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KV-2「ドレッドノート」(2)

20220107_160532 ●タミヤのKV-2発売に向けてチェックポイントのまとめ記事を書いていたら、俄然KV-2がいじりたくなってしまい、トランペッターのKV-2初期型(キット番号00311、「Russian KV "Big" Turret」を引っ張り出してきた。

特に一直線に完成を目指すわけでもなく、つまみ食い的にいじり始めたのはもう10年以上前。過去の製作記事2本は以下。

今後、KV-2の主量産型を(それなりにこだわって)作る場合、タミヤをベースにするか、トランペッターをベースにするかは若干迷うところだが、少なくとも初期型を作るなら(砲塔だけでなく車体もだいぶ違うので)、現時点ではこのキット一択となる(実際にはイースタンからも出ているが、どうやらあまりお勧めできる出来ではない)。

●今回の(現時点での)微々たる進捗、その1。

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車体前端の装甲板接合補助のアングル材は、7角砲塔(MT-1砲塔)の初期型では、埋め込みボルトが17本。キットは主量産型のMT-2砲塔になって以降の11本のモールド表現なので、一度削り取って、ドリルのお尻を使って(接着剤で溶かして)ボルト溶接跡をスタンプ。「17個」という数は、まず両端の位置を決めたら、後は最後まで2分割で位置を決めていけるのでちょっと楽。ついでに、牽引具基部にも同様の埋め込みボルト跡を付ける。

微々たる進捗、その2。

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砲塔上のツノ形ペリスコープカバーのてっぺんに穴を開ける。MT-2砲塔のKV-2でも40年型後期型でも同じ工作をしたが、今回は、裾部の3方向に開いているさらに小さい穴も開けた(ペリスコープ開口部の真下の1カ所が見える)。……塗装したら埋まってしまいそう。てっぺんの穴が0.6mmドリル、裾部は0.3mmドリル(最初0.2mmで開けたら小さすぎてほとんどわからなかった)。

微々たる進捗、その3。

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ラジエーターグリルのメッシュカバーをAberのエッチングに替えるのに備えて、プラパーツ取付用の穴を埋めた。写真は伸ばしランナーを挿した段階だが、このあと削り取った。

また、前記2記事で触れていないので、それ以降のいつかの時点で作業したのだと思うが、エンジンパネル前端の忘れられたボルトの追加(左写真・黄色矢印)、エンジンパネル後端の不要な吊り下げリングの取付穴埋め(同・黄緑矢印)はすでにやってあった(ともにトラペのKVではお約束の作業)。

ちなみにキットのH枝には、説明書のパーツ図にも載っていない不要部品扱いで尖頭ボルト頭が8個ほど入っているのだが(右写真)、残念ながらキットのエンジンデッキのボルトのモールドよりやや大きいので、そのままでは使いづらい。

なお、同じくお約束作業であるフェンダーの幅詰め(初期型KVのみ)は作業途中で、切り詰めただけでフチは未再生で箱に入っていた。

●若干の考証。

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砲塔前面右側の「小・大」の2連の穴は、この初期型KV-2の写真としては最も有名かつクリアな「沼落ち」車輌でもこの状態なので、なんとなく「こういうもの」でスルーしていたのだが、実際には右写真にある砲塔後面のピストルポートおよび照準穴と同じもので、装甲栓で塞がっているのが正規状態であるらしい。

同じ車輌のより初期の時点の撮影と思われる写真では、やや不鮮明だが装甲栓が垂れ下がっている様子が写っている。サイト「Тяжелые танки КВ-1(重戦車KV-1)」のこのページ、「1b. Шета」の一連の写真を参照のこと。

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コメント

期待したことが反映したのかどうか新作のKV-2は前作のKV-1と違うようですね。
タミヤの英断に歓迎と喝采(大袈裟ですが)をしたいと思います。
従来こんなことは無かったですよね。
かば◎さんのレポートの進捗がたのしみです。

投稿: hiranuma | 2022年1月 8日 (土) 18時08分

>hiranumaさん

>>期待したことが反映したのかどうか新作のKV-2は前作のKV-1と違う

これは誘導輪の件でしょうか。
あれに関しては、逆に、「ハブ部分は同じ寸法で、外形だけが小さい」ことから、もしかしたらああいうタイプもあったんじゃないかという疑念をずっと持っています。
(もちろん、今回のKV-2で一般的な径のものをセットしてくれたのは嬉しいのですが)

「従来こんなことはなかった」とのことですが、II号戦車の「フランス戦線」キットで誘導輪をレストア品のディテールにしてしまったのを、その後の「ポーランド戦線」でより正確なディテールのものに直した前歴がちゃんとありますよ。

投稿: かば◎ | 2022年1月 8日 (土) 19時52分

そうなんですね、まだまだ未熟で失礼します。
それにつけてもKV-2をどうするか(旧キット)が悩みどころです。

投稿: hiranuma | 2022年1月 8日 (土) 20時22分

そういえば、タミヤは旧KVのシリーズでも、「KV-II」発売時には上部転輪が最初の「KV-IC」の鋼製のもののままでしたが、その後の「KV-IB」(40年型エクラナミ)ではゴムリム付きの初期型に改修されてましたよ。

もっとも、KV-IIはその後も鋼製上部転輪のままだったようですが……。
hiranumaさんがお持ちの旧キットKV-IIの上部転輪はどうなってますか?

投稿: かば◎ | 2022年1月 9日 (日) 02時20分

KV-Ⅱの上部転輪はゴム付き転輪の様です。
というのは推測で、私が持っているのはKV-IBとKV-ⅠCでKV-Ⅱはアフターパーツの砲塔なのですが、様と言うのはKV-ⅠBの転輪部品がついているBパーツの裏側に「MM KV-Ⅱ GIGANT」のモールドがあるためです。

投稿: hiranuma | 2022年1月 9日 (日) 09時22分

「KV-IB」発売時から、タグはそうなっていたと思うので、たぶん、ずっと変わらないままだった可能性は高いような気がします。

おそらく、KV-IB発売時に上部転輪部分を手直しした時に、タグは直さずそのままにしてあったのだと思います。

投稿: かば◎ | 2022年1月 9日 (日) 13時21分

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