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ソミュアのケグレス(4)――キャビン周り

●「週末模型親父」さんのところの「SUMICON 2021」参加作、DESのソミュアMCG5(DES kit, #35023, SOMUA MCG5 d'accompagnement 1939/40)の製作記の続き。

●前回の車体前端部の工作に関しては、その後、シャーシフレーム先端の切断部分を少々削ったり盛ったりして、超壕ローラーの位置をやや高めて再接着した。ついでに「上物」も仮に置いてみて様子を見たのが以下の写真。

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友情出演の阿修羅さんは35等身大よりやや大きめ。35倍してみたら、身長2m20cmくらいだった(髷含まず)。

●そのままエンジンボンネットの追加工作とかキャビン前面とのフィッティングとか、とも思ったのだが、ちょっと矛先を変えてキャビン屋根を作ることにする。

キャビン屋根については、そもそもキットのパーツのまま何も考えずに組もうと思っていたのだが、たまたまfacebookで同じキットを組んでいる方から「厚み不足では」と指摘され、「そう言われれば、なんとなくそんな気がしなくもないような」と考え出す。それだけならパテ盛りかプラバンの張り増しをして削って修正、というのもよかったのだが、ここで、初回に書いた「ドアパーツの微妙な歪みの修正が面倒なのと、そもそも寸法が合わないので新調しよう」問題が再浮上。

キットのドアは(歪みは置くとして)基本、まったく平板状になっているのだが、実車写真を見ると、どうもこのドアは緩やかに外側に向かって膨らんでいるらしい。以下は、"L'AUTOMOBILE SOUS L'UNIFORME 1939-40"からの引用。

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ドアに光が当たっているので、アールが付いているのが判りやすいと思う。

一方で、キットの屋根パーツは、平板なドアに合わせて、平面形の左右は直線的に前方に向けてテーパーが入った状態になっている。結局、全体的に形状を直すならと、プラバン積層のブロックから削り出すことにする。写真右がキットパーツ、左が削り出す元のブロック(基本は1.0mmプラバンの積層。一部2mm角棒。写真は裏側で、裏が真っ平らな塊というのも何か嫌だったので、2mm分ほどは窪んでいる。下は平面形出しのためのテンプレートとして切り出した0.3mm方眼プラバン。

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削っている間にいちいち確認し直さなくてもいいように、ブロック裏側後辺の中央には、ノコで刻み目を入れてグレーのプラバンを埋め込んで、中心線の印とした。

●というわけで、ガリゴリ削り作業中。

表側に関しても、一番上の1mmプラバンを中心線で分割し、色プラ(タミヤ48マーダーの、リベットを削いだあとのジャンク車体)を挟み込み、削り作業中に常に中心線を確認できるようにした。金剛力士様は力業の具現化として御登場頂いたもの。ほぼ35等身大。

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削り始めて思ったこと。……タミヤの白いプラバン固いよう。ここは昔ながらのバルサとか朴材とかにすべきだったんじゃないかと、ちょっと前の自分を小一時間(以下略)。

いやいや。バルサや朴材だと簡単にエッジを潰しそうだし。瞬着の目止めとかも、一度してみたい気もしたけれど。とにかくもう削り始めちゃったわけだし。って、そんなことをぐじぐじ言っている間に、小一時間、一心に削れ!(金剛力士様よりのお達し)

散歩の途中でブロック塀とかにがーーーーーっと擦り付けたらたちまち削れるんだろうなあ。

●削り作業途中経過。

プラバン積層のメリットは、積層した接着面が等高線として出てきて、削る目安となること(もちろん、バルサとか朴材でも何かを挟んで積層すればいいわけだが、プラ材はまったく硬さの変化などが出ないのがよい)。

以下はまだあまり削っていない段階(左)と、だいぶ削り進めた段階(右)の写真。等高線が徐々にまん中寄りになり、最上部の1mm厚で挟んだ中心線の色プラもやや短くなっているのが判ると思う。

もっと厳密・正確に削る場合には、もちろん、断面形雌型のテンプレートなどを用意すべきだが、この屋根程度なら、等高線頼りの目分量でもなんとかなる。ただし、もっと見やすくするために薄い色プラ材を(水平方向にも)挟んだほうがよかったかな、とも思う。

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キットの屋根パーツは、前述のように平面形で左右辺が直線的にテーパーがかかっていて、さらに側面形でも上部ラインが直線的。仕上がりの目標としては、「どの部分も緩やかにカーブ」。なお若干削り進めるかも。また、屋根前端、フロントガラスよりも前の「ひさし」の部分は、後ろ側に比べて一段下に長くなっているので、今後、その部分を貼り増す必要もある。

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コメント

かば◎さん

良いことをされたと思います。
きっと観音様も喜んでいることでしょう。
こういうところは目につくもので直線とRになってるのでは雰囲気が違いますので大事なところだと思います。
ドアも上手に仕上げてください。

投稿: hiranuma | 2021年2月16日 (火) 18時29分

>hiranumaさん

キットのドアが歪みなく、寸法的にもキャビンにピッタリはまったら、形は多少違っていてもそのまま使ったかもしれません。

なんというか、一ついじると決めると連鎖反応であれもこれも、みたいな感じです。

投稿: かば◎ | 2021年2月16日 (火) 22時33分

屋根パーツは積層したプラ板の中に埋まっているので、後はただ無心にそれを掘り出すだけ…とも言えますね。
…とかは置いといて、長い年月を経てレジンがだいぶ収縮してるんでしょうか。その点、履帯が元々長めなのはラッキーでしたね。これが短かったら心が折れそうです。

投稿: セータ☆ | 2021年2月16日 (火) 23時10分

>セータ☆さん

削り出しに仏師の心は欠かせませぬ。

長年の死蔵の間にレジンが収縮……いや、これは元から寸法がいい加減なんじゃないかという感じが……(ぼそ)。

履帯は普通のリンク物と違ってほぼたるみがないので、調整は気を使いました。誘導輪位置が(実車同様)動かせたのがありがたかったです。

投稿: かば◎ | 2021年2月17日 (水) 10時17分

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