ソミュアのケグレス(9)――荷台・その2
●「週末模型親父」さんのところの「SUMICON 2021」参加作、DESのソミュアMCG5(DES kit, #35023, SOMUA MCG5 d'accompagnement 1939/40)の製作記。
なんだかそろそろ息切れしてきた感もあるような、ないような。でもまあ、リタイアはしないよう頑張りたい。
●とりあえず、現状の仮組写真。荷台に幌が付いて、おおよそ、全体形はこれで整った感じ?
●前回からの進捗は、主に幌の造形。
1mmプラバンで幌の基本形を「箱組み」したところまで前回書いたが、完成後(覗き込まないとほとんど見えないとはいえ)「いかにもプラバンをバタバタ貼り合わせました」的な内部が見えてしまうとちょっと情けないので、プラ材で「クリノリン」風の細かい幌骨を入れた。
ソミュールの実車の場合、前後方向の骨はすべて板材なのだが、当時の実車の幌写真を見ると、屋根部分はもうちょっと角が出ている感じがしたので、屋根は丸棒、側面だけ板材にした。当時の幌内部の写真は(少なくとも私の手元には)ないので、幌骨の密度などはソミュール実車を参考にした(これも正確ではなく適当)。
後面の巻き上げた幌は、エポパテで捏ね上げるか、実際にティッシュなどを丸めて作るかするのが一般的な気がするが、前者は不得意だし(そもそも我が家にパテの在庫がないし)後者は幌の他の部分とのテクスチャを合わせるのが面倒な気がしたので、これまたプラバン積層から削り出した。
写真はまだ削っている途中の写真で、この後に左右を一度切り離したり、シワを彫り足したりした。
幌は荷台に若干かぶさる形に装着されるので、前面・側面は、基本形の上から0.3mmプラバンを貼り増した。前面が黄色のプラバン、側面がグレーのプラバンなのは特に深い意味は無し。ただ、前面はおおよそキャビンに隠れるので適当でいい一方、側面はそこそこ表情を付ける必要があり、グレーのプラバン(WAVEの方眼プラバン)は柔らかめなので、シワを掘るのが楽そうと思ったのも一因。
何枚かを合わせてある幌布の段差を表現する必要もあったので、幌の上面には薄い(0.1mm?)のプラペーパーを貼り増しすることにし、その幌骨表現を付けるために、天井には伸ばしランナーを貼った。
幌布同士や、幌と荷台の止めベルトはプラペーパーで追加。荷台への接続は、荷台の枠に通したロッドにベルトを通す仕組み。ロッド自体は0.5mmの金属棒を使ったが、荷台の枠の穴開けは、ドリルの刃が両側2本までしか届かず、中央の枠はロッドの金属棒自体の先を少し研いで、ドリル代わりにグリグリして開けた。本物のドリルほどではないが、レジン程度の硬さ(しかもこの程度の厚み)なら、それほど苦労無く穴開けできる。
上面と側面の幌布は、ソミュールの現存実車(およびいくつかの実車写真)では、前面と側面同様に、相互の幌布をまたいだ形の止めベルトで繋がっているのだが、作例のお手本とした車輛(“L'AUTOMOBILE SOUS L'UNIFORM 1939-40”、p209)ではそうなっていない。クローズアップ写真などないので詳細が判らないのだが、とりあえず「なんとなくこんな形?」みたいなディテール工作を施した。いい加減だなあ。
「謎留め具」の先端は何かループのようなものが付いているようだったので、極細の金属線を(下地に穴を開けて通して)再現した。裏側にシッポがちょっと残っているが、どうせ出来上がってしまえばほとんど見えないので放置。
表面のシワはプラバンの上から少し彫り込んで表現した。実際にはもっと「引っ吊りシワ」などあったほうがそれらしいのだが、もともと割とピンと張って張られている幌で、それなりにシワを多く彫ると、今度はその下のフレームに張り付いた部分の表現も必要になってくる。あちこち留め具があるので、自然な「引っ張り方向」も難しい。これ以上シワをつけようがない上面とのバランスの問題もあるので、あまり深入りしない方が無難かも。
幌の前面と側面、側面下と荷台、それから後面の巻き上げた幌、それぞれの止めベルトにはバックルが付くが、それに関しては今後追加の予定。どんな方法で(できるだけ楽に)バックルを表現するか、なお考慮中(というか思い付いていないので手が止まり中)。
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