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バレンタイン復活の日(2)

●タミヤのバレンタイン工作。履帯をつなぎ終わった惰性で、車体側の細部工作進行中。

なんとなく続き物っぽく書いてはいるが、いつまたT-34-85やルノーR35に戻るかわからない。いやでも、面倒な足回りを済ませてしまったからには、ストレートにMk.II/IVで作るつもりなのであとは大掛かりな改修作業もないし(←Mk.VIIへの改修作業を見たいなあ、というhn-nhさんへの密かな催促)、このまま工作を全部終わらせちゃった方がいいのか?

●繋ぎ終わったブロンコの履帯はこんな感じ。

ちなみに、上部転輪は下部の転輪と違って、ゴムリムが横方向に膨らんでいないので追加工作はしていない。

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必要枚数は片側99枚。実車が、ではなく、あくまでタミヤのキットにブロンコの履帯を履かせる場合の枚数で、実車は(きちんと数えていないが)あと1,2枚多いようだ。とりあえず、ゆる過ぎずきつ過ぎず、ちょうどいい具合にはまる。

ブロンコのバレンタイン後期型履帯(AB3536)は、12枚綴りの枝が18枚入りなので、失敗なく組めれば1枝半余る。前回、(クリッカブル履帯にしては)比較的きっちり止まると書いたのだが、それでも、両側分繋ぐ間に、連結部がつぶれてしまったリンクが4枚出た。ちょうど予備履帯に回す感じ?

なお、はめてみてからわかったことだが、ブロンコの履帯はタミヤの起動輪に対してわずかにピッチが大きく、若干のダブ付きが出る。PMMSのAFVクラブ、MiniArtのバレンタインの比較レビューによると、MiniArtのバレンタインの起動輪はやや大径で、ブロンコの履帯はもともとMiniArt用のためピッチがズレているらしい。もっとも起動輪の歯はとりあえず合うし、ダブつくといっても、よほど注視しないと判らない程度。「AFVクラブの履帯の方がよかったかな……」とも思うが、あちらはあちらで、リンク同士のハメ合わせがどうだか判らないし……。

●なお、PMMSのレビューに関連してもう一つ。バレンタインの転輪は、大径のほうが24インチ。小径のほうが19.5インチだそうだ。1:35に換算すると、前者が約17.4mm、後者が約14.2mm。これが正しければ、タミヤの転輪はやや小径ということになる。私は外周に0.1mmプラペーパーを巻いたが、0.3mmプラバンを巻いてもよかったかも(その方が、ゴムリムとリムベース部分のバランスもよくなったはず)。

まあ、「今さら言うても」という話ではあるけれども。

●フェンダーを取り付けるに際しての些末工作。

バレンタインは誘導輪をスイングさせることで履帯張度を調整する、T-34あたりと同じ仕組みをもっているが、そのロック機構と思われる六角ロッドがフェンダー内側を突き抜けて顔を出している。

タミヤのキットではこれが再現されておらず、ロッドが通る穴の部分が浅い凹モールドになっているだけなので、この穴を開けるとともにロッドを追加することにする。なお、このロッドの下部、レバーをまたぐ部分もフェンダーの穴の位置と微妙にずれているので、ここもついでに作り直した(これは誘導輪基部のスイング用の“てこ”を突っ込む穴の掘り込みや、2カ所のボルト追加と合わせて、2年前にすでに工作した部分)。

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六角ロッドに関しては、プラストラクトあたりにちょうどいい素材がないかと思っていたのだが、新型コロナ騒ぎで模型屋にも行けなくなってしまったため、自分で丸棒から削った……のだが、ちゃんと六角断面になっていない気がする。

●右フェンダー前部にはジャッキ台と思われる木製ブロック収納部がある。本来は、薄板で組んだ箱型枠の中に木製ブロックが2段重ねで入っているのだが、キットパーツは抜きの関係で2段に分かれていないうえ、枠の底部分は台状のモールドで上に乗るブロックのパーツもエッジが立っていないため、「枠に収まっている」のではなく、どうしても(パーツ構成通りに)「台に乗っている」ようにしか見えない。

ブロックと一体の枠や止めベルト、ブロック自体の木目モールドも実感に欠けるので、そのあたりを若干いじった。

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上横の枠は他のキットのエッチングパーツの枠から。止めベルトはプラペーパーで作り直そうと思ったが、結局手を抜いて、ドラゴンのT-34のグローサー取り付けベルトのパーツを加工。下枠は、フェンダーからリブ分浮いて見えるように、見える所だけ少し彫り込み、留め具を4カ所追加した。

もちろん、この辺は、フェンダーステイあたりも含めて別売のエッチングパーツを使えば一挙解決な部分なのだけれど、そこまで張り込む気にはなれなかったというか(ちなみにタミヤのキット用エッチングでは、パッションのものが要所を抑えた手ごろなものでよさそう)。

●左フェンダー上には大きなマフラーが付く。排気口は元パーツの掘り込みが浅く、2分割のパーツを貼り合わせたらますます埋まってしまったので、改めて深く掘り込み、2カ所の仕切りも入れ直した。が、そこまでやったところで、「そもそもパーツを貼り合わせる前に内側を彫り込んでおけばもっと楽だったんじゃ……」と気付いた。迂闊。

マフラーカバーの前端には、フェンダーステイへの取付ボルトを追加。なお、このボルトの位置や数はじめ、この戦車の細部ディテールは現存車輛のwalkaround写真を見ると車輛ごとに結構違いがあって、そもそもMk.II/Iだとどんな形状がスタンダードなのかがいまいちよく判らない。

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●左フェンダー上、エンジンルーム横には何やら四角い枠状のパーツが2つ付く(キットパーツP3、写真のオレンジ矢印)。最初は何かの工具のホルダーかとも思ったのだが、そうではなく、エンジンルーム上面を左右に開いた際の受け金具なのではないかと思う。右フェンダーは工具箱があるので金具の意味がないためか付いていない(工具箱が付いていない車輛だと、右フェンダーにもこの金具が付いている例が確認できる)。

キットのパーツは単なる四角い枠だが、実車では薄板によるL字材の枠のようで、プラバンで枠を作り直すことも考えたのだが、あまり目立つ部分でもないし……と思って、適当に内側を彫り込んだ。こうして拡大して写真に撮ると仕上げが汚いなあ。ちなみに、窪んだ側が前なのか後ろなのかは、これまた現存車輛ごとに違いがあったりしてよく判らない。私は一応、両方後ろ向きにした。

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追加工作とは関係ないが、左右フェンダー後部の謎のツノ部品は、どうやら水色矢印方向に起こして、エンジンルーム後部パネルハッチを開いたときに、縦黄緑矢印のダンパーを受けるパーツであるらしい。無駄に凝っているなあ。みやまえさんあたり、バレンタインを作るときには可動にしそう。

なお、ツノを倒したとき、その先端部分(横黄緑矢印)を受ける金具がフェンダー側に付いている車輛もある。形式によるものか?

●フェンダー最後部は一段高くなっているが、その間は明瞭な段差ではなく、下の入隅部分は緩やかにrが付いている。で、右フェンダーの小さいほうの工具箱の後ろ側は、そのrに合わせて角が丸くなっている。

タミヤのキットは、フェンダーの入隅のrはなんとなく表現してあるものの、工具箱の角は丸くなっていない。

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というのに後から気付いて、いちど接着した工具箱を引っぺがして再工作。入隅のrはキットの状態よりもう少し丸みがあるように思うのだが、そこまで直すのは面倒くさいので、工具箱の隅を丸めるほうを控えめにした。

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コメント

AFVクラブの別売履帯は、嵌合がよくない、ピン跡が目立つなどあまり評判がよくなかった気が..それで私もブロンコの組立式履帯を買った気が。
そうかタミヤの起動輪だとピッチのだぶつきがでるのか。そしたら私は起動輪もMiniArtのバレンタイン戦車のものから流用しようかな。
え? 早くMk.7を完成させろって? そうね、「溜まってる宿題」を片付けるにはいいタイミングかも。 

投稿: hn-nh | 2020年5月 5日 (火) 18時40分

>hn-nhさん

ダブつくとはいっても、わざわざ起動輪を交換するほどでもない感じがします。
まあ、両方のパーツを持っているhn-nhさんの場合は、実際に調子を見て決めればいいだけの話ですね。

嵌合がよくない、ピン跡が目立つ……うう。それはいやだなあ。ブロンコの履帯はパーツにピン跡がないし、組立自体は非常に楽でした。結果的に、ブロンコを選んで正解だったと思うことにします。

投稿: かば◎ | 2020年5月 5日 (火) 19時38分

タミヤのバレンタインは比較的新しい部類のキットなのにけっこう手を入れる箇所が多いですね。
模型の楽しみですがどこまでやるさ(村田英雄)とはいかないので塩梅加減を。
転輪の膨らみ表現はお見事で実物の写真と見比べてかば◎さんの工作方が面倒でも正しいと思います。サス周りのボルトも見えるので効果的。
R35もこんなにあるものでしょうか?

投稿: hiranuma | 2020年5月 7日 (木) 10時39分

>hiranumaさん

タミヤのバレンタインは、「ちょっと行き届いてないな~」と思う点がいくつかある感じですね。
もちろん、「ここまで出来ていれば、あとはモデラーの方で何とかせいや」ではあるんですが。

私自身、このバレンタインに関してはもともと「キットをちゃちゃっと作ってソ連軍塗装にして……」くらいの気持ちで手を出したものなので、気になる防盾と転輪を直したら「やるべきことはやったかな」という感じで、あとは若干、もっさりした部分に手を入れるくらいで済ますつもりです。きちんと手を入れるなら、たぶんパッションのエッチングを買ったんですが。

R35はとてもよく出来たキットだと思います(砲塔の視察装置は2種入っていてほしかったなあ」というのはありますが)。
同じフランス戦車でもソミュアのような「ありゃ?」という部分もなく、「押さえるところはきっちり押さえている」印象です。

投稿: かば◎ | 2020年5月 7日 (木) 20時36分

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