素晴らしきヒコーキ野郎(5)
●ホルト75トラクターがとりあえず完成して、さて、次に何をいじろうかというところで、久しく遠ざかっていた飛行機を1機くらい何とかしたいと思い始めた。
作りかけのネタもずいぶんたくさんあるが、その中でも「何とかしたいネタ筆頭格」の1:48.マーチン・ハンダサイドを引っ張り出してきた。
製作記の前回は一昨年の12月。前々回はなんと2009年11月。……なんてこったい。
●いちいち遡って読む面倒を省くために、改めて簡単なキット紹介を。
キットは今は亡きパイロ社のものだが、これ自体も再版もので、初版はインパクト(Inpact)という会社から、(たぶん)1960年代後半、映画素晴らしきヒコーキ野郎」(Those Magnificent Men in Their Flying Machines)とのタイアップで発売された、古典機6機種シリーズの1機。
というわけでたっぷり50年前の、ほとんど骨董品と言えるキット。しかし、確かに各所に古さは見えるしパーツ数も多くはないが、決してオモチャじみてはおらず、しっかり「スケールモデル」としてこだわって作られていて、なんとかその素性の良さを活かして作ってやりたくなる。
このキットの機体は、説明書によれば、1911年型、マーチン・ハンダサイド3号機(Martin-Handasyde No.3)。発売された6機種の中ではおそらく最も無名で、実際、これを私が手に入れた頃(20年以上前)には、「これ、ホントにある機体なの?」と思ったくらいだが、最近になって、web上で何枚か、まさにこの3号機の写真を見つけることができた。
そんなこんなで、作るモチベーションも(わずかながら)アップしてきているところ。
●で、前回(2年前)からの進捗状況。木製ニス塗りであるらしい胴体を塗装した。
とはいっても、これを塗ったのは(確か)もう半年くらいも前のことで、ここ数日「改めて作り始めた」と言っているのは、布地表現がモールドされている主尾翼表面に、スポンジヤスリを掛けて若干表現をおとなしめにしようとしているくらい。
なお、胴体の塗装に関しては、茶系のさまざまな色を塗ってはサンドペーパー等で粗く落とし、また塗り重ね、最後にタミヤエナメルのクリアオレンジを全体に塗るという方法を採った。
木の深みのようなものを出したくてそうしたのだが、なんとなくそれらしく出来たようにも、ちょっと汚らしいようにも見えるのが、私の塗装の腕のなさ。もしかしたらもう一度くらいクリアオレンジを重ねるかも。
キットは先端が単純なムクの“ダマ”状になっていたので、一度切り離し、スプーン状に中をくりぬいた。
支柱は切り飛ばした分を延長してスプーン内側にリベットで止めてある状態を再現。
ちなみにこれも(たぶん)半年以上前に工作したもの。
●主脚柱も塗り分けて取り付けたり、エンジンも気化器部分を追加して塗ったりしたいのだが、実は(細かい塗り分けの説明が出ている)説明書がどこかに埋もれて行方不明になってしまった。なんという管理能力の低さ。
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コメント
なんと!10年がかりの制作じゃないですかー (人のことは言えない...)
塗装の木の色の表現がいいですね。
ぱっと見で何かの楽器か煙管(キセル)の類かと思いましたよ。
素朴な機体ですが、つんのめり防止?のスキッドがついてるんですね。
投稿: hn-nh | 2018年12月16日 (日) 06時49分
どうもありがとうございます。
こんなに製作に時間が掛かっているのは、陸物に比べると、どうしても製作に自信が持てないというか、「思い切り」が持てないというか……。
ちょっといじっては箱にしまう、というのを繰り返しているからです。
いやまあ、ちょっとお手付きしてそのまま仕舞い込んで、その後いじりもせずに10年以上ってキットもたくさんあるんですけどね。
機体は、三角胴体に直線テーパー翼と、明らかに、ブレリオとドーバー横断を争ったアントワネット機を意識して(というかパクって)作られていますが、アントワネットよりはだいぶ小型で、かつ、操縦系統は摩訶不思議なアントワネット方式ではなく、主流となった操縦桿+フットペダル方式となっています。
なんでこんな超マイナー機がキット化されたんだろう、と、ちょっと不思議なんですが、もしかしたら、アントワネットをラインナップに加えたかったんだけれども(胴体の)サイズ的にシリーズに加えづらく、その代打でこれが出てきたんじゃないか、なんて考えています。
投稿: かば◎ | 2018年12月16日 (日) 10時25分
おお!久々のヒコーキネタですね。
木目の塗装が素敵です。
かばさんのこだわり工作による完成を楽しみにしてます!
投稿: マクタロウ | 2018年12月16日 (日) 19時28分
バイオリンみたいな質感が素敵です!
投稿: みやまえ | 2018年12月16日 (日) 21時57分
クリアオレンジで上塗りってのは思いつきませんでした。
今度機会があったらやってみます!
1/35の小銃とかで試してもいいかも!
投稿: みやまえ | 2018年12月16日 (日) 21時58分
>マクタロウさん
ありがとうございます。
マクタロウさんに激励されたら、ますますそのまま放り出すわけにはいかなくなってしまいます(笑)。
マクタロウさんの新作、ハンザ・ブランデンブルクも木製ニス塗り胴体が美しい機体ですよね。実は、久々にこれを引っ張り出したのは、マクタロウさんの掲示板でハンザ・ブランデンブルクを見て「うわ、いいなあ」と思ったからでもあるのです。
上品な木調塗装は、やはりマクタロウさんのほうがだいぶウワテです。
>みやまえさん
実は、このクリアオレンジを重ねるというのは、まさに、35のフィギュアの小銃の銃床の塗り方として、確かアーマーモデリングで以前に読んだのをマネしたんですよ。吉岡さんの記事だったかなー。
投稿: かば◎ | 2018年12月16日 (日) 22時53分
あのハンザ・ブランデンブルク1機は、かな~り昔に、かばさんから譲って頂いた物です。
やっと形に出来ましたよ。
ちなみに木目塗装は
(1)ラッカーのセールカラーで全体を塗る
この時にエッジやスジボリ部にウッドブラウンを吹いておく
(2)水性色鉛筆の茶色系2~3色で、木目方向に適当に線を引く
この時、スジボリ部に水性色鉛筆の黒を入れてる(スミ入れ)
(3)パネル毎に水を付けた筆でなでる(木目っぽくなるように)
この作業、納得いく雰囲気になるまでやり直したりします
(4)仕上げにクリアブラウン(クリアレッド+クリアグリーン、イエロー、オレンジもまぜたかな)
を吹き付けて出来上がり。
以上です。
投稿: マクタロウ | 2018年12月17日 (月) 21時25分
>マクタロウさん
なるほど、色鉛筆で描き込んで、それを「なびる(チバラギ方言?)」感じで木目っぽくしていくのですね。
色鉛筆は、何か特別な種類なんでしょうか?
確か、WAVEかどこかから、大判の「木目デカール」というのも出ていたと思うのですが、結構高いし、曲面や凹凸のある面に綺麗に貼れない気がします(特に私には)。
投稿: かば◎ | 2018年12月19日 (水) 11時52分