ソミュアのケグレス(13)――塗装開始
●「週末模型親父」さんのところの「SUMICON 2021」参加作、DESのソミュアMCG5(DES kit, #35023, SOMUA MCG5 d'accompagnement 1939/40)の製作記の続き。
●締切まであと数日。「え?今頃?」という感じではあるが、なんとか塗装に入った。
部屋の中で繊細なエアブラシ塗装ができる環境ではないので、基本塗装は最近定番の缶スプレー。
フランス軍車輛の基本色のグリーンに関しては、タミヤの一連のキットの塗装指示では、XF-58オリーブグリーンか、XF-51カーキドラブ(ルノーUE)が指定色となっている。しかし、タミヤの缶スプレーでは、この両色は出ていないようだ(それはそれとして、タミヤカラーは、エナメル/アクリルは共通だが、缶スプレーやラッカー系は番号体系が別らしい。なんでこんな不便なことをしているのか謎)。
私のイメージ(あくまでも個人的イメージ)としては、フランス軍車輛はあまりドラブっぽくない、「緑っぽい緑」な感じなので、いくつか見比べたなかで、ドイツ空軍用ダークグリーン(AS-24)を買ってきた。
缶スプレーは割と食いつきもよいし、そもそも暗い色なので隠蔽力も高そうだったので、今回はサーフェサーなどは吹かず、最初から色を一発吹きした。
戦車だとほぼ全部組んでしまって塗装というのもよくあるが、あちこち「中」が見えてしまうソフトスキンだとそういうわけにも行かず、ブロックごとに分割可能状態で撮想を開始。特に荷台部分については、内側を塗ってから幌と荷台を結合する必要があり、外側は結合後に塗ることにしたためにこの時点では外は未塗装。
●ここで一つ問題が浮上。プラバンの積層から削り出したキャビン屋根は、塗った後で積層跡が僅かに浮き出てしまった。ここに至る以前にも、指で触ってちょっと違和感があったので(とある切削工具メーカーに取材に行った時に聞いた話だったと思うが、人間の指先は繊細で、ミクロン単位の段差も検知できるそうだ)一度ヤスリを掛け直してあったのだが、それでは足りなかったようだ。
というわけで、一度塗った塗色をサーフェサー代わりにもう一回ヤスリ掛けしたのが以下の状態。
この後に(荷台と併せて)もう一度塗装したが、今度はだいぶ目立たなくなった。
●幌と荷台を結合する前に内部を塗装。どのみち結合してしまえば陰になってあまり見えないので、塗装はだいぶおざなり。幌布と幌骨はもうちょっとコントラストがあった方が格好いい……とは思ったが、時間もないのに見えない部分に凝るのも何なので妥協した。
椅子に関しては(他に頼るべき資料もないので)ソミュールの現存車輛の運転席シートを参考に、黒のレザー張りと判断して塗った。
内側塗装後に幌を再結合。
実車では幌布を左右4カ所ずつのベルトを荷台外側のロッドに掛けて固定しているが、私の模型でも、幌骨と一体の幌を、このベルトで固定する形になっていて、ロッド(金属棒)を抜き差しできるようにして幌を取り外し可能にしてある。
取り外し-塗装-再固定の過程で、プラペーパーのベルトが切れてしまうのではと心配していたが、なんとか(取り扱い不注意で)一カ所を切っただけで済んだ。
幌を取り付けた後に、再度ダークグリーンの缶スプレーで外側を塗装。その後、幌部分はエナメルのオリーブグリーンに茶系の色を混ぜた色を重ね塗りした。塗ってからよく見ると、エナメルのオリーブドラブの色とほとんど変わりなく、これならわざわざ混色せずにオリーブドラブのビン生で塗っても良かった……。
●そんなこんなで、現状の全体写真。幌以外のダークグリーン部分に関しては、クレオスのフィルターリキッドの「スポットイエロー」や油絵の具のアンバーなどでフィルタリング(ウォッシング)&墨入れし、若干の表情付け中。とはいえ、まだだいぶ暗くのっぺりしているので、細部塗装と並行して、さらに墨入れとかハイライトとかを入れていく予定。
なお、ウォッシング中に、早く乾かそうとうちわでパタパタ仰いでいて、バックミラーを弾き飛ばしてしまった。床の隅のホコリの中から無事発見し修復。アホかい。
いや、間に合うのかコレ……。
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コメント
もう少し明るめのグリーンをイメージしていましたがいい感じですね。
車体と幌の色調が違うのも上手です。
タイヤとキャタピラを塗り分けて荷台の風合いも調整されるのでしょうか。
ウェザリングがどうなっていくのか楽しみです。
投稿: hiranuma | 2021年6月29日 (火) 17時54分
作ってから塗り分けるっていう技術に脱帽です!
っていうか塗ってからくっきりとひきたつ精密な仕上がりが眩しいです。
工場とかにある定盤て、職人が手ではつって仕上げてるそうですね。
指でなでて平面を突き詰めると、機械加工じゃ再現できない究極の平面になるのだそうで。
投稿: みやまえ | 2021年6月29日 (火) 20時01分
>hiranumaさん、みやまえさん
というわけで、なんとか形になりましたよ!(次回記事参照)
「作ってから塗り分ける技術」と、みやまえさんは仰っていますが、そもそもポンコツなキットなので、特に足回りは最初にがっちんがっちんに固める覚悟でないと組めず、「作ってから塗る以外の選択肢は無し!」という感じです。
実は私も以前は、足回りなどは「塗るのと作るのの並行作業じゃないと、後からだと塗れないところが出てくるよね」という意識から離れることができなかったのですが、昔々(まだアーマーモデリングとかなかった頃)、某所で土居さんに「作ってから塗れない所はどうせ見えない(見えにくい)所なんですよ」と言われて目からウロコでした。
それ以来、大手を振って(?)手を抜いて塗れるようになりました。いや、そもそも塗装まで行きつかないことのほうが多いですけれど。
投稿: かば◎ | 2021年6月30日 (水) 21時57分