08)
- ミニスケール2題(2024.07.04)
- シロマダラ(2024.06.24)
「SU(T-34系)」カテゴリの記事
- つれづれSU-100(6)(2023.12.19)
- つれづれSU-100(5)(2023.06.24)
- つれづれSU-100(4)(2023.04.01)
- つれづれSU-100(3)(2023.03.30)
- つれづれSU-100(2)(2023.03.19)
コメント
お久しぶりでございます!
これは4月9日の横浜AFVの会に向けての追い込み製作なのか、はたまた本当はやらねばならぬ作品があるけど何故か浮気してしまうモデラーのサガでしょうか・・・
しかしキットと睨めっこして、ああでもないこうでもないと試行錯誤している時は非常に楽しいものですよね~
横浜AFVの会は来られますか?
投稿: ケン太 | 2023年3月31日 (金) 23時08分
>ケン太さん
あああああああああ。
横浜AFVの会がすぐそこまで迫っているのをすっかり忘れていました。
行きます!
しかし作品がないいいいいい。
今から何かできるかな。
投稿: かば◎ | 2023年4月 1日 (土) 00時19分
かみさんに指摘されて思い出したのですが、4月9日は地元自治会の役員会会合でした……。
うーん。最後の2時間ほど顔出しできるかどうか、くらいの感じです(がっくし)。
これからあわてて出品作を取り繕わなくてよくなった、とも言えますが(ロールスロイス装甲車の仕上げをしようかとちょっと思ってました)。
投稿: かば◎ | 2023年4月 1日 (土) 10時48分
むむ!町内会ですか~
今回私は初?1/72のキットでの参戦で、間に合えばボーダーのⅣ号戦車F型で久々のWW2でいくのに・・・・
どちらにしろ、お待ちしてますよ!A氏も来られるでしょうし、AFV会が終わったら食事か吞みにでも行きましょう。
かばさんも工作編で横浜参加して、東京AFVの会に塗装編で参加もアリではないかと。
投稿: ケン太 | 2023年4月 3日 (月) 23時24分
長男の大学浪人生活スタートで
嫁が殺気立ってヤバい空気なので
当分は機嫌を取る生活になりそうです。
ちなみにACEのDIANAは工作6割くらい。
投稿: めがーぬ | 2023年4月 4日 (火) 12時22分
>ケン太さん
とりあえずは、自治会が長引かないのを祈るばかりです。
>めがーぬさん
おお。それは残念。ディアーヌ、東京AFVの会の折にサニーで購入されたんでしたっけ。
投稿: かば◎ | 2023年4月 4日 (火) 12時30分
>かば◎さん
前のコメにも書きましたが、お待ちしてますよ。
余談ですがスミコンに参加していたある方(イタリアや旧社会主義圏を好んで作られる方)が参加されるそうですよ~
(その方のスミコン当時のHNを忘れてしまった)
>めがーぬさん
ご愁傷さまです・・・
普段から接待を欠かさない私に隙はありません!
家庭内の空気が改善されて来れそうなら来てください
投稿: ケン太 | 2023年4月 8日 (土) 14時18分
みなさま、ご無沙汰してます。
明日の横浜AFVは参加見合わせます。
先週ちょっとアメリカ行って帰国して以来体調が良くないのです。
まさかCovid-19ではないと思いますが、万一ということもあるので大人しくしてようと思います。
年明けから忙しくて模型を触ってないというのもあるのですが...
元気になったらまたよろしくお願いします。
投稿: ミカンセーキ(hn-nh) | 2023年4月 8日 (土) 21時59分
普段から嫁に気を使っておりますが
子供は私の制御下にないし
なるたけ自由にさせてやりたいし
う~ん
東京AFVの会の頃には安定すると楽観視。
>ディアーヌ
去年買ったのを早速組んでいますが
第一印象以上に、金型のモールドに成型技術が追い付いてなくて
ひたすらパーツを削る日々です。
でも完成したら見映えしそうで楽しみっすよ~
投稿: めがーぬ | 2023年4月11日 (火) 20時18分
>めがーぬさん
ミニスケールでも「こりゃスゴイ!」という超絶モールドなキットも散見されるようになった一方で、ACEとかアタックとかは、依然、「苦難の道だなあ」というイメージで、(アイテム的にちょっと欲しいのはあっても)手を出しかねています。もうそのへんは、めがーぬさんにお任せです ^o^;
ミニスケールも久々に何か完成させたいなあ。
投稿: かば◎ | 2023年4月16日 (日) 15時29分