逗子銀座の越境蓋
●逗子駅前の逗子銀座商店街の歩道上のマンホールには、同商店街専用のカラーシールを貼り込んだ専用蓋(3種類)が主に使われているのだが、ここ最近、他自治体の蓋が複数枚、紛れ込んでいるようだ(気づいたのは昨日、25日夜)。
改めて今日(26日土曜日)、日中に商店街を歩いて写真を撮ってきた。
1枚目は県内、二宮町。松原と海、その向こうの富士山のデザイン蓋。防錆塗料も黒々としていて新品蓋のようだ。古本屋のととら堂への入口あたりの歩道。下端に「にのみや うすい」の文字。ちなみに二宮町の汚水用蓋は、単に文字替えではなくて絵柄も違うらしい。なんだかちょっと贅沢。
いきなり遠距離のうえに、合併によって現存しない町のマンホール蓋。富山県福岡町(現・高岡市)。町のシンボルマーク(なぜか町章とは別にシンボルマークがある)と町の花サクラとコイ。福岡町は養鯉業が盛んで、シンボルマークも跳ねるコイの図案化である由。下端に「福岡町 下水道」の文字。「魚屋修二」前(まさかコイが描いてあるから?)。
3枚目はクレヨンしんちゃんの住む埼玉県春日部市のもの。市の花フジを一面に配し、下端に「かすかべし おすい」の文字。「ハマまで5分」のちょっと脇。
4,5枚目。最初に挙げた二宮の隣、大磯町のものが2枚あった。「珠屋」の前と、その向かいのキングプラザ前。クロマツとサザンカとカモメと海。左上に墨書体で大きく「大磯」。こんなふうに自治体名を入れているのはやや珍しい? 下端に小さく「おすい」の文字。
実は大磯の文字がデザインと一体化しているために、最初は文字に気付かず、最初は「松、海、カモメってどこだぁ?」と、それだけを手掛かりに検索してしまった。
●基本、下水道というのは自治体(市町村)が管理していて、その自治体が定めたマンホール蓋を使っているため、例えば隣接していて下水道の管路が市町村境をまたいでいるとかいう場合以外、原則として他の自治体の蓋が使われることはない。
が、例外的に、何か工事の都合や、蓋交換に際しての仮置きなどといった理由で、(おそらく請負業者が他に担当している自治体の手持ちの蓋などを流用したために)まるで無関係の自治体の蓋が置かれることが稀にある。こういうケースを、マンホール蓋のマニア(マンホーラー)の呼称で「越境蓋」と言う由。たとえば東京都下水道局広報誌のこちらの記事などを参照のこと。
テンポラリーで置かれるものなので、しばらくするとその自治体の正規の蓋に置き換えられてしまうことが多いようだ。実際、「日本マンホール蓋学会」サイトの逗子市のページを見ると、過去にも、商店街(タイルの模様から見て逗子銀座商店街)の工事の際に、越境蓋がそれなりの数、使われていたことがあるようだ(それらの蓋は今回の蓋とは全然別の自治体のもので、現在はすでに見ることが出来ない)。
上で紹介の蓋も、さて、いつまで見られるやら。
●オマケ。越境蓋は短期で正規のものに置き換えられてしまう、と書いたばかりだが、なかなか消えないものもある。
下は、逗子市桜山の、県道24号にある越境蓋。
デザイン自体は珍しくもなんともないJIS柄だが、中心のマークが逗子市章ではない。これはいったいどこのマーク?と不思議に思っていたのだが、川崎の実家近辺で同じデザインを見て、川崎市章に「下水」の文字を組み合わせたマークと判明。何たる偶然。
それはさておき、この蓋を確認したのはマンホール蓋に興味を持ち始めた一昨年あたりのことで、その当時から割と使い込まれた姿で、今に至るもそのまま使われている。絵柄が全国共通のものなので放置されているのかも。
●オマケ2。小坪漁港のちょっと手前当たりの路上で、変なマークのハンドホール(人が入れる大型のマンホールではなく、手を入れるくらいの小型のもの)蓋を発見したのは今年の初め(左写真)。
なんとかネットで市町村章をつきとめ、茨城県土浦市のものだと判明した。
しかし、ちょっと前に、右のような蓋に交換されてしまった。これはこれで他で見たことがないのだが、越境蓋なのか、それとも何かしら汎用な蓋なのかよく判らない。
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