どん詰まり公園
●鎌倉市大町の隅、滑川に突き当たる路地のどん詰まりに、「こめ町児童公園」という猫の額ほどの小公園がある。
これがまた、「そもそも公園としての機能を果たす機会があるのか?」と思うような寂れた公園で、路地の突き当りの急な数段の階段を降りた河岸にある。入り口横に掛かった札を見ると日中しか開放されていないようなのだが、実際には、それ以外の時間でも金網フェンスのドアは閉まったままのようだ(少なくとも日中は施錠されてはいないので、扉のロックを外して自由に入ることはできる)。
先日の「現代アートじみた遊具の木馬」の話題で、hn-nhさんから「公園の動物遊具を密かに追跡している」という話を聞き、以来、何とはなしにその手の物に注意しているのだが、このこめまち公園にある動物遊具は、(公園の立地とも相まって)、何となく恨みを含んでいるかのような“うらぶれっぷり”がなかなかよい。
なお、hn-nhさんも私もとりあえず「動物遊具」と呼んでいるが、この手の物は実際には動物以外の形状のものもあり、写真のような「動かないもの」はひっくるめて「象形遊具」というのが正確な一般名称であるようだ。実際にこれを使って何かの遊びをするよりも、何かの遊びをする際の障害物になる場合の方が多いのではないだろうか、というのは別として。ところで、このキリンのほうは、もしもまたがったまま首を滑り降りたりすると股間を強打しそうでちょっとコワイ。
一方、同じように動物(あるいはそれ以外)の形をしていても、脚部分がスプリングで前後左右・上下に揺らして遊べるものは「スプリング遊具」、またそれとよく似ているが、スプリングもしくは重力利用で前後にのみ揺らせる形状のものは「ロッキング遊具」というらしい(したがって、以前に紹介した「現代アートじみた木馬」は、「スプリング遊具」ということになる)。
細かく名称が区別されているのは、基本、公園がお役所管轄で設置物にも細かく決まりがあるためではと思う。
●たぶん、この程度の小公園は、設置基準的には「街区公園」というものに該当するのだと思う。その要件は、
もっぱら街区に居住する者の利用に供することを目的とする公園で誘致距離250mの範囲内で1箇所当たり面積0.25haを標準として配置する。(国土交通省サイトより)
というものだそうな。しかし、そうした基準に合わせてなんとか(そしてお役所仕事的に)スペースを確保しようとした結果、こういう、「その路地に住んでいる人しか存在に気付けないようなどん詰まり公園」が誕生することになる……のだと思う。
●という具合に、本来はなかなか存在に気付きづらい「どん詰まり公園」なのだが、「ポケモンgo」をやっていると、この手の小公園が(アイテム補充などを行える)「ポケストップ」に設定されていることが多いために、妙に訪れる機会が増えた。
そんなわけで、近所にある似たようなどん詰まり公園その1、「久木風早公園」。横須賀線の線路脇にあり、ご覧のような路地をくねくね辿って行った先にある。ただし上の「こめ町児童公園」よりは若干広く、線路際にあるためにやや開放感もあり、細い路地の先にあるにしては、実際に子供らが遊んでいるところに行き合わせたこともある。
「こめまち公園」のような、うらぶれた動物遊具はなく、その点ではハズレなのだが、設置物が微妙に変。
「風になびく鉄棒」や、分類上「シーソー」になるのか「スプリング遊具」になるのかよく判らないものとかはいいとして……。
下1枚目のベンチ……なのは確かだと思うが、右側の(明らかに座るのに邪魔な)枠は何のためにあるのだろう? こちら側は荷物置き専用? 2枚目は……これもベンチなのだろうか? 3枚目となると、いったい遊具なのか、それとも自転車スタンドか何かなのか。あるいは、「自由にこれを使った遊びを考えてみよう」という深謀に則って設置された謎オブジェなのか。
●近所のどん詰まり公園その2。披露山の山すそにある「かけ山公園」。マンションと山際の崖の間を入った先にあり、そもそも立ち入るだけで不審者扱いされそうな立地。
そして猫の額ほどの空間に、量産品の動物遊具(スプリング遊具)が2つ。……青はカバのようだが、こちらはライオン? ちょっと髪形を変えてみたスノーク?(もちろん、スターウォーズではなくムーミンのほう)
遊具を配置することによって、逆に寂寥感が増すという絶妙の空間デザイン。
●どん詰まり公園その3。池子の山の上の住宅地の隅にある「アザリエ第二小公園」。いや、うん、確かに「小公園」だね、としか言いようがないような……。
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コメント
あれからぶた公園のことが気になって、公園のブタ探しをしてました(^^)
妙なキリンはうちの近所にもいますね。写真を撮りっぱなしになってたので、
近いうちに記事にしようからしら。
投稿: hn-nh | 2019年6月22日 (土) 18時36分
ほほう。このキリンも量産品だったのですね。
試しに「公園 遊具 キリン」で検索してみたら、まったく同じ形のキリンの写真が何枚か出てきました。
それぞれ、体色が黄色かったり、ブチ模様だったりしたので、たぶん「かたち」だけ商品として販売されて、色はそれぞれの公園に設置された際に塗られるものなのでしょう。
投稿: かば◎ | 2019年6月23日 (日) 14時07分
想像するに、元来はカラーコンクリートで成形したか何かの着色済み製品として出荷されたものが長年の風化で退色してしまったために、ペンキで「修復」したものではないかと。誰がやったのか目を疑うようなトンデモナイ色彩のも見かけますしね。
もし、色は現場で着色するような製品だったとしたら、メーカーの担当者は塗装見本と色番号指示、場合によってはペンキセットをつけるんじゃないかしら。
投稿: hn-nh | 2019年6月23日 (日) 18時03分
>>元来はカラーコンクリートで成形したか何かの着色済み製品として出荷されたものが長年の風化で退色してしまったために、ペンキで「修復」したものではないかと。
ああ、確かに!
どうにも塗り方とか配色とかがシロウト臭いなー、というのが多いですものね。
なんというか、例の「ものすごく物議をかもした、スペインのおばあちゃんによる教会のキリスト修復」的な塗り、みたいな。
投稿: かば◎ | 2019年6月23日 (日) 18時17分