イヌビワ
●数日前(24日)、チャーリー・ワッツが亡くなったそうだ。……というのを今日(27日)になって知った。
ご冥福を祈りたい。
●そしてそれよりもう少し前。奄美大島在住の(母方の)叔母が亡くなった。
もともと奄美大島は父母の郷里ではあっても私は東京生まれの川崎育ちということもあって、親しい親戚がいなくなるたびに、どんどん奄美大島が遠くなる。まだ幾人か、知り合いがいる間に一度行っておきたいなあ。
ちなみに父母の生まれた集落は、奄美大島の中でもさらに外れで、歩いていて誰か村人とすれ違うと(普段、知り合い以外と会うことがないので)、すれ違った後ろのほうで「たるきゃ? たるきゃ?」(誰だろう? 誰だろう?)と囁かれてしまうくらい、田舎度が高い。もちろんそれはずいぶん昔の話なので、今はもうちょっと状況は改善されているかもしれない(あるいは逆に悪化しているかもしれない)。
近隣の自治体のほとんどが、コロナ禍によって海水浴場の開設を見合わせるなか、逗子だけは海開きをして、そのために夏の前半は、逗子駅前からすでにウェーイでパリピな若者が多数闊歩していたが、感染状況の急激な悪化によって、8月に入って早々、短期間で海水浴場閉鎖になってしまった。海の家の損害は大きそうだ。
こんなことなら最初から開かなきゃいいのに……って、今さら言ってもしょうがないわな。
ちなみに海水浴場が閉鎖になって、海の家やシャワーは使えなくなっても、海岸への立ち入り自体が禁止されているわけではないので(一応「来訪はご遠慮ください」と貼り出されてはいるが)、海遊びに来ている人はそれなりにいて、むしろ「これくらいの人口密度なら海水浴場として快適だよね」くらいの感じになっているのは皮肉な話。……なんてことを書くと、たまたまこのページを見て「じゃあ行ってみようか」などと良からぬことを企てる人がいると困るので書いておくが、コロナリスクを抜きにしても、夏の後半の逗子の海はほとんど「濃厚クラゲスープの中で泳ぐ感じ」になりかねないので止めておいた方がよい。
●というわけでクラゲ話題。夏の後半の楽しみのひとつで某所にヒメグルミを拾いに行き、帰りに逗子の砂浜を通ったら、波打ち際に何やら見慣れないものがポツポツと。
1枚目の写真は端に私のつま先も写っているので、おおよその大きさが判ると思うが、100円玉~500円玉くらいの白い円盤の周りに青いコロナ(天体現象のほうの)。クラゲ……なんだよなあ?とは思ったものの、ミズクラゲやアカクラゲは時々打ち上がっているものの、これには初めて遭遇した。
帰宅後調べてみると、やはりクラゲの仲間で、外洋性で黒潮域にいるギンカクラケという種類であるらしい。まんまな名前。ちなみに毒性は弱いものの、人によってはアレルギー反応が出る由(wikipediaによる)。
さらに調べてみると、珍しい遊泳性のウミウシで、とことんファンタジックな形態をしたアオミノウミウシは、このギンカクラゲを好んで捕食しているらしい。稀にこのあたりの海岸に漂着することがあるというのを以前に読んで、見られるものならぜひ見たい!と思っていたものだが、もしかしたら、これらのギンカクラゲの近くにアオミノウミウシも打ち上げられていた可能性も!?
……と思って2日ほどしてまた海岸に行ってみたが、すでにギンカクラゲさえ影も形もなかった。季節に天候、潮の満ち干や流れで漂着物はくるくる変化するので、何が見られるかは本当に運次第。
●季節の拾い食いネタ。前述のヒメグルミ、さらには今年はちょっと早めにギンナン、そしてもう少ししたらカヤの実と、晩夏から秋はだいたい「ナッツ系の季節」なのだが、それとは別に、今が旬のベリー系がイヌビワ。形状から「ビワ」の名が付けられているが、実際にはイチジクの仲間。熟すと赤黒くなる、1~1.5cmほどの実を付ける。
「イヌビワの実は食べられる」というのはもう何年か前から知っていて、試したことはあったのだが、最初は雄花と雌花を間違え(雄花も雌花(実)とそっくりに肥大する。が、口当たりがスカスカで味もそっけもない)、次はちゃんと実を食べたものの、「ほんのり甘いかな?」程度で非常に間の抜けた味。この夏も、近所でまた赤黒く熟していて、それがだいぶ鳥か虫に食い荒らされていたので「あれ? ここまで食われているってことは、もしかしたら美味しい?」と思って試してみたが、やはりマヌケな味だった。というわけで、私の中では「食べられないわけではないが、決して美味しくはない」という分類に決まりかけていた。
ところが、facebookで知り合った同じ逗子の「拾い食い仲間」でモデラーでもあるTさんがそれなりに美味しいイヌビワがあるという。そこで、あきらめ悪くもう何度か試してみることにした。
――ら、なんと。本当に(割と普通に)美味しいイヌビワがありましたよ奥さん。
美味しいイヌビワに行き当たったのは、普段から割とよく歩く山道の途中。単に赤黒く熟しているだけではなく、へその部分から蜜があふれて滴っているくらいが食べごろのようだ。外の皮は張り切っているが、摘まむと柔らかく、中は汁気がたっぷり。ただ、蜜があふれているくらい熟していても、他の場所の株だとあまり美味しくなかったりするので、やはり、かなり当たり外れがあるもののようだ。
結局、ここ1週間ほどの間に3回ほど行って、そのたびに5粒、10粒とつまみ食いしているのだが、(たいして大きくない株だが)鈴なりになっているので、まだまだ食べ出がありそう。なお、最初は外から押しつぶし出すようにして中身だけ食べていたが、皮ごと食べても口当たり的にも味的にもまったく問題ないことがわかった。
●ほか、身近な生き物話。
先月、二子山でカラスアゲハに遭遇した話は書いたが、22日、近所の名越切通でも山道の水たまりに吸水しにきているのを見かけた。
綺麗に翅を広げているシーンは撮れなかったのがちょっと残念。とはいえ、この近辺ではせいぜい数年に一度くらいの頻度でしか会えないカラスアゲハに、(兄と三浦アルプス南尾根ルートを歩いているときにも一度見たので)今夏はもう3回も会っている。ちょっと得した気分。
その7月の二子山行きの時には(それを期待して行ったにもかかわらず)会えなかったハンミョウにも、数日前(25日)、衣張山から杉本寺方面に抜ける手前で会った(しかも2匹)。
林下でやや薄暗く、しかも警戒心が強くなかなか近寄らせてくれなかったこともあって、これまたあまりシャープで綺麗な写真は撮れなかった。
●Das Werkから、1:35で「ラムティーガー」が発売になった由。おもに市街戦で、体当たりしてバリケードを突破する目的で試作された車輛。ポルシェティーガーの車体に亀の甲羅のような(先端のとがった)構造物をすっぽりかぶせたもので、STAR WARSあたりに出てきそうな形態をしている。昔からスクラッチネタ/ガレキネタとしてそこそこ知られた存在だったが、とうとうインジェクションで出るとは。
……なんてことは単なる前振り。これのamazonの英語ページの商品紹介が、なぜか「Ram(衝角)ティーガー」ではなく、「Lamb(子羊)ティーガー」になっている(解説の途中にも、もう一カ所)。
「羊の皮をかぶった狼」という表現はたまに聞くが、これって、「子羊の皮をかぶった虎」ってこと?
●ここ10日ほど、まるで心を入れ替えたように(?)真面目にガシガシ仕事をしていて、そのため模型製作はすっかり滞り中。そろそろルノーに手を付けないとなあ。
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コメント
わたしもほぼ毎週末うえーいなピーポーに混じって
逗子海岸での海水浴を楽しみました。
やっと顔が出る辺りの海底を足でほじってのカシパン狩りで
ことしは中型を5個ほどゲットできました。
アンドンクラゲは痛いですが慣れました。
刺されたらウナジェルが効きます。
投稿: みやまえ | 2021年9月 1日 (水) 22時33分
>みやまえさん
>>やっと顔が出る辺りの海底を足でほじってのカシパン狩りで
えっ。それって、生きてるカシパンウニってことですか?
投稿: かば◎ | 2021年9月 2日 (木) 00時03分
いやいや、生きてるのだったら狂喜ですよ!でも写真撮ってリリースでしょうね・・・
生きてるのはもっと深く潜ってる気もしますし。
狩ったのは殻です。完全状態で拾える率が高いのですよ。
というか100%完全体でした。
投稿: みやまえ | 2021年9月 2日 (木) 21時27分
>みやまえさん
なるほどー。
スカシカシパン出ました?
投稿: かば◎ | 2021年9月 2日 (木) 23時17分
残念ながらぜんぶハスノハ?カシパンでした。
7cmクラスのスカシカシパンをゲットしてみたいものです。
投稿: みやまえ | 2021年9月 4日 (土) 01時05分