アルビオン燃料補給車・中間報告
●年末からいじっている、エアフィックス 1:48、アルビオンAM463燃料補給車の製作記の続き。
とはいえ、しっかりディテールアップするほどの資料も(そしても元々そのつもりも)ないことなので、比較的淡々と作業を進めているだけ。
●その前に一つ。
当ブログの古い記事をつらつら見ていたら、なんと!昨年末の記事以前に、このキットを入手した当初に、一回すでにレビュー記事を書いていた。すっかり忘れていた。ボケとるなこりゃ。しかも書いている内容自体、年末に書いた記事とおおよそ変化なし。特に手元に資料等ないアイテムなので当然と言えば当然だが、なんとも進歩のないことで。
●現状。塗装の便も考えて、あちこち未接着ではあるものの、ほぼ車輛の全体形が見えてきた。
御覧のようにディテールもなかなかしっかりしていて、小粋な姿に組み上がるキットなのだが、先日も書いたように、パーツの位置決めが曖昧な個所が多いこと、「なんだそりゃ」な組立手順が随所にあることなどが問題点と言えそう。説明書はすごく丁寧なのになあ……。
以前に書いたことも含めて、組立手順上の注意を以下に纏めておく。
▼燃料タンク(C12・C13)は手順14でシャーシフレームのステイに接着するよう指示されているが、ダボなどもないので取付位置が曖昧。実際には、手順41でタンク脇のステップ(B01)を取り付けないと、タンクの正確な位置は判断できない。なお、キットではステイに対してタンクは左右不均等に付くことになるのだが、実車ではステイの間隔がもっと広く、ステイは左右対称に、タンクの両端にあるのが正しいようだ。
▼手順15、16でエンジン周りの小部品を付けるよう指示されているが、これは手順6のエンジンのシャーシフレームへの取付以前に済ませたほうが楽。ただし、パーツB19のファンベルトだけは、逆に、手順44のラジエーター(D10)の取付直前のほうがいいと思う(ラジエーターとエンジンを結ぶパーツなのに、角度を決めるダボなどがないので、いざラジエーターを付けるとき、がっちり固着した状態でズレがあると厄介)。
▼手順23で付けるよう指示されているシフトレバー(D02)は、実際にはキャビン床に空いた穴を通して、シャーシに付いているトランスミッションに取り付けるようになっているので、キャビン床をシャーシに取り付けた後でないと取り付けられない。そして組立説明書の手順通りに工作を進めると、キャビン取付時にはキャビンの屋根まで含めて箱組が済んでいるので、シフトレバーは取り付けようがない。どないせいちゅうねん。また、トランスミッションはすでに手順4でシャーシフレームに取付済みだが、実際にはきちんとキャビン床との位置調整をしながら取り付けないと、シフトレバーの取付部と床の穴の位置が一致しない。
▼手順42で取り付けるよう指示されているキャビン乗降用ステップ(B14)は、手順31のキャビン取付前に付けたほうが楽。いやまあ、キャビン取付後でも付けられるけどね……。
▼ポンプ部品(D12・D18)は手順33でポンプ室の床(B08)に、ホースの根本(D13)は手順36で天井(B09)に付けるよう指示されているが、この手順で組むと、最終的に手順37でポンプ室を組む時に、ホースとポンプをきちんと接着できない。まあ、どうせ接合部は裏に隠れて見えないからいいよ、とも考えられるが、それではどうもキモチワルイと思う人は、手順34でポンプ室の背板(A10)を接着せず、手順35で側板(B10)を床に付ける際にガイドとして添えるだけにして、最終的に、ポンプとホースを接合してから背板を付けるようにするといいと思う。私は塗装の便を考えて、そもそもポンプ+ホースと、ポンプ室をそれぞれ別に組んでしまった。この状態でもあとからポンプ室にポンプを挿し込むことは可能。
▼手順40。タンクとポンプ室の接合はしっかりしたダボなどなく、ポンプの上下がだいぶ左右回転方向にブレる。ポンプのキャップ(A12)がちゃんと真上を向くよう、シャーシフレームに仮置きして確認が必要。
▼同じく手順40。タンク前端左右のラダーだが、タンク上部の「受け」形状がちょっと変で、ラダーの一番上の横棒がと干渉して隙間ができる。「受け」部分を、横棒がうまくはまるよう削って調整が必要。
▼手順48。キャビン横のスペアタイヤの取付位置が曖昧。私は塗装説明図(の側面図)を頼りに位置決めをしたが、後から実車写真を見たら、もっと下にずらしたほうがよかったようだ(右側面が写った写真は手元に1枚しかないので、もしかしたら個体差があるのかもしれないが)。
現時点で手を入れた部分、あるいはちょっと気になったけれども手を入れなかった部分は以下。
▼フェンダー裏側の薄削り。これは先日書いた通り。後輪フェンダーも前後縁は少し削った。
▼ポンプ室内部の若干の改修。これも前回書いた通りだが、天井にあるブーム操作用のハンドルがまるっと省略されているので、今後追加の必要がある。
▼ポンプ室の箱組は、側板(B10)と床(B08)・天井(B09)の継ぎ目にやや隙間と段差が生じるので、伸ばしランナーやら瞬着やらで埋めてゴリゴリ削った。
▼タンク横のラダー(D04)は実車写真を見るともっと細くて華奢なのだが、プラパーツとしてはそこそこ頑張って細いので、ちょっとヤスっただけでそのまま使った。
▼タンク横下のステップのうち、左側のB01は前方の凹部分はプラが厚かったので、0.5mmプラバンで作り直した。また全長がわずかに寸足らずだったのも、この凹部分の作り替え時に調節した。
▼エンジンボンネット側板の手すりをプラペーパーで作り替えた。
▼バンパー(D19)の横棒部分が変形していたのでエバーグリーンのプラ棒で作り替え。ついでにステイ部分を薄削りした。
▼エンジンはそれなりに再現されているが、上にラジエーターと繋ぐパイプがあるんじゃないかなあ。いやいや、もちろん下にもね。ただし、最終的にはボンネットを閉めてしまう予定なので追加工作などはしない。
今のところはこんな感じ。燃料ホースはアルミ線とかで作り替えかなあ……。
| 固定リンク
« 謹賀新年2023 | トップページ | 厄除け »
「製作記・レビュー」カテゴリの記事
- ずしのむし(2023.11.02)
- ポーランド・メタボ士官(2023.08.26)
- つれづれSU-100(5)(2023.06.24)
- つれづれSU-100(4)(2023.04.01)
「アルビオン燃料補給車」カテゴリの記事
- アルビオン燃料補給車のその後(2023.02.14)
- 厄除け(2023.01.27)
- アルビオン燃料補給車・中間報告(2023.01.09)
- 謹賀新年2023(2023.01.05)
- 彫師(2022.12.29)
コメント
アルビオンAM463と聞いて、ヴァンダーヴィーンの世界の軍用自動車を眺めてみました。
1941年以前はRAFは空軍独自のタイプとしてアルビオンAM463を指定しているので、この車両がRAFのみで運用されている記述でした。
ただし救急車、トラクター、バンなどに合計1900台のシャシーが納入されたとあります。
このアルビオンのシャシーは1934年に救急車に初登場しています。
投稿: シェル | 2023年1月 9日 (月) 19時28分
>シェルさん
6年前、このキットを入手した時に書いたレビューでも、シェルさんからコメントを頂きました。どうもありがとうございます。
上記のように、「キットの出来はいいのに、なぜか組立上の配慮は一昔前の簡易インジェクション並み」という謎な部分があるキットですが、そのあたりに注意さえすれば、なかなか楽しいですよ。
シェルさんもいかがですか?
投稿: かば◎ | 2023年1月10日 (火) 01時21分
かば◎さん
6年前もコメントしていたのですね(汗)
最近1/48の大戦初期のハリケーンやスピットファイアを衝動買いしてしまいました。
こういう車両と組み合わせるのも愉しそうですね。
ヴァンダーヴィーン本は不鮮明な写真が一枚のみですが、
トライしてみますか?(笑)
投稿: シェル | 2023年1月10日 (火) 08時47分
>シェルさん
私も古いエアフィックスのハリケーンMk.Iを持っていて、こういう機会でもないとこの先一生作りそうにないので(それなら買うなよって話ですが)、一緒に作りたいなあなどと思ったのですが、何しろ昔に買ったものなので、ストックの山の奥底に紛れて出てきません。何をやってるんだか……。
投稿: かば◎ | 2023年1月10日 (火) 22時45分
かば◎さん
ハリケーンMk.Iって無骨でいいですよね!
この時代のスピットファイアよりも好きです。
発掘されましたら、競作としましょうか(笑)!?
投稿: シェル | 2023年1月12日 (木) 09時28分