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2022年1月

KV-1 1940年型装甲強化砲塔 (3)

●KV-1 1940年型の後期仕様である装甲強化・角形砲塔の作り直しの続き。

やり残しのメインである砲塔前面・砲周りの工作も終え、ディテールの残りも付加して、ほぼ工作を完了した。

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●砲塔前面には、ブロック状の増加装甲を付けた。

このバッスル下が角形になった、第371工場製とされる装甲強化砲塔が搭載されたタイプは、(便宜的な径式名称では1940年型だが)1941年の8月から10月にかけてレニングラード・キーロフ工場で生産されたものだが(サイト「重戦車KV-1(Тяжелые танки КВ-1)」による)、ブロック状の増加装甲はそのまた一部にみられる。

この「ブロック付き」は、以前に書いた「KV maniacsメモ(砲塔編その1)」では、やはり上記サイトを出典として「特に1941年の8月から9月初めの生産分に見られるもの」と書いたのだが、今改めて(Google翻訳を通して)読み返しても、どこに書いてあったのかわからなくなってしまった。……あれえ?

В августе - сентябре 1941 года броневая планка наваривалась также перед люком в отделении управления, однако на машинах более позднего выпуска от нее отказались.

1941年8月から9月にかけて、装甲板も制御室のハッチの前に溶接されましたが、後の生産車両では廃止されました。(google翻訳による)

という一文は見つけたが、これは車体ハッチ前の防弾リブのことを言っているような気がする。

もっとも、この仕様の車輌で使われている、ボルト12本タイプの起動輪ハブカバーは、やはり1941年晩夏~初秋の生産車の特徴であるらしいので、生産時期はさほど外れてはいないと思う。

このブロック装甲が、砲塔生産工場である第371工場で最初から付けられていたのか、最終組立工場であるレニングラード・キーロフ工場で追加されたのか、あるいは生産後にどこかでまとめて改修されたのかはよく判らないが、いずれにしても、同一仕様が複数確認できるので、ある程度まとまった数が作られたのは間違いない。

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ブロック装甲は、トラペ・ベースで一度作った砲塔から移植しようと思ったのだが、がっちり接着されていて剥がれなかったので、もう一度作り直した(TFマンリーコさんより伝授された「エナメルシンナー剥がし」は便利で、今回も部品の移植に多用したが、やはり万能ではない。場合によっては部品自体がもろくなって割れるので、注意が必要)。厚みは目分量で1mmプラバンの2枚重ねの2mm。実車寸法だと70mm装甲ということになるが、本当に70mmだったかどうかは不明。

砲塔前面の砲耳カバー左右の面積には差があるので、このブロック装甲も左右で形状が異なる。写真を見ての印象通りに作るのは意外に難しい。また、タミヤの砲塔前面パーツは、どういうわけか、砲耳カバー位置決め用に溶接されたリブが左右で厚みが違う。タミヤが取材対象にしたのではと思われるモスクワ中央軍事博物館の現存車輛では、たとえば右側はこんな感じで、左側はこんな感じ。う~ん。同じような、違うような。もしかしたら、片方をちょっと高くしておくことで、砲装着時に横からずらして引っ掛け、位置決めをしやすくした――なんてことも、ありそうな気がする。

まあ、これ自体はパッと見て違和感もないのでよいが、ブロック装甲を取り付けようとすると、左側リブの溶接で形成された斜面(右写真の黄色矢印部分)がエッジに接するまであるために、そのままではブロック装甲の上部と砲塔のエッジとの間にスキマが出来てしまう。そこで、ブロック装甲接着前に、この斜面部分は僅かに削り込んだ。

●防盾上部カバーを工作。

タミヤがキット化している1941年型(ZIS-5搭載)は、1940年型(F-32搭載)に比べて防盾が厚くなっているため、防盾上部カバーも大型化しており、タミヤのパーツをそのまま流用はできない。例によってトランぺッター(右写真)からもぎ取って来て使おうとも思ったが、実車写真を見ると、どうも微妙にディテールに差がある。

最初はタミヤのパーツを切り刻んで小型化して使おうと思ってあれこれいじり回していたのだが、いまひとつ綺麗にフィットせず、結局0.3mmプラバンで新調した。

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トランぺッターのキットでは、全体的に、このカバーは後方・左右の折り返しを直接砲塔前面・砲耳カバーにリベットもしくはボルトで止めている表現になっている。しかし実際には、後方・左右ともに、取付用のベースを一度砲塔・砲耳カバーに溶接して、そこに折り返しを止めている。特に後方(砲塔前面側)は、トランペッターでは砲塔前面にペッタリ付く感じになっているが、実際には、エッジ部分に斜めに付いている(カバーが大型化した1941年型では、前面装甲板の小口部分にかぶさるようになる)。

このディテールについては当時の記録写真でもある程度確認できるものの、いまひとつ細部を詰め切れずにモヤモヤしていたのだが(こんな薄い鉄板製の部分は現存車輛では保存されていないとも思っていたのだが)、なんと、パロラのエクラナミで、おそらくオリジナルの状態のまま残っていた。たとえばDISHMODELSのアーカイブのコレとかコレで確認できる。素晴らしきかな。

そんなわけで、カバー後方は取付部が斜めになった状態を再現(左写真①)。このベロ部分のみは、タミヤのカバー部の後縁を切り取って流用した。左右は取付用のベースの上に、カバー本体のベロは小さなものが3つ(左写真②)。また、カバー本体の前縁は、改めて帯金を溶接して延長したようになっている(左写真③)。これはいかにも補修や小改造の痕跡のように見えるが、パロラのエクラナミだけでなく、当時の記録写真でも確認できるので(例えば「グランドパワー」1997/10、p33上写真)、これが標準の仕様であるらしい。

薄い0.3mmプラバンで新調した結果、防盾と干渉せずに済み、無理なく砲の仰俯も行えることになった。

今後発売されることがほぼ確実なタミヤのエクラナミではどうなっているかな……。

●砲塔後面の機銃マウントの追加工作。

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トランぺッターの砲塔から、接着済みの防盾をもぎ取って来て移植した(タミヤのパーツは砲塔枝以外のところにあるため)。これまたベースにがっちり接着してあって、「エナメルシンナー剥がし」をしようとしたらベースごと取れてしまった。一瞬、「それじゃあベースごとトラペにするか」とも思ったのだが、ベース形状はタミヤの方が良い感じだったので、さらに無理矢理防盾を分離。その際、真っ二つに割れそうになったのだが、なんとか補修した。

防盾下には、エンジンルーム上面誤射防止用(?)のガードが付く。これはトラペの砲塔で追加してあった金属片を移植。この砲塔では、ガードは金属板を曲げた形状だが、エクラナミあたりではもっとがっちりした突起が付いていたりする。

●ほか、手すりを付けたり(トラペのパーツを使用)、側方ペリスコープ下の跳弾リブに溶接跡を入れたり。

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KV-1 1940年型装甲強化砲塔 (2)

20220126_002131 ●「KV-1 1940年型の装甲強化砲塔搭載仕様」の、砲塔工作のやり直し。

前回砲塔基本形を作ったが、ある程度ディテール付加工作が進んだので進捗報告を書いておきたい。

●前回以降進んだのは、おおよそ以下の点。

  • 砲塔後面に埋め込みボルト跡を追加。
  • 尾部機銃マウントの基部を取り付け。
  • 各部に溶接線を追加。
  • ピストルポートの装甲栓を取り付け。
  • 主砲基部を工作。
  • 側方ペリスコープ下を削り込み。
  • 砲塔上面ペリスコープカバー、ツノ形ペリスコープを取り付け。

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●砲塔後面の埋め込みボルト跡は、KV-2初期型の車体前端アングル材工作と同様に、「接着剤を垂らしてドリルのお尻でグリグリ」方式で再現。プラバンが白なので、ちょっと仕上がりが確認しづらく、最終的に塗装してみないとどんな具合かわからない。適当過ぎる……。

機銃マウント基部はタミヤのパーツを使用。なお、この基部パーツは、今回の改造用に入手したタミヤの砲塔パーツ枝(E&Qパーツ)に入っているのだが、防盾パーツは入っていない(車体機銃マウントのものと同形のため足回り枝に入っている)。今後、トラペのパーツを移植予定。

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ちなみに上面ペリスコープカバーも足回り枝に入ってるので不足しているため、以前に作ったトラペ改造の砲塔から(エナメルシンナーで接着部分を弱めたうえで)もぎ取って来て移植した。後部ペリスコープは、(前回書いたように)周囲の縁の角がちょうど天井板の後縁に接するくらいの位置関係。そのため、カバーの「ひさし」部分は砲塔後縁から若干飛び出すくらいの感じになるのが、バッスル短縮タイプの溶接砲塔数種の特徴となっている。

●上の写真にも写っているが、砲塔前後面と側面装甲板の間の溶接ラインは二重線になっているのが、KVの溶接型砲塔の特徴(ただし作例は2二重線の間隔がやや大げさだったかも)。再現はいつも通り伸ばしランナーの接着剤溶かし。

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ピストルポートの装甲栓とツノ形ペリスコープは、これまたタミヤのパーツは砲塔枝に入ってない。ツノ形ペリスコープはやはりトラペからもぎ取って移植。ピストルポートの装甲栓はPaasion Modelsのタミヤ新KV-1用エッチングセットに入っている真鍮挽き物を使った。この挽き物は頭がペッタンコでタミヤのキットのプラパーツより再現度が低く、存在意義が問われる謎パーツだが、ヤスリで若干緩やかに丸めて使用した。

上面のペリスコープカバーは、タミヤのものとわずかにアウトラインが違うようで、特にこの側方のものはちょうどいい位置に付けようとすると、上面の取付指示用にうっすら窪んでいる輪郭がはみ出して見えてしまう。そのため、取付前に埋める余計な手間が必要だった。

側方ペリスコープ下の削り込みは、装甲増厚に対応したもの。

●砲耳カバー部はタミヤのパーツを使用したが、トラペの1940年型(76.2mmF-32砲装備)防盾に比べてほんの心持ち間隔が狭かったので、内側で一度切り離してプラバンを挟んでやや幅を増し、一方で防盾側も少しヤスって調整した。ちなみにタミヤの旧KV-1Bの同型の防盾は、逆にこの砲耳カバー部の間隔よりも幅が狭い。

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内側の砲基部は、トラペの防盾がうまく付くように切り詰め、一応、上下動できるようにしてあるが、今後、防盾上のカバーの工作次第では接着固定が必要になるかも。

●前回は写真を載せなかったバッスル下の工作はこのような感じ。バッスル下の入隅に付く波状の補強材にも溶接跡を足した(どうせほとんど見えないので工作が荒っぽい)。角形に修正した部分には(面倒くさいので)特に底板などは付けていない。

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トラペの車体の砲塔穴にガタツキなくはまるよう、砲塔リング部にもプラバンを足したりして辻褄合わせ工作をしている。

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KV-1 1940年型装甲強化砲塔

20220110_150316 ●すっかりKVづいて、KV-2初期型以前に、ほぼ半完状態まで持っていってあった1940年型後期型(装甲強化砲塔搭載)も再びいじり始めてしまった。

キットとしては、トランペッターのキット番号00357、「40年型エクラナミ(Russia KV-1's Ehkranami)」なのだが、ボルト止めの増加装甲は付けず、砲塔はバッスル下が直線的に処理された装甲強化型砲塔に改造(以前のKV-1砲塔メモでは「短縮型・装甲強化溶接砲塔(90mm、バッスル下角型)(タイプ5)」としたもの)。車体もそれに合わせて細部をいじり、エクラナミよりも後、41年秋頃の生産車としている。おおよそ、レニングラードにおける疎開前の最終生産仕様、くらいの感じ。

当「かばぶ」にこれの製作記事は載っていないから、作り始めたのは「かばぶ」を始める前、つまり今から10年以上前のことであるらしい。もっともその時にここまで進んでいたわけではなく、以降も記事にはしないまでもちまちまいじっていて、Googleフォトをひっくり返して見たら、フェンダーの工作は2018年にやっていた。

あとはラジエーターグリルのメッシュカバーと履帯くらい、というところまで進んでいたのだが、そんなところでタミヤの新KV-1が発売されて、「実は溶接砲塔は非対称でした~」なんてことが発覚(以前にも書いたように、知っている人はとうに知っていることだったわけだが)。

それでもこれはこれで、もうそのまま作っちゃおう、それなりに砲塔も手を入れたし、などと思っていたのだが――もうしばらく前の話になるが、YSのパーツばら売りコーナーでタミヤの新KVの砲塔パーツ枝を見つけて、ついふらふらとゲットしてしまったのだった。

●というわけで、「さっさと作らないからこういうことになるんだよ馬鹿だねえ」の典型例というか、あるいは「ぐずぐずしていたおかげでより正確な砲塔に変更できた」と考えるべきか。とにかく、買い置きのタミヤ砲塔パーツを取り出し、改めて「短縮型・装甲強化溶接砲塔」を作ることにした。

このタイプの砲塔は、いまのところ、1:35のインジェクション・キットでは存在しないはず。おおよそデザイン的には同一ながら、より後期(1942年型)で、さらに装甲が増している(105mm?)の溶接砲塔に関しては、トランペッターとイースタン・エクスプレスから出ている(トランペッターは「Russia KV-1 model 1942 Simplified Turret Tank(キット番号00358)」、イースタン・エクスプレスは「KV-1 mod. 1941 late Version(キット番号35119)」)。ただし、この後期型砲塔は各装甲板が組み接ぎになっているうえ、装甲板それ自体が(増厚の結果)かなりごついので、改造ベースとしては標準型砲塔からの方が楽(と、個人的には思っている)。

まず、以前に作ったトランペッター・ベースの砲塔はこちら。

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これもそれなりに頑張って改造したのだが、トランペッターのパーツがベースなので基本形状の左右非対称は再現されていない。今回はタミヤの新KV-1のパーツを使い、同様の改修を行うことになる。せっかく作り直すので、製作の基本方針として、左右非対称だけでなく、その他のディテールについても少々「前回以上」を心がけることにする。

タミヤの砲塔パーツは基本、装甲板ごとに開いた構成になっている。とりあえずは、側面装甲後下方をプラバンで延長する。

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これと併せて、バッスルの短縮を行う。現存のこのタイプの砲塔の写真から、上面後方ペリスコープのカバーの縁角ギリギリくらいまで切り詰める。タミヤのパーツは部品取付位置がうっすら窪んでモールドされているので、これが切り詰める際のガイドになる(この取付位置指示モールド自体は、仮に取付位置を移動させたり、付けなかったりする場合に余計な手間を生むので、個人的にはあまり好ましくないと思っているが)。切り詰める寸法はおおよそ3mm。側面や底面も同じだけ切り詰める。

もともとのKVの溶接砲塔は装甲厚が75mm、この強化型砲塔では90mmになっているとされている。厚み差は1:35だと約0.43mmある。前回トラペの砲塔を改造した時にはバッスル下の角型への改修とバッスル長の切り詰めだけを行ったが、今回は装甲の増厚分も表現する&後下方の継ぎ足し部分の境目処理を省略するという2つの理由から、表面に0.3mmプラバンを貼り増した。

これによってタミヤの砲塔パーツの特徴である圧延鋼板表面の荒れ表現は消えてしまうが、これについては個人的に「まあ、あったらあったでいいけど、なくても別にいいや」的スタンスなので気にしない(砲塔にだけあるのって変な気がするし、そもそも新品のKVの表面はもっと「つるん」としているっぽいし)。貼り増し後、ピストルポート穴と視察スリットは、元のモールドに合わせて開け直した。

なお、(タミヤがパーツ化している)標準型の砲塔では砲塔上面にも埋め込みボルト跡があるが、この装甲強化型砲塔では、上面の埋め込みボルトは廃止されているらしい。当初は上面はプラバンで作り直し、モールドは元パーツから移植する方向で考えていたのだが(こういう時に圧延荒れ表現が邪魔になる)、割とすんなりと埋め込みボルト跡が消せたので、キットの天井パーツをそのまま使うことにした。

その際に、このタイプの砲塔の現存車輛の写真では、割と側面装甲との間の段差が目立つ感じがしたので、天井板裏側の縁に0.3mmプラバン片でゲタを履かせた。前回のトラペ改造砲塔では、上面板は周囲と一体だったので、「もうちょっと段差あったほうがよかったなあ」などと思いつつそのままにした部分。

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砲塔後面はバッスルの切り詰めに合わせてやや幅が足りなくなるのでプラバンで新造(トラペの時はなんとか誤魔化して、切り離した元の後面を使ったが)。砲塔前面はタミヤのパーツのまま。装甲増厚のことを考えると、ここも0.3mm板でゲタを履かせるなりした方がよかったのではとも思うが、実車写真で見る限り、(階段状に組んでいる)前面装甲横の小口部分は厚みが増しているように見えなかったので、そのままとした。

右写真はタミヤの素組み砲塔との比較。ペリスコープと後縁との位置関係で、バッスルが短くなっているのが確認できると思う。

そんなこんなで、砲塔基本形は完成。

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このあと、各部ディテールを工作するとともに、砲やペリスコープなどを取り付けていく予定。

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逗子市のマンホールカード

●全国の自治体が「下水道広報プラットフォーム」と共同で発行する「マンホールカード」の第16弾42種のうちの1つとして、逗子市のものが発行された。

第16弾の配布は今日、1月15日からで、逗子市のものも市役所(通常は2階の下水道課窓口、土日祝日は裏手の警備員室)で配布が始まっている。というわけで、早速1枚貰って来た。

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駅前に(1枚だけの)カラーマンホール蓋が設置されたのは一昨年の夏。その時から、マンホールカード発行の申請を検討とされていたので、近々出るんだろうなあと思っていたのだが、つい最近、「そういえばどうなったかな」と検索してみて発行を知った。まあ、あわてて貰わなくてもしばらくは無くならないと思うけれど。

●同じく路上蓋関連。

先日日曜日のことなのだが、逗子市久木の路上で、海軍の水道弁(仕切弁とか止水弁とか)の蓋を見つけた。

二連・二重の山形と錨は海軍を示す。左右に矢印があって、その下に「■」マークがあるが、これはすり減って読めないだけで、本来は「開・閉」の文字だったのではないかと想像。

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場所は久木小学校の裏手、妙光寺の門前ちょっと脇。街区で言うと久木2丁目1と6丁目1の間になる。普段から散歩のときなどに頻繁に通る場所なのに(もう20年以上通っているはずなのに)今まで全く気付かなかった。

こうした海軍に関わる水道施設の遺物は、軍用水道上に作られた「水道路(すいどうみち)」沿いには多数残っているが、ここは水道路(このあたりでは県道311号線)からは外れている。浄水場に到達する前の水道から枝分かれしているとは考えづらいので(上水道の構造自体に詳しくないので勝手な想像だが)、これは逗子市(当時は逗子町、あるいは1943年以降であれば横須賀市)の水道から、久木の奥にあった横須賀海軍工廠工員宿舎、あるいはさらにその奥の池子弾薬庫方面へと引かれた旧・海軍専用経路なのではないかと思う。

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2枚目写真は「水道路」上、JR逗子駅から東逗子方面へ、京急の踏切を越えたあたりにある同様の栓蓋。かなりすり減っているが、かろうじて山形と錨の海軍マークが見える。久木の蓋とは、全体形はほぼ同じだが絵柄は別物。

●何日か前のテレビニュースで、確か、コロナ禍でごみ収集の人員にも不足が出始めているという内容だったと思うのだが、東京の下町の路地でごみ収集している映像が流れていて、そのごみ収集車がなんとターレだった。確かに軽トラでも入りにくいような路地でごみ収集するにはターレはうってつけ。何区だったかなあ。

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KV-2「ドレッドノート」(2)

20220107_160532 ●タミヤのKV-2発売に向けてチェックポイントのまとめ記事を書いていたら、俄然KV-2がいじりたくなってしまい、トランペッターのKV-2初期型(キット番号00311、「Russian KV "Big" Turret」を引っ張り出してきた。

特に一直線に完成を目指すわけでもなく、つまみ食い的にいじり始めたのはもう10年以上前。過去の製作記事2本は以下。

今後、KV-2の主量産型を(それなりにこだわって)作る場合、タミヤをベースにするか、トランペッターをベースにするかは若干迷うところだが、少なくとも初期型を作るなら(砲塔だけでなく車体もだいぶ違うので)、現時点ではこのキット一択となる(実際にはイースタンからも出ているが、どうやらあまりお勧めできる出来ではない)。

●今回の(現時点での)微々たる進捗、その1。

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車体前端の装甲板接合補助のアングル材は、7角砲塔(MT-1砲塔)の初期型では、埋め込みボルトが17本。キットは主量産型のMT-2砲塔になって以降の11本のモールド表現なので、一度削り取って、ドリルのお尻を使って(接着剤で溶かして)ボルト溶接跡をスタンプ。「17個」という数は、まず両端の位置を決めたら、後は最後まで2分割で位置を決めていけるのでちょっと楽。ついでに、牽引具基部にも同様の埋め込みボルト跡を付ける。

微々たる進捗、その2。

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砲塔上のツノ形ペリスコープカバーのてっぺんに穴を開ける。MT-2砲塔のKV-2でも40年型後期型でも同じ工作をしたが、今回は、裾部の3方向に開いているさらに小さい穴も開けた(ペリスコープ開口部の真下の1カ所が見える)。……塗装したら埋まってしまいそう。てっぺんの穴が0.6mmドリル、裾部は0.3mmドリル(最初0.2mmで開けたら小さすぎてほとんどわからなかった)。

微々たる進捗、その3。

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ラジエーターグリルのメッシュカバーをAberのエッチングに替えるのに備えて、プラパーツ取付用の穴を埋めた。写真は伸ばしランナーを挿した段階だが、このあと削り取った。

また、前記2記事で触れていないので、それ以降のいつかの時点で作業したのだと思うが、エンジンパネル前端の忘れられたボルトの追加(左写真・黄色矢印)、エンジンパネル後端の不要な吊り下げリングの取付穴埋め(同・黄緑矢印)はすでにやってあった(ともにトラペのKVではお約束の作業)。

ちなみにキットのH枝には、説明書のパーツ図にも載っていない不要部品扱いで尖頭ボルト頭が8個ほど入っているのだが(右写真)、残念ながらキットのエンジンデッキのボルトのモールドよりやや大きいので、そのままでは使いづらい。

なお、同じくお約束作業であるフェンダーの幅詰め(初期型KVのみ)は作業途中で、切り詰めただけでフチは未再生で箱に入っていた。

●若干の考証。

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砲塔前面右側の「小・大」の2連の穴は、この初期型KV-2の写真としては最も有名かつクリアな「沼落ち」車輌でもこの状態なので、なんとなく「こういうもの」でスルーしていたのだが、実際には右写真にある砲塔後面のピストルポートおよび照準穴と同じもので、装甲栓で塞がっているのが正規状態であるらしい。

同じ車輌のより初期の時点の撮影と思われる写真では、やや不鮮明だが装甲栓が垂れ下がっている様子が写っている。サイト「Тяжелые танки КВ-1(重戦車KV-1)」のこのページ、「1b. Шета」の一連の写真を参照のこと。

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謹賀新年2022

●本年もよろしくお願い申し上げます。

世界的に今なおコロナ禍下にあり、なかなか「明けまして」とも「おめでとうございます」とも言い難い状況であるのは確かですが、なんとか少しでも明るい方向に向かって行ってくれればと思います。……今年は東京AFVの会があるといいなあ。

●例年通り、大晦日に川崎の実家に行って、母、兄と年越し。大晦日には兄が作ってくれた蕎麦を食い、元日には兄が作ってくれた雑煮を食う。……オレ何にもしてないぢゃん。

●母もだいぶ認知症が進んできて、数分前に言ったことを忘れて同じことを繰り返すのを、こちらも同じように返したり。

「そのうち、息子の顔も忘れて『あんた誰?』って言うようになるよ」

と、自分で言っているうちはまだいいかなあ、なんて思ったりする。

●特段やることもなく、大晦日は紅白歌合戦の最初のほうだけ見る。なんというか、「無理矢理盛り上げよう感」が強すぎて痛々しい。

せっかく司会に大泉洋を据えるのなら、「どうでしょう」のぐだぐだなノリで、

「いいですかぁ? 『紅白』もねぇ、四六時中面白いわけじゃないんですよ?」とか、

「奥さーん。知ってるでしょう? 大泉洋でございます。オイ、『紅白』観ねぇか?」とか……。

あるいは、いっそのこと藤村Dにも一緒に出てもらって、

「ええええ? 『紅白』? またやるの? もういいじゃない、去年やったんだし」
「バカ野郎、お前『紅白』舐めてんじゃねえ。やるっていったらやるんだよ」

みたいな掛け合いを見せてくれるとか。それくらいしないと、もう紅白は生き返らない気がする(……むしろとどめを刺す?)。

●なんだかんだぐうたらしている間に三が日も過ぎ、通常営業に復帰(できているかどうかはさておき)。

4日は今年初砲台。といっても、ご近所の披露山。

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写真1枚目から――。

一番北側の、花壇に姿を変えた第一砲台(仮称)。写している自分の影入り。hn-nhさんが腕を突っ込んで内壁の傾斜を確かめた周囲の池は、睡蓮が刈り込まれて寒々とした感じ。

展望台の土台となった真ん中の第二砲台、越しに見る富士山。実際にはここには砲は据えられなかった模様。

ほぼ原型のまま猿舎に再利用された南端の第三砲台。檻のせいか、掘り下げられているせいか、同じ径のはずなのに花壇よりこちらのほうが大きく見える。錯視の実験のよう。それを言うなら、ここの展望台2階の床は(確か前にも書いたが)、おそらく外側に傾いた外周の壁のために、常に自分がいる場所が一番高く、床が傾斜して見えてちょっとクラクラする。披露山錯視公園。

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