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アルビオン燃料補給車 AIRFIX 1:48

Img20221225203015 ●久しぶりにこつこつ模型の手作業中。

ネタは老舗エアフィックスの「アルビオン燃料補給車(ALBION 3-POINT FUELLER)」。

イギリス空軍(RAF)の地上支援車輛で、RAF以外で作りようがない(もしも他国で使っていたとしても知らない)アイテム、しかも48となると、私の通常のアイテム選択範囲からは外れるのだが、そのクラシカルな風貌とタンク上に背負った給油ブームなどの面白さに惹かれて、ついつい飛びついてしまったもの。発売されて割とすぐに買ったような覚えがあるが、SCALEMATEによれば、発売は2015年。そんなに前だったかなあ。

いやいやいや。模型を作るなら、作りかけのアレとかアレとかアレを進めろよ!次から次にお手付き増やすなよ!という自分ツッコミも毎度のことだが、まあ、勘弁しておくれ(誰に謝ってるんだか)。

とにかくこのキット、買ってそのまま仕舞い込んであったのだが、今回わざわざこれを取り出してきた理由は、来年の東京AFVの会のお題が「1930年以降の英語圏のミリタリー物」であるため。

「う~ん、そんなもん、ウチにあったかなあ」としばし悩んだ末、この程度しか思い至らなかった。実際にはイギリス製/アメリカ製AFVのキット・ストック(および作りかけ)はそこそこあるが、み~んな所属がソ連赤軍だったり中国軍だったり自由ポーランド軍だったり。まともに英軍所属の作りかけで「塗りかけのロールスロイス装甲車があった!」と思ったのだが、1930年より前なのでアウト。あっ、SASジープとかデザート・シボレーとかもあったわ(今思い出した)。

もっとも、どうせそのうち他のキットに浮気するので、来年の東京AFVの会までに完成するとは思えないけれど(←今から後ろ向き)。

●とにかくせっかくいじり始めたので簡単に実車とキットの紹介を。

キット名称では「ALBION 3-POINT FUELLER」としか書いていないが(アルビオン3点燃料補給車、とでも訳せばよいか?)、一応、車輛の形式名というのがあって、ALBION AM463という。この形式名は燃料補給車固有のものではなく、1930年代に登場した汎用のトラック車体のもので、他にも通常のトラックとかトレーラーとかバンとか救急車とかクレーン車とか、あれこれあるらしい。

燃料補給車は「3-POINT FUELLER」の名の通り、燃料ホース付きの可動式ブームが3本タンクの上にあって、どうやら同時に3機を相手に給油ができるらしい。

説明書の解説によれば、開戦時には400輌以上が英空軍にあり、大戦初期の燃料補給車の主力として使われたらしい。

とはいっても、地味な裏方車輛のことなので、ネット上で漁ってもそれ以上に詳しい情報も、写真もそれほど出てこない。まあ、そのぶん、ほぼほぼキットを信用して作るしかないかな、という相手ではある。

●キット内容は、透明パーツを含めてプラパーツの枝が5枚。48の小柄なキットの割に、結構ギッシリ感がある。

近年のエアフィックスは、35AFVではアカデミーのOEMが多いが、このキットはエアフィックス・オリジナル(たぶん)で、飛行機キットと同様の「MADE IN INDIA」。プラも飛行機キットなどと共通の淡いライトブルーの柔らかめのもの。

最近のタミヤとかエデュアルドとか、その辺の「ヒケもなければパーティングラインもひと撫ですればOK、パーツのエッジも手が切れそう」的なシャープさはないが、48キットとしては十分な部品割と再現度だと思う(ほとんど資料がないので、実車と比べての正確さなどはよく判らないが)。

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  • 写真1枚目:Aパーツ。車輪、キャビン、燃料ホースなど。ちなみに枝のほぼ中央、燃料ホースが1本、先端部分が折れている(欠損部分は箱の中に転がっていた)。
  • 写真2枚目:Bパーツ。燃料タンク、燃料補給ブームなど。
  • 写真3枚目:Cパーツ。シャーシフレーム、ボンネットなど。
  • 写真4枚目:Dパーツ。ラジエーターグリル、燃料ポンプなど。
  • 写真5枚目:Eパーツ(透明パーツ)。

デカールは1種、塗装例は1940年の英空軍としか書いていないが、バトル・オブ・ブリテン時の英本土基地のものではないかと思う。……ダンケルクで置き去りにされたヤツとかじゃないよね?

燃料補給用ブームは、左右のものはまっすぐ前に畳んだ状態と、45度、90度に展開した状態の選択式。キャビン左ドア、荷台後部のポンプ室?扉も開閉選択式。内部もそれなりに出来ているので、48のスピットやハリケーンなどと合わせて燃料補給中のジオラマも可能。もっともこのキットにフィギュアはまったく入っていないので、別途、同じエアフィックスの「WWII RAF Ground Crew」(04702)とか、ICMの「RAF Pilots and Ground Personnel (1939-1945)」(48081)(レベルで出ているのもたぶん中身はICM)あたりが必要になる。

●細かい点のあれやこれや。

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タイヤのトレッドパターンは、35スケールでもままあるが、本来は溝の部分を段差でなんとなくそれらしく表現しているもの。一発抜きのプラパーツなら仕方ないかな……。そのうちHaulerあたりから、レジンのタイヤとか出そうな気もする(同社からはこのキット用のエッチングパーツは既に出ている)。

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この車輛は何箇所かの平板パネル部分に、強度確保のためにうっすらとピラミッド型の凸プレスがしてあって、キットもそれを再現している。実車写真を見ると、もっとエッジがクッキリ立っている感じなので、カリカリにチューンナップしたい方はプラペーパーを裏からケガいてパネルを新造するなり何なり……。個人的には「わ、面白い車輛!」レベルで手を出しただけなので、これで充分。

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荷台後面のポンプ室(?)の観音開きの扉も凸表現入り。閉状態用の一体パーツと開状態用の分離パーツが入っているが、開状態のほうでは取っ手(ロック?)が捻ってあるのが芸コマ。

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燃料補給ブームは、キットのパーツでは、ラッパ型の先端からアダプターのようなものが飛び出していて、そこへ直角にホースが接続するようになっている。これがちょっと不思議で、ネット上で拾った何枚かの実車写真では(キットの箱絵でも)、ラッパ型の先端から直接ホースが出ている。パーツ割の都合(接続部の設計の都合)でエアフィックスが勝手にこんなふうに変えてしまったのか、それとも生産時期によってはこんな形状のものもあったのか……。しかしそもそも先端がラッパ型なのは、ホースがエッジに当たって切れたりしないように配慮したものという気がする。私自身は、前述のようにホース部品が一本折れていたりもするので、ホース自体も(何か柔らかめのプラか金属のロッドで)作り変え、「ラッパ口」から直接出る形に変えたいと思っている。

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このキット、強度確保のためなのか、前部フェンダー裏は本来窪んでいるものが逆に分厚く盛り上がっている。もちろん、作ってしまえばほとんど目立たなくなる部分なのだが、なんとなくそのままにするのは個人的にキモチワルイので、自作のノミだのヤスリだのでコリコリと削る(鎌倉彫の職人か何かになったような気分)。

左写真が工作前の状態、右写真が削り工作中のもの。現在はまだ片側しか削っていない。ある程度削って「ああ、窪んでるな」という感じになったら縁を尖らせて終了の予定。

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