えのすい
●10日土曜日。息子一家と新江ノ島水族館に行く。
チビ(4歳)的にはイルカのショーだったようだが、個人的には、「えのすい」といえばやはりクラゲ。
●ダイオウグソクムシの水槽を見に行ったら、相変わらず「生きてるんだか死んでるんだか」状態で底でじっとしていたが、水槽の展示名称が「オオグソクムシの一種」になっていた。
その理由も掲示されていたが、どうやら、過去飼育していた個体(死体)を台湾の専門家が調べたところ、ダイオウグソクムシとは違う新種が混じっていたとのこと。ただし、その新種(エノスイグソクムシという和名が付いた由)はダイオウグソクムシとよく似ていて外見では区別しづらく、現在飼育・展示中のものを生きたままDNA検査等は難しいため、展示名を「~の一種」にしたのだそうだ。えのすいのサイトにある、より詳し解説はこちら。
●ゴマフアザラシ(だったかな?)の水槽で、ギリギリ隅っこの鋭角になった部分に一頭が頭を下にしたままきっちりはまり込んでピクリとも動かない。いわば犬神家の助清状態(全体が水没しているが)。
それを見た息子が「あれは死んでるんじゃないか。(いかに海生とはいえ)息をしないといけない哺乳類が、水中で逆さになってピクリともしないのはおかしい」と心配する。しばらく見ていても全く動かないので、とうとう息子嫁が近くの職員に聞きにいったのだが、結果、「アレは何故かあそこに挟まってるのが好き」だというのが判明。
更にしばらく見ていたら、もそもそ動いて海面に浮かんで息継ぎをして(?)、それから再度、先刻よりもさらにぎゅっと角に体を詰め込んで逆立ちをした。
子どもが押し入れの隅っこなどにお気に入りの居場所を見つけるようなものか?
●KVの履帯および転輪の変遷/ディテールのチェック作業のこぼれ話。
生産工場がチェリャビンスクに疎開して以降、ZIS-5搭載型(いわゆる1941年型)の後期からは、KVは緩衝ゴムを内蔵していない全鋼製の転輪が使用されるようになる。タミヤの旧KV-1の最初のキット(キット名称「KV-1C」)にも付けられていた転輪なので、見た目に関しては割とお馴染と感じる人も多いはず。以下写真はボービントン所蔵の鋳造砲塔搭載1941年型のもの。wikimedia commons、File:KV-1 front-right 2017 Bovington.jpg(Morio)より切り出し加工。
この転輪、初期の緩衝ゴム内蔵転輪や、後のJS用転輪とは違って複列のホイールディスクは裏表非対称で、表側は深く窪んで強化リブがあり、これが背中合わせにされた形状となっている(鋳造の場合は、プラモデルのように同形のパーツをくっつけているのではなく内外一体で作られているのかもしれないが)。
タミヤの旧キットのパーツでも、トランぺッターのパーツでも、このホイールの裏面は真っ平ら、つまり断面でみると ] (ホイール全体で言えば ][ )という形状になっているのだが、実物の写真を見ているうち、「これ、底は平らじゃなくて、中央に向けてちょっと窪んでるんじゃない?」という疑問がわいてきた。これは、同じく平らだと思っていた後期型の全鋼製上部転輪が、実は中心に向けて窪んでいた(タミヤの新KV-1のキットではそうなっている) のが判ってびっくりした、というのも少し手伝っている。
6方向に延びているメインのリブは外側に向けて背が低くなっていて、それもあって「なんとなくそう見えるだけ」という可能性もあるので、上写真をもとに、リブの根本に線を引いてみた。
ホイールディスクの底面が真っ平ら(同一平面)だった場合には、正反対の位置にあるリブの根元のラインは一直線になるはず。しかし、写真のように2組のリブ(黄色およびオレンジ)で引いてみた線はどれも若干の角度のズレがある。
これは、やっぱり窪んでたんだ!!――と断定しかけたのだが、改めて考えてみると、このリブは(前述のように)中央で高く、外側で低いので、根元部分の厚みも中央に向けて増しているかもしれない。その場合は、向かい合わせのリブの根元のラインは一直線にならなくても不思議はないことになる(そもそも入隅がビシッと角になっているわけではなく、やや曖昧なところに適当に線を引いているので、線の引き方自体が正確かという問題もある)。
転輪を真横方向(転輪軸に対して直交方向)から撮った写真があるとかでなければ、実物を見てみないことにはよく判らない話なので、現時点では答は出しようがなく、モヤモヤ状態。こんな時(だけ)の神頼み的に、かさぱのす氏に「どう?パロラでじ~っくり写真撮ってない?」と問い合わせてみたが、「知らんわそんなもん(大意)」というお返事であった。
そういえば、どこかの資料にこのタイプの転輪の断面図とか出てないかしらね。
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コメント
ちょっと前までなら、「知らんわそんなもん。三角定規だけ持って、現地行ってきなはれ!」と返せたんですけどね(~ヘ~)
コロナ騒動といいシベリア上空を飛べなくなった(チケット代よりも燃料サーチャージの方が圧倒的に高い!)ことといい、返す返すも、色々「第二次大戦の終わらせ方を間違えたよなー」、と。困ったもんです。
投稿: かさぱのす/かさぴー | 2022年12月11日 (日) 17時53分
>かさぴー
いやいや。これまでに、
・KVの上部転輪の間隔
・ランズベルク製軽戦車車台の上部転輪軸の謎
・PaK38/97の砲身寸法
などなど。
「え~ん、助けてよぅ、かさぴぇも~ん!」と言えば、
「しょうがないなあ、かば太くんは~。
いつでもパロラ~!(ちゃらららったら~ん!)」
――状態で返ってくる答に、何度お世話になったことやら。
それにしても、何かをしようとするたび、
「ロシアのウクライナ侵攻のせいで」
「コロナのせいで」
に引っかかってしまうことがやたらに増えたのは、本当に困ったものですね。
まあ、第二次大戦の終わらせ方に関して言うと、「もっとややこしいことになっていた」可能性も大きそうですが。
投稿: かば◎ | 2022年12月12日 (月) 00時06分
全鋼製転輪の中央は窪んでますね。
以前ブログで取り上げたロシア製のKV転輪もちゃんと窪んでました。
Miniarmから発売される(された?)KV転輪も、当然ながら再現されている様です。
http://gizmolog.cocolog-nifty.com/blog/2010/12/dt-35135-kv-42a.html
http://gizmolog.cocolog-nifty.com/blog/2012/06/dt-35135-kv-75c.html
投稿: セータ☆ | 2022年12月14日 (水) 11時55分
>セータ☆さん
おおぅ! いきなり答が。
どうもありがとうございます。
そうですか。窪んでますか。
ちなみにライフィールドの1942年型の転輪は窪んでいるとか。
でもフィン(リブ)が厚いんですよねー。
miniarm、まだサイトには掲載されていないようですが、全鋼製転輪も出す予定があるんですね。
投稿: かば◎ | 2022年12月14日 (水) 15時33分
あと、工場図面的なヤツです。
パソコン画面をスマホで撮影したものなのでモアレが出てたりしますがご容赦。
https://gizmolog.cocolog-nifty.com/photos/uncategorized/ab45c84af9f84f9b9d4258fe26ff1e1b.jpeg
Miniarmは一応KV転輪は全種出すとアナウンスはしてますね。
ただハーフリブ転輪みたいに「違うだろ!」的なブツもあって、うーんって感じです。
投稿: セータ☆ | 2022年12月14日 (水) 18時58分
>セータ☆さん
おお。断面図、ありがとうございます。なるほど、これくらいの「深さ」なんですね。
>>ただハーフリブ転輪みたいに「違うだろ!」的なブツもあって
うーん、あれはね~。「え、なんでそうなっちゃったの?」みたいな感じですね(^_^;)。
「あ、一つ置きなんだ」ということに気付いたところで、もうそのまま突っ走っちゃったみたいな。
まあ、ああいうタイプが絶対になかった!とは言い切れないのがソ連戦車のコワイところですが。
ちなみに通常の緩衝ゴム内蔵型後期型のリブ付き転輪、「鏡写し」もあるとのことですが、web上に写真あります?
投稿: かば◎ | 2022年12月14日 (水) 20時41分
>>鏡写し
例えば、フロントバヤ〜05/2001『KV戦車の歴史』だと、P.60の一番下の写真。結構良く見る写真ですが、最後部の転輪がそうですね。
私も丞さんに教えてもらったんですが(この写真だったかどうかは忘れましたが)、混ぜ履きしてるので、裏焼きというセンは無いのです。中々気が付かないですよね。
投稿: セータ☆ | 2022年12月14日 (水) 23時33分
>セータ☆さん
うわっマジだ。
これ、「Тяжелые танки КВ-1」だと、エクラナミののページ(http://www.kv1ehkranami.narod.ru/kv1ehk_foto.html)で、No.11として紹介されている(写真が何枚も載っている)車輛なんですが、私はこれまで、単に「穴無し転輪と後期のリブ付きの混ぜ履き」とだけ認識してましたよ。
しかしこんな写真のすみっこ(しかも不鮮明)、丞さん、よく気が付きましたねえ。
CHINO MODELさんがKVの緩衝ゴム内蔵転輪を検討中だそうですが、さすがにここまでは出さないだろうなあ(笑)
(でもハーフリブと全鋼製転輪はねだってみたら目があるかも)
投稿: かば◎ | 2022年12月15日 (木) 00時12分