平成最後のシュトレン
●ウージェーヌ・イヨネスコ作の「禿の女歌手」(La Cantatrice Chauve)という不条理劇があって、以下のような柱書き(状況設定)から始まる。
シーン1。イギリスの中流家庭の屋内、イギリスの肘掛け椅子。イギリスの夕刻、イギリス人のスミス氏は、イギリスのスリッパを履いてその肘掛け椅子に腰掛け、イギリスの火に当たりながらイギリスのパイプをくゆらせ、イギリスの新聞を読んでいる。彼はイギリスのメガネをかけ、イギリスの小さな灰色の口ひげを生やしている。彼のそばにはもう一つのイギリスの肘掛け椅子があり、イギリス人のスミス夫人がイギリスの靴下を繕っている。長いイギリスの沈黙の間。そして、イギリスの時計がイギリスの17の時を打つ。
昨今、あまりに何にでも「平成最後の」という枕詞が付くので思い出した(もちろん、上の一節を暗記していたなどということはなく、先ほど調べた)。そんなわけで。
平成最後のあけましておめでとうございます。平成最後の今年もよろしくお願い申し上げます。
●例によって大晦日に川崎の実家に行き、実家で新年を迎える。
大晦日には大船近くに住んでいる息子一家とも待ち合わせ、一族郎党揃って川崎へ。昨年初夏に生まれた息子のところのチビを、母に初お目見えさせる。まだ人見知りも始まっていないので、それなりに愛想も振りまいてくれて母も喜ぶ。
私を除いては全員日帰り。息子嫁は1日にチビをつれて新幹線で実家の青森へ帰省予定。ご苦労様。
私は川崎の実家に2泊。以前は、正月(ほか年に数回)は母が(奄美大島の郷土料理)鶏飯を作ってくれていたのだが、流石に歳なので最近はなくなった。代わりに、兄が寄せ鍋だの雑煮だのを作って食べさせてくれた。マメだ……。
我が家の家族一同が帰った後、大晦日の夜は叔母と従弟夫婦が来る。1日夜は兄と、兄の息子2人と麻雀。兄のところの長男が「麻雀を覚えたい」というのでレクチャー込み。
2日はドイツ人Pが(ふだんはイギリスにいる)長女Jを連れてやってくる。奥さんと次女は風邪でダウンしている由。三女はイギリスだかドイツだかにいて帰ってきていない様子。Pと大いに話して大いに飲む。
夕方、帰るPらと一緒に実家を辞す。「いやー、久しぶりに飲んだな―」と思ったのは確かなのだが、今になってみると、最寄り駅まではP父娘と一緒に歩いたはずなのに、その記憶がない。ヤバ過ぎ。
●先日Pと会った時に約束していたのだが、その約束通り、Pから月遅れの自家製シュトレン(クリスマス菓子)を貰う。感謝。20センチほどもある大きなかたまり。ドイツの実家のオーパ(おじいちゃん=P父)お手製かな?
それなりに日持ちがするし、寝かせておくほどフルーツの味が地にしみ込んで美味しくなるので、今月一杯くらいちびちびと楽しむ予定。
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コメント
訳アリで新年の挨拶は控えさせて頂きますが、今年もよろしくね。
かば◎さんがリア充みたいなブログを書くからコメントが付いてないではないか(笑)
そのドイツ人もかば◎さん身内の人なのかな?
今年の正月は駅伝三昧でした(笑)
投稿: 赤版先行 | 2019年1月 8日 (火) 16時49分
飲み過ぎはほどにねー(リア充的コメント:笑)
シュトーレンとフルーツケーキの違いはなんだろう?
正月に弟嫁が焼いてきてくれたものはフルーツケーキなのかシュトーレンなのか
どっちなんだろうと、もぐもぐ吟味中....
投稿: hn-nh | 2019年1月 9日 (水) 11時20分
私は、かば◎さんはリア充だと思っておりますよ
投稿: めがーぬ | 2019年1月 9日 (水) 12時31分
>あかばん
今年もよろしく。
件のドイツ人は、若いころ、私の実家に下宿していたのです(私と同い年)。
我が家は父母とも戦前の生まれでもあるし、特に母なんて、彼が我が家に下宿すると決まった時は(実は兄が勝手に決めてきた)「うちにガイジンが来る!」と半ばパニックになっていましたが、その後、私も結婚して家を出てしまうと、ほとんど息子の代わり扱いに(亡父とは結構ケンカなどもしていた様子)。
彼はそのまま日本で結婚して、今は都内に住んでいますが、ちょくちょく我が家にきて母の相手をしてくれます。ほとんど3人目の兄弟という感じです。
彼の娘たちも、母や私に、ほぼ親戚という感じで接してくれてます。
>hn-nhさん
フルーツケーキというおおまかなくくりの中にシュトレンがある、という感じなんですかね?
ただ、シュトレンの中身は必ずドライフルーツというわけでもないようです(wikipediaを見ると)。
>めがーぬさん
(以前にも書いたように)過去のSUMICONで、めがーぬさんに「かば◎さんて、やればできる子やったんや…」と言われたことが非常に嬉しく(それまで、自分でも「口だけモデラーだなあ」と思っていたので)、それが最近の模型製作のモチベーションの根っこあたりにあったりするのですが、まさか「リア充」とまで評されるとは思いませんでした(笑)。
仕事は結構行き詰ってますし、あまり「リアルの充実」の実感はありませんが(^^;)
投稿: かば◎ | 2019年1月10日 (木) 12時47分
Pさんすてきですね。
投稿: みやまえ | 2019年1月11日 (金) 22時03分
>みやまえさん
いやあ、私も本当に彼がいてくれてよかったと思っています。
投稿: かば◎ | 2019年1月12日 (土) 19時41分
>やればできる子
いや~
ハイレベルな工作をするモデラーは多いですけど
それを継続して行って、完成させられる人は少ないと思いますので。
(ソクウでしたっけか)
ホルトの製作過程も見応えありました。
投稿: めがーぬ | 2019年1月17日 (木) 01時26分
>めがーぬさん
ああ、あれってソクウの時でしたっけ。
本当にどうもありがとうございます。
あれは本当に面倒なキットでした。
しっかり保存する目的もかねて、百均の透明ケースに(台座をちょっとオシャレに改装して)固定しようと思って、単にその中にしまったままになっています。
今のままでも動かさなければ問題はないわけですが、ちょっと何とかしたい感じ。
私のほうこそ(エアブラシの経験値がさっぱり上がらないこともあって)めがーぬさんの筆塗りスキルには常々惹かれています。
特に直近のテーマで言うと、72で、ポーランド軍の三色迷彩を筆塗りしたいと思っているのですが……。
そういえば、めがーぬさんの7TPは?
投稿: かば◎ | 2019年1月18日 (金) 10時44分