ウグイスの初鳴き
●19日金曜日、名越の山の中でウグイスのさえずりの初鳴きを聞く。
「いや、ちょっと待って。今のウグイスの声だよね? ウグイスって2月にもう鳴くもんだっけ?」
などと思いつつ、立ち止まってしばらく待ってみたが、結局、第2声は聞けなかった。
あれは結局聞き間違えだったんだろうか、などと思っていたのだが、21日日曜日、二子山に登りに行って、二子山上ノ山~下ノ山~阿部倉山と縦走する間に、今度は数回耳にした。
ちなみに「ウグイスの初鳴き」は、気象庁がまとめている「生物季節観測」のメニューの一つに取り上げられていたのだが、2020年11月、気象庁は生物規則観測の対象となる種目・減少を大幅に削減することを発表。ウグイスの初鳴きも、対象から外されてしまった。
大幅削減の理由は、個体数の減少などにより観測自体が難しくなったり、ブレが大きくなったりしたためだそうで、動物23種、植物34種が対象だったものを、動物(ウグイス含む)は全廃、植物もアジサイ(開花)、イチョウ(黄葉・落葉)、ウメ(開花)、カエデ(紅葉・落葉)、サクラ(開花・満開)、ススキ(開花)の6種目9現象に絞られることになった。寂しいことよ。
●上で書いたように、21日日曜日、二子山に登る。
ここのところ、近所から二子山をはるかに眺めて、「そろそろ久しぶりに行くか」と思ったのが一つ。さらに、草が茂っていないこの季節こそ、二子山上ノ山から下ノ山、阿部倉山のルートを歩くにはもってこいなのではないか、と思ったのが理由の二つ目。
以前にも書いたが、二子山上ノ山山頂までは、高角砲陣地があった名残りで自動車も通れる「砲台道」が続いているため、お散歩感覚で登ることが出来る。が、そこから先、双子の片割れである下ノ山と、それに隣接する阿部倉山にも足を延ばそうとすると、途端に道は面倒臭くなる。
そもそも二子山の二つの山は「寄せて上げて」みたいな格好をしていて、間の谷は妙に深く切り立っている。上ノ山から下ノ山にハシゴするには、その谷を「降りて、登って」する必要がある。右写真は名越の大切岸から見た二子山。この角度からだと阿部倉山は下ノ山の手前になるので判らないが、下ノ山と阿部倉山の間の谷も結構険しい。
そもそも上ノ山山頂と違って、下ノ山山頂と阿部倉山山頂には何があるというわけでもないので、そちら方面に歩くのは、初めて二子山に登った時以来。
●まあ、一応上ノ山に来たからには、恒例行事的に砲座跡と、藪の中の探照灯台座(?)のコンクリート柱を撮る。
相変わらず、藪の中のコンクリート柱は頭がかすかに見えるだけ。
前述のように上ノ山から下ノ山、阿部倉山に向かう道はかなり険しく(といっても、もちろん、逗子・鎌倉近辺の山のレベルで「険しい」なのだが)、途中は上り下りの補助のためにロープが張られている場所も。久々に歩くと結構きつく、ああ、hn-nhさんやみやまえさんを道連れにしたい!などと不穏なことを考えたが、前述のように下ノ山や阿部倉山に軍事遺構の類は特にないので、多分付き合ってくれないだろうなあ。
下写真群1枚目は上ノ山と下ノ山間の道の最も低い部分の尾根。この写真だと、「まっすぐ綺麗な歩きやすそうな道」にしか見えないが、左右はほとんど断崖絶壁という、逗子・鎌倉近辺の山ではよく見る狭い馬の背の尾根。3枚目は下ノ山山頂。以前に訪れたときは普通だった看板が、アバンギャルドな状態に。これも前に書いたが、終戦直後の米軍の空撮写真を見ると、下ノ山山頂にも何かの施設(観測所?)があったように見えるものの、現在は(ちょっと怪しい深い窪地以外)特に何の痕跡もなく、木も茂っていてまったく見晴らしも利かない。
4枚目は下ノ山~阿部倉山間の最も傾斜がきつかった下りで、この写真だと判りづらいが、写真の道の先と足元とでは、たぶん5m以上の高低差がある。しかし、こんなに険しい山道なのに、片側の谷の木々を通して南郷中学校や南郷上ノ山公園が見え、公園のグラウンドで遊ぶ子どもたちの歓声やサッカーボールを蹴る音が響いてくるので、なかなかシュールだ(結構奥山に踏み入った気がするのに、ふと気付くとすぐ横が住宅地、というのは、逗子・鎌倉の山道にはよくある)。
6、7枚目は阿部倉山から降りきったところの石仏群。最後の1枚は人里に降り立って振り返ってみた阿部倉山。二子山もそうだが、お椀を伏せたような山なので、ふもとでむしろ傾斜がきつく、山頂は割となだらか。
●ここのところ毎年、フキノトウの収穫をアテにしている野原が、今年は冬の間に草刈りされなかったこともあってか、ほぼ壊滅状態で、ごくごく小さなフキノトウが少数しか採れず。
半ばあきらめかけていたのだが、あちらこちらで少しづつ採り集めたら、結局はある程度の量になったので、フキ味噌とオリーブオイル漬けを作った。相変わらず、材料の分量に関してはまるっきり適当。
今年のフキノトウはこれで打ち止めかなあ。ちなみにノビルも全滅状態。
| 固定リンク
「かば◎の迂闊な日々」カテゴリの記事
- 鍬ノ峰(2025.05.11)
- 詐欺まがい(2025.04.30)
- 大回り乗車(2025.04.12)
- 二子山高角砲台の謎柱(2025.01.28)
- AIミリタリー絵描き(2025.01.19)
「いきもの」カテゴリの記事
「軍事遺構」カテゴリの記事
- 二子山高角砲台の謎柱(2025.01.28)
- 観音崎再訪(2024.11.08)
- シンャホルストル(2024.11.15)
- 砲台に消えた子どもたち・2024(2024.10.21)
コメント
田端義夫の十九の春で、
「奥山ずまいのうぐいすが、梅の小枝で昼寝して、春がきたよな夢を見て、
ホケキョホケキョと、鳴いていた」って歌詞を思い出しました。
うぐいすは、今の時期はヤブで「カチカチ」って地鳴きしてるのを人里で結構聞きます。
金沢区の工業団地の公園の藪にもいてびっくりしました。
役所の調査って、なんか、政策ありきで実は実態を見てないんじゃないかなって気がします。
ノビルはうちのむかごをばらまいといた鉢植えは、いま猫草みたいに茂っちゃってて、
そろそろ収穫しようかなんて思ってますです。
里山巡りとやぶくぐりは軍事と関係なくても基本好きなのでお供しますよ。
投稿: みやまえ | 2021年2月24日 (水) 19時57分
>みやまえさん
ぜひまた歩きに行きたいものですなあ。
周辺事態が落ち着いたらぜひ。
第一候補はやはり「桜花発進基地跡~砲台山」ハシゴですかね。
投稿: かば◎ | 2021年2月25日 (木) 22時36分
楽しそうです。楽しみです。
投稿: みやまえ | 2021年2月26日 (金) 20時05分