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裁判員

●29日月曜日昼前。自宅で、今年初めてのニイニイゼミの声を聴く。

●30日火曜日。「Pokémon GO」にアップデートが入り、約20日ぶりに私のスマホでもログインできるようになった。いそいそと近所の公園のジムに自分のポケモンを配置しに行く。

20200701_230147 ●前回、「用事があって横浜に連日通っている」と書いたのだが、具体的には、横浜地裁での裁判員(より正確には補充裁判員)。なんとかお勤めも終了し、こんな記念品を貰った。

「裁判員バッジ」って……。こんなん付けて歩く人、いるのか?

デザイン的にも、なんだかゲームセンターのコインっぽい。ただしゲームコインほどの大きさはなく、1:35のKVの転輪とほぼ同サイズ(たまたま現在最も手近にある比較対象)。もっともピンバッジとしてはやや大きめ。

デザインは手錠……ではもちろんなくて、二つの輪は裁判官と裁判員が協力して事に当たること、その効果は無限大(∞)であることを示すのだそうだ。またバッジでは銀色だが、カラーだと二つの輪はそれぞれ暖色・寒色のグラデーションで、情熱と冷静を表すのだとか。

裁判員をやる前は「裁判員になったことは言っちゃいけないんだよね?」とボンヤリ思っていたのだが(たぶんそう思っている人も多いだろうが)、実際には、公判中は口外してはいけないものの(関係者が接触してくる可能性がある等々で)、公判が終了してしまえば、審理の過程には守秘義務があるものの、どのような事件の裁判に関わったのかまで含めて話して構わないのだそうだ。むしろ、裁判員制度について広く世間に知ってもらうという点からは積極的に話してください、くらいの感じのようだ。

ちなみに裁判員バッジは、かつては裏に通し番号(と裁判所名?)が刻印されていたらしいが、現在のものにはなく(コスト削減?)、若干「プレミア度」が低い(……ことを惜しいとも思わないが)。いずれ、現在の在庫がはけた段階でバッジの配布そのものがなくなる可能性があり、「その意味では貴重品と言えるかもしれません」と裁判官に言われた。もっとも実際に付けて歩く人はまずいないだろうし、本当に「記念品」以上の意味を持たないので、廃止されて当然な気はする。というか、そもそもこんなものを作ろうと考えた人は明らかに何かズレている(マンホールカードとか貰って喜んでいる私が言うことではないかもしれないが)。

試しに検索してみたら、結構大量にヤフオクとかメルカリとかに出品されていた。まあ、そうなるよね……。

もっとも私は“物”好きな人間なので、一応は引き出しの中に入れて取っておくつもり。で、静岡ホビーショーのピンバッジなどと同様、忘れた頃に何かの弾みで手に取って「そういえばこんなん貰ったなあ」と思い出すことになるのだろうと思う。

●もともと、「今年、裁判員に選ばれる可能性があるから覚悟しといてね~」というような通知が来て、その段階では「どうせこれから何回か抽選があるのだから、選ばれることはないだろう」と軽く考えていたのだが、結局6月半ばには横浜地裁に呼び出され、当日の抽選で(この段階でたぶん30人くらいだったと思う)6人の正規の裁判員、2人の補充裁判員のうちの補充裁判員に大当たりしてしまった。

補充裁判員というのはごく簡単に言うと「ベンチ入りの補欠」で、公判の間、裁判員に(病気や急用などで)欠員が出た場合に代わって裁判員を務める役割。聞いた当初は、「じゃあ、出番が来るまでおとなしく隅っこに座って他の人の話を聞きながら待っていればいいのか」と思っていたのだが(むしろ居眠りしないでいられるかが心配だったが)、実際には最後の評決の際に一票として数えられないだけで、最初から最後まで他の裁判員とほとんど変わらず、評議の過程でも逐一意見を求められた。また、(正規の)裁判員が欠けた場合に代わって務めるというのも、(正規の)裁判員が出られない日/時間だけ、ということではなく、「一度代わったらそのまま最後まで」だそうだ(今回はそんなことにはならなかったが)。

審理において被告人に質問することはできないが、実際には「これまでの審理でどんな点が疑問で、被告人にどんな質問をしたいか」は事前に評議室で皆で話し合っていて、その際に補充裁判員が呈した疑問に関しては、法廷で裁判官が代わって訊ねるので、この点でも大きな差はない(ちなみに法廷では裁判官と裁判員が法壇前列に並んで座っているのに対して、補充裁判員はその後ろに下がった位置に専用の席が用意されている)。

最後の評決には加わらないとは言っても、細かい事項ごとに、「検察の言い分についてはこう思う、被告人の証言はこう思う、この行為についてはこう感じる」などと意見を述べ合っていて、そこに至るまでのある程度のコンセンサス形成に加わっているため、「最終的には何もしていない」といった印象はなかった(また最後の評決の際にも「“選挙管理委員会”をやってくださいね」と票の確認作業を割り振られた)。

もっとも、裁判所のサイトのQ&Aを見ると、補充裁判員に関しては

「1つの事件につき,最大6人まで選任」
「評議で意見を述べることはできませんし(裁判官から意見を求められた場合は可能)」
「審理や評議の進行状況やスケジュールなどを考慮した上で,これ以上職務を行っていただく必要がないと認められる場合には,裁判の途中で解任されることがあります」(今回は評決が終わった後、判決宣告日もきちんと出席した)

と書かれており、補充裁判員がどれだけ関わるかについては(そもそも何人選ばれるかも含めて)、その裁判を担当する裁判官の裁量に任されている部分も多いようだ(今回は補充裁判員にもどっぷり関わってもらう方針の裁判長だったということかもしれない。いや、他は知らんけども)。

ちなみに新型コロナ感染症拡大防止策として、いつもと対応が違っている部分もあれこれあったようで、評議も広い部屋で間隔を離してゆったり座り、法廷でも法壇上は各人の間にアクリルのパーティションが設けられ、全員マスク着用だった。

●選任手続の当日には「選ばれたら面倒くさー」と思っていたし、実際に選ばれて法廷に出たり、審議に参加している間は非常に緊張もしたし気疲れもしたのだが、終わってみれば、よい経験だったのではと思う。

もっともそれは、裁判員裁判の対象が重大犯罪であるとはいえ、今回の裁判は強盗致傷で、殺人等に比べれば事件の経緯も証拠も衝撃の度合いが低く、また被告人自身も起訴事実をすべて認めていて、法廷で争う姿勢がまったくなかったためもあるかもしれない。(実際に選任されてすぐにパンフレットが配られたが)メンタルケアが必要なほどの内容で、しかも審議すべき内容も複雑でなかなかまとめられないようなものであったら、印象も違ってくるかもしれない。考えてみれば、横浜地裁の管轄であれば例の「津久井やまゆり園」で19人が殺された殺傷事件を担当する可能性もあったわけだ(あちらはもう地裁の公判は終わっているが)。

一方で、起訴事実をすべて認めているために求められるのは量刑を決めることだけ(しかも検察官の論告求刑と、弁護人が最終弁論で求めた刑期のあいだにも、それほど顕著な差はなかった)で、「それならもう、裁判官が量刑の“相場”みたいなものに基づいて決めちゃっていいんじゃないの? 裁判員要らないんじゃない?」とも思ったのだが、実際には(前述のように)細かな事項のひとつひとつについて全員の意見を求め、「ではこれについては裁判官・裁判員の考えとして**というふうにまとめたいと思うがどうか」と諮られて進んでいくという具合で、人ひとりの人生を決めるには、やはりこれだけの綿密さと慎重さが必要なんだな、と実感させられた。

……と書くと、なんだか自分でもあまりに優等生的に結んでいるような気もするけれど。

●だいたい朝から夕方まで裁判所に居ることになる。天気が悪くて出るのが億劫なため、裁判所内で売られている弁当で昼食を済ませたこともあったが、昼時に雨が止んでいる時は近くの横浜中華街まで行って、なるべく違う店で肉まん(豚まん)を食べた。本当は「何か美味そうなテイクアウトがあったら裁判所に持って帰って食べようかな」と思っていたのだが、意外に、店先で弁当を売っている店は少なかった。

「横浜中華街でどの店の肉まん/豚まんが美味いのか」というのは昔からの個人的なテーマではあるのだが、きちんとチェックしているわけではないので、どこの店は食べたことがあるかが曖昧になり、今のところ「ここが一番」というのははっきりしていない。せいぜい、「1個500円は高いけれど(その代わり巨大)、やっぱり『江戸清』は納得できる味かな」程度。ほか、今回食べた中では、中華街大通りに面した「同發」のものがオーソドックスながらなかなか。なお、「中華街の肉まんだからどこもそれなりに美味い」ということはなく、中には「これならコスパ的にもファミマの黒豚まんのほうがいいや」と思うものもあったりする。

ちなみに中華街の人通りは、コロナ前と比較すると激減と言っていいくらい減っているように感じた。昼時に中華街大通りがこんなに向こうまで見渡せるなんてなかった気がする。

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実際には、中華街とは反対の馬車道側に行った方が、ビジネスマン向けの小食堂とか店先での弁当販売などが多かったようだ。最終日には、麻婆豆腐が美味いと裁判員仲間の人に教わった、太田町通りの「三熙(さんき)」という店に行って、「もつ麻婆豆腐定食」を食べた。味は甘いのにがっつり辛く、なかなか好み。しかしセットとしてサンマーメンが付くのは個人的には余計で、その分麻婆豆腐が多いほうがよかったかも(知っていればそういう注文にすればいいだけの話だと思うが)。

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近くで見た案内板。落ち着いて見れば、横浜の「中区」の年金事務所であることがわかるが、ぱっと見では、どうしても「横浜・中年」と読んでしまう。

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コメント

なんと、裁判員!
ある日突然召集令状がくるような感じなんですかね。選ばれる基準って何かあるんだろうか。税金ちゃんと払ってるかとか朝寝坊の習慣はないかとか...
それにしても連日とは大変ですね。

景品のバッジのデザインはもう少しなんとかならなかったのかしら
保安官バッジみたいにアクセサリーぽいのとかフリーメイソンのマークのような秘密を共有できそうなものだったり、あるいは偶然にもKV-1の転輪パターンと同じだったりしたらちょっと欲しい。

投稿: hn-nh | 2020年7月 2日 (木) 20時19分

お疲れ様でした。裁判に上下の隔て無し!(言ってみたかっただけです・・・)
貴重な体験談、ためになりました。

裁判所といえば、夜に最高さん番所の建物を見ると、あれはすごい威厳がある建築物ですな。石の握りこぶしみたいな。

ところで昨日横浜へ行きましたが、駅チカは以前のような人混みでした・・・

投稿: みやまえ | 2020年7月 2日 (木) 23時46分

>hn-nhさん

確かに赤紙的なところはありますが、「裁判員なんかやってられ~ん」という事情は斟酌してくれるので、赤紙ほどの強制力はないです。

お勤め人の場合、会社は「裁判員に選ばれました」というと、よほどの事情がない限りできるだけの便宜を図る義務があるはず。
我々自営業の場合は「休んだら生活が成り立たない」人もいるでしょうし、逆に「お勤め人よりも自由に休みを設定しやすい」人もいると思うので両極端って感じでしょうか。
ちなみに今回選ばれた方々のお仕事は(具体的には個人情報に関わるので伏せますが)結構バラバラな感じでした。

地方勤務経験のある裁判官から聞いたところによると、地方だと「農家のお年寄りが多数」なんてこともあるそうで。

投稿: かば◎ | 2020年7月 3日 (金) 10時12分

>みやまえさん

確かに最高裁のあの城塞のような姿は圧迫感ありますね。

なお、(中華街は以上のような感じですが)裁判所への「通勤」には横浜を通りましたが、駅のコンコースも西口地下街も、常に「人がぎっしり」状態でした。
「三密を避けよう」ってどこのこと?みたいな。

見渡す限り、密密密密密密密密密……。

投稿: かば◎ | 2020年7月 3日 (金) 10時16分

タミヤの1/35新製品は4号Fとマーダー1

投稿: めがーぬ | 2020年7月 3日 (金) 12時23分

>めがーぬさん

うぉう!
それ、どこ情報ですか?

投稿: かば◎ | 2020年7月 3日 (金) 14時44分

「静岡模型商談会」というのが1.2日にあり
そこで(関係者に)公開されたのですが
一般への情報公開は本日だったそうです。

アスナロウモデルさんのツイッターに簡単なレポートが。

投稿: めがーぬ | 2020年7月 3日 (金) 15時54分

タミヤのツイッターにも出てますね。
マジだー!
https://twitter.com/tamiyainc/status/1278936556724555776/photo/3

投稿: かば◎ | 2020年7月 3日 (金) 18時20分

とうとうタミヤからマーダー1が出るんですね。ちょっとびっくり。
思わず不良在庫のRPMのロレーヌシュレっパートパンダホビーのマーダー1を捨てようかと衝動的に思ってしまったけど、まて暫し。タミヤのことだから、それらのキットを完全に過去の異物と葬ることはしないんだろうなと。KV-1でトランペッターのキットに引導を渡すことがなかったように。

裁判員裁判って何を期待してのことだったのかしら。事案によって判断がブレないのが法治主義だと思うのだけど、果たして裁判員にブレることを期待してるのか。そういrば十二国記のエピソード5で死刑制度の復活にゆれる話がありましたね。

投稿: hn-nh | 2020年7月 3日 (金) 22時39分

>hn-nhさん

我が家にはIronsideのロレーヌもありますよ。いやいや待て待て。Al-Byのレジンキットもあるんだった。

んでもって、確かRPMのは兵員輸送型と合わせて2つあります。なんだかもう。

投稿: かば◎ | 2020年7月 4日 (土) 21時40分

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