鎌倉の狸
●23日月曜日、夜に散歩に出たら、鎌倉の鶴岡八幡宮の横手で、タヌキに遭遇した。以前に近所でタヌキかアライグマか(とっさのことで判断できなかった)に遭った時には慌ててしまって写真も撮れなかったが、今回は(ボケボケではあるものの)2枚撮影できた。前足の肩の部分が黒いこと、しっぽがシマシマでないことなどから、アライグマではなくてタヌキであろうことがわかる。
なお、1,2カ月前だったか、逗子海岸沿いのファミレスの入り口で、弱ったタヌキが行き倒れていて保護されたことがある(という写真と話が、facebookの逗子のニュースグループに上がっていた)。
●9月最後の週末。28日土曜日、久々にお誘いがあり、nifty模型フォーラム以来の友人である赤板、でんでん両氏と川崎で大いに飲む。といっても、5時半から飲み始めて、9時前には解散。なんと優等生的な。
赤板氏は相変わらず、縦横の寸法が近付くほどに膨れていて、(人のことは言えないが)食生活につき厳しく指導。
「でんの野郎にもいつも言われてて、いったいあいつはオレのおふくろなのかと」
とブツブツ言っていたが、そこまでいつも言われているならなんとかせれ。いきなり倒れられたりするとこっちも精神的にきついんだよ。
脂っこいものばかり食っていそうな“腹丁”青木先生も少々心配だ。つい先日、関西AFVの会は無事に開催されていたようなので、元気でいるのだとは思うが。
なお、一時模型から遠ざかっていたでんでん氏は、最近また少々飛行機を作っているそうだ。
●グムカの高田さんがズリーニィの資料本を出すという話は昨年の東京AFVの会の時にだったか、聞いていて、「これは出たら当然買わねば」と思っていたのだが、うかうかしているうちに、夏の初めにはとっくに出ていたらしい。秋葉原でなら売っているかな?などとも思ったが、買い逃すと残念なので、グムカに直接通販を申し込んだ。
頼んでから数日のうちに届いた(先週末)。買い逃さずに済んでよかった……。
タイトルは「ハンガリー陸軍40/43M 10.5cm突撃榴弾砲ズリーニィ」。ソフトカバー、B5版で、表紙を除き全74ページの薄手の本だが、小国の国産車輛のモノグラフとしては充分だろうと思う。そもそも、ズリーニィに関する日本語で読めるまとまった資料と言えば、これまでは、「アーマーモデリング」発刊間もない頃の東欧小国特集(Vol.5 枢軸国の機甲部隊)くらいしかなく(当然、現在では入手難)、それを大きく上回る内容の本書の発売は非常に有り難いところ。
中身に関しては、おおよそ下写真の目次にある通り。若干のカラー塗装図に続いて、現存実車(クビンカ)のカラー内部写真、実車の開発史と戦史、ディテール解説。これら記事は現地の研究者によるものの翻訳。続いては、クビンカの実車の外回りのwalkaround写真。以前、やはり高田さんが出版された「クビンカ フォトアルバム Vol.1」に掲載された写真と同じ時に撮影されたものか。掲載写真に重なりがあるかどうかは、「クビンカ フォトアルバム」がパッと出てこなかったので未確認。続いては、実車の大戦時の記録写真(生産ロット別)。試作のみの対戦車型「ズリーニィI」についても巻末で軽く触れられている。
なお、同書の現存実車のディテール写真と、そのキャプションに出ているのだが、ズリーニィの戦闘室上面とハッチには、数カ所、謎の小穴があるそうだ。現状、何の用途なのかは謎で、現地研究者の推測は「製造時に必要な何かの仮設用の穴では」というもの。高田さんの推測は「車内の明り取りの穴ではないか」。
もちろん用途に関して野次馬的興味は大いにあるものの、模型的に大事なのは「実車がどういう形状をしていて、それを模型にどう反映するか」ということになる。しかしそこで問題なのは、「ではこの穴は本当に、戦時中の実車にもあったのか」ということ。戦時中の実車写真では、当該箇所に本当に穴があるかどうか確かめられるような、鮮明なクローズアップが見当たらない。
もしかしたら、(先の「製造時に必要な何かの仮設用の穴では」説に通じるものもあるが)鹵獲後にソ連側で何かを取り付けるために開けた穴である可能性もあるかもしれない。……と思うと、模型に反映するかどうか、ちょっとためらってしまう。
いや、戦時中実車でも確認できるよ、コレに写ってるよ、というようなアテがおありの方は、ぜひご教示いただきたい。
●タミヤから38(t)が35で発売されるそうだ。38(t)ベースのマーダーが発売された時から、いずれは出すだろうと思っていたが、ついに。
タミヤなら当然そうだろうなあ、という選択のE/F型。個人的にはフランス戦で使えるB/C型がよかったなあ、という気もするが、フランス戦時の38(t)はリブの多い初期型履帯を履いているのが普通のようだし、タミヤはそこまでしそうにはない。
他に楽しみにしている新製品としては、IBGの75mm mle.1897野砲。web上には中身の写真なども上がっているので、実際にはもう発売されているのかもしれないが、今のところ私は店頭では見たことがない。
たぶん買わないとは思うけれど、「おおおおお」とびっくりしたのはAMMO/migの1:16、ブレダ20mm搭載I号戦車A型。TAKOMから1:16の(通常タイプの)I号戦車A型が出るそうなので、もしかしたら基本パーツは共通なのかもしれないが、そのへんの関係はよく判らない。
ブロンコのアンシャルドCV35(ハンガリー軍仕様)は、非常に惹かれはするけれども、すでにレジンの改造パーツを持っているのでたぶん買わない。
●MiniartのTACAM T-60は、知らない間にディスク転輪型は発売になっていたらしい。これも買い逃してしまうと嫌だなあ……と思いつつも、同社の場合、最初の製品にはポカがあって、後の製品ではそれが直されているということもあるので、発売時期が遅いもののほうがちょっと安心かもと思い直し、未発売の鋼製リム転輪型をYSで予約して来た。入荷は、消費税増税前には間に合いそうにない。
●先日の台風第15号で崖面が崩落し、通行止めになっていた小坪隧道だが、24日火曜日夕方、ようやく復旧したそうで、バスも通常運行を再開した。ずいぶん長かったが、それでも対策工事が完全に終わったわけではなく、交通は復旧しながらも、工事はまだ断続的に続くようだ。
●前々回に紹介したカヤの実。一週間ほどアク抜きし、その後しばらく乾燥して、炒って食べた。アク抜き直後に炒ったものはまだ針葉樹のヤニ臭い感じがしたが、その後数日しっかり乾燥させたものは香ばしさが増していた。
カヤの実についてweb上で検索すると、「美味い」という意見と「美味しくない」という意見が入り混じって上がっている。昨年、初めて食べた時には香ばしく、これは頑張って採ってきて食べる価値がある!と思ったのだが、今回、最初に食べた時にははっきり言ってちょっとがっかりな味だった。どうも、処理の具合によって味がかなり左右されるのでは、というのが現状における私の想像。
その後、鎌倉の某神社の境内に大量に落ちていたので拾ってきて、現在、第二陣のアク抜き中。そろそろアク抜きを開始して1週間経過。
●市内某所でクリも拾ってきた。もっとも、台風の影響でしっかり熟さないうちに叩き落されたイガが多かったようで、落ちているのは口の開いていないものばかり。
足で踏んで割ってそれなりに集めてきたが、中身がスカスカな感じのものも多いようで、鍋に水を張って入れてみたら、3分の1程度が浮かんで来た。浮かんだものを中心に茹でた後に焼いて割ってみたが、中身が傷んでいて食べられそうになかった。沈んだほうの中身に期待。
ほか、近くの寺/神社でぎんなんも拾ってきた。ここ2、3年、いつも目当てにしてい某寺山門脇のイチョウの木は、どういうわけか今年はほとんど実を付けていない。それでも周辺でそれなりに拾うことができた。
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コメント
「赤板に久しぶりに会ったら肥満していた」というのはわかるとして,そこから「肥満といえば青木は~~」と流れるようにつないでくるのはどうなの?
投稿: 青木伸也 | 2019年9月30日 (月) 11時07分
ズリーニィの謎の小穴は謎ですねー
やはり、もう一両くらい事例が見つからないと、標準的な仕様なのか何か事情があってこの車両に開けられた穴なのかが判断できなそうです。いずれにせよリベットより小さな穴なのでその機能が判明しない限りは模型的には無視しまってもよいのかもしれません。
それ以前にBroncoのキットの問題点のほうが悩ましい。。
投稿: hn-nh | 2019年9月30日 (月) 21時21分
>青木君
くくく。
ごく自然な連想と思ってくれたまい。
年末には東京AFVの会に来るんだよね?
投稿: かば◎ | 2019年10月 1日 (火) 12時34分
>hn-nhさん
元々のキットも高いうえに、SBS(でしたよね?)の修正パーツも複数出ていて、さすがにそこまでは、乏しいこちらの国家予算では対応し切れません。
というわけで、実を言えば元キットしか持っていないんですが、やはり目立つ「薄い外部防盾」だけは何とかしたいなあ、と思っています。
投稿: かば◎ | 2019年10月 1日 (火) 12時38分
今年の東京AFVの会,行きますけど,今年は11月23日(土曜・勤労感謝の日)ですよ.
投稿: 青木伸也 | 2019年10月 2日 (水) 00時55分
ええっ。いつもより1カ月早い!?
教えて貰わなかったら行きそびれるところでした。
投稿: かば◎ | 2019年10月 3日 (木) 12時52分
カヤの実って、今昔物語では油を取るのに使ってたりで興味深いです。
それできのこを炒めたりしてて。今やったら美味しくないんでしょうけど・・・
ところで、今年はスダジイが豊作っぽくないですか?
投稿: みやまえ | 2019年10月 6日 (日) 20時13分
かば@様ご無沙汰しております。はい人28号です。去る4月の中四国AFVの会にJS2-1943・JSU122・JSU152にて参加し、青木先生に観ていただきました。JSシリーズ、T37~T80、BA10,BA20,BA64
FAIと作成し、T34シリーズを作成しようとしたところ、第174,183
112工場製の差異とか、T34初心者の私には頭の中が混乱してさっぱり
わかりません。T34/85の1944夏~秋頃に使用された車両を作りたいのですが、(手持ちのキットはドラゴンの6203,1944年型です。)特徴がわかる資料等は何かないでしょうか。
投稿: はい人28号 | 2019年10月 9日 (水) 19時21分
>みやまえさん
>>今年はスダジイが豊作っぽくないですか?
おお??
実は、これまで毎秋収穫を楽しみにしていた、我が家の斜め向かいのスダジイの樹は、しばらく前に切り倒されてしまったのです。
切り倒されたと言っても根元からではなく、幹は3mほど、それから葉も付いた太い枝が一本は残っていたのですが、その枝も先日の台風でぽっきり折られてしまいました。(実は、例のミツバチの巣がくっちていたのが、そのシイの樹の幹です)
もちろん、他にもスダジイの樹のアテは少しはあるので、近日中に見回りに行ってきたいと思います。採れるといいなー。
投稿: かば◎ | 2019年10月10日 (木) 04時40分
>はい人28号さん
いらっしゃいませ。
実を言うと、私も、**工場製の初期はこういう形態、中期はこんな感じ……というふうに、ざっくりと(しかも適当に)把握しているだけで、それぞれの仕様が何年の何月頃に変わったか、というのは非常に曖昧なのです。
というわけで、正確なところは青木センセにもう一回きっちり説明してもらいたいくらいなんですが……。
▼まず前提として、お持ちのキットがドラゴンの6203であるなら、183工場製T-34-85の初期型を作るのが最も素直であると思います。
112工場では最も早く、1943年末から-85の生産に入っていますが、-85の1943年型を作るのであればアカデミーのキットとグムカの改造パーツ(砲塔)が必要、同工場の1944年型初期型を作るのも、その組み合わせからさらに改造ということになりそうで、かなり険しい道のりです。
▼フィンランドは1944年6~7月に、183工場製T-34-85を数両鹵獲して自軍に編入し使用しています。これがおそらく、はい人28号さんがターゲットにしている時期に(183工場製として)一般的な仕様ではないかと思います。
ドラゴンの6203は、比較的これに近い仕様で、転輪などはそのまま使えます。
が、砲塔は(おそらく1944年末からの)電動回転装置に対応した、左側面にふくらみのあるタイプになっています。このふくらみのない初期型砲塔は、鋳造ラインやピストルポートのふくらみの有無など、他にも若干の仕様の差があります。
▼この183工場製-85の極初期仕様に関しては、青木氏がAM誌の「ハラショーT-35」で取り上げているので、それを参考にするのが最も手っ取り早いと思います。
また、幸いなことに、この仕様の実車がフィンランドに現存しているので、資料写真には事欠きません。
投稿: かば◎ | 2019年10月10日 (木) 05時19分
かば@様丁寧なご回答ありがとうございます。今まで何の気もとめずに眺めていたパローラのT34/85がそのものズバリとは気がつきませんでした。インターネットから画像を探してみると共に、今月27日の九州AFVの会で青木さんに会いましたらAM誌関連の記事の件を尋ねてみようと思います。
投稿: はい人28号 | 2019年10月10日 (木) 18時38分
先日、夜中に別所沼公園(さいたま市)をジョギングしていたら
タヌキが佇んでいてびっくりしました。
都会でも暮らしてるって本当なんだなと。
>ズリーニィの資料本
何かハンガリーの車輌を作って
暗めの茶色を使って三色迷彩で仕上げようと目論んでいるのですが
「42年からスプレー迷彩」という気になる一文。
ハケ塗り迷彩のトゥランって存在したんでしょうか?
投稿: めがーぬ | 2019年10月11日 (金) 23時24分
>はい人28号さん
フィンランドが鹵獲使用した-85は7輌で、少なくともそのうち5輌が現存展示されているんだったかな?
揃って183工場製の出始めの頃の車輛です。フィンランド独自の改修(フェンダーとか装備品とか)もありますが、基本形はそのままなので参考になると思います。
なお、現状では転輪はディスク型が混じっていますが、これは後の修理交換の結果。また、格子の数が少ない変なパターンの履板はフィンランドで勝手に生産したもののようで、オリジナルではないのでご注意ください。
投稿: かば◎ | 2019年10月12日 (土) 01時58分
>めがーぬさん
タヌキ、意外にあっちにもこっちにも潜んでるもんなんですねー。
「有頂天家族」みたいに、人間に化けて混じって生活していたり……。
特にトゥラーンに限れば、境目ボカシ有のスプレー迷彩がほとんどだろうと思いますが、以下の写真は、境目くっきりに見えます。プロトタイプのテスト風景かな?
http://www.tanks-encyclopedia.com/ww2/hungary/photos/turan_bund3.jpg
投稿: かば◎ | 2019年10月12日 (土) 02時04分
>はい人28号さん
AM誌「ハラショー!T-34」でT-34-85(第183工場製極初期生産車,1944年夏頃)を扱ったのは,2002年8月号~10月号(Vol.34~36)です.当時としては頑張ったつもりですが,やはり見落としがあります(たとえば車体機銃基部の溶接フランジの大型化を見落としている).さらに現在はMiniarmから出ている高品質のレジンパーツも使えますし,ベースキットも今だったらドラゴンよりズヴェズダ(新版)の方がいいのではないかしらん……
投稿: 青木伸也 | 2019年10月14日 (月) 23時45分
>青木君
おお。
フォローありがとうございます。
そういえば、ズベズダの-85は、砲塔のバルジがないんでしたっけ。
今のところ、ズベズダの新T-34系キットは一つも持っていないんですが、何か欲しくなってきました。
投稿: かば◎ | 2019年10月15日 (火) 10時42分
タミヤがR35を出すとの情報が。
>トゥラーン
生産は41年から、配備は42年から、ということなので
ハケ塗りの量産車が存在するかどうか、微妙ですね・・・
ブロンコの新しいCV35を待つのが無難かな。
投稿: めがーぬ | 2019年10月16日 (水) 12時50分
>めがーぬさん
>>タミヤがR35を出すとの情報が。
ええええええーっ。本当ですかソレ。
どこ情報でしょう?
ううむ。下地塗装だけして放り出してある、エレール・ベースのVanatorul de careが……。
買っただけで部品一つ切り離していないホビーボスのキットが……。
いや、出たら出たで嬉しいんですけれど。
昔から「R35はタミヤが出すべきだ!」と思っていたので。
>>ブロンコの新しいCV35を待つのが無難かな。
ハンガリーのくっきり塗装なら、チャバでもOKですよ。トルディも生産時期を考えると、I/IIはもともとくっきり塗装のはずですが、写真だとボケ足のある吹付のものを多く見ます(これは手塗りのくっきりかな?というものもあるにはありますが)。
投稿: かば◎ | 2019年10月16日 (水) 17時48分
https://www.hobbyeasy.com/en/data/y6n2itj7mrlmyfgp8ig1.html
これは確定かなと。
>ホビーボスのキット
説明書を見た感じ、足回りが組み辛そうですね。
投稿: めがーぬ | 2019年10月16日 (水) 22時45分
>めがーぬさん
発売予定日まで書いてありますね。
うぬぬぬぬ。
わくわくしてきました。
投稿: かば◎ | 2019年10月20日 (日) 05時17分