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ソミュアのケグレス(6)――キャビン周り・その3

●「週末模型親父」さんのところの「SUMICON 2021」参加作、DESのソミュアMCG5(DES kit, #35023, SOMUA MCG5 d'accompagnement 1939/40)の製作記の続き。

●ドアを作る。

先述のように、キットのドアは真っ平らだが、実車のドアは緩やかに外側に向けて膨らんだ形状をしている。

どれくらいの膨らみ具合かは、先日削った屋根との現物合わせで決めたが(要するに適当)、端と中心との差がおおよそ1mm弱。つまり、1mm厚のプラバンを円弧断面に削れば、ほぼぴったり収まることになる。

窓をくり抜いてから削るか、削ってからくり抜くかは少々考えたが、くり抜いてから削ると窓枠部分と下部とで削り具合が不均等になりそうだったので、窓は後から開けることに。ただしゲージとして、あらかじめ窓部分を抜いた0.3mm方眼プラバンを裏に貼り合わせて(端部の厚みを保持する目的も兼ねて)、その後ゴリゴリと削る。下左写真は、右が削る前の下準備状態。左がおおよそ外形を削り終えた状態。

屋根と違って目安となる等高線などはないが、横から光を当てるなどしてカーブの具合を確認しつつ削り、おおよそ満足のいくカーブが仕上がったら、裏の方眼プラバンに従って窓を開ける。

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その後、ディテールを追加、フェンダーに合わせた下部の切り欠きも加工した。

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表側のレバーと裏側の窓ガラス上下用のハンドルはキットのドアパーツのモールドを移植。レバーの位置は、実車ではだいぶドアの端寄りのようなので、キットのモールド位置よりも外側に寄せて接着した。

裏側のレバーはキットにモールドがなく、コの字の取っ手は片方のドアにだけあったが(もう片方は成形不良で欠落)、そもそも形もよくなかったので、新たに製作した。新しく作った裏側のレバーは表側のレバーよりだいぶ低く、小さめになってしまったが、これは製作途中で仮組みしてみたら、表と同じ大きさで作ると椅子の背と干渉することが判明したため。実車はたぶん同じ形/同じ大きさだと思う。

また、実は取り付けてある高さも表より若干高くズレているのだが、これは帯状の凸部を深く考えずにキットパーツに合わせた幅で作ってしまったせいで(レバーはその凸部の下端近くにある)、本当は凸部をもうちょっと幅広に作るべきだった。実を言えば、窓ガラスの開閉ハンドルも、もう少し内側寄りが正しい。これもキットのモールドに無批判に従ってしまったせい。わざわざ鉛筆で十字に取り付け位置を記入してあるのがちょっと侘しい。

というわけで、ディテール的にはいい加減で、「まあ、内側にはそういうディテールがあるんですよ」という存在証明程度にしかなっていない。が、面倒なので作り直さない。はっはっは。私にそれほど高度かつ厳密な工作を求めてはいかんよ。

●もちろんドアを作ったら「はい、キャビンは終わり!」というわけにはいかず、各部をきちんとフィットさせる必要がある。そもそもキットのドアパーツは寸法がいい加減なので、新パーツは改めて前面・背面とすり合わせて寸法を出さないといけないのだが、その前面・背面と、位置決めの基準になる床面とのフィットが今一つキッチリしていない。当初、キットの背面パーツをそのまま床面に接着しようとしたら、前のめりに角度が付いた。

とりあえず、そのあたりは削り合わせて、床面と背面は一度は接着してあったのだが、ドアと、それを介しての前面とのフィッテイングを見ている間に、背面パーツの微妙な変形やパーツ端部の成形の粗さが嫌になってきて、結局、「細かな難点にひとつひとつ対処するよりは」と、床面から背面パーツをもぎ取って、新たにプラバンで作り直してしまった。

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椅子の背部分はキットパーツでは背面板と一体になっているため、これもプラバン+プラ棒でおおよその外形を作って削り出し。なんだか今回、プラ材からの削り出しばかりやっている気がする。荒目のスティックヤスリ、大活躍。

なお、新造した方の背面板で後部窓の上下にレール状のものがあるのは、実車の窓が横にスライドして開く構造になっているため。もちろん、それらしくプラバンの細切りを貼っているだけで、可動の再現は考えていない。

●キャビンに関しもうひとつ問題は、「全部組み上げてしまうと中が塗れない(特に椅子が塗り分けられない)」ということ。もちろん手間を惜しまない人なら、「塗りながら組めばいいじゃないか」ということになるのだが、塗装があまり好きではない私は、できれば後でまとめてやっつけたい。

これに関してはあれこれ手順を考えたが、上記のように背面板の椅子の背を別部品として作ったついでということもあって、塗装の便を考え、床部品から椅子の座面をノコギリでスライスして切り離した。その後、ハンドルやペダル、レバー類を接着。基本はキットのパーツを(若干の疑問はありつつも)そのまま指定の場所に取り付けたが、ハンドルの軸は、誘導輪軸に使ったのと同じ、ドラゴンのT-34の角型燃料タンクのランナーがぴったりの太さだったので使った。妙に今回、このランナーの活躍場所が多い。

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後々の取付の際にズレなく簡単に取り付けられるよう、我ながら「余計な努力を……」と思ったものの、椅子の土台と座面の接合面にはわざわざダボを新設した。部分的に白いのは、ノコギリを入れた跡がデコボコになったのを(プラバンと瞬着で)修復したため。

そんなこんなで、結局、キャビンの前後上下左右6面のうち、4面が自作になってしまった。レジンキットの作り方として、何か間違っている気がする……。

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