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2021年8月

PZLの大ナマズ(2)

●人間、やらなければいけないことがある時ほど、関係ないことをしたくなるもの。

しかし、仕事をサボって模型に手を出すというだけではなくて、その模型のなかでも、いま最も作るべきルノーR35ではなく、さらに別のものをいじってしまうというのが余計にひねくれているというか、余計にあかんというか。

●とはいえ、根を詰めないと進まない仕事をサボっての模型作りといえば、これまでにも何度か書いているように、これまた考えたり工夫したりが必要な工作ではなく、ひたすら無心に削る(しかも具体的に完成を目指すわけでもなく)といった工作がしたくなるわけで、そこで登場するのが例によってバキュームフォームキット。

というわけで今回取り出したのは、ポーランド、miniplast社製の1:48、PZL 46「スム」単発軽爆。前回記事を書いたのは(そして一部パーツを削って貼り合せたのは)、2018年2月だった。お。割と最近だね。

とりあえず、ずいぶん前に主要パーツをプラバンから切り離すだけはやってあって、そこから、前回記事の段階で本格的に削って貼り合せたのは、

  • 左主翼
  • 水平尾翼
  • 左垂直尾翼
  • 左主脚
  • 左右主車輪

●今回はこれに加えて、右垂直尾翼、右主翼、右主脚を削って貼り合せ、さらに胴体左右も削った。胴体は中身を作らないと、この段階では貼り合せるわけにもいかない。また、前面を除いてカウリングは胴体と一体だが、カウルフラップ部分が埋まっているので、一度切り離して工作する必要がありそう。

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翼表面は、48としては表現が大味かもしれないが、パネルラインは凹だし、なかなかシャープ。胴体側面や、主翼の内翼・外翼の境目にある帯状の凸部も綺麗に浮き出ている。

主脚は車輪と一体にモールドされているが、主車輪は別部品が用意されていて、一体の車輪部をくりぬいて挿げ替えるようになっている。

●バキュームフォームのパーツをガリガリとヤスリ掛けしているとプラスチックの粉だらけになる。考えてみれば、プラモデルのヤスリ掛けというのは、現在大いに問題視されているマイクロプラスチックを大量生産しているわけで、それを思うと、プラモデルというのは「20世紀後半から21世紀前半までの、短期間だけ存在した趣味」ということになりそうな気がする。

●そんなこんなで、「無心にバキュームフォームを削りたい」欲はある程度鎮静化したので、次回はいよいよR35の製作に入りたい。

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イヌビワ

●数日前(24日)、チャーリー・ワッツが亡くなったそうだ。……というのを今日(27日)になって知った。

ご冥福を祈りたい。

●そしてそれよりもう少し前。奄美大島在住の(母方の)叔母が亡くなった。

もともと奄美大島は父母の郷里ではあっても私は東京生まれの川崎育ちということもあって、親しい親戚がいなくなるたびに、どんどん奄美大島が遠くなる。まだ幾人か、知り合いがいる間に一度行っておきたいなあ。

ちなみに父母の生まれた集落は、奄美大島の中でもさらに外れで、歩いていて誰か村人とすれ違うと(普段、知り合い以外と会うことがないので)、すれ違った後ろのほうで「たるきゃ? たるきゃ?」(誰だろう? 誰だろう?)と囁かれてしまうくらい、田舎度が高い。もちろんそれはずいぶん昔の話なので、今はもうちょっと状況は改善されているかもしれない(あるいは逆に悪化しているかもしれない)。

20210819_181930 ●ナス科の地上絵。(特に意味はない)

近隣の自治体のほとんどが、コロナ禍によって海水浴場の開設を見合わせるなか、逗子だけは海開きをして、そのために夏の前半は、逗子駅前からすでにウェーイでパリピな若者が多数闊歩していたが、感染状況の急激な悪化によって、8月に入って早々、短期間で海水浴場閉鎖になってしまった。海の家の損害は大きそうだ。

こんなことなら最初から開かなきゃいいのに……って、今さら言ってもしょうがないわな。

ちなみに海水浴場が閉鎖になって、海の家やシャワーは使えなくなっても、海岸への立ち入り自体が禁止されているわけではないので(一応「来訪はご遠慮ください」と貼り出されてはいるが)、海遊びに来ている人はそれなりにいて、むしろ「これくらいの人口密度なら海水浴場として快適だよね」くらいの感じになっているのは皮肉な話。……なんてことを書くと、たまたまこのページを見て「じゃあ行ってみようか」などと良からぬことを企てる人がいると困るので書いておくが、コロナリスクを抜きにしても、夏の後半の逗子の海はほとんど「濃厚クラゲスープの中で泳ぐ感じ」になりかねないので止めておいた方がよい。

●というわけでクラゲ話題。夏の後半の楽しみのひとつで某所にヒメグルミを拾いに行き、帰りに逗子の砂浜を通ったら、波打ち際に何やら見慣れないものがポツポツと。

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1枚目の写真は端に私のつま先も写っているので、おおよその大きさが判ると思うが、100円玉~500円玉くらいの白い円盤の周りに青いコロナ(天体現象のほうの)。クラゲ……なんだよなあ?とは思ったものの、ミズクラゲやアカクラゲは時々打ち上がっているものの、これには初めて遭遇した。

帰宅後調べてみると、やはりクラゲの仲間で、外洋性で黒潮域にいるギンカクラケという種類であるらしい。まんまな名前。ちなみに毒性は弱いものの、人によってはアレルギー反応が出る由(wikipediaによる)。

さらに調べてみると、珍しい遊泳性のウミウシで、とことんファンタジックな形態をしたアオミノウミウシは、このギンカクラゲを好んで捕食しているらしい。稀にこのあたりの海岸に漂着することがあるというのを以前に読んで、見られるものならぜひ見たい!と思っていたものだが、もしかしたら、これらのギンカクラゲの近くにアオミノウミウシも打ち上げられていた可能性も!?

……と思って2日ほどしてまた海岸に行ってみたが、すでにギンカクラゲさえ影も形もなかった。季節に天候、潮の満ち干や流れで漂着物はくるくる変化するので、何が見られるかは本当に運次第。

●季節の拾い食いネタ。前述のヒメグルミ、さらには今年はちょっと早めにギンナン、そしてもう少ししたらカヤの実と、晩夏から秋はだいたい「ナッツ系の季節」なのだが、それとは別に、今が旬のベリー系がイヌビワ。形状から「ビワ」の名が付けられているが、実際にはイチジクの仲間。熟すと赤黒くなる、1~1.5cmほどの実を付ける。

「イヌビワの実は食べられる」というのはもう何年か前から知っていて、試したことはあったのだが、最初は雄花と雌花を間違え(雄花も雌花(実)とそっくりに肥大する。が、口当たりがスカスカで味もそっけもない)、次はちゃんと実を食べたものの、「ほんのり甘いかな?」程度で非常に間の抜けた味。この夏も、近所でまた赤黒く熟していて、それがだいぶ鳥か虫に食い荒らされていたので「あれ? ここまで食われているってことは、もしかしたら美味しい?」と思って試してみたが、やはりマヌケな味だった。というわけで、私の中では「食べられないわけではないが、決して美味しくはない」という分類に決まりかけていた。

ところが、facebookで知り合った同じ逗子の「拾い食い仲間」でモデラーでもあるTさんがそれなりに美味しいイヌビワがあるという。そこで、あきらめ悪くもう何度か試してみることにした。

――ら、なんと。本当に(割と普通に)美味しいイヌビワがありましたよ奥さん。

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美味しいイヌビワに行き当たったのは、普段から割とよく歩く山道の途中。単に赤黒く熟しているだけではなく、へその部分から蜜があふれて滴っているくらいが食べごろのようだ。外の皮は張り切っているが、摘まむと柔らかく、中は汁気がたっぷり。ただ、蜜があふれているくらい熟していても、他の場所の株だとあまり美味しくなかったりするので、やはり、かなり当たり外れがあるもののようだ。

結局、ここ1週間ほどの間に3回ほど行って、そのたびに5粒、10粒とつまみ食いしているのだが、(たいして大きくない株だが)鈴なりになっているので、まだまだ食べ出がありそう。なお、最初は外から押しつぶし出すようにして中身だけ食べていたが、皮ごと食べても口当たり的にも味的にもまったく問題ないことがわかった。

●ほか、身近な生き物話。

先月、二子山でカラスアゲハに遭遇した話は書いたが、22日、近所の名越切通でも山道の水たまりに吸水しにきているのを見かけた。

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綺麗に翅を広げているシーンは撮れなかったのがちょっと残念。とはいえ、この近辺ではせいぜい数年に一度くらいの頻度でしか会えないカラスアゲハに、(兄と三浦アルプス南尾根ルートを歩いているときにも一度見たので)今夏はもう3回も会っている。ちょっと得した気分。

その7月の二子山行きの時には(それを期待して行ったにもかかわらず)会えなかったハンミョウにも、数日前(25日)、衣張山から杉本寺方面に抜ける手前で会った(しかも2匹)。

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林下でやや薄暗く、しかも警戒心が強くなかなか近寄らせてくれなかったこともあって、これまたあまりシャープで綺麗な写真は撮れなかった。

●Das Werkから、1:35で「ラムティーガー」が発売になった由。おもに市街戦で、体当たりしてバリケードを突破する目的で試作された車輛。ポルシェティーガーの車体に亀の甲羅のような(先端のとがった)構造物をすっぽりかぶせたもので、STAR WARSあたりに出てきそうな形態をしている。昔からスクラッチネタ/ガレキネタとしてそこそこ知られた存在だったが、とうとうインジェクションで出るとは。

……なんてことは単なる前振り。これのamazonの英語ページの商品紹介が、なぜか「Ram(衝角)ティーガー」ではなく、「Lamb(子羊)ティーガー」になっている(解説の途中にも、もう一カ所)。

Lamb

「羊の皮をかぶった狼」という表現はたまに聞くが、これって、「子羊の皮をかぶった虎」ってこと?

●ここ10日ほど、まるで心を入れ替えたように(?)真面目にガシガシ仕事をしていて、そのため模型製作はすっかり滞り中。そろそろルノーに手を付けないとなあ。

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ひょろひょろとにょろにょろ

●仕事も趣味も大絶賛停滞中。いかんね。

●2度目のコロナ・ワクチン接種終了(8日)。翌日、注射を打ったほうの肩が痛かった以外に特段の副反応なし。むしろ接種前の土曜日に兄と三浦アルプス南尾根ルートを歩いたための筋肉痛のほうがひどかった(数日間ずっと痛かった)。「真夏に起伏の多い南尾根ルートを歩くもんじゃない」というのをつくづく思い知った。

●激しく暑い日が続いていたが、数日前より雨。毎年「あの日も暑かった」と回顧されることが多い終戦記念日の今日(15日)だが、むしろ肌寒い。

●身近な生き物関連あれやこれや。

▼かみさんが「何か巣みたいなのができてる!」というので、縁の下を覗いてみたら、入隅に握りこぶし大の泥の塊が付いていて、その上にひょろっとしたハチが一匹陣取っていた。

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こういう泥の巣を作る、黒と黄色の細身の狩人バチには、在来種のキゴシジガバチと外来種のアメリカジガバチがあり、特に近年ではアメリカジガバチが優勢で、キゴシジガバチは地域によっては絶滅危惧種にもなっているらしい。

最初に撮った写真(左側)では両種のどちらか判別できなかったが、翌日改めて横方向から撮影(右側)。柳腰もここに極まれりみたいな細い腹柄が(名前の通り)黄色いことで、在来種のキゴシジガバチのほうだと確認できた。アメリカジガバチはここが黒いそうだ。

ちなみに名前に「ジガバチ」と付いているうえ、スタイルも地面に穴を掘る方の(腹の一部がオレンジ色の)ジガバチとよく似ているが、いわゆるジガバチはアナバチ科(ジガバチ科)のジガバチ亜科、キゴシジガバチやアメリカジガバチはアナバチ科の別亜科(Sceliphrinae亜科)で非常に近縁、というわけではないようだ。

上の2枚は縁の下の暗がりにスマホを突っ込んで撮ったのでお世辞にもいい写真とは言えないので、何年か前にヤブガラシの花に来ていたところを撮ったものを一枚。

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先述のように他地域ではアメリカジガバチに押されているキゴシジガバチだが、逗子では今のところ(少なくとも私は)、キゴシジガバチしか見たことがない。とはいっても、私自身出会って写真を撮ったのは数年に一度間隔で3度目くらいなので、それほどありふれているわけではない。縁の下の巣からは、ぜひ元気に新世代が巣立ってほしいと思う。

▼逗子鎌倉近辺の山すそには、割と季節を問わずだらしなく咲く大輪の紫のアサガオがよく繁茂している。おそらくノアサガオという野生種で、もともとは熱帯~亜熱帯地域に広く分布しているものが、近年ではこのへんまで勢力拡大してきているものらしい。

さて、ノアサガオの葉が、やたらめったら食害されている様子も目にする。いったい何が食い荒らしているんだろうと近寄ってよくよく観察してみると、こんな虫があちこちにいた。

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甲羅部分が透明で四周に張り出したカメノコハムシの仲間だが、今までに見たことがあるカメノコハムシの仲間(ジンガサハムシとか)に比べるとかなり大柄。調べてみると、どうやらヨツモンカメノコハムシという種類で、これまたもともとは南西諸島以南に分布していたものが北上してきたらしい。ちなみにカメノコハムシの仲間では国内最大級である由。名前の由来は黒い紋が左右に2つずつあるからだというが、後方、翅の合わせ目部分も黒いので、むしろ「イツモン」と言った方がいいんじゃないかなあ。なんて今さら言ってもしょうがないけれど。

▼さて、そんなノアサガオの食害を観察していたら、葉の陰からこんな奴が顔を出していた!

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あまりに目の前にいてびっくり。葉に隠れていて全体を観察できていないが、1m以上、おそらく1.5mくらいは優にある気が。胴の太さは2cmくらいあったと思うが、背中のハシゴ模様からするまだ若いアオダイショウではないかと思う。しばらく前にも道ににょろにょろ這い出してきたシマヘビまたはアオダイショウ(どちらかよくわからず)を見たが、どうも最近ヘビ遭遇率が高い。

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ルノー・ド・タミヤ――スタート前チェック

20210710_233231 ●前回書いたように、8月1日から、「週末模型親父」さん主催で、タミヤIV号発売記念のSUMICON特別版「タミヤフェス2021」がスタート。レギュレーションはざっくりと「比較的最近発売されたタミヤの陸物」。お手付き可。

IV号それ自体は(最新のGもその前のFも)買っていないものの、スチュアートとかKVとかルノーR35とか、新しめのタミヤキットは我が家にもそこそこある。どれにしようか(ちょっとだけ)考えた後、R35でエントリーすることにした。

●タミヤのR35は、ほぼ発売直後に入手して、パーツチェックがてら、ほんのちょっとだけいじっている。特にその際に全体のレビューなどは書いていないが、APX R砲塔についてだけは、タミヤ、ホビーボス、ブロンコ、トラペ、エレールの5種のインジェクション製品の比較記事を書いている。

8月1日以降、まだ工作は再開していないが、以下、確認がてらのスタート前状態の報告を。

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上写真左:現状、私のタミヤR35の箱の中はこんな感じ。車台の箱組その他少々は工作。写真にも写っているが、ディテールアップ用にPassion Modelsのエッチングと、ちょっと贅沢な“サイドメニュー”で、ホビーボス製の尾橇を手に入れている。

上写真右:実車の車体前端部は一体の鋳造パーツだが、タミヤキットでは前面中央、横一直線に部品分割線が入るので、丁寧に消す。ギアハウジング部前面は、部品分割や抜き方向の都合で若干のディテールの省略があるので、ここだけはすでにちょっとだけディテールの追加工作済み。

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車体側面と後面も、部品分割が実車と異なり、本来一体鋳造である部分の中途で接合するようになっているので、丁寧に消す(右が作業前、左が作業後)。後面パーツ側部下端にも分割線があるが、ここはどうせ誘導輪に隠れそうなので消していない。

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ホビーボス製の尾橇は、YSのパーツばら売りコーナーで見かけて買った後に、おおよそ組立済み。詳細はその時の記事参照。その時には、「大きな変更はなくタミヤの車体に取り付けられそう」と書いたが、やはりまったくそのままというわけには行かず、若干の調整は必要になりそう。

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