東京AFVの会2018(2)
●23日、東京AFVの会参加録の続き。
そういえば会場で司会の方が「平成最後の東京AFVの会です」と言っていた。そこをあえて2月ごろに臨時で!(誰がやるんだ)
午後のトークは、グムカの高田裕久氏。模型業界裏話。「この話は会場を一歩出たら忘れるように」とのことだったので、ここに書くわけにはいかない。
トーク内容とは関係ないが、高田さんは現在、ズリーニに入れ込んでいて、その資料本を出すそうだ。本来今年中に出す気で進めていたものの遅れ、実際の出版は来年春ごろ?
同人誌形式で出すものの、YSその他大手模型店には卸すそう。これは買い逃すわけにはいかない(個人的に)。
●1年ぶりに“ハラT”青木伸也氏に会う。相変わらず、模型(および実車考証)1割、脱線9割みたいな話を大いに楽しむ。
ケン太さんとも1年ぶり。お初のhn-nh氏とも会う。hn-nhさんについては、緻密な考証と工作から、(失礼ながら勝手な想像で)鋭く厳しい感じの方をイメージしていたのだが、実際には人あたりの柔らかい気さくな方だった。不良在庫(^^;)のエレール72「コードロン・シムーン」を進呈。代わりにブロンコのマチルダの後期型履帯を10数リンク(予備履帯用)、さらにATTACK 1:72のタトラ版アエロサン(Tatra V855)を頂く。
前者は、タミヤの「ソ連軍版マチルダ」でカマボコ状センターガイドの穴が塞がっており、せめて予備履帯だけでもなんとかしたい……と言っていたことに関する救いの手。後者は「2つ入りキットで、でも2つは作らないから」とのこと。どうもありがとうございます。
昼食は、ケン太さん、hn-nhさん、hiranumaさんと青木氏、総勢5人で本多劇場前のインドカレー屋。
ちなみ青木氏はますます膨張している感じで、本人にもそう指摘したのだが、本人曰く、それは私のイメージの中にある青木氏が痩せていて、相対的に太って見えるだけであり、実際には(以前より)太っているわけではないと強硬に主張。閉会後に寄ったサニーでも「詰まって井伏鱒二の山椒魚状態になるから(特に狭い)横通路に入るな」と囃したら「回転も可能だ」と返された。いや、金子辰也さんだって「確かに危ない」って言ってたし(笑)。
いやまあ、からかってアレコレ言ったけれども、マジで食生活は改めれ。健康が心配だから。
●昼食時の、ハラT青木氏によるT-34関連話題。
T-34・ナット砲塔の「上側面一体・鍛造型」砲塔の装甲の厚みについて。「加工について考えると、実は通常の鋳造型よりかなり装甲が薄いのでは」説があるが、少なくとも、下端の縁部、および砲耳カバーの付く前面開口部に関しては、それなりに厚みが確認できる写真がある。したがって、(それだけで薄かったものがある可能性を全面的に否定はできないものの)鍛造でそれなりに厚みのある砲塔があったのは確か。
T-34.・ピロシキ砲塔溶接型で、砲塔後面が台形ならスターリングラード工場、エッジが丸く後面板が長方形ならハリコフ工場と即断するのは安直過ぎ、実際は砲塔はある程度融通があったのでは。
T-34のリアパネルのヒンジが各工場で形が違うのは、開閉の機能だけで部品を注文・調達した結果、たまたま形が違ってしまっただけはなく、実は各工場製で細部の部品にいろいろ違いがあるために、補給上識別しやすいようにあえて変えてあるのではないか。
ちなみに3番目の新仮説に関し、「しかしベルリン戦あたりで、同一部隊で183(ウラル工場)製と112(クラスナエ・ソルモヴォ工場)製が混じっている写真があるだろう」と言ったら、「そこはそれ、現場ではガンガン叩いてはめ込んじゃう訳ですワ」と言われる。いやまあ、それはそれでありそうだけれども(笑)。
●お初ではないけれども顔は覚えていなかった(失礼)めがーぬ氏とも会う。美しく筆塗りされた氏の作品に関しては前回記事参照のこと。
スキャメルとラフリーはハンブロール、BT-42はライフカラー。使用感覚など聞く。私はどちらもまだ使ったことがない……。
高野さん、サンダースさんらとも会場で少し話す。他にもSUMICON関係、JAPANミニチュアフォーラム関係、あるいはfacebookのAFV模型製作研究会関係で見知っている人が何人もいたはずだが、会場がかなり込み合っていたこともあってあえて声を掛けて回ることもせず、すれ違い状態。「かば◎のヤツ、オレに一言の挨拶もなく!」と思った方は失礼。
●ここ2年ほど、「次回の課題」の会場発表はなく、しばらく経ってからTwitterで発表されていたのだが(去年など、会場に行って初めて課題を知った)、今回は会場発表あり。次回の課題は「ソ連」だそうだ。
ソ連陸物ファンモデラーとしては、この挑戦に応えないわけには行かぬ!
などと思ったりもするが、あまりにストレートに「ソ連」などと言われると逆にヒネりようが判らない。いや、ヒネらなきゃいけないってもんじゃないけれど。
●反省点。
ケン太さんに、私の作品梱包の(毎度の)いい加減さについて厳しく指摘される(ちなみに今回は百均の取っ手付きケースに、周りに適当にティッシュを詰めて、横倒しに車輛を突っ込んで持って行った。
「壊れそうで怖い。その梱包を見るたびにケースを作ってあげたくなる」
いや、うん。ええと。善処します。ちなみに今回の梱包は、昨年持って行って詰めたままになっていたT-34を表に放り出して入れ替えただけ。T-34はそのまま机の上に乗っている。
●閉会後、ぞろぞろとサニーへ行く。
「サニーに行ったら買おうと思っていたものがあった気がするんだけれど思い出せない」と言ったら、青木氏に「前も同じことを言っていた」と指摘された。ブログを遡ったところ、確かに一昨年の記事にも同様のことが書いてあった。もしかしたらサニーに行くたびに同じことを言っているor考えているのかもしれない。年寄くさいなあ……。
上記「買おうと思っていたもの」ではないが、FTF 1:72 C4P牽引車を購入。詳細はまた改めて。
(今ふっと思ったのだが、IBGのシュコダ100mm榴弾砲が欲しかったのかもしれない。いやしかし、不良在庫を増やすだけのような気も)
●例年、東京AFVの会の後は青木氏と、サニーの後は四谷仙波堂にハシゴし、その後、適当に夕食&酒をして別れるというスケジュールだったのだが、今年は「家族サービスの予定を入れていない」というケン太さんと、さらにめがーぬさんも誘って軽く飲むことに。
青木氏のリクエストもあり、九段下の「おかってや」を目指したのだが、なんと閉まっていた。ネットで調べると定休日とある(最初に調べろよって感じ)。しかし、以前にAFVの会の後(当然日曜日)に、青木氏と行って飲んだことがあるんだよなあ。
いきなりハシゴを外されてしまった感があって途方に暮れるが、結局、神保町すずらん通りの中華料理屋で夕食&飲み。その後4人で秋葉原まで歩き、マクドナルドでコーヒーを飲んで駄弁って解散。
青木氏とお馬鹿な話をしていると、ケン太さんに「双方突っ込まないまま、互いにボケ倒すだけで話が進んでいく」と大いに呆れられる。多くは語らなかったが、めがーぬさんも呆れていたと思う。み……見捨てないで……。
●当日の話のネタの補遺。
・ドイツ戦車の履帯を履いた鹵獲T-34について。
「II号戦車D型の履帯を履いてる」と私が言ったのは、Mark IV巡航戦車の鹵獲仕様と混同したもので、もう一度画像(動画)を見てみたら、明らかにもっと幅広のものを履いていた。
上記動画はドイツ軍の対戦車戦闘の教材用フィルムの断片だが、1分36秒あたりから件のT-34が登場する。サイト「Beutepanzer」にも同一車輛が出ていて、それによれば、II/zBV-66所属車で、使用されている履帯はI号F型/II号J型用(この2種って同じ履帯なの?)だそうだ。
履帯のピッチが細かく、起動輪は通常の歯車形式でガタ付きも少なそうなので、元より乗り心地はよくなっていそうだ。
・「ラフリーW15 TCC」の1:35キットについて。
めがーぬさんが72で作った「ラフリーW15 TCC」(ラフリーの47mm砲搭載自走砲)に関して、会場で「35の新キットが出るんですよ」という話を(めがーぬさんに)したのだが、実際には、BLITZ(というメーカー)が以前に出したものを再版する、という話だった。最近ARMORAMAの新製品情報ページでチラ見して、早とちりして覚えていたもの。
ちなみにめがーぬさんとは、「どこかのメーカーで、前にレジンキットが一度出てましたよね」という話もしたのだが、調べてみたところ、AL-Byから。ほか、DESから1:48でも出ていた模様。
・ポーランド、レミ(REMI)社のバキューム・ストラクチャーについて。
4人で移動中、レミのバキュームキットの話に。青木氏は(なぜか)風車小屋のキットを持っているそうだ(ちなみに私は、その風車小屋も、そして水車小屋も持っている)。
東欧で共産政権が倒れて雨後の筍のようにわらわら小メーカーが出現し、一方で円も高かったころ、レミのバキュームは通販だと二束三文で買えたので、かなり多種を買い、今でもそこそこストックがある。……ほぼジオラマなんて作らないのに、どうするんだ。
そして話に出した、私の同社キット唯一の完成品「泉」というのはこれ。下に敷いてあるカッティングマットのマス目は5cm。
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コメント
日曜日はありがとうございました。ヽ(´▽`)/
.. 書き言葉と話すことにズレがあるらしく、よく言われます。
前に(全く別ジャンルの)フォーラムのオフ会でも、イメージと違うと言われました。
文字情報だけだと、例えばこの記事を読んで、青木氏は模型店の通路の狭い隙間でぐるぐると回転するハンプティダンプティなのかと誤解する人もいるかも(笑)
ボイテT-34の変な履帯はI号F型/II号J型用だったのですね。しかし、何でそんなマイナーな履帯を使ったのかしら、 Ⅲ/Ⅳ号履帯使ったほうが補充が楽そうに思うけど、何か別な理由があるんでしょうね。たとえば鋳物屋さんがうっかりI号F型/II号J型用履帯を量産してしまって不良在庫がいっぱいあったとか..
投稿: hn-nh | 2018年12月25日 (火) 19時45分
かの有名な「II号D型履帯のマークIV巡航戦車」は、火炎放射戦車部隊の支援車輛として配属されていて、要するに、II号Dの履帯を使ったのはパーツ共通化の意味もあったものと思われます。
で、この変履帯のT-34は、上に書いたように「Beutepanzer」によればII/zBV-66所属車だそうなんですが、この部隊の第一中隊(つまり I/zBV-66)は、VK1601(II号J)、VK1801(I号F)装備だそうで、これまた、パーツ共通ということのようです。
まあ、そういうことでもなきゃ、I号F/II号Jの履帯なんて、敵のT-34の履帯よりさらに入手しづらそうですもんね。
ただ、もう一つ謎なのは、起動輪はまったく別物を使っているらしいことで……これはいったいどこから持って来たんだろう。
>>青木氏は模型店の通路の狭い隙間でぐるぐると回転するハンプティダンプティ
え……? それはあんまり実物と乖離していない気が。
投稿: かば◎ | 2018年12月25日 (火) 20時27分
いや~
楽しい時間をありがとうございました。
「カエル帝国入口」について語らうことができたので満足しました。
投稿: めがーぬ | 2018年12月25日 (火) 21時53分
かば◎さん
噴水いいですね〜
この手の造形物は好きなのですがなかなか出会いがなくてストックに在りません。
探してみようか、、
投稿: hiranuma | 2018年12月26日 (水) 22時44分
>hiranumaさん
REMIのバキューム・ストラクチャーはいろいろ買い込んだのですが、どこに仕舞い込んだか不明のものも多いです。
買った当時は1つ数百円だったので、面白がってあれこれ買っちゃったんですよね……。
ただし、基本的には「都市のアパートメントの壁」とか「崩れた教会の壁」とかが多かったと記憶しています。今、miniartで出ているストラクチャーと基本は同じような感じです。
投稿: かば◎ | 2018年12月27日 (木) 21時57分