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2018年12月

First to Fight 1:72 クルップ・プロッツェ(ポーランド軍仕様)

●なんと3日続けてFTFネタ。

C4P牽引車の記事を書いたところで、それよりも前に同じくFTFのポーランド型プロッツェを買ってきて、レビューを書こうと思いつつそのままだったことを思い出した。

今年の6月、ローデンのホルト75、IBG(THE WORLD AT WAR)のII号戦車a1~a3型と一緒に、これまた下北沢のサニーで購入したもの。

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製品番号050、製品名は「KRUPP PROTZE W WERSJI POLSKIEJ」(クルップ・プロッツェ ポーランド仕様)。

●実車について。

クルップ・プロッツェ(クルップ・ボクサー)は、ドイツ・クルップ社製の有名な軍用6輪トラック……なのだけれど、キットは珍しいポーランド軍仕様。当然ながら、インジェクションキットとしてはこれまた初のキット化。

プロッツェ自体は超有名車輛だが、ポーランド軍仕様は非常に謎が多く、資料としては、はなはだ不十分な写真が少数あるだけではないかと思う。私が知っている限りでは、それなりにディテールが判る程度に鮮明な写真は、一部が写っているだけの2、3枚。あとは、全体のスタイルが判るものの不鮮明な写真が数枚。なんとか「あ、プロッツェだ」とと分かる程度のボケボケ写真を合わせても、全部で10枚あるかないか程度。……よくそんな車輛をキット化したものだと思う。

上の箱絵を見て貰った方が早いのだが、ポーランド仕様のプロッツェは前向き3列の座席を持つスタッフカー型で、ハンガリー軍仕様のようなドアは無し。ただし、ハンガリー軍仕様と似たマクドナルドのロゴのような後輪フェンダーを持つ。

使われた台数もはっきりしないが、少数が第10騎兵旅団(いわゆる「黒旅団」)に配備されたらしい。第10騎兵旅団はスタニスワフ・マチェク大佐率いるエリート機械化部隊で、軽戦車をはじめとする各種装甲車輛・ソフトスキンを多数装備。軍装も独特で、第一次大戦型のドイツ軍型ヘルメットやベレー帽、黒革のハーフ・コートを着用していた。……ドイツ軍と間違われたりしなかったんだろうか。

なお、マチェク大佐(後に将軍)と第10騎兵旅団は奮戦しつつハンガリーまで後退、その後フランスに逃れて第10装甲旅団としてルノーR35等を装備して戦い、さらにその後はイギリスで編成されたポーランド第1機甲師団の中核となって、ノルマンディーではファレーズで奮戦している。ポーランド人しぶとし。

●キット内容。

パーツ構成は以下の通り。

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写真1枚目の左側の枝(エンジンボンネットとウィンドウ+ダッシュボードなど)と写真2枚目の枝(シャーシとタイヤなど)は、同じくFTFから出ているドイツ軍仕様のプロッツェ(対戦車砲牽引型のSd.Kfz.69と兵員輸送型のSd.Kfz.70)と共通パーツだろうと思う。また、FTFからはプロッツェベースの装甲指揮車、Sd.Kfz.247 ausf.Aも出ていて、シャーシはこちらとも共用のようだ。

私が持っているFTFの車輛キットのなかでは初めてフィギュア付き。また、FTFのポーランド軍車輛のキットとしては珍しくデカール付き。車輛登録番号6種に対応。……これって写真で確認できた全番号を入れてるんじゃないだろうか。

●若干の細部チェック。

エンジンフード部分はスライド型を使って前面グリルを一体モールド。このスケールであれば十分な出来だと思う。ただ、ドラゴンやICMの同スケールのプロッツェと比べてどうか、というのは未確認(もちろん両社のキットはドイツ軍型)。

ウィンドウ+ダッシュボードは、計器類等はそれなりのモールド。ただし、運転席側ウィンドウが2分割されていることと、方向指示器の位置はドイツ軍仕様(ポーランド仕様では方向指示器はウインドウ枠横)。ワイパーは流石にゴツイ……。

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ポーランド型独特のボディはもっさり気味だが、そもそもろくな資料もないので仕方ない面もあるかも。独特の「マクドナルド・フェンダー」(勝手に命名)は予備タイヤと一体の別部品。一体モールドの中列座席横の手すり(というかひじ掛け? 転落防止バー?)は太めのうえに内側が平らで、あまり見栄えが良くないので金属線か伸ばしランナーで作り替えた方が良さそう。

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シャーシはサス部のダブルウィッシュボーンがブロック状に一体成形。後輪の前後を連結するはさみ式サスアーム形状は、プロッツェのなかでもエンジンが強化された後期型、L2H143のものなのだが、ポーランド軍仕様は、“Pojazny w Wojsku Polskim (Polish Army Vehicles) 1918-1939”によれば初期型のL2H43シャーシ。L2H143とL2H43では後輪の間隔も僅かに違うのだが、模型的には誤差の範囲。サスアーム形状も組んでしまえばほぼ見えない。

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フィギュアは第10騎兵旅団のベレー帽&ドイツ軍型ヘルメットのコート姿の兵士が1体ずつ。

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First to Fight 1:72 C4Pハーフトラック(2)

●First to Fight 1:72のC4Pハーフトラック、レビューを書きながらなんとなくちまちまといじり始め、そのまま組み上げてしまった。

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●手を入れた箇所等は以下の通り。

・フェンダー前端を薄削りした。

・バンパーはキットではシャーシフレームと一体。細くて作業中に折れそうだったので、金属線に交換した。

・前照灯は、キットのパーツはレンズ部分まで一体のムクだったが、後々、UVレジンなどでレンズを入れることを考えてくりぬき状態にした。

・キャビンの左側面にだけ付く予備タイヤに取付架を追加。またキットのままだと前後方向まっすぐに付けるような感じだが、キャビンドア部の傾きに合わせて若干斜めになっていると判断。そのように取り付けた。

・ハンドルの色が違うのはディテールアップではなく、キットのパーツを弾き飛ばして紛失してしまったため。迂闊でありここが戦場なら即死。

・実を言えば、写真には写っていないが、シャーシフレームと一体のフロントアクスルも、片側をパーツ切り離しの際に誤って折って弾き飛ばして紛失してしまい、プラ材の切れ端で再生している。何やってるんだオレ……。

・キットには荷台の幌骨のパーツが2本付いている。金属線で作り替えようかと思ったが、幌を張っていない状態で幌骨だけ立てている写真が見当たらなかったので取り付けなかった。

●うーん、大砲引っ張らせたいな……。

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First to Fight 1:72 C4Pハーフトラック

●先日の、「東京AFVの会2018」の閉会後に寄った下北沢サニーで購入したミニスケールキットの簡単なレビュー。

……と書き出して、実はこの後にそれなりに文章を書いたのだけれど、保存時にエラーで全て電子の海の彼方に消えてしまった。

気落ちしながら書き直したので、さらに内容は端折り気味。

20181225_154555 ●物はポーランド、FIRST TO FIGHT(FTF)の1:72、C4P。箱の表には「C4P POLSKI CIĄGNIC PÓŁGĄSIENIKOWY」と書かれている。「POLSKI CIĄGNIC PÓŁGĄSIENIKOWY」は「ポーランド軍半装軌トラクター」の意。

インジェクション・キットとしては、各スケール通じて初のキット化のはず。そうなんですよ! サニーでこれを買ったら、hn-nhさんに「あーあ、またそんな変なもん買って……」みたいな目で見られたけれど、初キット化の貴重な車種なんですよ!!(←あまり理解を得られそうにない叫び)

なお、実はFTFからは計3種のC4P牽引車のキットが出ている。

#042:上掲写真の、私が買ったキット。木金製クローズドキャブの後期型、長い荷台(というより荷台の後ろに弾薬箱?を継ぎ足した)タイプ。

#044:オープンキャブ/キャンバストップの初期型。

#062:木金製クローズドキャブの後期型、短い荷台タイプ。

●実車について。

戦間期、フランス製シトロエン・ケグレスのハーフトラックを導入したポーランド軍が、その更新車輛として自国開発したのが、ライセンス生産していた2.5tトラック、ポルスキ・フィアット621の後輪部分を装軌化したwz.34(34年式)ハーフトラックだった。

これには基本のカーゴタイプや野戦工作車、救急車などいくつかのバリエーションがあったが、特に砲牽引用に使われたものは、独自にC4Pの名称が与えられた。

C4Pには、重野砲(105mm、120mm)牽引用の荷台が短いタイプ(オープンキャブの初期型とクローズドキャブの後期型)と、軽野砲(75mm、100mm)牽引用の荷台が長いタイプ(クローズドキャブの後期型)があり、またそのほかに、75mm対空砲牽引用のオープンキャブ・金属製荷台を持つタイプがあった。

より詳しくは、「The PIBWL military site」の、wz34/C4P解説ページを参照のこと。

なお、ポーランドではこの車種(wz.34/C4P)の一冊本も出版されているらしい。ちょっと欲しい気も……。

●キット内容。

プラパーツの枝は大小取り混ぜ計5枚。シャーシと足回り(写真1枚目、2枚目)は3種のバリエーションで共通ではないかと思う。デカールは無し。

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ただし、実車では後部装軌部の転輪ボギー・誘導輪を結ぶロッカーアームの形状にバリエーションがあり(おそらく3種)、キットの、誘導輪に向けて真っ直ぐ長く伸びているタイプは後期型ではないかと思う。つまり、このキット用としてはふさわしいが、初期型キットでもこのままだとちょっとおかしいかもしれない(絶対に変と言い切る自信は私にもない)。

組立説明は箱裏。ただし、説明図が小さすぎてわかりづらい。また、(なんとなく部品の形状で判断して組み立ててしまったが)よく見ると図中のパーツ番号と、実際にランナーに振られたパーツ番号とが大きく食い違っている。だめぢゃん!

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FTFのキット共通のフォーマットで、戦史+実車解説の小冊子付き。表紙は箱絵と同じで、表裏の表紙を合わせて12ページ。下は6-7ページ見開き(塗装説明と塗装手順説明)、8-9ページ(実車開発史?)。同じIBG系のキットであるTHE WORLD AT WARシリーズの小冊子が輸出対応の英独語であるのに対して、こちらはポーランド国内向けのままのポーランド語オンリー。このシリーズは他ではキット化されていない珍しい車種が多く、自然、資料も限られているので、読めないのは惜しい。

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なお、せっかく牽引車があるからには、砲を引かせてみたくなるのは人情(モデラー情?)というもの。しかも、この「長荷台」タイプが牽引する75mmM1898野砲も、シュコダ100mm vz.14/19野砲も、両方ともすでにFTFから発売されている。

……のだが、本当に(本当に本当に!!)残念なことに、キットは砲自体だけで、一緒に連ねて牽引される弾薬リンバーがセットされていない。

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東京AFVの会2018(2)

●23日、東京AFVの会参加録の続き。

そういえば会場で司会の方が「平成最後の東京AFVの会です」と言っていた。そこをあえて2月ごろに臨時で!(誰がやるんだ)

午後のトークは、グムカの高田裕久氏。模型業界裏話。「この話は会場を一歩出たら忘れるように」とのことだったので、ここに書くわけにはいかない。

トーク内容とは関係ないが、高田さんは現在、ズリーニに入れ込んでいて、その資料本を出すそうだ。本来今年中に出す気で進めていたものの遅れ、実際の出版は来年春ごろ?

同人誌形式で出すものの、YSその他大手模型店には卸すそう。これは買い逃すわけにはいかない(個人的に)。

●1年ぶりに“ハラT”青木伸也氏に会う。相変わらず、模型(および実車考証)1割、脱線9割みたいな話を大いに楽しむ。

ケン太さんとも1年ぶり。お初のhn-nh氏とも会う。hn-nhさんについては、緻密な考証と工作から、(失礼ながら勝手な想像で)鋭く厳しい感じの方をイメージしていたのだが、実際には人あたりの柔らかい気さくな方だった。不良在庫(^^;)のエレール72「コードロン・シムーン」を進呈。代わりにブロンコのマチルダの後期型履帯を10数リンク(予備履帯用)、さらにATTACK 1:72のタトラ版アエロサン(Tatra V855)を頂く。

20181224_231835 前者は、タミヤの「ソ連軍版マチルダ」でカマボコ状センターガイドの穴が塞がっており、せめて予備履帯だけでもなんとかしたい……と言っていたことに関する救いの手。後者は「2つ入りキットで、でも2つは作らないから」とのこと。どうもありがとうございます。

昼食は、ケン太さん、hn-nhさん、hiranumaさんと青木氏、総勢5人で本多劇場前のインドカレー屋。

ちなみ青木氏はますます膨張している感じで、本人にもそう指摘したのだが、本人曰く、それは私のイメージの中にある青木氏が痩せていて、相対的に太って見えるだけであり、実際には(以前より)太っているわけではないと強硬に主張。閉会後に寄ったサニーでも「詰まって井伏鱒二の山椒魚状態になるから(特に狭い)横通路に入るな」と囃したら「回転も可能だ」と返された。いや、金子辰也さんだって「確かに危ない」って言ってたし(笑)。

いやまあ、からかってアレコレ言ったけれども、マジで食生活は改めれ。健康が心配だから。

●昼食時の、ハラT青木氏によるT-34関連話題。

T-34・ナット砲塔の「上側面一体・鍛造型」砲塔の装甲の厚みについて。「加工について考えると、実は通常の鋳造型よりかなり装甲が薄いのでは」説があるが、少なくとも、下端の縁部、および砲耳カバーの付く前面開口部に関しては、それなりに厚みが確認できる写真がある。したがって、(それだけで薄かったものがある可能性を全面的に否定はできないものの)鍛造でそれなりに厚みのある砲塔があったのは確か。

T-34.・ピロシキ砲塔溶接型で、砲塔後面が台形ならスターリングラード工場、エッジが丸く後面板が長方形ならハリコフ工場と即断するのは安直過ぎ、実際は砲塔はある程度融通があったのでは。

T-34のリアパネルのヒンジが各工場で形が違うのは、開閉の機能だけで部品を注文・調達した結果、たまたま形が違ってしまっただけはなく、実は各工場製で細部の部品にいろいろ違いがあるために、補給上識別しやすいようにあえて変えてあるのではないか。

ちなみに3番目の新仮説に関し、「しかしベルリン戦あたりで、同一部隊で183(ウラル工場)製と112(クラスナエ・ソルモヴォ工場)製が混じっている写真があるだろう」と言ったら、「そこはそれ、現場ではガンガン叩いてはめ込んじゃう訳ですワ」と言われる。いやまあ、それはそれでありそうだけれども(笑)。

●お初ではないけれども顔は覚えていなかった(失礼)めがーぬ氏とも会う。美しく筆塗りされた氏の作品に関しては前回記事参照のこと。

スキャメルとラフリーはハンブロール、BT-42はライフカラー。使用感覚など聞く。私はどちらもまだ使ったことがない……。

高野さん、サンダースさんらとも会場で少し話す。他にもSUMICON関係、JAPANミニチュアフォーラム関係、あるいはfacebookのAFV模型製作研究会関係で見知っている人が何人もいたはずだが、会場がかなり込み合っていたこともあってあえて声を掛けて回ることもせず、すれ違い状態。「かば◎のヤツ、オレに一言の挨拶もなく!」と思った方は失礼。

●ここ2年ほど、「次回の課題」の会場発表はなく、しばらく経ってからTwitterで発表されていたのだが(去年など、会場に行って初めて課題を知った)、今回は会場発表あり。次回の課題は「ソ連」だそうだ。

ソ連陸物ファンモデラーとしては、この挑戦に応えないわけには行かぬ!

などと思ったりもするが、あまりにストレートに「ソ連」などと言われると逆にヒネりようが判らない。いや、ヒネらなきゃいけないってもんじゃないけれど。

●反省点。

ケン太さんに、私の作品梱包の(毎度の)いい加減さについて厳しく指摘される(ちなみに今回は百均の取っ手付きケースに、周りに適当にティッシュを詰めて、横倒しに車輛を突っ込んで持って行った。

「壊れそうで怖い。その梱包を見るたびにケースを作ってあげたくなる」

いや、うん。ええと。善処します。ちなみに今回の梱包は、昨年持って行って詰めたままになっていたT-34を表に放り出して入れ替えただけ。T-34はそのまま机の上に乗っている。

●閉会後、ぞろぞろとサニーへ行く。

「サニーに行ったら買おうと思っていたものがあった気がするんだけれど思い出せない」と言ったら、青木氏に「前も同じことを言っていた」と指摘された。ブログを遡ったところ、確かに一昨年の記事にも同様のことが書いてあった。もしかしたらサニーに行くたびに同じことを言っているor考えているのかもしれない。年寄くさいなあ……。

上記「買おうと思っていたもの」ではないが、FTF 1:72 C4P牽引車を購入。詳細はまた改めて。

(今ふっと思ったのだが、IBGのシュコダ100mm榴弾砲が欲しかったのかもしれない。いやしかし、不良在庫を増やすだけのような気も)

●例年、東京AFVの会の後は青木氏と、サニーの後は四谷仙波堂にハシゴし、その後、適当に夕食&酒をして別れるというスケジュールだったのだが、今年は「家族サービスの予定を入れていない」というケン太さんと、さらにめがーぬさんも誘って軽く飲むことに。

青木氏のリクエストもあり、九段下の「おかってや」を目指したのだが、なんと閉まっていた。ネットで調べると定休日とある(最初に調べろよって感じ)。しかし、以前にAFVの会の後(当然日曜日)に、青木氏と行って飲んだことがあるんだよなあ。

いきなりハシゴを外されてしまった感があって途方に暮れるが、結局、神保町すずらん通りの中華料理屋で夕食&飲み。その後4人で秋葉原まで歩き、マクドナルドでコーヒーを飲んで駄弁って解散。

青木氏とお馬鹿な話をしていると、ケン太さんに「双方突っ込まないまま、互いにボケ倒すだけで話が進んでいく」と大いに呆れられる。多くは語らなかったが、めがーぬさんも呆れていたと思う。み……見捨てないで……。

●当日の話のネタの補遺。

・ドイツ戦車の履帯を履いた鹵獲T-34について。

「II号戦車D型の履帯を履いてる」と私が言ったのは、Mark IV巡航戦車の鹵獲仕様と混同したもので、もう一度画像(動画)を見てみたら、明らかにもっと幅広のものを履いていた。

上記動画はドイツ軍の対戦車戦闘の教材用フィルムの断片だが、1分36秒あたりから件のT-34が登場する。サイト「Beutepanzer」にも同一車輛が出ていて、それによれば、II/zBV-66所属車で、使用されている履帯はI号F型/II号J型用(この2種って同じ履帯なの?)だそうだ。

履帯のピッチが細かく、起動輪は通常の歯車形式でガタ付きも少なそうなので、元より乗り心地はよくなっていそうだ。

・「ラフリーW15 TCC」の1:35キットについて。

めがーぬさんが72で作った「ラフリーW15 TCC」(ラフリーの47mm砲搭載自走砲)に関して、会場で「35の新キットが出るんですよ」という話を(めがーぬさんに)したのだが、実際には、BLITZ(というメーカー)が以前に出したものを再版する、という話だった。最近ARMORAMAの新製品情報ページでチラ見して、早とちりして覚えていたもの。

ちなみにめがーぬさんとは、「どこかのメーカーで、前にレジンキットが一度出てましたよね」という話もしたのだが、調べてみたところ、AL-Byから。ほか、DESから1:48でも出ていた模様。

・ポーランド、レミ(REMI)社のバキューム・ストラクチャーについて。

4人で移動中、レミのバキュームキットの話に。青木氏は(なぜか)風車小屋のキットを持っているそうだ(ちなみに私は、その風車小屋も、そして水車小屋も持っている)。

20181224_013507 東欧で共産政権が倒れて雨後の筍のようにわらわら小メーカーが出現し、一方で円も高かったころ、レミのバキュームは通販だと二束三文で買えたので、かなり多種を買い、今でもそこそこストックがある。……ほぼジオラマなんて作らないのに、どうするんだ。

そして話に出した、私の同社キット唯一の完成品「泉」というのはこれ。下に敷いてあるカッティングマットのマス目は5cm。

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東京AFVの会2018(1)

●23日日曜日。下北沢の「北沢タウンホール」で開催の「東京AFVの会」に出掛ける。

当「かばぶ」を遡って見てみたら、2014年末に久しぶりに参加して以降は5年連続で参加しているので、すっかり年末恒例行事と化している感あり。

朝、家を出て駅までの真ん中あたりまで歩いたところで財布を忘れて出てきたことに気付き、家に戻って「サザエさんか」と嗤われるなどのアクシデント(というより単なる迂闊)もあったものの、開場時間にそれほど遅れることなく到着。それでも、貰った作品カードの番号は確か137番だったから、出品作品の総数は200は超えていたのではないかと思う。

来場者も多く、昼前後になると作品展示テーブルの周りはすれ違うのも苦労するほど。

展示作品の写真は漫然と撮っただけで、数的にもジャンルのバランス的にも不足かつ適当で、しかも改めて見直すと、私自身が見て気になった作品、気に入った作品もだいぶ撮り忘れている。まあ、混んでいるし、見ているだけで結構「お腹いっぱい」になってしまって、どうしても写真はおざなりになるんだよな……(←言い訳)。

●というわけで、以下、なんとか写真を撮った出品作のうち、著しくピンボケでなかったものをランダムに。

▼まずはジオラマ部門から。

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1枚目はSUMICONでご一緒した高野さんの作品で、今回、大賞を受賞。SUMICON完成報告時よりもジオラマとしてさらに進化していた。手前に伏せさせられている現地の人々は、各社立ち姿のフィギュアを改造したものである由。3枚目のサン・シャモンが主役のジオラマは、シチュエーション的にちょっと珍しいロシア革命の内戦時。

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ちょっとピンボケで申し訳ないが、(個人的にも)かなり懐かしいマッチボックスのB1bis&FTを、キット付属のベースに載せた「ストレート・フロム・ボックス」仕様で鮮やかに仕上げたものが出品されていた。4枚目の朝鮮戦争の1シーンは、朽ちたGAZのシートのスプリングが凝っている。

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2枚のフィンランド軍ジオラマは、写真で見ると大きく見えるが、2つとも1:72。素敵。作者と少しお話したが、フィンランド軍保有のT-28E(増加装甲付きT-28)の増加装甲は、本国ソ連の標準仕様と形状に差があり、本国版に倣ってフィンランドで独自改修した可能性が高い由。……えっ、そうだったの?

その下のドイツ国内市街戦のシーンは、表の「市電を踏み潰すJS」に加え、手前下段に「地下水道に身を潜める避難民&ドイツ軍残党」の2段構成。実は最初のうち気付かなかった。

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hn-nhさんのプラハ蜂起の即製自走砲2景。web上で見て感じていたより、さらに迷彩塗装が「ふわっ」とした感じで美しかった。後出のロレーヌ自走砲もそうだが、オープントップの装甲板から内部機構も含め見るからに繊細で、絶対に作者以外は触れちゃイカン的。

3枚目は個人的にかなり気に入った、北アフリカへの戦車移送シーンの(特に縦方向に)大きなジオラマ。いろいろと「ええっ!?」というポイントがあって、クレーンの吊り下げワイヤが途中で切れているにもかかわらず(戦車自体は舷側から支えている)結構リアルだったり、普通は黒塗りの板で表現して終わりそうな裏側(船の内側)が作り込んであったり。最大の特徴は(実はそれも他人に言われてようやく気付いたが)、強い日差しで出来た車輛等の影が、全部塗装表現されていること。その手の塗装は、実際の証明による影とダブってしまって不自然に見えるのではという先入観があったが、照明の陰よりもコントラストが強く、きちんと効果が上がっていた、と思う。

▼単品、ガレージキット、スクラッチ部門。

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hn-nhさんの新作ロレーヌ。(ロレーヌのキットは3社のものをストックしているので当然判っているはずにもかかわらず)第一印象は、「わ、小さい」。戦闘室後部に置かれた「夜間飛行」のミニチュア本をしげしげと観察するのを忘れた。というよりも、そもそも老眼鏡を掛けていないとその辺は無理(一方、老眼鏡を掛けていると歩き回る際は、遠近感が狂ってちょっと危ない)。あ、SUMICON完成報告時よりも誘導輪が上がってる!

駆逐戦車マレシャルはスクラッチ作品。頭の中でボンヤリとイメージしていたよりもさらに小さかった。足回りはアエロプラストかな? 会場で誰かから「足回りも自作だって」と聞いて、後から再確認しようと思っていて忘れた。

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ケン太さんのエイブラムスは今回SUMICONでリタイアで終わったものの完遂版。現用には詳しくないが、ハリネズミのような砲塔上部の機銃群、屋根瓦風補助装甲など、いかにも現代市街戦対応な感じ。ケン太さんらしい作り込みが映えている。

次の3枚はめがーぬさんのスキャメル、BT-42、ラフリー自走砲。筆塗りの迷彩は、写真で見て思っていたよりさらに表面に粗さがなく綺麗な気がした。奥まったところに固めて置いてあって、あまりじっくり見られなかったのがちょっと残念(ラフリーは撤収前に目の前で見たけれど)。

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青木センセの新作M3スチュアート。「スターリネッツ」の文字はドラゴンのT-34かどこからかパクッてきたそうだ。「新キットをサクッと作る」のはいいなあ……。って、私自身、RODENのホルトを買った時にはそうしようと思っていたのだった。

2枚目は「戦車大好き」さんのPT-76B。この国籍マークってどこだっけ(と思ったが、北ベトナム軍のようだ)。車輛についてもキットに付いても詳しくないが、イースタン製品をここまでの状態に仕上げるというのを想像しただけで何となくゾクッとする。

次の2枚はhiranumaさんの作品。アランのBA-20とイタレリI号B。ミゼット/釣り/スイカのジオラマも出展されていたのだが、撮り忘れた。I号戦車はピンボケ失礼。イタレリのI号B、あるいはI号指揮戦車は、いずれ挑戦したいテーマだが、hiranumaさんの「尖頭ボルト自作植え」は到底私の工作力の及ぶところではない。

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zhukovさんのT-72系ほか3枚。相変わらずソ連・ロシア現用の各形式の見分けは付かないが、補助装甲類をこれでもかと貼り付けたハリネズミ的姿には惹かれている。

4枚目はロシア製レジンキット(たぶん)の自走舟艇とトラクター。アイテム的にも民生用と思われる派手な塗装にも、個人的にかなり惹かれた作品。ピンボケ失礼。

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上段2枚は、前回は未塗装の白い状態で出品されていたパッヘルベルさんの10.5cmカノン砲K-17。今年は塗装されてベースとフィギュアも付いて登場。下段はリベットさんのインデペンダントとT1。確か前者がレジンキットで後者はスクラッチ。

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クルセーダー・ベース?の17ポンド砲牽引車。ちらりと移っているのは巨大スケールのミサイルランチャーの足回り(現用に疎いので形式名を忘れた)。メルカバの地雷処理車、ティーガーの中期型。

4枚目のミニスケールはパンツ化―グラウ縛りの(おおよそ)初期のドイツAFV群(オーバーラップ転輪の新型II号等もちょっと混じっている)。全体的に写真が黒っぽくディテールが不明になってしまって失礼。キットはS-modelやIBGのThe WORLD at WARなどさまざま。基本72だが、I号戦車はフジミの76である由。作者と「フジミのI号は傑作ですよね!」と意気投合する。

▼課題、フィギュア、なつかし部門。

今回の課題は「ハーフトラック」。私のホルト75もこの部門で出品した(会場での自作品は撮らなかった。というか撮り忘れた)。

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課題コーナーで出品されていたが、懐かし部門でも(ジオラマ部門でも)そのまま通用する、中尾さんのモノグラム製ハーフトラック2作。モノグラムのAFVは全部1:32なのかと思っていたら、中尾さん曰く、ハーフトラック(およびパットン?)は1:35なのだそうだ。実際、近くに展示されていた他社の1:35のM3ハーフトラックと比べても、大きさに差は感じられなかった。

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作者のお名前は控えてこなかったが、同一作者による課題作コーナーの作品数点。イーゼル風の作品札や、外したボンネット側板を「机」に置いた演出がオシャレ。

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課題コーナーの37mm機関砲搭載5tハーフ。トラペのキットで、とんでもなく組みづらかったという説明がついていた。柴田和久氏のパンターとヤクパンは「懐かし部門」に出品されたニチモ製。次も懐かし部門のタミヤ製ダイムラー・スカウトカー。最後の一枚はフィギュア部門から。この部門もそれなりの数が出品されていたのだが、相変わらず力尽きて全然撮っていない。

最後に、入賞作品の集合写真を。

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●私のホルト75は、前日にちょっと塗装を追加した。

ラジエーターからのナナメ支柱で塗装の剥げている部分をタッチアップし、排気管や履帯にパステルでさび色を追加。接地面への銀のドライブラシや鉛筆磨き、さらにウェザリングマスターのホコリ汚れも改めて少し重ねた。

チッピングもそれなりに追加しようと思ったのだが、こわごわ始めてみたもののあまりうまく行かず早々に諦めた。

20181224_111537 何しろ2018年発売の新キットでもあり、一方でマイナー車輛なので実車に関してもキットに関してもあまり浸透しておらず、そのまま出すと「ふーん、珍しい車輛だね」「なるほど、そういうキットなんだね」で終わってしまいそうな気がしたので、あざとく工作中のポイントの写真を数点まとめて1枚の紙に印刷、作品に添えて展示した。

そのあざとさが功を奏し?、課題部門で第一位を頂いた。私の作品に票を入れてくれた皆さん、本当にどうもありがとうございます。2014年の東京AFVの会でも、ポーランド軍用ソクウ・サイドカー(Sokół 1000/CWS M111)でガレージキット部門3位を頂いているのだが、その時は、確かガレージキット部門の出品自体が5つくらいしかなかった。その点、今回はそれなりの数から選んでいただいていて、結構ウレシイ。

長くなったので、当日の「交遊録」等については改めて。

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ブレゲ―のバッタ(2)

●Azur 1:72のブレゲー27(Breguet 27)。ごくごくわずかな進捗。

機首下のオイルクーラー(?)と、主脚、尾輪を付けた。ほか、下翼と胴体のわずかな隙間を埋めるなどの地道な作業を少々。

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主脚、前回もすでに付いてる写真があったことにお気付きの方もいるかもしれないが、あれはただ単に差し込んであっただけ。なお、主脚パーツはそれぞれ左右貼り合わせだが、スパッツと車輪は一体。まあ、72なら許容範囲かな……。

翼面積の大半を担っている上翼が付いてないこの状態だと、「ラスト・エグザイル」のヴァンシップっぽい。そういえば、2種付いていて余った方の胴体でヴァンシップを作ろうか、なんて考えていたのを思い出した。

ちなみに上写真の胴体は、ラジエーターが機首にある輸出型(Breguet 273?)。

尾輪は以下のような感じ。

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キットのままだと細い支柱がいずれ折れそうな気がしたので、金属線に交換。その際、キットのパーツは支柱がテールブームに対し垂直に付いてしまう感じだったのを後傾させた。支柱の長さはキットのパーツに準拠させたのだが、実機写真と見比べるとちょっと長めだったかも。今更面倒なのでもう直さない。

なお、この尾輪も、機種のオイルクーラーもそうだが、パーツには接着位置のガイドになるようなものがなく、組立説明図でもおおまかに「このへんにツケル」みたいな指示しかない(結局は塗装説明の側面図を参考にした)。

●なんでこんなわずかな進捗を書いたかと言うと、脚を付けた結果として

キットのキャラメル箱の中に(物理的に)入らなくなったので、そのまま箱に放り込んで、また長期放置というわけにいかなくなった

――という、(状況的には)大きな変化があったというのがひとつの理由。いやまあ、そんな状態で放置してある在庫も結構あるんですがね(エレールのアルカンシエルとか)。

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「ポテ」か「ポテーズ」か

●ブレゲー27のついでに、戦間期フランス機(とそのキット)について少々。

そもそも戦間期の機体などというものは、軍用機の場合は実戦での活躍もなく、民間機やレース機などでも、当時の記録飛行などに対して現代ではあまり知られていないことも多く、キット的には恵まれていないのが普通。

しかし、ことフランス機に関しては、かつて、エレール(Heller)が自国フランスの誇りに掛けて(?)、かなりの種類を出している(加えて、今ではAzurもある)。エレールのキットはパネルラインが基本凸筋だったり、布目表現がオーバーだったり、全体的にモールドが手彫り感あふれていたりと、今の目で見ると多少古さも感じるものの、基本、実機への思い入れも感じる好キットが多い。

1940年戦役当時の新型機(ドヴォアチンD520やポテーズ631、63-11、リオレオリヴィエLeO45など)のキットが(おそらくそちらの方が相対的に有名機なので)発売時期が古く、さすがにちょっとつらい出来なのに比べ、マイナーな戦間機はエレールの技術がそれなりに上がってからのキットが多いことも、その理由となっている。

もともと戦車モデラーだった私が、第一次大戦機以外の飛行機にも入れ込むようになったのは、大学の時に作ったエレールのPZL P.11cからなので(それもどうなのか、という選択だが)、エレールというメーカーにはそれなりに愛着があり、同社のフランス機(戦間期~大戦)のキットは、古い黄箱や黑箱、再版の白箱、チェコのスムニェル(SMĚR)版等取り混ぜて、かなり持っている。

――そのくせ、ほとんど完成させることもなく死蔵されているのはお恥ずかしい限り。

戦間期のフランス機は、どうも何と言うか、「空飛ぶ軽トラ」というか「空飛ぶオート三輪」といいったデザインのものが多い(実用一点張り、という意味ではなく、「空を飛ぶ機械としてその形はいかがなものか」という意味で)。1940年時の主力戦闘機であったモラン・ソルニエMS406もそうだが、少なくともあれを格好いいと思う人は、世の中、あまりいないと思う(ヒネたモデラー的には「ブサ格好いい」と思うが)。少なくとも、その辺の機体を見ている限り、「フランス人のファッションセンス」というものは、実はだいぶ怪しいのでは、と思えてくる。

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上3つは、たまたまストック棚の表層近くにあってすぐに取り出せたもので、どちらかといえば普通にそれなりに格好いい系になってしまった。「うわ、格好悪い」系だと、アミオの角ばった双発爆撃機とかを出したかったところ。

1つ目は、第一次大戦末のモラン・ソルニエA1に連なるパラソル翼戦闘機、モラン・ソルニエMS225.。2つ目は前回の話の中にも出てきたニューポール・ドラージュの一葉半(セスキプラン)戦闘機、NiD42系のNiD622。3つ目のキットは、hn-nhさんのところでも話題になった、サンテグジュペリも乗っていた(そして不時着させた)コードロン・シムーン。

ちなみにサンテグジュペリを、日本では「サン=テグジュペリ」と書くことが多いが、実際の綴りは「Saint-Exupéry」(サン(ト)・エグジュペリ)であり、t音はリエゾンで現れているわけなので、「サン」と切り離して「テグジュペリ」と書くのはちょっと抵抗がある(個人的にそう感じるだけで、サン=テグジュペリと書くのはおかしいよ!と主張するつもりは全くない)。

ところで、箱を開けたらシムーンが2機入っていて、しかも他にもストックがあるようなので、hn-nhさん、一機貰ってくれません?

●さて、表題の話。

フランス語は、英語や日本語のローマ字の感覚で言うと綴りに対して「変な読み方」をすることが多いが、実際には英語よりも規則性は高い(と思う)。単語末の子音は読まない、aiは「エ」、ouは「ウ」、auは「オ」、oiは「ワ」、inは「アン」と読むことなどを覚えていると、なんとなくフランス語らしい、くらいの読みにはなる。

とはいっても、特に単語末の子音に関しては固有名詞では変則読みも多く、飛行機(のメーカー)名でも迷うことがある。

その一つが、戦間期にそれなりに多くの機体を製造した「Potez」で、日本語の資料だと、「ポテ」だったり「ポテーズ」だったり、中には「ポテツ」と書いてあるものもある。日本語版wikipediaの記述でもそのへんが揺れていて、現2018年12月中旬時点で立項されている記事だと、航空機メーカーは「ポテ」、個別機種は、「ポテーズ 25」「ポテ 630」「ポテ 63.11」「ポテ 75」となっている。

ここだけ見ると「ポテ」が多数派だが、英語版wikipediaの「Potez」の項を見ると、名称に [pɔtɛz] の発音記号を添えている。また、外国語の発音に関しては個人的に非常にお世話になっているサイト、「発音ガイドFORVO」には、「potez」単体でのフランス語での登録はないものの、人名らしい「Louis Potez」が出ていて、明らかに「(ルイ・)ポテーズ」と発音している。どうやら「ポテーズ」が正解らしい。単純に「potez」だけだと、クロアチア語での登録が2件ある。もしかしたら創業者のアンリ・ポテーズは元をたどるとクロアチア系だったりするのかもしれない(フランス語版wikipediaにも、そんなような記述はないので、まるっきり想像だが)。

同じくフランスの航空機メーカーだと、「Bloch」も日本語表記が「ブロッシュ」だったり「ブロック」だったりしてややこしい。これも創業者(Marcel Bloch)の名前なのだが、ユダヤ系で、どうも「ブロック」と読むのが正しいらしい。創業者自身が、戦後、(兄のレジスタンス時代の変名を貰って)マルセル・ダッソーと改名、メーカー名もダッソーになった。

このへんは、フランス人だと(慣れで)何と読むかパッと判ったりするんだろうか? 綴りで読みが規則的に導き出せないなんて不便じゃないんだろうか――などと思ったのだが、考えてみれば、日本語の名前なんて、字を見ただけでは読めないものがあふれかえっているのだった(そのぶん、日本語は「フリガナを振る」こともよくあるが)。

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ブレゲ―のバッタ

20181218_204619 ●久しぶりに「飛行機を作りたい気分」になり、インパクト/パイロのマーチン・ハンダサイドをいじっているわけだが、作りかけで放り出してあるキットは他にもたくさんある。

そんななかから、マーチン・ハンダサイドと並行していじるためにもう一つ掘り出してきた(こんなことをしているから共倒れになって完成しなくなるわけだが)。

ものは、Azurの1:72、ブレゲ―27(Breguet 27)。

●実機について。

戦間期のフランス製偵察機だが、とにかく、一見して「いったいこりゃ何の冗談?」と言いたいスタイルをしている。胴体は後部偵察員/銃手のすぐ後ろで断ち切れたようになっていて、そこからブームが伸びて尾翼ユニットを支えている。なんというか、頭でっかちで胴が小さいバッタの幼虫のようだ。もちろん、後部偵察員/銃手の視界・射界をとことんよくしたかったのだろうが、それにしたってこれは……。

20181218_214237 エンジンは側面に排気口が1・2・2・1という、イスパノ・スイザ系らしい配置。主翼はフランスが大好きな一葉半(セスキプラン)形式だが、上翼が、これまたバカでかい。72キットのなかで、ここだけが48キットなの?と思うほど。ここまで違ったら、もう下翼無しのパラソル翼でいいんじゃないかなあ……(ということで生まれたのがレ・ミュロー110シリーズなのかもしれない)。

同じ一葉半でも、ニューポール・ドラージュ42シリーズなどだと、主翼支柱がそのまま下方まで突き抜け、主脚支柱の一部も兼ねていて、前方から見ると逆三角形のラインがとてもオシャレに見えるのだが、この機の場合は、主脚は胴体と主翼支柱の中間あたりに、唐突に一本支柱で付いている。左右間隔は広いので滑走の安定性は高そうだが、なんだかこれまた格好悪い。

というわけで、見るからにゲテモノな飛行機なのだが、不思議なのは、飛行機のスタイリングに関してかなり辛口の評論をすることが多い佐貫亦男先生が、どういうわけかこの機を誉めていること。

「飛行機のスタイリング」(グリーンアロー出版社)のなかの第7章「フランスが腐るとき」のなかで、ブレゲ―27に関し、こんなふうに書いている。

 ブレゲ―19のあとを継いだブレゲ―27などはフランスらしいエスプリに満ちていた。すなわち、一葉半機の上翼だけに上反角をつけ、中央で前方倒立V字形支柱と風貌枠(その間に斜柱一本)によって支持し、両舷翼間支柱はV字形で、さらに張線はない。脚柱は単輪間隔を大きくとって左右一本だけにすぎない。
 これだけでもスッキリとしたが、スタイリングの目玉として後方偵察者席のすぐ後ろで胴体は細い梁へ急変し、それに垂直尾翼を立て、平面形が楕円の水平尾翼をその中ほどにつけた。“ヤッタ、いいぞ”と激励したくなるではないか!

ちなみに、章のタイトルからもわかるように、この時期のフランス機に対しては、佐貫先生はおおよそ否定的。そもそもブレゲ―27では好意的に書いているように思える一葉半形式についても、ニューポール・ドラージュにかんする記述中では、その流麗なスタイルを裏切る低速について「これはまず一葉半に問題があったにちがいない」とし、「この一葉半形式は第一次世界大戦の郷愁にすぎず、それを張線なしにスタイリングしただけの自己満足にとどまる」と切って捨てている。

それでも、各形式合わせて100機以上は生産されているようなので、それなりに見るべきところはあったのか……。いや、一代前のブレゲー19は世界中で使われて、ライセンス生産を含めると3000機近く生産されたらしいから、落差は大きい。やはり、このスタイルがうさんくさく思われたというのもあるんじゃなかろうか。とはいっても、模型としてはもちろん、このゲテモノ加減がよい(←変?)。

●キット概観。

AzurはMPM/Special hobby系の、いわゆる「チェコ簡易」。もっとも比較的最近発売されたものなので(といっても、今Scalemateで調べてみたらもう15年以上前の製品だった)、「いかにも簡易!」なデロデロざらざらしたものではなく、胴体表面なども型はきれいに磨かれていてパーツ表面に光沢があり、筋彫りも上品。

ただ、やはり簡易インジェクションだなと思うのは、プラパーツは主要部、胴体・翼・脚の他は数点のみで、コクピット内などの小パーツはレジン。パーツ数的にはレジンパーツの方が多い。風防はバキュームフォーム。

ちなみに、今回久々に掘り出した時点で、すでにコクピットは組んであり、胴体左右は貼り合わせてあったので、割とすぐに(飛行機模型製作時の中間地点的な)「士の字」になった。

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コクピットの中は前述のようにおおよそレジンパーツで、72としては十分すぎる出来。なお、この機のスタイルとして、最初に「(胴体が途中で断ち切れて)そこからブームが伸びて尾翼ユニットを支えている」と書いたが、コクピット内を見ると、床の中心に尾部に繋がる柱があって、そこからフットペダルや操縦桿も生えている状態。

つまり、「エンジンから尾翼に繋がる丈夫な柱」がむしろ胴体の本質で、コクピットを覆っているのはむしろナセルというかフェアリング程度のものであるらしい。

なお、下翼を付けた後で、前席の逆U字形の構造材とフットペダルの片方の部品が外れてコクピット内でカラカラ行っているのに気付いた。前者はなんとかピンセットで位置を調整して再接着したが、後者は奧過ぎて届かず、結局外れたまま。作りかけで長く放置しすぎるからこんなことに……。

20181218_214336 キットは胴体が2種入っていて、フランス空軍向けのBr270と、冷却器が機首前面にある輸出仕様のBr273の2種が作れるようになっている(説明書の塗装解説図ではそれぞれBr27とBr270になっているのだが、おそらく間違い)。輸出型のほうは(私の模型製作テーマのひとつでもある)中華民国空軍機のデカールが入っている

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素晴らしきヒコーキ野郎(5)

●ホルト75トラクターがとりあえず完成して、さて、次に何をいじろうかというところで、久しく遠ざかっていた飛行機を1機くらい何とかしたいと思い始めた。

作りかけのネタもずいぶんたくさんあるが、その中でも「何とかしたいネタ筆頭格」の1:48.マーチン・ハンダサイドを引っ張り出してきた。

製作記の前回は一昨年の12月。前々回はなんと2009年11月。……なんてこったい。

20181215_214807 ●いちいち遡って読む面倒を省くために、改めて簡単なキット紹介を。

キットは今は亡きパイロ社のものだが、これ自体も再版もので、初版はインパクト(Inpact)という会社から、(たぶん)1960年代後半、映画素晴らしきヒコーキ野郎」(Those Magnificent Men in Their Flying Machines)とのタイアップで発売された、古典機6機種シリーズの1機。

というわけでたっぷり50年前の、ほとんど骨董品と言えるキット。しかし、確かに各所に古さは見えるしパーツ数も多くはないが、決してオモチャじみてはおらず、しっかり「スケールモデル」としてこだわって作られていて、なんとかその素性の良さを活かして作ってやりたくなる。

このキットの機体は、説明書によれば、1911年型、マーチン・ハンダサイド3号機(Martin-Handasyde No.3)。発売された6機種の中ではおそらく最も無名で、実際、これを私が手に入れた頃(20年以上前)には、「これ、ホントにある機体なの?」と思ったくらいだが、最近になって、web上で何枚か、まさにこの3号機の写真を見つけることができた。

そんなこんなで、作るモチベーションも(わずかながら)アップしてきているところ。

●で、前回(2年前)からの進捗状況。木製ニス塗りであるらしい胴体を塗装した。

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とはいっても、これを塗ったのは(確か)もう半年くらいも前のことで、ここ数日「改めて作り始めた」と言っているのは、布地表現がモールドされている主尾翼表面に、スポンジヤスリを掛けて若干表現をおとなしめにしようとしているくらい。

なお、胴体の塗装に関しては、茶系のさまざまな色を塗ってはサンドペーパー等で粗く落とし、また塗り重ね、最後にタミヤエナメルのクリアオレンジを全体に塗るという方法を採った。

木の深みのようなものを出したくてそうしたのだが、なんとなくそれらしく出来たようにも、ちょっと汚らしいようにも見えるのが、私の塗装の腕のなさ。もしかしたらもう一度くらいクリアオレンジを重ねるかも。

20181215_224450 ●もう一点は、主脚前方の転倒防止スキッド先端の改修。

キットは先端が単純なムクの“ダマ”状になっていたので、一度切り離し、スプーン状に中をくりぬいた。

支柱は切り飛ばした分を延長してスプーン内側にリベットで止めてある状態を再現。

ちなみにこれも(たぶん)半年以上前に工作したもの。

●主脚柱も塗り分けて取り付けたり、エンジンも気化器部分を追加して塗ったりしたいのだが、実は(細かい塗り分けの説明が出ている)説明書がどこかに埋もれて行方不明になってしまった。なんという管理能力の低さ。

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TACAMキターーーー!

●アナウンスはしばらく前にあったので発売されるのは知っていたが、とうとうメーカーのサイトで近日発売と発表された。

miniartのTACAM T-60、キターーーー!

miniartのT-60シリーズが開始された直後は、まさかここまで同社が手を伸ばしてくるとは思わす、「TACAMのためにT-60を買おうか」なんて思ったりもしたのだが……。うむ。これは何としても買おう。

骨までしゃぶりつくすようなバリエーション展開をしてくる同社のことなので、緩衝ゴム内蔵転輪にフレームアンテナ付きのTACAM T-60もそのうち出して来たりして……。

ちなみに、キットの塗装指示図3例のうち1つは連合国側に付いてからの星のマーク。そうやらキットでは「白丸に赤星」のデカールを付けてくるようだが、実際には、このマークは「白丸の星ヌキ」で、星の部分は下地の基本塗装のカーキらしい。ここ最近になってまた新説が出てきたのでなければ、だが。

●そういえばフユイチゴ(この寒い季節に熟す変なキイチゴ)の時季だなと思い、池子弾薬庫跡地と鎌倉との市境の尾根道を久々に歩く。

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真っ赤な色だけ見ると、オレンジ色のカジイチゴやモミジイチゴよりも甘そうだが、実際には、いくつか食べると額に汗がにじんでくるほど酸っぱい。一応甘みもあり、爽やかな酸っぱさなのでそれなりに美味しいが、量が採れるならむしろジャムか何かにしたほうが美味いかも。

●午後遅めに行ったので、先日の三浦富士での「山道でどんどん暗くなって大焦り」の反省に立ち、十二所果樹園までは行かずにもっと手前の光触寺に降りる。

こちらはハイキングコースから外れた踏み分け道程度のものなので、途中でちょっと迷いそうになったり、倒木に道を塞がれていて焦ったり、「横須賀軍港境域標」を再確認したり。いや、前回もちょっと迷ったんだった。あんまり経験生かせてないな……。

なお、下の写真はそれなりに明るく写っているが、これはスマホの自動修正の結果で、この時はもうすでに4時を過ぎて薄暗くなりかけていた。

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●我が家のチビ(小学3年生)が自分で作った小さなテディベア。

最近の子供はナイフも針も使えない、なんてことがよく言われるが、少なくともウチは、その辺だけは心配ない。常に何か作っているし。

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ホルトの鈍牛(11) とりあえずの完成披露

●RODEN 1:35、HOLT 75重砲牽引車の製作記。

エントリーしていた、「週末模型親父」さんのところのSUMICON 2018の締め切りが11月末日。しかし、前回「ほとんど組立てが終了」と書き込んで以来、仕事が立て込んだせいもあって、まったく製作がストップしてしまった。

そんなわけで、残り一週間を切って、ようやく(最後の最後に残っていた)ラジエーターのナナメ支柱を工作、続いて塗装に入る。サーフェサーを吹いて、その1,2時間後には基本色を吹くという、私としては驚異的なスパート。

とは言いつつも、塗装の便を考えてブロックごとに分けてあったのだが、塗り終わったラジエーターブロックを取り付ける段になって、なかなかうまくいかず、取り落としてせっかくのナナメ支柱を2本とも付け根で折ってしまった。おかげで、一部真鍮地が出ているので、タッチアップの必要あり。……AFVの会までには何とかしよう。

●そんなわけで、かなりやっつけ仕事でやり残し感はあるものの、とりあえずなんとか見られる状態まで仕上げて、SUMICON BBSに、締切直前の駆け込みで完成報告をすることができた。

この後、もう少しウェザリングを重ねたい気もするが、ここでも現時点の「SUMICON終了時」状態のお披露目をしておく。

まずは全体形。

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バックの問題か、だいぶOD~カーキっぽく写っているが、実際はもう少し緑っぽい。

屋根の四周には、実際にはホコリ除け?のカーテンが付いていることが多いのだが、巻き上げられた長い布地の工作が面倒だったこと、せっかく付けた梁材や支柱のリベットが隠れてしまうのがもったいない気がしたことなどから、結局取り付けなかった。なお、当時の実車写真でも、カーテンが付けられていない車輛も少数だが確認できる。

続いて寄った写真。エンジン左右、操縦席周りなど。

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排気管の焼け鉄色は、もう少しなんとかしたい感じ。エンジン右隣りの楕円断面はラジエーターの水タンク。操縦席左側の円筒形が、たぶん燃料タンク。

ただし、ラジエータータンクからの配管はあるのだが、燃料タンク(?)はどことも接続していない。真下からパイプが出ているようなのだが形状が今ひとつよく判らず、どのみち陰になってよく見えないのをいいことに再現をサボった。

トランスミッションから燃料タンクの下を通り、車体左側に突き出ているのは、何らかの動力取り出し口(いわゆるPTO、パワーテイクオフ)ではないかと思われ、その場合、先端にそれなりのディテールがあると思うのだが、これまたよく判る写真がなくてそのままとした。

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足回り。クローラー部は、各部の寸法バランスに関する修正はかなり場当たり的ではあったが、それでもキットのままよりはだいぶ実車に近くなったと思う。とはいえ、起動輪がやや小径と思われること、上部転輪の高低差、起動輪と転輪桁との位置関係など、直し切れていないものも結構ある。フェンダーとの位置関係からすると、起動輪自体、もう少し前にずらすべきだったと思う。

なお、以前にも書いたように、軍用のホルトはほぼもれなく、履帯にグローサーを装着しているのだが、追加工作が面倒だったのでサボっている。その代わりと言っては何だが、裏側のリンク部に関しては穴開け/レール部の工作などを行っている。横から見た時にそれなりに見えるので、面倒だがやってよかったと思う。

前輪ユニットが収まるリング正面の「W↑D」はキットのデカール。どんな意味があるマーキングなのかは知らないが、英軍・米軍ともに軍用として使われたホルトの多くに書き込まれているようだ。デカールには他にシリアルナンバー等が付属しているのだが、そもそも(前述のように)第一次大戦当時の一般的な軍用ホルトとしては足りない部分もあるので、特定車輛の再現は諦め、ナンバーは貼らなかった。

(追記:セータ☆さんから、WDはイギリス戦争省を示す略号、↑はイギリスの官給品に付けられるブロードアローと呼ばれる記号であると教わった。どうもありがとうございます)

ハンドルから長く伸びたシャフト先端の笠歯車は、実際には上半分にカバーがかかっているようだが、いま一つ形状がつかめず、これまたサボった。

●SUMICON掲示板に完成報告の書き込みをしたところ、「西表島の水牛車を思い浮かべた」と言われた。た、確かに似ている!

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写真はwikimedia commonsから。

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