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台風一過のあれやこれや

●季節労働の地図本の制作にいっぱいいっぱいになってしまい(と言うほどには真面目に仕事していないが)、当「かばぶ」の更新もだいぶご無沙汰に。そんな折にやたら強力な台風がやってきたりもして、hn-nhさんから「そっちは大丈夫だったの?(大意)」というお言葉も頂いたりしたので、近況報告やらなにやら。

とりあえず最初に書いておくと、我が家自体は木の葉が吹き溜まったくらいで、特に大きな被害はなかった。私自身は(兄が職場の研修で不在になるというので)川崎の実家の母のところに泊りがけで出かけていたので、家がどれくらい揺さぶられたかもよく判っていない。

なお、実家は東急・田園都市線沿線にあるが、割と午前中早めにもう動き出していた。昼に横浜経由で帰ってきたが、JR横須賀線は「いつ動くかもわからん」状態な一方で、京浜急行はその数日前(木曜日)に神奈川新町の踏切で大事故があったにもかかわらず、土曜日には復旧しており、台風後の月曜午後も(逗子線への直通こそなかったものの)割と普通に走っていて、そちらを使って問題なく帰宅できた。京急偉大なり。

●我が家の近所の山の下を通る神奈川県道311号(すいどうみち)には、逗子市と鎌倉市の境界となる3連×上下線の6本のトンネル群がある。ひっくるめて「小坪トンネル」と呼ばれたりする、全国的にはお化けトンネルとして有名な場所だが、うち、下り線(鎌倉→逗子方向)の2本(名越隧道、小坪隧道)は明治時代に地元有志が出資して浦賀道に初めて開削したトンネルとして土木遺産にも指定されていたりする。詳しくはこちら

が、その小坪隧道(6つのトンネルのうち、下り線の最も逗子側)の逗子側ポータルの上方の崖が台風で崩れ、現在(9月14日)もなお不通で、解除の見通しも立っていない。

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2枚目は小坪隧道の鎌倉側から覗きこんで撮ったもの。倒木が道路を塞いでいる。4枚目は山の上の住宅地からトンネル上の斜面を見下ろして撮ったもの。かなりざっくり崩れている。単に道路を塞いだ倒木を除けばいいというものではなく、3枚目の写真にも少し写っているように、トンネル上方にも倒木がまだ重なって引っかかっていたりして、下手をすると再び崩落しかねない状況であるらしい。

逗子から鎌倉へは普通に通れるが(1枚目の写真の左側・新小坪隧道が上り線)、鎌倉から逗子へは、大きく迂回していく必要がある。

●ほかにも近所で「あ、あそこの崖も崩れてる!」なんてところがちらほら。

もともと逗子・鎌倉はちょっとした平地を取り巻いて細かい谷戸が多数あり、しかも山すそは切り立っていて、地層は柔らかく、もういかにも崩れて下さいと言わんばかりの地形(そしてその通りよく崩れる)。特に鎌倉では、谷戸の奥が倒木で小範囲に停電したり通行不能になったりという箇所がかなり多数あるようだ。

だからこそ、(前回書いたように)「どんどん崖はコンクリで固めてしまえ」的方向になってしまうのも当然なのだが、それはそれでまた、遮られることなく周囲に風雨が当たるようになる、ということでもある。

●崖崩れまで行かなくても、平地でも山でも、あちこちで木がへし折られていて、今回の台風がどれだけ凶悪だったかがわかる。

10日火曜日、名越切通を少し歩いてみたが、山道に折れた枝が敷き詰められたような状態。

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さらに鎌倉側に降りる手前の西平場には、立派なヤマザクラ(オオシマザクラかな?)があって、毎春見事な花を楽しませてくれていたのだが、平場に面して風がダイレクトに当たったのか、根元近くからぼっきり折られてしまっていた。

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2枚目、折れた幹を見ると、縦に割けたようになっていて、単純に折れるというより、ねじ切られるように折られたらしい。ついでに、在りし日の姿を一枚。惜しいなあ。

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●hn-nhさんから、「台風の風雨に紛れてミツバチの巣を採ろうとしなかったか」(大意)と聞かれたのだが……惜しい!

実は台風が来る前に、下から物干し竿でつついて半分ほど回収してました(笑)。というわけで、スズメバチの上前をはねたニホンミツバチの巣がこちら。

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採ったこの巣自体にハチミツは残っていなかったものの、木にくっついた根元部分にわずかに残っていた分があったようで、物干し竿でつついた時にぼたぼたと少し垂れて来た。もったいない~。

「蜜蠟でできた巣」というと、なんとなくずっしりとしているのではという先入観があったのだが、実際にはハニカム部分は極薄で、おそらく、大きさあたりの重さは紙でできたアシナガバチの巣とそれほど変わりはないのではと思う。

これだけ採ったら、耐熱ガラスのカップ一杯分くらいの蜜蠟が作れるんじゃないか……などと皮算用していたのだが、実際には、熱湯で融かしてペーパータオルで濾して冷まして固めたら、大さじ2杯分くらいにしかならなかった(ペーパータオルのなかでゴミと一緒に固まった分も多かったかも)。

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濾す際に失敗したので、まだ若干ゴミ混じり。ろうそくでも作ろうと思っていたのだが、これじゃカップ入りろうそくは無理だなあ。

●先月収穫したヒメクルミは、バケツの中で果肉を腐らせたり、じゃぶじゃぶ洗ったりを繰り返して、おおよそ核果だけの状態に。いくつか試しで割ってみたが、なかなかよろしい感じ。

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さらに、昨年初めて食って美味かったカヤの実も多少収穫して来た。現在重曹の溶液に漬けてアク抜き中。

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●遡って、更新をサボっていた間の行動記録を少々。

8月26日。逗子市民プラザの映画上映会で「ボヘミアン・ラプソディ」をやるというので(しかも900円で観られるというので)、今更ながらいそいそと観に行く。

私自身は、もともとクイーンはあまり“ピンと来ない”感じで、現役バリバリで活躍していた時代にはまともに聞いたことがなく、誰もが知っているヒット曲に関して「ああ、これってクイーンだな」と判る程度。むしろ、昨年映画「ボヘミアン・ラプソディ」が大ヒットしたことで、なんとなく知っている曲が増えた(というよりも、「あ、この曲ってクイーンだったんだ」というのが若干わかるようになった)。しかし、この映画を楽しむには、むしろそれくらいの距離感がちょうどよかったかな、というのが見終わっての感想。

ただ、映画として大傑作かどうかというとちょっと首を傾げる感じ。なんというか、バラエティ番組でよくやる、著名人とか過去の偉人の振り返り再現ドラマの「良く出来た版」という感じで、したがって、物語も登場人物の人間性も単純化され、程よく美化されて、逆に、「これって、ものすごくコアなクイーンのファンが見たら、むしろかなり物足りないんじゃ……」と思った。

映画であってそっくりショーではないので、あまり「そっくり度」を云々しても仕方ないのかもしれないが、登場するクイーンの4人のメンバーのうち、主人公であるフレディ・マーキュリーが一番似ていない気がした。本物よりかなり線が細い感じがしたのだが、後から写真を見比べると体のマッチョぶりはあまり差がなく、どうも顔の下半分のボリュームの違いから来ているのではないかと思う。ロジャー・テイラーが一番似ている気がしたかなあ。ジョン・ディーコンは髪の長い時代はそうでもなく、髪を短くしてからがすごく似ている気がした。もちろん、熱烈なクイーンのファンとは言い難い私の勝手な印象。主人公かそうでないかで、登場する時間も映り方も違うし、というのもあるかもしれない。なお、以上はあくまで顔かたちの問題で、特にステージ上のしぐさやディテール(例えばシーンごとの使用楽器、小物の配置など)はものすごくこだわって再現されているように感じた。

●8月28日。都内で仕事。霞が関の某官庁で資料閲覧・コピーさせてもらい、その後、夕方に神保町で会議だったので、桜田門から皇居前広場を抜けて神保町方面へ歩く。

途中、大手門前まで来た時に、案内板を見ていたら、入り口のおじさんに「どうですか」だったか「まだ入れますよ」だったか、とにかく声を掛けられた。

「竹橋方面に抜けられます?」「(その手前の)平川門から出られますよ」

そういえば、皇居のこちら側も普段から入れる場所なのに一度も入ったことがなかった、これもいい機会かもしれない――と思って、いそいそと入る。この時、午後5時半ちょっと前。閉門時間は6時で、どんなにゆっくり歩いても時間は十分。同心番所とか、百人番所とか、まだこんな建物が残ってたんだなあ、などと物珍しく眺めながら歩き、平川門に向かう長い直線道路に差し掛かったところで、横道から若い警官が出て来て、「もうこの先の平川門は閉めますから、大手門に戻って下さい」と追い返された。

「いや、通り抜けられるって聞いたから来たんですよ」と言っても聞く耳持たず。「そもそもここは、大手門と平川門、どっちが近いんです?」と訊ねると、「平川門のほうが近いですね」と言う。じゃあ平川門に行かせてくれよ、と思うのだが「ほら、もう皆さん引き返してきていますから」と言う。

しぶしぶ大手門まで戻り、受付で顛末を話すとむしろ驚かれて、「すみません」と謝られ、しかも「これからでも、平川門に向かわれますか?」とまで言われたのだが(それはそれでびっくりだ)、「いや、もういいです」とぶっきらぼうに答えて大手門を出た(むしろ大手門受付の対応は親切だったので、八つ当たり的返答をしてしまったのは申し訳ない)。

なお、大手門まで引き返し、お堀の外側を回って平川門外に到着した時には、まだ本来の閉門時間である6時になっていなかった。……皇宮警察許すまじ。

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コメント

コンクリートで固めて100年に一度の災害にも耐えるようにすることはできるけど、200年に一度の風雨に襲われるとそれは無力なんですよね。といって自然の切り通りのままにしておく訳にも行政的には難しいのでしょう。
里山に人が入らなくなり、光も射すことなく林床が荒れていくのも原因だとは思いますが。

ニホンミツバチの巣が台風でどうなったか気になってましたが、その前にちゃっかり回収してるじゃないですか (笑)
見るところ、巣の大部分は「新築」のようで未だ蜜を溜め込むには至ってなかったんですかね...残念。蜜蝋は模型の展示台を磨く程度には使えそうですねー(^^)

投稿: hn-nh | 2019年9月15日 (日) 08時39分

今度の台風はすごかったですね。
暴風が収まったと思ったら、それは台風の目で、それから風向きが変わったってのは久々の体験でした。翌日はこちらはずっと停電してました。
月曜に三浦海岸を見に行ったのですが、解体中の海の家が、骨だけになってた一件を除いて
みんなおっ潰れてまして、一軒はひっくり返って道路にのしかかってました。夜だったのが幸いです。
それらに並んで箱物のライブハウスが建ってて、そちらは日曜にはまだ活動中で、スターダスト☆レビューが来てたようなのですが、
そちらもブロックごとに分解してました。
海岸にはワカメやまだ生きてるヤツシロガイや真っ赤な大きいヤドカリやハマグリやサザエが打ち上げられてました。ココスはきのうも休業してました・・
三浦市の内陸の方もそこらじゅうで枝が折れたり牛小屋の屋根が飛んだり、すごいことになってます。びっくりしました。

投稿: みやまえ | 2019年9月15日 (日) 13時06分

やはり今回の台風は強烈でしたね。
特に自然物に残された爪痕が凄まじい...
こちらは外のゴミ箱が離陸したり、近所の老朽化したアパートの瓦屋根が飛びそうで一晩中ヒヤヒヤしてました。

ところで、カヤの実はどのようにして食べるのでしょうか。
「煎って、塩」でしょうか...?

投稿: vol de nuit | 2019年9月15日 (日) 18時24分

>hn-nhさん

いやほんと、ちょっと磨き用途くらいにしか使えないんじゃないか……という感じです。
が、とりたてて磨きたいものもないし。うーん。

>みやまえさん

とにかく我が家の近所でも、「え?こんな?」と思う太さの木の幹とか枝とかがばきばきに折れています。
みやまえさんが仰っている風向きの関係でしょうか?
台風のあと、塩害で近くの山(の南側斜面)が、真っ茶色に枯れた惨状を晒すというのを、何年かに一度目にしているのですが、今回は、(上記のような直接の風被害はひどくても)塩害は目立つ形で出ていないのがちょっと意外でした。

三浦市もひどかったんですね。三浦海岸というと東京湾側だと思うのですが、ちょうどそのへんを台風の目がかすめる感じで移動してたんですね。

>vol de nuitさん

カヤの実は(少なくとも去年食べたときは)確か、殻付きのままあく抜きしたあと、殻を割って中身だけ出して、フライパンで炒って食べたように記憶しています。塩は振らなかったかも。

もっとも、確かにちょっと塩気はあったほうが美味しいかな……?

ちなみに、むかごを炒るときに時々使う方法なんですが、単純に炒ってから塩を振っても塩が下に落ちるだけなので、濃い塩水に一度どぼんと漬けてから炒るようにすると、ほどよく塩気が(薄く粉をふいたように)表面についてよろしいです。

投稿: かば◎ | 2019年9月16日 (月) 19時51分

塩害といえば、
去年の台風ではうちのハバネロは全部葉っぱが塩で溶けちゃったのですが、
ことしはなるほど、仰るとおり今年はハバネロは無傷でした。
今年は風向きが去年と直角(?)の、東西方向(?)に近かったのが影響してるんでしょうかしら・・・
それとも目を挟んで風向き逆転というのが鍵だったのでしょうか・・・

投稿: みやまえ | 2019年9月17日 (火) 01時20分

>みやまえさん

今日、義弟と話していてなるほど、と思ったのですが、今回の台風、中心が三浦半島の東側をかすめるように移動していったので、反時計回りの風向きだと、逗子のあたりは基本北風基調で海から潮が吹き付けなかったのでは、と指摘されました。

日本の真ん中(静岡とか)に上陸されちゃうと、南風になるのでガンガン潮が吹きつけられちゃうんですね。

投稿: かば◎ | 2019年9月17日 (火) 20時33分

ああ、なるほど。確かに言われてみればそうですね。納得です!

投稿: みやまえ | 2019年9月18日 (水) 22時39分

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